説明

間隙調整装置

【課題】 押し引き機構にバックラッシュ等の隙間が存在しても、その隙間の影響なしに押し引き機構の作動でコッターを正確に移動することができ、圧縮荷重が大きい場合でも押し引きする力が小さく、常に小出力の押し引き機構で足り、取り付け位置の変形が少なく精密な間隙調整が可能である間隙調整装置を提供する。
【解決手段】 互いに平行な2面1,2の間に挟持され圧縮荷重を受ける受板12、コッター14及び座板16と、コッターを2面に平行に移動させる押し引き機構20とを備える。受板12は、2面1,2に対し直交する方向にのみ移動可能に支持され、コッター14は、受板及び座板との摺動面の少なくとも一方が2面に対し移動方向に高さが漸増又は漸減する一定の勾配を有している。さらにコッターと受板及び座板との間に、ころがり摩擦係数の小さい転がり摩擦部材18がそれぞれ挟持され、これにより摺動抵抗の総和が圧縮荷重の移動方向分力より小さく設定されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、圧縮荷重を受ける2面間の間隙を調整する間隙調整装置に関する。
【背景技術】
【0002】
圧縮荷重を受ける2面間の間隙を調整する間隙調整装置として、レべリングブロックが広く知られている。
図3は、従来のレべリングブロックの模式図であり、(A)は平面図、(B)は側面図、(C)はA-A断面図である。
【0003】
この図に示すように、従来のレべリングブロックは、圧縮荷重を受ける2面51、52の間に挟持された受板53、コッター54及び座板55と、コッターを図で水平移動させる押し引き機構56(この例ではボルト)からなる。
コッター54は、上面がテーパ面54aに、下面が水平面に形成され、これに対応して、受板53の下面も同一角度のテーパ面53aに形成され、座板55の上面は水平に形成されている。受板53は、座板55の側面に設けられた垂直溝に上下動可能に嵌まっている。
この構成において、コッター54に設けられた雌ネジ54bとボルト56との螺合により、ボルト56を回転させることで、コッター54を水平移動させ、テーパ面54a、53aの摺動により、受板53を上下動させることができる。
【0004】
上述したレべリングブロックは、間隙調整装置であり、種々の分野で用いられている(例えば、特許文献1〜3)。
【0005】
特許文献1の「ロールの間隙調整装置」は、図5に示すように、一対のロール61、62がフレームに設けられた軸受け63、64に架設され、各軸受けの間に設けられたコッター状の滑動子65を移動させることにより、ロールの間隙を調整する装置において、軸受けのフレーム及びコッター状の滑動子には一対の目盛付き主尺66及び副尺67が取り付けられたものである。
【0006】
特許文献2の「立軸回転電機の案内軸受装置の軸受ギャップ調整装置」は、図6に示すように、パッド72の外径側の固定コッター73bと対向する面に球面ピボット73aを挟んで周方向両側に穿たれたコッター溝を設け、調整ねじ73dを回転させて形成される球面ピボット73aと固定コッター73bとの隙間に、コッター溝に沿ってギャップ確認用コッター73hを打ち込んで、球面ピボット73aの中心と固定コッター73bとの隙間を治具により測定し、この隙間が定められた値になるように調整するものである。
【0007】
特許文献3の「竪孔掘削機の摺動部の隙間調整機構」は、図7に示すように、ガイド面または摺動面のいずれか一方を構成するスライドプレート88aと、スライドプレート88aの裏面にテーパ面c,dを介して重ねるベースプレート90とを備え、これらのプレート88a,90を、スライドプレート88aの片面が収容体84の開口面84aから突出するように収容し、調整ボルト85等の移動手段によりベースプレート90をテーパ方向に移動させることにより、スライドプレート88aの収容体84からの突出量を調整してガイド面と摺動面との隙間を調整するものである。
【0008】
【特許文献1】特開平4−349962号公報、「ロールの間隙調整装置」
【特許文献2】特開平6−217486号公報、「立軸回転電機の案内軸受装置の軸受ギャップ調整装置」
【特許文献3】特開平10−37648号公報、「竪孔掘削機の摺動部の隙間調整機構」
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
