説明

防振器用試験装置

【課題】 防振器の試験中の過大な荷重を逃がし、防振器や試験装置の破損を未然に防止する防振器用の試験装置を提供する。
【解決手段】 試験装置1の本体3には、防振器駆動用のパワーシリンダ6と、このパワーシリンダ6のロッドに駆動ユニット7を介して固定される油圧シリンダ9と、油圧シリンダ9のロッド9bに結合するロードセル13と、防振器Sの第1の支持部材S1を連結するアタッチメント17を固定したチャック筒16とを具備する。油圧シリンダ9を含む油圧制御回路25は、油圧シリンダ9の二つの油室9c,9d間を開閉する電磁弁26を有し、パワーシリンダ6から防振器Sへの過大な荷重を逃がす。また、油圧制御回路25には、油圧シリンダ9の油室9c,9dにそれぞれチェック弁27を介してオイルリザーバ28を接続し、油室9c,9dとオイルリザーバ28との間に油圧シリンダ9の油圧を一定圧以下に調圧するリリーフ弁29を設けた。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、発電所や化学プラント等において、配管と構築物との間等に介設される防振器の作動試験に用いられる試験装置に関し、特に防振器の試験中に過負荷による当該防振器や試験装置の破損を防止できるものである。
【背景技術】
【0002】
相対的に伸縮可能に結合する第1,第2の支持部材が支持体と被支持体に夫々連結され、第1の支持部材と第2の支持部材との軸線方向の低加速度的な伸縮変位を許容し、かつ高加速度的な伸縮変位を抑制する防振器がある。従来、この種の防振器の適正な防振動作を検査して性能を確認するための試験装置が特許文献1に記載されている。この試験装置は、第1の支持部材と第2の支持部材との間に装着して、一方の支持部材を往復動させて防振器を伸縮駆動する。試験装置は、第1の支持部材に固定されたケースに、第1,第2の支持部材の軸線と平行にねじ棒を回転自在に支持し、その端部にエンコーダ付きのモータの軸を結合している。ねじ棒にはナットが螺合し、このナットに軸線方向に移動自在の摺動杆を固定している。摺動杆は、ロードセルを介して防振器の第2の支持部材に連結する。モータでねじ棒を回転駆動すると、ねじ棒上をナットが相対移動し、これと共にケースに対して摺動杆が移動して、防振器を伸縮動させる。このとき第1の支持部材と第2の支持部材との伸縮速度をエンコーダにより検知し、また伸縮時の荷重をロードセルによって検知し、出力装置に記録、出力している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平6−94582号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記従来の試験装置は、ロードセルの所定の測定レンジ内で試験を行っているが、防振器のブレーキ用固定ねじの解除の失念、伸縮ストロークの誤設定、防振器に内蔵のボールねじ部のかじり等があると、ストロークエンド等となり過負荷が発生してしまい、定格容量を超える過大な荷重が加わって、防振器や試験装置を破損させるおそれがある。
そこで、本発明は、防振器の試験中に過大な荷重の発生を抑え、防振器や試験装置の破損を未然に防止する試験装置を提供することを課題としている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明においては、上記課題を解決するため、所定位置に固定した防振器Sを防振方向に伸縮駆動するパワーシリンダ6と防振器Sとの間に、パワーシリンダ6から防振器Sへの荷重を検出して出力装置に出力するロードセル13を備え、パワーシリンダ6に、その駆動により防振器Sへの荷重を伝達するように直線的に移動可能な駆動ユニット7を結合し、ロードセル13の前方又は後方に、前記駆動ユニットから前記防振器への荷重を伝達する一方、所定の荷重に達したら伸縮して荷重を抑制するバッファユニット8を設けた。
バッファユニット8には、駆動ユニット7の駆動方向に伸縮可能な油圧シリンダ9を備え、ロードセル13が所定の荷重を検知すると、油圧シリンダを伸縮させるように制御する油圧制御回路25を接続した。
油圧制御回路25には、油圧シリンダ9のピストンに隔てられた二つの油室9c,9d間を連通させる油通路上に、ロードセル13により所定の荷重が検出されると開放して両油室9c,9dを連通させる電磁弁26を設けた。
