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防水コーティング剤組成物及びその製造方法
説明

防水コーティング剤組成物及びその製造方法

【課題】染料の移転による布帛の汚染、変色を防止することができる防水コーティング剤組成物及びその製造方法を提供することを目的とする。
【解決手段】ポリアクリレート、ポリウレタン及びポリシロキサンから選ばれた少なくとも1種を主剤とし、架橋剤、触媒、増粘剤及び水から選ばれた少なくとも1種を補助剤としてなった防水コーティング剤組成物において、前記主剤100重量部に対し、更に0.08〜0.5重量部のアルカリを含有した防水のコーティング剤組成物を提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、防水コーティング剤組成物及びその製造方法に関し、特に、染料移転による布帛の変色を防止することができる防水コーティング剤組成物及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、布帛に対する耐水性を付与加工は、まず、加工中の水分混入を防止するために、染色された布帛の両面に通常の撥水剤(例えば、パーフルオル−アルキル系化合物)を含浸させ、そして布帛の内表面に防水コーティング剤を塗布することで行う。
【0003】
通常、防水コーティング剤組成物としては、ポリアクリレート、ポリウレタン及びポリシロキサンから選ばれた少なくとも1種を主剤とし、且つ架橋剤、触媒、増粘剤及び水を補助剤としてなったものが使われている。
【0004】
このような防水コーティング剤組成物は、繊維または布帛に塗布されると、それらに一定の防水効果を与えることができるが、その染料に対する親和性のせいで、染料の繊維/布帛から防水コーティング層への移転が起こり易く、特に、繊維/布帛が染料に対する親和性の割合に低い材料、例えばポリエステルを主成分として構成されたものである場合、この移転現象は一層著しい。この移転現象は、繊維/布帛の運送中または在庫貯蔵中に、高温または高湿度雰囲気の促進で移転、異なる繊維/布帛間の防水コーティング層を通しての染料交換による色間汚染/変色を起こすことも、繊維/布帛が衣服に加工されて着用された場合、染料の防水コーティング層を通して皮膚に移転し、染色することも多発している。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記に鑑みて、本発明は、染料の移転による布帛の汚染、変色を防止することができる防水コーティング剤組成物及びその製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記目的を達成するために、本発明者は、研究に研究を重ねた結果、一般の染料は発色基によって発色するのであり、例えば、Dianix Red CBN−SF赤色染料の発色基はC=O基、Dianix Navy XF黄色染料の発色基はC−N基、Dianix Blue XF紺色染料の発色基はC−N基であり、これらの発色基はすべてOH基に水解されることができる。即ち、防水コーティング剤組成物にアルカリを添加すれば、繊維/布帛にコーティング加工で塗布された該組成物に、前記のような染料の移転現象を制止することができないとは言え、移転した染料の染色作用を解消し、染料の移転現象による汚染及び変色を改善することができるはずと発想した。
【0007】
前記発見に基づき、本発明は、まず、ポリアクリレート、ポリウレタン及びポリシロキサンから選ばれた少なくとも1種を主剤とし、架橋剤、触媒、増粘剤及び水から選ばれた少なくとも1種を補助剤としてなった防水コーティング剤組成物において、前記主剤100重量部に対し、更に0.08〜0.5重量部のアルカリを含有した防水のコーティング剤組成物を提供する。
【0008】
前記アルカリとしては、水酸化ナトリウム、炭酸ナトリウム及び炭酸水素ナトリウムからなる群より選ばれたアルカリ塩が挙げられる。
【0009】
前記補助剤としては、前記主剤100重量部に対し、それぞれ架橋剤が0.4〜2.0重量部、触媒が0.08〜0.8重量部、増粘剤が1〜9重量部、及び水が8〜40重量部と配合されたものが好ましい。
【0010】
