説明

関節の関節形成を実行し、鉛直線平面を追跡調査するためのシステム及び方法

手術ナビゲーションシステムを用いて球関節の関節形成術を実行するための方法は、球関節の関節窩領域の態様をデジタル化することを含む、関節と該関節に属する肢の幾何学的なパラメータを提供するために目印をデジタル化するステップを含む。運動範囲パラメータが決定される。軟組織張力パラメータが決定される。機能上の目標は目印データ、運動の範囲パラメータ、軟組織張力パラメータ及び潜在的なインプラントのデータベースに基づいて計算される。最適な関節窩位置は潜在的なインプラントの衝撃を最小限に抑えるために求められる。インプラントは、最適な関節窩位置及び機能上の目標に基づいて選ばれる。関節は選ばれたインプラントを受け入れるために準備される。選ばれたインプラントは関節の中に取り付けられる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は概して整形外科に関し、さらに詳細には球関節の置換または関節形成を実行するためのシステム及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
人体構造には二つの主要な種類の球関節、つまり二つの股関節と二つの肩関節とがある。これらの球関節の修復には多数の外科的アプローチがある。股関節の場合、股関節全置換術(THA)または置換外科療法が、ケガ、関節炎、骨の退行変性、軟骨の損傷または損失等を含むそれらの股関節の一方または両方での重大な問題を抱える患者の移動性の増加を実現するために使用される。典型的なTHA手術は、関節に近づくための切開術に続いて股関節の転位を必要とする。該関節の転位に続き、大腿骨の頸部を通って大腿部を切断することにより、大腿骨の骨頭を大腿部から除去する。次に、臼蓋窩(acetabulum)の中に残る軟骨を取り除くため、及び寛骨臼インプラント構成要素、つまりカップを受け入れるために臼蓋窩を準備するために、動力工具及びリーミング取り付け具を使用して寛骨臼つまり臼蓋窩を広げる。通常、リーマー取り付け具は、ある特定の種類のインプラントカップまたは構成要素を受け入れるように臼蓋窩を準備するための大きさに作られている。インプラントカップはカップを骨盤にしっかりと固着するためにセメント、特殊ネジによって、及びまたは骨の成長を受け入れるメッシュによって適所に保持される。
【0003】
大腿骨は次に特殊ラスプまたは類似した器具を使用して大腿部管を形成し、大腿幹状部インプラントを受け入れるために大腿部管を広げることによって準備される。大腿骨幹状部インプラントは、次に広げられた管の中に設置され、臼蓋窩カップに類似する方法で適所に固着される。一般的な処置の最後のステップは、該カップの中で股関節部の滑車関節として働くように金属のボールを幹状部に取り付けることである。
【0004】
肩関節の場合、全置換術はあまり一般的ではなく、一般的な置換手術は上腕の球を置換するだけである場合があり、多くの場合カップインプラントは伴わない。この場合、手術は通常上腕の球を置換し、場合によっては関節窩の表面に対して多様なレベルの修正を加えるであろう。
【特許文献1】米国特許出願公開第2001/0034530号明細書
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
インプラントの相対的なサイズと形状が脚または腕の長さ及び偏位に影響を及ぼすことがあるため、選ばれる特定のインプラントの選択では注意を払わなければならない。さらに、関節窩つまり臼蓋窩が、所望される運動学を達成するために適切な位置/向きにあるかどうかについて、窩を広げる際にも注意を払う必要がある。多くの場合、恒久的なインプラントを適所に固着する前に、外科医が患者の可動性、運動範囲及びクオリティオブライフに対する置換術の影響を正しく判断するのを支援するために、トライアルインプラントが適所に設置される。これらの課題は、股関節については、脚の長さが手術をしない脚の長さに密接に適合させることを確かめること、置換股関節の偏位が、脚の外観が手術をしない脚に適合させるように満足の行くものであることを確かめること、及び患者による通常の活動が股関節を脱臼させない、あるいは脚が歩行中及び他の通常の日常的な活動の間に患者を適切にさせることができなくさせることがないように十分に安定していることを確かめることを含む。肩の場合、腕の長さ、腕と肩の変位及び運動範囲が手術をしない腕と肩に適合しなければならず、手術をした肩は通常の活動で脱臼してはならない。トライアルインプラントの使用に関する一つの懸念は、骨のすべての準備が行われた後にこれらのトライアルデバイスが使用されるという点である。トライアルが、準備の深さが大きすぎることを示した場合、外科医には状況に対処しようとするために別の形状のインプラントを使用することが残される。発生する可能性のある不慮の出来事に対処するために、これには、外科医が開始する前に手元にさらに多数の品揃えを有することが必要になる。
【0006】
加えて、一般的な外科的技法は外科医に多くの他の課題も提示する。手術ナビゲーションの使用、及び適切な手術前計画によりこれらの課題を最小限に抑えることができるが、これらのツールを使用したとしても、手術中に骨に対して適切な修正が加えられることを保証するためには注意が払われなければならない。例えば、股関節置換手術では、特定の寛骨臼インプラントカップを受け入れるために適切な深さに臼蓋窩を準備することが必要であるが、同時に臼蓋窩内側壁を妨害するまたは損なうことを回避する必要がある。同時に、臼蓋窩はインプラントカップを適切に受け入れるように作成されることを確かめることが必要である。例えば作成された臼蓋窩がカップの深さより深い、あるいはカップが臼蓋窩の中に十分に深く設置できない等、カップが作成された臼蓋窩の中にうまく収まらない場合、カップは経時的に緩くなる、あるいはカップが所定の場所に激突されると、骨盤構造が損傷を受ける可能性がある、のどちらかである。関節窩の表面が付け替えられる、あるいは修正される場合には、肩部に対して類似した懸念が生じることがある。
