説明

防振キャビン型作業車両

【課題】特定の条件においてオペレータの耳元に作用する不快な騒音を低減することにより、防振効果を生かしつつ騒音負荷下における作業環境の改善を図ることができる防振キャビン型作業車両を提供する。
【解決手段】防振キャビン型作業車両は、オペレータが着座して各種機器を操作するための操縦座席(16)を備えるキャビン(5)を車両台枠に防振支持するとともに、同キャビン(5)に対して左右非対称に騒音を及ぼす車両構成機器を備えて構成され、上記キャビン(5)の左右側に操縦座席(16)に面してキャビン(5)内の騒音を吸収する左右吸音部(17,17)を形成し、これら両吸音部(17,17)は、左右非対称の特定の音圧分布による騒音の左右の音圧差に相当する吸音特性差を設定したものである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、オペレータ用の操縦座席を備えるキャビンを車両台枠に防振支持した防振キャビン型作業車両に関するものである。
【背景技術】
【0002】
特許文献1に示すように、キャビンの内装面の開口に吸音材を設けて吸音部を形成したキャビン付き作業車両が知られている。この作業車両は、キャビンの両側面に左右対称に吸音部を形成し、内装材と調和させつつ左右同様の吸音特性によってキャビン内の騒音を低減することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2008−260432号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、作業車両の機体中央にキャビンを左右対称に構成し、かつ、キャビン中央に操縦座席を配置し、そのキャビンの内装部に左右対称に吸音部を構成して左右の騒音低減を図っても、走行速度や作業内容等の変動による特定の条件において、キャビン内のオペレータの耳元に残留騒音が作用することがあり、この耳元に作用する残留騒音の不快感を解消することができず、特に、キャビンを車両台枠に防振支持して作業環境の改善を図った防振キャビン型作業車両においては、その防振効果を生かしきれない上に、耳元の残留騒音の増大を招く場合があり、このような問題を解消する方策が待たれていた。
【0005】
本発明の目的は、特定の条件においてオペレータの耳元に作用する不快な残留騒音を低減することにより、防振効果を生かして騒音負荷下における作業環境の改善を図ることができる防振キャビン型作業車両を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1に係る発明は、オペレータが着座して各種機器を操作するための操縦座席を備えるキャビンを車両台枠に防振支持するとともに、同キャビンに対して左右非対称に騒音を及ぼす車両構成機器を備えた防振キャビン型作業車両において、上記キャビンの左右側に操縦座席に面してキャビン内の騒音を吸収する左右吸音部を形成し、これら両吸音部は、左右非対称の特定の音圧分布による騒音の左右の音圧差に相当する吸音特性差を設定してなることを特徴とする。
【0007】
操縦座席に面してキャビンの左右の両側部それぞれに吸音部が形成され、これら吸音部は、左右非対称の特定の音圧分布に合わせて左右それぞれの吸音性能を設定したことから、防振支持されたキャビン内に騒音源機器によって左右非対称の特定の音圧分布の騒音が作用する場合について、左右の音圧差に対応した吸音性能によって消音動作する。
【0008】
請求項2に係る発明は、請求項1の構成において、前記吸音部は、キャビン内に露出して複数個の貫通孔を形成した多孔板と、その背面側を覆う吸音材と、この吸音材の背面側に画成した消音用の背後空気層とからなることを特徴とする。
上記吸音部は、多孔板、吸音材、背後空気層によって構成されることから、そのいずれかの態様の差によって左右で異なる吸音特性が確保される。
【発明の効果】
【0009】