前記架橋剤としてジイソシアネートが添加された場合、前記触媒としては酢酸マグネシウム及びドデシル酸−ジブチルスズが添加されたことが好ましい。且つ、ジイソシアネートとしては、イソホロンジイソシアネート及び/またはジフェニルメタンジイソシアネートが挙げられる。
【0011】
前記架橋剤としてメラミンが添加された場合、前記触媒としては塩化マグネシウム次燐酸二水素ナトリウム及び/または次燐酸ナトリウムが添加されたことが好ましい。
【0012】
また、柔軟性を一層に高めるために、ポリウレタン及びポリシロキサンが主剤とされ、且つポリウレタン100重量部に対し、ポリシロキサンが4〜12重量部添加されたことが好ましい。
【0013】
前記補助剤を添加する以外、耐水性を一層に付与するために、前記主剤100重量部に対し、さらに通常の撥水剤(パーフルオル−アルキル系の化合物)が0.8〜5重量部添加されたことが好ましい。なお、塗布後の良い見かけを得られるために、前記主剤100重量部に対し、さらに二酸化チタンが40〜45重量部添加されたことが好ましい。
【0014】
塗布容易性を高めるために、粘度15,000〜50,000cpsの溶液に配合されたことが好ましい。
【0015】
そしてまた、本発明は、ポリアクリレート、ポリウレタン及びポリシロキサンから選ばれた少なくとも1種を主剤として使用し、且つ前記主剤100重量部に対し、0.08〜0.5重量部のアルカリを含有した溶液を入れ溶解させた後、架橋剤、触媒、増粘剤及び水から選ばれた少なくとも1種を補助剤として添加しながら粘度を調整する防水コーティング剤組成物の製造方法を提供する。
【発明の効果】
【0016】
前記構成による防水コーティング剤組成物は、通常の繊維または布帛に塗布された場合、従来の防水コーティング剤組成物のように一定の防水性及び柔軟性を付与することができる上、その染料に対する親和性が繊維/布帛に対する親和性より大で染料移転現象が起こったとしても、それらの染料はその発色基であるC=O基またはC−N基などが該防水コーティング剤組成物のアルカリにおけるOH基に水解されるので、無色になり、染料の防水コーティングへの、乃至更に他のものへの染色作用を効果的に防止することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下、実施例及び比較例により、本発明の防水コーティング剤組成物を詳細に説明する。
【実施例1】
【0018】
(実施例1)
まず、NaOH0.16重量部を水18.75重量部に入れ溶解させてから、ポリアクリレート100重量部、トルエンジイソシアネート1.25重量部及び酢酸マンガン0.25重量部を前記NaOH水溶液に入れ、そして、ポリアクリル系増粘剤(立大化学(Indyechm−Chemistry)商品名:3750)6.25重量部を添加して粘度16,500cpsの防水コーティング剤組成物を得た。
【0019】
(実施例2〜15)
また、実施例1の製造方法と同様に、添付表1に示す組成及び成分比例を有する実施例2〜15の防水コーティング剤組成物を製造した。
【0020】
(試験製作)
次に、ポリエステルの布帛を用意して、130℃、30minの条件下で前記ポリエステル布帛をそれぞれ赤、黄、紺、黒などの染料で染色加工を行い、そして、前記染められた布帛を80℃、20minの条件下で還元、水洗し、水洗後、該布帛を撥水処理を行った。
【0021】
前記撥水処理は、140℃でパーフルオル−アルキル系の化合物に1.5minパジッグし、120℃で布帛11をカレンダーすることで行った。前記撥水加工の後、更に140℃で前記布帛のいずれかの表面に上記で得た防水コーティング剤組成物を2min塗布、乾燥し、本発明の防水コーティング剤組成物が塗布してある布帛11を得た。
【0022】
(染色堅牢度試験)
さらに、図1のように、まず、白布帛12で上記得た布帛11の前記防水コーティング剤組成物が塗布してある表面に被せ、且つ木綿製布帛13で他の表面に被せた。それから、布帛11と白布帛12と木綿製布帛13とを一緒に縫い合わせて試験布帛1とした。
【0023】
そして、前記試験布帛1を高温、高湿雰囲気中、「貯蔵中昇華に対する染色堅牢度試験」を行い、耐水圧、染色移転性(注記:染料移転性ではなく染色移転性である)を確認した。なお、前記「貯蔵中昇華に対する染色堅牢度試験」は、図2に示すようなテストケース2で行った。
【0024】
前記テストケース2は、密着した箱体21と、箱体21内に置かれたパジッグ機22と、箱体21へ蒸気を提供するための蒸気発生器23と、高温雰囲気をつくるための温度制御器24とからなったものである。
