説明

関節仕上げ表面を有する一体式整形外科インプラント

骨内殖による骨格固定を促進するために海綿骨と同様の連通気孔の形状を有する多孔質領域と、多孔質領域に隣接および一体的に連結し、軟骨下骨と同様の連通気孔の形状を有する移行領域と、移行領域に一体的に連結しかつ外周面を有する実質的に稠密な領域と、天然関節軟骨に対する関節接合に適応した仕上げを有する、実質的に稠密な領域上の表面とを含む、一体式整形外科インプラント。


【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
分野
本開示は整形外科インプラント、特に、限局的な関節軟骨および骨軟骨の欠損の修復用の整形外科インプラントに関する。
【背景技術】
【0002】
背景
社会における現役世代が高齢化するに従って、個人の健康を向上させるために医学が進歩する。最も実行されかつ成功した医学的処置の1つは、関節炎が引き起こす、活動を限定する疼痛を消散するための、関節形成術としても知られる関節再建術である。現在の技術は、半関節形成術、部分関節形成術および全関節形成術を含む様々な形態の関節形成術を支えている。これらの成功した手技は、骨格関節に疼痛をおこさないために、新たな連続的な低摩擦の関節表面を再建する。関節形成術の残りの課題は、比較的小さい限局的な軟骨病変の患者において、活動を制限する疼痛を消散することに関する。これらの病変は関節炎の早期であり、未処置のままであると関節炎の後期まで進行して人工関節部分置換術または人工関節全置換術などの、より侵襲性の高い手技が必要となる可能性がある。関節炎を処置する上での現在の課題は、接合する関節軟骨、周囲の関節軟骨および基礎をなす骨床との相互作用に成功する、限局的、局所的または全体的な再表面形成用のより多用途のインプラントを開発することにある。
【0003】
ヒト骨格における可動関節は、歩行運動と、環境に対する空間的位置決めと、周囲の能動的な操作とを支える、ほぼ摩擦のない無痛運動を与える。これらの骨格関節は、この機能を達成するために、平滑な連続的軟骨表面によって被包される骨端を封入する強い線維性カプセルを有する。この生物学的構成はヒト体内の骨格関節の大部分に相当する。
【0004】
可動骨の端部の被包表面は硝子軟骨として知られており、これはコラーゲン、閉じ込められたプロテオグリカン、他のタンパク質および軟骨細胞からなる水和した軟部組織である。この組織は関節軟骨または天然関節軟骨として、より一般的に知られている。この秩序ある組織は骨端の保護組織の弾力的で連続的な層を与える。それは骨端を保護することに加えて、滑液との相互作用により関節運動中の異常に低い摩擦係数を生じさせることにも役立つ。
【0005】
関節軟骨の弾力性は軟骨下板と呼ばれる稠密な骨層で支えられ、これは関節軟骨に基礎的な強度を与える。軟骨下板の骨側は海綿骨で支えられる。海綿骨は、軟骨下板の10分の1の剛性を有する非常に多孔質の構造である。海綿骨は、骨端の骨幹端領域における関節にわたる荷重を分散させるように作用する。
【0006】
骨格関節は、使用、外傷および加齢を通じて摩耗および断裂に供される。これらの要因は、関節炎を生じさせる、関節軟骨に対する生物学的変化を最終的に引き起こし、関節炎は、骨格関節内の関節軟骨に対する不可逆的損傷を最終的に生じさせる進行性の状態の群である。
【0007】
患部の関節軟骨表面に対する損傷が進行するに従って、保護組織の平滑で連続的な層は引き裂かれ、非連続的になる。身体は、他の組織とは異なり、この非常に秩序ある硝子軟骨を再生することが不可能であり、線維軟骨として知られる、耐久性がより低く粗さがより大きい形態の軟骨で代替する。保護性がより低いこの線維軟骨は、関節内の摩擦係数を増加させ、海綿骨内の微小骨折の体積の増大を生じさせる。この構造的分解に対して、身体は軟骨下板を厚くすることで反応し、骨端にわたる荷重の分散を支援する。研究者は、軟骨下板のこの硬直を、軟骨損傷開始の可能性に関する機構と見なしてきた。これは、未処置の軟骨病変が関節炎を進行させ、経時的に関節内の関節軟骨のより大きい区域を冒すことで、活動を限定する疼痛および関節機能の減少を導くことの理由であり得る。
【0008】
骨関節炎(OA)または変形性関節症(DJD)は、関節炎の最も一般的な形態であり、毎日の活動中に消耗性の疼痛を患者にもたらす。これは米国での中年人口の慢性能力障害の主因であるが、全年齢の人々が冒される。米国では2100万人が関節炎の一形態を有すると推定され、これは家庭医への来診の25%および全NSAID(非ステロイド性抗炎症薬)処方の半数を占める。
【0009】
OAは腰、膝、肩、肘および脊椎の関節、ならびに手および足に見られるような小関節を一般的に冒す。結果として、損傷または破壊を受けた関節軟骨を処置および修復する様々な方法が開発された。
【0010】
診断精密検査において関節炎の発症初期に通常同定される比較的小さい欠損では、関節鏡視下デブリドマン、研磨関節形成術または研磨軟骨形成術の手技が行われる。これらの手技の背後にある原理は、バーまたはシェーバーで軟骨下骨床を研磨してその出血を刺激することで線維軟骨の治癒応答を刺激することである。この手技は過去20年にわたって広く使用され、3年までは良好な短期的結果が出たが、治癒区域内で発生した結果的な線維軟骨は、より長期的な低摩擦の体重支持機能を必ずしも維持しない。
【0011】
「マイクロフラクチャー」と呼ばれる別の手技は、損傷した軟骨層を除去しかつ手術用の錐を使用して軟骨下骨を穿孔することによる線維軟骨治癒の概念を包含する。この技術は、研磨軟骨形成術で作り出されるものと種類および結果が同様の置換表面を作り出す。
【0012】
細胞に基づく治療として知られる、予め収集した硝子軟骨の細胞の移植が近年利用されている。この技術は、損傷した関節の非患部区域より得られる関節軟骨の試料から得られる自家軟骨細胞を使用する。軟骨の細胞を単離し、培養し、骨膜フラップ下で欠損区域に埋め込む。既に論じた研磨技術と比べて、この手技は術後の、体重を負荷しない長い過程が必要であり、患者の予後の変動を生じさせるこの手技に関わる技術的課題が理由で、依然として多少なりとも実験的と見られている。
【0013】
自家骨軟骨柱移植術または骨関節移植システム(OATS)と呼ばれる軟骨移植は、栓の形状の関節組織移植片を利用する技術である。これらの栓は、関節軟骨、軟骨下骨および海綿骨からなることによって、外科的に準備された欠損領域内の骨および周囲の関節軟骨を確実に治癒する。
【0014】
2つの異なる種類のドナー栓がこの手技用に収集される。第1の種類は死体の骨内の対応する関節位置より採取する(同種移植)。第2の種類は再建される関節内の境界位置または体重を負荷しない位置において患者より直接採取する(自家移植)。
【0015】
いずれの場合でも、関節軟骨移植片を利用するための技術には課題がある。この技術の成功には、対象関節の関節表面を再建するための単一または複数の栓の正確な収集および位置決めが必要である。栓は、関節表面と垂直に収集した後、欠損区域を取り囲む保持された関節軟骨と垂直かつ面一に位置決めしなければならない。移植片を周囲の関節表面のレベルよりもあまりに低い位置に配置すると、手技による利点が得られず、当初の欠損の外周面を超えて軟骨損傷が進行することがある。移植片を周囲の関節表面に対して突出させて配置すると、接合する関節表面に対する有害な影響が関節内で経時的に見られることがある。関節炎が多くの場合、接合表面に向けて進行する前に関節の一面を最初に冒すため、このことを考慮することが重要である。
【0016】
これらの栓をモザイク状に位置決めする結果として、新たな硝子軟骨表面が確立される。結果は、各移植片間に線維軟骨治癒応答を伴って介入される硝子状の表面である。患者の骨格関節内の機能的関節軟骨を修復することに成功する可能性を向上させるには、この手技に関して論じた多くの課題に加えて、術後に体重を負荷しない長い過程が必要である。
【0017】
既に論じた技術上の問題を超えて他の臨床的課題が存在する。同種移植栓の場合、移植片の利用可能性、潜在的な伝染、および組織の質がいずれも懸念事項である。自家移植栓の場合、利用可能な組織の質および関節形状が、処置される欠損サイズを限定する。
【0018】
組織工学の進展によって、浸透性自家軟骨細胞(軟骨の細胞)を用いて、およびそれを用いずに、コラーゲンに基づく足場デバイスを埋め込むことで骨格関節内の限局的軟骨病変を修復する処置が提供され始めている。足場ガイド再生と呼ばれるこの再建技術は、一般的な組織の基礎を確立し、これは経時的に身体により硝子軟骨に変換される。この再建技術を使用した初期の結果は見込みがあることを示すが、現在は体重を負荷しない用途に使用されており、この用途では、埋め込み式の金属、超高分子量ポリエチレン(UHMWPE)およびセラミックより作製される比較的伝統的なデバイスが現在は好ましい再建手技に、その使用が限定される。
【0019】
比較的伝統的なデバイスを使用する関節置換技術の一種は、半関節形成術と呼ばれる。この再建手技は、骨格関節を含む2つ以上の骨端のうち1つの骨端を置換する。この手技は、関節の健康な1つまたは複数の部分を変化させずに残す。人工インプラントの課題は、健康な軟骨組織が関節炎になる際の有痛性の関節炎を再現することなく天然軟骨表面と共に経時的に関節形成することである。金属関節表面を有する半関節形成術インプラントを比較的若く活動的な患者において使用する上での臨床経験は、初期経過観察中の接合する天然関節軟骨の望ましくない薄層化および損傷を示した。このため、この種類の手技は股関節骨折後の比較的高齢の患者において最も一般的に行われる。股関節の半関節形成術中に、外科医は股関節、通常は大腿骨頭より損傷した骨および軟骨を除去する。寛骨臼または骨盤内の健康な接合表面は無処置のままとする。先行技術に係る1つのそのようなインプラントは図1Aに示されており、Townleyの米国特許第6,096,084号(特許文献1)にさらに記載されている。インプラント20は半関節形成術用にまたは全関節形成術において使用することができる。インプラント20は、セラミックヘッド22と、大腿骨の近位領域に埋め込まれる金属基部24とを有し得る。Townleyの金属基部24はコバルトクロムで作製され、これは再建インプラントにしばしば使用される金属合金のコバルト-クロム-モリブデン合金である。基部は、インプラントを骨に固定して人工関節表面を安定化するための手段を与える。この股関節インプラントと同様のデバイスが肩、膝、足首、手および足において使用される。
【0020】
関節の全側面に関節炎が進行する場合、全関節形成術を行うことで、骨格関節を構成するすべての骨端で軟骨を再建する。この包括的手技には、関節炎が引き起こす、活動を限定する疼痛を有効に消散することが求められる。例えば膝全体では、高度に研摩された金属インプラントを遠位大腿骨上に配置する。モジュラー金属トレーを近位脛骨に埋め込み、UHMWPE軸受をそれに連結させて、高度に研摩された大腿部構成要素と共に関節形成する。膝蓋骨を表面置換しかつ高度に研摩された大腿骨インプラントの前側フランジに対して関節形成するように、UHMWPE膝蓋骨インプラントを配置する。これにより、人工膝関節全置換術において大腿骨-脛骨および膝蓋骨-大腿骨の関節表面が完全に表面置換される。
【0021】
既に記載の関節形成術に関わる危険性としては、構成部品の位置の誤り、骨格の緩み、不安定性/脱臼、動作範囲の減少、および活動を限定する疼痛の再発が挙げられる。
【0022】
1つの長期的な危険性は構成部品の緩みである。というのも、骨と構成部品またはセメントとの間の結合が分解または疲労することがあるためである。先行技術の様々なアプローチが緩みの危険性に対処することを試みている。例えば米国特許第6,685,987号(特許文献2)では、コバルトクロムモリブデン合金インプラントの上に塗布される金属粒子からなる多孔質コーティングが記載されている。
【0023】
関節置換軸受表面は一般にコバルトクロムで作製されるが、チタンおよびチタン合金を含む他の材料が使用または提案された。Khandkarらの米国特許出願公開第2005/0107888号(特許文献3)では、関節置換材料用の金属-セラミック複合材料が記載されている。Popeらの米国特許第6,398,815号(特許文献4)では、ダイヤモンド状表面を有する人工関節が記載されている。
【0024】
先に記載のように、人工関節による置換が現在、関節軟骨の損失を包含する関節機能の重度の変性に対する好ましいオプションとなっている。他の技術としては以下が挙げられる: 関節表面をマッピングおよび測定する工程を包含する関節表面置換修復のための方法を開示するTallaridaらの米国特許第7,029,479号(特許文献5)、骨栓除去ツールおよび骨栓据付ツールを含む関節軟骨の修復のための装置および方法を開示するHartらの米国特許第5,782,835号(特許文献6)、インプラントに近位の関節表面の非切除部を覆うように構成されている突起を含む関節表面の一部への設置用のインプラントを開示するEkの米国特許第6,679,917号(特許文献7)、脛骨の関節表面を置換するための膝関節内部人工器官であって、上側軸受表面と該軸受表面に固着される回転式プラトーとを有しかつ置換される関節表面の一部を形成する、骨に係留される軸受部を含む、膝関節内部人工器官を開示するKellerの米国特許第5,413,608号(特許文献8)、ある部位に生体吸収性軟骨修復アセンブリを外科的に埋め込む方法を記載するSchwartzの米国特許第5,632,745号(特許文献9)、2つの対向する構成要素を有する関節表面置換システムを開示するVitaleの米国特許第5,683,466号(特許文献10)、第1の通路を規定する中空ハンドルと、該ハンドルより延伸する第2の通路を有する中空管とを含む関節内測定デバイスを開示するShafferの米国特許第5,702,401号(特許文献11)、ならびに物体の表面の三次元組織分布をマッピングする方法であって、該表面上の複数のサンプル地点にてデジタルデータポイントを作成する方法を記載するVannahの米国特許第5,771,310号(特許文献12)。別のインプラントはAyersの米国特許出願公開第2003/0074081号(特許文献13)に記載されており、これには組織インプラントおよび人工関節の製造のための方法が記載されている。Huangの米国特許出願公開第2007/0113951号(特許文献14)では、関節軟骨修復用の骨軟骨複合足場が記載されている。
【0025】
別の整形外科手技は、骨を一緒に融合させることを包含し、人工関節置換術とは明らかに異なる。1つのそのような用途は脊椎固定用である。例えば、Brodkeらの米国特許出願公開第2005/0049706号(特許文献15)および米国特許第6,790,233号(特許文献16)では、放射線透過性脊椎固定ケージが記載されており、その1つを図1Bに示す。ケージは、高い生体力学強度および椎骨32を支える荷重に耐える能力を有する基材ブロック30と、骨内殖および骨融合を促進する多孔質窒化ケイ素セラミック部34とを含む。骨を一緒に融合させる他の例としては、図1Cおよび米国特許第6,607,557号(特許文献17)に示すように骨38内の欠損を修復するために多孔質セラミック36を使用することを記載するKumarらの米国特許出願公開第2006/0271201号(特許文献18)が挙げられる。これらのデバイスは、骨を一緒に融合させるように意図されているため、本質的に自由運動すべき損傷した関節の修復には適さない。
【0026】
既に論じた関節軟骨修復用の先行技術の再建方法は、人工関節全置換術を必要とする、より最終に近い段階への進行を予防するために、早期関節炎を処置することに関連する不利および欠点を有する。