油圧制御回路25には、油圧シリンダ9のピストンに隔てられた二つの油室9c,9dにそれぞれチェック弁27を介して通じるオイルリザーバ28と、油圧シリンダ9の油圧を一定圧以下に調圧するために油室9c,9dとオイルリザーバ28との間を開閉するリリーフ弁29とを設けた。
リリーフ弁29は、電磁弁26の動作不能時に補助的に動作させる。
リリーフ弁29には、複数のロードセル13のうち選択した一つに対応するリリーフ弁29を動作させるように、それが介在する油通路を開放する電磁切替弁30を設けた。
駆動ユニット7及びバッファユニット8に、油圧シリンダ9のロッド9aの移動方向に対向する一対のブラケット19,20をそれぞれ設け、一方のブラケット19に回転自在にハンドル付きねじ棒21を支持し、このねじ棒21にねじ筒22を螺合させ、他方のブラケット20にねじ棒21の長さ方向に摺動自在に支持させ、他方のブラケット20とねじ筒22とを軸線方向に固定・解除可能に係合するロック部材23を設け、電磁弁26を開放した状態で、ねじ棒21を回転させて油圧シリンダ9のピストン9aをストロークの中間位置に復帰させるように調整する。
【発明の効果】
【0006】
本発明においては、油圧制御回路により油圧シリンダの油圧を制御して、パワーシリンダから防振器への過大な荷重を防止することができ、防振器や試験装置の破損を防ぐことができるという効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】本発明に係る試験装置の側面図である。
【図2】本体の側面図である。
【図3】本体の平面図である。
【図4】本体の正面図である。
【図5】駆動ユニット、バッファユニット及びロードセルユニットの側面図である。
【図6】図2のVI−VI線矢視図である。
【図7】図2のVII−VII線矢視図である。
【図8】ロードセルユニットの斜視図である。
【図9】油圧制御回路の構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
図について本発明の実施の一形態を説明する。
図1において、試験装置1に取り付けられる試験対象の防振器Sは、直線的に相対変位して伸縮可能な第1の支持部材S1と第2の支持部材S2とを備え、何れか一方の支持部材を構築物のような支持体に、他方を配管のような被支持体に夫々連結して用いる。第1の支持部材S1には、第2の支持部材S2の軸線方向の低加速度的な相対的直線運動を許容するが、高加速度的な直線運動を抑制する公知の緩衝機構(図示せず)が内蔵されている。
【0009】
試験装置1は、架台2a上に固定された本体3と、架台2aに連結可能な他の架台2b上に固定された固定機構4とを具備する。本体3は防振器Sの第1の支持部材S1に結合し、固定機構4は防振器Sの第2の支持部材S2を固定する。架台2a,2bはキャスターと、高さ位置を調整するレベルアジャスタ5をそれぞれ有する。
【0010】
図2ないし図4に示すように、本体3は、架台2a内に固定されたパワーシリンダ6と、パワーシリンダ6のロッド6aに結合してロッド6aの移動方向(以下「前後方向」という)に架台2a上を摺動自在にガイドされる駆動ユニット7と、この駆動ユニット7に前後方向に摺動自在に係合するバッファユニット8とを備えている。パワーシリンダ6は、防振器Sの第1の支持部材S1を前後方向に駆動して防振器Sに荷重をかけるものである。
図5に示すように、駆動ユニット7は、前方(固定機構4側)に開放した前後に長い直方形状の箱形を成す。駆動ユニット7の内側上面には前後方向のスライドブロック7aが、また内側下面には前後方向のスライドレール7bがそれぞれ横に並んで二本設けられている。バッファユニット8は、両側部が開放した直方形状の箱形を成し、上面に駆動ユニット7のスライドブロック7aに嵌合する前後方向のスライドレールブロック8aを、また下面に駆動ユニット7のスライドレール7bに嵌合する前後方向のスライドブロック8bをそれぞれ有して、駆動ユニット7の前方から出入り自在に挿入されている。バッファユニット8の上下の内側面には、パワーシリンダ6のロッド6aの移動方向と直交する方向(以下「横方向」という)のスライドレール8cを有する。
【0011】