図4は、図3のコッターにおける荷重のつり合いを示す図である。この図に示すように、圧縮荷重をP、コッター54の水平に対する傾斜角をθ、テーパ面54a、53aの摩擦係数をμとすると、コッター54の下面の摩擦力はμPとなる。また圧縮荷重Pのテーパ面に沿った分力と垂直力は、PsinθとPcosθであるから、摩擦力はμPcosθであり、この分力と摩擦力の水平成分は、それぞれPsinθcosθとμPcosθとなる。
従って、コッター54を図で右に移動させる引張力F1と逆に左に移動させる押付力F2は、式(1)(2)で示される。
引張力F1=μP+μPcosθ+Psinθcosθ・・・(1)
押付力F2=μP+μPcosθ-Psinθcosθ・・・(2)
【0010】
コッター54の垂直移動量と水平移動量の比を1/10とすると、tanθ=0.1、θは、約5.71°であり、cosθ≒0.99≒1.0、sinθcosθ≒0.099≒0.1となる。従って、圧縮荷重Pが10トン=10000kg、摩擦係数μが0.2の場合、式(3)(4)のようになる。
引張力F1≒0.2×10000+0.2×10000×1.0+10000×0.1=2000+2000+1000=5000kg・・・(3)
押付力F2≒0.2×10000+0.2×10000×1.0+10000×0.1=2000+2000-1000=3000kg・・・(4)
なお、以上は例示であり、摩擦係数μは通常約0.1〜0.4であり、コッターの垂直移動量と水平移動量の比は、任意に設計でき、通常は1/20〜1/10程度である。
【0011】
上述した例からもわかるように、従来の間隙調整装置では、コッター(勾配付きのプレート)を押し引きする時、コッター上下面の摩擦力と勾配の傾斜面に対する水平方向の力が必要になる。
この結果、一般的に摩擦力(上記の例で4000kg)の方が水平方向の分力(上記の例で1000kg)より大きいため、押し引き機構(例えばボルトとこれに螺合するネジ孔)に必然的に存在するバックラッシュ等の隙間により、押し作動(図で左向き)と引き作動(図で右向き)の際にその隙間に相当する誤差が、押し引き機構で生じ、押し引き機構の作動位置でコッターを正確に移動できない問題点があった。
【0012】
また、押し引き機構で必要となる引張力及び押付力は、上述した例からもわかるように、圧縮荷重Pの約3割から5割程度に達するため、圧縮荷重が大きくなるとともに、押し引きする力は摩擦係数に比例して非常に大きくなり、大出力の押し引き機構が必要となる。
【0013】
さらに、押し引き機構で必要となる引張力及び押付力に相当する水平力が間隙調整装置を取り付ける装置のフレーム等に作用するため、フレームが変形し、精密な間隙調整が困難となる。
【0014】
本発明はかかる問題点を解決するために創案されたものである。すなわち、本発明の目的は、(1)押し引き機構にバックラッシュ等の隙間が存在しても、その隙間の影響なしに押し引き機構の作動でコッターを正確に移動することができ、(2)圧縮荷重が大きい場合でも押し引きする力が小さく、常に小出力の押し引き機構で足り、(3)取り付け位置の変形が少なく精密な間隙調整が可能である間隙調整装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0015】
本発明によれば、互いに平行な2面の間に挟持され圧縮荷重を受ける受板、コッター及び座板と、該コッターを前記2面に平行に移動させる押し引き機構とを備え、
前記受板は、前記2面に対し直交する方向にのみ移動可能に支持され、
前記コッターは、受板及び座板との摺動面の少なくとも一方が前記2面に対し移動方向に高さが漸増又は漸減する一定の勾配を有しており、
前記コッターと受板及び座板との間に、ころがり摩擦部材がそれぞれ挟持され、これにより摺動抵抗の総和が圧縮荷重の移動方向分力より小さく設定されている、ことを特徴とする間隙調整装置が提供される。
【0016】
前記ころがり摩擦部材は、ベアリング、リテーナ入りローラガイド、又はリテーナ入りボールガイドである。
【0017】
本発明の構成によれば、ころがり摩擦部材の摺動抵抗、すなわち、ころがり摩擦係数は最大で約0.003なので、コッターと受板及び座板との摺動抵抗を従来の約1/30〜1/100程度に大幅に低減できる。
この結果、上述した例は、式(5)(6)のようになる。
引張力F1≒0.003×10000+0.003×10000×1.0+10000×0.1=30+30+1000=1000kg・・・(5)
