説明

関節内又は関節周囲の投与のための注射可能な製剤

本明細書には、関節内投与若しくは関節周囲の投与のための注射可能な製剤が記載されており、当該製剤は関節痛の治療のために投与される。本明細書に開示された関節内投与若しくは関節周囲の投与のための注射可能な製剤は治療上有効な量のロイコトリエン合成インヒビター化合物を含み、当該ロイコトリエン合成インヒビター化合物の関節内投与若しくは関節周囲の投与のために製剤される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[関連出願]
本出願は、2009年10月19日出願の関節内又は関節周囲の投与のための注射可能な製剤と題する、米国仮特許出願第61/252,975号の利益を請求する。該米国仮特許出願は、参考のために、本明細書に組み入れられた。
【0002】
本明細書に記載されているものは、ロイコトリエンおよび他の5−リポキシゲナーゼ産物の合成を阻害する化合物を含む哺乳類への関節内又は関節周囲の投与用の注射可能な製剤、及び関節痛の処置または予防における、その使用方法である。
【背景技術】
【0003】
関節痛は、関節及び/又は関連する組織の異常な状態、疾病、障害または疾患から生じる。限定しない例によれば、関節及び/又は関連する組織の異常な状態、疾病、障害または疾患は、炎症性の関節病、強直、滑膜炎、関節痛、リューマチ、脊椎炎、滑液包炎、ブルセラ症、痛風、軟骨石灰化、変形性関節疾患、紅斑性狼瘡、関節炎、変形性関節症、感染性関節炎、スティル病、組織異変的な関節症、ムコ多糖沈着、離断性骨軟骨炎、滑液膜軟骨腫症、骨軟骨腫症、滑膜腫、糖尿病、ライム病、異形成、関節損傷、捻挫、転位、靭帯と腱の断裂、関節血症、瘢痕又はその後の関節手術またはそれらの組み合わせを含む。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本明細書に記載されているものは、特定の実施形態中で、関節内か、関節周囲の投与用の注射可能な製剤であり、その製剤は関節痛または炎症を治療するために投与される。本明細書に記載されているものは、特定の実施形態中で、関節の中への投与用の注射可能な製剤である。注射可能な製剤は、関節内か、関節周囲の投与には許容可能な賦形剤で調剤される。
【課題を解決するための手段】
【0005】
特定の実施形態では、前記製剤は関節痛、あるいは、炎症に関連する免疫障害(例えば自己免疫疾患);増殖障害(例えば滑膜腫);アレルゲンとの接触、及び/又は刺激物との接触;繊維芽細胞障害(例えば瘢痕化);またはそれらの組み合わせを治療するために投与される。
【0006】
本明細書に記載されているものは、特定の実施形態中で、関節内か、関節周囲の投与用の注射可能な製剤であり、当該製剤は炎症性の関節病に関連した痛み、および強直、滑膜炎、関節痛、リウマチ、脊椎炎、滑液包炎、ブルセラ症、痛風、軟骨石灰化、変形性関節疾患、紅斑性狼瘡、関節炎、変形性関節症、感染性関節炎、スティル病、組織異変的な関節症、ムコ多糖沈着、離断性骨軟骨炎、滑液膜軟骨腫症、滑膜腫、糖尿病、ライム病、異形成、関節損傷、捻挫、転位、靭帯と腱の断裂、関節血症、瘢痕化又はその後の関節手術またはその組み合わせを扱うために投与される。
【0007】
幾つかの実施形態では、本明細書に開示された関節内か、関節周囲の投与のための注射可能な製剤は、治療上有効な量の5−リポキシゲナーゼ活性化タンパク質(FLAP)、5−LOインヒビター、cPLAインヒビター、またはその薬学的に許容可能な塩を含む。
【0008】
幾つかの実施形態では、哺乳類の関節痛、または炎症の処置のために有効な量でのロイコトリエン合成インヒビター化合物と、少なくとも1つの関節内か、関節周囲の投与にふさわしい薬学的に許容可能な賦形剤とを含む注射可能な製剤が記述されている。
【0009】
幾つかの実施形態では、哺乳類の関節におけるロイコトリエン合成の阻害のための有効な量内のロイコトリエン合成インヒビター化合物と、少なくとも1つの関節内か、関節周囲の投与にふさわしい薬学的に許容可能な賦形剤とを含む注射可能な製剤が記述されている。
【0010】
幾つかの実施形態では、ロイコトリエン受容体の拮抗に有効な量のロイコトリエン合成インヒビターと、少なくとも1つの関節内か、関節周囲の投与にふさわしい薬学的に許容可能な賦形剤とを含む注射可能な製剤が記載されている。
【0011】
幾つかの実施形態では、哺乳類の関節の痛みの軽減または阻害有効な量でのロイコトリエン合成インヒビターと、少なくとも1つ関節内か、関節周囲の投与にふさわしい薬学的に許容可能な賦形剤とを含む注射可能な製剤が記載されている。
【0012】
幾つかの実施形態では、哺乳類の関節痛に処置する方法が記載され、当該方法は、関節内或いは関節周囲への注射可能な製造を投与する工程を含み、当該製剤は、関節の疾患、障害または疾病をもつ哺乳類の少なくとも1つの関節への治療上有効な量のロイコトリエン合成インヒビター化合物を含む。
【0013】
幾つかの実施形態では、関節内或いは関節周囲の注射可能な製剤を投与する工程を含む哺乳類の関節へのロイコトリエン合成を阻害する方法が記載され、当該製剤は哺乳類の関節へのロイコトリエン合成インヒビター化合物を含む。
【0014】
幾つかの実施形態では、ロイコトリエン合成インヒビターは5−リポキシゲナーゼ活性化タンパク質(FLAP)のインヒビターである。幾つかの実施形態では、ロイコトリエン合成インヒビターは5−リポキシゲナーゼ(5−LO)のインヒビターである。幾つかの実施形態では、ロイコトリエン合成インヒビターは細胞質ゾルのPLA(c−PLA)のインヒビターである。
【0015】
幾つかの実施形態では、哺乳類の関節の痛みの度合い量を減らすか、或いは阻害する方法が記載されており、当該方法は、関節内又は関節周囲の注射可能な製剤を投与する工程を含み、当該製剤は哺乳類の関節へのロイコトリエン合成インヒビター化合物を含む。
【0016】
幾つかの実施形態では、本明細書に開示された関節内又は関節周囲の投与のための注射可能な製剤は、アレルゲン及び/又は刺激性及び/又は感染性の物質(例えばウイルス)との接触の前、または接触の後に投与される。幾つかの実施形態では、本明細書に開示された関節内又は関節周囲の投与のための注射可能な製剤は、物理的な外傷(例えば手術、または損傷)の前または後に投与される。幾つかの実施形態では、本明細書に記載されている注射可能な製剤は、関節を取り巻く関節包に関連した疾病のために投与される。他の実施形態では、注射可能な製剤は、関節内投与されるが、疾患に関連する関節痛または炎症を処置するために、続いて関連する組織内に入り込む。他の実施形態では、注射可能な製剤は、関節の窩及び関連づけられた組織に投与される:限定しない実施例は滑液、滑膜、関節軟骨および靭帯を含んでいる。
幾つかの実施形態では、本明細書で提供された化合物は、人体に投与される。
幾つかの実施形態では、本明細書で提供された化合物は、薬学的に許容可能な塩として人体に投与される。
幾つかの実施形態では、製造物品が提供され、当該製造物品は、包装材料、包装材料内の注射可能な製剤、および注射可能な製剤が関節内又は関節周囲の投与のため使用されることを表示するラベルを含む。
【0017】
本明細書に記載された局所製剤の他の目的、特徴及び利点は、後述する詳細な説明から明らかになるだろう。しかし、詳細な説明と特定の例は、特定の実施形態を示しているが、本開示の精神および範囲内での様々な変化および改変は、この詳細な説明から当該技術分野の当業者に明白となるので、単なる例示目的として与えられていることを理解されたい。
【発明を実施するための形態】
【0018】
ロイコトリエンを含む5−リポキシゲナーゼ産物は、多くの生物学的プロセスに重要な役割を果たすと示された、アラキドン酸に由来した炎症促進性の脂質媒介物質のクラスである。アラキドン酸は酵素ホスホリパーゼA(PLA)のアクションを通じてグリセロリン脂質のsn−2位置から放出される。ホスホリパーゼAは、共通の酵素活性を持った数個のタンパク質ファミリーを含む。また、それらは分泌されたPLA(sPLA)、細胞質ゾルのPLA(cPLA)、Ca2+にしないPLA(iPLA)およびリポタンパク質に関連するPLA(lp−PLA)を含む。5−リポキシゲナーゼ産物は、主としてcPLAによって放出されたアラキドン酸に由来する。アラキドン酸は、中間体としての5−ヒドロペルオキシエイコサテトラエン酸(5−HPETE)と共に、二段プロセスでロイコトリエンA(LTA)に変換され、当該中間体は、5−ヒドロキシエイコサテトラエン酸(5−HETE)及び5−オキソ−エイコサテトラエン酸(5−オキソ−ETE)に変換されることができ、酵素5−リポキシゲナーゼ(5−LO)によって媒介される。LTAはLTCシンターゼによって媒介されたグルタチオンを備えた結合によってLTAヒドロラーゼによるLTBまたはLTCのいずれかに変換される。血清ジペプチターゼは、LTCをLTDに変換するためにアミド結合分裂を実行する。次に、ガンマグルタミントランスペプチターゼは、LTEを産生するためにLTDからグルタミン酸を取り除く。最初の酸化工程は、5−LOおよび膜結合型の5−リポキシゲナーゼ活性化タンパク質(FLAP)の両方の親密な関与を必要とするプロセスである。FLAPまたは5−LOの阻害はすべての細胞の生物活性のロイコトリエン提示の阻害に結果として生じて、5−HETEおよび5−オキソ−ETEの細胞の産生を阻害する。LTBは、Gタンパク質が結合した受容体(GPCR)BLTおよびBLTのためのリガンドである。また、両方の受容体は、炎症反応での走化性および細胞刺激に関係する。5−オキソ−ETEが、Gタンパク質が結合した受容体OXEのためのリガンドであり、この受容体の活性化がエオシン好性および好中球走化性及び好塩基性のヒスタミン放出を刺激することは予期される。
【0019】
ロイコトリエンは、関節痛および関連する障害の病因に関係し、炎症の脂質媒介物質である。ロイコトリエンは、アレルギー及び/又は炎症性の刺激に応じて、主としてマスト細胞、好酸球、単球/大食細胞および好中球、または血小板と内皮細胞への経細胞の代謝によって生産される。ロイコトリエンは、励起可能で、かつより小さな刺激によって活性化されるために疼痛ファイバーを敏感にする。ロイコトリエンが疼痛ファイバーを囲む場合、痛いと通常分からない光圧は疼痛として時々感じられる。1つの観点では、関節痛および関連する障害によって影響される部分の生物学的な組織にはロイコトリエンの高濃度がある。cPLAがロイコトリエン合成に使用されるアラキドン酸を放出するので、ロイコトリエン合成経路のcPLA、FLAPおよび5−LOの役割は重要である。5−LOと協力するFLAPは、ロイコトリエンの合成用の経路の第一歩を行なう。cPLA、FLAP及び/又は5−LOを阻害することは、障害または疾病に関係するロイコトリエン依存性又はロイコトリエンに媒介性の関節痛の治療のための標的を提供し、当該ロイコトリエン依存性又はロイコトリエンに媒介性の関節痛は、一例として、炎症性の関節病、強直、滑膜炎、関節痛、リウマチ、脊椎炎、滑液包炎、ブルセラ症、痛風、軟骨石灰化、変形性関節疾患、紅斑性狼瘡、関節炎、変形性関節症、感染性関節炎、スティル病、組織異変的な関節症、ムコ多糖沈着、離断性骨軟骨炎、滑液膜軟骨腫症、骨軟骨腫症、滑膜腫、糖尿病、ライム病、異形成、関節損傷、捻挫、転位、靭帯と腱の断裂、関節血症、瘢痕化又はその後の関節手術またはそれらの組み合わせを含む。
【0020】
1つの観点では、ロイコトリエンは、疾患、障害または疾病に関連した関節痛の病因に関係する。関節病、障害または疾病は、治療されるか、またはcPLAまたはFLAP、または5−LO阻害化合物を含んでいる医薬品組成物の関節内の投与によって処置されるか防がれる。
【0021】
本明細書に記載されているのは、ロイコトリエン依存性又はロイコトリエン媒介性若しくは5−リポキシゲナーゼ産物依存性又は5−リポキシゲナーゼ産物媒介性の関節痛の治療または予防のために、哺乳類の関節への関節内投与に適している医薬品の製造におけるcPLA、FLAPまたは5−LOインヒビターの使用である。
【0022】
