説明

関連情報送信システム

【課題】スピーカ装置などのコンテンツ出力装置から出力される楽曲などのコンテンツに関連する情報を、そのコンテンツ出力装置と対応する位置に設けられている照明装置から送信する。
【解決手段】関連情報送信装置20は、スピーカ装置40から出力された楽曲を識別する楽曲IDを取得し、スピーカ装置40と対応する位置に設置されている複数の照明装置50を特定し、取得した楽曲IDと対応する複数の楽曲関連情報を記憶部から読み出し、読み出した各々の楽曲関連情報を、特定したそれぞれ異なる照明装置40宛てに送信する。複数の照明装置40はそれぞれ、関連情報送信装置20によって自装置宛に送信された楽曲関連情報を受信し、受信した楽曲関連情報を表す信号を、光源から照射される可視光に乗せて送信する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コンテンツ出力装置から出力されるコンテンツに関連する情報を送信する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、可視光を利用して情報を送信する可視光通信の技術が開発されている。例えば、特許文献1〜4には、可視光通信を高速化させるための技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2007−81703号公報
【特許文献2】特開2006−270808号公報
【特許文献3】特開2007−19935号公報
【特許文献4】特開2007−19870号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、飲食店や服飾店等の施設でBGMが流れているときに、例えば気に入った楽曲があった場合には、その楽曲の曲名や歌手名、あるいは発売日など楽曲に関連する情報を得たいと思うことがある。その場合、例えば楽曲を放音しているスピーカ装置からその楽曲に関連する情報を放音すると、楽曲を阻害してしまうことになる。そのため、楽曲に関連する情報を、上述した可視光通信を行う照明装置から取得できると便利である。
しかしながら、可視光通信を行う照明装置とBGM等を放音するスピーカ装置とは、従来なんら関連なく設置されおり、また、それらの位置関係も不明なため、スピーカ装置から放音されている楽曲などに関連した情報を可視光通信によって、その近傍から送信するということはできなかった。
本発明はこのような背景に鑑みてなされたものであり、スピーカ装置などのコンテンツ出力装置から出力される楽曲などのコンテンツに関連する情報を、そのコンテンツ出力装置と対応する位置に設けられている照明装置から送信することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上述した課題を解決するため、本発明は、コンテンツ出力装置と、関連情報送信装置と、照明装置とを備え、前記コンテンツ出力装置は、取得したコンテンツデータに応じたコンテンツを出力する出力手段を備え、前記関連情報送信装置は、前記コンテンツ出力装置の前記出力手段から出力される各々のコンテンツを識別するコンテンツ識別情報と、当該コンテンツに関連するコンテンツ関連情報とを対応付けて記憶する記憶手段と、前記コンテンツ出力装置の前記出力手段から出力されたコンテンツを識別するコンテンツ識別情報を取得する識別情報取得手段と、前記コンテンツ出力装置と対応する位置に設置されている前記照明装置を特定する照明特定手段と、前記識別情報取得手段によって取得されたコンテンツ識別情報に対応する前記コンテンツ関連情報を前記記憶手段から読み出して、前記照明特定手段によって特定された照明装置宛に送信する第1の送信手段とを備え、前記照明装置は、前記関連情報送信装置の前記第1の送信手段によって自装置宛に送信された前記コンテンツ関連情報を受信する第1の受信手段と、前記第1の受信手段によって受信された前記コンテンツ関連情報を表す信号を、光源から照射される可視光に乗せて送信する第2の送信手段とを備えることを特徴とする関連情報送信システムを提供する。
【0006】
また、本発明は、コンテンツ出力装置と、関連情報送信装置と、照明装置とを備え、前記コンテンツ出力装置は、取得したコンテンツデータに応じたコンテンツを出力する出力手段を備え、前記関連情報送信装置は、前記コンテンツ出力装置の前記出力手段から出力される各々のコンテンツを識別するコンテンツ識別情報と、当該コンテンツに関連するコンテンツ関連情報とを対応付けて記憶する記憶手段と、前記コンテンツ出力装置の前記出力手段から出力されたコンテンツを識別するコンテンツ識別情報と、当該コンテンツを出力した前記コンテンツ出力装置を識別する装置識別情報とを取得する識別情報取得手段と、前記識別情報取得手段によって取得された装置識別情報によって識別されるコンテンツ出力装置と対応する位置に設置されている前記照明装置を特定する照明特定手段と、前記識別情報取得手段によって取得されたコンテンツ識別情報に対応する前記コンテンツ関連情報を前記記憶手段から読み出して、前記照明特定手段によって特定された照明装置宛に送信する第1の送信手段とを備え、前記照明装置は、前記関連情報送信装置の前記第1の送信手段によって自装置宛に送信された前記コンテンツ関連情報を受信する第1の受信手段と、前記第1の受信手段によって受信された前記コンテンツ関連情報を表す信号を、光源から照射される可視光に乗せて送信する第2の送信手段とを備えることを特徴とする関連情報送信システムを提供する。
【0007】
本発明の好ましい態様においては、受信端末をさらに備え、前記受信端末は、前記照明装置の前記光源から照射された可視光を受信し、受信した可視光から前記コンテンツ関連情報を表す信号を抽出する第2の受信手段と、前記第2の受信手段によって抽出された前記信号が表すコンテンツ関連情報を出力する出力手段とを備えてもよい。
【0008】
本発明の好ましい態様においては、配信装置をさらに備え、前記配信装置は、各々の前記コンテンツ出力装置を識別する装置識別情報と、前記コンテンツデータとを対応付けて格納する格納手段と、前記格納手段に格納されている前記コンテンツデータを、当該コンテンツデータに対応付けられた装置識別情報によって識別されるコンテンツ出力装置宛に配信する配信手段とを備え、前記コンテンツ出力装置の前記出力手段は、前記配信装置の前記配信手段から配信されたコンテンツデータに応じたコンテンツを出力してもよい。
【0009】