請求項1の発明の作業車両は、操縦座席に面してキャビンの左右の両側部それぞれに吸音部が形成され、これら吸音部は、操縦座席のオペレータの左右それぞれの側方における左右非対称の特定の音圧分布に対応する吸音性能により、車両構成上の左右非対称性に基づくオペレータの耳元騒音の左右差を除去することが可能となり、特に、車両台枠に防振支持されたキャビンに対して左右非対称に騒音源機器による特定の騒音が作用する場合について、左右対称の吸音部によっては解消し得ない特定の左右非対称の不快騒音に悩まされることがなくなり、その結果、防振キャビン型作業車両の特性を生かしてキャビン内のオペレータについてその作業環境を改善することができる。
【0010】
すなわち、機器構成上および機体構成による機器配置上の制約から、作業車両の構成が左右非対称とならざるをえず、その結果、作業条件に応じてキャビンに対して左右非対称に騒音が強く作用することがあるので、左右同等に騒音低減を図っても、特に、キャビンを車両台枠に防振支持して作業環境の改善を図った防振キャビン型作業車両において、キャビン内の特定の音圧分布によって左右に偏った特定の大きな耳元騒音が残留することあり、この耳元残留騒音がオペレータの不快感の原因となることが騒音解析の結果により判明したことから、特定の耳元残留騒音に合わせた吸音特性を左右の吸音部に設定することにより、オペレータが受ける不快感を低減することが可能となる。
【0011】
請求項2の発明の作業車両は、請求項1の効果に加え、上記吸音部(17)は、多孔板(23)、吸音材(24)、背後空気層(A)のいずれかの態様の差によって左右で異なる吸音特性を簡易に設定することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明の適用例であるトラクタの側面図
【図2】キャビンの要部展開斜視図
【図3】ピラーの要部断面図
【図4】キャビン前部の透視斜視図
【図5】キャビンの要部見取図(a)およびフェンダ部の拡大横断面図(b)
【図6】長円形吸音部を形成したキャビンの要部展開斜視図
【図7】ルーフインナーの吸音部の構成例1(a)と構成例2(b)の縦断面図
【図8】トラクタのキャビン内装の見取図
【図9】気柱共鳴吸音機構の要部断面図
【図10】キャビンのフロア構成を表す機体側面図
【図11】キャビンフロアの構成例の平面図
【図12】共鳴吸音機構による吸音材の拡大断面図
【図13】別のキャビンフロアの構成例の平面図
【図14】仕切板による吸音材の拡大断面図
【図15】さらに別のキャビンフロアの構成例の平面図
【図16】多層構造による吸音材の拡大断面図
【発明を実施するための形態】
【0013】
上記技術思想に基づいて具体的に構成された実施の形態について以下に図面を参照しつつ説明する。
図1は、本発明の適用例であるトラクタの側面図である。
トラクタ1は、左右の前後輪2,2、3,3によって圃場を走行可能に支持した台枠4に箱形構成のキャビン5を不図示の弾性支持ブラケットによって防振支持するとともに、ボンネット6a内に収納しているエンジン6と、このエンジン6からの動力を変速して左右前後輪2,2、3,3に伝達する変速伝動機7と、この変速伝動機7から動力を分岐出力するPTOを備えて牽引作業機を昇降可能に連結する昇降ヒッチ8等を台枠4に搭載して構成される。
【0014】
キャビン5は、頂部を覆って閉じるルーフ11と、前方視界を確保するための前窓12と、後方視界を確保するための後窓13と、側方視界を確保可能な左右のドア14b,14bの窓、及び左右後側の側窓14c,14cによって構成されている。前記左右のドア14b,14bと左右の後側の側窓14c,14cとの間は左右のセンターピラー14aが構成されている。キャビン5の底部はステップ(底板)15で閉じて操縦座席16を配置する。また、前窓12の両側端部の左右フロントピラー12a,12aと、後窓13の両側端部の左右リヤピラー13a,13a、及び前記左右のセンターピラー14aとによってルーフ11を支持している。
【0015】
上記キャビン5には、図2のキャビンの要部展開斜視図に示すように、左右のセンターピラー14a,14aおよび左右のリヤピラー13a,13aにそれぞれ特定の吸音特性を有する吸音部17,18を設ける。左右フロントピラー12a,12aに設けてもよい。また、前記ルーフ11の左右に設けるように構成してもよい。