【0027】
天然組織との共同環境で機能する、より多用途の関節整形外科インプラントが要求される。対向する関節端が課する荷重を支える非吸収性インプラントも要求される。特に、関節全体に関節炎が全体的に進行することを予防するかまたは遅延させるために骨格関節の骨端の限局的、局所的および全体的な関節軟骨および骨軟骨の欠損の外科的修復を容易にするインプラントが要求される。本開示の態様はこれらのおよび他の要求に応えるものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0028】
【特許文献1】米国特許第6,096,084号
【特許文献2】米国特許第6,685,987号
【特許文献3】米国特許出願公開第2005/0107888号
【特許文献4】米国特許第6,398,815号
【特許文献5】米国特許第7,029,479号
【特許文献6】米国特許第5,782,835号
【特許文献7】米国特許第6,679,917号
【特許文献8】米国特許第5,413,608号
【特許文献9】米国特許第5,632,745号
【特許文献10】米国特許第5,683,466号
【特許文献11】米国特許第5,702,401号
【特許文献12】米国特許第5,771,310号
【特許文献13】米国特許出願公開第2003/0074081号
【特許文献14】米国特許出願公開第2007/0113951号
【特許文献15】米国特許出願公開第2005/0049706号
【特許文献16】米国特許第6,790,233号
【特許文献17】米国特許第6,607,557号
【特許文献18】米国特許出願公開第2006/0271201号
【発明の概要】
【0029】
概要
本明細書に開示される第1の態様では、一体式整形外科インプラントは、骨内殖による骨格固定を促進するために海綿骨と同様の連通気孔の形状を有する多孔質領域と、多孔質領域に隣接および一体的に連結し、軟骨下骨と同様の連通気孔の形状を有する移行領域と、移行領域に一体的に連結しかつ外周面を有する実質的に稠密な領域と、天然関節軟骨に対する関節接合に適応した仕上げを有する、実質的に稠密な領域上の表面とを含む。
【0030】
本明細書に開示される別の態様では、整形外科インプラントは、骨内殖による骨格固定を促進するために海綿骨と同様の連通気孔の形状を有する多孔質領域と、多孔質領域に隣接および一体的に連結し、軟骨下骨と同様の気孔の形状を有する移行領域とを含み、ここで移行領域は関節軟骨の再生を促進するように適応しており、多孔質領域および移行領域は非吸収性である。
【0031】
本明細書に開示される別の態様では、歯科インプラントは、骨内殖による骨格固定を促進するために海綿骨と同様の連通気孔の形状を有する多孔質領域と、多孔質領域に一体的に連結し、上面および外周面を有する実質的に稠密な領域とを含み、ここで上面および外周面は歯肉組織に適合するように適応しており、多孔質領域および実質的に稠密な領域は非吸収性である。
【0032】
本明細書に開示される別の態様では、一体式整形外科インプラントを形成する方法は、骨内殖による骨格固定を促進するために海綿骨と同様の連通気孔の形状を有する多孔質領域を形成する工程、多孔質領域に隣接および一体的に連結し、軟骨下骨と同様の連通気孔の形状を有する移行領域を形成する工程、移行領域に一体的に連結しかつ外周面を有する実質的に稠密な領域を形成する工程、ならびに天然関節軟骨に対する関節接合に適応した仕上げを有する、実質的に稠密な領域上の表面を形成する工程を含み、ここで多孔質領域は、実質的に稠密な領域からの距離が増加するに従って増加する気孔率勾配を有し、多孔質領域、移行領域および実質的に稠密な領域は非吸収性である。
【0033】
本明細書に開示されるさらに別の態様では、整形外科手術のための方法は、インプラント部位における関節軟骨の一部を除去する工程、一体式インプラントの実質的に稠密な領域の表面をインプラント部位における関節軟骨と略面一に配置する深さまで、関節軟骨の基礎をなす骨内にソケットを形成する工程、ならびに一体式整形外科インプラントをソケットに埋め込む工程を含み、ここで一体式整形外科インプラントは、骨内殖による骨格固定を促進するために海綿骨と同様の連通気孔の形状を有する多孔質領域と、多孔質領域に隣接および一体的に連結し、軟骨下骨と同様の連通気孔の形状を有する移行領域と、移行領域に一体的に連結する実質的に稠密な領域と、天然関節軟骨に対する関節接合に適応した仕上げを有する、実質的に稠密な領域上の表面とを含み、多孔質領域、移行領域、実質的に稠密な領域および表面は非吸収性である。
【0034】
本明細書に開示されるさらに別の態様では、整形外科インプラントは、隙間の連通路をそれらの間に有する構造部材の三次元骨組を含み、ここで構造部材は非吸収性セラミックを含み、各構造部材はサイズにおいて骨梁と同様である。
【0035】
これらのおよび他の特徴および利点は、以下の詳細な説明および添付図面よりさらに明らかになるであろう。図面および説明では、数字は様々な特徴を示し、図面と説明との両方を通じて、同様の数字は同様の特徴を意味する。
【0036】
広範には、本文書は、骨内殖による骨格固定を促進するために海綿骨と同様の連通気孔の形状を有する多孔質領域と、多孔質領域に隣接および一体的に連結し、軟骨下骨と同様の連通気孔の形状を有する移行領域と、移行領域に一体的に連結しかつ外周面を有する実質的に稠密な領域と、天然関節軟骨に対する関節接合に適応した仕上げを有する、実質的に稠密な領域上の表面とを含む、一体式整形外科インプラントを開示する。
【図面の簡単な説明】
【0037】
【図1】図1Aは、先行技術に係る半関節形成術関節修復に使用可能なインプラントを示す。図1Bは、先行技術に係る椎骨を融合させるためのインプラントを示す。図1Cは、先行技術に係る骨欠損を修復するためのインプラントを示す。
【図2】図2Aは、本開示に係る一体式整形外科インプラントの断面図を示す。図2Bは、本開示に係る別の一体式整形外科インプラントの断面図を示す。図2Cは、本開示に係るさらに別の一体式整形外科インプラントの断面図を示す。
【図3】本開示に係る円柱状の栓の形を有する多孔質領域を有する一体式整形外科インプラントの斜視図を示す。
【図4】図4A〜4Eは、本開示に係るテーパ状の栓の形を有する多孔質領域を有する一体式整形外科インプラントの斜視図を示す。図4B〜4Eに示す一体式整形外科インプラントは、本開示に係る実質的に稠密な領域上の突起または窪みを示す。
【図5】本開示に係る中空の内部を有する多孔質領域を有する一体式整形外科インプラントの斜視図を示す。
【図6】本開示に係る多孔質領域と周囲の関節軟骨の治癒を促進するように適応した外周面を有する実質的に稠密な領域とを有する一体式整形外科インプラントの斜視図を示す。
【図7】図7Aは、本開示に係る多孔質領域と周囲の関節軟骨の厚さに一致する比較的大きい厚さを有する実質的に稠密な領域とを有する一体式整形外科インプラントの斜視図を示す。図7Bは、本開示に係る多孔質領域と該多孔質領域の上面に対して相対的に小さいサイズを有する実質的に稠密な領域とを有する一体式整形外科インプラントの斜視図を示す。図7Cは、本開示に係る多孔質領域と該多孔質領域の上面に対して相対的に大きいサイズを有する実質的に稠密な領域とを有する一体式整形外科インプラントの斜視図を示す。
【図8】図8Aは、本開示に係る多孔質領域と多角形または五角形を有する実質的に稠密な領域とを有する一体式整形外科インプラントの斜視図を示す。図8Bは、本開示に係る多孔質領域と多角形または六角形を有する実質的に稠密な領域とを有する一体式整形外科インプラントの斜視図を示す。図8Cは、本開示に係る多孔質領域と多角形または三角形を有する実質的に稠密な領域とを有する一体式整形外科インプラントの斜視図を示す。
【図9】図9Aは、本開示に係る多孔質領域と面取りされた外周面を有する実質的に稠密な領域とを有する一体式整形外科インプラントの斜視図を示す。図9Bは、本開示に係る多孔質領域と面取りされた外周面を有する相対的に小さいサイズの実質的に稠密な領域とを有する一体式整形外科インプラントの斜視図を示す。図9Cは、本開示に係る多孔質領域と面取りされた外周面を有する相対的に大きいサイズの実質的に稠密な領域とを有する一体式整形外科インプラントの斜視図を示す。
【図10】図10Aは、本開示に係る多孔質領域と逆面取り外周面を有する実質的に稠密な領域とを有する一体式整形外科インプラントの斜視図を示す。図10Bは、本開示に係る多孔質領域と逆面取り外周面を有する相対的に小さいサイズの実質的に稠密な領域とを有する一体式整形外科インプラントの斜視図を示す。図10Cは、本開示に係る多孔質領域と逆面取り外周面を有する相対的に大きいサイズの実質的に稠密な領域とを有する一体式整形外科インプラントの斜視図を示す。
【図11】図11Aは、本開示に係る多孔質領域と骨格関節に一致する相対的凹面球形を有する関節表面を有する実質的に稠密な領域とを有する一体式整形外科インプラントの斜視図を示す。図11Bは、本開示に係る多孔質領域と骨格関節に一致する1つの平面内の丸みを有する相対的凹面形を有する関節表面を有する実質的に稠密な領域とを有する一体式整形外科インプラントの斜視図を示す。図11Cは、本開示に係る多孔質領域と骨格関節に一致する2つの平面内の2つの異なる丸みを有する相対的凹面形を有する関節表面を有する実質的に稠密な領域とを有する一体式整形外科インプラントの斜視図を示す。図11Dは、本開示に係る多孔質領域と骨格関節に一致する1つの平面内の凹面形および別の平面内の凸面形を有する関節表面を有する実質的に稠密な領域とを有する一体式整形外科インプラントの斜視図を示す。
【図12】図12Aは、本開示に係る多孔質領域と骨格関節に一致する凸面球形を有する関節表面を有する実質的に稠密な領域とを有する一体式整形外科インプラントの斜視図を示す。図12Bは、本開示に係る多孔質領域と骨格関節に一致する1つの平面内の丸みを有する凸面形を有する関節表面を有する実質的に稠密な領域とを有する一体式整形外科インプラントの斜視図を示す。図12Cは、本開示に係る多孔質領域と骨格関節に一致する2つの平面内の2つの異なる丸みを有する凸面形を有する関節表面を有する実質的に稠密な領域とを有する一体式整形外科インプラントの斜視図を示す。
【図13】図13Aは、本開示に係る2つの多孔質の突起を有する多孔質領域と関節表面を有する実質的に稠密な領域とを有する一体式整形外科インプラントの斜視図を示す。図13Bは、本開示に係る多孔質領域とパッチを設ける形を有する関節表面を有する実質的に稠密な領域とを有する一体式整形外科インプラントの斜視図を示す。図13Cは、本開示に係る内側の多孔質領域と楕円形骨格関節に特徴的な貝殻状の形を有する実質的に稠密な領域とを有する一体式整形外科インプラントの斜視図を示す。図13Dは、本開示に係る外側の多孔質領域と図13Cの実質的に稠密な領域と接合可能な凹面楕円形を有する実質的に稠密な領域とを有する一体式整形外科インプラントの斜視図を示す。
【図14】図14Aは、本開示に係る骨格関節内の骨上の天然関節軟骨に修復を施すために大腿骨に埋め込まれる図4Aの一体式整形外科インプラントの斜視図を示す。図14Bは、本開示に係る骨格関節内の骨上の天然関節軟骨に修復を施すために大腿骨に互いに隣接して埋め込まれて、変動する輪郭の連続的な関節表面を作り出す図8Bの複数の一体式整形外科インプラントの斜視図を示す。図14Cは、本開示に係る骨格関節内の骨上の天然関節軟骨に修復を施すために大腿骨に埋め込まれる図13Aの一体式整形外科インプラントの斜視図を示す。図14Dは、本開示に係る骨格関節内の骨端の天然関節軟骨に修復を施すために脛骨に埋め込まれる図13Bの一体式整形外科インプラントの斜視図を示す。
【図15】図15Aは、本開示に係る多孔質領域と移行領域とを有する整形外科インプラントの斜視図を示す。図15Bは、本開示に係る図15Aの移行領域に結合した足場を示す。図15Cは、本開示に係る中空の内部を有する多孔質領域と移行領域とを有する整形外科インプラントの斜視図を示す。図15Dは、本開示に係る歯科インプラントの斜視図を示す。
【図16】図16Aは、本開示に係る一体式非吸収性多孔質インプラントの斜視図を示す。図16Bは、本開示に係る中空の内部を有する一体式非吸収性多孔質インプラントの斜視図を示す。
【図17】本開示に係る一体式整形外科インプラントを製作するための流れ図である。
【図18A】本開示に係る整形外科手術の方法の流れ図である。
【図18B】本開示に係る整形外科手術の方法の流れ図である。
【発明を実施するための形態】
【0038】
詳細な説明
以下の説明では、本明細書に開示される各種の具体的態様を明瞭に説明するために、数多くの具体的詳細を記載する。しかし当業者は、以下で論じるすべての具体的詳細なしに本明細書で特許請求される発明が実行可能であることを理解するであろう。他の場合では、本発明を不明瞭にしないために、周知の特徴を説明していない。
【0039】
ここで図2Aを参照すると、本開示に係る関節軟骨との関節形成に適応した一体式整形外科インプラント50の断面図が示される。一態様では、一体式整形外科インプラントは、実質的に稠密な領域54に一体的に連結する多孔質領域52を有し得る。骨内殖による骨格固定を促進するために、多孔質領域52は、海綿骨または骨梁骨と同様になるように適応した連通気孔の形状を有する。実質的に稠密な領域54の表面60は、対向する関節上の天然関節軟骨に対する表面60の関節形成に適応した仕上げを有することが好ましい。実質的に稠密な領域54は、一体式整形外科インプラントの埋め込み部位において天然関節軟骨の厚さに適応した厚さを有し得る。
【0040】
別の態様では、移行領域58は、図2Aに示すように多孔質領域52の一部であり得る多孔質領域56と、実質的に稠密な領域54との間に存在し得る。多孔質領域56は、海綿骨と同様の連通気孔の形状を有するように適応し得る。移行領域58は、軟骨下骨と同様の連通気孔の形状を有するように適応し得る。したがって、一体式整形外科インプラント50は、一体式整形外科インプラントがしっかり埋め込まれることを確実にする海綿骨の内殖に適応した多孔質領域56と、軟骨下骨を通じた体液移動と同様の体液移動を容易にする軟骨下骨と同様の気孔の形状を有するように適応した移行領域58と、対向する関節端が課する荷重に耐えるための実質的に稠密な領域54と、天然関節軟骨に対する関節形成に適応した仕上げを有する実質的に稠密な領域54上の表面60とを有する。移行領域58および実質的に稠密な領域54の厚さは、一体式整形外科インプラントの移植部位において軟骨下骨および天然関節軟骨の厚さとそれぞれ同様になるように適応し得る。
【0041】
実質的に稠密な領域54は、多孔質領域56および移行領域58に比べて相対的に小さい気孔を有するかまたは気孔を有さない。以下では本発明に係る気孔率を論じる。
【0042】
材料のバルク気孔率(Pb)は材料のバルク密度(Db)に反比例しており、Dbは全質量(Mtot)を全体積(Vtot)で割ることで計算することができ、材料の中実部分および材料の多孔質部分の質量および体積はそれぞれ(Ms, Vs)および(Mp, Vp)で指定される。
Db = (Mtot)/(Vtot) = (Ms + Mp)/(Vs + Vp) (1)
材料の多孔質部分の質量はゼロと考えることができるため、等式1は以下のように書き換えることができる。
Db = (Mtot)/(Vtot) = (Ms)/(Vs + Vp) (2)
【0043】
したがって、材料のバルク気孔率(Pb)は以下の通りである。
Pb 〜 1/Db = (Vs + Vp)/Ms (3)
【0044】
