説明

間仕切装置

【課題】開放させた際における見栄えを向上し得るとともに、間仕切る際における間仕切パネルの操作性を向上し得る間仕切装置を提供する。
【解決手段】建物内空間を区画するように間仕切る間仕切装置1であって、幅方向両側に開口部2,3を形成するように配設される壁体10と、この壁体の一方面10bに沿うように、かつ該壁体の幅方向に沿って移動自在に引き違い状に配設され、前記両側の開口部をそれぞれに開閉する二枚の間仕切パネル20,30と、を備え、これら二枚の間仕切パネルのそれぞれは、前記両側の開口部を開放させた開位置において前記壁体と厚さ方向で重合する構成とされている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、建物内空間を区画するように間仕切る間仕切装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、複数枚の間仕切パネル等を備え、これら間仕切パネルによって建物内空間を区画するように間仕切る間仕切装置が知られている。一般的には、複数枚の間仕切パネルを引き違い状に建物内空間に建て付けて、該建物内空間を間仕切る構成とされているが、このようなものでは、間仕切パネルが目立ち易くなるという問題があった。
例えば、下記特許文献1では、居住空間に立設された袖壁としての外観を呈する間仕切装置本体の内部に、複数枚の間仕切材を収納する収納部を設けた間仕切装置が提案されている。これによれば、間仕切材を間仕切装置本体の内部の収納部に収納した状態では、間仕切装置本体が目障りとならず、美観を向上させることができるものではあった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2003−20872号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記特許文献1に記載された間仕切装置では、間仕切装置本体の内部の収納部から間仕切材を外部に引き出して間仕切りする構成とされているため、間仕切材の操作がし難く、更なる改善が望まれていた。
【0005】
本発明は、上記実情に鑑みてなされたものであり、開放させた際における見栄えを向上し得るとともに、間仕切る際における間仕切パネルの操作性を向上し得る間仕切装置を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、本発明に係る間仕切装置は、建物内空間を区画するように間仕切る間仕切装置であって、幅方向両側に開口部を形成するように配設される壁体と、この壁体の一方面に沿うように、かつ該壁体の幅方向に沿って移動自在に引き違い状に配設され、前記両側の開口部をそれぞれに開閉する二枚の間仕切パネルと、を備え、これら二枚の間仕切パネルのそれぞれは、前記両側の開口部を開放させた開位置において前記壁体と厚さ方向で重合する構成とされていることを特徴とする。
【0007】
本発明においては、前記二枚の間仕切パネルのそれぞれの閉鎖方向先側端部に、厚さ方向反壁体側に向けて開口し、両間仕切パネルが開位置において手掛操作可能となる位置に位置付けられる凹状の手掛部をそれぞれに設けてもよい。
また、本発明においては、前記二枚の間仕切パネルを、それぞれの幅寸法が略同寸法とされたものとし、両間仕切パネルが開位置において、前記手掛部が設けられた部位を除いて前記壁体の厚さ方向で互いに概ね重合し、かつこれら二枚の間仕切パネルのそれぞれの閉鎖方向先側端面が前記壁体の両側端面のそれぞれに幅方向において概ね一致するように位置付けられる構成としてもよい。
【0008】
また、本発明においては、前記壁体の両側端部に、当該壁体の幅方向両側に向けてそれぞれに開口する収納凹所を設けてもよい。
また、本発明においては、前記壁体の一側端部側収納凹所を開閉する一側端部側開閉扉を備えたものとし、前記壁体の一側端部の一方面側縁部に、前記二枚の間仕切パネルのうちの壁体側の間仕切パネルの戸当り突部を厚さ方向に沿って突出するように設け、前記一側端部側収納凹所の前記戸当り突部側の内側壁の開口縁に切欠部を設け、該切欠部が設けられた位置に、前記一側端部側開閉扉の垂直状の回動支点を概ね位置させるようにしてもよい。
また、本発明においては、前記壁体の他側端部側収納凹所を開閉する他側端部側開閉扉を備えたものとし、該他側端部側収納凹所の両内側壁の開口縁に、前記他側端部側開閉扉の両側端部の戸当状部を形成するように閉状態における該他側端部側開閉扉の両側端部をそれぞれに受け入れる切欠部をそれぞれ設け、一方の切欠部が設けられた位置に、前記他側端部側開閉扉の垂直状の回動支点を概ね位置させた構成とし、かつ、前記壁体の一側端部側収納凹所の前記戸当り突部側の内側壁の切欠部を、前記一側端部側開閉扉の一側端部の戸当状部となるように閉状態における該一側端部側開閉扉の一側端部を受け入れる構成とする一方、該一側端部側収納凹所の反戸当り突部側の内側壁の開口縁に、前記一側端部側開閉扉の他側端部の戸当状部を形成するように閉状態における該一側端部側開閉扉の他側端部を受け入れる切欠部を設けてもよい。
【発明の効果】
【0009】
本発明に係る間仕切装置は、上述のような構成としたことで、開放させた際における見栄えを向上させることができるとともに、間仕切る際における間仕切パネルの操作性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】(a)、(b)は、いずれも本発明の一実施形態に係る間仕切装置の一例を用いた間仕切構造の一例を模式的に示し、(a)は、一部破断概略正面図、(b)は、(a)におけるX1−X1線矢視に対応させた一部破断概略横断面図である。
【図2】(a)、(b)は、いずれも同間仕切装置の各間仕切パネルを閉位置とした状態を模式的に示し、(a)は、一部破断概略正面図、(b)は、(a)におけるX2−X2線矢視に対応させた一部破断概略横断面図である。
【図3】(a)は、図1(a)におけるY1−Y1線矢視に対応させた一部破断概略縦断面図、(b)は、図1(a)におけるY2−Y2線矢視に対応させた一部破断概略縦断面図である。