【0025】
前記染色堅牢度試験は、試験布帛1をテストケース2に入れ、パジッグ機22上に置いてから、5Kgの荷重で、相対湿度90%以上、温度65℃の条件下で15日間放置することで行った。また、試験中、それぞれ第3日、第7日及び第15日に、試験布帛1を取り出して、その白布帛12及び木綿製布帛13への染色移転があるかどうか確認した。
【0026】
(結果)
Dianix Red CBN−SF赤色染料で染められた布帛11を使用して染色堅牢度試験を行った結果(図3参照)、白布帛12への染色現象がないことを確認した。
【0027】
Dianix Navy XF黄色染料で染められた布帛11を使用して染色堅牢度試験を行った結果(図4参照)、白布帛12への染色現象がないことを確認した。
【0028】
Dianix Blue XF紺色染料で染められた布帛11を使用して染色堅牢度試験を行った結果(図5参照)、白布帛12への染色現象がないことを確認した。
【0029】
また、前記赤、黄及び紺色の染料から調製してなった黒色染料で染められた布帛11を使用して染色堅牢度試験を行った結果(図6参照)、上記の通り、白布帛12への染色現象がないことをも確認した。
【0030】
(比較例)
実施例1の製造方法と同様に、添付表2に示す組成及び成分比例を有する比較例1〜2の防水コーティング剤組成物を調製する。
【0031】
続いて、ポリエステルの布帛を用意してから、実施例1と同様にDianix Blue XF紺色染料で染色、撥水加工を行い、そして、前記得た防水コーティング剤組成物を塗布して布帛11を得た。次に、実施例1と同様にして、布帛11と白布帛12と木綿製布帛13とを一緒に縫い合わせて試験布帛とし、「貯蔵中昇華に対する染色堅牢度試験」を行った。
【0032】
そして、各比較例に対し、実施例1と同じ条件で「貯蔵中昇華に対する染色堅牢度試験」を行ってその試験結果を同表2に示した。
【0033】
(結果)
比較例1のアルカリ0.05重量部を含有したものは、染料移転が著しい。
【0034】
また、比較例2のアルカリ0.6重量部を含有したものは、比較例1のような染色移転現象がないとは言え、結晶ペレットが多くて、見かけがよくない。
【0035】
(評価)
表1の結果から明らかなように、どんな染料で染められた布帛にも拘わらず、本発明の防水コーティング剤組成物を塗布すると、過去のような染料移転による染色現象が該防水コーティング層に有効に解消されることができる。
【0036】
しかし、表2によると、前記のような染色現象解消効果は、アルカリ添加量に多少左右されることがある。即ち、比較例1によっては、アルカリ添加量があんまり少なすぎると、染色現象解消効果が果たせない。
【0037】
また、比較例2によると、アルカリ添加量が多すぎると、染色現象解消効果に顕著な影響を与えないが、結晶ペレットが多く出てきて、見かけや染色品質に良くない。
【0038】
なお、表1の実施例によると、アルカリは、100重量部の主剤に対し、0.08〜0.5重量部の添加量が好ましい。
【0039】
そして、前記表1及び表2のデータを従来技術に照らしてみると、この染色現象解消効果は、染料そのものの移転を制止することによるのではなく、移転した染料の染色作用を解消することによるのであると分かる。
【0040】
その傍らに、前記の発想、即ちDianix Red CBN−SF赤色染料の発色基であるC=O基、Dianix Navy XF黄色染料の発色基であるC−N基、Dianix Blue XF紺色染料の発色基であるC−N基などがそれぞれ本発明の防水コーティング剤組成物中のアルカリにおけるOH基に水解され、無色になるという推測もちゃんと証明されうる。
【産業上の利用可能性】
【0041】
本発明による防水コーティング剤組成物は、染料の防水コーティング層への、乃至更に他のものへの染色作用/染色移転を効果的に防止することができるので、通常の繊維/布帛に塗布された場合はもちろん、特に、ポリエステルを主成分として構成されたものに塗布された場合、耐水性も、耐染色移転性もさらに向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【0042】
【図1】染色堅牢度試験用の試験布帛1の側面図である。
【図2】染色堅牢度試験用のテストケースの正面図である。