【0016】
各ピラー12a〜14aは、図3の要部断面図に示すように、車室内に開くコの字型断面の縦フレーム21によって構成する。この縦フレーム21には、内装用のカバー22を取付け、このカバー22の一部に開口を形成することによって操縦座席16に面して内装面に開口する凹部を形成し、この凹部開口に複数個の貫通孔を形成した多孔板23をカバー22と一体に、または別体に設け、この多孔板23の背面側に吸音材24を支持して同凹部開口を塞ぐことにより、吸音材24の背面側に消音用の背後空気層Aを画成して上記吸音部17,18を形成する。
【0017】
このような構成による吸音部17,18の吸音特性設定手段として多孔板23および吸音材24をそれぞれ個別に変更可能に構成する。具体的には、カバー22の開口の面積、多孔板23の孔の開口ピッチ、孔径、孔数、開口率等の形態および材質、吸音材24の厚み、空隙率、複層組合せ等を選択可能に構成し、左右耳元騒音値の差異を特徴付ける特定周波数騒音を低減して左右のバランスをとることにより、オペレータに与える不快感を効果的に解消することができる。
【0018】
吸音特性設定手段は、機器構成上および機体構成に伴う機器配置上の制約から、左右非対称に操縦座席16のオペレータに対して作用する各種の機器、例えば、トラクターにおけるエンジン、排気マフラー、油圧機器、伝動変速機およびそれらと連結する操作レバー等から発生する騒音、振動に対応しうる範囲の特性設定幅を確保する。
【0019】
騒音発生源の中でも、図4のキャビン前部の透視斜視図に示すように、キャビン5の前部で幅広い回転数範囲を有するエンジン6から連通する排気マフラー31と、前方視界を確保するためにピラー12aに接して立上がるテールパイプ32は、作業内容に応じて変動する特定の音圧分布による1〜2dbに及ぶ左右差を耳元に生じさせることがあり、また、図5のキャビンの要部見取図(a)に示すように、キャビン内に配置された各種操作具を介して伝達される機器の振動が左右差の原因となり、中でも、図5のフェンダ部の拡大横断面図(b)に示すように、操縦座席16の側方のキャビン構成部材であるフェンダ33に支持した作業機昇降操作レバー34の昇降操作位置により伝達される特定の振動等が左右差の原因となってキャビン5の内部で片側に偏在する騒音を生じることがあり、その他、キャビン5の構成部材の下方に接地された油圧機器にからも偏在する騒音を生じることがあり、このような作業条件によって左右非対称に作用する特定の騒音に対応できるように、幅広い特性範囲について設定可能に構成する。
【0020】
上記構成による作業車両は、操縦座席16に面してキャビン5の左右の両側部それぞれに吸音部17,18を形成し、これら吸音部17,18は、左右それぞれが吸音特性設定手段としての多孔板23および吸音材24と背後空気層Aとによってそれぞれの側の吸音性能を個別設定可能に構成することにより、防振支持されたキャビン5に対して車両構成上の左右非対称性に基づく特定の騒音が作用する場合について、それぞれの側の吸音特性の設定により、操縦座席16に着座したオペレータに作用する特定の耳元騒音の左右の差異を除去することが可能となるので、防振キャビン型作業車両の特性を生かしつつ、不快な特定の片側残留騒音に悩まされることがなくなり、その結果、キャビン内の作業環境を効果的に改善することができる。
【0021】
(キャビンルーフ)
次に、キャビンルーフ11に吸音部を構成する例について説明する。この場合は、キャビンルーフ11のルーフインナーに、操縦座席16に着座したオペレータの頭部近傍に臨んで、その左右位置で吸音特性を個々に設定可能に左右の吸音部を構成する。具体的な構成としては、ルーフインナーに形成した左右同一の円形開口によって左右に分離して吸音部を個々に構成し、また、図6のキャビンの要部展開斜視図に示すように、ルーフインナーに左右に延びる長円形の開口によって左右の吸音特性を個々に設定可能に吸音部41を構成する。
【0022】