【図4】図1(b)におけるZ部に対応させた一部破断概略拡大横断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下に本発明の実施の形態について、図面に基づいて説明する。
なお、一部の図では、他図に付している詳細な符号の一部を省略している。
また、以下の実施形態では、図1(b)に示すV方向から見た状態を基準として、図1(b)における上側を後方側、下側を前方側とし、また、間仕切装置が施工された状態を基準として、その方向等を原則的に説明する。
また、図3及び図4では、収納凹所を開閉する開閉扉を開放させた状態を図示している。
【0012】
図1〜図4は、本実施形態に係る間仕切装置の一例を模式的に示す図である。
本実施形態に係る間仕切装置1は、図1及び図2に示すように、幅方向(図示左右方向)両側に開口部2,3を形成するように配設される壁体10と、この壁体10の後面(一方面)10bに沿うように配設される二枚の間仕切パネル20,30と、を備えている。これら間仕切パネル20,30は、壁体10の幅方向に沿って移動自在に引き違い状に配設され、両側の開口部2,3をそれぞれに開閉する構成とされている。
【0013】
この間仕切装置1は、住居等の建物内に設置され、これら壁体10及び二枚の間仕切パネル20,30によって該建物内空間を区画するように間仕切る構成とされている。
図例では、左右両側の内壁面4,5にそれぞれ隣接する奥側内壁面6の手前側においてこの奥側内壁面6に対して略平行となるように間仕切装置1を配設し、これら内壁面4,5,6と当該間仕切装置1とによって建物内空間に収納空間を区画形成した例を示している。また、図例では、奥側内壁面6に沿わせるようにして複数枚の側板や棚板等からなる収納ユニット9を配設した例を示している。なお、収納ユニット9としては、図例のような側板や棚板等を組み合わせた態様に限られず、上下や左右に移動可能とされた可動棚や、前後にスライドするスライド棚等を設けるようにしてもよく、また、棚板に代えて、または加えて作業机板等を設けるようにしてもよい。
【0014】
壁体10は、床面8から天井面7に至る高さ寸法とされており、図例では、この壁体10を、左右両側の内壁面4,5間の略中央位置に固定的に配設した例を示している。つまり、壁体10の両側の開口部2,3のそれぞれの幅寸法が略同一寸法となるように壁体10を配設した例を示している。
これら両側の開口部2,3は、それぞれ略床面8から略天井面7までの高さ寸法とされており、図例では、これら各開口部2,3の上側を天井面7によって区画する一方、下側を床面8によって区画した例を示している。また、図例では、左側開口部2の左右両側を左側内壁面4及び壁体10の左側端面10cによってそれぞれ区画し、右側開口部3の左右両側を壁体10の右側端面10d及び右側内壁面5によってそれぞれ区画した例を示している。つまり、図例では、各間仕切パネル20,30の戸先端部(閉鎖方向先側端部)の戸当縦枠等を設けずに、壁仕上げ面(左右両側の内壁面4,5)をそれぞれの間仕切パネル20,30の戸先側の戸当り部とした例を示している。
【0015】
これら間仕切パネル20,30のそれぞれは、図1(b)に示すように、両側の開口部2,3を開放させた開位置において壁体10と厚さ方向で重合する構成とされている。つまり、図1(a)に示すように、壁体10の手前側(他方面側)において壁体10に対面した状態では、両間仕切パネル20,30の全体が壁体10によって隠された状態となる。また、この状態では、上記収納空間と、その手前側の例えばリビング等の居室空間とが各開口部2,3を介して連通され、これら開口部2,3を介してこれら収納空間と居室空間との往来が可能となる。
【0016】
一方、図2に示すように、二枚の間仕切パネル20,30のそれぞれを、各開口部2,3を閉鎖させた閉位置とすれば、両間仕切パネル20,30の各戸先端面(閉鎖方向先側端面)21,31が各内壁面4,5に当接する。また、この状態では、両間仕切パネル20,30の戸尻端部(閉鎖方向基端部)と壁体10の幅方向両側の各側端部11,16とが壁体10の厚さ方向で互いにそれぞれ重合し、上記収納空間と上記居室空間とが当該間仕切装置1によって概ね遮断される。この閉位置における各間仕切パネル20,30の戸尻端部と壁体10の各側端部11,16との重ね合わせ部位の各幅寸法(左右寸法)は、各間仕切パネル20,30の前面と壁体10の後面10bとの間の隙間等に応じて、明かり漏れ等を防止する観点等から適宜の寸法としてもよい。
【0017】
また、図例では、二枚の間仕切パネル20,30のうち壁体10側に配設された壁体側間仕切パネル30によって壁体10の右側の右側開口部3を開閉する構成とした例を示している。また、この壁体側間仕切パネル30よりも後方側(収納空間側)に配設された収納側間仕切パネル20によって壁体10の左側の左側開口部2を開閉する構成とした例を示している。
なお、一方の間仕切パネル20(30)を開位置とし、他方の間仕切パネル30(20)を閉位置とすることも当然に可能である。
【0018】
これら間仕切パネル20,30のそれぞれの戸先端部には、後方側(厚さ方向反壁体側)に向けて開口し、両間仕切パネル20,30が開位置において手掛操作可能となる位置に位置付けられる凹状の手掛部22,32がそれぞれに設けられている(図4も参照)。本実施形態では、これら間仕切パネル20,30のそれぞれの戸先端部に、厚さ方向両側に向けて開口する凹状の手掛部22,32をそれぞれに設けている。これら手掛部22,32は、図4に示すように、各間仕切パネル20,30の戸先端部の前面及び後面に、厚さ方向にそれぞれ形成された凹部に凹状の取手部材を嵌め込むように固定した構成とされている。つまり、これら手掛部22,32は、各間仕切パネル20,30の前後の各表面から凹むような形状とされている。このような手掛部22,32とすることで、壁体10と壁体側間仕切パネル30との隙間(クリアランス)及び壁体側間仕切パネル30と収納側間仕切パネル20との隙間(クリアランス)を、突出するようなハンドル等を設けた場合と比べて小さくすることができる。
