説明

間仕切り用移動家具

【課題】間仕切り位置の変更が容易であるにもかかわらず高い位置での作業が少なくて済む間仕切り用移動家具を提供する。
【解決手段】家具本体3の底面に、キャスター6を出退させるための開口が形成された水平板とその外周部から直角に立ち上がった垂直板とからなる昇降可能な支持台7と、支持台の昇降駆動機構8とで構成したリフトアップ装置9を設ける。リフトアップ装置による家具本体の下降によりキャスターが水平板の下方へ突出し、家具本体の上昇によりキャスターが水平板の上方へ退出するように構成する。家具本体の上面に天井面との隙間を埋める緩衝材を設けて、リフトアップ装置で家具本体を上昇させることにより緩衝材が天井面に接触するように構成する。家具本体の一側面に壁面との隙間を埋める緩衝材を設け、家具本体の反対側の側面には家具本体の幅方向に伸縮可能で且つ伸長させることにより壁面に接触する緩衝材を有する袖壁ユニット5を設ける。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば、書籍、衣類などを収納する家具としての機能と、部屋の可動間仕切りとしての機能を併せ持つ間仕切り用移動家具に関する。
【背景技術】
【0002】
車輪を備えた移動式の家具によって部屋の間仕切りを構成し、家族数の増減、子供の成長、部屋の用途の変更など、様々な理由に基づいて、間仕切り位置を変更できるようにした間仕切り用移動家具においては、室内への搬入や室内での移動を容易にするため、天井面や壁面との間に移動時の隙間(クリアランス)を確保することが必要であり、それでいて、所定位置に配置した際、天井面や壁面との隙間を密封して、光漏れや音漏れを極力回避できるようにすることが要求されている。
【0003】
このような要求に応えるために、従来から様々な提案がなされている。例えば、特許文献1には、下部に、ねじ操作によって底面から下方へ突き出した走行状態と、底面より浮上させた固定状態に切り換える昇降可能なキャスターを設ける一方、上部には、ねじ操作によって昇降される昇降部材を設けた間仕切り家具が記載されている。
【0004】
この従来例によれば、間仕切り家具の移動及び固定を行うためのキャスターの昇降操作と隙間(クリアランス)の形成及び密封操作とを上下二箇所で別個に行う必要があった。例えば、所定位置に配置されている間仕切り家具の位置を変更するに当たっては、先ず、上部の昇降部材を必要量下降させることにより、天井面との間に隙間を形成した状態で、キャスターを下降させることにより、キャスターを底面から下方へ突き出した走行状態とする。キャスターの下降につれて間仕切り家具はキャスターで上方へ持ち上げられることになるが、予め、上部の昇降部材を必要量下降させて、天井面との間に隙間を形成してあるため、間仕切り家具の下端を床面から浮かせた際、天井面が昇降部材で突き上げられることがない。
【0005】
この状態で間仕切り家具を所望の位置まで移動したら、キャスターを底面から上方へ引っ込めることで、間仕切り家具の下端を床面に降ろし、しかる後、ねじ操作により上部の昇降部材を上昇させて、間仕切り家具の上端と天井面の隙間を密封することになる。
【0006】
従って、この従来例では、上部の昇降部材を下降させて天井面との間に隙間を形成する作業と、キャスターを突き出して、間仕切り家具を持ち上げ、間仕切り家具の移動後、キャスターを引っ込めて、間仕切り家具を床面に置く作業と、上部の昇降部材を上昇させて天井面との間の隙間を密封する作業とを、この順に行う必要があり、高い位置での作業が多いと言う問題点があった。
【0007】
特許文献2には、下部に、レバーの揺動操作によって底面から下方へ突き出した走行状態と、底面より浮上させた固定状態に切り換える昇降可能なキャスターを設ける一方、上部及び一側部には、天井面との隙間及び壁面との隙間を密封する磁石利用の着脱自在な閉塞体を設けた移動式家具が記載されている。閉塞体の一部にはゴム片又は柔軟な樹脂片が付設され、天井面や壁面との間の隙間に多少の大小があっても、これらが弾性変形して隙間を密封するように構成されている。
【0008】
この従来例は、間仕切り位置の変更に際して、間仕切りの側面と壁面との間にも移動を容易にするための隙間(クリアランス)を確保できるため、特許文献1の従来例に比して間仕切り位置の変更が容易である。
【0009】