バッファユニット8には両ロッド型ピストンの油圧シリンダ9を備えている。油圧シリンダ9は駆動ユニット7内に固定されており、一方のロッド9aが油圧シリンダ9の一端から突出して終結し、他方のロッド9bには、前方が上下に張り出した断面凸状のジョイント11が固定されている。
【0012】
バッファユニット8の内部には、図6,図7に示すように、横方向に摺動自在にロードセルユニット12が嵌合する。ロードセルユニット12は、図7に示すように、直方形状の箱型を成し、上下面にバッファユニット8のスライドレール8cに嵌合してロードセルユニット12の移動をガイドする前後方向のスライド溝12aを有する。ロードセルユニット12の内部には測定レンジの異なる二つのロードセル13が横方向に並んで固定される。ロードセルユニット12の後方には、ロードセル13から突出して、油圧シリンダ9のジョイント11と横方向に嵌合して前後方向に結合する断面C字状のジョイント受け14を備えている。ジョイント11とジョイント受け14はロードセルユニット12の横方向の位置を適宜変更することにより択一的にロードセル13を油圧シリンダ9のロッド9bに結合する。ロードセル13は油圧シリンダ9の他方のロッド9bと防振器Sとの間に介在し、パワーシリンダ6を前後方向に駆動して防振器Sに荷重をかけ、この荷重を検出するものである。
【0013】
バッファユニット8の前方には、円柱状の支持杆15を介してチャック筒16が固定されている。チャック筒16は、固定機構4に固定された防振器Sの第1の支持部材S1を連結するためのアタッチメント17を固定する。アタッチメント17は、リング状鍔を有する円盤状基部から対向一対のブラケット片が立ち上がっており、防振器Sの第1支持部材S1先端部の引き手がブラケット片の間に配置されピンを貫通させて連結する。チャック筒16は、前後方向の軸線を持つ円筒状をなし、上下に分離可能な半部16aがボルト止めされる。半部16aの内周面には、前方にアタッチメント17が嵌合してリング状鍔を受ける環状溝16bをそれぞれ有する。アタッチメント17は防振器Sに応じて大きさの異なるものが用意される。
【0014】
駆動ユニット7及びバッファユニット8上には、油圧シリンダ9のピストンをストローク中央位置に合わせるための位置調整機構18を備えている。位置調整機構18は、駆動ユニット7の上部及びバッファユニット8の前方上部に相対向して立ち上がった一対の支持ブラケット19,20と、支持ブラケット19,20に支持されるハンドル21a付きのねじ棒21と、ねじ棒21に螺合するねじ筒22と、支持ブラケット20にねじ筒22を固定するロック部材であるロックねじ23aとを具備する。ねじ棒21は、一端部に結合するハンドル21aにより手動回転させることができる。ブラケット19はねじ棒21の一端部を回転自在に支持する。ブラケット20は、ねじ棒21の他端部に螺合するねじ筒22を挿通させる孔から上方に連続する割20aを有し、ねじ筒22を軸線方向に移動自由に支持する。ロックねじ23aは、ブラケット20に横方向に螺挿され、その先端がブラケット20に付設されたリミットスイッチ23bに接触してONする。ロックねじ23aを回転させるとブラケット20の割20aが狭められてねじ筒22を締め付け、ねじ筒22がブラケット20と一体となる。この状態で、ねじ棒21を手動回転させると、ねじ筒22と共にブラケット20がブラケット19と相対的に移動し、油圧シリンダ9のピストンの位置を調整できる。油圧シリンダ9のピストンのストローク中間位置に対応する駆動ユニット7及びバッファユニット8の前後方向の特定位置には位置決め用の目印24a,24bが付けられている。
【0015】
図9に示す油圧シリンダ9を含む油圧制御回路25は、パワーシリンダ6から防振器Sへの過大な荷重を抑制するものである。油圧制御回路25は、油圧シリンダ9のピストンに隔てられた二つの油室9c,9dを連通させる油通路上に、ロードセル13により所定の設定荷重が検出されると開放して両油室9c,9d間を連通させる電磁弁26を備えている。この電磁弁26は、油圧シリンダ9のピストンをストローク中間位置に復帰させるために、二つの油室9c,9dを連通させる働きも有する。また、油圧制御回路25には、油圧シリンダ9の二つの油室9c,9dにそれぞれチェック弁27を介して通じるオイルリザーバ28と、油圧シリンダ9の油圧が所定の設定値に達すると油室9c(9d)とオイルリザーバ28との間を開閉して一定圧以下に調圧するリリーフ弁29とを具備する。リリーフ弁29は、電磁弁26の動作不能時にこれに代わって補助的に動作する。リリーフ弁29には、選択されたロードセル13の測定レンジに対応する制限圧を設定するように、それが介在する油通路を開閉する電磁切替弁30が設けられる。電磁切替弁30はロードセル13の選択により自動的に切り替わる。