【0007】
前述された肢の長さ及び偏位に関する懸念に加えて、多くの外科医が患者の体を基準にしてインプラントを適所に向けるために機械的なガイドに頼る可能性があり、不正確且つ決して最適ではない関節機能を生じさせることがある。最後に、外科医は出来上がった運動範囲、及び完成した関節の安定性、及び関節が通常の日常活動の下で脱臼する結果的な可能性を評価するために経験に頼らなければならない。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の一実施形態は、手術ナビゲーションシステムを用いて、幹状部−球関節の関節形成術を実行する方法に関する。該方法は、窩領域及び肢の幹状部の態様をデジタル化することを含む、関節と該関節に属する肢の幾何学的なパラメータを提供するための目印をデジタル化するステップと、運動パラメータの範囲を決定するステップと、軟組織張力パラメータを決定するステップと、を含む。該方法は、目印データ、運動パラメータの範囲、軟組織張力パラメータ、及び潜在的なインプラントのデータベースに基づいて機能上の目標を計算するステップをさらに含む。次に、該方法は窩の特定された回転の中心に基づいて安定性の制約を考慮に入れ、衝撃を最小限に抑えるために最適な窩の向きを求めることと、機能目標に適合させるためにインプラント構成要素と位置決めとの組み合わせを選ぶことと、特定された幹状部の位置及び窩の特定された回転の中心に基づいて安定性の制約を考慮に入れ、衝撃を最小限に抑えるために最適な窩の位置を求めることと、該最適な窩の位置に基づいて機能目標に適合させるために最適な構成要素組み合わせと位置決めとを求めることとを含む。加えて、該方法は、最適な窩の位置及び該特定された幹状部位置に基づいて機能目標に適合させるために最適な構成要素の組み合わせ及び向きを求めるステップと、機能目的に適合させるために最終的な構成要素の組み合わせと構成要素の最終的な向きとを選ぶステップと、最終的なインプラント構成要素を受け入れるために関節の準備をするステップと、関節の中に最終的なインプラント構成要素を設置するステップも有する。
【0009】
本発明の追加の実施形態は、手術ナビゲーションシステムを用いて、幾何学的なパラメータと軟組織張力パラメータとの両方を考慮に入れることによってインプラントを選択し、球関節の中に配置する方法に関する。該方法は、幾何学的なパラメータ及び運動の範囲データをデジタル化するステップと、軟組織張力パラメータを測定するステップと、適切な安定性及び最小の衝撃可能性を与える第一の窩位置を選択するステップと、を含む。該方法は、肢の長さ、遠位/近位の変位、及び外側/内側の変位に関して該第一の窩の位置から許容公差範囲を確立するステップと、構成要素の初期のインプラント組み合わせを選択するステップと、構成要素の該初期のインプラント組み合わせの属性及び構成要素の追加の潜在的なインプラント組み合わせについて、及び該初期の構成要素の組み合わせの追加の位置について追加の潜在的な属性の範囲を基準にして構成要素の該初期のインプラント組み合わせの属性及び構成要素の該初期のインプラント組み合わせの位置を計算し、グラフィックに表示するステップと、をさらに含む。最後に、該方法は、許容範囲内に留まる一方で、関節の最適な機能特性のために、構成要素の最終的な組み合わせと、構成要素の最終的な組み合わせの最終的な位置に到達するために構成要素の該初期のインプラント組み合わせと、構成要素の該初期の組み合わせの該初期の位置を修正するステップを含む。
【0010】
本発明のさらに追加の実施形態は、手術ナビゲーションシステムを用いて関節の関節形成術を実行する方法に関する。該方法は、所定の休止位置を基準にして関節の機能平面を確立し、追跡調査するステップと、該機能平面を基準にして鉛直線平面を確立し、追跡調査するステップと、を備える。該方法は、インプラント構成要素を受け入れるために該関節を準備するステップと、衝撃を最小限に抑え、運動の範囲を最大限にするインプラント組み合わせを選ぶステップと、作成された関節の中に選ばれたインプラントの構成要素を差し込むステップと、をさらに含む。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
本発明の他の態様及び優位点は以下の詳細な説明を考慮に入れて明らかになるであろう。
【0012】
図1は、CPU(不図示)、内部メモリ(不図示)、記憶容量(不図示)、モニタ104、及びカメラアレイ106、を有するパーソナルコンピュータ102を含む手術ナビゲーションシステム100を示している。手術ナビゲーションシステム100の要素は当業者に周知であり、その開示が参照することにより組み込まれている特許文献1に開示されるような手術ナビゲーションシステム等の、本発明の方法に従った使用のために適応できる多くの市販されているシステムがある。手術ナビゲーションシステムを活用して球関節の関節形成術を実行するためのシステム及び方法が、参照することによりやはり本書に組み込まれている、2003年9月5日に出願された、同一出願人による米国特許出願、出願番号第10/655,922号に概して説明されている。