【0019】
また、これら間仕切パネル20,30は、本実施形態では、採光窓や鏡板等を有しておらず、その前面及び後面が上記した手掛部22,32を除いて、概ね段差のないフラットな略平坦面とされている。
また、これら間仕切パネル20,30は、それぞれの幅寸法が略同寸法とされ、両間仕切パネル20,30が開位置において、手掛部22,32が設けられた部位(戸先端部)を除いて壁体10の厚さ方向で互いに概ね重合する構成とされている。つまり、図4に示すように、それぞれの間仕切パネル20,30が開位置において、一方の間仕切パネル20(30)の手掛部22(32)が設けられた部位が、他方の間仕切パネル30(20)の戸尻端面33(23)よりも閉鎖方向先側に位置するように位置付けられる。
【0020】
また、これら間仕切パネル20,30は、両間仕切パネル20,30が開位置において、それぞれの戸先端面21,31が壁体10の両側端面10c,10dのそれぞれに幅方向において概ね一致するように位置付けられる構成とされている。つまり、収納側間仕切パネル20は、左側開口部2を開放させた開位置において、その戸先端面21が壁体10の左側端面10cと概ね同一平面状となるように位置付けられる。また、壁体側間仕切パネル30は、右側開口部3を開放させた開位置において、その戸先端面31が壁体10の右側端面10dと概ね同一平面状となるように位置付けられる。
【0021】
本実施形態に係る間仕切装置1は、これら間仕切パネル20,30が開位置において、各間仕切パネル20,30の反閉鎖方向側(それぞれが開閉する開口部とは異なる側の開口部側)への移動を防止するストッパー部28,29,12を備えている。このストッパー部28,29,12による規制により、これら間仕切パネル20,30が開位置において、壁体側間仕切パネル30の後面側の手掛部32が後方側から手掛操作可能となる位置に位置付けられる構成とされている。つまり、これら間仕切パネル20,30が開位置において、壁体側間仕切パネル30の後面側の手掛部32が露出するように、壁体側間仕切パネル30の戸先端部と収納側間仕切パネル20の戸尻端部とが厚さ方向で重合しないように位置付けられる。また、このストッパー部28,29,12による規制により、これら間仕切パネル20,30が開位置において、これらの戸先端面21,31が壁体10の両側端面10c,10dのそれぞれに幅方向において概ね一致するように位置付けられる構成とされている。なお、ストッパー部28,29,12の具体的構成については後述する。
【0022】
また、これら間仕切パネル20,30は、各上端面が天井面7に近接対面し、各下端面が床面8に近接対面した状態で移動自在に支持される構造とされており、本実施形態では、上吊り構造とされている。
これら間仕切パネル20,30の上端部のパネル幅方向(左右方向)両側端部近傍には、図1(a)及び図2(a)に示すように、ランナー部材24,34がそれぞれに連結固定されている。このランナー部材24,34は、各間仕切パネル20,30の上端部に設けられたカップ部等に連結固定される連結固定部やこの連結固定部に回動自在に設けられた転動部(ローラー)等を備えている(図3参照)。
本実施形態では、これら間仕切パネル20,30を案内支持するそれぞれの上レール26,36を、図3に示すように、天井に埋め込むように設けた例を示している。これら上レール26,36は、上枠や天井下地等に固定される上板部と、この上板部の幅方向両側縁から垂れ下がるように連成された両側板部とを備え、これらによって下方に向けて開口する形状とされている。これら上レール26,36の開口内に、各間仕切パネル20,30のランナー部材24,34の転動部等が収容される。また、これら上レール26,36の両側板部の下端縁には、幅方向内方側に向けて突出する案内片がそれぞれに設けられており、これら案内片に、各ランナー部材24,34の転動部が転動自在に支持される。
【0023】
壁体側間仕切パネル30の上レール(壁体側上レール)36は、図3に示すように、壁体10の後方側に配設され、壁体10及び右側開口部3の幅寸法に概ね応じた長さ寸法とされている(図1及び図2も参照)。
収納側間仕切パネル20の上レール(収納側上レール)26は、図3に示すように、壁体側間仕切パネル30の上レール36の後方側に並ぶように配設され、壁体10及び左側開口部2の幅寸法に概ね応じた長さ寸法とされている(図1及び図2も参照)。また、この収納側上レール26に、収納側間仕切パネル20の反閉鎖方向側への移動を規制するストッパー部28を設けている。このストッパー部28は、収納側上レール26の上板部天面から下方に向けて突出するように設けられた突片状のストッパー部材28からなり、収納側上レール26の戸尻側端部に設けられている。このストッパー部材28に、収納側間仕切パネル20の戸尻端部側に設けられたランナー部材24が当接し、当該収納側間仕切パネル20の反閉鎖方向側への移動が規制される(図3(b)参照)。なお、ストッパー部材28自体を弾性体としたり、ストッパー部材28の収納側間仕切パネル20(ランナー部材24)との当接部位に、弾性体を設けたりする態様としてもよい。
【0024】
上記のような上吊り構造で各間仕切パネル20,30を案内支持する構成とすることで、下レールが不要となり、床面8側の見栄えを向上させることができる。
なお、上記した各上レール26,36を含む上枠等を天井に埋め込むようにして固定する態様に代えて、これら上レール26,36を含む上枠等を天井面7に付設するようにして固定する態様としてもよい。この場合には、各開口部2,3の上側が上枠によって区画されることとなる。また、これに対応させて、各間仕切パネル20,30の高さ寸法を適宜寸法とすればよい。
また、上記のような突片状のストッパー部材28を収納側上レール26の戸先側端部にも設けるようにしてもよく、また、壁体側上レール36の戸先側端部及び戸尻側端部にも設けるようにしてもよい。
【0025】