天然関節軟骨に対する関節形成に適応した仕上げを有する表面60などの表面に最も有害であり得る気孔は、材料表面に接続された細孔を伴う気孔である。実質的な気孔を有する材料は表面60には一般的に適さない。というのも、そのような材料の細孔の下および縁部で材料破壊があり得るためである。多孔質材料を研摩することもやはり比較的困難である。というのも、研削および研摩の初期段階による比較的粗い研磨粒子が細孔に捕捉されることがあり、次にその粒子が研摩および仕上げ中に逃げることがあり、これにより望まれない引掻および表面損傷が引き起こされるためである。
【0045】
他方で、開口および連通した細孔が、骨内殖を促進するために好ましい。
【0046】
本開示の一体式整形外科インプラントは、海綿骨と同様の形状の連通気孔の形状を有する多孔質領域56と、軟骨下骨と同様の連通気孔の形状を有する移行領域58と、あるとしても相対的にわずかな気孔を有する実質的に稠密な領域54とを設けることで、所望の特性におけるこの矛盾を解決するものであり、これらの領域はすべて一体的に連結して一体式整形外科インプラント50を形成する。一態様では、実質的に稠密な領域54は4%以下のバルク気孔率を有し得るものであり、別の態様では、実質的に稠密な領域54のバルク気孔率は0.1%以下であり得る。多孔質領域56は50%以上のバルク気孔率を有し得る。強度を与えながら海綿骨と関節軟骨との間の体液の毛管運動を支えるために、移行領域58は多孔質領域56に対して相対的に低い連通気孔率を有する。結果は、骨内殖および海綿骨と軟骨との間の体液連通のためでありながら強度を与える足場と、天然関節軟骨に対する関節形成用に仕上げ可能な表面とを設ける、整形外科インプラント50である。
【0047】
以下において多孔質領域を多孔質領域56と呼ぶが、以下において多孔質領域への言及が多孔質領域56および移行領域58を含む多孔質領域52を指すこともあると理解すべきである。
【0048】
一体式整形外科インプラント50は非吸収性であることが好ましい。したがって、多孔質領域56、移行領域58および実質的に稠密な領域54は、身体によって特定の組織の種類に吸収または変換されることがなく、骨格関節位置に埋め込まれる際に経時的にいかなる物質も失わない。これによって多くの先行技術のインプラントの不利が回避される。というのも、それらのインプラントの一部では、この吸収または変換の生物学的タイミングが相対的に速やかに発生することで、明らかに望ましくない現象である嚢胞形成および関節軟骨に対する構造的支持の損失が引き起こされるためである。
【0049】
図2Aに示す多孔質領域56と移行領域58との間の分割線は、多孔質領域56が移行領域58に徐々に変化し得ることから、多少なりとも恣意的であり得る。
【0050】
多孔質領域56、さらには移行領域58は、実質的に稠密な領域54からの距離が増加するに従って増加する気孔率勾配を有し得る。一般に多孔質領域56は、隙間の連通路を構造部材間に有する連通構造部材の三次元骨組を有すると記述することができる。各構造部材は、サイズにおいて骨梁と同様であり得る。この構造は体液が多孔質領域56を流れることを可能にし、多孔質領域は骨内殖を助長しかつ持続させる細胞移入をもたらす。先に論じたように、移行領域58の構造は軟骨下骨と同様の気孔の形状を有するように適応しており、これにより海綿骨と関節軟骨との間の体液の毛管運動が容易になる。
【0051】
一態様では、多孔質領域56は、骨内殖を促進する各々1000マイクロメートル未満の寸法を有する連通細孔通路を有する。別の態様では、多孔質領域56は、骨内殖を促進する各々200マイクロメートル〜600マイクロメートルの寸法を有する連通細孔通路を有する。
【0052】
多孔質領域56は、骨固定のための骨内殖を促進するようにさらに適応し得る。一態様では、多孔質領域56は、一般に0.5を超える海綿骨と同様の摩擦係数を特徴とする粗さを有する。摩擦係数は、海綿骨と皮質骨との間の摩擦の生体力学的特徴づけである。多孔質領域56の摩擦係数は、骨内殖を遅延させることがある線維層の形成を防ぐことに役立つ。粗さは、多孔質領域56の外側、さらには多孔質領域56の内側に存在し得る。多孔質領域56は、隙間の連通路をそれらの間に有する連通構造部材の三次元骨組であることが好ましく、粗さは構造部材上に存在し得るものであり、これによって細胞接着を容易にすることで骨内殖および骨固定を促進する微小構造が設けられる。各構造部材は、サイズにおいて骨梁と同様であり得る。
【0053】
別の態様では、多孔質領域56は、骨固定のための骨内殖を強化するように細胞集団に促すことができる親水性の表面または荷電した表面を有する。これらの表面改質は、細胞集団を誘因しかつ/または周囲の天然関節軟骨の治癒を強化するように該細胞組織に促すことがわかった。
【0054】
さらに別の態様では、多孔質領域56は、骨固定のための骨内殖を促進する生物活性ミネラルコーティングであって、ヒドロキシアパタイト、バイオガラス、またはその非限定的な例がリン酸三カルシウム(TCP)、αTCPもしくはβTCPであるリン酸カルシウムの一形態、あるいはその任意の組み合わせであり得るコーティングを含み得る。
【0055】
さらに別の態様では、多孔質領域56は、骨固定のための骨内殖を促進する生体工学コーティングを含み得る。生体工学コーティングは1種もしくは複数種のタンパク質、ペプチド、またはその任意の組み合わせからなり得る。ペプチドの一例は、生物模倣型の細胞が結合する生育環境を作り出すように設計されたコラーゲンの合成ペプチド類似体である。使用可能なタンパク質の例としては、BMPとして知られる骨形態形成タンパク質のファミリーが挙げられる。
【0056】
実質的に稠密な領域54上の表面60は、対向する関節上の関節軟骨との関節形成のために、6マイクロメートルRa以下の表面粗さに仕上げることができる。6マイクロメートルRa以下の表面粗さは、載荷または負荷される関節内の対向する関節軟骨に平滑表面を与えるものであり、これにより、表面粗さが大きい場合、特に表面が開口孔を有する場合に生じる関節軟骨の摩耗および最終的な断裂が回避される。一態様では、表面粗さは0.025マイクロメートルRa未満である。
【0057】
多孔質領域56、移行領域58および実質的に稠密な領域54は同一の材料組成を有し得る。例えば一態様では、一体式整形外科インプラント50はセラミックで完全に作製され得る。部分安定化ジルコニアが一体式整形外科インプラント50全体に好ましい材料である。別の態様では、多孔質領域56、移行領域58および実質的に稠密な領域54は異なる材料組成で構成され、本態様では、移行領域58は、多孔質領域56の組成と実質的に稠密な領域54の組成との混合である組成を有し得る。
【0058】
図2Bは、実質的に稠密な領域310上に関節仕上げ表面60を有する一体式整形外科インプラントの別の態様の断面図を示す。本態様において移行領域312が実質的に稠密な領域310の外周面311の一部上にあり、さらには実質的に稠密な領域310と多孔質領域314との間にあるということを除けば、本態様は図2Aの態様と同様である。軟骨下骨と同様になるように適応した移行領域312は、実質的に稠密な領域310の外周面311の一部を取り囲むことで、一体式整形外科インプラントを取り囲む天然関節軟骨の治癒を与える。
【0059】
一体式整形外科インプラントの別の態様の断面図を図2Cに示す。本態様は図2Bと同様であり、関節表面320を形成する1つの方法を例示する目的のものである。実質的に稠密な領域310、または一体式整形外科インプラント324全体を熱加工することで、実質的に稠密な領域310上に関節表面320を形成することができる。熱加工は酸化、被覆または堆積を含み得る。関節表面の熱加工はレーザーを使用して行うことができる。例えば、ジルコニウムを熱加工する場合、セラミックであるジルコニアをジルコニウムの外側に形成することで一体式整形外科インプラントの関節表面320を形成することができる。
【0060】
熱加工により多孔質領域314および移行領域312上に薄層322を形成することもできるが、この薄層322は、多孔質領域314および移行領域312の上または中の細孔を閉鎖しないことで、細孔を開口させたままにすることが好ましい。
【0061】
関節表面320は材料の堆積により形成することができる。例えば、パイロライトカーボンまたはダイヤモンド状炭素を実質的に稠密な領域上に堆積させることができる。関節表面320を形成するさらに別の方法は、実質的に稠密な領域を例えばセラミックまたはセラミック状材料で被覆することである。
【0062】
以下の説明を通じて、図2Aの態様を参照して態様を一般的に説明する。しかし、図2Bおよび2Cの態様も以下に記載の態様に適用可能である。一体式整形外科インプラント50への言及は図2Bおよび2Cの一体式整形外科インプラントも指すことがある。例えば、多孔質領域56への言及は多孔質領域314も指し、移行領域58への言及は移行領域312も指す。実質的に稠密な領域54への言及は実質的に稠密な領域310も指す。同様に、関節表面60は関節表面320も指すことがある。
【0063】
多孔質領域56、移行領域58、実質的に稠密な領域54および表面60は、500MPa以上のビッカース硬度、4%未満のニッケル含有量および10%未満のクロム含有量を有し得る。あるいは、一体式整形外科インプラント50は、1000MPa以上のビッカース硬度および4%以下のバルク気孔率を有する材料で形成される実質的に稠密な領域54を有し得る。別の態様では、一体式整形外科インプラント50は、1200MPa以上のビッカース硬度および0.1%以下のバルク気孔率を有する材料で形成される実質的に稠密な領域54を有し得る。
【0064】
実質的に稠密な領域54は、いずれもセラミックである酸化物、窒化物、炭化物もしくはホウ化物、またはその任意の組み合わせからなる群より選択される材料の組成を有し得る。あるいは、実質的に稠密な領域54は、酸化、窒化、炭化もしくはホウ化した、チタン、ジルコニウム、ハフニウム、タンタルもしくはモリブデンまたはその任意の組み合わせより選択される被覆金属を含み得る。例えば、酸化したジルコニウムは、ジルコニウムの外側にジルコニアのコーティングを形成する。使用可能な1つのコーティングは薄いダイヤモンド状のコーティングであり、これを所望の非常に小さい表面粗さに研摩することができる。別の態様では、実質的に稠密な領域54は、部分安定化ジルコニア、アルミナ、窒化ケイ素もしくはSiAlONまたはその任意の組み合わせからなる群より選択される材料の領域であり得る。先に論じたように、実質的に稠密な領域54に好ましい材料は部分安定化ジルコニアである。
【0065】
移行領域58および多孔質領域56は、酸化物、炭化物、窒化物もしくはホウ化物またはその任意の組み合わせからなる群からの材料で形成され得る。あるいは、移行領域58および多孔質領域56は、酸化、窒化、炭化もしくはホウ化した、チタン、ジルコニウム、ハフニウム、タンタルもしくはモリブデンを含む被覆金属であり得る。被覆金属は骨内殖用に構成されており、多孔質である。別の態様では、多孔質領域56および移行領域58は、部分安定化ジルコニア、アルミナ、シリカ、窒化ケイ素、SiAlON、タンタル、チタンもしくはジルコニウムまたはその任意の組み合わせからなる群より選択される材料で形成され得る。先に論じたように、多孔質領域56および移行領域58に好ましい材料は部分安定化ジルコニアである。
【0066】
一体式整形外科インプラントに使用可能な別の材料は、望ましい関節表面特性を有する生体適合性材料であるパイロライトカーボンである。
【0067】
一体式整形外科インプラント50は多くの関節位置において使用可能であり、特に大腿骨人工膝関節、脛骨人工膝関節、膝蓋骨人工膝関節、大腿骨頭人工股関節、寛骨臼人工股関節、人工手指関節もしくは人工親指関節、人工肩関節、人工足指関節、人工脊椎関節、人工手首関節もしくは人工足首関節、または人工肘関節に使用可能である。
【0068】
多孔質領域56への骨内殖をさらに促進するために、多孔質領域56は図13Aに示すような2つ以上の突起有し得え、これらの突起は、整形外科インプラント50が埋め込まれる骨内に形成されるソケットと接合するように構成されている。
【0069】
図3は、多孔質領域56および移行領域58を含み得る円柱状の栓の形を有する多孔質領域52を有する、一体式整形外科インプラントの斜視図を示す。本態様では、多孔質領域、移行領域および実質的に稠密な領域はほぼ同一の直径を有する。
【0070】
図4Aは、関節表面60を実質的に稠密な領域54と多孔質領域56および移行領域58を含み得るテーパ状の栓の形を有する多孔質領域62との上に有する、一体式整形外科インプラント61の斜視図を示す。テーパ形の多孔質領域は、骨内殖を促進することがわかっており、いくつかのインプラント条件では円柱状の栓よりも好ましいことがある。
【0071】
図4Bは、実質的に稠密な領域54上の窪み63を有する関節表面60の変形を示す。実質的に稠密な領域54上のバンプ67を有する関節表面の別の変形を図4Cに示す。窪み63およびバンプ67は、一体式インプラントの表面に対して機能する接合天然関節軟骨において静水状態を容易にすることに役立つ。実質的に稠密な領域54は、窪み63とバンプ67との組み合わせであってもよい。表面60上の窪みまたはバンプの数はわずか1であることがある。窪み63またはバンプ67は、図3に示す実質的に稠密な領域54上にあってもよく、一体式インプラント関節表面のいずれかの上にあってもよい。窪み63および/またはバンプ67は例としての役割を果たすものであり、表面60または実質的に稠密な領域54上に存在することで所望の静水状態を容易にすることに役立ち得る他の突起および/または凹みの特徴を限定しない。例えば、他の突起または凹みの特徴は、丸みまたは角のあるバンプ、および丸みまたは角のある溝をそれぞれ含み得る。
【0072】
図4Dに示す別の態様では、実質的に稠密な領域54の表面60上の窪み63および/またはバンプ67に加えて、窪みまたはバンプ69も実質的に稠密な領域54の外周面上に存在し得る。窪みまたはバンプ69は、一体式インプラントを取り囲む天然関節軟骨での静水状態を容易にすることに役立つことで、実質的に稠密な領域54の外周面を取り囲む関節軟骨を治癒する助けとなる。
【0073】
図4Eに示す別の態様では、窪みまたはバンプ69のみが実質的に稠密な領域54の外周面上に存在し、表面60上には窪みまたはバンプは存在しない。
【0074】
先に論じたように、窪みおよびバンプ69は例としての役割を果たすものであり、実質的に稠密な領域54の外周面上に存在することで所望の静水状態を容易にすることに役立ち得る他の突起および/または凹みの特徴を限定しない。例えば、他の突起または凹みの特徴は、丸みまたは角のあるバンプ、および丸みまたは角のある溝をそれぞれ含み得る。
【0075】
図5は、テーパ形および中空の内部65を有する多孔質領域64を有する一体式整形外科インプラントの斜視図を示す。多孔質領域64は開口底面も有する。手術では、円柱形または他の形の骨をインプラント部位において除去した後、図5の一体式整形外科インプラントを挿入することができる。図5の一体式整形外科インプラントは中空の内部65および開口底面を有するため、骨内殖がインプラントの外側および内側より生じ得る。
【0076】
図5では、多孔質領域64はテーパ形として示されているが、図5ならびに図6、7A〜C、8A〜C、9A〜C、10A〜C、11A〜D、12A〜C、15A〜Dおよび16A〜Bの多孔質領域の形は、2つ以上の突起を有する形を含む、栓の形状または任意の他の形であり得る。
【0077】