【0013】
一つまたは複数のインプラント構成要素の機能によって決定される位置決めは、インプラントの向きと位置を確立するために運動の範囲及び筋肉の緊張を考慮に入れる。従来の外科手術では、インプラント構成要素の向き及び位置決めは患者に特定ではない標準化された位置値に忠実であることを必要とする可能性があり、したがって機能上の観点から決して最適ではない位置決めと向きを生じさせることがある。例えば、従来の股関節置換処置では、外科医は、当該技術で周知であるようにカップインプラントのための解剖学上前額面を基準にした前傾20°の、及び傾斜45°の標準値に従うことがある。入手可能な医学文献は、20°と45°というこれらの固定された平均値について外科手術中に使用される解剖学上の基準は、これらの値が平均であり、関節の最適機能に一致しない可能性があるためにいくぶん恣意的である可能性があることを示している。例えば、直立して立ったときに傾斜した骨盤を有する患者の場合、従来の手法はカップ傾斜及び前傾の量を、患者が起立しているときに、骨盤が傾斜することを考慮に入れずに、患者が横たわっている間に測定された骨盤の前部平面に基づいて決定付けるであろう。
【0014】
球関節のための関節形成処置において最適な結果を達成するためには、外科医が得ようと奮闘するいくつかの相互に関連する目標がある。第一の目標は窩の十分な安定性である。例えば、股関節処置においては、臼蓋窩カップインプラントは骨の中に十分に納められ、長年の負荷に耐えるために適切に配向されなければならない。カップインプラントは、その構造上の完全性に妥協するために骨盤の壁に非常に深く中ぐりしてはならない。代替的に、肩の処置では、関節窩154(図2に示される肩の窩)は、肩インプラント構成要素を収容するために機械加工される、つまり広げられる場合、関節窩の構造上の完全性に妥協するであろう方法で過度に広げられてはならない。通常カップつまりソケットインプラントを利用しない肩の処置では、関節窩154は上腕148に取り付けられる置換ボールインプラントを収容するために適切な表面を作成するために、必要に応じて機械加工される、つまり広げられなければならず、ボールインプラントは表面と相互作用する。股関節処置に類似するように、関節窩154の準備は最終的な肩関節位置に影響を及ぼし、したがって肩関節の運動の範囲に影響を及ぼすだけではなく、腕の長さ及び/または内側−外側の腕の位置に対しても少なくともある程度の影響を及ぼす。
【0015】
第二の目標は衝撃/変位の最小の傾向またはリスクである。例えば、股関節処置においては、肢の予想される通常の動きの間にネックインプラントがカップインプラントの周縁に突き当たり、肢の予想される通常の動きの間にネックインプラントのボールにカップインプラントから変位(つまり飛び出す)しないようにカップインプラントを配置し、配向することが望ましい。不十分な安定性、及び衝撃と変位の傾向は関節の機能を大幅に弱めることがあるため、(1)安定性及び(2)衝撃/変位の最小のリスクというこれらの最初の二つの目標は、通常、関節窩にとって最も重要な考慮事項である。
【0016】
関節窩またはソケットインプラントの向きと位置決めによってやはり影響を受ける後述される、検討すべき追加の目標または要因がある。いったん外科医が、安定性及び衝撃/変位の観点から十分となるであろう関節窩またはソケットインプラントの第一の位置と向きを決定すると、外科医は追加の目標を達成するためにこの第一の関節窩の位置/向きからどれほど無理なく逸脱してよいのかを考える可能性がある。次に、外科医は追加の目標を達成する、あるいは少なくとも追加の目標に近付くために第一の位置/向きから位置決め及び向きを微調整するつまり手を加えてよい。
【0017】
該追加の目標は、手術する肢の外側−内側の変位を手術しない肢(つまり、対側)に適合させる、あるいは対側に類似する外側−内側の変位に少なくとも近付く結果を生じさせる関節窩の位置と向きに到達するという第三の目標を含む。第四の目標は、手術する肢の遠位−近位の設置が対側に近づくように関節窩を配置する/配向することを含む。第五の目標は、手術する肢の長さを対側に適合させることである。第六の目標は対側の回転の中心を適合させる(つまり近付く)ことを含む。回転の中心を対側に適合させることが、脚の長さを適合させること、あるいは目標の他より重要ではないと見なされてよいことが留意されなければならない。例えば、外科医は対側の関節窩位置を正確に適合させることを無視するが、関節窩に最適の安定性を与える、任意の回転の中心/第一の関節窩位置を確立してよい。後述されるように、外科医は次に、最適な機能及び所望される肢の長さを達成するために第一の関節窩の位置から微調整するために残された自由度を使用してよい。第七の目標は対側の運動学(つまり類似する運動範囲)を適合させることである。しかしながら、患者の構造上の制約に応じて、運動学を適合させることは目標の他より重要ではないことがある。前記の「近付く」という言葉から明らかとなるように、外科医は、第一の目標から第七の目標の大多数に関して最適である関節窩の位置と向きに達するためにこれらの追加の目標の一つまたは複数に関してわずかにあるいはかなり妥協しなければならない可能性がある。該七つの目標の内の一つまたは複数が妥協される必要のある程度は、大部分患者の構造上の制約に応じてよい。
【0018】