また、本実施形態では、これら間仕切パネル20,30の下端部側をそれぞれにガイドする下ガイド部を設けている。図例では、下ガイド部として床側に配設されるガイドピン27,37を設け、各間仕切パネル20,30の下端部にガイド凹溝25,35を設けた例を示している。各ガイド凹溝25,35は、下方に向けて開口し、それぞれの間仕切パネル20,30のパネル幅方向に沿って形成されている(図2(a)も参照)。各ガイドピン27,37は、上方に向けて突出するように床面8上に固定的に配設される。図例では、これら間仕切パネル20,30の各ガイドピン27,37を、各間仕切パネル20,30の開位置における戸先端部及び閉位置における戸尻端部の下方位置となるようにそれぞれ配設した例を示している(図1(b)及び図2(b)参照)。つまり、これらガイドピン27,37の上方側に、各間仕切パネル20,30が常時、存在するようにこれらガイドピン27,37を配設した例を示している。
これらガイドピン27,37のそれぞれが、各間仕切パネル20,30のガイド凹溝25,35にそれぞれ挿入(遊挿)され、各間仕切パネル20,30の下端部側のガイドがなされる。
【0026】
なお、各間仕切パネル20,30の下端部側をガイドする下ガイド部としては、上述のような床面8上に固定的に配設されるガイドピン27,37に限られず、磁石等を埋め込み、上下方向に出没自在とされたガイドピンを有したマグネットガイドとしてもよい。この場合は、各間仕切パネル20,30の移動軌跡に沿わせるようにして間隔を空けて複数箇所にマグネットガイドを床に埋め込むように配設する態様としてもよい。また、この場合は、各間仕切パネル20,30のガイド凹溝25,35等の適所に、マグネットガイドのガイドピンを吸引する磁石や鉄板等の吸着部を設けるようにすればよい。このようなマグネットガイドによれば、ガイドピンが没入するので、その上方側に各間仕切パネル20,30が常には存在しない位置に設けた場合にも、見栄えが良く、また、躓き等を防止することもできる。
【0027】
また、本実施形態では、床面8上に、収納側間仕切パネル20の反閉鎖方向側への移動を規制するストッパー部29を設けている。このストッパー部29は、図3(b)に示すように、床面8から立ち上がるように配設されるストッパー部材29とされている。このストッパー部材29に、収納側間仕切パネル20の戸尻端面23の下端部が当接し、当該収納側間仕切パネル20の反閉鎖方向側への移動が規制される。なお、上記したストッパー部材28と同様、このストッパー部材29自体を弾性体としたり、ストッパー部材29の収納側間仕切パネル20との当接部位に、弾性体を設けたりする態様としてもよい。また、これらストッパー部材28,29のうちのいずれか一方のみを設ける態様としてもよく、また、収納側間仕切パネル20の反閉鎖方向側への移動を規制する他のストッパー部を設ける態様としてもよい。
【0028】
壁体10は、本実施形態では、その前面(他方面)10aが概ね段差のないフラットな略平坦面とされている。当該間仕切装置1を、例えば、上述のようにリビング等の居室空間と収納空間とを区画するように設けた場合には、壁体10の前面10a側に、薄型テレビ(ディスプレイ装置)等を設置したり、プロジェクタースクリーン等を沿わせるように設けたりしてもよい。
また、本実施形態では、壁体10の一側端部(図例では左側端部)11の後面10b側縁部に、二枚の間仕切パネル20,30のうちの壁体側間仕切パネル30の戸当り突部12を後方側に向けて(厚さ方向に沿って)突出するように設けている。この戸当り突部12が壁体側間仕切パネル30の反閉鎖方向側への移動を規制するストッパー部12となる。
【0029】
戸当り突部12は、図3に示すように、当該壁体10の高さ方向の全体に亘って設けられている。また、この戸当り突部12は、図4に示すように、平面視して略矩形状の外郭形状とされ、その一側面(左側面)が当該壁体10の左側端面10cを構成するように壁体10の後面10b側に一連に設けられている。このような戸当り突部12を設けることで、収納側間仕切パネル20と壁体10との隙間を小さくすることも可能となり、当該戸当り突部12を、壁体側間仕切パネル30の戸尻端部の戸当り部のみならず、隙間遮蔽部として機能させることも可能となる。
この戸当り突部12の他側面(右側面)に、壁体側間仕切パネル30の戸尻端面33が当接し、当該壁体側間仕切パネル30の反閉鎖方向側への移動が規制される。なお、この戸当り突部12自体を弾性体としたり、戸当り突部12の壁体側間仕切パネル30との当接部位に、弾性体を設けたりする態様としてもよい。また、図例では、戸当り突部12の突出寸法を、壁体側間仕切パネル30の戸尻端面33の幅方向(パネル厚さ方向)半分程度の部位に当該戸当り突部12が当接するような寸法とした例を示しているが、壁体側間仕切パネル30の反閉鎖方向側への移動を規制し得る突出寸法とすればよい。
【0030】
また、本実施形態では、壁体10の両側端部11,16に、当該壁体10の幅方向両側に向けてそれぞれに開口する収納凹所13,17を設けている。また、本実施形態では、これら収納凹所13,17を開閉する開閉扉15,19をそれぞれに設けている。また、本実施形態では、図3に示すように、これら収納凹所13,17を、当該壁体10の高さ方向の略全体に亘って設けている。
戸当り突部12が設けられた左側端部11側の左側収納凹所13は、図3(a)及び図4に示すように、前側内側壁(反戸当り突部側内側壁)13a、後側内側壁(戸当り突部側内側壁)13c、奥側(壁体10の幅方向中心側)内壁13e、天側内壁13f及び底側内壁13gによって区画されている。また、図例では、この左側収納凹所13に、上下方向に間隔を空けて複数枚の棚板13hを設けた例を示している。
【0031】
また、本実施形態では、左側収納凹所13の後側内側壁13cの開口縁に、切欠部13dを設け、この切欠部13dが設けられた位置(切欠部位)に、当該左側収納凹所13を開閉する左側開閉扉15の垂直状の回動支点14aを概ね位置させている。