図6は、任意の形を有し得る多孔質領域62と周囲の関節軟骨の治癒を促進するように適応した外周面66を有する実質的に稠密な領域とを有する一体式整形外科インプラントの斜視図を示す。
【0078】
一態様では、外周面66は、周囲の関節軟骨の治癒を促進する6マイクロメートルRa以下であり得る粗さを有する。別の態様では、外周面の粗さは6マイクロメートルRaを超えることがある。
【0079】
別の態様では、外周面66は、周囲の天然関節軟骨の治癒を強化するように細胞集団に促す親水性の表面または荷電した表面を有する。これらの表面改質は、細胞集団を誘因しかつ/または周囲の天然関節軟骨の治癒を強化するように該細胞組織に促すことができる。
【0080】
さらに別の態様では、外周面66は、周囲の関節軟骨の治癒を促進する生物活性ミネラルコーティングであって、ヒドロキシアパタイト、バイオガラス、またはその非限定的な例がリン酸三カルシウム(TCP)、αTCPもしくはβTCPであるリン酸カルシウムの一形態、あるいはその任意の組み合わせであり得るコーティングを含み得る。
【0081】
さらに別の態様では、外周面66は、周囲の関節軟骨の治癒を促進する生体工学コーティングを含み得る。生体工学コーティングは、フィブリン糊もしくはフィブリンクロットなどの血液由来製品、1種もしくは複数種のタンパク質、ペプチド、コラーゲン、軟骨の細胞である浸透性自家軟骨細胞、薬学的な剤またはその任意の組み合わせからなり得る。
【0082】
図6を参照して上記で論じた外周面66の改作は、実質的に稠密な領域上に面取りまたは逆面取りを有するインプラントを含む本明細書に記載の一体型インプラントの他の態様のいずれかにも適用可能である。
【0083】
図7Aは、多孔質領域62と、図4の実質的に稠密な領域54に対して相対的に大きい厚さを有する実質的に稠密な領域68とを有する、一体式整形外科インプラントの斜視図を示す。実質的に稠密な領域68の厚さは、特定のインプラント部位を取り囲む関節軟骨の厚さに適応していることが好ましい。
【0084】
図7Bは、多孔質領域62と、多孔質領域62の上面71に対して相対的に小さいサイズを有する実質的に稠密な領域70とを有する、一体式整形外科インプラントの斜視図を示す。本態様は、周囲の関節軟骨の治癒を促進するための露出上面71を設ける。多孔質領域62の露出上面71は、多孔質領域について先に記載の粗さを有し得るものであり、この粗さは多孔質領域62の内側の構造部材上に存在し得る。先に記載の多孔質領域62は移行領域58を含み得る。別の態様では、上面71は、周囲の天然関節軟骨の治癒を強化するように細胞集団に促すことができる親水性の表面または荷電した表面を有する。上記の表面改質は、細胞集団を誘因するかまたは周囲の天然関節軟骨の治癒を強化するように該細胞組織に促すことができる。
【0085】
さらに別の態様では、上面71は、周囲の関節軟骨の治癒を促進する生物活性ミネラルコーティングであって、ヒドロキシアパタイト、バイオガラス、またはその非限定的な例がリン酸三カルシウム(TCP)、αTCPもしくはβTCPであるリン酸カルシウムの一形態、あるいはその任意の組み合わせであり得るコーティングを含み得る。
【0086】
さらに別の態様では、上面71は、周囲の関節軟骨の治癒を促進する生体工学コーティングを含み得る。生体工学コーティングは、フィブリン糊もしくはフィブリンクロットなどの血液由来製品、1種もしくは複数種のタンパク質、ペプチド、コラーゲン、浸透性自家軟骨細胞(軟骨の細胞)、薬学的な剤またはその任意の組み合わせからなり得る。
【0087】
図7Cは、多孔質領域62と、多孔質領域62に対して相対的に大きいサイズを有しかつ多孔質領域62の上に突き出る実質的に稠密な領域72とを有する、一体式整形外科インプラントの斜視図を示す。この構成は、多孔質領域62を埋め込むインプラント部位より除去される骨の量を最小限にしながら、大きい軟骨欠損を表面置換する大きい実質的に稠密な領域を設ける。
【0088】
図8Aは、多孔質領域62と任意の形であり得る多角形を有する実質的に稠密な領域74とを有する一体式整形外科インプラントの斜視図を示す。図8Aでは、形は五角形であると示される。図8Bは、多孔質領域62と六角形を有する実質的に稠密な領域76とを有する一体式整形外科インプラントの斜視図を示す。図8Cは、多孔質領域と三角形を有する実質的に稠密な領域78とを有する一体式整形外科インプラントの斜視図を示す。図8A〜Cに示す多角形は、図14Bに示す隣接する整形外科インプラントの集団に特に好適である。好ましくは、これらの態様の各々における実質的に稠密な領域は多孔質領域と重複する。図14Bに示す埋め込まれた整形外科インプラントの集団は、変動する輪郭の連続的関節表面を作り出すことができる。
【0089】
図9Aは、多孔質領域62と面取りされた外周面80を有する実質的に稠密な領域とを有する一体式整形外科インプラントの斜視図を示す。図6を参照して論じたように、面取りされた外周面80は、周囲の天然関節軟骨に治療を施すように適応し得る。
【0090】
図9Bは、多孔質領域62と面取りされた外周面82を有する相対的に小さいサイズの実質的に稠密な領域とを有する一体式整形外科インプラントの斜視図を示す。本態様では、実質的に稠密な領域82は、多孔質領域62の上面83よりも小さい寸法を有する。本態様は、周囲の関節軟骨がその上に置かれる、上面83および面取りされた外周面82を設ける。図7Bの上面71を参照して論じたように、上面83は関節軟骨の治癒を促進するように適応し得る。図6を参照して先に論じたように、面取りされた外周面82は周囲の天然関節軟骨に治療を施すように適応し得る。
【0091】
図9Cは、多孔質領域62と面取りされた外周面84を有する相対的に大きいサイズの実質的に稠密な領域とを有する一体式整形外科インプラントの斜視図を示す。本態様では、面取りされた外周面を有する実質的に稠密な領域は多孔質領域62の上に突き出る。図6を参照して先に論じたように、面取りされた外周面84は周囲の天然関節軟骨に治療を施すように適応し得る。
【0092】
図10Aは、多孔質領域62と逆面取り外周面86を有する実質的に稠密な領域とを有する一体式整形外科インプラントの斜視図を示すものであり、逆面取り外周面は、損傷性の剪断応力を経験しないように、軟骨下骨に連結する周囲の天然関節軟骨のいわゆるタイドマーク領域を保護する表面を設ける。図6について論じたように、逆面取り86は、関節軟骨の治癒を促進するように適応した外周面を有し得る。
【0093】
図10Bは、多孔質領域62と逆面取り外周面88を有する相対的に小さいサイズの実質的に稠密な領域とを有する一体式整形外科インプラントの斜視図を示す。本態様では、実質的に稠密な領域は、多孔質領域62の上面89よりも小さい寸法を有する。本態様は、周囲の関節軟骨がその上に置かれる上面89を設けるものであり、逆面取り外周面88は、損傷性の剪断応力を経験しないように周囲の天然関節軟骨のタイドマーク領域を保護する表面を設ける。図7Bの上面71を参照して論じたように、上面89は関節軟骨の治癒を促進するように適応し得る。図6を参照して論じたように、外周面上の逆面取り88は周囲の天然関節軟骨に治療を施すように適応し得る。
【0094】
図10Cは、多孔質領域62と逆面取り外周面90を有する相対的に大きいサイズの実質的に稠密な領域とを有する一体式整形外科インプラントの斜視図を示すものであり、逆面取り外周面は、損傷性の剪断応力を経験しないように周囲の天然関節軟骨のタイドマーク領域を保護する表面を設ける。実質的に稠密な領域は多孔質領域62の上に突き出る。図10Aおよび10Bについて論じた同一の様式で、外周面上の逆面取り90は周囲の天然関節軟骨に治療を施すように適応し得る。
【0095】
関節の湾曲と一致するために、実質的に稠密な領域の表面は以下の態様を有し得る。多孔質領域よりも小さいかまたは大きい実質的に稠密な領域を有する構成、および面取りまたは逆に面取りされた外周面を有する構成を含む多くのインプラント構成に、以下の表面湾曲が適用可能であることに留意されたい。図11Aは、多孔質領域62と骨格関節に一致する相対的凹面球形を有する関節表面92を有する実質的に稠密な領域93とを有する一体式整形外科インプラントの斜視図を示す。図11Bは、多孔質領域62と骨格関節に一致する1つの平面内の丸みを有する相対的凹面形を有する関節表面94を有する実質的に稠密な領域95とを有する一体式整形外科インプラントの斜視図を示す。図11Cは、多孔質領域62と骨格関節に一致する2つの直交する平面内の2つの異なる丸みを有する相対的凹面形を有する関節表面96を有する実質的に稠密な領域97とを有する一体式整形外科インプラントの斜視図を示す。図11Dは、多孔質領域62と骨格関節に一致する1つの平面内の凹面形および別の平面内の凸面形を有する関節表面98を有する実質的に稠密な領域99とを有する一体式整形外科インプラントの斜視図を示す。
【0096】
図12Aは、多孔質領域62と骨格関節に一致する凸面球形を有する関節表面101を有する実質的に稠密な領域100とを有する一体式整形外科インプラントの斜視図を示す。図12Bは、多孔質領域62と骨格関節に一致する1つの平面内の丸みを有する凸面形を有する関節表面103を有する実質的に稠密な領域102とを有する一体式整形外科インプラントの斜視図を示す。図12Cは、多孔質領域62と骨格関節に一致する2つの直交する平面内の2つの異なる丸みを有する凸面形を有する関節表面105を有する実質的に稠密な領域104とを有する一体式整形外科インプラントの斜視図を示す。
【0097】
一体式整形外科インプラント50は、図17に示すように、工程200において、海綿骨の骨内殖による骨格固定を促進するために海綿骨と同様になるように適応した連通多孔質形状を有する多孔質領域56を形成し、工程202において、多孔質領域56に隣接および一体的に連結し、軟骨下骨と同様になるように適応した移行領域58を形成し、工程204において、移行領域58に一体的に連結する実質的に稠密な領域54を形成し、工程206において、天然関節軟骨に対する関節接合に適応した仕上げを有する実質的に稠密な領域54上の表面60を形成することで、製作することができる。工程208に示すように、実質的に稠密な領域54からの距離が増加するに従って増加する気孔率勾配を有する多孔質領域を形成することが好ましい。また工程210に示すように、形成される一体式整形外科インプラントは非吸収性であることが好ましい。
【0098】
図17の工程212に示すように、実質的に稠密な領域上の関節表面は、実質的に稠密な領域または一体式整形外科インプラント全体を熱加工することで形成することができる。熱加工は材料の酸化、被覆または堆積を含み得る。実質的に稠密な領域上に堆積される材料は、パイロライトカーボン、ダイヤモンドまたはダイヤモンド状炭素を含み得る。関節表面を形成するためのさらに別の方法は、実質的に稠密な領域上をセラミックまたはセラミック状材料などの材料で被覆する工程を含む。
【0099】
多孔質領域56および移行領域58の気孔は、当技術分野で周知のプロセスである不堅牢材料を酸化する工程、不堅牢材料を溶解させる工程、ロストフォーム法を使用する工程、固体を自由な形状に製作する方法を使用する工程または発泡法を使用する工程により形成することができる。
【0100】
整形外科インプラント50は、フライス削り、旋削または他の機械加工プロセスにより所望の幾何学的形状に成形することができる。フライス削り、旋削または他の機械加工プロセス中に生じ得る任意の収縮を把握するようにこれらのプロセスを調整することが好ましい。そのような収縮は10%以上であり得る。
【0101】
図13Aは、2つの多孔質突起124および126を有する多孔質領域と、移行領域128と、対向する関節上の関節軟骨との関節形成用の表面120を有する実質的に稠密な領域122とを有する、一体式整形外科インプラント119の斜視図を示す。3つ以上になることがある突起は、多孔質領域の表面積を増加させるものであり、これは骨内殖をさらに促進して一体式整形外科インプラント50のしっかりした取り付けをもたらす。
【0102】
図13Bは、多孔質領域134と、局所インプラント用の直交する平面内の異なる寸法を有する形を有する関節表面130を有する実質的に稠密な領域132とを有する、一体式整形外科インプラント129の斜視図を示す。一体式整形外科インプラント129の不規則な形を、インプラントに必要な状況に適合するように調整することができる。多孔質領域134はテーパ形の外周面を有し得る。
【0103】
図13Cは、多孔質領域144と実質的に稠密な領域142とを有する貝殻状の形の一体式整形外科インプラント141の斜視図を示す。貝殻状の形は楕円形骨格関節に特徴的である。実質的に稠密な領域142は貝殻状の形を有し、多孔質領域144は、骨内殖用の中空の内部146を有する貝殻状の形を有する。
【0104】
図13Dは、インプラント330の外側の多孔質領域332と、凹面形の実質的に稠密な領域334とを有する、一体式整形外科インプラント330の斜視図を示す。一体式整形外科インプラント330は、単独で使用することができ、あるいは、凹面形の実質的に稠密な領域334が図13Cの楕円形の実質的に稠密な領域142と接合するように埋め込むことができる。
【0105】
図14A〜14Dは、人工膝関節に使用される整形外科インプラントの例を示す。図14Aは、天然関節軟骨に修復を施すために大腿骨150に埋め込まれる図4Aの一体式整形外科インプラント61の斜視図を示す。図14Bは、大腿骨150上の天然関節軟骨に修復を施すために大腿骨150に互いに隣接して埋め込まれて、変動する輪郭の連続的な関節表面を作り出す図8Bの複数の一体式整形外科インプラント75の斜視図を示す。図14Cは、大腿骨に埋め込まれる図13Aの一体式整形外科インプラント119の斜視図を示す。図14Dは、脛骨に埋め込まれる図13Bの一体式整形外科インプラント129の斜視図を示す。
【0106】
一体式整形外科インプラント50を埋め込む整形外科手術法では、図18A工程220に示すように、インプラント部位における関節軟骨の一部を除去することができる。次にやはり工程220において、除去された関節軟骨の基礎をなす骨内にソケットを形成する。一体式インプラントの実質的に稠密な領域の表面がインプラント部位における関節軟骨と略面一に配置される深さを有するようにソケットを形成すべきである。次に工程220において、整形外科インプラント50、特に整形外科インプラント50の多孔質領域56をソケットに埋め込む。埋め込まれた一体式整形外科インプラントは、図18Aの工程222に示すように、骨内殖による骨格固定を促進するために、海綿骨と同様になるように適応した連通気孔の形状を有する多孔質領域と、軟骨下骨と同様の連通気孔の形状を有しており、多孔質領域に連通した移行領域と、移行領域に一体的に連結する実質的に稠密な領域と、天然関節軟骨に対する関節接合に適応した仕上げを有する、実質的に稠密な領域上の表面とを含む。好ましくは、図18Aの工程224に示すように、多孔質領域は、実質的に稠密な領域からの距離が増加するに従って増加する気孔率勾配を有し、図18Aの工程226に示すように、多孔質領域、移行領域、実質的に稠密な領域および表面は非吸収性である。図18Aの工程228に示すように、多孔質領域、移行領域、実質的に稠密な領域および表面はセラミックを含み得る。
【0107】
一態様では、図14Bに示すように、また図18Bの工程232に示すように、埋め込むための方法は、複数の一体式整形外科インプラントを互いに隣接するように埋め込んで、関節の湾曲と一致する、変動する輪郭を有し得るほぼ連続的な関節表面を作り出す工程を含む。本態様では、図18Bの工程232および図8A〜8Cに示すように、各一体式整形外科インプラントの実質的に稠密な領域は多角形の外周面を有する。