その内部構成は、図7の構成例1の縦断面図(a)に示すように、ルーフインナー部材42に形成した左右に延びる長円形の開口に一体または別体に多孔板43を設け、その背面に吸音材44を支持し、多孔板43は左右の端部を貫通孔の開口率が大なる大開口率部43a,43b、中央部を開口率が小または無孔の小開口率部43cとして、左右の大開口率部43a,43bの範囲を左右で個別に設定し、または、孔径、吸音材44の厚さ、空隙率等の吸音特性を左右個別に設定することで、オペレータの耳元騒音の左右差に対応させることにより、前記同様の効果を得ることができる。その他、図7の構成例2の縦断面図(b)に示すように、左右の大開口率部43a,43bを覆って左右の吸音材44a,44bを個別に厚さ設定可能に構成することにより、上記同様の効果を得ることができる。
【0023】
(気柱共鳴吸音機構)
次に、気柱共鳴吸音機構による構成例について説明する。
図8のトラクタのキャビン内装の見取図に示すように、操縦座席16の両側の後部フェンダの内装部に略左右対称位置に気柱共鳴吸音機構による左右の吸音部51,51を構成する。気柱共鳴吸音機構による吸音部51は、図9の要部断面図に示すように、室内側に開口する小孔Bと連通する閉空洞部Cを内装部に画成して構成する。この吸音部51は、室内側から音波が小孔Bに進入することによって小孔Bの空気が振動し、閉空洞部Cの空気が圧縮と膨張を繰り返し、その間に壁面等の粘性抵抗により音波が減衰して吸収され、その吸音特性は、小孔Bの面積、高さ、あるいは小孔Bのの壁面の粗さ、閉空洞部Cの容量や内部の吸音性能によって定まることから、いずれかを変更することにより広い範囲に及ぶ吸音特性の設定が可能となる。
【0024】
このようにして、後部フェンダの内装部の左右の吸音部51,51の吸音特性を前記同様に個別に設定することにより、前記同様の効果を得ることできる。また、ルーフインナー部に左右の吸音部52,52を設け、さらに、センターピラーやリヤピラーに設ける場合を含め、前記同様の効果を得ることできる。
【0025】
(キャビンフロア)
次に、キャビンフロアに吸音部を構成する例について説明する。
キャビンは、図10のフロア構成を表す機体側面図に示すように、フロアを構成する底板15の足下部分に、吸音特性を設定可能な吸音材61とその上に重ねたフロアマット62とを設け、吸音材61の吸音特性を左右に分けて設定変更可能に構成する。
【0026】
具体的なキャビンフロアの構成は、図11の例の平面図に示すように、吸音材61には2つの吸音部63,63を形成し、これら2つの吸音部63,63をキャビンフロアのセンターラインDについて左右に分けて底板15上に配置し、その上にフロアマット62を重ねて設ける。
【0027】
吸音材61の各吸音部63は、図12の共鳴吸音機構による吸音材の拡大断面図に示すように、下層61a、中層61b、上層61cの吸音板によって3層に構成し、下層61aには小径円孔E、中層61bには小径円孔Eと同心の空洞部Fとなる大径円孔を形成することによって共鳴吸音機構を構成する。この吸音材61の下層61aの側を底板15に接し、上層61cの側にフロアマット62を重ね、必要によりフロアマット62の下に遮音材64を介設する。
【0028】
上記吸音材61によってキャビンフロアを構成することにより、キャビン5の底部構造部材である底板15からの進入騒音が左右の吸音部63,63によって吸音され、その小径円孔Eや空洞部Fの容積を左右個別に設定してそれぞれの吸音特性を左右進入騒音の周波数に対応させることで、特開2008−265374号公報に記載の左右対称位置の付加質量体によって床板の振動を左右同等に抑える公知技術によっては解消し得ない騒音の左右の差異を除去することができるので、オペレータの不快感を低減することができる。
【0029】
また、別の吸音材65によるキャビンフロアについて説明すると、図13の構成例の平面図に示すように、吸音材65には複数の吸音部66…を形成し、これら複数の吸音部66…をキャビンフロアのセンターラインDについて左右に分けて底板15上に配置し、その上にフロアマット62を重ねて設ける。
【0030】