押付力F2≒0.003×10000+0.003×10000×1.0+10000×0.1=3000+3000-1000=-940kg・・・(6)
【0018】
すなわち、本発明の構成により、圧縮荷重の移動方向の分力(上記の例で1000kg)が摩擦力(上記の例で60kg)より常に十分大きいため、押し引き機構にはこの分力により常に同一方向の荷重が作用する。
従ってバックラッシュ等の隙間があっても、その隙間は同一方向に常に押付けられているため、その隙間の影響なしに押し引き機構の作動でコッターを正確に移動することができる。
【0019】
また、押し引き機構で必要となる引張力及び押付力は、摺動抵抗が非常に小さいので、実質的に圧縮荷重の移動方向分力に相当するにすぎず、圧縮荷重Pの約1割前後であり、圧縮荷重が大きい場合でも押し引きする力が小さく、常に小出力の押し引き機構で足りる。従って、押し引き機構を小型、小出力にできる。
【0020】
さらに、押し引き機構で必要となる引張力及び押付力が間隙調整装置を取り付ける装置のフレーム等に作用しても、引張力及び押付力が小さいため、取り付け位置の変形が少なく精密な間隙調整が可能である。
【0021】
本発明の好ましい実施形態によれば、前記押し引き機構は、圧縮荷重の移動方向分力によるコッターの移動を防止するようにセルフロック機構を有する。
この構成により、間隙調整装置に制動機構(ブレーキ等)を設けなくても、圧縮荷重の移動方向分力によるコッターの移動を防止することができる。
【0022】
また、前記圧縮荷重の移動方向分力の低下を補うために、コッターを移動方向に付勢する付勢装置を備える、ことが好ましい。
この構成により、取付けの方向や取付け装置の特性により、圧縮荷重が低下する場合でも、「圧縮荷重の移動方向の分力+付勢力」を摩擦力より常に十分大きく設定し、バックラッシュ等の隙間があっても、その隙間の影響なしに押し引き機構の作動でコッターを正確に移動することができる。
【発明の効果】
【0023】
上述したように、本発明の間隙調整装置は、(1)押し引き機構にバックラッシュ等の隙間が存在しても、その隙間の影響なしに押し引き機構の作動でコッターを正確に移動することができ、(2)圧縮荷重が大きい場合でも押し引きする力が小さく、常に小出力の押し引き機構で足り、(3)取り付け位置の変形が少なく精密な間隙調整が可能である、等の優れた効果を有する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0024】
以下、本発明の好ましい実施形態を、図面を参照して説明する。なお、各図において、共通する部分には同一の符号を付し、重複した説明を省略する。
【0025】
図1(A)は、本発明の間隙調整装置の第1実施形態図である。この図において、本発明の間隙調整装置10は、互いに平行な2面1,2の間に挟持され圧縮荷重を受ける受板12、コッター14及び座板16と、コッター14を2面1,2に平行に移動させる押し引き機構20とを備える。
この例において、2面1,2は水平面であり、コッター14の移動方向は図で水平の左右方向である。しかし、本発明はこれに限定されず、2面1,2が水平以外の鉛直面、傾斜平面であってもよい。なお、特に記載しない限り、2面1,2が水平面である場合を以下に説明する。
【0026】
受板12は、図で下方に作用する圧縮荷重Pを面1から直接受ける水平な上面12aと、左右の鉛直外面12bを有する。座板16は、この例では本体17と一体に形成されている。なお、座板16と本体17を別に構成し、ボルト等で一体に連結してもよい。また、座板16と本体17は、図示しないボルト等で水平な下面2に固定するのがよい。
本体17は、貫通孔17aを上部に有し、この孔に受板12が嵌合し、鉛直外面12bを案内して受板12を鉛直方向にのみ移動可能に支持している。なお、この支持・案内手段は、この例に限定されず、受板12を前記2面1,2に対し直交する方向に案内する限りで、他の手段(例えば、滑りキー、リニアガイド等)でもよい。
【0027】
コッター14は、この例では上面に図で右方向に高さが漸減するテーパ面14aを有し、下面14bは水平に形成されている。またこれに対応して、受板12の下面12cもテーパ面14aと同一の勾配θに形成され、座板16の上面16aは水平に形成されている。
なお、コッターの構成はこの例に限定されず、受板及び座板との摺動面の少なくとも一方が前記2面1,2に対し移動方向に高さが漸増又は漸減する一定の勾配を有していればよい。