本発明の好ましい態様において、前記コンテンツ出力装置は、自装置の位置を検出し、検出した位置を表す位置情報を出力する第1の検出手段を備え、前記照明装置は、自装置の位置を検出し、検出した位置を表す位置情報を出力する第2の検出手段を備え、前記関連情報送信装置の前記照明特定手段は、前記コンテンツ出力装置の前記第1の検出手段及び前記照明装置の前記第2の検出手段から出力された位置情報に基づいて、前記コンテンツ出力装置と対応する位置に設置されている前記照明装置を特定してもよい。
【0010】
本発明の好ましい態様において、前記関連情報送信装置の前記記憶手段は、前記コンテンツ関連情報と、当該コンテンツ関連情報の送信を制限するための送信制限情報とを対応付けて記憶し、前記第1の送信手段は、前記記憶手段に記憶されている前記送信制限情報に従って、前記コンテンツ関連情報を送信してもよい。
【0011】
また、本発明は、コンテンツ出力装置から出力される各々のコンテンツを識別するコンテンツ識別情報と、当該コンテンツに関連するコンテンツ関連情報とを対応付けて記憶する記憶手段と、前記コンテンツ出力装置から出力されたコンテンツを識別するコンテンツ識別情報を取得する識別情報取得手段と、前記コンテンツ出力装置と対応する位置に設置されている照明装置を特定する照明特定手段と、前記識別情報取得手段によって取得されたコンテンツ識別情報に対応する前記コンテンツ関連情報を前記記憶手段から読み出して、前記照明特定手段によって特定された照明装置宛に送信する送信手段とを備えることを特徴とする関連情報送信装置を提供する。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、スピーカ装置などのコンテンツ出力装置から出力される楽曲などのコンテンツに関連する情報を、そのコンテンツ出力装置と対応する位置に設けられている照明装置から送信することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】関連情報送信システム1を示す図である。
【図2】スピーカ装置40及び照明装置50が設置されたある部屋の様子を示す図である。
【図3】配信装置10の構成を示す図である。
【図4】配信テーブルT1の一例を示す図である。
【図5】関連情報送信装置20の構成を示す図である。
【図6】関連情報テーブルT2の一例を示す図である。
【図7】照明特定テーブルT3の一例を示す図である。
【図8】スピーカ装置40の構成を示す図である。
【図9】照明装置50の構成を示す図である。
【図10】受信端末60の構成を示す図である。
【図11】関連情報送信システム1の動作を示すシーケンス図である。
【図12】変形例に係る給電レールを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
[構成]
まず、図1を参照して、本発明に係る関連情報送信システム1について説明する。図に示すように、関連情報送信システム1においては、配信装置10と関連情報送信装置20とがインターネットや専用回線等のネットワークを介してPLC専用アダプタ30と接続されており、このPLC専用アダプタ30には、複数のスピーカ装置40と照明装置50とが電力線を介して接続されている。受信端末60は、例えばPDA(Personal Digital Assistant)や携帯電話機、あるいはノートパソコンなどの装置であり、利用者によって持ち運ばれて、照明装置50から光が照射される位置に移動される。この関連情報送信システム1においては、配信装置10から配信されたバックグラウンドミュージック(以下「BGM」)等の楽曲を表す楽曲データDに基づいて、スピーカ装置40から楽曲が放音され、さらに放音された楽曲に関連する楽曲関連情報が、楽曲を放音したスピーカ装置40に対応する位置に設置されている照明装置50から送信される。
【0015】
図2は、スピーカ装置40及び照明装置50が設置されたある部屋の様子を示す図である。スピーカ装置40と照明装置50とは、それぞれ電力線を覆う給電レールに取り付けられて設置されており、電力線から供給される電力により各部が駆動される。図の例では、スピーカ装置40aに対応する位置に照明装置50aが設置され、スピーカ装置40bに対応する位置に照明装置50bが設置され、スピーカ装置40cに対応する位置に照明装置50cが設置されている。なお、以下の説明において、特に区別の必要がない場合には、スピーカ装置40a〜cを総称して「スピーカ装置40」といい、照明装置50a〜cを総称して「照明装置50」という。
【0016】
各々のスピーカ装置40と各々の照明装置50には、予め異なるIPアドレスが割り当てられている。図2に示した例では、スピーカ装置40aに「aaa.bbb.10.1」というIPアドレスが割り当てられ、スピーカ装置40bに「aaa.bbb.10.2」というIPアドレスが、スピーカ装置40cに「aaa.bbb.10.3」というIPアドレスが割り当てられている。また、照明装置50aには「aaa.bbb.10.11」というIPアドレスが割り当てられ、照明装置50bには「aaa.bbb.10.12」というIPアドレスが、照明装置50cには「aaa.bbb.10.13」というIPアドレスが割り当てられている。なお、この図では、ひとつの部屋についてのみスピーカ装置40及び照明装置50が設置されている様子が示されているが、他の部屋にも同様に複数のスピーカ装置40と照明装置50とが設置されている。
【0017】
(配信装置10の構成)
次に、図3を参照して、配信装置10の構成について説明する。制御部11は、CPUとメモリとを備え、メモリ又は記憶部13に記憶されているプログラムを読み出して実行することにより、バスを介して配信装置10の各部を制御する。また、この制御部11は、時刻を計測する計時機能を有している。通信部12は、ネットワーク、PLC専用アダプタ30及び電力線を介して接続されたスピーカ装置40と通信を行うためのインタフェースである。記憶部13は、例えばハードディスクであり、制御部11によって実行されるプログラムの他に、複数の楽曲データDと配信テーブルT1とが記憶されている。
【0018】
楽曲データDは、BGMなどの楽曲をスピーカ装置40から放音させるためのデータである。各々の楽曲データDには、その楽曲データDが表す楽曲を識別するための楽曲IDが付加されている。この記憶部13には、例えば「楽曲01」という楽曲を表す楽曲データD、「楽曲02」という楽曲を表す楽曲データD、「楽曲03」という楽曲を表す楽曲データD、「楽曲04」という楽曲を表す楽曲データD及び「楽曲05」という楽曲を表す楽曲データDなどが記憶されている。