関節窩の位置決め/配向に加えて、インプラント(複数の場合がある)の選択が前述された目標に影響を及ぼす。選択されたインプラント(複数の場合がある)の特定の寸法(つまりサイズ)と形状(例えば角度)は第一の目標から第七の目標の一つまたは複数を達成することに対して重要な考慮事項である。例えば、股関節の処置では、特定のインプラントは他の使用可能なインプラントより長いまたは短いネック長を有することがある。ネックの特定の長さは対側を基準にして手術する大腿骨の外側−内側及び遠位−近位の変位に影響を及ぼす。加えて、ネックが大腿骨幹状部インプラントと作る特定の角度は、外側―内側及び遠位−近位の変位に影響を及ぼす。
【0019】
図1を参照すると、手術ナビゲーションシステム100を用いて、外科医は、球関節122と、そこに属する肢124の幾何学的なパラメータをシステム100に入力するために、当業者に周知の方法で適切な解剖学上の目印に固定関係で取り付けられた適切なマーカ120a、120b、120cを適用し、当該技術で周知であるように可動プローブ125の多様な位置をデジタル化してもよい。さらに、一つまたは複数の静止したマーカ126が通常デジタル化される。外科医は、関節124の周りで肢を動かすことによって運動の範囲のデータもデジタル化し、後述されるように適切な力覚センサを用いて軟組織張力データを測定する。システム100は、第三の目標から第七の目標のすべてまたはどれかだけではなく、第一の目標と第二の目標に関しても最適と決定されるある特定のインプラントまたはインプラント構成要素の組み合わせだけではなく、第一の関節窩の位置も計算するためにこれらのデータを変換する。この点で、システム100は所望される機能上の結果を達成するためにインプラント構成要素の最良の組み合わせを示す。有限数のインプラント構成要素の組み合わせがあるので、システム100は最適結果を最もよく達成するインプラント構成要素のその組み合わせを示す。
【0020】
次に外科医は、外科医が第一の関節窩の位置/向きから調整して快適と感じる許容公差範囲を第一の関節窩の位置/向きから確立してよい。図5を参照すると、システム100は、好ましくは前傾のための第一の軸133と傾斜のための第二の軸136を含む、グラフ表示130を表示する。点137は傾斜と前傾に対する現在の関節窩の位置を表現する。関数曲線138aから138fは、傾斜と前傾の変化する値に対して、すべての使用可能な幾何学的な運動範囲及び軟組織張力データの変換を表わし、このような変換は適切なアルゴリズムを用いてシステムによって計算される。また、システム100は、第一の目標と第二の目標、及びおそらく第三の目標から第七の目標の内の一つまたは複数に関して第一のインプラント構成要素(複数の場合がある)を決定する。この関連で、システム100は、最適な第一のインプラントを計算するためにそれぞれの潜在的なインプラントの幾何学的な特性を有するインプラントデータベース143(図4A)を活用する。システム100及び本明細書に開示されている方法論は、同時に前記パラメータのすべてを考慮に入れる。システム100によって使用されるアルゴリズムはインプラント構成要素のすべてとともにデータベース143を使用し、構成要素の適切な組み合わせ、及びそのためのそれぞれの位置合わせ(ヘッド偏位、ネック角度、カップまたは向き)を選ぶことによって前記パラメータを最適化する。データベース143内のインプラント構成要素はさらにカスタマイズ可能なインプラントを作成するために外科医が結合できるモジュール式インプラントだけではなく、さまざまなサイズのインプラントの完全なセットとなる場合がある。モジュール式インプラントは別々で互いに交換できる幹状部、ネック及びボールまたはヘッドを含む。システム100は、次にディスプレイ104の上に特定の最適化されたインプラント(複数の場合がある)を示し、該特定の最適化されたインプラントのための多様な機能曲線138aから138fのグラフ130も表示する。最適化アルゴリズムの一部として、他のパラメータは対側を基準にして+/−5mmという脚長さ公差範囲等の小さな公差範囲を有することがある一方、いくつかのパラメータはバイナリ、例えば変位なしである。曲線138aから138fのどれかの上の任意の2つの点は関節124の機能上の観点から同等である。例えば、曲線138d上で、点140と141は、傾斜と前傾の異なる値を有するが、運動の範囲及び張力に関しては同等な機能上の結果を出す。加えて、システム100は、決定された最適解決策に対する隣接サイズあるいは代替インプラント設計を使用する異なるインプラントファミリ等のインプラント構成要素の他の選択肢の結果を示す代替グラフも表示できる。外科医は、安定性及び無衝撃/変位という第一の目標と第二の目標に関して、最小の前傾値143と最大の前傾値146を決定してよい。同様に、外科医は第一の目標と第二の目標を傷つけることなく関節機能を改善するために位置137からその間で操作してよい最小値と最大値148と150も確立してよい。一般的には、グラフ130では、機能は曲線138aから曲線138fに向かって改善する。したがって、曲線138cは曲線138bよりも優れた機能上の結果を生じさせるため、外科医は傾斜と前傾を、位置137から、曲線138bの位置154ではなく曲線138cの位置152に調整してよい。
【0021】
軟組織張力データは、臼蓋窩カップの中に、つまりトライアルインプラントの大腿骨ヘッドインプラントまたはネックインプラントに内蔵される適切な圧力センサによってシステムによって収集される。圧力センサは、トライアル構成要素に内蔵される従来のストレインゲージである。これらのトライアル構成要素によって、外科医は最適な解決策が現実に患者にとって最適であることを確認するために形状を試験できる。圧力値は、無線でシステム100に送信することができ、それぞれの肢の位置に関連付けることができる。軟組織張力データを収集する過程の一部として、外科医は、前記圧力センサだけではなく、ネックオフセット/長さまたはネック角度等の一つまたは複数のインプラント特徴を調整する電動のパーツも有するトライアルインプラント構成要素を使用してよく、システム100はネック長さまたはネックオフセット角度の多様な値を基準にして軟組織張力パラメータを計算できるであろう。肢122の移動中、システムは、当該技術で周知であるようにシステムが関節124の回転の中心の変位を検出すると離昇データを提供される。