【0028】
本発明の間隙調整装置10は、さらにコッター14と受板12及び座板16との間にころがり摩擦部材18(この例ではリニアローラベアリング)を備える。その他のころがり摩擦部材として、その他の形式のベアリング、リテーナ入りローラガイド、又はリテーナ入りボールガイドを用いてもよい。
この例で、リニアローラベアリング18は、円筒ころが本体内部を循環できる構造のものであり、本体は、受板12及び座板16の所定の位置にそれぞれ図示しない取付金具(ボルト等)で固定されている。
なお、リニアローラベアリング18の本体を、コッター14の上下面の一方又は両方に固定してもよい。
【0029】
押し引き機構20は、例えば、ネジの螺旋溝がセルフロック機能を有するボルトとこれと螺合するネジ孔であり、コッター14を2面1,2に平行に移動させる機能と、コッターの移動を防止するセルフロック機構とを有する。押し引き機構20の可動部(ロッド等)とコッター14は、例えばピン21等で連結される。
なお、押し引き機構20は、この例に限定されず、シクリュージャッキ、サーボモータとスクリューネジの組合せ、直動シリンダ、等でもよい。
【0030】
上述した構成により、リニアローラベアリング18のころがり摩擦係数は最大で約0.003であるので、コッター14と受板12及び座板16との摺動抵抗を大幅に低減することができる。
【0031】
図1(B)は、第1実施形態図のコッターにおける荷重のつり合いを示す図である。この図は、上述した図4と実質的に同一であるが、摩擦係数μが従来の約0.1〜0.4に対し、本発明では最大で約0.003である点が大きく相違する。
従って、上述した式(1)(2)における摩擦係数μを含む項は従来の約1/30〜1/100程度となり、非常に小さいので、これを無視することができ、式(5)(6)が成り立つ。
引張力F1≒+Psinθcosθ・・・(5)
押付力F2≒-Psinθcosθ・・・(6)
【0032】
すなわち、本発明の構成により、圧縮荷重Pの移動方向の分力(Psinθcosθ)が摩擦力より常に十分大きいため、押し引き機構にはこの分力により常に同一方向(図で左向き)の荷重が作用する。従って押し引き機構にピン21の隙間や、バックラッシュ等の隙間があっても、その隙間は同一方向に常に押付けられているため、その隙間の影響なしに押し引き機構の作動でコッターを正確に移動することができる。
【0033】
また、押し引き機構で必要となる引張力及び押付力は、摺動抵抗が非常に小さいので、実質的に圧縮荷重の移動方向分力に相当するにすぎず、圧縮荷重Pの約1割前後であり、圧縮荷重が大きい場合でも押し引きする力が小さく、常に小出力の押し引き機構で足りる。従って、押し引き機構を小型、小出力にできる。
【0034】
さらに、押し引き機構で必要となる引張力及び押付力が間隙調整装置を取り付ける装置のフレーム等に作用しても、引張力及び押付力が小さいため、取り付け位置の変形が少なく精密な間隙調整が可能である。
【0035】
図2(A)は、本発明の間隙調整装置の第2実施形態図である。この図において、本発明の間隙調整装置10は、互いに平行な2面1,2の間に挟持され圧縮荷重を受ける受板12、コッター14及び座板16と、コッター14を2面1,2に平行に移動させる押し引き機構20とを備える。
コッター14は、この例では上面に図で右方向に高さが漸増するテーパ面14aを有する。さらに、押し引き機構20はこの例では、ボルトとこれに螺合するネジ孔である。
【0036】
また、この例において、ベアリング18は、円筒ころを保持器で一定の間隔に並べたものであり、受板12及び座板16の所定の位置に固定することなく挟持されている。
さらに、この例において、本発明の間隙調整装置は、圧縮荷重の移動方向分力の低下を補うために、コッター14を移動方向(この図で右方向)に付勢する付勢装置22を備える。付勢装置22はこの例では、コッター14を右方向に押付ける圧縮ばねであるが、反対側でコッター14を右方向に引く引張ばねでもよく、或いは空圧シリンダ又は液圧シリンダでもよい。
すなわち、付勢装置22による付勢力は、圧縮荷重の移動方向分力の方向と同じに設定する。また、付勢装置22による付勢力Fは、摺動抵抗の総和より大きく設定されている。
その他の構成は第1実施形態と同様である。
【0037】