【0019】
配信テーブルT1は、記憶部13に記憶されている楽曲データDをスピーカ装置40に配信するためのテーブルである。この配信テーブルT1においては、楽曲データDを配信する時間帯を示す情報と、配信先のスピーカ装置40のIPアドレスと、楽曲IDとが対応付けられている。図4は、配信テーブルT1の一例を示す図である。例えば、「10:00〜11:00」という時間帯においては、図2に示したスピーカ装置40aのIPアドレス「aaa.bbb.10.1」と「楽曲01」、スピーカ装置40bのIPアドレス「aaa.bbb.10.2」と「楽曲01」、及び、スピーカ装置40cのIPアドレス「aaa.bbb.10.3」と「楽曲01」とが対応付けられている。これは、「10:00〜11:00」の時間帯には、スピーカ装置40aのIPアドレス「aaa.bbb.10.1」、スピーカ装置40bのIPアドレス「aaa.bbb.10.2」及びスピーカ装置40cのIPアドレス「aaa.bbb.10.3」宛に、それぞれ「楽曲01」という楽曲を表す楽曲データDが配信されることを表している。
また、「11:00〜11:10」という時間帯においては、スピーカ装置40aのIPアドレス「aaa.bbb.10.1」と「楽曲02」、スピーカ装置40bのIPアドレス「aaa.bbb.10.2」と「楽曲03」、及び、スピーカ装置40cのIPアドレス「aaa.bbb.10.3」と「楽曲03」とが対応付けられている。これは、「11:00〜11:10」の時間帯には、スピーカ装置40aのIPアドレス「aaa.bbb.10.1」宛に、「楽曲02」という楽曲を表す楽曲データDが配信され、さらにスピーカ装置40bのIPアドレス「aaa.bbb.10.2」宛と、スピーカ装置40cのIPアドレス「aaa.bbb.10.3」宛に、それぞれ「楽曲03」という楽曲を表す楽曲データDが配信されることを表している。
【0020】
(関連情報送信装置20の構成)
次に、図5を参照して、関連情報送信装置20の構成について説明する。制御部21は、CPUとメモリとを備え、メモリ又は記憶部23に記憶されているプログラムを読み出して実行することにより、バスを介して関連情報送信装置20の各部を制御する。通信部22は、ネットワーク、PLC専用アダプタ30及び電力線を介して接続された照明装置50と通信を行うためのインタフェースである。記憶部23は、例えばハードディスクであり、制御部21によって実行されるプログラムの他に、関連情報テーブルT2と照明特定テーブルT3とが記憶されている。
【0021】
関連情報テーブルT2は、スピーカ装置40から出力される各々の楽曲を識別する楽曲IDと、その楽曲に関連する楽曲関連情報との対応関係を示すテーブルである。図6は、関連情報テーブルT2の一例を示す図である。この関連情報テーブルT2においては、楽曲関連情報として、楽曲紹介情報と優待情報とが対応付けられている。楽曲紹介情報は、その楽曲がどのような楽曲であるかを紹介するための情報であり、例えば楽曲の曲名、楽曲のアーティスト名、その楽曲が収録されているアルバム名、楽曲が発売される発売日、楽曲を購入する際の定価などの情報である。優待情報は、その楽曲を購入する際に優待を受けるための情報であり、例えば割引券などである。この関連情報テーブルT2においては、「楽曲01」と「楽曲01紹介情報」とが対応付けられ、「楽曲02」と「楽曲02紹介情報」及び「割引券」とが対応付けられ、「楽曲03」と「楽曲03紹介情報」とが対応付けられている。なお、「楽曲01」,「楽曲03」には優待情報が対応付けられていないが、これは、これらの楽曲については優待情報が用意されていないことを表している。
【0022】
照明特定テーブルT3は、各々のスピーカ装置40に対応する位置に設置されている照明装置50を特定するためのテーブルである。この照明特定テーブルT3においては、各々のスピーカ装置40のIPアドレスと、各スピーカ装置40に対応する位置に設置されている照明装置50のIPアドレスとが対応付けられている。図7は、照明特定テーブルT3の一例を示す図である。この照明特定テーブルT3においては、図2に示したスピーカ装置40aのIPアドレス「aaa.bbb.10.1」と照明装置50aのIPアドレス「aaa.bbb.10.11」とが対応付けられ、スピーカ装置40bのIPアドレス「aaa.bbb.10.2」と照明装置50bのIPアドレス「aaa.bbb.10.12」とが対応付けられ、スピーカ装置40cのIPアドレス「aaa.bbb.10.3」と照明装置50cのIPアドレス「aaa.bbb.10.13」とが対応付けられている。これは、スピーカ装置40aに対応する位置に設置されている照明装置50として照明装置50aが特定され、スピーカ装置40bに対応する位置に設置されている照明装置50として照明装置50bが特定され、スピーカ装置40cに対応する位置に設置されている照明装置50として照明装置50cが特定されることを表している。
【0023】
(PLCアダプタの構成)
PLC専用アダプタ30は、配信装置10もしくは関連情報送信装置20、又は、スピーカ装置40もしくは照明装置50から送られてきたデータをPLC(Power Line Communications)方式で転送する。詳細に説明すると、PLC専用アダプタ30は、配信装置10又は関連情報送信装置20からネットワークを介してデータが送られてくると、そのデータを示す信号を商用電力に重畳させて、電力線を介してスピーカ装置40又は照明装置50に供給する。また、PLC専用アダプタ30は、スピーカ装置40又は照明装置50から電力線を介して商用電力が供給されると、その電力に重畳された信号を抽出し、抽出した信号が示すデータをネットワークを介して配信装置10又は関連情報送信装置20に転送する。
【0024】
(スピーカ装置40の構成)