本明細書で使用されているように「ロイコトリエン合成インヒビター」または「ロイコトリエン合成インヒビター化合物」は、cPLA(FLAP及び/又は5−LO)の阻害によって5−リポキシゲナーゼ産物の産生を阻害する化合物を指す。幾つかの実施形態では、ロイコトリエン合成インヒビターは哺乳類の中に短い全身性の半減期を有している。幾つかの実施形態においては、哺乳類への短い全身性の半減期が6時間未満、5時間未満、4時間未満、3時間未満、2時間未満、1時間未満または30分未満である。
【0023】
本明細書には、ロイコトリエン合成インヒビターを使用する関節内か、関節周囲の投与に適した医薬品製剤、関節内投与のための注射可能な製剤を調剤する方法、生産する方法、生産方法、治療戦略が記載されている。
【0024】
本明細書には、特定の実施形態中で、関節内か、関節周囲の投与用の注射可能な製剤である、ここで、それはロイコトリエン合成インヒビター化合物を含んでいる、その製剤は関節痛または炎症を治療するために投与される。1つの観点では、哺乳類の関節へのロイコトリエン合成インヒビター化合物の関節内の投与は、ロイコトリエン合成インヒビター化合物の体内吸収を最小限にする。1つの観点では、関節へのロイコトリエン合成インヒビター化合物の関節内の投与は、関節痛または炎症の局所療法に備える。1つの観点では、ロイコトリエン合成インヒビター化合物を備えた、関節痛または炎症の局所療法は、ロイコトリエン合成インヒビター化合物の全身性の投与に関連した可能な副作用を低減する。
【0025】
幾つかの実施形態では、本明細書に記載されている関節内の製剤は、関節痛を治療または予防するための抗生物質;抗真菌薬;ステロイド性抗炎症剤;非ステロイド性抗炎症剤;抗ヒスタミン剤;抗ウイルス剤;アルファアゴニスト;ベータ遮断薬;炭酸脱水酵素インヒビター;プロスタグランジン;抗血管新生薬;肥満細胞安定化薬;グリコサミノグリカン;抗ガン剤、鎮痛薬、平滑剤、p38キナーゼインヒビター、ケモカインインヒビター、抗TNFアルファ薬及び/又は麻酔薬と組み合わせたロイコトリエン合成インヒビターを含む。
【0026】
幾つかの実施形態では、本明細書に記載されている関節内の製剤は、手術後の疼痛を治療するための外科的手術前又は後に投与されるロイコトリエン合成阻害化合物を含む。1つの観点では、関節痛は、ロイコトリエンまたは他の5−リポキシゲナーゼ産物の過剰産生の結果である。
【0027】
1つの観点では、関節痛は、関節の炎症性障害、関節の免疫障害、関節の増殖の障害、アレルゲン及び/又は刺激物との接触から引き起こされる関節疾患、関節の繊維芽細胞障害、伝染病、それらの代謝病または組み合わせに関連するが、それらの組み合わせに限定されない。
【0028】
関節の炎症性障害は、限定されないが、炎症性の関節病、強直、滑膜炎、関節痛、脊椎炎、滑液包炎、ブルセラ症、痛風、軟骨石灰化、変形性関節疾患、関節炎、変形性関節症、感染性関節炎、スティル病、組織異変的関節症、ムコ多糖沈着、離断性骨軟骨炎、滑膜の糖尿病、ライム病、異形成、関節損傷、捻挫、転位、瘢痕又は引き続く関節手術若しくはそれらの組み合わせを含む。
【0029】
関節の免疫障害は、限定されないがリウマチと紅斑性狼瘡を含む。関節増殖の障害は、限定されないが、滑液膜軟骨腫症、骨軟骨腫症および滑膜腫を含む。
【0030】
本明細書には、特定の実施形態中で、関節内か、関節周囲の投与用の注射可能な製剤が記載されており、当該注射可能な製剤はロイコトリエン合成インヒビター化合物を含み、当該注射可能な製剤は関節痛または炎症を治療するために投与される。幾つかの実施形態では、本明細書に開示された関節内か、関節周囲の投与のための注射可能な製剤は、治療上有効な量のロイコトリエン合成インヒビターを含む。幾つかの実施形態では、本明細書に開示された関節内か、関節周囲の投与のための注射可能な製剤は、関節疾患、疾患または疾病の前に、若しくはその後に投与される。幾つかの実施形態では、本明細書に開示された関節内か、関節周囲の投与のための注射可能な製剤は、アレルゲン及び/又は刺激物及び/又は病原菌(例えばウイルスバクテリアまたは真菌)との接触の前に、または接触の後に投与される。幾つかの実施形態では、本明細書に開示された関節内か、関節周囲の投与のための注射可能な製剤は、物理的な外傷(例えば手術、または損傷)の前に、またはその外傷の後に投与される。1つの観点では、本明細書に開示されたロイコトリエン合成インヒビターを含む関節内又は関節周囲の投与のための注射可能な製剤は、術後の関節痛を治療し、防止するために、関節及び/又は間接に関連する組織に投与される。本明細書に開示された関節内か、関節周囲の投与のための注射可能な製剤が、損傷部位に適用されることは理解される。幾つかの実施形態では、本明細書に記載されている注射可能な製剤は、追加の治療薬(例えば鎮痛薬)と結合したロイコトリエン合成阻害化合物を含み、関節内に投与され、そして手術後の関節痛を治療し防止するための関節及び/又は関節に関連した組織への関節周囲の投与を含む。
【0031】
特定の例においては、ロイコトリエンおよび他の5−リポキシゲネーション産物は疼痛の鋭敏化に関係する。
1つの観点では、cPLAの活性を阻害して、FLAP及び/又は5−LOは活性ロイコトリエンに媒介された疼痛の鋭敏化を阻害する。幾つかの実施形態では、本明細書に記載されている注射可能な製剤は追加の治療薬(例えば鎮痛薬)と結合してロイコトリエン合成インヒビター化合物を含み、関節及び/又は関節に関連した組織に投与され、疼痛感作の活性を抑制する。
【0032】
1つの観点では、ロイコトリエンおよび5−リポキシゲネーション産物は、本明細書に記載された関節痛または炎症の病因に関係する。
ロイコトリエンおよび5−リポキシゲネーション産物の合成の阻害は、ロイコトリエン、5−HETEおよび5−オキソ−ETEの産生の減少に結果として生じるだろう。ロイコトリエンおよび5−リポキシゲネーション産物の量の減少は、そのような関節障害に関連した疼痛症状の減少を引き起こす。1つの観点では、減少した量のロイコトリエンは減少した量のシステイニル・ロイコトリエンである。1つの観点では、減少した量のロイコトリエンは減少した量のLTBである。1つの観点では、減少した量の5−リポキシゲネーション産物は減少した量の5−オキソ−ETEである。
【0033】
1つの観点では、サイトカインは、本明細書に記載されている関節痛の病因に関係する。幾つかの例においては、ロイコトリエン合成の阻害は、少なくとも1つのサイトカインの結果の減少を引き起こすであろう。1つの観点では、サイトカインはインターロイキン8(IL−8)である。IL−8の減少は、前記関節障害に関連した疼痛症状の減少を引き起こす。幾つかの実施形態では、本明細書に記載されている注射可能な製剤は追加の治療薬(例えば鎮痛薬)と結合してロイコトリエン合成抑制化合物を含み、関節及び/又は関節に関連する組織に関節内投与され、サイトカインの産生を阻害する。
【0034】
FLAPインヒビター
1つの観点では、ロイコトリエン合成阻害化合物は、本明細書に開示されているか、当該技術において知られていたFLAP阻害化合物から選ばれる。
【0035】
1つの観点では、FLAPインヒビターは、米国特許出願第11/538,762号(米国特許第7,405,302号として発行された)米国特許出願第12/131,828号;米国特許出願第11/553,946号(第2007/0105866号公報として公開された);米国特許出願第11/925,841号;米国特許出願第12/089,706号;米国特許出願第12/089,707号;米国特許出願12/092,570号;米国特許出願第11/744,555号(第2007/0219206号公報として公開された);米国特許出願第11/746,010号(第2007/0225285号公報として公開された);米国特許出願第11/745,387号(第2007/0244128号公報として公開された);米国特許出願第12/257,876号;米国特許出願第61/055,887号;米国特許出願第61/055,899号;国際特許出願第PCT/US07/86188号;国際公開第WO 07/047207号;国際公開第WO07/0560210号;国際公開第WO07/056220号;国際公開第WO07/056228号;国際公開第WO05/009951号;国際公開第WO06/044602号;国際公開第WO06/098912号;国際公開第WO07/056210号;国際公開第WO07/120574号;国際公開第WO08/030369号;国際特許出願第PCT/US08/62310号;国際特許出願第PCT/US08/062793号;国際特許出願第PCT/US08/62580号;国際特許出願第PCT/US2008/052960号;国際特許出願第PCT/US08/81190号;国際特許出願第PCT/US08/76225号;に述べられていた化合物から選ばれ、各々は、本明細書の全体への参考として本明細書に組み入れられた。
【0036】
1つの観点では、FLAPインヒビターは次のとおりである。すなわち、MK886(また3−[3−tert−ブチルスルファニル−1−(4−クロロ−ベンジル)−5−イソプロピル−1H−インドール−2−イル]−2,2−ジメチル−プロピオン酸として知られている);MK591(また3−[3−tert−ブチルスルファニル−1−(4−クロロ−ベンジル)−5−(キノリン−2−イルメトキシ)−1H−インドール−2−イル]−2,2−ジメチル−プロピオン酸として知られている);DG031(またBAY X1005として知られている;シクロペンチル基−[4−(キノリン−2−イルメトキシ)−フェニル]−酢酸);3−[3−tert−ブチルスルファニル−1−[4−(5−メトキシ−ピリミジン−2−イル)−ベンジル]−5−(5−メチル−ピリジン−2−イルメトキシ)−1H−インドール−2−イル]−2,2−ジメチル−プロピオン酸;3−[3−tert−ブチルスルファニル−1−[4−(5−メトキシ−ピリミジン−2−イル)−ベンジル]−5−(5−メチル−ピラジン−2−イルメトキシ)−1H−インドール−2−イル]−2,2−ジメチル−プロピオン酸;3−{5−((S)−1−アセチル−2,3−ジヒドロ−1H−インドール−2−イルメトキシ)−3−tert−ブチルスルファニル−1−[4−(5−メトキシ−ピリミジン−2−イル)−ベンジル]−1H−インドール−2−イル}−2,2−ジメチル−プロピオン酸;3−[3−tert−ブチルスルファニル−1−[4−(6−メトキシ−ピリジン−3−イル)−ベンジル]−5−(ピリジン−2−イルメトキシ)−1H−インドール−2−イル]−2,2−ジメチル−プロピオン酸;3−[3−tert−ブチルスルファニル−1−[4−(6−エトキシ−ピリジン−3−イル)−ベンジル]−5−(5−メチル−ピリジン−2−イルメトキシ)−1H−インドール−2−イル]−2,2−ジメチル−プロピオン酸;3−[3−tert−ブチルスルファニル−1−[4−(5−フルオロ−ピリジン−2−イル)−ベンジル]−5−(キノリン−2−イルメトキシ)−1H−インドール−2−イル]−2,2−ジメチル−プロピオン酸;2−[3−tert−ブチルスルファニル−1−[4−(5メトキシ−ピリミジン−2−イル)−ベンジル]−5−(5−メチル−ピリジン−2−イルメトキシ)−1H−インドール−2−イルメチル]−2−エチル−酪酸;3−[3−tert−ブチルスルファニル−1−[4−(6−メトキシ−ピリジン−3−イル)−ベンジル]−5−(5−メチル−ピリジン−2−イルメトキシ)−1H−インドール−2−イル]−2,2−ジメチル−プロピオン酸;3−[5−((S)−1−アセチル−ピロリジン−2−イルメトキシ)−3−tert−ブチルスルファニル−1−(4−クロロ−ベンジル)−1H−インドール−2−イル]−2,2−ジメチル−プロピオン酸;3−[3−tert−ブチルスルファニル−1−[4−(5−フルオロ−ピリジン−2−イル)−ベンジル]−5−(ピリジン−2−イルメトキシ)−1H−インドール−2−イル]−2,2−ジメチル−プロピオン酸;3−{5−((S)−1−アセチル−2,3−ジヒドロ−1H−インドール−2−イルメトキシ)−3−tert−ブチルスルファニル−1−[4−(5−エトキシ−ピリミジン−2−イル)−ベンジル]−1H−インドール−2−イル}−2,2−ジメチル−プロピオン酸);あるいはその薬学的に許容可能な塩。
【0037】
別の観点では、FLAPインヒビターは、MK−0591、MK−886、AM103、AM803、AM679またはAM643あるいはその薬学的に許容可能な塩から選ばれる。
【0038】