【図3】実施例において赤色染料で染められた布帛を使用して試験を行った結果を示す写真である。
【図4】実施例において黄色染料で染められた布帛を使用して試験を行った結果を示す写真である。
【図5】実施例において紺色染料で染められた布帛を使用して試験を行った結果を示す写真である。
【図6】実施例において黒色染料で染められた布帛を使用して試験を行った結果を示す写真である。
【図7】比較例1の紺色染料で染められた布帛を使用して試験を行った結果を示す写真である。
【符号の説明】
【0043】
1 試験布帛
11 布帛
12 白布帛
13 木綿製布帛
2 テストケース
21 ケース
22 パジッグ
23 蒸気発生器
24 温度制御器
【0044】
【表1】

【0045】
【表2】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
ポリアクリレート、ポリウレタン及びポリシロキサンから選ばれた少なくとも1種を主剤とし、
架橋剤、触媒、増粘剤及び水から選ばれた少なくとも1種を補助剤としてなった防水コーティング剤組成物において、
前記主剤100重量部に対し、更に0.08〜0.5重量部のアルカリを含有したことであることを特徴とする防水コーティング剤組成物。
【請求項2】
前記アルカリとして、水酸化ナトリウム、炭酸ナトリウム及び炭酸水素ナトリウムからなる群より選ばれたアルカリ塩が添加されたことを特徴とする請求項1に記載の防水コーティング剤組成物。
【請求項3】
前記補助剤として、前記主剤100重量部に対し、それぞれ架橋剤が0.4〜2.0重量部、触媒が0.08〜0.8重量部、増粘剤が1〜9重量部、及び水が8〜40重量部と配合されたこと特徴とする請求項1に記載の防水コーティング剤組成物。
【請求項4】
前記架橋剤としてジイソシアネートが添加され、また、前記触媒として酢酸マグネシウム及びドデシル酸−ジブチルスズが添加されたことを特徴とする請求項3に記載の防水コーティング剤組成物。
【請求項5】
前記架橋剤としてイソホロンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート及び/またはトルエンジイソシアネートが添加されたことを特徴とする請求項4に記載の防水コーティング剤組成物。
【請求項6】
前記架橋剤としてはメラミンが添加され、また、前記触媒として塩化マグネシウム及び/または次燐酸ナトリウムが添加されたことを特徴とする請求項3に記載の防水コーティング剤組成物。
【請求項7】
ポリウレタン及びポリシロキサンが主剤とされ、且つポリウレタン100重量部に対し、ポリシロキサンが4〜12重量部添加されたことを特徴とする請求項1に記載の防水コーティング剤組成物。
【請求項8】
前記主剤100重量部に対し、さらに撥水剤が0.8〜5重量部添加されたことを特徴とする請求項1に記載の防水コーティング剤組成物。
【請求項9】
前記主剤100重量部に対し、さらに二酸化チタンが40〜45重量部添加されたことを特徴とする請求項1に記載の防水コーティング剤組成物。
【請求項10】
粘度15,000〜50,000cpsの溶液に配合されたことを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載の防水コーティング剤組成物。
【請求項11】
ポリアクリレート、ポリウレタン及びポリシロキサンから選ばれた少なくとも1種を主剤として使用し、且つ前記主剤100重量部に対し、0.08〜0.5重量部のアルカリを含有した溶液を入れて溶解させた後、架橋剤、触媒、増粘剤及び水から選ばれた少なくとも1種を補助剤として添加しながら粘度を調整することを特徴とする防水コーティング剤組成物の製造方法。
【請求項12】
前記増粘剤を入れながら、最終の粘度を15,000〜50,000cpsの範囲内に調整することを特徴とする請求項10に記載の防水コーティング剤の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2007−2214(P2007−2214A)
【公開日】平成19年1月11日(2007.1.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−367818(P2005−367818)
【出願日】平成17年12月21日(2005.12.21)
【出願人】(505241463)宏遠興業股▲ふん▼有限公司 (5)
【Fターム(参考)】