【0016】
駆動ユニット7の後部には、駆動動作及び測定データを収集するように制御する制御盤31とタッチパネル式の操作盤32を備えている。
【0017】
固定機構4は、試験装置1の架台2aに連結可能なキャスター付きの架台2b上に設けられる。架台2bは下部に高さ位置を調整するレベルアジャスタ5を有する。固定機構4は、試験装置1の本体3の引き手7の延長線上に軸線を一致させて防振器Sを固定する。
【0018】
この試験装置1は、固定機構4に固定する防振器Sの軸線と試験装置1の本体3のチャック筒15の軸線とを一致させるように架台2aと架台2bとを並べ置いて、必要に応じてレベルアジャスタ5で高さ位置を調整してからボルトで結合する。試験装置1は、固定機構4により防振器Sの第2の支持部材S2を固定し、本体3のチャック筒16のアタッチメント17を防振器Sの第1の支持部材S1の引き手に連結する。この試験装置1の本体3は、固定機構4に固定した防振器Sをパワーシリンダ6により伸縮駆動して荷重をかける。パワーシリンダ6のロッド6aと共に駆動ユニット7が移動すると、油圧シリンダ9の他方のロッド9bを介して結合するロードセル13が防振器Sの荷重に関する測定データを制御盤31に出力する。
【0019】
ロードセル13は防振器Sの容量に応じて大小2種類の測定レンジのものが用意されているので、これらを適宜変更できる。すなわち、バッファユニット8内でロードセルユニット12をスライドレール12aとスライド溝8cに沿って横方向にスライドさせ、一つのロードセル13から位置を選択して油圧シリンダ9のロッド9bに結合させる。結合位置はリミットスイッチで検出して位置合わせできる。ロードセル13のジョイント受け14には、横方向からジョイント11が嵌合するので、ロードセル13を選択自在に油圧シリンダ9のロッド9bに結合できる。
【0020】
試験装置1による防振器Sの試験中に、定格容量を超える過大な荷重が加わると、油圧制御回路25により油圧シリンダ9の油圧を制御するので、パワーシリンダ6から防振器Sへ定格容量以上の荷重がかかならない。すなわち、油圧制御回路25は、ロードセル13により所定の設定荷重が検出されると、電磁弁26が開放して油圧シリンダ9の二つの油室9c,9d間が連通し、作動油が流通するので、ロッド9bが移動でき、パワーシリンダ6から防振器Sへの荷重を逃がす。もし、電磁弁26が何らかの原因で動作しない場合には、所定の動作圧に達したら、リリーフ弁29が油室9c(9d)とオイルリザーバ28との間を開いて一定圧以下に調圧するので、パワーシリンダ6から防振器Sへの荷重を逃がす。なお、測定レンジの小さいほうのロードセル13が選択された場合に、電磁切替弁30が開放して動作圧の小さいリリーフ弁29に自動的に切り替わる。
【0021】
上記のように、油圧制御回路25が働いて油圧シリンダ9のピストンがストローク中央位置からずれると、油圧シリンダ9のピストンのストロークが短くなるので、位置調整機構18で油圧シリンダ9のピストンをストローク中央位置に調整する。ブラケット20にねじ筒22を固定する螺挿深さでロックねじ23aの先端がリミットスイッチ23bに当接してリミットスイッチ23bがONすると、油圧制御回路25の電磁弁26が開放するから、油圧シリンダ9のピストンはフリーになる。ロックねじ23aでブラケット20にねじ筒22を固定してから、ハンドルでねじ棒21を手動回転させると、ねじ筒22と共にブラケット20がバッファユニット8を伴って相対移動する。従って、駆動ユニット7及びバッファユニット8の目印24a,24bを合致させるように位置調整すれば、油圧シリンダ9のピストンをストローク中央位置に戻すことができる。ロックねじ23aを緩めてブラケット20からねじ筒22を解放すれば、バッファユニット8と駆動ユニット7とが油圧シリンダ9及びロードセル13を介して結合するので、試験を行うことができる。