吸音材65の各吸音部66は、図14の仕切板による吸音材の拡大断面図に示すように、上下の吸音板65a,65aと中間の仕切板65bとによって3層に構成し、仕切板65bには円孔Gを形成することによって孔付き仕切板吸音機構を構成する。この吸音材65を底板15に接し、その側にフロアマット62を重ね、必要によりフロアマット62の下に遮音材64を介設する。
【0031】
上記吸音材65によってキャビンフロアを構成することにより、キャビン5の底部構造部材である底板15からの進入騒音が左右の吸音部66…によって吸音され、その小径円孔Eや空洞部Fの容積を左右個別に設定してそれぞれの吸音特性を左右進入騒音の周波数に対応させることで、進入騒音の左右の差異を除去することができるので、オペレータの不快感を低減することができる。
【0032】
さらに別の吸音材67によるキャビンフロアについて説明すると、図15の構成例の平面図に示すように、左右の吸音材67,67にはそれぞれの全体を吸音部としてキャビンフロアのセンターラインDについて左右に分けて底板15上に配置し、その上にフロアマット62を重ね、必要によりフロアマット62の下に遮音材64を介設する。
【0033】
吸音材67は、図16の多層構造による吸音材の拡大断面図に示すように、上下の吸音板67a,67aと中間の接着層67bとによって3層に構成する。この吸音材67によってキャビンフロアを構成することにより、キャビン5の底部構造部材である底板15からの進入騒音が左右の吸音材67,67によって吸音され、吸音板67aの通気性能に関する特性値(かさ密度、空隙率、積層数)を左右個別に設定してそれぞれの吸音特性を左右進入騒音の周波数に対応させることで、進入騒音の左右の差異を除去することができるので、オペレータの不快感を低減することができる。
【符号の説明】
【0034】
1 トラクタ(防振キャビン型作業車両)
4 台枠
5 キャビン
11 キャビンルーフ
12 前窓
12a フロントピラー
13 後窓
13a リヤピラー
14a センターピラー
14b ドア
14c 側窓
15 底板
16 操縦座席
17 吸音部
18 吸音部
21 縦フレーム
22 カバー
23 多孔板
24 吸音材
41 吸音部
42 ルーフインナー部材
44 吸音材
44a 吸音材
44b 吸音材
51 吸音部
52 吸音部
61 吸音材
61a 下層
61b 中層
61c 上層
62 フロアマット
63 吸音部
64 遮音材
65 吸音材
65a 吸音板
65b 仕切板
66 吸音部
67 吸音材
67a 吸音板
67b 接着層
A 背後空気層
B 小孔
C 閉空洞部
D センターライン
E 小径円孔
F 空洞部
G 円孔

【特許請求の範囲】
【請求項1】
オペレータが着座して各種機器を操作するための操縦座席(16)を備えるキャビン(5)を車両台枠に防振支持するとともに、同キャビン(5)に対して左右非対称に騒音を及ぼす車両構成機器を備えた防振キャビン型作業車両において、
上記キャビン(5)の左右側に操縦座席(16)に面してキャビン(5)内の騒音を吸収する左右吸音部(17,17)を形成し、これら両吸音部(17,17)は、左右非対称の特定の音圧分布による騒音の左右の音圧差に相当する吸音特性差を設定してなることを特徴とする防振キャビン型作業車両。
【請求項2】
前記吸音部(17)は、キャビン(5)内に露出して複数個の貫通孔を形成した多孔板(23)と、その背面側を覆う吸音材(24)と、この吸音材(24)の背面側に画成した消音用の背後空気層(A)とからなることを特徴とする請求項1記載の防振キャビン型作業車両。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【公開番号】特開2011−111103(P2011−111103A)
【公開日】平成23年6月9日(2011.6.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−271285(P2009−271285)
【出願日】平成21年11月30日(2009.11.30)
【出願人】(000000125)井関農機株式会社 (3,813)
【Fターム(参考)】