別の観点では、FLAPインヒビターは、米国特許第4,929,626号第4,970,215号、第5,081,138号、第5,204,344号、第5,126,354号、第5,221,678号、第5,229,516号、第5,272,145号、第5,283,252号、第5,292,769号、第5,304,563号及び第5,597,833号に述べられている化合物(あるいはその薬学的に許容可能な塩)であり、それぞれ、FLAPインヒビターの開示のために、参照により本明細書に組み込まれる。
5−LO インヒビター
【0039】
1つの観点では、ロイコトリエン合成阻害化合物は、本明細書に開示されているか、当該技術で知られた5−LO阻害化合物から選ばれる。
【0040】
1つの観点では、5−LOインヒビターは、2009年9月23日に出願され、米国特許出願第61/245,198号、2009年9月23日に出願された米国特許出願第61/245,206号、2010年3月5日に出願された米国特許出願第61/311,184号、米国特許出願第11/626,222号(米国特許出願公開第2007/0173508号公報として公開された)、国際特許出願第PCT/US10/49954号、国際特許出願第PCT/US10/49967号および国際特許出願第第PCT/US07/01618(国際公開第WO 07/087250号公報として公開された)に述べられた化合物(あるいはその薬学的に許容可能な塩)であり、各々が、全体において参照により本明細書に組み入れられた。
【0041】
1つの観点では、5−LOインヒビターは、ジロートン、VIA 2291、ZD2138、AZD4407、MK0633またはCJ−13,610(PF−4191834)あるいはそれらの薬学的に許容可能な塩である。
【0042】
1つの観点では、5−LOインヒビターは、米国特許第6,291,520号、第6,262,073号、第6,194,585号、第6,174,883号、第6,166,031号、第6,121,323号、第6,063,928号、第6,028,202号、第6,025,384号、第5,998,451号、第5,925,769号、第5,919,809号、第5,917,057号、第5,883,106号、第5,840,749号、第5,814,648号、第5,811,432号、第5,798,383号、第5,792,882号、第5,753,682号、第5,750,544号、第5,714,633号、第5,696,141号、第6,875,785号、第6,756,399号、第6,753,344号、第6,696,477号、第6,677,364号、第6,653,311号、第6,515,014号、第6,512,121号、第6,479,546号、第6,455,541号、第6,432,999号、第6,432,993号、第6,420,392号、第6,346,624号、第6,344,563号、第6,294,574号、第5,665,768号、第5,665,752号、第5,665,749号、第5,643,933号、第5,580,989号、第5,576,338号、第5,552,437号、第5,552,424号、第5,541,218号、第5,541,205号、第5,534,524号、第5,527,827号、第5,519,022号、第5,521,212号、第5,514,703号、第5,512,594号、第5,504,097号、第5,504,095号、第5,484,805号、第5,482,966号、第5,478,843号、第5,478,842号、第5,478,822号、第5,462,953号、第5,459,271号、第5,459,154号、第5,457,125号、第5,453,439号、第5,447,943号、第5,466,043号、第5,432,181号、第5,428,060号、第5,428,048号、第5,424,320号、第5,420,298号、第5,418,231号、第5,410,054号、第5,407,945号、第5,403,859号、第5,403,857号、第5,401,751号、第5,399,577号、第5,393,764号、第5,391,747号、第5,384,320号、第5,384,318号、第5,376,680号、第5,373,007号、第5,367,079号、第5,364,944号、第5,364,877号、第5,360,815号、第5,359,063号、第5,350,761号、第5,350,754号、第5,350,744号、第5,342,838号、第5,334,614号、第5,334,600号、第5,332,757号、第5,326,907号、第5,321,025号、第5,314,900号、第5,314,898号、第5,314,891号、第5,308,852号、第5,302,603号、第5,302,594号、第5,300,655号、第5,298,512号、第5,298,511号、第5,292,900号、第5,290,802号、第5,288,742号、第5,283,361号、第5,281,720号、第5,280,047号、第5,278,177号、第5,276,037号、第5,272,173号、第5,260,451号、第5,260,316号、第5,260,294号、第5,258,399号、第5,256,789号、第5,254,731号、第5,254,581号、第5,254,533号、第5,252,599号、第5,252,562号、第5,250,565号、第5,250,547号、第5,248,685号、第5,240,941号、第5,236,948号、第5,236,919号、第5,234,950号、第5,229,421号、第5,227,399号、第5,225,438号、第5,221,677号、第5,220,059号、第5,219,881号、第5,217,978号、第5,217,977号、第5,217,971号、第5,217,969号、第5,217,968号、第5,214,070号、第5,214,069号、第5,212,189号、第5,208,262号、第5,208,259号、第5,206,255号、第5,202,326号、第5,202,321号、第5,196,419号、第5,185,377号、第5,179,115号、第5,175,183号、第5,166,161号、第5,162,365号、第5,145,858号、第5,141,950号、第5,140,047号、第5,137,913号、第5,134,150号、第5,134,148号、第5,132,328号、第5,132,319号、第5,132,310号、第5,130,485号、第5,128,364号、第5,126,365号、第5,124,342号、第5,124,070号、第5,120,758号、第5,120,752号、第5,114,958号、第5,112,848号、第5,105,020号、第5,098,932号、第5,098,930号、第5,093,356号、第5,093,351号、第5,086,062号、第5,086,052号、第5,068,251号、第5,066,658号、第5,059,609号、第5,037,853号、第5,032,588号、第5,026,729号、第5,023,255号、第5,015,661号、第5,008,390号、第5,002,941号、第4,992,464号、第4,987,231号、第4,970,210号、第4,966,973号、第4,963,576号、第4,963,541号、第4,939,133号、第4,916,226号、第4,897,422号、第4,877,881号、第4,873,259号、第4,861,878号、第4,861,798号、第4,822,811号、第4,822,809号、第4,803,279号、第4,792,560号、第4,784,997号、第4,769,387号、第4,737,519号、第4,698,344号、第4,694,018号、第4,686,231号、第4,673,684号、第4,602,023号、2005/0203145;第5,356,921号、米国特許出願公開第2005/0059665号;第2004/0248943号;第2004/0209288号;第2004/0147565号;第2003/0176708号;第2003/0119886号;第2003/0073722号;第2006/0116406号;第2007/0149579号;国際公開第WO2008/0188521号;国際公開第WO2008/095293号;国際公開第WO2007/038865号;国際公開第WO2007/016784号;国際公開第WO2009/042098号;国際公開第WO2008/065493号;及び国際公開第WO2009/069044に述べられていた化合物(あるいはその薬学的に許容可能な塩)であり、おのおのが前記5−LOインヒビターの開示のための参照により本明細書に組み入れられた。
cPLA2インヒビター
【0043】
1つの観点では、ロイコトリエン合成阻害化合物は、本明細書に開示されているか、或いは当該技術で知られたcPLA阻害化合物から選ばれる。
【0044】
1つの観点では、cPLAインヒビターは、メチルアラキドニルフルオロフォスフォネート(MAFP)、ピロキシフェン、ONO−RS−082、1−[3−(4−オクチルフェノキシ)−2−オキソプロピル]インドール−5−カルボン酸、1−[3−(4−オクチルフェノキシ)−2−オキソプロピル]インドール−6−カルボキシル酸、アラキドニルトリフルオロメチル・ケトン、D609、4−{3−[5−クロロ−2−(2−{[(3,4−ジクロロベンジル)スルホニル]アミノ}、エチル−1−(ジフェニルメチル)))−1H−インドール−3−イル]プロピル}安息香酸(WAY−196025)、エフィプラジ、4−{2−[5−クロロ−2−(2−{[(3,4−ジクロロベンジル)スルホニル]アミノ}−エチル)−1−(ジフェニルメチル)−1H−インドール−3−イル]エトキシ}安息香酸、エフィコプラジブ、(E)−N−[(2S、4R)−4−[−N−(ビフェニル−2−イルメチル)N−2−メチルプロピルアミノ]−1−[2−(2,4−ジフルオロベンゾイル)ベンゾイル)ピロリジン2−イル]メチル−3−[4−(2,4−ジオキソチアゾリジン−5−イリデンメチル−フェニル]アクリルアミド(RSC−3388)、ベルベリン、グルタミン、またはその薬学的に許容可能な塩。
【0045】
幾つかの実施形態では、薬学的に許容可能な塩類は酸とロイコトリエン合成インヒビター化合物を反応させることにより得られる。薬学的に許容可能な塩類も塩基とロイコトリエン合成インヒビター化合物を反応させることにより得られる。本明細書に記載されている化合物は薬学的に許容可能な塩として形成され得るものであり及び/又は使用され得るものである。薬学的に許容可能な塩の類型としては、限定されるものではないが、(1)以下の薬学的に許容可能な酸と化合物の遊離塩基形態とを反応させることにより形成された酸付加塩、すなわち、塩酸、臭化水素酸、硫酸、リン酸、メタリン酸などの無機酸、又は酢酸、プロピオン酸、ヘキサン酸、シクロペンタンプロピオン酸、グリコール酸、ピルビン酸、乳酸、マロン酸、コハク酸、リンゴ酸、マレイン酸、フマル酸、トリフルオロ酢酸、酒石酸、クエン酸、3−(4−ヒドロキシベンゾイル)安息香酸、桂皮酸、マンデル酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、1,2−エタンジスルホン酸、2−ヒドロキシエタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、トルエンスルホン酸、2−ナフタリンスルホン酸、4−メチルビシクロ−[2.2.2]オクタ−2−オン−1−カルボン酸、グルコヘプタン酸、4,4’−メチレンビス−(3−ヒドロキシ−2−エン−1−カルボキシル酸)、3‐フェニルプロピオン酸、トリメチル酢酸、第三ブチルアセト酸、ラウリル基硫酸、グルコン酸、グルタミン酸、ヒドロキシナフトエ酸、サリチル酸、ステアリン酸、ムコン酸、酪酸、フェニル酢酸、フェニル酪酸、バルプロ酸などの有機酸、(2)親化合物中にある酸性のプロトンが金属イオン、例えばアルカリ金属イオン(例えばリチウム、ナトリウム、カリウム)、アルカリ土類イオン(例えばマグネシウム、またはカルシウム)或いはアルミニウム・イオンと置換される際に形成された塩類。いくつかの場合において、本明細書に記載されたロイコトリエン合成阻害化合物は、限定されないが、エタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、トロメタミン、N−メチルグルカミン、ジシクロヘキシルアミン、トリス(ヒドロキシメチル)などのメチルアミン有機塩基で反応させられる。他の場合においては、ロイコトリエン合成阻害化合物は、限定されないが、アルギニン、リジンなどのアミノ酸によって塩を形成する。酸性のプロトンを含んでいる化合物により塩類を形成するために使用される許容可能な無機塩基は、限定されないが、水酸化アルミニウム、水酸化カルシウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、水酸化ナトリウムなどを含んでいる。幾つかの実施形態では化合物はナトリウム塩として調製される。