【0108】
一態様では、インプラント部位において関節軟骨の一部を除去する工程は、所定の幾何学的病変を形成する関節軟骨の一部を切除することでインプラント部位を用意する工程、およびインプラント部位において整形外科インプラントの形状に幾何学的に合致するソケットを骨内に形成する工程を含む。ソケットの寸法は、骨と整形外科インプラント50との間の圧縮嵌合または締まりばめを可能にすることが好ましい。図13Aおよび14Cに示すように、整形外科インプラント50が複数の突起を有する場合、インプラント部位において2つ以上のソケットを形成することもできる。ソケットは円錐形の寸法を有することが好ましい。
【0109】
図15Aに示す別の態様では、整形外科インプラント160は多孔質領域162および移行領域164を有する。多孔質領域162は、骨内に整形外科インプラント160をしっかり埋め込むために適応しており、骨内殖を促進するために海綿骨と同様の気孔の形状を有するように適応している。移行領域164は、軟骨下骨と同様の気孔の形状を有するように適応している。多孔質領域162および移行領域164は非吸収性であることが好ましい。
【0110】
周囲の関節軟骨の再生を促進するように適応した足場166は移行領域164に結合可能であり、図15Bは、移行領域164に結合した足場166を示す。足場166は、コラーゲン、1種もしくは複数種のタンパク質、吸収性材料、共重合体吸収性材料、ミネラル、ヒドロゲル、生細胞もしくは関節軟骨または任意のその組み合わせを含み得る。マトリックスに使用可能な吸収性材料の例としては、生分解性で熱可塑性の脂肪族ポリエステルであるポリ乳酸(PLA)、生分解性の熱可塑性ポリマーであるポリグリコール酸(PGA)がある。
【0111】
移行領域164は、関節軟骨の再生を促進するようにさらに適応し得る。一態様では、移行領域は、移行領域164の外側、さらには移行領域164の内側に存在し得る粗さを有する。好ましくは、移行領域は、隙間の連通路をそれらの間に有する連通構造部材の三次元骨組を含み、粗さは構造部材上に存在し得る。
【0112】
別の態様では、移行領域164は、周囲の天然関節軟骨の治癒を強化するように細胞集団に促すことができる親水性の表面または荷電した表面を有する。これらの表面改質は、細胞集団を誘引しかつ/または周囲の天然関節軟骨の治癒を強化するように該細胞組織に促すことができる。
【0113】
さらに別の態様では、移行領域164は、周囲の関節軟骨の治癒を促進する生物活性ミネラルコーティングであって、ヒドロキシアパタイト、バイオガラス、またはその非限定的な例がリン酸三カルシウム(TCP)、αTCPもしくはβTCPであるリン酸カルシウムの一形態、あるいはその任意の組み合わせであり得るコーティングを含み得る。
【0114】
さらに別の態様では、移行領域164は、関節軟骨の治癒を促進する生体工学コーティングを含み得る。生体工学コーティングは、フィブリン糊もしくはフィブリンクロットなどの血液由来製品、1種もしくは複数種のタンパク質、ペプチド、コラーゲン、浸透性自家軟骨細胞(軟骨の細胞)またはその任意の組み合わせからなり得る。
【0115】
多孔質領域162も、骨固定のための骨内殖を促進するようにさらに適応し得る。一態様では、多孔質領域162は、一般に0.5を超える、海綿骨と同様の摩擦係数を特徴とする粗さを有する。摩擦係数は、海綿骨と皮質骨との間の摩擦の生体力学的特徴づけである。多孔質領域162の摩擦係数は、骨内殖を遅延させることがある線維層の形成を防ぐことに役立つ。粗さは、多孔質領域162の外側、さらには多孔質領域162の内側に存在し得る。多孔質領域162は、隙間の連通路をそれらの間に有する連通構造部材の三次元骨組であることが好ましく、粗さは構造部材上に存在し得るものであり、これによって細胞接着を容易にすることで骨内殖および骨固定を促進する微小構造が設けられる。
【0116】
別の態様では、多孔質領域162も、周囲の天然関節軟骨の治癒を強化するように細胞集団に促すことができる親水性の表面または荷電した表面を有し得る。上記の表面改質は、細胞集団を誘因するかまたは周囲の天然関節軟骨の治癒を強化するように該細胞組織に促すことができる。
【0117】
さらに別の態様では、多孔質領域162は、骨固定のための骨内殖を促進する生物活性ミネラルコーティングであって、ヒドロキシアパタイト、バイオガラス、またはその非限定的な例がリン酸三カルシウム(TCP)、αTCPもしくはβTCPであるリン酸カルシウムの一形態、あるいはその任意の組み合わせであり得るコーティングを含み得る。
【0118】
さらに別の態様では、多孔質領域162は、骨固定のための骨内殖を促進する生体工学コーティングを含み得る。生体工学コーティングは1種もしくは複数種のタンパク質、ペプチド、またはその任意の組み合わせからなり得る。
【0119】
図15Cに示すように、図15Aおよび15Bを参照して論じた整形外科インプラントは、中空の内部172を有する多孔質領域170を有し得るものであり、インプラントの内側および外側からの骨内殖を促進する開口底面を有し得る。
【0120】
図15Dは、実質的に稠密な領域176に一体的に連結した多孔質領域175を有する歯科インプラント174の斜視図を示すものであり、実質的に稠密な領域は、当技術分野で周知の方法で歯肉組織に適合するように適応した表面177および外周面178を有する。多孔質領域175は、骨にインプラントを固く取り付けるために骨内殖を促進し、実質的に稠密な領域は歯を取り付けるために使用可能である。表面177および外周面178が歯肉組織に適合しているため、このインプラントは歯科インプラントに十分適応している。
【0121】
図16Aは、多孔質上面181を有する一体式非吸収性多孔質インプラント180の斜視図を示す。本態様は、可能な用途のなかでも骨パッチとして使用することができる。一態様では、インプラントは、骨格関節を構成する長骨の端部の骨幹端領域を修復するように適応し得る。図16Bは、開口上部184および中空の内部185を有する一体式非吸収性多孔質インプラント182の斜視図を示す。
【0122】
多孔質インプラント180および182は、隙間の連通路を構造部材間に有する構造部材の三次元骨組を有する。骨組の材料は非吸収性セラミックであることが好ましく、各構造部材はサイズにおいて骨梁と同様であり得る。
【0123】
連通細孔通路は、各々1000マイクロメートル未満の寸法を有し得るかまたは各々200〜600マイクロメートルの寸法を有し得る。骨組は50%以上のバルク気孔率を有し得る。
【0124】
先に論じたように、それぞれ図16Aおよび図16Bの多孔質インプラント180および182は、図15Aおよび15Bの多孔質領域162と同一の様式で、骨固定のための骨内殖を促進するようにさらに適応し得る。インプラント180および182は、骨固定のための骨内殖を促進する粗さを有し得るものであり、粗さは、0.5を超える摩擦係数を特徴とし得る。
【0125】
骨内殖を促進するために、各構造部材は粗さを有し得る。骨内殖を促進する別の態様では、骨組は親水性コーティングまたは荷電コーティングを有し得るものであり、先に論じたように、このコーティングは細胞集団を誘引しかつ/または周囲の天然関節軟骨の治癒を強化するように該細胞組織に促すことができる。
【0126】
別の態様では、骨組は、ヒドロキシアパタイト、バイオガラス、もしくはリン酸カルシウムの一形態、またはその任意の組み合わせであり得る生物活性ミネラルコーティングを有し得る。別の態様では、骨組は、1種もしくは複数種のタンパク質、またはペプチド、あるいはその任意の組み合わせである生体工学コーティングを有する。
【0127】
インプラント180および182は、酸化物、炭化物、窒化物もしくはホウ化物またはその任意の組み合わせからなる群からの材料で形成され得る。あるいは、インプラントは、酸化、窒化、炭化もしくはホウ化した、チタン、ジルコニウム、ハフニウム、タンタルもしくはモリブデンまたはその任意の組み合わせからなる被覆金属で形成され得る。また骨組は、部分安定化ジルコニア、アルミナ、シリカ、窒化ケイ素、SiAlON、タンタル、チタンもしくはジルコニウムまたはその任意の組み合わせからなる群より選択される材料で形成され得る。
【0128】
特許法の要件に従って本発明を説明してきたが、当業者は、それらの具体的な要件または条件を満たすためにどのようにして本発明に変更および修正を行うかを理解するであろう。そのような変更および修正は、本明細書に開示される本発明の範囲および精神より逸脱することなく行うことができる。
【0129】
例示的なおよび好ましい態様の前述の詳細な説明は、法の要件に従った例示および開示を目的として提示される。それは網羅的であるようにも、記載される正確な形態に本発明を限定するようにも意図されていないが、特定の使用または実施形態に本発明がどのようにして好適であり得るかを他の当業者が理解することを可能にするようにのみ意図されている。修正および変形の可能性は当技術分野に熟練した開業医には明らかであろう。例示的態様の説明は限定を意図するものではなく、例示的態様は許容誤差、特徴寸法、具体的動作条件、工業規格などを含むことがありかつ実施形態間でまたは最新技術に対する変更によって変動することがあり、その説明からは限定は暗示されないはずである。本出願人は現在の最新技術に関して本開示を行ったが、進歩も想定しており、将来の改作はそれらの進歩すなわちその時代の最新技術に従った進歩を考慮に入れることがある。本発明の範囲は、文書による特許請求の範囲および適用可能な等価物により定義されるように意図されている。単数形での請求項要素への言及は、明確にそう述べられていない限りは「唯一」であることを意味するようには意図されていない。さらに、本開示における要素、構成要素、または方法もしくは方法の各工程は、その要素、構成要素または工程が特許請求の範囲に明確に記載されているかどうかにかかわらず、一般に公開されているようには意図されていない。本明細書における請求項要素は、その要素が「〜のための手段」という語句を使用して明確に記載されていない限り、米国特許法第112条第6段落の規定に基づいて解釈すべきではなく、本明細書における方法の工程は、その1つまたは複数の工程が「〜する工程を含む」という語句を使用して明確に記載されていない限り、それらの規定に基づいて解釈すべきではない。
【0130】
概要として、本文書は少なくとも以下の広範な概念を開示する。
概念1
骨内殖による骨格固定を促進するために海綿骨と同様の連通気孔の形状を有する多孔質領域と;
多孔質領域に隣接および一体的に連結しかつ軟骨下骨と同様の連通気孔の形状を有する移行領域と;
移行領域に一体的に連結しかつ外周面を有する実質的に稠密な領域と;
天然関節軟骨に対する関節接合に適応した仕上げを有する、実質的に稠密な領域上の表面とを含む、
一体式整形外科インプラント。
概念2
多孔質領域が、実質的に稠密な領域からの距離が増加するに従って増加する気孔率勾配を有する、概念1の一体式整形外科インプラント。
概念3
多孔質領域、移行領域、実質的に稠密な領域および表面が非吸収性である、概念1の一体式整形外科インプラント。
概念4
多孔質領域、移行領域、実質的に稠密な領域および表面が500MPa以上のビッカース硬度、4%未満のニッケル含有量および10%未満のクロム含有量を有する、概念1の一体式整形外科インプラント。
概念5
実質的に稠密な領域が、1000MPa以上のビッカース硬度を有しかつ4%以下のバルク気孔率を有する材料、または1200MPa以上のビッカース硬度を有しかつ0.1%以下のバルク気孔率を有する材料で形成される、概念1の一体式整形外科インプラント。
概念6
表面が6マイクロメートルRa以下の粗さに仕上げられる、概念1の一体式整形外科インプラント。
概念7
表面が0.025マイクロメートルRa以下の粗さに仕上げられる、概念1の一体式整形外科インプラント。
概念8
多孔質領域が、隙間の連通路をそれらの間に有する構造部材の三次元骨組を含む、概念1の一体式整形外科インプラント。
概念9
多孔質領域が、各々1000マイクロメートル未満の寸法を有する連通細孔通路を有する、概念1の一体式整形外科インプラント。
概念10
多孔質領域が、各々200〜600マイクロメートルの寸法を有する連通細孔通路を有する、概念1の一体式整形外科インプラント。
概念11
実質的に稠密な領域が、酸化物、窒化物、炭化物もしくはホウ化物またはその任意の組み合わせからなる群より選択される材料で形成される、概念1の一体式整形外科インプラント。
概念12
多孔質領域が、酸化物、炭化物、窒化物もしくはホウ化物またはその任意の組み合わせからなる群からの材料で形成される、概念1の一体式整形外科インプラント。
概念13
移行領域が、酸化物、炭化物、窒化物もしくはホウ化物またはその任意の組み合わせからなる群からの材料で形成される、概念1の一体式整形外科インプラント。
概念14
多孔質領域が、酸化物、炭化物、窒化物もしくはホウ化物またはその任意の組み合わせからなる群からの材料で形成される、概念11の一体式整形外科インプラント。
概念15
移行領域が、酸化物、炭化物、窒化物もしくはホウ化物またはその任意の組み合わせからなる群からの材料で形成される、概念14の一体式整形外科インプラント。
概念16
実質的に稠密な領域が、酸化、窒化、炭化もしくはホウ化した、チタン、ジルコニウム、ハフニウム、タンタルもしくはモリブデンまたはその任意の組み合わせからなる被覆金属を含む、概念1の一体式整形外科インプラント。
概念17
多孔質領域が、酸化、窒化、炭化もしくはホウ化した、チタン、ジルコニウム、ハフニウム、タンタルもしくはモリブデンまたはその任意の組み合わせからなる被覆金属を含む、概念1の一体式整形外科インプラント。
概念18
移行領域が、酸化、窒化、炭化もしくはホウ化した、チタン、ジルコニウム、ハフニウム、タンタルもしくはモリブデンまたはその任意の組み合わせからなる被覆金属を含む、概念1の一体式整形外科インプラント。
概念19
多孔質領域が、酸化、窒化、炭化もしくはホウ化した、チタン、ジルコニウム、ハフニウム、タンタルもしくはモリブデンまたはその任意の組み合わせからなる被覆金属をさらに含む、概念16の一体式整形外科インプラント。
概念20
移行領域が、酸化、窒化、炭化もしくはホウ化した、チタン、ジルコニウム、ハフニウム、タンタルもしくはモリブデンまたはその任意の組み合わせからなる被覆金属をさらに含む、概念17の一体式整形外科インプラント。
概念21
実質的に稠密な領域が、部分安定化ジルコニア、アルミナ、窒化ケイ素もしくはSiAlONまたはその任意の組み合わせからなる群より選択される材料を含む、概念1の一体式整形外科インプラント。
概念22
多孔質領域が、部分安定化ジルコニア、アルミナ、シリカ、窒化ケイ素、SiAlON、タンタル、チタンもしくはジルコニウムまたはその任意の組み合わせからなる群より選択される材料で形成される、概念1の一体式整形外科インプラント。
概念23
移行領域が、部分安定化ジルコニア、アルミナ、シリカ、窒化ケイ素、SiAlON、タンタル、チタンもしくはジルコニウムまたはその任意の組み合わせからなる群より選択される材料で形成される、概念1の一体式整形外科インプラント。
概念24
多孔質領域が、部分安定化ジルコニア、アルミナ、シリカ、窒化ケイ素、SiAlON、タンタル、チタンもしくはジルコニウムまたはその任意の組み合わせからなる群より選択される材料で形成される、概念21の一体式整形外科インプラント。
概念25