【0022】
圧力センサ付きのトライアルの動作は、システム100が第一の関節窩位置/第一のインプラント(複数の場合がある)を決定した後に実施されてよい。例えば、外科医はネック角度及び/またはネック長さを操作し、図5のグラフ130に類似した、または同一の追加の機能グラフを表示できるであろう。ネック長さ/ネック角度の変化は、外科医が第三の目標から第七の目標に関して機能を改善するために第一の位置から微調整できるようにする曲線138aから138fに類似した、追加の機能曲線のために追加の変換に追加の力データを提供する。
【0023】
一般的なシナリオは以下のとおりであろう。外科医は手術前の運動範囲を捕捉する。外科医は臼蓋窩つまり関節窩を準備し、スイベルトライアルを設置する。外科医は大腿骨の中にトライアルブローチをリーマ通しする。第一のオプションまたは処置に従って、外科医は深さと前傾に関して最終位置までリーマ通しをして、このようにして後の最適化のために自由度を減少する。次に、外科医はトライアルネックとヘッドを設置し、追加の運動範囲を実行する。システム100は、次にカップの最適ネック角度、ヘッドオフセット、前傾及び傾斜を引き出す。
【0024】
第二のオプションまたは処置に従って、外科医は、深さと前傾に関して最終位置までリーマ通しをするのではなく、適所に予備的なブローチを入れる。この第二のオプションまたは処置に従って、位置が最終的ではないために最大自由度が与えられる。外科医は次にトライアルネックとヘッドを試験し、そのための運動範囲分析を実行する。システム100は最適幹状部前傾及び前記すべてを引き出す。外科医は、次に提案されている大腿骨構成要素を検証する。検証は、現位置での選択された構成要素の組み立てを含む、あるいは自動的に調整可能な装置が適所にある場合には、装置の自由度は相応して調整される。提案されている角度のトライアルネックと提案されているオフセットのヘッドとは手動で取り付けられる。外科医は、提案されているネック角度と前傾を原位置で調整するために、前述されたように電動インプラント構成要素を活用して一つまたは複数のスマートなトライアルを実行する。追加の力データが収集され、システム100による追加の変換及びグラフ表示130等の追加のグラフ表示を可能にし、したがって外科医はインプラント構成要素(複数の場合がある)の幾何学形状を微調整できる。トライアルインプラントは、伸張可能な大腿骨ネック、及び第二の移動の登録中に、外科医がネック長さに対する軟組織張力の影響を評価できるようにシステムに力データを通信する力センサ、を含むことができるであろう。外科医は移動の実行の分析でネック長さを変え、多様なネック長さについて力データを送信してよい。獲得された力データに基づいて、外科医は外見上許容できるオフセットも生じさせる一方で(つまり、適切な幾何学的なパラメータの範囲内で)、適切な張力を提供する最適ネック長さを決定するためにシステムを使用できる。最後に、外科医は最終的な構成要素を最適化された位置にナビゲートする。外科医の好みに応じて、前記オプションまたは処置は順序及び最適化に使用可能な自由度で異なることができる。
【0025】
患者の初期の運動学が考慮に入れられることもある。それらは外科測度の改善を文書化するための基準として使用できる。病気が許すときには、回転の中心、運動の範囲及び軟組織張力を確立し直すことが所望されることもある。しかしながら、最も一般的な状況は、外科医が前述されたように任意の第一の関節窩/回転の中心を確立するように、初期の状態には関係なく同側を最適化しようとすることであろう。元の回転の中心の再確立が所望されるケースでは、第一の運動学分析は第一の運動学的データを取得するために関節の周りで対側の肢を移動することによって実行され、手術する肢124は該第一の運動学的データに比較される第二の運動学的データを取得するために関節122の周りで動かされる。
【0026】
図4Aを参照すると、ブロック160ではシステム100を初期化し、患者の経歴情報の入力を可能にし、マーカ120aから120c及びプローブ125がカメラアレイ106の視野体積(viewing volume)の範囲内にあるかどうかを試験する。ブロック164では幾何学的なパラメータを決定するためにマーカのそれぞれから入力を受け取り、ブロック168では視野体積の範囲内での関節124の周りでの肢の移動に続き、または間にマーカ120aから120cをデジタル化することによって運動の範囲を計算する。肢が運動の最大範囲を通して動かされる間、肢の場所は公知の方法で多様な場所で繰り返しデジタル化される。外科医は、通常、最大屈曲、最大伸張、最大内部回転、最大外部回転、最大外転、及び最大内転等の極端な位置を評価する。また、外科医は、通常、これらのそれぞれの適度な位置をデジタル化する。幾何学的なパラメータ及び運動範囲データを備える第一の運動学データで、関節の運動学を評価し、最適な関節窩位置を求めるには十分であり、事実上さらに優れた結果を生じさせるため、外科医は、提靭帯271、左右ASIS273及び(図3に見られる)恥骨結節275に基づいて解剖学上の骨盤前額面250等の前額面をデジタル化する必要はない。