【0046】
幾つかの実施形態では、ロイコトリエン合成インヒビター化合物は、薬学的に許容可能な塩類及び/又は薬学的に許容可能な溶媒として本明細書に記載されている製剤に含まれている。幾つかの実施形態では、ロイコトリエン合成阻害化合物は、遊離酸形態または遊離塩基形態で本明細書に記載されている製剤に含まれている。
【0047】
いくつかの実施形態において、本明細書記載されたロイコトリエン合成阻害化合物は、1以上の立体中心を有し、各々の中心は、R又はS配置のいずれかに独立して存在する。本明細書に提示された化合物は、ジアステレオマー、エナンチオマー、およびエピマー形態、同様にそれらの適切な混合物全てを含む。
【0048】
関節痛と炎症
特定の実施形態では、当該製剤は、関節痛あるいは炎症は、免疫障害(例えば自己免疫疾患)に関連付けられた増殖障害(例えば滑膜腫)、アレルゲン及び/又は刺激物との接触、繊維芽細胞障害(例えば瘢痕化)、物理的な外傷(例えば手術)またはそれらの組み合わせを治療するために投与される。本明細書には、特定の実施形態内で、関節内或いは関節周囲の投与用の注射可能な製剤であり、その製剤は炎症性の関節病に関連した痛み、強直、滑膜炎、関節痛、リウマチ、脊椎炎、滑液包炎、ブルセラ症、痛風、軟骨石灰化、変形性関節疾患、紅斑性狼瘡、関節炎、変形性関節症、感染性関節炎、スティル病、組織異変的な関節疾患、ムコ多糖沈着、離断性骨軟骨炎、滑液膜軟骨腫症、滑膜腫、糖尿病、ライム病、異形成、関節損傷、捻挫、転位、靭帯と腱の断裂、関節血症、瘢痕化又はその後の関節手術またはその組み合わせに関連した痛みを治療するために投与される。幾つかの実施形態では、本明細書に記載された関節内か、関節周囲の投与のための注射可能な製剤は、治療上有効な量のロイコトリエン合成インヒビターを含む。
【0049】
幾つかの実施形態では、本明細書に記載された関節内か、関節周囲の投与のための注射可能な製剤は、アレルゲン及び/又は刺激物及び/又は病原菌(例えばウイルス)との接触の前、またはその接触の後に投与される。幾つかの実施形態では、本明細書に記載された関節内か、関節周囲の投与のための注射可能な製剤は、物理的な外傷(例えば手術、または損傷)の前に、またはその外傷の後に投与される。幾つかの実施形態では、本明細書に記載されている注射可能な製剤、関節を取り巻く関節包に関連した疾病のために投与される。他の実施形態では、注射可能な製剤は、関節に滑膜内投与されるが、関連する組織に続いて入り込み、関節痛に関連する疾患を治療する。他の実施形態では、注射可能な製剤は、関節の滑膜の窩及びその組織に投与され、限定しない例は滑液、滑膜、関節軟骨および靭帯を含む。
【0050】
幾つかの実施形態では、本明細書に開示された関節内か、関節周囲の投与のための注射可能な製剤は物理的な外傷(例えば手術、または損傷)の後に全身性のアヘン剤治療の使用を少なくするために投与される。幾つかの実施形態では、本明細書に記載されている注射可能な製剤、関節を取り巻く関節包に関連した疾病のために投与される。他の実施形態では、注射可能な製剤は、関節に滑膜内投与され、関連する組織に続いて入り込み、関節痛に関連する疾患を治療する。他の実施形態では、注射可能な製剤は、関節の滑膜の窩及び関連した組織に投与され、限定しない例は滑液、滑膜、関節軟骨および靭帯を含む。
【0051】
幾つかの実施形態では、本明細書に開示された関節内か、関節周囲の投与のための注射可能な製剤は多発筋痛の痛みを治療するために投与される。他の実施形態では、本明細書に開示された関節内か、関節周囲の投与のための注射可能な製剤は背痛を治療するために投与される。他の実施形態では、本明細書に開示された関節内か、関節周囲の投与のための注射可能な製剤は異痛症を治療するために投与される。
【0052】
特定の化学用語
「個々」、「患者」または「被検者」という用語は、交換可能に使用される。本明細書で使用されているように、それらは任意の哺乳動物を意味する。一態様において、哺乳動物はヒトである。
【0053】
本明細書において使用されているとおりの「治療する(treat)」、「治療すること(treating)」あるいは「処置(treatment)」という用語および他の文法上の均等物は、障害の発症の軽減(alleviating)、減少(abating)、阻害すること(inhiviting)、縮小すること(reducing)、改善すること(ameriorating)、遅らせること(delaying)、障害の進展の阻止、及び/又は障害の退行の誘発及び/又は障害の症状の退行の誘発を含む。当該用語は、また障害の予防療法を含んでいる。当該用語は任意の治療効果を達成することをさらに含んでいる。治療効果は、治療されている根本的な障害の根絶または向上、及び/又は個人の改善が観察されるように根本的な障害に関連した生理学的な症状の1つ以上の根絶または向上を意味する。
【0054】
本明細書に使用されたもののような「防ぐ(prevent)」、「防ぐ(preventing)」あるいは「予防(prevention)」並びに他の文法上の均等物は、障害を阻害(阻止するか停止)すること、及び/又はさらなる障害の進行を阻害(阻止するか停止)することを意味する。これらの用語は、予防を含むことが意図される。予防的な利益のために、本明細書に記載された製剤は、特定の障害になるリスクに瀕している個人に、疾病の生理学的な症状の1つ以上を報告する個人、またはその疾病の再発生のリスクの個人に投与される。
【0055】
「有効な量」または本明細書に使用されるような「治療上有効な量」という用語は、例えば、治療されている疾患、障害または疾病の1つ以上の症状をある程度まで緩和するために投与されている所望の結果を達成する量の剤(例えばロイコトリエン合成インヒビター化合物)を指す。特定の場合において、その結果は、疾患の一つの兆候、症状又は原因の減少及び/又は軽減若しくは生物系の任意の他の所望の改変をもたらすことができる。
【0056】
「投与する(administer)」、「投与すること(administrating)」、「投与(administration」などの用語は、本明細書に使用されているように、生物学的作用(例えば関節の痛みの部位)の所望の部位へのロイコトリエン合成インヒビターの放出を可能にするために使用される方法を指す。これらの方法は任意の関節へのロイコトリエン合成インヒビターの滑膜内投与にふさわしい方法を含んでいる。用語「滑膜内投与(intra−synovial administration)」、「関節内の投与(intra−articular administration)」、「関節周囲の投与(peri−articular administration)」または「滑液内の投与(intrasynovial administration)」などの用語は、本明細書に使用されているように、関節窩、窩および滑液を含み、これらに限定されない関節及び関連づけられた組織へのロイコトリエン合成インヒビターの送達を可能にするために使用される方法を指す。
【0057】
本明細書に使用されるような「関節(joint)」という用語は、身体における任意の関節を意味し、かつ限定することなく、腰、膝、ショルダー、くるぶし、肘、手根、足、指および脊柱の面関節を含む。身体における関節は、限定することなく、球体(ball)および受け穴(socket)、鞍関節、滑車関節、ちょうつがい関節、顆状関節および滑走関節を含む。関節の構造は、それぞれの反対側のヒアリン(hyaline)軟骨関節面を有する対向する骨格;関節面を接続し、中央の関節窩を定義する辺縁の膠原性の靭帯のカプセル;カプセルの内部壁を並べる滑膜、および関節窩内に包含されていた滑液を含む。
【0058】
関節内又は関節周囲の投与用の注射可能な製剤
幾つかの実施形態では、本明細書に開示された関節内或いは関節周囲の投与のための注射可能な製剤は、局所的な効果(すなわち関節又は関節に関連した組織に限定され効果)のために関節及び関節に関連した組織へのロイコトリエン合成阻害化合物の放出を促進する。ロイコトリエン合成阻害化合物の特定の例においては、局所投与は、ロイコトリエン合成インヒビターの全身性の投与に関係している副作用を低減するか除去する。
【0059】
幾つかの実施形態では、本明細書に開示された関節内或いは関節周囲の投与のための注射可能な製剤は、滑液の粘性との適合性を可能にする。関節への正常な滑液は高粘着性で、関節への摩擦を少なくするために潤滑剤として機能する。特定の例では、関節内或いは関節周囲の投与のための注射可能な製剤は、正常な滑液の粘性に対するのと同じ粘性を有するために調剤される。特定の例では、関節内或いは関節周囲の投与のための注射可能な製剤は、正常な滑液の粘性を変更せず、修正しないために調剤される。特定の例では、関節内或いは関節周囲の投与のための注射可能な製剤は、正常な滑液の粘性とほぼ同じ病気の滑液の粘性を修正するか変更するために調剤される。
【0060】
幾つかの実施形態では、関節内或いは関節周囲の投与用のロイコトリエン合成インヒビターは、任意の注射可能な形態として調剤される。幾つかの実施形態では、関節内或いは関節周囲の投与用のロイコトリエン合成インヒビターは、注射剤、懸濁液(例えば非水性の懸濁液)、エマルジョン、ゲル、リポソーム、ニオソーム(niosme)、ファーマコソーム(pharmacosome)、ナノ粒子、及びそれらの溶液または組み合わせとして再構成される散剤またはその組み合わせとして調剤される。幾つかの実施形態では、関節内或いは関節周囲の投与用のロイコトリエン合成インヒビターは、追加の噴射賦形剤で投与される。幾つかの実施形態では、関節内或いは関節周囲の投与用のロイコトリエン合成インヒビターは、注射、注入、移植または挿入(例えば生物分解性の挿入物または可溶性の挿入物を介して)のための装置を介して投与されるか、或いはそれらの組み合わせで投与される。
【0061】
幾つかの実施形態では、関節内の投与用のロイコトリエン合成インヒビターは徐放製剤として調剤される。幾つかの実施形態では、滑膜内投与用のロイコトリエン合成インヒビターは他の治療薬と結合して調剤される。
【0062】
ビヒクル
特定の実施形態において、本明細書中には、投与のための注射可能な製剤が開示されており、投与のための関節内或いは関節周囲の製剤は、注射剤、懸濁液(例えば非水性の懸濁液)、エマルジョン、ゲル、リポソーム、ニオソーム(niosme)、ファーマコソーム(pharmacosome)、ナノ粒子の形態、または溶液として再構築される粉末の形態をしている。特定の例においては、水は賦形剤として注射可能な製剤に使用される。水と混和性の特定の例においては、溶媒はロイコトリエン合成インヒビターの溶解度を増加させるために使用される。水と混和性の溶媒は限定されないが、エチルアルコール、ポリエチレングリコールおよびポリプロピレングリコールを含んでいる。特定の例においては、シクロデキストリンおよび誘導体は本明細書に開示された関節内或いは関節周囲の投与用のロイコトリエン合成インヒビターの溶解度を増加させるために使用される。可溶化剤として使用することができるシクロデキストリン誘導体は、限定されないが、α−シクロデキストリン、β−シクロデキストリン、γ−シクロデキストリン、ヒドロキシ−エチルβ−シクロデキストリン、ヒドロキシプロピルγ−シクロデキストリン、ヒドロキシプロピルβ−シクロデキストリン、硫酸化β−シクロデキストリン、硫酸化α−シクロデキストリン、スルホブチル・エーテルβ−シクロデキストリン。
【0063】