移行領域が、部分安定化ジルコニア、アルミナ、シリカ、窒化ケイ素、SiAlON、タンタル、チタンもしくはジルコニウムまたはその任意の組み合わせからなる群より選択される材料で形成される、概念24の一体式整形外科インプラント。
概念26
移行領域が、多孔質領域および実質的に稠密な領域を形成するために使用される材料の組み合わせで形成される、概念1の一体式整形外科インプラント。
概念27
多孔質領域が50%以上のバルク気孔率を有する、概念1の一体式整形外科インプラント。
概念28
強度を与えかつ海綿骨と関節軟骨との間の体液の毛管運動を支えるために、移行領域が多孔質領域に対して相対的に低い気孔率を有する、概念27の一体式整形外科インプラント。
概念29
大腿骨人工膝関節、脛骨人工膝関節、膝蓋骨人工膝関節、大腿骨頭人工股関節、寛骨臼人工股関節、人工手指関節もしくは人工親指関節、人工手首関節もしくは人工足首関節、人工肩関節、人工足指関節、人工脊椎関節または人工肘関節に適応している、概念1の一体式整形外科インプラント。
概念30
移行領域が実質的に稠密な領域の外周面の一部を取り囲む、概念1の一体式整形外科インプラント。
概念31
実質的に稠密な領域が少なくとも1つの突起または少なくとも1つの凹みを含む、概念1の一体式整形外科インプラント。
概念32
実質的に稠密な領域の外周面が少なくとも1つの突起または少なくとも1つの凹みを含む、概念1の一体式整形外科インプラント。
概念33
多孔質領域が円柱状の栓の形を有する、概念1の一体式整形外科インプラント。
概念34
多孔質領域がテーパ状の栓の形を有する、概念1の一体式整形外科インプラント。
概念35
多孔質領域が底面の開口部および中空の内部を有する、概念1の一体式整形外科インプラント。
概念36
実質的に稠密な領域の外周面が、関節軟骨の治癒を促進する粗さを含む、概念1の一体式整形外科インプラント。
概念37
粗さが6マイクロメートルRa以下である、概念36の一体式整形外科インプラント。
概念38
粗さが6マイクロメートルRaを超える、概念36の一体式整形外科インプラント。
概念39
外周面が親水性の表面を含む、概念1の一体式整形外科インプラント。
概念40
外周面が荷電した表面を含む、概念1の一体式整形外科インプラント。
概念41
外周面が、関節軟骨の治癒を促進する生物活性ミネラルコーティングを含む、概念1の一体式整形外科インプラント。
概念42
生物活性ミネラルコーティングがヒドロキシアパタイト、バイオガラス、もしくはリン酸カルシウムの一形態、またはその任意の組み合わせを含む、概念41の一体式整形外科インプラント。
概念43
外周面が、血液由来製品、フィブリン糊、フィブリンクロット、タンパク質、ペプチド、コラーゲン、浸透性自家軟骨細胞、薬学的な剤またはその任意の組み合わせからなる生体工学コーティングを含む、概念1の一体式整形外科インプラント。
概念44
多孔質領域の上面が実質的に稠密な領域よりも大きく、したがって多孔質領域の上面が実質的に稠密な領域を超えて延伸する、概念1の一体式整形外科インプラント。
概念45
多孔質領域の上面が実質的に稠密な領域よりも小さく、したがって実質的に稠密な領域が多孔質領域の上に突き出る、概念1の一体式整形外科インプラント。
概念46
実質的に稠密な領域の外周面が多角形を有する、概念1の一体式整形外科インプラント。
概念47
多角形が三角形、長方形、五角形または六角形である、概念46の一体式整形外科インプラント。
概念48
実質的に稠密な領域の外周面が面取りされている、概念1の一体式整形外科インプラント。
概念49
実質的に稠密な領域が多孔質領域の上面に対して相対的に同一の寸法、大きい寸法または小さい寸法を有する、概念48の一体式整形外科インプラント。
概念50
実質的に稠密な領域の外周面が逆に面取りされている、概念1の一体式整形外科インプラント。
概念51
実質的に稠密な領域が多孔質領域の上面に対して相対的に同一の寸法、大きい寸法または小さい寸法を有する、概念50の一体式整形外科インプラント。
概念52
表面が相対的凹面球形を有する、概念1の一体式整形外科インプラント。
概念53
表面が、1つの平面内の丸みを有する相対的凹面形を有する、概念1の一体式整形外科インプラント。
概念54
表面が、2つの直交する平面内の2つの異なる丸みを有する相対的凹面形を有する、概念1の一体式整形外科インプラント。
概念55
表面が1つの平面内の凹面形および直交する平面内の凸面形を有する、概念1の一体式整形外科インプラント。
概念56
表面が凸面球形を有する、概念1の一体式整形外科インプラント。
概念57
表面が、1つの平面内の丸みを有する凸面形を有する、概念1の一体式整形外科インプラント。
概念58
表面が、2つの直交する平面内の2つの異なる丸みを有する凸面形を有する、概念1の一体式整形外科インプラント。
概念59
多孔質領域が、骨固定のための骨内殖を促進する粗さを含む、概念1の一体式整形外科インプラント。
概念60
粗さが0.5を超える摩擦係数を特徴とする、概念59の一体式整形外科インプラント。
概念61
多孔質領域が、隙間の連通路をそれらの間に有する構造部材の三次元骨組を含み;
各構造部材がサイズにおいて骨梁と同様であり;かつ
各構造部材が表面粗さを有する、
概念1の一体式整形外科インプラント。
概念62
多孔質領域が親水性の表面を含む、概念1の一体式整形外科インプラント。
概念63
多孔質領域が荷電した表面を含む、概念1の一体式整形外科インプラント。
概念64
多孔質領域が、骨固定のための骨内殖を促進する生物活性ミネラルコーティングを含む、概念1の一体式整形外科インプラント。
概念65
生物活性ミネラルコーティングがヒドロキシアパタイト、バイオガラス、もしくはリン酸カルシウムの一形態、またはその任意の組み合わせを含む、概念64の一体式整形外科インプラント。
概念66
多孔質領域が、骨固定のための骨内殖を促進する生体工学コーティングを含む、概念1の一体式整形外科インプラント。
概念67
生体工学コーティングがタンパク質もしくはペプチドまたはその任意の組み合わせからなる、概念66の一体式整形外科インプラント。
概念68
実質的に稠密な領域が、周囲の天然関節軟骨の第2の厚さに一致する第1の厚さを有する、概念1の一体式整形外科インプラント。
概念69
多孔質領域が複数の突起を含む、概念1の一体式整形外科インプラント。
概念70
局所インプラント用の直交する平面内の異なる寸法を有する形を有する、概念1の一体式整形外科インプラント。
概念71
多孔質領域がテーパ状の外周面を有する、概念70の一体式整形外科インプラント。
概念72
実質的に稠密な領域が貝殻状の形を有し;かつ
多孔質領域が、中空の内部を有する貝殻状の形を有する、
概念1の一体式整形外科インプラント。
概念73
骨内殖による骨格固定を促進するために海綿骨と同様の連通気孔の形状を有する多孔質領域と;
多孔質領域に隣接および一体的に連結し、軟骨下骨と同様の気孔の形状を有する移行領域と
を含む、整形外科インプラントであって、
移行領域が足場と共に機能することで関節軟骨の再生を促進するように適応しており;かつ
多孔質領域および移行領域が非吸収性である、
整形外科インプラント。
概念74
移行領域に結合し、かつコラーゲン、タンパク質、吸収性材料、共重合体吸収性材料、ミネラル、ヒドロゲル、生細胞もしくは関節軟骨または任意のその組み合わせを含む、足場
をさらに含む、概念73の整形外科インプラント。
概念75
移行領域が、関節軟骨の治癒を促進する粗さを有する、概念73の整形外科インプラント。
概念76
移行領域が親水性の表面を含む、概念73の整形外科インプラント。
概念77
移行領域が荷電した表面を含む、概念73の整形外科インプラント。
概念78
移行領域が、関節軟骨の治癒を促進する生物活性ミネラルコーティングを含む、概念73の整形外科インプラント。
概念79
生物活性ミネラルコーティングがヒドロキシアパタイト、バイオガラス、もしくはリン酸カルシウムの一形態、またはその任意の組み合わせを含む、概念78の整形外科インプラント。
概念80
移行領域が、血液由来製品、フィブリン糊、フィブリンクロット、タンパク質、ペプチド、コラーゲン、浸透性自家軟骨細胞(軟骨の細胞)またはその任意の組み合わせからなる生体工学コーティングを含む、概念73の整形外科インプラント。
概念81
多孔質領域が、隙間の連通路をそれらの間に有する構造部材の三次元骨組を含み;
各構造部材がサイズにおいて骨梁と同様である、
概念73の整形外科インプラント。
概念82
多孔質領域が、各々1000マイクロメートル未満の寸法を有する連通細孔通路を有する、概念73の整形外科インプラント。
概念83
多孔質領域が、各々200〜600マイクロメートルの寸法を有する連通細孔通路を有する、概念73の整形外科インプラント。
概念84
多孔質領域が、酸化物、炭化物、窒化物もしくはホウ化物またはその任意の組み合わせからなる群からの材料で形成される、概念73の整形外科インプラント。
概念85
移行領域が、酸化物、炭化物、窒化物もしくはホウ化物またはその任意の組み合わせからなる群からの材料で形成される、概念73の整形外科インプラント。
概念86
多孔質領域が、部分安定化ジルコニア、アルミナ、窒化ケイ素もしくはSiAlONまたはその任意の組み合わせからなる群より選択される材料を含む、概念73の整形外科インプラント。
概念87
移行領域が、部分安定化ジルコニア、アルミナ、窒化ケイ素もしくはSiAlONまたはその任意の組み合わせからなる群より選択される材料を含む、概念73の整形外科インプラント。
概念88
多孔質領域が、骨固定のための骨内殖を促進する粗さを有する、概念73の整形外科インプラント。
概念89
粗さが0.5を超える摩擦係数を特徴とする、概念88の整形外科インプラント。
概念90
多孔質領域が、隙間の連通路をそれらの間に有する構造部材の三次元骨組を含み;
各構造部材がサイズにおいて骨梁と同様であり;かつ
各構造部材が表面粗さを有する、
概念73の整形外科インプラント。
概念91
多孔質領域が親水性の表面を含む、概念73の整形外科インプラント。
概念92
多孔質領域が荷電した表面を含む、概念73の整形外科インプラント。
概念93
多孔質領域が、骨固定のための骨内殖を促進する生物活性ミネラルコーティングを含む、概念73の整形外科インプラント。
概念94
生物活性ミネラルコーティングがヒドロキシアパタイト、バイオガラス、もしくはリン酸カルシウムの一形態、またはその任意の組み合わせを含む、概念93の整形外科インプラント。
概念95
多孔質領域が、骨固定のための骨内殖を促進する生体工学コーティングを含む、概念73の整形外科インプラント。
概念96
生体工学コーティングがタンパク質もしくはペプチドまたはその任意の組み合わせからなる、概念95の整形外科インプラント。
概念97
多孔質領域が底面の開口部および中空の内部を有する、概念73の整形外科インプラント。
概念98
骨内殖による骨格固定を促進するために海綿骨と同様の連通気孔の形状を有する多孔質領域と;
多孔質領域に一体的に連結し、上面および外周面を有する実質的に稠密な領域と
を含む、歯科インプラントであって、
上面および外周面が歯肉組織に適合するように適応しており;かつ
多孔質領域および実質的に稠密な領域が非吸収性である、
歯科インプラント。
概念99
骨内殖による骨格固定を促進するために海綿骨と同様の連通気孔の形状を有する多孔質領域を形成する工程;
多孔質領域に隣接および一体的に連結し、軟骨下骨と同様の連通気孔の形状を有する、移行領域を形成する工程;
移行領域に一体的に連結しかつ外周面を有する実質的に稠密な領域を形成する工程; ならびに
天然関節軟骨に対する関節接合に適応した仕上げを有する、実質的に稠密な領域上の表面を形成する工程を含む、一体式整形外科インプラントを形成する方法であって、
多孔質領域が、実質的に稠密な領域からの距離が増加するに従って増加する気孔率勾配を有し;かつ
多孔質領域、移行領域および実質的に稠密な領域が非吸収性である、
方法。
概念100
実質的に稠密な領域上に表面を形成する工程が実質的に稠密な領域を熱加工する工程を含む、概念99の方法。
概念101
実質的に稠密な領域が酸化物、窒化物、炭化物もしくはホウ化物からなる群より選択される材料で形成されるか、あるいは酸化、窒化、炭化もしくはホウ化した、チタン、ジルコニウム、ハフニウム、タンタルもしくはモリブデンからなる金属を含むか、あるいは部分安定化ジルコニア、アルミナ、窒化ケイ素もしくはSiAlONまたはその任意の組み合わせからなる群より選択される材料である、概念99の方法。
概念102
実質的に稠密な領域上に表面を形成する工程が一体式整形外科インプラントを熱加工する工程を含む、概念99の方法。
概念103
実質的に稠密な領域上に表面を形成する工程が実質的に稠密な領域上に材料を堆積させる工程を含む、概念99の方法。
概念104
堆積した材料がパイロライトカーボンまたはダイヤモンド状炭素である、概念103の方法。
概念105
実質的に稠密な領域上に表面を形成する工程が実質的に稠密な領域上に材料を被覆させる工程を含む、概念99の方法。
概念106
被覆材料がセラミックまたはセラミック状である、概念105の方法。
概念107
実質的に稠密な領域上に表面を形成する工程が実質的に稠密な領域上に少なくとも1つの突起または少なくとも1つの凹みを形成する工程を含む、概念99の方法。
概念108
実質的に稠密な領域を形成する工程が実質的に稠密な領域上に少なくとも1つの突起または少なくとも1つの凹みを形成する工程を含む、概念99の方法。
概念109
多孔質領域を形成する工程または移行領域を形成する工程が不堅牢材料を酸化する工程を含む、概念99の方法。
概念110
多孔質領域を形成する工程または移行領域を形成する工程が不堅牢材料を溶解させる工程を含む、概念99の方法。
概念111
多孔質領域を形成する工程または移行領域を形成する工程がロストフォーム法を使用する工程を含む、概念99の方法。
概念112
多孔質領域を形成する工程または移行領域を形成する工程が固体を自由な形状に製作する方法を使用する工程を含む、概念99の方法。
概念113
多孔質領域を形成する工程または移行領域を形成する工程が発泡法を使用する工程を含む、概念99の方法。
概念114
フライス削り、旋削、研削または他の機械加工プロセスにより多孔質領域、移行領域および実質的に稠密な領域の所望の幾何学的形状を製作する工程をさらに含む、概念99の方法。
概念115
所望の幾何学的形状を製作する工程がフライス削り、旋削、研削または他の機械加工プロセスの後で10%以上の収縮を把握する工程をさらに含む、概念114の方法。
概念116
所望の幾何学的形状を製作する工程が大腿骨人工膝関節、脛骨人工膝関節、膝蓋骨人工膝関節、大腿骨頭人工股関節、寛骨臼人工股関節、人工手指関節もしくは人工親指関節、人工手首関節もしくは人工足首関節、人工肩関節、人工足指関節、人工脊椎関節または人工肘関節を製作する工程を含む、概念114の方法。
概念117
多孔質領域、移行領域および実質的に稠密な領域が500MPa以上のビッカース硬度、4%未満のニッケル含有量および10%未満のクロム含有量を有する、概念99の方法。
概念118
多孔質領域、移行領域および実質的に稠密な領域が非吸収性セラミックを含む、概念99の方法。
概念119
インプラント部位における関節軟骨の一部を除去する工程;
一体式インプラントの実質的に稠密な領域の表面をインプラント部位における関節軟骨と略面一に配置する深さまで、関節軟骨の基礎をなす骨内にソケットを形成する工程; ならびに
一体式整形外科インプラントをソケットに埋め込む工程
を含む、整形外科手術の方法であって、
該一体式整形外科インプラントが、