本発明のシステム及び方法で使用される機能上の前額面は、重力を基準にして、例えば起立または着席等の特定の姿勢での骨盤位置を複製する。その結果、これらの機能上の前額面は、静的なシナリオにおけるインプラント位置決めにとっての患者に特定の基準になる。これらは任意に定義された解剖学上の前額面よりも日々の活動の達成にさらに有意義である。ブロック172では、前述されたように力データの無線による受信を介して関節124の軟組織張力パラメータを決定する。ブロック176ではインプラントデータベース143にアクセスし、幾何学的なパラメータ、軟組織張力データ、第一の目標と第二の目標、及び第三の目標から第七の目標の内の一つまたは複数に基づいて最善のインプラントを選ぶ最適化アルゴリズムを実行することによって機能上の目標を計算する。ブロック180では、最適な関節窩位置と最適なインプラント(複数の場合がある)を表示する。ブロック184では、外科医は、トライアルインプラントであるのか、あるいは最終的なインプラントであるのかに関わりなく、インプラント受け入れのために関節124を準備する。関節124を広げること/準備は当該技術で公知であるように、適切なアクティブなまたはパッシブな追跡調査マーカをその上に有する適切なリーマ(不図示であるが、周知)を誘導することによって等、システム100によって誘導できるであろう。最後に、ブロック188では、インプラント(複数の場合がある)が関節124の中に取り付けられる。ブロック184と188の間では、ブロック172が、関節窩の位置決め及びインプラントの選択を微調整するために前述されたようにスマートトライアルの実行とともにおそらく繰り返すことができるであろうことに留意する必要がある。ブロック168、172は結合できる、または図示されているように別々であるかのどちらかである。
【0027】
図4Bを参照すると、ブロック180に類似するまたは同一のブロック181は、ブロック160、164、168、172及び143から取得されたデータを最適化することによって第一の関節窩位置及び第一のインプラントを求める。ブロック190は、傾斜と前傾のさまざまな値を基準にして第一の関節窩位置/第一のインプラントの機能上の属性を表示する。例えば、ブロック190は、多様な曲線138aから138fを基準にして点137(図5)を表示できるであろう。最後に、ブロック192、194では、最適関節窩位置及び最適インプラントがそれぞれ選択される。前述されたスマートトライアルは、必要であれば、追加の最適化データを取得するためにブロック190とブロック192、194の間で実行できるであろう。
【0028】
図6を参照すると、リーミングツール200のナビゲーションが、ディスプレイ104(図1も参照すること)上に適切なしるしを付けることによって達成されてよい。例えば、所望されるリーミング場所を反映する1本または複数本のガイドライン204aから204dがディスプレイ104に表示される。リーミングツール200の位置は、枠(crucible)207等の適切なしるしによってリアルタイムで表示され、該枠207はガイドライン186を基準にして表示される。該しるしは、最大リーミング深度を反映するガイドライン208をさらに含むことができるであろう。外科医が、リーミングの前に外科医の推定位置を試験するために仮想インプラントの多様な仮想上の位置について(同一出願人による米国出願、出願番号第10/655,922号に説明されるように)一回または複数回の仮想トライアルを実行してよいことに留意する必要がある。システム100は、外科医の推定される最適関節窩位置を評価するためにこのような仮想トライアル(複数の場合がある)の予想される運動学的結果を表示するであろう。外科医は、さまざまな寸法を有するさまざまな仮想インプラントを活用して追加の仮想トライアルを実行してもよい。試行錯誤のプロセスを通して、外科医は最適な関節窩位置を求め、いったん最適な関節窩位置が決定されると、システムは関節の準備を誘導するためにガイドライン204aから204b(図6)等の適切なしるしを表示する。
【0029】
図7を参照すると、外科医は、必要であれば、前述されたブロック160,164、168及び172と関連して説明されるデータ収集の間に患者の解剖学上の平面を基準にして、重力平面つまり鉛直線平面Pを確立し、追跡調査してよい。股関節の処置では、鉛直線平面Pによってシステムは重力を基準にして骨盤の位置を評価できる。この関連で、最適関節窩位置決めは、一般的には、患者が横たわっているときに骨盤の機能上の前額面が鉛直線平面Pを基準にして偏位する、中立的な立場で、骨盤で評価される。偏位の角度は性別の間だけではなく、ライフスタイル、年齢、人種等に応じても変化する。それは通常−10度から+10度の範囲であるが、この範囲外である場合もある。遠直線平面Pを追跡調査することにより、システムは、骨盤に対して重力の影響を行使する水平ではない骨盤によって引き起こされる不正確さによってデータを分かりにくくしたり、処置中に患者の骨盤のシフトによりデータを分かりにくくすることなく、鉛直線平面Pを基準にして、あるいは好ましくは確立された機能上の前額面を基準にして関節の準備またはインプラントナビゲーションを誘導できる。
【0030】