次に、図8を参照して、スピーカ装置40の構成について説明する。なお、スピーカ装置40を構成する各部には電力線からの電力が供給されるが、図においては、図面が煩雑になるのを防ぐため、給電ラインは省略している。通信部41は、電力線を介して供給される商用電力に重畳されたデータを抽出し、そのデータの宛先が自装置のIPアドレスと一致する場合には、抽出したデータを取得し、データバッファ42に供給する。また、この通信部41は、例えば放音した楽曲の楽曲IDなどの情報を商用電力に重畳させて、ネットワークを介して関連情報送信装置20に送信する。データバッファ42は、通信部41から供給されたデータを一時的に記憶し、所定量蓄積してD/A変換部43に供給する。D/A変換部43は、データバッファ42から供給されたデータをアナログ信号に変換して、出力する。オーディオ信号再生部44は、D/A変換部43から出力されるアナログ信号を増幅し、スピーカ45に供給することによってスピーカ45を駆動する。スピーカ45は、オーディオ信号再生部44から供給されるアナログ信号に応じた音を発生する。このようにして、スピーカ装置40は、例えば配信装置10から自装置宛に配信された楽曲データDに応じた楽曲を放音する。
【0025】
(照明装置50の構成)
次に、図9を参照して、照明装置50の構成について説明する。なお、照明装置50を構成する各部には電力線からの電力が供給されるが、図においては給電ラインを省略している。受信部51は、電力線を介して供給される商用電力に重畳されたデータを抽出して、そのデータの宛先が自装置のIPアドレスと一致する場合には、抽出したデータを受信し、変調部52に供給する。変調部52は、受信部51から供給されたデータを表す信号を、光源54に供給する信号に重畳させて、光源制御部53に供給する。光源制御部53は、変調部52から供給された信号に応じて光源54から可視光を照射させる。光源54は、光源制御部53の制御に従って可視光を照射する。例えば、図2に示した照明装置50aの光源54からは図2中の照射範囲Saに光が照射され、照明装置50bの光源54からは照射範囲Sbに光が照射され、照明装置50cの光源54からは照射範囲Scに光が照射される。このようにして、照明装置50は、例えば関連情報送信装置20から自装置宛に送信された楽曲関連情報を表す信号を可視光に重畳して送信する。
【0026】
(受信端末60の構成)
次に、図10を参照して、受信端末60の構成について説明する。制御部61は、CPUとメモリとを備え、メモリ又は記憶部62に記憶されているプログラムを読み出して実行することにより、バスを介して受信端末60の各部を制御する。記憶部62は、例えばハードディスクであり、制御部61によって実行されるプログラムが記憶されている。受光部63は、照明装置50の光源54から照射された可視光を受信して、復調部64に供給する。復調部64は、受光部63によって受信された可視光に乗畳された信号を抽出する。表示部65は、例えば液晶ディスプレイであり、制御部61の制御に従って各種の画像を表示する。操作部66は、例えばキーボードとマウスであり、利用者による操作に応じた操作信号を制御部61に供給する。
【0027】
[動作]
次に、図11を参照して、関連情報送信システム1の動作について説明する。
(楽曲データDの配信)
まず、配信装置10がスピーカ装置40に楽曲データDを配信する動作について説明する。
配信装置10の制御部11は、記憶部13に記憶されている配信テーブルT1に基づいて、記憶部13に記憶されている楽曲データDを、通信部12からスピーカ装置40に配信する(ステップS100)。例えば、図4に示した配信テーブルT1が記憶部13に記憶されている場合、計測していた時刻が11:00になると、制御部11は、「楽曲02」という楽曲を表す楽曲データDを記憶部13から読み出して、「aaa.bbb.10.1」というIPアドレス宛に配信するとともに、「楽曲03」という楽曲を表す楽曲データDを記憶部13から読み出して、「aaa.bbb.10.2」というIPアドレスと「aaa.bbb.10.3」というIPアドレス宛に配信する。配信装置10から配信されたこれらの楽曲データDは、PLC専用アダプタ30によって、商用電力に重畳されて、電力線を介してスピーカ装置40に供給される。
【0028】
スピーカ装置40は、配信装置10から配信されて、PLC専用アダプタ30によって商用電力に重畳されて供給された楽曲データDのうち、自装置宛に配信された楽曲データDを取得する(ステップS110)。詳細に説明すると、スピーカ装置40の通信部41は、PLC専用アダプタ30から供給される商用電力に重畳された楽曲データDを抽出し、抽出した楽曲データDの宛先が、自装置に割り当てられたIPアドレスと一致するか否かを判断する。そして、通信部41は、双方のIPアドレスが一致する場合には、抽出した楽曲データDをデータバッファ42に供給し、双方のIPアドレスが一致しない場合には、抽出した楽曲データDをデータバッファ42に供給せずに破棄する。
【0029】
例えば、上述したように、配信装置10から「aaa.bbb.10.1」というIPアドレス宛に「楽曲02」という楽曲を表す楽曲データDが配信され、さらに「aaa.bbb.10.2」というIPアドレスと「aaa.bbb.10.3」というIPアドレス宛にそれぞれ「楽曲03」という楽曲を表す楽曲データDが配信された場合を想定する。その場合、例えばスピーカ装置40aの通信部41が、PLC専用アダプタ30から供給された商用電力に重畳された「楽曲02」という楽曲を表す楽曲データDを抽出したとすると、この通信部41は、その楽曲データDの宛先「aaa.bbb.10.1」と自装置のIPアドレス「aaa.bbb.10.1」とが一致すると判断し、抽出した楽曲データDをデータバッファ42に供給する。一方、スピーカ装置40aの通信部41が、PLC専用アダプタ30から供給された商用電力に重畳された「楽曲03」という楽曲を表す楽曲データDを抽出したとすると、この通信部41は、その楽曲データDの宛先「aaa.bbb.10.2」,「aaa.bbb.10.3」と自装置のIPアドレス「aaa.bbb.10.1」とが一致しないと判断し、抽出した楽曲データDをデータバッファ42に供給せずに破棄する。
同様にして、スピーカ装置40b,cの通信部41は、PLC専用アダプタ30から供給された商用電力に重畳された「楽曲02」の楽曲データDを抽出すると、抽出した楽曲データDをデータバッファ42に供給せずに破棄する。一方、スピーカ装置40b,cの通信部41は、PLC専用アダプタ30から供給された商用電力に重畳された「楽曲03」という楽曲を表す楽曲データDを抽出すると、抽出した楽曲データDをデータバッファ42に供給する。このようにして、各々のスピーカ装置40は、配信装置10から自装置宛に配信された楽曲データDを取得する。
【0030】