切欠部13dは、上記した戸当り突部12が設けられた部位の開口縁を切り欠くようにして形成されており、壁体10の厚さ方向中心側に向く面と幅方向外方側に向く面とを有している。つまり、戸当り突部12は、上記した壁体側間仕切パネル30のストッパー部としての機能と、左側開閉扉15の回動支点14aが概ね位置付けられる切欠部13dを形成する形成代を付与する機能とを兼ね備えている。つまりは、このような戸当り突部12を設けていない場合には、左側収納凹所13を区画する後側壁部の厚さ寸法を比較的に大きく(左側収納凹所13の前後幅寸法を小さく)して切欠部13dの形成代を設ける必要がある。本実施形態では、戸当り突部12を含んでこの形成代とすることができる。
【0032】
図例では、この切欠部13dを、戸当り突部12に至るまで設けたような例を示している。つまり、切欠部13dの壁体10の厚さ方向中心側に向く面が壁体10の戸当り突部12が設けられていない部位の後面10bよりも後方側に位置するように切欠部13dを設けた例を示している。なお、切欠部13dの壁体10の厚さ方向中心側に向く面が、壁体10の戸当り突部12が設けられていない部位の後面10bよりも僅かに前方側に位置するように切欠部13dを設けるようにしてもよく、またはこれらの面が前後方向において略一致するように切欠部13dを設けるようにしてもよい。
また、本実施形態では、左側開閉扉15の回動支点14aを、当該左側開閉扉15を回動自在に連結する回動連結部材14の回動支点14aとし、この回動連結部材14を、切欠部13dの壁体10の厚さ方向中心側に向く面に固定した例を示している。
【0033】
回動連結部材14は、図例では、二枚の固定羽根を回動支点となるヒンジピン14aによって連結した蝶番(羽根蝶番)14を例示している。図例では、この蝶番14の一方の固定羽根を、切欠部13dに固定し、他方の固定羽根を、左側開閉扉15の吊元側端面に固定した例を示している。
また、本実施形態では、この左側開閉扉15を、インセット状に設けた例を示している。上記した後側内側壁13cの切欠部13dを、この左側開閉扉15の吊元側端部(一側端部)15bの戸当状部となるように閉状態における左側開閉扉15の吊元側端部15bを受け入れる構成としている。また、左側収納凹所13の前側内側壁13aの開口縁に、左側開閉扉15の戸先側端部(他側端部)15aの戸当状部を形成するように閉状態における左側開閉扉15の戸先側端部15aを受け入れる切欠部13bを設けている。この切欠部13bは、上記同様、壁体10の厚さ方向中心側に向く面と幅方向外方側に向く面とを有している。また、これら前後の切欠部13b,13dは、左側開閉扉15の扉厚及び当該左側開閉扉15の開閉時に必要となるクリアランスに応じた寸法とされている。
このような構成により、左側開閉扉15が閉鎖された状態(閉状態)では、左側開閉扉15の両側端部15a,15bがそれぞれ切欠部13b,13dに収容されるようにして、当該左側開閉扉15の外側表面が壁体10の左側端面10cと略同一平面状となる。
【0034】
右側端部16側の右側収納凹所17は、図3(b)及び図4に示すように、前側内側壁17a、後側内側壁17c、奥側(壁体10の幅方向中心側)内壁17e、天側内壁17f及び底側内壁17gによって区画されている。また、上記同様、右側収納凹所17に、上下方向に間隔を空けて複数枚の棚板17hを設けた例を示している。また、本実施形態では、この右側収納凹所17を開閉する右側開閉扉19を、上記同様、インセット状に設けた例を示している。つまり、右側収納凹所17の前後の内側壁17a,17cの開口縁に、右側開閉扉19の両側端部19a,19bの戸当状部を形成するように閉状態における右側開閉扉19の両側端部19a,19bをそれぞれに受け入れる上記と概ね同様の切欠部17b,17dをそれぞれ設けている。当該壁体10の右側端部16には、上記のような戸当り突部12を設けていないため、これら切欠部17b,17dを設けるために、この右側収納凹所17の前後の幅寸法は、上記した左側収納凹所13の前後の幅寸法よりも小さく形成されている。
【0035】
また、一方の切欠部(図例では、後方側縁の切欠部)17dが設けられた位置(切欠部位)に、右側開閉扉19の垂直状の回動支点18aを概ね位置させている。この回動支点18aは、上記同様、当該右側開閉扉19を回動自在に連結する回動連結部材18の回動支点18aとされ、この回動連結部材18を切欠部17dの壁体10の厚さ方向中心側に向く面に固定した例を示している。この回動連結部材18は、上記同様、二枚の固定羽根を回動支点となるヒンジピン18aによって連結した蝶番(羽根蝶番)18を例示しており、一方の固定羽根を切欠部17dに固定し、他方の固定羽根を右側開閉扉19の吊元側端面に固定した例を示している。
また、これら前後の切欠部17b,17dは、上記同様、右側開閉扉19の扉厚及び当該右側開閉扉19の開閉時に必要となるクリアランスに応じた寸法とされている。
このような構成により、右側開閉扉19が閉鎖された状態(閉状態)では、上記同様、右側開閉扉19の両側端部19a,19bがそれぞれ切欠部17b,17dに収容されるようにして、当該右側開閉扉19の外側表面が壁体10の右側端面10dと略同一平面状となる。
【0036】
なお、上記した各開閉扉15,19に取手や手掛部等を設けるようにしてもよい。
また、図例では、各開閉扉15,19を開閉自在に支持する蝶番14,18のヒンジピン(回動支点)14a,18aを、各切欠部13d,17dの壁体10の幅方向外方側後縁部に概ね位置するように設けた例を示しているが、これらのヒンジピン14a,18aを、僅かに幅方向外方側位置に設けたり、またはより幅方向中心側位置に設けたりしてもよい。