【産業上の利用可能性】
【0022】
本発明は、伸縮する防振器及びその作動試験に用いる試験装置に過大な荷重がかかるのを防止することに有効である。
【符号の説明】
【0023】
1 試験装置
3 本体
4 固定機構
6 パワーシリンダ
6a ロッド
7 駆動ユニット
8 バッファユニット
9 油圧シリンダ
9b ロッド
9c 油室
9d 油室
11 ジョイント
12 ロードセルユニット
13 ロードセル
14 ジョイント受け
18 位置調整機構
19 支持ブラケット
20 支持ブラケット
21 ねじ棒
22 ねじ筒
23 ロック部材
24a 位置決め用目印
24b 位置決め用目印
25 油圧制御回路
26 電磁弁
27 チェック弁
28 オイルリザーバ
29 リリーフ弁
30 電磁切替弁
31 制御盤
32 操作盤
S 防振器
S1 第1の支持部材
S2 第2の支持部材

【特許請求の範囲】
【請求項1】
支持体と被支持体との間に連結され、両者間の相対的な変位態様に応じて軸線方向の伸縮動作を制御して変位を許容・抑制する防振器の動作確認を行うための試験装置であって、
所定位置に固定した前記防振器を防振方向に伸縮駆動するパワーシリンダと、
前記駆動装置から防振器への荷重を検出して出力装置に出力するロードセルとを備えたものにおいて、
前記パワーシリンダに結合され、パワーシリンダの駆動により前記防振器への荷重を伝達するように直線的に移動可能な駆動ユニットと、
前記ロードセルの前方又は後方に設けられ、前記駆動ユニットから前記防振器への荷重を伝達する一方、所定の荷重に達したら伸縮して荷重を抑制するバッファユニットとを具備することを特徴とする防振器の試験装置。
【請求項2】
前記バッファユニットは、前記駆動ユニットの駆動方向に伸縮可能な油圧シリンダと、
この油圧シリンダが所定の油圧に達すると、油圧シリンダを伸縮させるように制御する油圧制御回路とを具備することを特徴とする請求項1に記載の防振器の試験装置。
【請求項3】
前記油圧制御回路には、前記油圧シリンダのピストンに隔てられた二つの油室を連通させる油通路上に、前記ロードセルにより所定の荷重が検出されると開放して両油室を連通させる電磁弁を具備することを特徴とする請求項2に記載の防振器用試験装置。
【請求項4】
前記油圧制御回路には、前記油圧シリンダのピストンに隔てられた二つの油室にそれぞれチェック弁を介して通じるオイルリザーバと、
前記油圧シリンダの油圧を一定に保持するために油室とオイルリザーバとの間を開閉するリリーフ弁とを具備することを特徴とする請求項2に記載の防振器用試験装置。
【請求項5】
請求項3に記載の電磁弁と請求項4に記載のリリーフ弁とを備え、電磁弁の動作不能時にリリーフ弁が補助的に動作することを特徴とする請求項2に記載の防振器用試験装置。
【請求項6】
前記リリーフ弁には、複数の前記ロードセルのうち選択した一つに対応するリリーフ弁を動作させるように、それが介在する油通路を開放する電磁切替弁を具備することを特徴とする請求項4又は5に記載の防振器用試験装置。
【請求項7】
前記駆動ユニット及び前記バッファユニットにそれぞれ設けられ、前記油圧シリンダのロッドの移動方向に対向する一対のブラケットと、
一方のブラケットに回転自在に支持されるハンドル付きねじ棒と、
このねじ棒に螺合し、他方のブラケットにねじ棒の長さ方向に摺動自在に支持されるねじ筒と、
前記他方のブラケットとねじ筒とを軸線方向に固定・解除可能に係合するロック部材とを具備し、
前記電磁弁を開放した状態で、前記ねじ棒を回転させて前記油圧シリンダのピストンをストロークの中間位置に調整できることを特徴とする請求項3に記載の防振器用試験装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2010−237159(P2010−237159A)
【公開日】平成22年10月21日(2010.10.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−87810(P2009−87810)
【出願日】平成21年3月31日(2009.3.31)
【出願人】(000001890)三和テッキ株式会社 (134)
【Fターム(参考)】