しかしながら、上部の閉塞体を取り外して、天井面との間に隙間を形成する作業と、キャスターを突き出して、家具本体を持ち上げ、所定位置への移動後、キャスターを引っ込めて、家具本体を床面に置く作業と、上部の閉塞体を取り付けて天井面との間の隙間を密封する作業とを、この順に行う必要があり、高い位置での作業が多い点では、特許文献1の従来例と大同小異である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】特開平5−18029号公報
【特許文献2】特許第3297586号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
本発明は、上述した従来例の問題点を考慮に入れてなされたものであって、その目的とするところは、間仕切り位置の変更に際して、間仕切りの上面と天井面との間だけでなく、間仕切りの側面と壁面との間にも移動を容易にするための隙間(クリアランス)を確保できるため、間仕切り位置の変更が容易であるにもかかわらず高い位置での作業が少なくて済む間仕切り用移動家具を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記目的を達成するために、本発明が講じた技術手段は、次の通りである。即ち、請求項1に係る発明による間仕切り用移動家具は、部屋の間仕切りを行う移動家具であって、キャスターが固定された家具本体の底面に、キャスターを出退させるための開口が形成された水平板と当該支持板の外周部から直角に立ち上がり且つ家具本体の底板外周部から直角に垂下した化粧縁の内面に沿って上下にスライド可能な垂直板とからなる昇降可能な支持台と、支持台の昇降駆動機構とから成るリフトアップ装置を設けて、リフトアップ装置による家具本体の下降によりキャスターが開口から水平板の下方へ突出し且つ家具本体の上昇によりキャスターが開口から水平板の上方へ退出するように構成し、家具本体の上面に天井面との隙間を埋める緩衝材を設けて、リフトアップ装置で家具本体を上昇させることにより緩衝材が天井面に接触するように構成し、家具本体の一側面に壁面との隙間を埋める緩衝材を設け、家具本体の反対側の側面には家具本体の幅方向に伸縮可能で且つ伸長させることにより壁面に接触する緩衝材を有する袖壁ユニットを設けたことを特徴としている。
【0013】
請求項2に係る発明は、請求項1に記載の間仕切り用移動家具であって、家具本体が、幅方向に並べて配置され且つ互いに着脱自在に連結された複数の家具ユニットによって構成されていることを特徴としている。
【0014】
請求項3に係る発明は、請求項1又は2に記載の間仕切り用移動家具であって、袖壁ユニットが、家具本体の側面に対する取付け用の枠体と、当該枠体により幅方向にスライド自在に支持され且つ上下二箇所に設けられた水平なねじ軸の回転により前記枠体に対してスライドするように構成され、壁面との隙間を埋める緩衝材が設けられた可動枠と、当該可動枠の前後両面に取り付けた化粧板とで構成されていることを特徴としている。
【発明の効果】
【0015】
上記の構成によれば、リフトアップ装置で家具本体を下降させることにより、天井面との間に隙間が形成されると同時に、支持台が上昇するので、家具本体と一緒に下降するキャスターが支持台よりも下方へ突出して、家具本体の重量をキャスターで支持した状態となり、支持台と床面との間に隙間が形成される。また、袖壁ユニットを家具本体の幅方向
に縮小させることにより、壁面との間に隙間を形成することができる。
【0016】
従って、間仕切り位置の変更に際しては、天井面や壁面との間に移動に必要な隙間(クリアランス)を確保して、間仕切り用移動家具の移動を容易に行うことができる。
【0017】
それでいて、間仕切り用移動家具を所定位置に固定した際、天井面や壁面との隙間を密封して、光漏れや音漏れを極力回避できる。即ち、リフトアップ装置で家具本体を上昇させることにより、家具本体の上面の緩衝材が天井面に接触するのと並行して、支持台が下降するので、家具本体と一緒に上昇するキャスターが支持台の水平板の上方へ引っ込み、家具本体の重量を支持台で支持した状態となり、支持台と床面との間に形成されていた隙間が閉塞される。また、袖壁ユニットを家具本体の幅方向に伸長させることにより、家具本体の側面の緩衝材が壁面に接触し、袖壁ユニットと壁面との間の隙間を閉塞することができる。
【0018】
このように、本発明によれば、家具本体の底面に設けたリフトアップ装置で家具本体を下降させることにより、支持台が上昇して、家具本体の重量をキャスターで支持した状態となり、リフトアップ装置で家具本体を上昇させることにより、支持台が下降して、家具本体の重量を支持台で支持した状態となるので、天井面との間の隙間の形成及び密封を低位置に装備したリフトアップ装置の操作によって行うことができ、高い位置での作業が少なくて済むので、間仕切り家具の移動及び固定を容易に行える効果がある。