鉛直線平面Pを手術中に確立する容易な方法は、手術台235を平らにするために一つまたは複数の適切な水平器230を使用する。台235は、システムが台235の位置と向きを追跡調査できるために、一つまたは複数の適切な追跡調査マーカ240を含む。台235は第一の高さ位置Aから第二の高さ位置Bに移動し、鉛直線平面Pを確立するために、台の位置はこれらの位置AとBのそれぞれでデジタル化される。前述されたように、以前に確立された機能上の前額面は、ここで鉛直線平面を基準にして追跡調査できる。その結果、この平面の位置と向きは、図8Aから図8Cに描かれているように鉛直線平面Pを基準にして評価されてよい。
【0031】
肩の場合、基準位置は中立的な姿勢である。これは術後の柔軟性及び安定性を最大限にするために肩の適切な位置決めを基準にして情報を提供する。
【0032】
手術ナビゲーションシステム100は、開示された機能を実行するために適切なソフトウェア及び回路網を含む。システムのコンピュータプログラムは、本書に開示されている多様な特徴を実行するためにあらゆる適切なユーザインタフェース画面を含んでよい。
【0033】
本発明の多数の変型は前記説明を鑑みて当業者に明らかになるであろう。例えば、仮想トライアルは、関節からの肢の変位の前または後等の、関節形成処置の間のいかなる時点において実行されてもよい。したがって、本説明は本書に教示される発明概念を単に例示すると解釈されるべきであり、当業者が本発明を作り、使用し、これを実施するための最良の形態を教示できるために提示されている。添付請求項の範囲内になるすべての変型に対する独占権が留保される。
【0034】
(関連出願の相互参照)
該当なし。
【0035】
(連邦による資金提供を受けた研究または開発に関する参照)
該当なし。
【0036】
(連続リスト)
該当なし。
【図面の簡単な説明】
【0037】
【図1】本発明の方法で有効な手術ナビゲーションシステムの概略図である。
【図2】肩の解剖学上の図である。
【図3】骨盤と前部骨盤平面の解剖学上の図である。
【図4A】本開示に従った一実施形態の流れ図である。
【図4B】本開示に従った第二の実施形態の流れ図である。
【図5】前傾軸と傾斜軸を基準にした機能上の降伏曲線のグラフ表示である。
【図6】リーマのナビゲーションを誘導する表示画面の線図である。
【図7】手術台の線図である。
【図8A】鉛直線平面を基準にした解剖学上の平面の位置を示す。
【図8B】鉛直線平面を基準にした解剖学上の平面の位置を示す。
【図8C】鉛直線平面を基準にした解剖学上の平面の位置を示す。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
手術ナビゲーションシステムを用いて球関節の関節形成を実行する方法であって、
関節窩領域及び肢の幹状部の態様をデジタル化することを含む、該関節と該関節に属する肢の幾何学的なパラメータを提供するために目印をデジタル化するステップと、
運動範囲パラメータを決定するステップと、
軟組織張力パラメータを決定するステップと、
目印データ、該運動範囲パラメータ、該軟組織張力パラメータ、及び潜在的なインプラントのデータベースに基づいて機能上の目標を計算するステップと、
該関節窩の識別された回転の中心に基づいて安定性制約を考慮に入れて衝撃を最小限に抑えるために最適な関節窩向きを求めるステップと、
該機能上の目標に適合させるためにインプラント構成要素組み合わせを選び位置決めを行うステップと、
識別された幹状部位置及び該関節窩の該識別された回転の中心に基づいて安定性の制約を考慮に入れて衝撃を最小限に抑えるために最適な関節窩位置を求めるステップと、
該最適の関節窩位置に基づいて該機能上の目標に適合させるために最適な構成要素組み合わせを選び位置決めを行うステップと、
該最適の関節窩位置及び該識別された幹状部位置に基づいて該機能上の目標に適合させるために、最適な構成要素組み合わせ及び向きを求めるステップと、
該機能上の目標に適合させるために最終的な構成要素の組み合わせ及び該構成要素の最終的な向きを選ぶステップと、
該最終的なインプラント構成要素を受け入れるために該関節を準備するステップと、
該関節に該最終的なインプラント構成要素を取り付けるステップと、
を備える方法。
【請求項2】
該最適の構成要素組み合わせの位置決めまたはサイジングのパラメータを示す軸を有するグラフが表示され、
結果として生じる関節形状の解剖学上の値、運動学的な値、及び張力値に対する該幾何学的なパラメータの影響を表現する複数の曲線が該グラフ上に表示される、
請求項1に記載の方法。
【請求項3】
該グラフが第一の軸と第二の軸を有して表示されるグラフであり、
該第一の軸が前傾の量であり、第二の軸が該関節窩の傾斜の量であり、
結果的に生じる関節形状の解剖学上の値、運動学的な値、及び張力値に対する、該前傾及び傾斜の影響を示す複数の曲線が該グラフ上に表示される、
請求項2に記載の方法。
【請求項4】
該グラフが第一の軸と第二の軸を有して表示されるグラフであり、
該第一の軸が該幹状部の前傾の量であり、第二の軸がネック角と関節窩偏位の量であり、
結果的に生じる関節形状の解剖学上の値、運動学的な値、及び張力値に対する後者の幾何学的なパラメータの影響を示す複数の曲線が該グラフに表示されている、
請求項2に記載の方法。
【請求項5】
マーカが該複数の曲線を基準にした該第一の関節窩構成要素の位置を表示する請求項2に記載の方法。
【請求項6】
該関節が股関節である請求項1に記載の方法。
【請求項7】
該関節が肩関節である請求項1に記載の方法。
【請求項8】
手術ナビゲーションシステムを用いて、インプラントを選択し、幾何学的なパラメータ及び軟組織張力パラメータの両方を考慮に入れることによって球関節の中に配置する方法であって、
幾何学的なパラメータ及び運動範囲データをデジタル化するステップと、
軟組織張力パラメータを測定するステップと、