さらに、上記した各開閉扉15,19を開閉自在に支持する回動連結部材としては、上記したような蝶番14,18に限られず、スライド蝶番等の他の回動連結部材を採用するようにしてもよい。この場合には、回動連結部材の態様に応じて、各切欠部を変形したり、また、固定位置等を適宜、変形するようにすればよい。また、回動連結部材をスライド蝶番とした場合には、各開閉扉15,19の各回動支点14a,18aが開閉時に移動することとなるが、これらの回動支点14a,18aを、平面視において各切欠部13d,17dが設けられた位置(切欠部位)に概ね位置するように位置付けるようにすればよい。さらには、各開閉扉15,19の垂直状の回動支点14a,18aとしては、上記のような回動連結部材の支点に限られない。例えば、上記した各切欠部13d,17dが設けられた位置の天側内壁13f,17f及び底側内壁13g,17g、並びに各開閉扉15,19の一方に、回動支点としてのピン状軸部を設け、他方にこのピン状軸部を回動自在に支持する軸受凹所を設けた態様としてもよい。
さらにまた、図例のように、各開閉扉15,19の回動支点14a,18aを各収納凹所13,17の後側内側壁13c,17c側に設けた場合には、これら開閉扉15,19が開放された際に、各間仕切パネル20,30と干渉しないように適宜のストッパー機構や回動規制構造を設けるようにしてもよい。
【0037】
また、図例では、各収納凹所13,17の天側内壁13f,17f及び底側内壁13g,17gをそれぞれ構成する板材等の端面をそれぞれの収納凹所13,17の内側に控えた位置とし、これらの端面を閉状態における各開閉扉15,19の戸当状部として、各開閉扉15,19の上下端部はアウトセット状に納めた例を示しているが、このような態様に限られない。例えば、これら各収納凹所13,17の天側内壁13f,17f及び底側内壁13g,17gの開口縁に上記同様の切欠部を設け、またはこれらに切欠部を設けることなく、閉状態における各開閉扉15,19の上下端部もインセット状に納める態様としてもよい。
【0038】
また、壁体10は、前後の面材(板材)やこれら前後の板材を固定する枠材、芯材等によって構成するようにしてもよく、その幅方向両側に、これら板材や枠材等によって上記した各収納凹所13,17を区画するように設ける態様としてもよい。または、これら収納凹所13,17が設けられた部位を別体的に壁本体の幅方向両側に付設するようにして設けて壁体10を構成する態様としてもよい。また、図例では、戸当り突部12を左側収納凹所13の後側内側壁13cを形成する部材と一体的に形成したように図示しているが、これらのそれぞれを別体として上記のような切欠部13dを形成する態様としてもよい。
【0039】
上記構成とされた本実施形態に係る間仕切装置1によれば、開放させた際における見栄えを向上させることができるとともに、間仕切る際における間仕切パネル20,30の操作性を向上させることができる。
つまり、壁体10の両側の開口部2,3をそれぞれに開閉する二枚の間仕切パネル20,30のそれぞれが、両側の開口部2,3を開放させた開位置において壁体10と厚さ方向で重合する構成とされている。従って、壁体10の前面10a側から壁体10に対面した状態では、二枚の間仕切パネル20,30が壁体10に隠れた状態となり、これら両側の開口部2,3を開放させた際における見栄えを向上させることができる。
【0040】
また、これら二枚の間仕切パネル20,30は、壁体10の後面10bに沿うように、かつ壁体10の幅方向に沿って移動自在に引き違い状に配設される構成とされている。従って、壁体10の後面10b側から比較的に容易にこれら間仕切パネル20,30を操作することができ、間仕切る際における間仕切パネル20,30の操作性を向上させることができる。また、これら二枚の間仕切パネル20,30は、引き違い状に配設される構成とされているので、例えば、引き分け状に配設されるものと比べて、壁体10の幅寸法を効率的に小さくすることができるとともに両側の開口部2,3の開口幅寸法を効率的に大きくすることができる。
【0041】
また、本実施形態では、二枚の間仕切パネル20,30のそれぞれの戸先端部に、両間仕切パネル20,30が開位置において手掛操作可能となる位置に位置付けられる凹状の手掛部22,32をそれぞれに設けている。従って、これら凹状の手掛部22,32に手指を掛けて操作ができるので、間仕切る際における各間仕切パネル20,30の操作性をより向上させることができる。なお、本実施形態では、各間仕切パネル20,30のそれぞれの戸先端部の厚さ方向両側に、凹状の手掛部22,22,32,32を設けた例を示しているが、少なくとも後方側に向けて開口した凹状の手掛部を設けるようにしてもよい。
【0042】
さらに、本実施形態では、両間仕切パネル20,30が開位置において、手掛部22,32が設けられた部位(戸先端部)を除いて壁体10の厚さ方向で互いに概ね重合する構成とされている。また、両間仕切パネル20,30が開位置において、それぞれの戸先端面21,31が壁体10の両側端面10c,10dのそれぞれに幅方向において概ね一致するように位置付けられる構成とされている。従って、壁体10の後面10b側から容易にこれら間仕切パネル20,30の操作が可能でありながらも、壁体10の後面10b側において壁体10に対面した状態では、間仕切パネル20,30によって煩雑な印象を与えるようなことが低減され、すっきりとした印象を与えることができ、開放させた際における後面側の見栄えを向上させることができる。
【0043】
さらにまた、本実施形態では、これら間仕切パネル20,30のそれぞれの高さ寸法を、略床面8から略天井面7までの高さ寸法としている。従って、これら間仕切パネル20,30を開位置とすれば、壁状の外観を呈することができ、開放させた際における後面側の見栄えをより向上させることができる。また、このような構成によれば、これら間仕切パネル20,30を開位置とすれば、略床面8から略天井面7までの高さ寸法とされた各開口部2,3が大きく開放されるとともに、これら間仕切パネル20,30が壁状となり目立ち難くなることから、開閉建具のない無目枠仕上げ状のすっきりとした印象を与えることができる。
また、このような構成によれば、これら間仕切パネル20,30を閉位置とした場合にも壁状の外観を呈することができ、閉鎖させた際における前面側の見栄えをより向上させることができる。
【0044】