【0019】
殊に、請求項2に記載の発明によれば、家具本体が、幅方向に並べて配置され且つ互いに着脱自在に連結された複数の家具ユニットによって構成されているので、室内への搬入や室内での移動を一層容易に行える効果がある。
【0020】
請求項3に記載の発明によれば、袖壁ユニットが、家具本体の側面に対する取付け用の枠体と、当該枠体により幅方向にスライド自在に支持され且つ上下二箇所に設けられた水平なねじ軸の回転により前記枠体に対してスライドするように構成され、壁面との隙間を埋める緩衝材が設けられた可動枠と、当該可動枠の前後両面に取り付けた化粧板とで構成されているので、化粧板の上下寸法を床面から天井面までの高さに設定しておくだけで、袖壁ユニットと天井面及び床面との隙間を密封することができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】間仕切り用移動家具を備えた住宅の平面図である。
【図2】間仕切り用移動家具を備えた住宅の間仕切り変更途中の平面図である。
【図3】間仕切り用移動家具を固定した状態における正面図である。
【図4】間仕切り用移動家具を固定した状態における要部の横断平面図である。
【図5】間仕切り用移動家具を固定した状態における要部の縦断側面図である。
【図6】間仕切り用移動家具を移動する状態における要部の縦断側面図である。
【図7】間仕切り用移動家具を固定した状態におけるリフトアップ装置の縦断正面図である。
【図8】間仕切り用移動家具を移動する状態におけるリフトアップ装置の縦断正面図である。
【図9】間仕切り用移動家具を固定した状態における要部の横断平面図である。
【図10】間仕切り用移動家具を移動する状態における要部の横断平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
図1〜図4は、本発明に係る間仕切り用移動家具Aを備えた住宅の一例を示す。間仕切り用移動家具Aは、書籍、衣類などを収納する家具としての機能と、部屋の可動間仕切りとしての機能を併せ持つものであり、図1、図2に示すように、家族数の増減、子供の成
長、部屋の用途の変更など、様々な理由と必要に応じて、間仕切り用移動家具Aの配置を変えることで、間仕切り位置を変更できるように構成されている。図中の1は戸境壁、1aはその仕上げ材、2は室内壁を示す。
【0023】
間仕切り用移動家具Aの家具本体3は、住宅への搬入や部屋内での移動を容易にするために、幅方向に並べて配置され且つ互いに着脱自在にボルト・ナットで連結される複数の家具ユニットによって構成されている。全部の家具ユニットは、実質的に同じ構造であるが、一端側の家具ユニットには壁面との隙間を埋める緩衝材4aが設けられ、他端側の家具ユニットには袖壁ユニット5が連結される点で相違している。図示の例では、3個の家具ユニットを幅方向に並べて配置してあるが、部屋の広さに応じて家具ユニットを増減して用いることができる。また、それぞれの家具ユニットの連結方向を反対向きにすることもでき、仕切る部屋の用途に応じて収納の使い勝手を変更できる。さらに、間仕切り用移動家具を供給する者の効果として、住戸によって部屋の大きさが異なる場合でも、700mm幅、750mm幅、900mm幅といった規格型ユニットを組み合わせることで部屋の大きさにあった間仕切り用移動家具を供給でき、部屋の大きさに合わせてオーダーメイドで製造する必要がないので廉価に供給できる。
【0024】
家具本体3は、上下に分離可能に構成されており、天板3a、二重構造の底板3b、上下に分離可能な中段の仕切り板3c、上下に分離可能な背板3d、上下に分離可能な左右の側面板3eによって箱型に形成され、前面の開口部にはスライド丁番19によって揺動開閉自在に支持された上下に分離可能な扉3fが設けられている。底板3bの下方には底板3bの外周部から直角に垂下した化粧縁3gが設けられている。天板3aの上面には天上面との隙間を埋める緩衝材4bが設けられている。仕切り板3c、3cは、上下に分離可能かつ着脱自在なので、上部家具ユニットの扉3fを下部家具ユニットの背面側に設けるなどして、仕切る部屋の用途に応じて収納の使い勝手を変更できる。また、通常のマンションでは、天井に設けられる排気ダクトの関係で、各部屋の天井高さよりも室内廊下の天井高さが低いため、室内廊下を介して反対側の部屋に移動する場合、上部家具ユニットを分離することで移動が可能になる。