他の段階では、非水性の賦形剤は注射可能な製剤に使用される。非水性の賦形剤は、限定されないが、固定油(例えばトウモロコシ油、綿実油、落花生油、胡麻油、ベニバナ油、ヒマシ油、やし油、ニシン油、パームナッツ油、ヤシ油、ダイズ油、菜種油、アマニ油、米糠油、マツ油またはヒマワリ種子油)、または石油(例えば鉱油、またはヘトロラタム)を含んでいる。
【0064】
粘性エンハンサー
本明細書には、特定の実施形態中で、関節内或いは関節周囲の投与のための注射可能な製剤が開示されており、注射可能な製剤は粘性エンハンサーを含む。本明細書で使用されているように、粘性エンハンサーは、滑液との適合性及び/又はイソ粘性を増加させる剤、及び注射剤、懸濁液(例えば非水性の懸濁液)、エマルジョン、ゲル、リポソーム、ニオソーム(niosme)、ファーマコソーム(pharmacosome)、ナノ粒子または溶液として再構築される粉末の製剤での援助をいう。
【0065】
粘性エンハンサーは限定されないが、ヒアルロン酸、修正されたヒアルロン酸、商品名(ORTHOVISC)(ニュージャージー州、レイリタンのDePuy Ortho Biotech products, L.P.)の下で販売された関節の障害の処置のためのヒアルロン酸ナトリウム溶液、コラーゲン、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ポリエチレングリコール、キトサン、フカンなどのポリ(アルキレンオキシド)をベースとしたポリマー、分解性ポリマーと多糖類のコポリマー、ゼラチン、デンプン、セルロース、セルロース誘導体(例えば、再生セルロース、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、カルボキシメチルセルロース、酢酸フタル酸セルロース、酢酸セルロース・コハク酸塩、ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタル酸塩)、カゼイン、デキストラン、多糖類、ラブルシン、組み換え型のラブリシンまたはその断片、LUB:1、及び任意の粘性補充製剤。1つの実施形態では、粘性エンハンサーはヒアルロン酸ナトリウム溶液および修正済のヒアルロン酸を含む。1つの実施形態では、粘性エンハンサーは、0.1〜5の濃度、0.5〜4、1〜3、1.5〜2.5%の体重/体重(w/w)〜3〜4中である。
【0066】
等張化剤
本明細書には、特定の実施形態において、関節内又は関節周囲の投与のための注射可能な製剤が開示され、該注射可能な製剤は、等張化剤を含む。等張化剤は、関節の生理的環境との等張の適合性を増加させ、注射における痛み及び組織刺激を減少させる助けとなる。等張化剤は、限定されないが、電解液および糖類(例えばデキストロース、ラクトース、マンニトール、グルコース、デキストラン、塩化アンモニウム、塩化ナトリウム、塩化カルシウム、塩化カリウム、重炭酸ナトリウム、乳酸ナトリウム、リンゲル液、乳酸リンゲル液、Normosol R、食塩水、ハルトマンの溶液)を含む。1つの実施形態において、等張化剤は、リンゲル液とデキストロースを含む。別の実施形態において、等張化剤は、マンニトール、塩化ナトリウム、乳酸ナトリウム、塩化カリウム、及び塩化カルシウムの電解質混合物を含む。
【0067】
安定エンハンサー:
本明細書には、特定の実施形態において、関節内又は関節周囲の投与のための注射可能な製剤が開示され、該注射可能な製剤は、安定エンハンサーを含む。安定エンハンサーは、注射可能な製剤を安定させ、有効成分の分解を防ぎ、製剤の貯蔵寿命を増加させる助けとなる。安定エンハンサーは、限定されないが、緩衝液(例えば、クエン酸塩、リン酸塩、酢酸塩及び他の酸塩類、炭酸塩)、抗酸化剤(例えば、亜硫酸ナトリウム、亜硫酸塩、アスコルビン酸、トコフェロール、トコトリエノール)、抗菌剤(例えば、ベンジルアルコール、フェノール、パラベン、クレゾール、クロロブタノール、安息香酸塩、硫酸塩、ソルビン酸、ソルビン酸塩)、及び抗凍結剤(cryo- or lyoprotectants)(蔗糖又はトレハロースなどの、糖);グリシン又はリジンなどの、アミノ酸;または液体ポリエチレングリコール又はデキストランなどの、ポリマー;マンニトール又はソルビトールなどの、ポリオールを含む。1つの例において、関節内又は関節周囲の投与のための注射可能な製剤は、1つの安定エンハンサーを含む。別の例において、関節内又は関節周囲の投与のための注射可能な製剤は、多数の安定エンハンサーを含む。
【0068】
関節内又は関節周囲の投与のための送達装置
幾つかの実施形態において、本明細書に開示される関節内又は関節周囲の投与のための注射可能な製剤は、ロイコトリエン合成インヒビターを関節に放出する、注射器及び針を介して投与又は送達される。1つの例において、製剤は、製剤の組成及び投与の部位のために調整された16〜24のゲージ針を介して注入される。使用される注射器は、任意の既知の方法から製造され、限定されることなく、ルアーロック注射器(luer-lock syringes)、自動注入注射器、マルチ用量注射器などを含む。1つの例において、注射可能な製剤は、ロイコトリエン合成インヒビター製剤であらかじめ満たされた、1回使用の注射器及び針を介して送達される。幾つかの実施形態において、本明細書に開示される関節内又は関節周囲の投与のための注射可能な製剤は、限定されることなく、カテーテル、輸液ポンプ、ペンデバイスなどを含む、既知の医療法を介して投与又は送達される。
【0069】
徐放製剤
幾つかの実施形態において、本明細書に開示される関節内又は関節周囲の投与のための注射可能な製剤は、徐放製剤を介して投与又は送達される。徐放製剤は、本明細書に使用されるように、特定の期間、あらかじめ決められた割合で薬物を送達する製剤を指す。徐放製剤は、限定されないが、デポ製剤を含む。デポ製剤の制限しない例は、固体マトリックス、液状製剤、ゲル製剤、ナノ粒子製剤、リポソーム製剤、ニオソーム製剤、ファーマコソーム製剤、及びマイクロエマルジョンを含む。
【0070】
本明細書で使用されるように、デポ製剤は、投与の部位から薬物のゆっくりとした吸収を提供する、関節窩又はそれに関連する組織(例えば、滑液窩)に注射、注入、又は挿入される、徐放製剤である。徐放マトリックスに対するロイコトリエン合成インヒビターの割合及び用いられるマトリックスの性質は、薬物放出の割合を制御する。特定の例において、デポ製剤は、固体マトリックスであり、ここで、該固体マトリックスは、生体適合性、生分解性ポリマーにおける、ロイコトリエン合成インヒビターのマイクロカプセル化されたマトリックス(マイクロカプセルマトリックスとしても知られる)を含む。生体適合性、生分解性ポリマーが、時間とともに分解するにつれ、固体マトリックスは、ロイコトリエン合成インヒビターを、時間とともに放出する。
【0071】
ナノ粒子製剤
特定の例において、デポ製剤は、生体適合性、生分解性ポリマー又は賦形剤を備えたロイコトリエン合成インヒビターを含む、液体又はゲルである。幾つかの実施形態において、液体又はゲルのデポ製剤は、生体適合性、生分解性ポリマーに封入されたロイコトリエン合成インヒビターの粒子を形成することにより調剤される。粒子は、注射可能な製剤での使用、または皮下注射針又はカテーテルを介する送達又は注入に十分有効な粒径範囲にある。1つの例において、ナノ粒子の粒径は、1〜2000、10〜1000、100〜800、200〜600、又は300〜400ナノメーターの範囲である。1つの例において、ナノ粒子の粒径は、300〜400ナノメーターの範囲である。1つの例において、300〜400ナノメーターの範囲を有するナノ粒子は、他の粒径範囲のナノ粒子と混合される。例えば、300〜400ナノメーターの範囲であるナノ粒子は、150〜200ナノメーターの範囲を有するナノ粒子と混合される。特定の例において、粒子は、1ミクロン〜500ミクロンの範囲の粒径を有する。幾つかの従来の方法は、生分解性ポリマー粒子を作るために一般に利用されてきた。ナノ粒子を作るための典型的な方法は、複乳剤/溶媒の蒸発、コアセルベーション法及び噴霧乾燥を含む。
【0072】
幾つかの実施形態において、生体適合性、生分解性ポリマーの粒子は、ミクロスフェアの形態で、ロイコトリエンインヒビター化合物を封入し、コーティングする。幾つかの実施形態において、生体適合性、生分解性ポリマーの粒子は、ロイコトリエンインヒビター化合物に共有結合される。
【0073】
生体適合性、生分解性ポリマーは、本明細書に使用されるように、従来の天然材料及び合成材料から、および任意の既知の方法によって作られる。本明細書で使用されように、生体適合性材料は、人体に有毒でない材料を指す。本明細書で使用されるように、生分解性材料は、身体過程によって、身体を介して容易に処分できる生成物に分解されるか、又は体組織に吸収される、材料を指す。生分解性生成物はまた、身体と生体適合性があるべきである。
【0074】
生分解性ナノ粒子を作るために使用される、生体適合性、生分解性ポリマーの制限しない例は、ポリ(乳酸)(PLA)、ポリ(グリコール酸)(PGA)などのポリ(アルファヒドロキシ酸)ポリマー、乳酸及びグリコール酸のコポリマー(PLGA)、ポリオキサレート、ポリカプロラクトン(PCL)、カプロラクトン及び乳酸のコポリマー(PCLA)、ポリ(エチレングリコール)及びポリ(ブチレンテレフタレート)に基づいたポリ(エーテルエステル)マルチブロックコポリマー、チロシン由来のポリカーボネート、ポリ(ハイドロキシブチレート)、ポリジオキサノン、ポリ(炭酸アルキル)、ポリ(オルトエステル)、ポリエステル、ポリ(ヒドロキシ吉草酸)、ポリ(リンゴ酸)、ポリ(酒石酸)、ポリ(アクリルアミド)、ポリ酸無水物、およびポリホスファゼンを含む。適切なポリマー材料はまた、グリセロールモノステアレート及びグリセロールジステアラートなどのワックス、及びそれらの混合物を含む。特定の例において、ナノ粒子は、ポリ(乳酸)(PLA)、ポリ(グリコール酸)(PGA)などのポリ(アルファヒドロキシ酸)ポリマー、および乳酸及びグリコール酸のコポリマー(PLGA)を含む。1つの例において、ポリマーは、ラウリルエステルなどの、疎水基でエンドキャップ(endcapped)される。
【0075】
幾つかの実施形態において、デポ製剤は、リポソーム、ニオソーム、ファーマコソーム又はマイクロエマルジョンにロイコトリエン合成インヒビターを封入することにより調剤される。1つの例において、リポソーム、ニオソーム、ファーマコソーム又はマイクロエマルジョンは、脂質、リン脂質、コレステロール及び他の生体高分子を含む。
【0076】
本明細書に開示される、関節内又は関節周囲の投与のための注射可能な製剤は、任意の適切な方法で調剤される。任意の適切な技術、担体、及び/又は賦形剤は、本明細書に開示される、ロイコトリエン合成インヒビターとの使用のために熟慮される。本明細書に開示される、投与のための関節内又は関節周囲の製剤の要約に関しては、Remington: The Science and Practice of Pharmacy, Nineteenth Ed. (Easton, Pa.: Mack Publishing Company, 1995); Hoover, John E., Remington's Pharmaceutical Sciences, Mack Publishing Co., Easton, Pennsylvania 1975; Liberman, H.A. and Lachman, L., Eds., Pharmaceutical Dosage Forms, Marcel Decker, New York, N.Y., 1980; 及びPharmaceutical Dosage Forms and Drug Delivery Systems, Seventh Ed. (Lippincott Williams & Wilkins1999)を参照し、これは、このような開示のための引用によって本明細書に組み込まれる。
【0077】
投薬
本明細書には、特定の実施形態において、関節内又は関節周囲の投与のための注射可能な製剤が開示され、ここで、関節内又は関節周囲の投与のための注射可能な製剤は、予防的及び/又は治療的な処置のために投与される。特定の例において、この使用のために有効な量は、疾患、障害又は疾病の重症度及び経過、以前の治療、個人の健康状態及び薬物に対する反応、投与の部位、及び処置する医師の判断による。幾つかの実施形態において、投与量は、約0.001重量%から約10重量%までである。