また、本実施形態では、壁体10の両側端部11,16に、幅方向に向けてそれぞれに開口する収納凹所13,17を設けている。従って、これら両側の収納凹所13,17を用いて物品等を収納することができる。また、これら両側の収納凹所13,17は、壁体10の両側端部11,16において幅方向に向けて開口しているので、壁体10の前面10a側及び後面10b側から壁体10に対面した状態では、目立ち難く、壁体10としての外観を損ない難い。
さらに、本実施形態では、これら両側の収納凹所13,17をそれぞれに開閉する開閉扉15,19を設けているので、これら開閉扉15,19を閉鎖させることで、これら収納凹所13,17をより目立ち難くすることができる。
【0045】
さらにまた、本実施形態では、壁体10の左側端部11に戸当り突部12を設けているので、壁体側間仕切パネル30の反閉鎖方向側への移動を規制することができ、使い勝手を向上させることができる。また、この戸当り突部12が設けられた側の左側収納凹所13の後側内側壁13cの開口縁に、切欠部13dを設け、この切欠部13dが設けられた位置に、左側開閉扉15の垂直状の回動支点14aを概ね位置させている。従って、上述のように、戸当り突部12を含んで回動支点14aが概ね位置付けられる切欠部13dを形成する形成代とすることができ、左側収納凹所13を比較的に大きく開放させることができる。
【0046】
また、本実施形態では、両側の収納凹所13,17をそれぞれに開閉する各開閉扉15,19は、上述のように、閉状態において各側端部15a,15b,19a,19bが各収納凹所13,17の切欠部13b,13d,17b,17dに受け入れられ、インセット状に納められる構成とされている。従って、壁体10の前面10a側及び後面10b側において壁体10に対面した状態では、これら開閉扉15,19が目立ち難くなる。従って、例えば、これら開閉扉15,19が閉状態においてそれぞれの両側端部15a,15b,19a,19bがアウトセット状に納められるものと比べて、見栄えをより向上させることができる。また、各収納凹所13,17の切欠部13b,13d,17b,17dは、各開閉扉15,19の各側端部15a,15b,19a,19bの戸当状部を形成するように設けられている。従って、各開閉扉15,19を閉状態とすれば、各開閉扉15,19の両側端面と各収納凹所13,17の前後両側の内側壁との隙間から収納凹所13,17内が見えるようなことを防止でき、見栄えを向上させることができる、
また、左側収納凹所13の左側開閉扉15の吊元側端部15bの切欠部13dを、戸当り突部12を利用して設けることができるので、左側収納凹所13の幅寸法を、戸当り突部12が設けられていない側の右側収納凹所17の幅寸法よりも効率的に大きくすることができる。
【0047】
なお、本実施形態では、壁体10の前面10a及び後面10bをフラットな略平坦面とした例を示しているが、手前側及び後方側の少なくともいずれか一方に向けて開口する凹所や収納部等をこの壁体10に設けるようにしてもよい。
また、本実施形態では、各間仕切パネル20,30を案内支持する上レール26,36を下向きに開口し、両側板部に、各ランナー部材24,34の転動部を転動自在に支持する案内片を連成したものとしているが、このような態様に限られない。例えば、上レールは、ランナー部材の形状や構造に応じて、略L字状とされたものや、横向きに開口した略コ字状(略倒U字状)とされたものとしてもよい。
さらに、本実施形態では、各間仕切パネル20,30を上吊り構造とした例を示しているが、このような態様に限られず、下荷重構造としてもよい。この場合は、各間仕切パネル20,30の上端部に、ランナー部材に代えて、上レール等に係合する案内片やピボット等を設けるようにしてもよい。また、この場合は、各間仕切パネル20,30の下端部に戸車を設け、この戸車をガイドする下レール等を床面8に敷設乃至は床に埋設するようにしてもよい。
【0048】
さらにまた、本実施形態では、両間仕切パネル20,30が開位置において、それぞれの戸先端面21,31が壁体10の両側端面10c,10dのそれぞれに幅方向において概ね一致するように位置付けられる構成とした例を示しているが、このような態様に限られない。例えば、各間仕切パネル20,30が開位置において、それぞれの戸先端面21,31が壁体10の各側端面10c,10dよりも僅かに壁体10の幅方向中心側に寄った位置に位置付けられる態様としてもよい。または、各間仕切パネル20,30が開位置において、それぞれの戸先端面21,31が壁体10の各側端面10c,10dよりも壁体10の幅方向外方側に僅かに突出するように位置付けられる態様としてもよい。
また、本実施形態では、両間仕切パネル20,30が開位置において、手掛部22,32が設けられた部位(戸先端部)を除いて壁体10の厚さ方向で互いに概ね重合する構成とした例を示しているが、このような態様に限られない。例えば、これら間仕切パネル20,30が開位置において壁体10の厚さ方向で互いに完全に重合する態様としてもよい。
【0049】
さらに、本実施形態では、各間仕切パネル20,30の幅寸法を略同寸法とした例を示しているが、これらが互いに異なる幅寸法とされたものとしてもよい。この場合は、これらによって開閉される開口部2,3の幅寸法も互いに異なる幅寸法としてもよい。
さらにまた、本実施形態では、各間仕切パネル20,30の戸先端部に手掛部22,32をそれぞれに設けた例を示しているが、このような手掛部22,32を設けないようにしてもよい。このような場合にもこれらは壁体10の後面10bに沿うように引き違い状に配設されるため、例えば、戸尻端面23,33等に手指を掛けるなどすることで、壁体10の後面10b側から比較的に容易にこれら間仕切パネル20,30を操作することは可能となる。
【0050】
また、本実施形態では、壁体10の幅方向両側の各収納凹所13,17を、当該壁体10の高さ方向の略全体に亘って設けた例を示しているが、これら収納凹所13,17を、壁体10の高さ方向途中部位のみに設けたり、上下方向に複数箇所に分割して設けたりしてもよい。この場合は、これら収納凹所13,17の態様に応じて、各開閉扉15,19を適宜、変形すればよい。