骨内殖による骨格固定を促進するために海綿骨と同様の連通気孔の形状を有する多孔質領域と;
多孔質領域に隣接および一体的に連結し、軟骨下骨と同様の連通気孔の形状を有する移行領域と;
移行領域に一体的に連結する実質的に稠密な領域と;
天然関節軟骨に対する関節接合に適応した仕上げを有する、実質的に稠密な領域上の表面とを含み、
該多孔質領域、該移行領域、該実質的に稠密な領域、および該表面が非吸収性である、方法。
概念120
複数の一体式整形外科インプラントを互いに隣接しかつインプラント部位における関節軟骨と略面一になるように埋め込んで、ほぼ連続的な関節表面を作り出す工程をさらに含み、
各一体式整形外科インプラントの実質的に稠密な領域が多角形の外周面を有する、
概念119の方法。
概念121
多孔質領域が複数の突起を含む、概念119の方法。
概念122
一体式整形外科インプラントが局所インプラント用の直交する平面内の異なる寸法を有する形を有する、概念119の方法。
概念123
多孔質領域がテーパ状の外周面を有する、概念122の方法。
概念124
実質的に稠密な領域が貝殻状の形を有し;かつ
多孔質領域が、中空の内部を有する貝殻状の形を有する、
概念119の方法。
概念125
多孔質領域、実質的に稠密な領域および表面が非吸収性セラミックを含む、概念119の方法。
概念126
隙間の連通路をそれらの間に有する構造部材の三次元骨組を含み、
各構造部材が非吸収性セラミックを含み;かつ
各構造部材がサイズにおいて骨梁と同様である、
整形外科インプラント。
概念127
整形外科インプラントの内部が中空である、概念126の整形外科インプラント。
概念128
各構造部材が、骨固定のための骨内殖を促進する粗さを有する、概念126の整形外科インプラント。
概念129
粗さが0.5を超える摩擦係数を特徴とする、概念128の整形外科インプラント。
概念130
骨組が粗さを有する、概念126の整形外科インプラント。
概念131
骨組が親水性の表面を含む、概念126の整形外科インプラント。
概念132
骨組が荷電した表面を含む、概念126の整形外科インプラント。
概念133
骨組が、骨固定のための骨内殖を促進する生物活性ミネラルコーティングを含む、概念126の整形外科インプラント。
概念134
生物活性ミネラルコーティングがヒドロキシアパタイト、バイオガラス、もしくはリン酸カルシウムの一形態、またはその任意の組み合わせを含む、概念133の整形外科インプラント。
概念135
骨組が、タンパク質、ペプチドまたはその任意の組み合わせからなる生体工学コーティングを含む、概念126の整形外科インプラント。
概念136
骨組が、各々1000マイクロメートル未満の寸法を有する連通細孔通路を有する、概念126の整形外科インプラント。
概念137
骨組が、各々200〜600マイクロメートルの寸法を有する連通細孔通路を有する、概念126の整形外科インプラント。
概念138
骨組が、酸化物、炭化物、窒化物もしくはホウ化物またはその任意の組み合わせからなる群からの材料で形成される、概念126の整形外科インプラント。
概念139
骨組が、酸化、窒化、炭化もしくはホウ化した、チタン、ジルコニウム、ハフニウム、タンタルもしくはモリブデンまたはその任意の組み合わせからなる被覆金属を含む、概念126の整形外科インプラント。
概念140
骨組が、部分安定化ジルコニア、アルミナ、シリカ、窒化ケイ素、SiAlON、タンタル、チタンもしくはジルコニウムまたはその任意の組み合わせからなる群より選択される材料で形成される、概念126の整形外科インプラント。
概念141
骨組が50%以上のバルク気孔率を有する、概念126の整形外科インプラント。
概念142
骨格関節を構成する長骨の端部の骨幹端領域を修復するように適応している、概念126の整形外科インプラント。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
骨内殖による骨格固定を促進するために海綿骨と同様の連通気孔の形状を有する多孔質領域と;
多孔質領域に隣接および一体的に連結しかつ軟骨下骨と同様の連通気孔の形状を有する移行領域と;
移行領域に一体的に連結しかつ外周面を有する実質的に稠密な領域と;
天然関節軟骨に対する関節接合に適応した仕上げを有する、実質的に稠密な領域上の表面とを含み、
該多孔質領域、該移行領域、該実質的に稠密な領域、および該表面が非吸収性である、
一体式整形外科インプラント。
【請求項2】
多孔質領域が、実質的に稠密な領域からの距離が増加するに従って増加する気孔率勾配を有する、請求項1記載の一体式整形外科インプラント。
【請求項3】
多孔質領域、移行領域、実質的に稠密な領域および表面が500MPa以上のビッカース硬度、4%未満のニッケル含有量および10%未満のクロム含有量を有する、請求項1記載の一体式整形外科インプラント。
【請求項4】
実質的に稠密な領域が、1000MPa以上のビッカース硬度を有しかつ4%以下のバルク気孔率を有する材料、または1200MPa以上のビッカース硬度を有しかつ0.1%以下のバルク気孔率を有する材料で形成される、請求項1記載の一体式整形外科インプラント。
【請求項5】
表面が6マイクロメートルRa以下の粗さに仕上げられる、請求項1記載の一体式整形外科インプラント。
【請求項6】
表面が0.025マイクロメートルRa以下の粗さに仕上げられる、請求項1記載の一体式整形外科インプラント。
【請求項7】
多孔質領域が、隙間の連通路をそれらの間に有する構造部材の三次元骨組を含む、請求項1記載の一体式整形外科インプラント。
【請求項8】
多孔質領域が、各々1000マイクロメートル未満の寸法を有する連通細孔通路を有する、請求項1記載の一体式整形外科インプラント。
【請求項9】
多孔質領域が、各々200〜600マイクロメートルの寸法を有する連通細孔通路を有する、請求項1記載の一体式整形外科インプラント。
【請求項10】
実質的に稠密な領域が、酸化物、窒化物、炭化物もしくはホウ化物またはその任意の組み合わせからなる群より選択される材料で形成される、請求項1記載の一体式整形外科インプラント。
【請求項11】
多孔質領域が、酸化物、炭化物、窒化物もしくはホウ化物またはその任意の組み合わせからなる群からの材料で形成される、請求項1記載の一体式整形外科インプラント。
【請求項12】
移行領域が、酸化物、炭化物、窒化物もしくはホウ化物またはその任意の組み合わせからなる群からの材料で形成される、請求項1記載の一体式整形外科インプラント。
【請求項13】
多孔質領域が、酸化物、炭化物、窒化物もしくはホウ化物またはその任意の組み合わせからなる群からの材料で形成される、請求項10記載の一体式整形外科インプラント。
【請求項14】
移行領域が、酸化物、炭化物、窒化物もしくはホウ化物またはその任意の組み合わせからなる群からの材料で形成される、請求項13記載の一体式整形外科インプラント。
【請求項15】
実質的に稠密な領域が、酸化、窒化、炭化もしくはホウ化した、チタン、ジルコニウム、ハフニウム、タンタルもしくはモリブデンまたはその任意の組み合わせからなる被覆金属を含む、請求項1記載の一体式整形外科インプラント。
【請求項16】
多孔質領域が、酸化、窒化、炭化もしくはホウ化した、チタン、ジルコニウム、ハフニウム、タンタルもしくはモリブデンまたはその任意の組み合わせからなる被覆金属を含む、請求項1記載の一体式整形外科インプラント。
【請求項17】
移行領域が、酸化、窒化、炭化もしくはホウ化した、チタン、ジルコニウム、ハフニウム、タンタルもしくはモリブデンまたはその任意の組み合わせからなる被覆金属を含む、請求項1記載の一体式整形外科インプラント。
【請求項18】
多孔質領域が、酸化、窒化、炭化もしくはホウ化した、チタン、ジルコニウム、ハフニウム、タンタルもしくはモリブデンまたはその任意の組み合わせからなる被覆金属をさらに含む、請求項15記載の一体式整形外科インプラント。
【請求項19】
移行領域が、酸化、窒化、炭化もしくはホウ化した、チタン、ジルコニウム、ハフニウム、タンタルもしくはモリブデンまたはその任意の組み合わせからなる被覆金属をさらに含む、請求項16記載の一体式整形外科インプラント。
【請求項20】
実質的に稠密な領域が、部分安定化ジルコニア、アルミナ、窒化ケイ素もしくはSiAlONまたはその任意の組み合わせからなる群より選択される材料を含む、請求項1記載の一体式整形外科インプラント。
【請求項21】
多孔質領域が、部分安定化ジルコニア、アルミナ、シリカ、窒化ケイ素、SiAlON、タンタル、チタンもしくはジルコニウムまたはその任意の組み合わせからなる群より選択される材料で形成される、請求項1記載の一体式整形外科インプラント。
【請求項22】
移行領域が、部分安定化ジルコニア、アルミナ、シリカ、窒化ケイ素、SiAlON、タンタル、チタンもしくはジルコニウムまたはその任意の組み合わせからなる群より選択される材料で形成される、請求項1記載の一体式整形外科インプラント。
【請求項23】
多孔質領域が、部分安定化ジルコニア、アルミナ、シリカ、窒化ケイ素、SiAlON、タンタル、チタンもしくはジルコニウムまたはその任意の組み合わせからなる群より選択される材料で形成される、請求項20記載の一体式整形外科インプラント。
【請求項24】
移行領域が、部分安定化ジルコニア、アルミナ、シリカ、窒化ケイ素、SiAlON、タンタル、チタンもしくはジルコニウムまたはその任意の組み合わせからなる群より選択される材料で形成される、請求項23記載の一体式整形外科インプラント。
【請求項25】
移行領域が、多孔質領域および実質的に稠密な領域を形成するために使用される材料の組み合わせで形成される、請求項1記載の一体式整形外科インプラント。
【請求項26】
多孔質領域が50%以上のバルク気孔率を有する、請求項1記載の一体式整形外科インプラント。
【請求項27】
強度を与えかつ海綿骨と関節軟骨との間の体液の毛管運動を支えるために、移行領域が多孔質領域に対して相対的に低い気孔率を有する、請求項26記載の一体式整形外科インプラント。
【請求項28】
大腿骨人工膝関節、脛骨人工膝関節、膝蓋骨人工膝関節、大腿骨頭人工股関節、寛骨臼人工股関節、人工手指関節もしくは人工親指関節、人工手首関節もしくは人工足首関節、人工肩関節、人工足指関節、人工脊椎関節または人工肘関節に適応している、請求項1記載の一体式整形外科インプラント。
【請求項29】
移行領域が実質的に稠密な領域の外周面の一部を取り囲む、請求項1記載の一体式整形外科インプラント。
【請求項30】
実質的に稠密な領域が少なくとも1つの突起または少なくとも1つの凹みを含む、請求項1記載の一体式整形外科インプラント。
【請求項31】
実質的に稠密な領域の外周面が少なくとも1つの突起または少なくとも1つの凹みを含む、請求項1記載の一体式整形外科インプラント。
【請求項32】
多孔質領域が円柱状の栓の形を有する、請求項1記載の一体式整形外科インプラント。
【請求項33】
多孔質領域がテーパ状の栓の形を有する、請求項1記載の一体式整形外科インプラント。
【請求項34】
多孔質領域が底面の開口部および中空の内部を有する、請求項1記載の一体式整形外科インプラント。
【請求項35】
実質的に稠密な領域の外周面が、関節軟骨の治癒を促進する粗さを含む、請求項1記載の一体式整形外科インプラント。
【請求項36】
粗さが6マイクロメートルRa以下である、請求項35記載の一体式整形外科インプラント。
【請求項37】
粗さが6マイクロメートルRaを超える、請求項35記載の一体式整形外科インプラント。
【請求項38】
外周面が親水性の表面を含む、請求項1記載の一体式整形外科インプラント。
【請求項39】
外周面が荷電した表面を含む、請求項1記載の一体式整形外科インプラント。
【請求項40】
外周面が、関節軟骨の治癒を促進する生物活性ミネラルコーティングを含む、請求項1記載の一体式整形外科インプラント。
【請求項41】
生物活性ミネラルコーティングがヒドロキシアパタイト、バイオガラス、もしくはリン酸カルシウムの一形態、またはその任意の組み合わせを含む、請求項40記載の一体式整形外科インプラント。
【請求項42】
外周面が、血液由来製品、フィブリン糊、フィブリンクロット、タンパク質、ペプチド、コラーゲン、浸透性自家軟骨細胞、薬学的な剤またはその任意の組み合わせからなる生体工学コーティングを含む、請求項1記載の一体式整形外科インプラント。
【請求項43】
多孔質領域の上面が実質的に稠密な領域よりも大きく、したがって多孔質領域の上面が実質的に稠密な領域を超えて延伸する、請求項1記載の一体式整形外科インプラント。
【請求項44】
多孔質領域の上面が実質的に稠密な領域よりも小さく、したがって実質的に稠密な領域が多孔質領域の上に突き出る、請求項1記載の一体式整形外科インプラント。
【請求項45】
実質的に稠密な領域の外周面が多角形を有する、請求項1記載の一体式整形外科インプラント。
【請求項46】
多角形が三角形、長方形、五角形または六角形である、請求項45記載の一体式整形外科インプラント。
【請求項47】
実質的に稠密な領域の外周面が面取りされている、請求項1記載の一体式整形外科インプラント。
【請求項48】
実質的に稠密な領域が多孔質領域の上面に対して相対的に同一の寸法、大きい寸法または小さい寸法を有する、請求項47記載の一体式整形外科インプラント。
【請求項49】
実質的に稠密な領域の外周面が逆に面取りされている、請求項1記載の一体式整形外科インプラント。
【請求項50】
実質的に稠密な領域が多孔質領域の上面に対して相対的に同一の寸法、大きい寸法または小さい寸法を有する、請求項49記載の一体式整形外科インプラント。
【請求項51】
表面が相対的凹面球形を有する、請求項1記載の一体式整形外科インプラント。
【請求項52】
表面が、1つの平面内の丸みを有する相対的凹面形を有する、請求項1記載の一体式整形外科インプラント。
【請求項53】
表面が、2つの直交する平面内の2つの異なる丸みを有する相対的凹面形を有する、請求項1記載の一体式整形外科インプラント。
【請求項54】
表面が1つの平面内の凹面形および直交する平面内の凸面形を有する、請求項1記載の一体式整形外科インプラント。
【請求項55】
表面が凸面球形を有する、請求項1記載の一体式整形外科インプラント。
【請求項56】
表面が、1つの平面内の丸みを有する凸面形を有する、請求項1記載の一体式整形外科インプラント。
【請求項57】
表面が、2つの直交する平面内の2つの異なる丸みを有する凸面形を有する、請求項1記載の一体式整形外科インプラント。
【請求項58】
多孔質領域が、骨固定のための骨内殖を促進する粗さを含む、請求項1記載の一体式整形外科インプラント。
【請求項59】
粗さが0.5を超える摩擦係数を特徴とする、請求項58記載の一体式整形外科インプラント。
【請求項60】
多孔質領域が、隙間の連通路をそれらの間に有する構造部材の三次元骨組を含み;
各構造部材がサイズにおいて骨梁と同様であり;かつ
各構造部材が表面粗さを有する、
請求項1記載の一体式整形外科インプラント。
【請求項61】
多孔質領域が親水性の表面を含む、請求項1記載の一体式整形外科インプラント。
【請求項62】
多孔質領域が荷電した表面を含む、請求項1記載の一体式整形外科インプラント。
【請求項63】
多孔質領域が、骨固定のための骨内殖を促進する生物活性ミネラルコーティングを含む、請求項1記載の一体式整形外科インプラント。
【請求項64】
生物活性ミネラルコーティングがヒドロキシアパタイト、バイオガラス、もしくはリン酸カルシウムの一形態、またはその任意の組み合わせを含む、請求項63記載の一体式整形外科インプラント。
【請求項65】