【0078】
本明細書に記載される化合物は、「関節内投与」、「関節周囲の投与」、「滑液嚢内(intra-synovial)投与」又は「滑液嚢内(intrasynovial)投与」と一般に呼ばれる、身体の任意の関節に投与される。滑液嚢内投与は、限定されないが、膝、肩、側頭下顎の及び手根中手骨の関節、肘、腰、手首、指、つま先、足首、及び脊椎における腰椎の関節突起(lumbar zygaopophysial)(切子面)の関節への投与を含む。
【0079】
本明細書に開示される関節内又は関節周囲の投与のための注射可能な製剤の投与は、一般に、ロイコトリエン合成インヒビターが、滑液と直接的に接触するという結果になる。特定の例において、本明細書に開示される関節内又は関節周囲の投与のための注射可能な製剤は、約2時間、又は約4時間、又は約6時間、又は約12時間、又は約18時間、又は1日、又は2日、又は3日、又は4日、又は5日、又は6日、又は7日、又は10日、又は12日、又は14日、又は18日、又は21日、又は25日、又は30日、又は45日、又は2ヶ月又は3ヵ月又は4ヶ月又は5ヶ月又は6ヶ月又は9ヶ月又は1年の、関節における有効な滞留時間を有する。
【0080】
関節内又は関節周囲の投与のための有用な注射可能な製剤は、溶液、懸濁液、溶液/懸濁液、エマルジョン、ゲル、リポソーム、ニオソーム、ファーマコソーム、ナノ粒子、溶液として再構成される粉末剤であり得る。所望される投薬は、設定された数の注射剤又は1回の注射当たりの量によって投与され得る。例えば、0.5mlの注射器の容量に対して、1〜6回の注射剤の投与は、0.5〜3mlの本明細書に開示される関節内又は関節周囲の投与のための有用な注射可能な製剤を送達する。注射可能な製剤は、ロイコトリエン合成インヒビターの重量/体積を、典型的に約0.01%から約50%まで、より典型的に約0.1%から約20%まで、さらにより典型的に約0.2%〜約10%まで、及び最も典型的に約0.5%から約5%まで含む。
【0081】
幾つかの実施形態において、関節痛が改善しない場合、本明細書に開示される関節内又は関節周囲の投与のための注射可能な製剤は、慢性的に(即ち、個々の寿命が尽きるまでの間を含む、長期間の間)投与される。幾つかの実施形態において、関節痛が改善する場合、本明細書に開示される関節内又は関節周囲の投与のための注射可能な製剤は、連続的に与えられる;あるいは、投与されているロイコトリエン合成インヒビターの用量が、一時的に減らされるか、又は特定の期間、一時的に中止される(即ち、休薬期間)。幾つかの実施形態において、休薬期間は、2日と1年の間で続き、その間のすべての整数を含む。幾つかの実施形態において、休薬期間中の用量減少は、約10%から約100%までであり、その間のすべての整数を含む。
【0082】
幾つかの実施形態において、関節痛が改善する場合、本明細書に開示される関節内又は関節周囲の投与のための注射可能な製剤は、維持量として投与される。幾つかの実施形態において、関節痛が改善する場合、本明細書に開示される関節内又は関節周囲の投与のための注射可能な製剤は、減少した頻度で、又は減少した用量で投与される。
【0083】
1つの実施形態において、本明細書に開示される関節内又は関節周囲の投与のための注射可能な製剤は、ロイコトリエン合成インヒビターの即時放出のために調剤される。幾つかの実施形態において、ロイコトリエン合成インヒビターは、即時に、又は1分以内、又は5分以内、又は10分以内、又は15分以内、又は30分以内、又は60分以内又は90分以内に放出される。
【0084】
1つの実施形態において、本明細書に開示される関節内又は関節周囲の投与のための注射可能な製剤は、ロイコトリエン合成インヒビターの遅延放出(又は徐放)のために調剤される。幾つかの実施形態において、ロイコトリエン合成インヒビター化合物は、15分、又は30分、又は1時間、又は4時間、又は6時間、又は12時間、又は18時間、又は1日、又は2日、又は3日、又は4日、又は5日、又は6日、又は7日、又は10日、又は12日、又は14日、又は18日、又は21日、又は25日、又は30日、又は45日、又は2ヶ月又は3ヵ月又は4ヶ月又は5ヶ月又は6ヶ月又は9ヶ月又は1年を超える期間にわたって放出される。
【0085】
幾つかの実施形態において、本明細書に開示される関節内又は関節周囲の投与のための注射可能な製剤は、ロイコトリエン合成インヒビターの即時及び遅延放出(又は徐放)のために調剤される。
【0086】
併用療法
1つの態様において、本明細書に開示される医薬組成物及び方法は、更なる治療薬を含む。1つの態様において、更なる治療薬は、別のロイコトリエン合成インヒビター化合物である。1つの態様において、更なる治療薬は、ロイコトリエン合成インヒビター化合物以外の治療薬である。
【0087】
1つの態様において、ロイコトリエン合成インヒビター化合物を含む、本明細書に開示される注射可能な製剤は、ロイコトリエン合成インヒビター化合物以外の治療薬とともに、(別々に又は同じ製剤で)同時投与される。
【0088】
1つの態様において、ロイコトリエン合成インヒビター化合物を含む、本明細書に開示される注射可能な製剤は、以下から選択される治療薬とともに、(別々に又は同じ製剤で)同時投与される:抗生物質(例えば、硫酸ポリミキシンB/バシトラシン亜鉛、ポリミキシンB/ネオマイシン/グラミシジン、ポリミキシンB/トリメトプリム、ポリミキシンB/バシトラシン、フルオロキノロン(例えば、シプロフロキサシン、モキシフロキサシン、オフロキサシン、ガチフロキサシン、レボフロキサシン)、アミノグリコシド(例えばトブラマイシン、アジスロマイシン、ゲンタマイシン、エリスロマイシン、バシトラシン);抗真菌薬(例えば、アンフォテリシンB、イトラコナゾール、フルコナゾール、ボリコナゾール);ステロイド性抗炎症剤(例えば、酢酸フルオロメトロン、酢酸プレドニゾロン、ロテプレドノールエタボネート、リン酸プレドニゾロンナトリウム、プレドニゾロンナトリウム、リメキソロン、酢酸フルオロメトロン、デキサメタゾン、ブデソニド);非ステロイド性抗炎症剤(例えば、ネパフェナク、ケトロラク、トロメタミン、ブロムフェナク、ジクロフェナクナトリウム、ケトロラクトロメタミン、フマル酸ケトチフェン);抗ヒスタミン剤(例えば、フマル酸エメダスチン、塩酸オロパタジン、エピナスチン HCl、塩酸アゼラスチン、フマル酸ケトチフェン);抗ウイルス剤(例えば、アシクロビル、ビダラビン、トリフルリジン);アルファアゴニスト(例えば、アプラクロニジン、ブリモニジン、ビマトプロスト);ベータ遮断薬(例えば、塩酸ベタキソロール、塩酸レボブノロール、塩酸カルテオロール、メチプラノロール、マレイン酸チモロール、チモロールヘミヒドラート);炭酸脱水酵素インヒビター(例えば、ブリンゾラミド、ドルゾラミド、アセタゾラミド);縮瞳薬(例えば、塩化アセチルコリン、エコチオフェート);プロスタグランジン(例えば、トラボプロスト、ビマトプロスト、ラタノプロスト);抗血管新生薬(例えば、ペガプタニブナトリウム、ラニビズマブ、ベルテポルフィン);肥満細胞安定化薬(例えば、ロドキサミドトロメタミン、ネドクロミルナトリウム、クロモリンナトリウム、ペミロラストカリウム)、オピオイド鎮痛薬(例えば、モルヒネ、ヒドロモルホン、オキシモルホン、コデイン、オキシコドン、トラマドール、フェンタニル)、麻酔薬(例えば、リドカイン、ブピカイン、ベンゾカイン、メピバカイン、プロカイン)、および平滑剤(例えば、ラブリシン、その組み換え型ラブリシン及び断片、LUB:1、コンドロイチン、グルコサミン、ヒアルロン、ヘパラン)。
【0089】
1つの態様において、ロイコトリエン合成インヒビター化合物を含む、本明細書に開示される注射可能な製剤は、以下から選択される治療薬とともに、(別々に又は同じ製剤で)同時投与される:アセトアミノフェン、非ステロイド性抗炎症剤、COX-2選択的インヒビター、コルチコステロイド、麻薬、非麻薬性鎮痛薬、麻酔薬、カプサイシン、ヒアルロン酸、グルコサミン、コンドロイチン、S-アデノシルメチオニン(SAMe)、抗TNFアルファ薬。
【0090】
麻酔薬は、限定されないが、プロカイン、ベンゾカイン、クロロプロカイン、シクロメチカイン、ジメトカイン、ラロカイン、プロポキシカイン、プロカイン、ノボカイン、プロパラカイン、テトラカイン、アメソカイン塩酸塩、アルチカイン、ブピカイン、カルチカイン、シンコカイン、ジブカイン、エチドカイン、レボブピバカイン、リドカイン、リグノカイン、メピバカイン、ピペロカイン、プリロカイン、ロピバカイン、トリメカインを含む。
【0091】
NSAIDは、限定されないが、アスピリン、サリチル酸、ゲンチシン酸、サリチル酸コリンマグネシウム、サリチル酸コリン、サリチル酸コリンマグネシウム、サリチル酸コリン、サリチル酸マグネシウム、サリチル酸ナトリウム、ジフルニサル、カルプロフェン、フェノプロフェン、フェノプロフェンカルシウム、フルロビプロフェン、イブプロフェン、ケトプロフェン、ナブトン、ケトロラク、ケトロラクトロメタミン、ナプロキセン、オキサプロジン、ジクロフェナク、エトドラク、インドメタシン、スリンダク、トルメチン、メクロフェナム酸、メクロフェナム酸ナトリウム、メフェナム酸、ピロキシカム、メロキシカム、COX-2特異的インヒビター(限定されないが、セレコキシブ、ロフェコキシブ、バルデコキシブ、パレコキシブ、エトリコキシブ、ルミラコキシブ、CS-502、JTE-522、L-745,337及びNS398など)を含む。
【0092】
コルチコステロイドは、限定されないが、ベタメタゾン(セレストン)、プレドニゾン(デルタゾン)、アルクロメタゾン、アルドステロン、アムシノニド、ベクロメタゾン、ベタメタゾン、ブデソニド、シクレソニド、クロベタゾール、クロベタゾン、クロコルトロン、クロプレドノール、コルチゾン、コルチバゾール、デフラザコルト、デオキシコルチコステロン、デソニド、デスオキシメタゾン、デスオキシコルトン、デキサメタゾン、ジフロラゾン、ジフルコルトロン、ジフルプレドナート、フルクロロロン、フルドロコルチゾン、フルドロキシコルチド、フルメタゾン、フルニソリド、フルオシノロンアセトニド、フルオシノニド、フルオコルチン、フルオコルトロン、フルオロメトロン、フルペロロン、フルプレドニデン、フルチカゾン、ホルモコータル、ハルシノニド、ハロメタゾン、ヒドロコルチゾン/コルチゾール、ヒドロコルチゾンアセポネート、ヒドロコルチゾンブテプレート、酪酸ヒドロコルチゾン、ロテプレドノール、メドリゾン、メプレドニゾン、メチルプレドニソロン、メチルプレドニソロンアセポネート、フロ酸モメタゾン、パラメタゾン、プレドニカルベート、プレドニゾン/プレドニゾロン、リメキソロン、チキソコルトール、トリアムシノロン、及びウロベタゾールを含む。
【0093】
抗TNF薬は、限定されないが、インフリキシマブ、アダリムマブ、セルトリズマブペゴール、ゴリムマブ、エタネルセプトを含む。
【0094】
1つの態様において、ロイコトリエン合成インヒビター化合物を含む、本明細書に開示される注射可能な製剤は、鎮痛性及び/又は抗炎症性の化合物とともに、(別々に又は同じ製剤で)同時投与される。鎮痛性及び/又は抗炎症性の化合物は、限定されないが、アスピリン、カルバスピリン、サリチル酸コリン、ジフルニサル、サリチル酸マグネシウム、サリチルアミド、サリチル酸、サルサレート、チオサリチル酸ナトリウム、アセトアミノフェン、フェナセチン、アミノピリン、メフェナム酸、メトトリメブラジン、オキシフェンブタゾン、フェニルブタゾン、インドメタシン、イブプロフェン、スリンダク、ピロキシカム、メクロフェナム酸、ゾメピラク、コデイン、モルヒネ、メペリジン、ペチジン、アルファプロジン、フェンタニル、レボルファノール、フェナゾシン、ブトルファノール、エトベプトジン、ナルブフィン、ペンタゾシン、プロポキシフェン、フェノプロフェン、ナプロキセン、トルメチンなどを含む。
【0095】
幾つかの実施形態において、ロイコトリエン合成インヒビター及び更なる治療薬は、同じ医薬組成物中にある。幾つかの実施形態において、ロイコトリエン合成インヒビター及び更なる治療薬は、別々の医薬組成物中にある。制限しない例として、併用療法は、鎮痛薬の経口製剤での関節内又は関節周囲の投与のための、ロイコトリエン合成インヒビターの注射可能な製剤を含む。制限しない例として、併用療法は、オピオイド鎮痛薬の経口固形製剤での関節内又は関節周囲の投与のための、ロイコトリエン合成インヒビターの注射可能な製剤を含む。