続いて、スピーカ装置40は、取得した楽曲データDに応じた楽曲を放音する(ステップS120)。詳細に説明すると、通信部41によってデータバッファ42に供給された楽曲データDは、所定量蓄積されて、D/A変換部43に供給される。D/A変換部43は、データバッファ42から供給された楽曲データDをアナログ信号であるオーディオ信号に変換し、オーディオ信号再生部44は、D/A変換部43によって変換されたオーディオ信号を所定量増幅させる。そして、スピーカ45は、オーディオ信号再生部44によって増幅されたオーディオ信号に応じた音を発生する。これにより、例えばスピーカ装置40aからは、「楽曲02」という楽曲が放音され、スピーカ装置40b,cのスピーカ45からは、それぞれ「楽曲03」という楽曲が放音される。
【0031】
(楽曲関連情報の送信)
続いて、関連情報送信装置20が照明装置50に楽曲関連情報を送信する動作について説明する。
スピーカ装置40は、ステップS120において楽曲を放音すると、放音した楽曲を識別する楽曲IDと自装置の識別情報とを、通信部41から関連情報送信装置20に送信する(ステップS130)。この処理は、スピーカ装置40が新たな楽曲を放音する度に行われる。この例では、図2に示したスピーカ装置40aから「楽曲02」と「スピーカ装置40a」とが送信され、スピーカ装置40bから「楽曲03」と「スピーカ装置40b」とが送信され、スピーカ装置40cから「楽曲03」と「スピーカ装置40c」とが送信される。
【0032】
スピーカ装置40から楽曲ID及びスピーカ装置の識別情報が送信されてくると、関連情報送信装置20の制御部21は、送信されてきた楽曲ID及びスピーカ装置の識別情報を取得し、記憶部23に記憶されている照明特定テーブルT3に基づいて、取得したスピーカ装置の識別情報が表すスピーカ装置40と対応する位置に設置されている照明装置50を特定する(ステップS140)。例えば、図7に示した照明特定テーブルT3が記憶部23に記憶されている場合、スピーカ装置40aに対応する位置に設置されている照明装置50としては、スピーカ装置40aのIPアドレス「aaa.bbb.10.1」に対応付けられたIPアドレス「aaa.bbb.10.11」が割り当てられた照明装置50aが特定される。同様にして、スピーカ装置40bに対応する位置に設置されている照明装置50としては、照明装置50bのIPアドレス「aaa.bbb.10.2」に対応付けられたIPアドレス「aaa.bbb.10.12」が割り当てられた照明装置50bが特定され、スピーカ装置40cに対応する位置に設置されている照明装置50としては、照明装置50cのIPアドレス「aaa.bbb.10.3」に対応付けられたIPアドレス「aaa.bbb.10.13」が割り当てられた照明装置50cが特定される。
【0033】
続いて、制御部21は、記憶部23に記憶されている関連情報テーブルT2において、スピーカ装置40から取得した楽曲IDと対応付けられている楽曲関連情報を読み出して、そのスピーカ装置40と対応する位置に設置されている照明装置50として特定された照明装置50に送信する(ステップS150)。例えば、図6に示した関連情報テーブルT2が記憶部23に記憶されている場合、スピーカ装置40aから取得した「楽曲02」という楽曲の楽曲関連情報である「楽曲02紹介情報」及び「割引券」が読み出されて、ステップS140においてスピーカ装置40aと対応する位置に設置されている照明装置50として特定された照明装置50aのIPアドレス「aaa.bbb.10.11」宛に送信される。同様にして、スピーカ装置40b,cから取得した「楽曲03」という楽曲の楽曲関連情報である「楽曲03紹介情報」が読み出されて、スピーカ装置40bと対応する位置に設置されている照明装置50として特定された照明装置50bの「aaa.bbb.10.12」宛と、スピーカ装置40cと対応する位置に設置されている照明装置50として特定された照明装置50cのIPアドレス「aaa.bbb.10.13」宛に送信される。配信装置10から送信されたこれらの楽曲関連情報は、PLC専用アダプタ30によって商用電力に重畳されて、電力線を介して照明装置50に供給される。
【0034】
照明装置50は、関連情報送信装置20から送信されて、PLC専用アダプタ30によって商用電力に重畳されて供給された楽曲関連情報のうち、自装置宛に送信された楽曲関連情報を受信する(ステップS160)。詳細に説明すると、照明装置50の受信部51は、PLC専用アダプタ30から供給される商用電力に重畳された楽曲関連情報を抽出し、その楽曲関連情報の宛先が、自装置に割り当てられたIPアドレスと一致するか否かを判断する。そして、受信部51は、双方のIPアドレスが一致する場合には、抽出した楽曲関連情報を変調部52に供給し、双方のIPアドレスが一致しない場合には、抽出した楽曲関連情報を変調部52に供給せずに破棄する。
【0035】
例えば、上述したように、配信装置10から、「aaa.bbb.10.11」というIPアドレス宛に「楽曲02紹介情報」及び「割引券」が送信され、「aaa.bbb.10.12」というIPアドレスと「aaa.bbb.10.13」というIPアドレス宛に「楽曲03紹介情報」が送信された場合を想定する。その場合、例えば、照明装置50aの受信部51が、PLC専用アダプタ30から供給された商用電力に重畳された「楽曲02紹介情報」及び「割引券」を抽出したとすると、この受信部51は、その宛先「aaa.bbb.10.11」と自装置のIPアドレス「aaa.bbb.10.11」とが一致すると判断して、抽出した「楽曲02紹介情報」及び「割引券」を変調部52に供給する。一方、照明装置50aの受信部51が、PLC専用アダプタ30から供給された商用電力に重畳された「楽曲03紹介情報」を抽出したとすると、この受信部51は、その宛先「aaa.bbb.10.12」,「aaa.bbb.10.13」と自装置のIPアドレス「aaa.bbb.10.11」とが一致しないと判断して、抽出した「楽曲03紹介情報」を変調部52に供給せずに破棄する。同様にして、照明装置50b,cの受信部51は、PLC専用アダプタ30から供給された商用電力に重畳された「楽曲02紹介情報」及び「割引券」を抽出すると、抽出したこれらの情報を変調部52に供給せずに破棄する。一方、照明装置50b,cの受信部51は、PLC専用アダプタ30から供給された商用電力に重畳された「楽曲03紹介情報」を抽出すると、抽出したこの情報を変調部52に供給する。このようにして、各々の照明装置50は、関連情報送信装置20から自装置宛に配信された楽曲関連情報を受信する。