多孔質領域が、骨固定のための骨内殖を促進する生体工学コーティングを含む、請求項1記載の一体式整形外科インプラント。
【請求項66】
生体工学コーティングがタンパク質もしくはペプチドまたはその任意の組み合わせからなる、請求項65記載の一体式整形外科インプラント。
【請求項67】
実質的に稠密な領域が、周囲の天然関節軟骨の第2の厚さに一致する第1の厚さを有する、請求項1記載の一体式整形外科インプラント。
【請求項68】
多孔質領域が複数の突起を含む、請求項1記載の一体式整形外科インプラント。
【請求項69】
局所インプラント用の直交する平面内の異なる寸法を有する形を有する、請求項1記載の一体式整形外科インプラント。
【請求項70】
多孔質領域がテーパ状の外周面を有する、請求項69記載の一体式整形外科インプラント。
【請求項71】
実質的に稠密な領域が貝殻状の形を有し;かつ
多孔質領域が、中空の内部を有する貝殻状の形を有する、
請求項1記載の一体式整形外科インプラント。
【請求項72】
骨内殖による骨格固定を促進するために海綿骨と同様の連通気孔の形状を有する多孔質領域と;
多孔質領域に隣接および一体的に連結し、軟骨下骨と同様の気孔の形状を有する移行領域とを含む、整形外科インプラントであって、
移行領域が足場と共に機能することで関節軟骨の再生を促進するように適応しており;かつ
多孔質領域および移行領域が非吸収性である、
整形外科インプラント。
【請求項73】
移行領域に結合しかつコラーゲン、タンパク質、吸収性材料、共重合体吸収性材料、ミネラル、ヒドロゲル、生細胞もしくは関節軟骨または任意のその組み合わせを含む、足場
をさらに含む、請求項72記載の整形外科インプラント。
【請求項74】
移行領域が、関節軟骨の治癒を促進する粗さを有する、請求項72記載の整形外科インプラント。
【請求項75】
移行領域が親水性の表面を含む、請求項72記載の整形外科インプラント。
【請求項76】
移行領域が荷電した表面を含む、請求項72記載の整形外科インプラント。
【請求項77】
移行領域が、関節軟骨の治癒を促進する生物活性ミネラルコーティングを含む、請求項72記載の整形外科インプラント。
【請求項78】
生物活性ミネラルコーティングがヒドロキシアパタイト、バイオガラス、もしくはリン酸カルシウムの一形態、またはその任意の組み合わせを含む、請求項77記載の整形外科インプラント。
【請求項79】
移行領域が、血液由来製品、フィブリン糊、フィブリンクロット、タンパク質、ペプチド、コラーゲン、浸透性自家軟骨細胞(軟骨の細胞)またはその任意の組み合わせからなる生体工学コーティングを含む、請求項72記載の整形外科インプラント。
【請求項80】
多孔質領域が、隙間の連通路をそれらの間に有する構造部材の三次元骨組を含み;
各構造部材がサイズにおいて骨梁と同様である、
請求項72記載の整形外科インプラント。
【請求項81】
多孔質領域が、各々1000マイクロメートル未満の寸法を有する連通細孔通路を有する、請求項72記載の整形外科インプラント。
【請求項82】
多孔質領域が、各々200〜600マイクロメートルの寸法を有する連通細孔通路を有する、請求項72記載の整形外科インプラント。
【請求項83】
多孔質領域が、酸化物、炭化物、窒化物もしくはホウ化物またはその任意の組み合わせからなる群からの材料で形成される、請求項72記載の整形外科インプラント。
【請求項84】
移行領域が、酸化物、炭化物、窒化物もしくはホウ化物またはその任意の組み合わせからなる群からの材料で形成される、請求項72記載の整形外科インプラント。
【請求項85】
多孔質領域が、部分安定化ジルコニア、アルミナ、窒化ケイ素もしくはSiAlONまたはその任意の組み合わせからなる群より選択される材料を含む、請求項72記載の整形外科インプラント。
【請求項86】
移行領域が、部分安定化ジルコニア、アルミナ、窒化ケイ素もしくはSiAlONまたはその任意の組み合わせからなる群より選択される材料を含む、請求項72記載の整形外科インプラント。
【請求項87】
多孔質領域が、骨固定のための骨内殖を促進する粗さを有する、請求項72記載の整形外科インプラント。
【請求項88】
粗さが0.5を超える摩擦係数を特徴とする、請求項87記載の整形外科インプラント。
【請求項89】
多孔質領域が、隙間の連通路をそれらの間に有する構造部材の三次元骨組を含み;
各構造部材がサイズにおいて骨梁と同様であり;かつ
各構造部材が表面粗さを有する、
請求項72記載の整形外科インプラント。
【請求項90】
多孔質領域が親水性の表面を含む、請求項72記載の整形外科インプラント。
【請求項91】
多孔質領域が荷電した表面を含む、請求項72記載の整形外科インプラント。
【請求項92】
多孔質領域が、骨固定のための骨内殖を促進する生物活性ミネラルコーティングを含む、請求項72記載の整形外科インプラント。
【請求項93】
生物活性ミネラルコーティングがヒドロキシアパタイト、バイオガラス、もしくはリン酸カルシウムの一形態、またはその任意の組み合わせを含む、請求項92記載の整形外科インプラント。
【請求項94】
多孔質領域が、骨固定のための骨内殖を促進する生体工学コーティングを含む、請求項72記載の整形外科インプラント。
【請求項95】
生体工学コーティングがタンパク質もしくはペプチドまたはその任意の組み合わせからなる、請求項94記載の整形外科インプラント。
【請求項96】
多孔質領域が底面の開口部および中空の内部を有する、請求項72記載の整形外科インプラント。
【請求項97】
骨内殖による骨格固定を促進するために海綿骨と同様の連通気孔の形状を有する多孔質領域と;
多孔質領域に一体的に連結し、上面および外周面を有する実質的に稠密な領域と
を含む、歯科インプラントであって、
上面および外周面が歯肉組織に適合するように適応しており;かつ
多孔質領域および実質的に稠密な領域が非吸収性である、
歯科インプラント。
【請求項98】
骨内殖による骨格固定を促進するために海綿骨と同様の連通気孔の形状を有する多孔質領域を形成する工程;
多孔質領域に隣接および一体的に連結し、軟骨下骨と同様の連通気孔の形状を有する移行領域を形成する工程;
移行領域に一体的に連結しかつ外周面を有する実質的に稠密な領域を形成する工程; ならびに
天然関節軟骨に対する関節接合に適応した仕上げを有する、実質的に稠密な領域上の表面を形成する工程
を含む、一体式整形外科インプラントを形成する方法であって、
多孔質領域が、実質的に稠密な領域からの距離が増加するに従って増加する気孔率勾配を有し; かつ
多孔質領域、移行領域および実質的に稠密な領域が非吸収性である、方法。
【請求項99】
実質的に稠密な領域上に表面を形成する工程が実質的に稠密な領域を熱加工する工程を含む、請求項98記載の方法。
【請求項100】
実質的に稠密な領域が酸化物、窒化物、炭化物もしくはホウ化物からなる群より選択される材料で形成されるか、あるいは酸化、窒化、炭化もしくはホウ化した、チタン、ジルコニウム、ハフニウム、タンタルもしくはモリブデンからなる金属を含むか、あるいは部分安定化ジルコニア、アルミナ、窒化ケイ素もしくはSiAlONまたはその任意の組み合わせからなる群より選択される材料である、請求項98記載の方法。
【請求項101】
実質的に稠密な領域上に表面を形成する工程が一体式整形外科インプラントを熱加工する工程を含む、請求項98記載の方法。
【請求項102】
実質的に稠密な領域上に表面を形成する工程が実質的に稠密な領域上に材料を堆積させる工程を含む、請求項98記載の方法。
【請求項103】
堆積した材料がパイロライトカーボンまたはダイヤモンド状炭素である、請求項102記載の方法。
【請求項104】
実質的に稠密な領域上に表面を形成する工程が実質的に稠密な領域上に材料を被覆させる工程を含む、請求項98記載の方法。
【請求項105】
被覆材料がセラミックまたはセラミック状である、請求項104記載の方法。
【請求項106】
実質的に稠密な領域上に表面を形成する工程が実質的に稠密な領域上に少なくとも1つの突起または少なくとも1つの凹みを形成する工程を含む、請求項98記載の方法。
【請求項107】
実質的に稠密な領域を形成する工程が実質的に稠密な領域上に少なくとも1つの突起または少なくとも1つの凹みを形成する工程を含む、請求項98記載の方法。
【請求項108】
多孔質領域を形成する工程または移行領域を形成する工程が不堅牢材料を酸化する工程を含む、請求項98記載の方法。
【請求項109】
多孔質領域を形成する工程または移行領域を形成する工程が不堅牢材料を溶解させる工程を含む、請求項98記載の方法。
【請求項110】
多孔質領域を形成する工程または移行領域を形成する工程がロストフォーム法を使用する工程を含む、請求項98記載の方法。
【請求項111】
多孔質領域を形成する工程または移行領域を形成する工程が固体を自由な形状に製作する方法を使用する工程を含む、請求項98記載の方法。
【請求項112】
多孔質領域を形成する工程または移行領域を形成する工程が発泡法を使用する工程を含む、請求項98記載の方法。
【請求項113】
フライス削り、旋削、研削または他の機械加工プロセスにより多孔質領域、移行領域および実質的に稠密な領域の所望の幾何学的形状を製作する工程をさらに含む、請求項98記載の方法。
【請求項114】
所望の幾何学的形状を製作する工程がフライス削り、旋削、研削または他の機械加工プロセスの後で10%以上の収縮を把握する工程をさらに含む、請求項113記載の方法。
【請求項115】
所望の幾何学的形状を製作する工程が大腿骨人工膝関節、脛骨人工膝関節、膝蓋骨人工膝関節、大腿骨頭人工股関節、寛骨臼人工股関節、人工手指関節もしくは人工親指関節、人工手首関節もしくは人工足首関節、人工肩関節、人工足指関節、人工脊椎関節または人工肘関節を製作する工程を含む、請求項113記載の方法。
【請求項116】
多孔質領域、移行領域および実質的に稠密な領域が500MPa以上のビッカース硬度、4%未満のニッケル含有量および10%未満のクロム含有量を有する、請求項98記載の方法。
【請求項117】
多孔質領域、移行領域および実質的に稠密な領域が非吸収性セラミックを含む、請求項98記載の方法。
【請求項118】
インプラント部位における関節軟骨の一部を除去する工程;
一体式インプラントの実質的に稠密な領域の表面をインプラント部位における関節軟骨と略面一に配置する深さまで、関節軟骨の基礎をなす骨内にソケットを形成する工程; ならびに
一体式整形外科インプラントをソケットに埋め込む工程
を含む、整形外科手術の方法であって、
該一体式整形外科インプラントが、
骨内殖による骨格固定を促進するために海綿骨と同様の連通気孔の形状を有する多孔質領域と;
多孔質領域に隣接および一体的に連結し、軟骨下骨と同様の連通気孔の形状を有する移行領域と;
移行領域に一体的に連結する実質的に稠密な領域と;
天然関節軟骨に対する関節接合に適応した仕上げを有する、実質的に稠密な領域上の表面とを含み、
該多孔質領域、該移行領域、該実質的に稠密な領域、および該表面が非吸収性である、方法。
【請求項119】
複数の一体式整形外科インプラントを互いに隣接しかつインプラント部位における関節軟骨と略面一になるように埋め込んで、ほぼ連続的な関節表面を作り出す工程をさらに含み、
各一体式整形外科インプラントの実質的に稠密な領域が多角形の外周面を有する、
請求項118記載の方法。
【請求項120】
多孔質領域が複数の突起を含む、請求項118記載の方法。
【請求項121】
一体式整形外科インプラントが局所インプラント用の直交する平面内の異なる寸法を有する形を有する、請求項118記載の方法。
【請求項122】
多孔質領域がテーパ状の外周面を有する、請求項121記載の方法。
【請求項123】
実質的に稠密な領域が貝殻状の形を有し;かつ
多孔質領域が、中空の内部を有する貝殻状の形を有する、
請求項118記載の方法。
【請求項124】
多孔質領域、実質的に稠密な領域および表面が非吸収性セラミックを含む、請求項118記載の方法。
【請求項125】
隙間の連通路をそれらの間に有する構造部材の三次元骨組を含み、
各構造部材が非吸収性セラミックを含み;かつ
各構造部材がサイズにおいて骨梁と同様である、
整形外科インプラント。
【請求項126】
整形外科インプラントの内部が中空である、請求項125記載の整形外科インプラント。
【請求項127】
各構造部材が、骨固定のための骨内殖を促進する粗さを有する、請求項125記載の整形外科インプラント。
【請求項128】
粗さが0.5を超える摩擦係数を特徴とする、請求項127記載の整形外科インプラント。
【請求項129】
骨組が粗さを有する、請求項125記載の整形外科インプラント。
【請求項130】
骨組が親水性の表面を含む、請求項125記載の整形外科インプラント。
【請求項131】
骨組が荷電した表面を含む、請求項125記載の整形外科インプラント。
【請求項132】
骨組が、骨固定のための骨内殖を促進する生物活性ミネラルコーティングを含む、請求項125記載の整形外科インプラント。
【請求項133】
生物活性ミネラルコーティングがヒドロキシアパタイト、バイオガラス、もしくはリン酸カルシウムの一形態、またはその任意の組み合わせを含む、請求項132記載の整形外科インプラント。
【請求項134】
骨組が、タンパク質、ペプチドまたはその任意の組み合わせからなる生体工学コーティングを含む、請求項125記載の整形外科インプラント。
【請求項135】
骨組が、各々1000マイクロメートル未満の寸法を有する連通細孔通路を有する、請求項125記載の整形外科インプラント。
【請求項136】
骨組が、各々200〜600マイクロメートルの寸法を有する連通細孔通路を有する、請求項125記載の整形外科インプラント。
【請求項137】
骨組が、酸化物、炭化物、窒化物もしくはホウ化物またはその任意の組み合わせからなる群からの材料で形成される、請求項125記載の整形外科インプラント。
【請求項138】
骨組が、酸化、窒化、炭化もしくはホウ化した、チタン、ジルコニウム、ハフニウム、タンタルもしくはモリブデンまたはその任意の組み合わせからなる被覆金属を含む、請求項125記載の整形外科インプラント。
【請求項139】
骨組が、部分安定化ジルコニア、アルミナ、シリカ、窒化ケイ素、SiAlON、タンタル、チタンもしくはジルコニウムまたはその任意の組み合わせからなる群より選択される材料で形成される、請求項125記載の整形外科インプラント。
【請求項140】
骨組が50%以上のバルク気孔率を有する、請求項125記載の整形外科インプラント。
【請求項141】
骨格関節を構成する長骨の端部の骨幹端領域を修復するように適応している、請求項125記載の整形外科インプラント。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18A】
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【図18B】
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【公表番号】特表2012−522571(P2012−522571A)
【公表日】平成24年9月27日(2012.9.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−503406(P2012−503406)
【出願日】平成21年9月29日(2009.9.29)
【国際出願番号】PCT/US2009/058831
【国際公開番号】WO2010/114578
【国際公開日】平成22年10月7日(2010.10.7)
【出願人】(511237036)シンバシブ テクノロジー インコーポレイティッド (1)
【Fターム(参考)】