【0096】
幾つかの実施形態において、ロイコトリエン合成インヒビター及び更なる治療薬は、同時に投与される。幾つかの実施形態において、ロイコトリエン合成インヒビター及び更なる治療薬は、異なる時間に投与される。
【実施例】
【0097】
<実施例1:ロイコトリエン合成インヒビターの製剤>
1つの態様において、ロイコトリエン合成インヒビター(例えばFLAPインヒビター、5-LOインヒビター又はc-PLA2インヒビター)を含む、水溶性の注射可能な製剤を、10%のベータ-ヒドロキシプロピルシクロデキストリン(BHPC)中のロイコトリエンインヒビター化合物を水中で溶解することにより、調製する。
【0098】
<実施例2:ロイコトリエン合成インヒビターの溶液>
1つの態様において、ロイコトリエン合成インヒビター(例えばFLAPインヒビター、5-LOインヒビター又はc-PLA2インヒビター)を、以下のような注射剤のために調剤する:
【0099】
【表1】

【0100】
<実施例3:ロイコトリエン合成インヒビターの溶液>
1つの態様において、ロイコトリエン合成インヒビター(例えばFLAPインヒビター、5-LOインヒビター又はc-PLA2インヒビター)を、以下のような注射剤のために調剤する:
【0101】
【表2】

【0102】
1つの態様において、ロイコトリエン合成インヒビター(例えばFLAPインヒビター、5-LOインヒビター又はc-PLA2インヒビター)を、以下のような注射剤のために調剤する:
【0103】
【表3】

【0104】
<実施例5:5-LOインヒビターの溶液>
1つの態様において、5-LOインヒビターを、以下のような注射剤のために調剤する:
【0105】
【表4】

【0106】
<実施例6:変形性関節症から関節痛を低減する際の、ロイコトリエンインヒビター化合物の関節内又は関節周囲の投与の効果を評価する臨床試験>
第一施設、二重盲検、無作為化、二方向交差、プラセボ対照の試験は、症候性の脛大腿部の変形性関節症(symptomatic tibio-femoral osteoarthritis)(OA)(100mmのVASスコア上の50〜80の範囲における試験の膝の全体的なOAの痛み)を有する歩行可能な個体へのロイコトリエンインヒビター化合物の関節内又は関節周囲の投与の安全性及び有効性を評価する。他の包含基準は以下の通りである:40歳以上の年齢;ここ3ヶ月以内のX線によるKellgren-LawrenceグレードII-III;緊満性の滲出(tense effusion)、機械的な欠損、又は最近の(<2年)外傷がないこと。各被験体は、積極的治療(例えば、膝の関節内又は関節周囲に投与される、ロイコトリエンインヒビター化合物の注射可能な製剤)又はプラセボを受ける。積極的治療を受ける120人の患者を、6つの群に無作為化する:
【0107】
群1 - 6mlのロイコトリエンインヒビター化合物の1回の注射;
【0108】
群2 - 4mlのロイコトリエンインヒビター化合物の1回の注射;
【0109】
群3 - 2週間間隔での4mlのロイコトリエンインヒビター化合物の2回の注射;
【0110】
群4 - 4週間間隔での4mlのロイコトリエンインヒビター化合物の3回の注射;
【0111】
群5 - 4週間間隔での2mlのロイコトリエンインヒビター化合物の3回の注射;
【0112】
群6 - 12週間間隔での4mlのロイコトリエンインヒビター化合物の3回の注射。
【0113】
プラセボを受ける120人の患者を、群1〜6に相当する6つの群において無作為化する。
【0114】
患者を、その後、6か月まで(週2、3、8、16、及び24に)追跡試験する(followed up)。使用される第一及び第二の評価エンドポイントを以下に記載する。
【0115】
A. OA痛の患者自己評価
この試験の主要な有効性エンドポイントは、試験の膝のOA痛に関する膝のOAを有する患者における、ロイコトリエンインヒビター化合物の注射可能な製剤の有効性を評価することである。これを、過去48時間以内の激しい痛み(100mm)に対する痛みのない(0mm)エンドポイントを有する、患者が自己評価した100mmのVAS上で測定し、最初の注射の24週後に行う。
【0116】
B. 患者の全体的な自己評価
患者は、非常に良い(0mm)から非常に悪い(100mm)までの範囲を有する、100mmのVAS上での標的となる膝の全体的な状態を評価し、これは、過去48時間にわたるすべての関連する徴候及び症状を考慮に入れる。患者に示される正確な指示は、以下の通りである:「以下の鉛直線(vertical line)を使用することによって、この訪問の時間でのあなたの(試験の)膝の全体的な一般状態を示して下さい。左又は「0」のスコアは、「非常に良い」を示す一方で、「100」のスコアは、「非常に悪い」を示します。」
【0117】
C. WOMAC(商標)
患者に、Bellamy et al. (1988) J. Rheumatol., 15(12):1833-40に記載されるように、WOMAC(商標)のVASバージョンを完了するように指示する。この規模は、三次元の、疾患特異的な、自己管理する、健康状態の尺度である。それは、合計24の質問での、痛み、硬直及び身体機能の領域における臨床的に重要な、患者に関連する症状を調べる。WOMAC(商標)は、現地の言葉で患者に提供され、5分未満で典型的に完了する。WOMAC(商標)のサブセクションは以下の通りである。
【0118】
WOMAC(商標)のセクションAは、活動の間の痛みのレベルに関する質問から成り、反応を、痛みなし(0mm)から激しい痛み(100mm)までの範囲のVASで(患者によって)採点する。痛みの評価を、以下のシナリオに関して作成する:
【0119】
【表5】

WOMAC(商標)のパートB(硬直のスコア(Stiffness Score))は、活動の間の硬直のレベルに関する質問から成り、反応を、硬直なし(0mm)から激しい硬直(100mm)までの範囲のVASで(患者によって)採点する。硬直の評価を、以下のシナリオに関して作成した:
【0120】
【表6】

WOMAC(商標)のパートCは、活動の間の機能障害のレベルに関する質問から成り、反応を、困難性なし(Q mm)から激しい困難性(100mm)までの範囲のVASで(患者によって)採点する。機能障害の評価を、以下のシナリオに関して作成した:
【0121】
【表7】

【0122】
最初の注射に続くあらゆる時点で、3つのWOMAC(商標)パート(A、B及びC)に由来する合計のWOMAC(商標)スコアにおける基線からの変化を、副次的評価項目として分析する。
【0123】
D. OAの全体的な医師の評価
患者が全体的な評価及びWOMAC(商標)を完了した後、研究員は、非常に良い(0mm)から非常に悪い(100mm)までの範囲の100mmのVASに関する訪問の時点での患者の膝の全体的な状態を評価する。この評価は、患者の疾患の徴候、機能的能力及び身体検査に基づく。「非常に良い」を示す線の左(「0」)極端、及び「非常に悪い」を示す右(「100」)極端を提示する線を使用して、この訪問の時点での患者の膝の全体的な一般状態を示すように、医師に指示する。
【0124】
<実施例7:関節痛のラットモデル>
関節痛のラットモデルを、痛みの処置のために、ロイコトリエンインヒビター化合物の関節内又は関節周囲の投与の関節への効果を検査するために使用する。ラットの膝関節痛モデルを、Tonussi and Ferrera, Pain, (1992) 48(3):421-27から適用し、実験的に誘発された関節炎を有するラットの、正常に歩くことに対する不能性として定義される、関節不能(AI)を研究するためにデザインする。簡潔に言うと、オスのウィスターラット(180-220 g)は、それらの右膝関節への、無菌の食塩水中に溶解された、カラゲーニン(50μlの全容積中に1mg)の標準的な関節内又は関節周囲の注射を受ける。カラゲーニン注射の後、3r.p.mで回転する、目の細かい非酸化可能なワイヤースクリーンで覆われた、スチール回転式ドラム(幅30cm×直径50cm)上で、動物を歩くようにさせる。特別に設計された金属ゲートルを、両方の後足のまわりに巻きつける。ゲートルの配置後、ゲートルに慣れさせるために、動物を自由に歩かせる。右足を、単純な回路を介して、マイクロコンピューターデータ入力/出力ポートに接続する。足の挙上時間(paw elevation time)(PET)は、60秒間の、炎症を起こした後足がシリンダに接していない時間である。これは関節不能に正比例する。PETの増加は、関節の炎症性疼痛を反映すると考えられ、関節周囲の侵害受容体の刺激が原因である。
【0125】
予防的評価
ロイコトリエンインヒビターの関節内又は関節周囲の投与の注射可能な製剤の予防的効果を分析するために、ラットの群は、関節不能の5時間から30分前に異なる用量で、右膝関節へのロイコトリエンインヒビターの関節内又は関節周囲の投与を受ける。対照群は、0.9%w/vの無菌の食塩水を受ける。ラットを、その後、上に記載されるような関節不能にさらす。予防的効果の評価を、PETとの変化によって測定する。PETの減少は、痛みの減少と相関する。
【0126】
処置評価
ロイコトリエンインヒビターの関節内又は関節周囲の投与の注射可能な製剤の処置効果を分析するために、ラットの群は、上に記載されるような、関節不能の5分から1時間後に異なる用量で、右膝関節へのロイコトリエンインヒビターの関節内又は関節周囲の投与を受ける。対照群は、0.9%w/vの無菌の食塩水を受ける。治療効果の評価を、PETとの変化によって測定する。PETの減少は、痛みの減少と相関する。
【0127】
本明細書に記載される実施例および実施形態は、例示的であり、当業者に示される様々な修正又は変更は、本開示内に含まれる。当業者によって認識されるように、上記の実施例にリストされる特定の構成要素は、他の機能的に均等な構成要素、例えば、薬学的に許容可能な賦形剤、担体、希釈剤などに置換され得る。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
哺乳動物における関節痛又は関節の炎症の処置のための有効な量におけるロイコトリエン合成インヒビター化合物、及び関節内又は関節周囲の投与のための少なくとも1つの適切な薬学的に許容可能な賦形剤を含むことを特徴とする、注射可能な製剤。
【請求項2】
前記注射可能な製剤は、哺乳動物の関節におけるロイコトリエン合成を阻害するか、又は哺乳動物の関節におけるロイコトリエン受容体を拮抗することを特徴とする、請求項1に記載の注射可能な製剤。
【請求項3】
前記ロイコトリエン合成インヒビターは、5-リポキシゲナーゼ活性化タンパク質(FLAP)のインヒビターであることを特徴とする、請求項1又は請求項2に記載の注射可能な製剤。
【請求項4】