【0036】
そして、照明装置50は、受信した楽曲関連情報を表す信号を、光源54から照射される光に乗せて送信する(ステップS170)。詳細に説明すると、照明装置50の変調部52は、受信部51から供給された楽曲関連情報を表す信号を光源54に供給する信号に重畳させて、光源制御部53に供給する。光源制御部53は、変調部52から供給された信号に応じて光源54に光を照射させ、光源54は、光源制御部53の制御に従って光を照射する。このようにして、例えば照明装置50aからは、関連情報送信装置20から送信された「楽曲02紹介情報」及び「割引券」を表す信号が重畳された光が照射され、照明装置50b,cからは、それぞれ「楽曲03紹介情報」を表す信号が重畳された光が照射される。
【0037】
受信端末60は、例えば利用者によって移動されて、照明装置50の照射範囲に移動されると、照明装置50から照射された光を受信して、受信した光から信号を抽出する(ステップS180)。詳細に説明すると、例えば、受信端末60を所持する利用者が図2に示したスピーカ装置40aの近傍で、スピーカ装置40aから放音された「楽曲02」という楽曲を聞いており、この利用者が「楽曲02」という楽曲に関連する楽曲関連情報を得るために照明装置50aの照射範囲Sa内に移動して、照明装置50aから照射された光に受信端末60の受光部63を向けたとする。その場合、受信端末60の受光部63は、照明装置50aから照射された光を受信して復調部64に供給し、復調部64は、受光部63から供給された光に重畳された「楽曲02紹介情報」及び「割引券」を表す信号を抽出する。
【0038】
照明装置50から照射された光を受信してその光の重畳された信号を抽出すると、受信端末60の制御部61は、抽出された信号が表す楽曲関連情報を表示部65に表示させる(ステップS190)。この例では、受信端末60の表示部65には、「楽曲02」という楽曲の楽曲関連情報である「楽曲02紹介情報」及び「割引券」が表示される。これにより、利用者は、スピーカ装置40aから放音された「楽曲02」という楽曲に関連する情報である「楽曲02紹介情報」及び「割引券」を得ることができる。
【0039】
また、例えば、受信端末60を所持する利用者が図2に示したスピーカ装置40bの近傍で、スピーカ装置40bから放音された「楽曲03」という楽曲を聞いており、この利用者が「楽曲03」という楽曲に関連する楽曲関連情報を得るために照明装置50bの照射範囲Sb内に移動して、照明装置50bから照射された光に受信端末60の受光部63を向けたとする。その場合、受信端末60の受光部63は、照明装置50bから照射された光を受信して復調部64に供給し、復調部64は、受光部63から供給された光に重畳された「楽曲03紹介情報」を表す信号を抽出する。そして、制御部61は、抽出された信号が表す「楽曲03紹介情報」を表示部65に表示させる。これにより、利用者は、スピーカ装置40bから放音された「楽曲03」という楽曲に関連する情報である「楽曲03紹介情報」を得ることができる。
【0040】
以上説明した実施形態によれば、スピーカ装置40から放音される楽曲に関連する情報を、そのスピーカ装置40と対応する位置に設けられた照明装置50から送信して、利用者に提供することができる。
【0041】
[変形例]
以上が実施形態の説明であるが、この実施形態の内容は以下のように変形し得る。また、以下の各変形例を適宜組み合わせてもよい。
【0042】
(1)上述した実施形態において、スピーカ装置40は、放音した楽曲を識別する楽曲IDと自装置の識別情報とを関連情報送信装置20に送信していた。これに対し、スピーカ装置40は、楽曲IDに代えて、放音した楽曲の冒頭数秒分の波形データを関連情報送信装置20に送信してもよい。この場合、関連情報送信装置20の制御部21は、記憶部23に予め記憶されている各々の楽曲の冒頭数秒分の波形データとその楽曲の楽曲IDとの対応関係に基づいて、スピーカ装置40から送信されてきた波形データに対応する楽曲IDを特定する。この方法であっても、上述した実施形態と同様の効果が得られる。
【0043】
(2)上述した関連情報テーブルT2においては、楽曲IDと楽曲関連情報とが対応付けられていた。これに対し、例えば楽曲関連情報に楽曲の歌詞を表す情報が含まれている場合には、楽曲IDと楽曲関連情報に加えて、その歌詞の著作権者名が対応付けられていてもよい。この場合、関連情報送信装置20の制御部21は、歌詞を含む楽曲関連情報を送信する度に、その歌詞の著作権者に支払うべき使用料を加算し、著作権者毎の使用料を算出する。そして、制御部21は、著作権者毎に算出した使用料を著作権管理事業者に振り込む決済処理を、所定のタイミングで決済システムに依頼する。これにより、楽曲の関連情報を送信するとともに、著作権者毎の使用料を算出し、その決済処理を依頼することができる。
【0044】
また、上述した関連情報テーブルT2においては、楽曲IDと楽曲関連情報に加えて、送信制限情報が対応付けられていてもよい。この場合、関連情報送信装置20の制御部21は、例えば送信制限情報が「送信禁止」であったときには、スピーカ装置40から楽曲が放音されて、その楽曲の楽曲IDが送信されてきても、スピーカ装置40から放音された楽曲に関連する楽曲関連情報を送信しない。また、関連情報送信装置20の制御部21は、例えば送信制限情報が「曲名、アーティスト名のみ送信許可」であったときには、許可された楽曲関連情報のみを送信する。これにより、関連情報送信装置20から送信される楽曲関連情報に制限をかけることができる。
【0045】
(3)上述した照明特定テーブルT3においては、1台のスピーカ装置40のIPアドレスと1台の照明装置50のIPアドレスとが対応付けられていた。これに対し、1台のスピーカ装置40のIPアドレスと、そのスピーカ装置40の近傍に設置されている複数台の照明装置50のIPアドレスとが対応付けられていてもよい。また、照明特定テーブルT3においては、1台のスピーカ装置40のIPアドレスと、給電レールのIPアドレスとが対応付けられていてもよい。この場合、関連情報送信装置20の制御部21は、その給電レールに設置されている全ての照明装置50に対してIPアドレスの送信を要求し、その要求に応じて送信されてきた全てのIPアドレス宛に楽曲関連情報を送信する。これにより、複数の照明装置50が取り付けられている給電レール毎に楽曲関連情報を送信することができる。