【0025】
家具本体3の底面には、複数のキャスター6が底板3bに対して固定された状態に設けられており、さらに、昇降可能な支持台7と、支持台7の昇降駆動機構8とから成るリフトアップ装置9が設けられている。支持台7は、キャスター6を出退させるための開口aが形成された水平板7aと当該支持板7aの外周部から直角に立ち上がり且つ前記化粧縁3gの内面に沿って上下にスライド可能な隙間閉塞用の垂直板7bとで構成されている。
【0026】
支持台7の昇降駆動機構8は、底板3bと支持台7の中間部に配置され、底板3bと支持台7に夫々複数の平行リンク10a、10bを介して枢支連結された中間可動枠11と、底板3bに対して回転のみ自在に支持され、上端にハンドル12を着脱自在に連結するための角軸状のハンドル連結部13aが形成された垂直なねじ軸13と、当該ねじ軸13に螺着したナット部材14と、当該ナット部材14と前記中間可動枠11を枢支連結する複数のリンク15とから構成されている。
【0027】
そして、前記ねじ軸13の一方向への回転に伴う前記ナット部14材の上昇により支持台7を上昇させてキャスター6を開口aから水平板7aの下方へ突出させ、前記ねじ軸13の逆方向への回転に伴う前記ナット部材14の下降により支持台7を押し下げて、キャスター6を開口aから水平板7aの上方へ退出させるように構成されている。16はねじ軸13を回転のみ自在に支持するブラケットであり、底板3bの下面に固定されている。bは、底板3bに形成された縦穴であり、この縦穴bにハンドル12に基部を挿入してハンドル連結部13aに差込み連結するように構成されている。
【0028】
袖壁ユニット5は、幅方向に伸縮可能で且つ伸長させることにより壁面に接触する緩衝材4cを有している。具体的に説明すると、袖壁ユニット5は、図9、図10に示すように、家具本体3の側面に対する取付け用の枠体5aと、当該枠体5aにより幅方向にスライド自在に支持され且つ上下二箇所に設けられた水平なねじ軸17の回転により前記枠体5aに対してスライドするように構成された可動枠5bと、当該可動枠5bの前後両面に取り付けた化粧板5cとで構成されている。化粧板5cの上下寸法は、上昇させた家具本体3の高さに合わせて設定されており、袖壁ユニット5と天井面及び床面との間に大きな隙間が生じないように構成されている。ねじ軸17は、可動枠5bの内面に固定したブラケットにより回転のみ自在に支持されている。枠体5aとそれに対向する家具本体3の側面板3eには、ねじ軸17に対応する位置に横方向の貫通孔cが形成されており、家具本体3の内側からドライバー18の先端で前記ねじ軸17を回転操作するように構成されている。
【0029】
尚、図示の例では、化粧板5cは、裏面に設けられた突起を可動枠5bの前後両面に形成したダボ孔に挿入して固定するように構成されているが、永久磁石による吸着など、他の手段によって固定するようにしてもよい、また、図示の例では、袖壁ユニット5と反対側の側面に設けられたので、緩衝材4aの取付け枠にも、同様な化粧板5dが設けられているが、緩衝材4aの断面形状によっては、化粧板5dを省略してもよい。
【0030】
上記の構成によれば、リフトアップ装置9で家具本体3を下降させることにより、天井面との間に隙間が形成されると同時に、支持台7が上昇するので、家具本体3と一緒に下降するキャスター6が支持台7よりも下方へ突出して、家具本体3の重量をキャスター6で支持した状態となり、支持台7と床面との間に隙間が形成される。また、袖壁ユニット5を家具本体3の幅方向に縮小させることにより、壁面との間に隙間を形成することができる。
【0031】
従って、間仕切り位置の変更に際しては、天井面や壁面との間に移動に必要な隙間(クリアランス)を確保して、間仕切り用移動家具Aの移動を容易に行うことができる。
【0032】
それでいて、間仕切り用移動家具Aを所定位置に固定した際、天井面や壁面との隙間を密封して、光漏れや音漏れを極力回避できる。即ち、リフトアップ装置9で家具本体3を上昇させることにより、家具本体3の上面の緩衝材5bが天井面に接触するのと並行して、支持台7が下降するので、家具本体3と一緒に上昇するキャスター6が支持台7の水平板7aの上方へ引っ込み、家具本体3の重量を支持台7で支持した状態となり、支持台7と床面との間に形成されていた隙間が閉塞される。また、袖壁ユニット5を家具本体3の幅方向に伸長させることにより、家具本体3の側面の緩衝材5aが壁面に接触し、袖壁ユニット5と壁面との間の隙間を閉塞することができる。