前記ロイコトリエン合成インヒビターは、MK886(3-[3-tert-ブチルスルファニル-1-(4-クロロ-ベンジル)-5-イソプロピル-1H-インドール-2-イル]-2,2-ジメチル-プロピオン酸);MK591(3-[3-tert-ブチルスルファニル-1-(4-クロロ-ベンジル)-5-(キノリン-2-イルメトキシ)-1H-インドール-2-イル]-2,2-ジメチル-プロピオン酸);DG031(BAY X1005;シクロペンチル-[4-(キノリン-2-イルメトキシ)-フェニル]-酢酸);3-[3-tert-ブチルスルファニル-1-[4-(5-メトキシ-ピリミジン-2-イル)-ベンジル]-5-(5-メチル-ピリジン-2-イルメトキシ)-1H-インドール-2-イル]-2,2-ジメチル-プロピオン酸;3-[3-tert-ブチルスルファニル-1-[4-(5-メトキシ-ピリミジン-2-イル)-ベンジル]-5-(5-メチル-ピラジン-2-イルメトキシ)-1H-インドール-2-イル]-2,2-ジメチル-プロピオン酸;3-{5-((S)-1-アセチル-2,3-ジヒドロ-1H-インドール-2-イルメトキシ)-3-tert-ブチルスルファニル-1-[4-(5-メトキシ-ピリミジン-2-イル)-ベンジル]-1H-インドール-2-イル}-2,2-ジメチル-プロピオン酸;3-[3-tert-ブチルスルファニル-1-[4-(6-メトキシ-ピリジン-3-イル)-ベンジル]-5-(ピリジン-2-イルメトキシ)-1H-インドール-2-イル]-2,2-ジメチル-プロピオン酸;3-[3-tert-ブチルスルファニル-1-[4-(6-エトキシ-ピリジン-3-イル)-ベンジル]-5-(5-メチル-ピリジン-2-イルメトキシ)-1H-インドール-2-イル]-2,2-ジメチル-プロピオン酸;3-[3-tert-ブチルスルファニル-1-[4-(5-フルオロ-ピリジン-2-イル)-ベンジル]-5-(キノリン-2-イルメトキシ)-1H-インドール-2-イル]-2,2-ジメチル-プロピオン酸;2-[3-tert-ブチルスルファニル-1-[4-(5-メトキシ-ピリミジン-2-イル)-ベンジル]-5-(5-メチル-ピリジン-2-イルメトキシ)-1H-インドール-2-イルメチル]-2-エチル-酪酸;3-[3-tert-ブチルスルファニル-1-[4-(6-メトキシ-ピリジン-3-イル)-ベンジル]-5-(5-メチル-ピリジン-2-イルメトキシ)-1H-インドール-2-イル]-2,2-ジメチル-プロピオン酸;3-[5-((S)-1-アセチル-ピロリジン-2-イルメトキシ)-3-tert-ブチルスルファニル-1-(4-クロロ-ベンジル)-1H-インドール-2-イル]-2,2-ジメチル-プロピオン酸;3-[3-tert-ブチルスルファニル-1-[4-(5-フルオロ-ピリジン-2-イル)-ベンジル]-5-(ピリジン-2-イルメトキシ)-1H-インドール-2-イル]-2,2-ジメチル-プロピオン酸;3-{5-((S)-1-アセチル-2,3-ジヒドロ-1H-インドール-2-イルメトキシ)-3-tert-ブチルスルファニル-1-[4-(5-エトキシ-ピリミジン-2-イル)-ベンジル]-1H-インドール-2-イル}-2,2-ジメチル-プロピオン酸);又はそれらの薬学的に許容可能な塩であることを特徴とする、請求項3に記載の注射可能な製剤。
【請求項5】
前記ロイコトリエン合成インヒビターは、5-リポキシゲナーゼ(5-LO)のインヒビターであることを特徴とする、請求項1又は請求項2に記載の注射可能な製剤。
【請求項6】
前記ロイコトリエン合成インヒビターは、ジロートン、VIA 2291、ZD2138、AZD4407、MK0633、CJ-13,610(PF-4191834)、又はそれらの薬学的に許容可能な塩であることを特徴とする、請求項5に記載の注射可能な製剤。
【請求項7】
前記ロイコトリエン合成インヒビターは、細胞質ゾルのPLA2(c-PLA2)のインヒビターであることを特徴とする、請求項1又は請求項2に記載の注射可能な製剤。
【請求項8】
前記ロイコトリエン合成インヒビターは、メチルアラキドニルフルオロホスホネート(MAFP)、ピロキシフェン、ONO-RS-082、1-[3-(4-オクチルフェノキシ)-2-オキソプロピル]インドール-5-カルボン酸、1-[3-(4-オクチルフェノキシ)-2-オキソプロピル]インドール-6-カルボン酸、アラキドニルトリフルオロメチルケトン、D609、4-{3-[5-クロロ-2-(2-{[(3,4-ジクロロベンジル)スルホニル]アミノ}エチル)-1-(ジフェニルメチル)-1H-インドール-3-イル]プロピル}安息香酸(WAY-196025)、エフィプラジブ、4-{2-[5-クロロ-2-(2-{[(3,4-ジクロロベンジル)スルホニル]アミノ}-エチル)-1-(ジフェニルメチル)-1H-インドール-3-イル]エトキシ}安息香酸、エコプラジブ、(E)-N-[(2S,4R)-4-[N-(ビフェニル-2-イルメチル)-N-2-メチルプロピルアミノ]-1-[2-(2,4-ジフルオロベンゾイル)ベンゾイル]ピロリジン-2-イル]メチル-3-[4-(2,4-ジオキソチアゾリジン-5-イリデンメチル)フェニル]アクリルアミド、(RSC-3388)、ベルベリン、グルタミン、又はそれらの薬学的に許容可能な塩であることを特徴とする、請求項7に記載の注射可能な製剤。
【請求項9】
抗生物質;ステロイド性抗炎症剤;非ステロイド性抗炎症剤;抗ヒスタミン剤;抗ウイルス剤;アルファアゴニスト;ベータ遮断薬;炭酸脱水酵素インヒビター;プロスタグランジン;抗血管新生薬;肥満細胞安定化薬;グリコサミノグリカン;抗ガン剤;鎮痛薬、平滑剤、p38キナーゼインヒビター、ケモカインインヒビター、抗TNFアルファ薬、鎮痛薬、麻酔薬、グルコサミン、から選択される治療上有効な量の第2の化合物を更に含むことを特徴とする、請求項1乃至8のいずれか1項に記載の注射可能な製剤。
【請求項10】
治療上有効な量のロイコトリエン合成インヒビター化合物を含む注射可能な製剤を、関節の疾患、障害又は疾病を有する哺乳動物の少なくとも1つの関節に、関節内に又は関節周囲に投与する工程を含むことを特徴とする、哺乳動物において関節痛を処置するための方法。
【請求項11】
前記注射可能な製剤は、哺乳動物の関節においてロイコトリエン合成を阻害することを特徴とする、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記注射可能な製剤は、哺乳動物の関節において、痛みの度合いを減らすか、又は痛みを阻害することを特徴とする、請求項10に記載の方法。
【請求項13】
前記ロイコトリエン合成インヒビターは、5-リポキシゲナーゼ活性化タンパク質(FLAP)のインヒビターであることを特徴とする、請求項10乃至12のいずれか1項に記載の方法。
【請求項14】
前記ロイコトリエン合成インヒビターは、MK886(3-[3-tert-ブチルスルファニル-1-(4-クロロ-ベンジル)-5-イソプロピル-1H-インドール-2-イル]-2,2-ジメチル-プロピオン酸);MK591(3-[3-tert-ブチルスルファニル-1-(4-クロロ-ベンジル)-5-(キノリン-2-イルメトキシ)-1H-インドール-2-イル]-2,2-ジメチル-プロピオン酸);DG031(BAY X1005;シクロペンチル-[4-(キノリン-2-イルメトキシ)-フェニル]-酢酸);3-[3-tert-ブチルスルファニル-1-[4-(5-メトキシ-ピリミジン-2-イル)-ベンジル]-5-(5-メチル-ピリジン-2-イルメトキシ)-1H-インドール-2-イル]-2,2-ジメチル-プロピオン酸;3-[3-tert-ブチルスルファニル-1-[4-(5-メトキシ-ピリミジン-2-イル)-ベンジル]-5-(5-メチル-ピラジン-2-イルメトキシ)-1H-インドール-2-イル]-2,2-ジメチル-プロピオン酸;3-{5-((S)-1-アセチル-2,3-ジヒドロ-1H-インドール-2-イルメトキシ)-3-tert-ブチルスルファニル-1-[4-(5-メトキシ-ピリミジン-2-イル)-ベンジル]-1H-インドール-2-イル}-2,2-ジメチル-プロピオン酸;3-[3-tert-ブチルスルファニル-1-[4-(6-メトキシ-ピリジン-3-イル)-ベンジル]-5-(ピリジン-2-イルメトキシ)-1H-インドール-2-イル]-2,2-ジメチル-プロピオン酸;3-[3-tert-ブチルスルファニル-1-[4-(6-エトキシ-ピリジン-3-イル)-ベンジル]-5-(5-メチル-ピリジン-2-イルメトキシ)-1H-インドール-2-イル]-2,2-ジメチル-プロピオン酸;3-[3-tert-ブチルスルファニル-1-[4-(5-フルオロ-ピリジン-2-イル)-ベンジル]-5-(キノリン-2-イルメトキシ)-1H-インドール-2-イル]-2,2-ジメチル-プロピオン酸;2-[3-tert-ブチルスルファニル-1-[4-(5-メトキシ-ピリミジン-2-イル)-ベンジル]-5-(5-メチル-ピリジン-2-イルメトキシ)-1H-インドール-2-イルメチル]-2-エチル-酪酸;3-[3-tert-ブチルスルファニル-1-[4-(6-メトキシ-ピリジン-3-イル)-ベンジル]-5-(5-メチル-ピリジン-2-イルメトキシ)-1H-インドール-2-イル]-2,2-ジメチル-プロピオン酸;3-[5-((S)-1-アセチル-ピロリジン-2-イルメトキシ)-3-tert-ブチルスルファニル-1-(4-クロロ-ベンジル)-1H-インドール-2-イル]-2,2-ジメチル-プロピオン酸;3-[3-tert-ブチルスルファニル-1-[4-(5-フルオロ-ピリジン-2-イル)-ベンジル]-5-(ピリジン-2-イルメトキシ)-1H-インドール-2-イル]-2,2-ジメチル-プロピオン酸;3-{5-((S)-1-アセチル-2,3-ジヒドロ-1H-インドール-2-イルメトキシ)-3-tert-ブチルスルファニル-1-[4-(5-エトキシ-ピリミジン-2-イル)-ベンジル]-1H-インドール-2-イル}-2,2-ジメチル-プロピオン酸)、又はそれらの薬学的に許容可能な塩であることを特徴とする、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記ロイコトリエン合成インヒビターは、5-リポキシゲナーゼ(5-LO)のインヒビターであることを特徴とする、請求項10乃至12のいずれか1項に記載の方法。
【請求項16】
前記ロイコトリエン合成インヒビターは、ジロートン、VIA 2291、ZD2138、AZD4407、MK0633、CJ-13,610(PF-4191834)、又はそれらの薬学的に許容可能な塩であることを特徴とする、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記ロイコトリエン合成インヒビターは、細胞質ゾルのPLA2(c-PLA2)のインヒビターであることを特徴とする、請求項10乃至12のいずれか1項に記載の方法。
【請求項18】
前記ロイコトリエン合成インヒビターは、メチルアラキドニルフルオロホスホネート(MAFP)、ピロキシフェン、ONO-RS-082、1-[3-(4-オクチルフェノキシ)-2-オキソプロピル]インドール-5-カルボン酸、1-[3-(4-オクチルフェノキシ)-2-オキソプロピル]インドール-6-カルボン酸、アラキドニルトリフルオロメチルケトン、D609、4-{3-[5-クロロ-2-(2-{[(3,4-ジクロロベンジル)スルホニル]アミノ}エチル)-1-(ジフェニルメチル)-1H-インドール-3-イル]プロピル}安息香酸(WAY-196025)、エフィプラジブ、4-{2-[5-クロロ-2-(2-{[(3,4-ジクロロベンジル)スルホニル]アミノ}-エチル)-1-(ジフェニルメチル)-1H-インドール-3-イル]エトキシ}安息香酸、エコプラジブ、(E)-N-[(2S,4R)-4-[N-(ビフェニル-2-イルメチル)-N-2-メチルプロピルアミノ]-1-[2-(2,4-ジフルオロベンゾイル)ベンゾイル]ピロリジン-2-イル]メチル-3-[4-(2,4-ジオキソチアゾリジン-5-イリデンメチル)フェニル]アクリルアミド(RSC-3388)、ベルベリン、グルタミン、又はそれらの薬学的に許容可能な塩であることを特徴とする、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
抗生物質;ステロイド性抗炎症剤;非ステロイド性抗炎症剤;抗ヒスタミン剤;抗ウイルス剤;アルファアゴニスト;ベータ遮断薬;炭酸脱水酵素インヒビター;プロスタグランジン;抗血管新生薬;肥満細胞安定化薬;グリコサミノグリカン;抗ガン剤;鎮痛薬、平滑剤、p38キナーゼインヒビター、ケモカインインヒビター、抗TNFアルファ薬、鎮痛薬、麻酔薬、グルコサミン、から選択される治療上有効な量の化合物を、哺乳動物に投与する工程を更に含むことを特徴とする、請求項10乃至18のいずれか1項に記載の方法。

【公表番号】特表2013−508305(P2013−508305A)
【公表日】平成25年3月7日(2013.3.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−534444(P2012−534444)
【出願日】平成22年10月19日(2010.10.19)
【国際出願番号】PCT/US2010/053245
【国際公開番号】WO2011/049979
【国際公開日】平成23年4月28日(2011.4.28)
【出願人】(510209672)アミラ ファーマシューティカルズ,インク. (17)
【Fターム(参考)】