【0046】
また、この照明特定テーブルT3は、関連情報送信装置20の管理者などによって、書き換えられてもよい。この場合、関連情報送信装置20には、管理者による操作を受け付ける操作部と液晶ディスプレイなどの表示部とが設けられ、管理者は、操作部を操作することによって、照明特定テーブルT3を書き換える。例えば火災などが発生し、建物内にいる人を建物外に避難させなければならない状態になった場合には、管理者が、緊急時に避難誘導を行うための「1階に逃げてください」といった音声を放音するスピーカのIPアドレスと、給電レールに接続されている全ての照明装置のIPアドレスとが対応付けられるように、照明特定テーブルT3を書き換える。例えば、関連情報テーブルT2において、「1階に逃げてください」といった音声と、1階に降りるための地図を表す情報とが対応付けられているとすると、建物内の全ての照明装置から、1階に降りるための地図を表す情報を送信させることができる。
【0047】
(4)上述した実施形態においては、スピーカ装置40に楽曲データDを配信する配信装置10を設けていたが、この配信装置10を設けなくてもよい。この場合、スピーカ装置40は、複数の楽曲データを格納する記憶部を備え、この記憶部に格納されている楽曲データDに応じた楽曲を順に放音する。この構成であっても、上述した実施形態と同様の効果が得られる。
【0048】
(5)上述した実施形態では、配信装置10がスピーカ装置40に楽曲データDを配信し、関連情報送信装置20が照明装置50に楽曲関連情報を送信していた。これに対し、関連情報送信装置20が、照明装置50に楽曲関連情報を送信する機能に加えて、スピーカ装置40に楽曲データDを配信する機能を有していてもよい。この場合、関連情報送信装置20は、スピーカ装置40に楽曲データDを配信すると、配信した楽曲データDが表す楽曲の楽曲IDを取得し、取得した楽曲IDに対応する楽曲関連情報を特定する。そして、関連情報送信装置20は、楽曲データDの配信先となるスピーカ装置40と対応する位置に設置されている照明装置50宛に、特定した楽曲関連情報を送信する。この構成であっても、上述した実施形態と同様の効果が得られる。
【0049】
(6)上述した実施形態において、受信端末60の制御部61は、受光した光から抽出した信号が表す楽曲関連情報を表示部65に表示させていた。これに対し、制御部61は、受光した光から抽出した信号が表す楽曲関連情報を記憶部62に記憶させてもよい。また制御部61は、その楽曲関連情報を印刷装置に出力して、印刷させてもよい。要は、受信端末60は、抽出した楽曲関連情報を出力すればよい。
【0050】
(7)上述した実施形態において、照明特定テーブルT3は、予め管理者などによって作成されて記憶部23に記憶されていたが、関連情報送信装置20の制御部21が、所定のタイミングでこの照明特定テーブルT3を作成してもよい。この場合、給電レールに取り付けられたスピーカ装置40及び照明装置50は、給電レール上における自装置の位置を検出して、検出した位置を表す位置情報と自装置のIPアドレスとを関連情報送信装置20に出力する。関連情報送信装置20の制御部21は、スピーカ装置40及び照明装置50から出力された位置情報に基づいて、給電レールに取り付けられたスピーカ装置40と照明装置50の位置を特定し、各々のスピーカ装置40のIPアドレスと、そのスピーカ装置40から所定の範囲内に設置されている照明装置50のIPアドレスとを対応付けて、照明特定テーブルT3を作成する。また、一方の装置の位置が固定されている場合には、関連情報送信装置20の記憶部23に、その装置のIPアドレスと、固定されている位置を表す位置情報とを予め記憶させておき、他方の位置が固定されていない装置の位置情報のみを取得することにより、給電レールに取り付けられたスピーカ装置40と照明装置50の位置を特定し、照明特定テーブルT3を作成してもよい。さらに、上述した所定の範囲は、管理者などによって変更されてもよい。
【0051】
具体的に説明すると、給電レールの内側には、給電レール上の位置を表す位置情報が記憶されたバーコードが所定間隔毎に貼着される。図12は、給電レールの内側に、給電レール上の位置を表す位置情報が記憶されたバーコードが、10cm毎に貼着された例を示す図である。この例では、右端のバーコードには「0cm」という位置情報が記憶されており、その左隣のバーコードには順に「10cm」,「20cm」,…,「90cm」という位置情報が記憶されている。この給電レールに設置されているスピーカ装置40及び照明装置50はそれぞれ、給電レールの内側に貼着されているバーコードを読み取るセンサを備えており、自装置が設置されている位置に貼着されているバーコードを読み取って、給電レール上の位置を表す位置情報と、自装置のIPアドレスとを関連情報送信装置20に出力する。このようにして、関連情報送信装置20には、給電レールに設置されている全てのスピーカ装置40と照明装置50の位置を表す位置情報とIPアドレスとが通知される。
【0052】
関連情報送信装置20の制御部21は、スピーカ装置40及び照明装置50から出力された位置情報に基づいて、各々のスピーカ装置40のIPアドレスと、そのスピーカ装置40の位置から所定範囲内に設置されている照明装置50のIPアドレスとを対応付ける。例えば、図12に示したスピーカ装置40pから「20cm」という位置情報が通知され、スピーカ装置40qから「80cm」という位置情報が通知されたとする。さらに、照明装置50rから「10cm」という位置情報が通知され、照明装置50sから「40cm」という位置情報が、照明装置50tから「70cm」という位置情報が通知されたとする。例えば、所定範囲が左右20cm以内である場合、関連情報送信装置20の制御部21は、スピーカ装置40pのIPアドレスと、スピーカ装置40pの位置から左右20cm以内に位置する照明装置50rのIPアドレス及び照明装置50sのIPアドレスとを対応付ける。同様にして、関連情報送信装置20の制御部21は、スピーカ装置40qのIPアドレスと、スピーカ装置40qの位置から左右20cm以内に位置する照明装置50tのIPアドレスとを対応付ける。このようにして、照明関連情報送信装置20の制御部21は、照明特定テーブルを作成し、作成した照明特定テーブルに基づいて、スピーカ装置40に対応する位置に設置されている照明装置50を特定する。これにより、管理者などが予め照明特定テーブルを作成しておかなくても、スピーカ装置40に対応する位置に設置されている照明装置50と特定することができる。また、この方法によれば、照明装置50やスピーカ装置40が移動されても、各々のスピーカ装置40に対応する位置に設置されている照明装置50を特定することができる。