さらに、本実施形態では、各収納凹所13,17に切欠部13b,13d,17b,17dを設けて、各収納凹所13,17を開閉する各開閉扉15,19の各側端部15a,15b,19a,19bをインセット状に納める態様とした例を示しているが、このような態様に限られない。例えば、これら開閉扉15,19の各側端部15a,15b,19a,19bをアウトセット状に納める態様としてもよい。この場合には、これら開閉扉15,19の閉状態における外側表面が壁体10の各側端面をそれぞれ構成することとなる。さらには、このような各収納凹所13,17を開閉する開閉扉15,19を設けないようにしてもよい。また、壁体10の幅方向両側に収納凹所13,17を設けずに、壁体10の幅方向両側端面10c,10dを略平坦面としてもよい。
【0051】
また、上記した例では、本実施形態に係る間仕切装置1を、建物内空間の居室空間と収納空間とを間仕切るように設置した例を示しているが、このような設置態様に限られない。例えば、本実施形態に係る間仕切装置1を、居室空間とキッチンや洗面等の水廻り空間とを間仕切るように設置するようにしてもよく、その他、多様化する建物内空間の区画態様や趣向等に応じて、種々の箇所に設置することができる。
【符号の説明】
【0052】
1 間仕切装置
2 左側開口部(開口部)
3 右側開口部(開口部)
10 壁体
10b 後面(一方面)
10c 左側端面(側端面)
10d 右側端面(側端面)
11 左側端部(一側端部)
12 戸当り突部
13 左側収納凹所(一側端部側収納凹所)
13a 前側内側壁(反戸当り突部側の内側壁)
13b 切欠部
13c 後側内側壁(戸当り突部側の内側壁)
13d 切欠部
14a 蝶番のヒンジピン(一側端部側開閉扉の回動支点)
15 左側開閉扉(一側端部側開閉扉)
15a 戸先側端部(他側端部)
15b 吊元側端部(一側端部)
16 右側端部(他側端部)
17 右側収納凹所(他側端部側収納凹所)
17a 前側内側壁(内側壁)
17b 切欠部
17c 後側内側壁(内側壁)
17d 切欠部(一方の切欠部)
18a 蝶番のヒンジピン(他側端部側開閉扉の回動支点)
19 右側開閉扉(他側端部側開閉扉)
19a 戸先側端部(側端部)
19b 吊元側端部(側端部)
20 収納側間仕切パネル(間仕切パネル)
21 戸先端面(閉鎖方向先側端面)
22 手掛部
30 壁体側間仕切パネル(壁体側の間仕切パネル)
31 戸先端面(閉鎖方向先側端面)
32 手掛部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
建物内空間を区画するように間仕切る間仕切装置であって、
幅方向両側に開口部を形成するように配設される壁体と、この壁体の一方面に沿うように、かつ該壁体の幅方向に沿って移動自在に引き違い状に配設され、前記両側の開口部をそれぞれに開閉する二枚の間仕切パネルと、を備え、これら二枚の間仕切パネルのそれぞれは、前記両側の開口部を開放させた開位置において前記壁体と厚さ方向で重合する構成とされていることを特徴とする間仕切装置。
【請求項2】
請求項1において、
前記二枚の間仕切パネルのそれぞれの閉鎖方向先側端部には、厚さ方向反壁体側に向けて開口し、両間仕切パネルが開位置において手掛操作可能となる位置に位置付けられる凹状の手掛部がそれぞれに設けられていることを特徴とする間仕切装置。
【請求項3】
請求項2において、
前記二枚の間仕切パネルは、それぞれの幅寸法が略同寸法とされており、両間仕切パネルが開位置において、前記手掛部が設けられた部位を除いて前記壁体の厚さ方向で互いに概ね重合し、かつこれら二枚の間仕切パネルのそれぞれの閉鎖方向先側端面が前記壁体の両側端面のそれぞれに幅方向において概ね一致するように位置付けられる構成とされていることを特徴とする間仕切装置。
【請求項4】
請求項1乃至3のいずれか1項において、
前記壁体の両側端部には、当該壁体の幅方向両側に向けてそれぞれに開口する収納凹所が設けられていることを特徴とする間仕切装置。
【請求項5】
請求項4において、
前記壁体の一側端部側収納凹所を開閉する一側端部側開閉扉を備えており、
前記壁体の一側端部の一方面側縁部に、前記二枚の間仕切パネルのうちの壁体側の間仕切パネルの戸当り突部を厚さ方向に沿って突出するように設け、前記一側端部側収納凹所の前記戸当り突部側の内側壁の開口縁に切欠部を設け、該切欠部が設けられた位置に、前記一側端部側開閉扉の垂直状の回動支点を概ね位置させていることを特徴とする間仕切装置。
【請求項6】
請求項5において、
前記壁体の他側端部側収納凹所を開閉する他側端部側開閉扉を備え、該他側端部側収納凹所の両内側壁の開口縁に、前記他側端部側開閉扉の両側端部の戸当状部を形成するように閉状態における該他側端部側開閉扉の両側端部をそれぞれに受け入れる切欠部をそれぞれ設け、一方の切欠部が設けられた位置に、前記他側端部側開閉扉の垂直状の回動支点を概ね位置させた構成とし、かつ、
前記壁体の一側端部側収納凹所の前記戸当り突部側の内側壁の切欠部を、前記一側端部側開閉扉の一側端部の戸当状部となるように閉状態における該一側端部側開閉扉の一側端部を受け入れる構成とする一方、該一側端部側収納凹所の反戸当り突部側の内側壁の開口縁に、前記一側端部側開閉扉の他側端部の戸当状部を形成するように閉状態における該一側端部側開閉扉の他側端部を受け入れる切欠部を設けたことを特徴とする間仕切装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate


【公開番号】特開2013−108292(P2013−108292A)
【公開日】平成25年6月6日(2013.6.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−254520(P2011−254520)
【出願日】平成23年11月22日(2011.11.22)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)