【0033】
上記の通り、この間仕切り用移動家具Aによれば、家具本体3の底面に設けたリフトアップ装置9で家具本体3を下降させることにより、支持台7が上昇して、家具本体3の重量をキャスター6で支持した状態となり、リフトアップ装置9で家具本体3を上昇させることにより、支持台7が下降して、家具本体3の重量を支持台7で支持した状態となるので、天井面との間の隙間の形成及び密封を低位置に装備したリフトアップ装置9の操作によって行うことができ、高い位置での作業が少なくて済むので、間仕切り用移動家具Aの移動及び固定を容易に行えることになる。
【0034】
殊に、家具本体3が、幅方向に並べて配置され且つ互いに着脱自在に連結された3個の家具ユニットによって構成されているので、室内への搬入や室内での移動を一層容易に行えるのである。例えば、端部の家具ユニットを部屋の所定位置に搬入したら、リフトアップ装置9で家具本体3を上昇させて固定状態とし、2個目の家具ユニットを横並びに配置
した後、リフトアップ装置9で家具本体3を上昇させて固定状態とし、これを端部の家具ユニットとボルト・ナットで連結した後、3個目のユニットを横並びに配置し、リフトアップ装置9で家具本体3を上昇させて固定状態とし、2個目の家具ユニットに連結すると共に、袖壁ユニット5を伸長させ、化粧板5c、5dを取り付けるといった作業手順で容易に間仕切り用移動家具Aによる部屋の間仕切りを構成でき、逆の手順で間仕切り用移動家具Aを分離しつつ移動して、間仕切り位置を変更できる。
【産業上の利用可能性】
【0035】
図示の実施形態においては、集合住宅の1住戸を例にとって本発明に係る間仕切り用移動家具を説明したが、本発明の間仕切り用移動家具は戸建住宅にも適用可能である。
【符号の説明】
【0036】
A 間仕切り用移動家具
a 開口
b 縦穴
c 貫通孔
1 戸境壁
1a 仕上げ材
2 室内壁
3 家具本体
3a 天板
3b 底板
3c 仕切り板
3d 背板
3e 側面板
3f 扉
3g 化粧縁
4a,4b,4c 緩衝材
5 袖壁ユニット
5a 枠体
5b 可動枠
5c,5d 化粧板
6 キャスター
7 支持台
7a 支持板
7b 垂直板
8 昇降駆動機構
9 リフトアップ装置
10a,10b 平行リンク
11 中間可動枠
12 ハンドル
13 ねじ軸
13a ハンドル連結部
14 ナット部材
15 リンク
16 ブラケット
17 ねじ軸
18 ドライバー
19 スライド丁番

【特許請求の範囲】
【請求項1】
部屋の間仕切りを行う移動家具であって、キャスターが固定された家具本体の底面に、キャスターを出退させるための開口が形成された水平板と当該支持板の外周部から直角に立ち上がり且つ家具本体の底板外周部から直角に垂下した化粧縁の内面に沿って上下にスライド可能な垂直板とからなる昇降可能な支持台と、支持台の昇降駆動機構とから成るリフトアップ装置を設けて、リフトアップ装置による家具本体の下降によりキャスターが開口から水平板の下方へ突出し且つ家具本体の上昇によりキャスターが開口から水平板の上方へ退出するように構成し、家具本体の上面に天井面との隙間を埋める緩衝材を設けて、リフトアップ装置で家具本体を上昇させることにより緩衝材が天井面に接触するように構成し、家具本体の一側面に壁面との隙間を埋める緩衝材を設け、家具本体の反対側の側面には家具本体の幅方向に伸縮可能で且つ伸長させることにより壁面に接触する緩衝材を有する袖壁ユニットを設けたことを特徴とする間仕切り用移動家具。
【請求項2】
家具本体が、幅方向に並べて配置され且つ互いに着脱自在に連結された複数の家具ユニットによって構成されていることを特徴とする請求項1に記載の間仕切り用移動家具。
【請求項3】
袖壁ユニットが、家具本体の側面に対する取付け用の枠体と、当該枠体により幅方向にスライド自在に支持され且つ上下二箇所に設けられた水平なねじ軸の回転により前記枠体に対してスライドするように構成され、壁面との隙間を埋める緩衝材が設けられた可動枠と、当該可動枠の前後両面に取り付けた化粧板とで構成されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の間仕切り用移動家具。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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