【0053】
(8)上述した実施形態において、スピーカ装置40からは、BGMなどの楽曲を表す楽曲データDに応じた楽曲が放音されていた。これに対し、例えば、スピーカ装置40及び照明装置50が生鮮食品店内に設置されている場合には、スピーカ装置40から、商品の割引券の配布を告知する音声や楽曲が放音されてもよい。その場合、配信装置10の記憶部13には、上述した楽曲データDに代えて、割引券の配布を予告する音声や楽曲をスピーカ装置40に放音させるためのオーディオデータが記憶される。また、関連情報送信装置20の記憶部23には、楽曲関連情報として、スピーカ装置40から放音される音声や楽曲にて予告された割引券が記憶される。これにより、スピーカ装置40から割引券の配布を告知するための音声や楽曲が放音されると、その告知を聞いてそのスピーカ装置40の周辺に集まった客に対して、スピーカ装置40の近傍に設置された照明装置50から割引券を送信することができる。
【0054】
(9)上述した実施形態では、楽曲関連情報に含まれる全ての情報が、特定された照明装置50に送られていた。これに対し、楽曲関連情報に含まれる情報が、複数の照明装置50に分散されて送られていもよい。例えば、関連情報送信装置20の記憶部23に記憶されている関連情報テーブルT2において、「楽曲01」と、アーティスト名を表す「楽曲01関連情報_01」、歌詞を表す「楽曲01関連情報_02」及び楽曲のエピソードを表す「楽曲01関連情報_03」とが対応付けられており、「楽曲01」という楽曲を表す楽曲データDが配信されたスピーカ装置40に対応する位置に照明装置50x,y,zが設置されている場合、関連情報送信装置20の制御部21は、照明装置50xにアーティスト名を表す「楽曲01関連情報_01」を送信し、照明装置50yに歌詞を表す「楽曲01関連情報_02」を送信し、照明装置50zに楽曲のエピソードを表す「楽曲01関連情報_03」を送信してもよい。この場合、受信端末60の利用者は、スピーカ装置40に対応する位置に設置された照明装置50x,y,zの照射範囲を受信端末60を持ちながら順に巡り、各々の照明装置50から送信される楽曲関連情報を集める。これにより、受信端末60の利用者に対して、単に楽曲関連情報を提供するだけではなく、ゲーム性や競争性を加えた楽曲関連情報の提供を行うことができる。
【0055】
(10)上述した実施形態においては、給電レールに設置されているスピーカ装置40に代えて、表示装置が設置されていてもよい。この場合、配信装置10からは、表示装置に画像を表示させるための画像データが配信され、表示装置は、配信装置10から配信された画像データに応じた画像を表示する。そして、関連情報送信装置20は、表示装置において表示された画像に関連する情報を、その表示装置と対応する位置に設置されている照明装置50に送信する。
要は、配信装置10からは、コンテンツデータが配信されればよく、コンテンツデータとしてはオーディオデータや画像データなど種々のコンテンツの適用が可能である。そして、配信装置10からコンテンツデータが配信される装置は、配信されたコンテンツデータに応じたコンテンツを出力するコンテンツ出力装置であればよく、関連情報送信装置20は、このコンテンツ出力装置から出力されたコンテンツに関連する情報を、そのコンテンツ出力装置と対応する位置に設置されている照明装置50に送信すればよい。
【符号の説明】
【0056】
1…関連情報送信システム、10…配信装置、11…制御部、12…通信部、13…記憶部、D…楽曲データ、T1…配信テーブル、20…関連情報送信装置、21…制御部、22…通信部、23…記憶部、T2…関連情報テーブル、T3…照明特定テーブル、30…PLC専用アダプタ、40…スピーカ装置、41…通信部、42…データバッファ、43…D/A変換部、44…オーディオ信号再生部、45…スピーカ、50…照明装置、51…受信部、52…変調部、53…光源制御部、54…光源、60…受信端末、61…制御部、62…記憶部、63…受光部、64…復調部、65…表示部、66…操作部。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
関連情報送信装置と、複数の照明装置とを備え、
前記関連情報送信装置は、
コンテンツ出力装置から出力される各々のコンテンツを識別するコンテンツ識別情報と、当該コンテンツのそれぞれに関連する複数のコンテンツ関連情報とを対応付けて記憶する記憶手段と、
前記コンテンツ出力装置から出力されたコンテンツを識別するコンテンツ識別情報を取得する識別情報取得手段と、
前記コンテンツ出力装置と対応する位置に設置されている前記複数の照明装置を特定する照明特定手段と、
前記識別情報取得手段によって取得されたコンテンツ識別情報に対応する前記複数のコンテンツ関連情報を前記記憶手段から読み出し、当該読み出した各々のコンテンツ関連情報を前記照明特定手段によって特定されたそれぞれ異なる照明装置宛てに送信する第1の送信手段とを備え、
前記複数の照明装置はそれぞれ、
前記関連情報送信装置の前記第1の送信手段によって自装置宛に送信された前記コンテンツ関連情報を受信する第1の受信手段と、
前記第1の受信手段によって受信された前記コンテンツ関連情報を表す信号を、光源から照射される可視光に乗せて送信する第2の送信手段とを備える
ことを特徴とする関連情報送信システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2012−170138(P2012−170138A)
【公開日】平成24年9月6日(2012.9.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−107582(P2012−107582)
【出願日】平成24年5月9日(2012.5.9)
【分割の表示】特願2007−169615(P2007−169615)の分割
【原出願日】平成19年6月27日(2007.6.27)
【出願人】(000004075)ヤマハ株式会社 (5,930)
【Fターム(参考)】