図2(B)は、第2実施形態図のコッターにおける荷重のつり合いを示す図である。この図は、上述した図1(B)と実質的に同一であるが、コッター14の上面が図で右方向に漸増するテーパ面14aである点で異なる。
上述した式(1)(2)における摩擦係数μを含む項は従来の約1/30〜1/100程度であり、非常に小さいので、これを無視することができ、式(7)(8)が成り立つ。ここで、Fは、付勢装置22による右向きの付勢力である。
引張力F1≒-Psinθcosθ-F・・・(7)
押付力F2≒+Psinθcosθ+F・・・(8)
【0038】
上述した構成により、圧縮荷重Pの移動方向の分力(Psinθcosθ)が摩擦力より常に十分大きいため、押し引き機構にはこの分力により常に同一方向(図で左向き)の荷重が作用する。従って押し引き機構にバックラッシュ等の隙間があっても、その隙間は同一方向に常に押付けられているため、その隙間の影響なしに押し引き機構の作動でコッターを正確に移動することができる。
また付勢装置22を備える構成により、取付けの方向や取付け装置の特性により、圧縮荷重が低下する場合でも、「圧縮荷重の移動方向の分力+付勢力」を摩擦力より常に十分大きく設定し、バックラッシュ等の隙間があっても、その隙間の影響なしに押し引き機構の作動でコッターを正確に移動することができる。
【0039】
なお、本発明は上述した実施例及び実施形態に限定されず、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々変更できることは勿論である。例えば、コッターの下面のみ、又は上下両面にテーパ面を設けてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0040】
【図1】本発明の間隙調整装置の第1実施形態図である。
【図2】本発明の間隙調整装置の第2実施形態図である。
【図3】従来のレべリングブロックの模式図である。
【図4】図3のコッターにおける荷重のつり合いを示す図である。
【図5】特許文献1の「ロールの間隙調整装置」の構成図である。
【図6】特許文献2の「立軸回転電機の案内軸受装置の軸受ギャップ調整装置」の構成図である。
【図7】特許文献3の「竪孔掘削機の摺動部の隙間調整機構」の構成図である。
【符号の説明】
【0041】
1,2 面、10 間隙調整装置、12 受板、
12a 上面、12b 鉛直外面、12c 下面、
14 コッター、14a テーパ面、14b 下面、
16 座板、17 本体、17a 貫通孔、
18 ころがり摩擦部材(リニアローラベアリング)、
20 押し引き機構、21 ピン、22 付勢装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
互いに平行な2面の間に挟持され圧縮荷重を受ける受板、コッター及び座板と、該コッターを前記2面に平行に移動させる押し引き機構とを備え、
前記受板は、前記2面に対し直交する方向にのみ移動可能に支持され、
前記コッターは、受板及び座板との摺動面の少なくとも一方が前記2面に対し移動方向に高さが漸増又は漸減する一定の勾配を有しており、
前記コッターと受板及び座板との間に、ころがり摩擦部材がそれぞれ挟持され、これにより摺動抵抗の総和が圧縮荷重の移動方向分力より小さく設定されている、ことを特徴とする間隙調整装置。
【請求項2】
前記ころがり摩擦部材は、ベアリング、リテーナ入りローラガイド、又はリテーナ入りボールガイドである、ことを特徴とする請求項1に記載の間隙調整装置。
【請求項3】
前記押し引き機構は、圧縮荷重の移動方向分力によるコッターの移動を防止するようにセルフロック機構を有する、ことを特徴とする請求項1に記載の間隙調整装置。
【請求項4】
前記圧縮荷重の移動方向分力の低下を補うために、コッターを移動方向に付勢する付勢装置を備える、ことを特徴とする請求項1に記載の間隙調整装置。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2006−9902(P2006−9902A)
【公開日】平成18年1月12日(2006.1.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−186317(P2004−186317)
【出願日】平成16年6月24日(2004.6.24)
【出願人】(000000099)石川島播磨重工業株式会社 (5,014)
【Fターム(参考)】