適切な安定性及び衝撃の最小可能性を提供する第一の関節窩位置を選択するステップと、
肢の長さ、遠位/近位偏位、及び外側/内側偏位に関して該第一の関節窩位置から許容できる公差範囲を確立するステップと、
構成要素の初期インプラント組み合わせを選択するステップと、
該構成要素の初期インプラント組み合わせの属性、及び該構成要素の初期インプラント組み合わせの位置を、構成要素の追加の潜在的なインプラント組み合わせのため、及び該構成要素の初期組み合わせの追加の位置について追加の潜在的な属性の範囲を基準にして計算し、グラフ表示するステップと、
該許容範囲内に留まる一方で、該関節の最適な機能上の特性のために、構成要素の最終的なインプラント組み合わせ及び構成要素の該最終的な組み合わせの最終的な位置に到達するために、構成要素の該初期のインプラント組み合わせと、構成要素の該初期の組み合わせの該初期の位置を修正するステップと、
を含む方法。
【請求項9】
解剖学上の目印の幾何学的なパラメータの決定がデジタル化されている請求項8に記載の方法。
【請求項10】
該軟組織張力パラメータが、該関節の周りの該肢の移動中に力覚センサを用いて測定される請求項8に記載の方法。
【請求項11】
インプラント構成要素のデータベースが提供される請求項8に記載の方法。
【請求項12】
グラフが構成要素の該インプラント組み合わせの幾何学的なパラメータを示す軸を有して表示され、
結果として生じる関節形状の解剖学上の値、運動学的な値、及び張力値に対する該幾何学的なパラメータの影響を表わす複数の曲線が該グラフに表示されている、
請求項8に記載の方法。
【請求項13】
該第一の軸が前傾の量であり、第二の軸が該関節窩の傾斜の量であり、
結果として生じる関節形状の解剖学上の値、運動学的な値、及び張力値に対する該関節窩の該前傾及び傾斜の影響を示す複数の曲線が該グラフ上に表示されている、
請求項12に記載の方法。
【請求項14】
該第一の軸が該幹状部の前傾の量であり、第二の軸がネック角及び関節窩偏位の量であり、
結果として生じる関節形状の解剖学上の値、運動学的な値及び張力値に対する、該幹状部の該前傾、及びネック角及び関節窩偏位の量の影響を示す複数の曲線が該グラフに表示されている、
請求項12に記載の方法。
【請求項15】
マーカが該複数の曲線を基準にして該第一の関節窩構成要素位置を表示する請求項12に記載の方法。
【請求項16】
該関節が股関節である請求項8に記載の方法。
【請求項17】
該関節が肩関節である請求項8に記載の方法。
【請求項18】
手術ナビゲーションシステムを用いて関節の関節形成術を実行する方法であって、
所定の休止位置を基準にして該関節の機能上の平面を確立し、追跡調査するステップと、
該機能上の平面を基準にして鉛直線平面を確立し、追跡調査するステップと、
インプラント構成要素を受け入れるために該関節を準備するステップと、
衝撃を最小限に抑え、運動範囲を最大限にするインプラント構成要素を選ぶステップと、
該準備された関節の中に該選ばれたインプラント構成要素を差し込むステップと、
を含む方法。
【請求項19】
該機能上の平面が、起立している間の骨盤の姿勢に関する骨盤前額面である請求項18に記載の方法。
【請求項20】
該関節が球関節である請求項18に記載の方法。
【請求項21】
該関節が股関節である請求項18に記載の方法。
【請求項22】
該鉛直線平面が、手術台を水平にし、該手術台を基準にして該マーカの内の一つを追跡調査し、第一の高さ位置と第二の高さ位置の間で該手術台を線形に移動することによって決定される請求項18に記載の方法。
【請求項23】
該方法が、
該準備された関節の中にトライアル構成要素を差し込むステップと、
所定の目標を基準にして該トライアル構成要素を評価するステップと、
をさらに含む請求項18に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4A】
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【図4B】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8A】
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【図8B】
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【図8C】
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【公表番号】特表2008−515512(P2008−515512A)
【公表日】平成20年5月15日(2008.5.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−535275(P2007−535275)
【出願日】平成17年10月7日(2005.10.7)
【国際出願番号】PCT/IB2005/004073
【国際公開番号】WO2006/067634
【国際公開日】平成18年6月29日(2006.6.29)
【出願人】(504409347)シュトリュカー ライビンガー ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング ウント コンパニー コマンディト ゲゼルシャフト (6)
【氏名又は名称原語表記】Stryker Leibinger GMBH & Co.KG
【住所又は居所原語表記】Boetzinger Strasse 41, 79111 Freiburg Germany
【Fターム(参考)】