説明

防水スイッチ

【課題】高い防水性を確保しつつ、意匠性の向上を図ることができる防水スイッチを提供すること。
【解決手段】パネルに取り付けられて固定接点を収容するスイッチケース2と、該スイッチケース2に対して変位可能に保持されて可動接点を変位させる可動部材3と、該可動部材3に連結される透光性材料から成る操作ノブ4と、該操作ノブ4と前記可動部材3との間からの水の浸入を防ぐシール部材9を備える防水スイッチ1において、 前記操作ノブ4に、前記可動部材3との間で前記シール部材9の一端を挟着する周縁部4Bを形成するとともに、該周縁部4Bの前記シール部材9を挟着する挟着面に凹凸10を形成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、防水用のシール部材によって可動部をシールして成る防水スイッチに関するものである。
【背景技術】
【0002】
暗所でのスイッチの所在を示すためや操作状態を表示するために、内部の光源から出射される光を操作ノブが透過するタイプの照光スイッチが従来から使用されている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
又、斯かる照光スイッチにおいて、操作ノブに照射光を拡散や屈折させるためのレンズカットを施すことも行われている(例えば、特許文献2参照)。
【0004】
ところで、例えばトラクタ等の農業機械に用いられるスイッチは、屋外で使用されることから、太陽光の下でも操作状態が認識できるようにレンズカットによって照明光を拡散や屈折させて効率良く出射させる必要があるとともに、雨水等のスイッチ内への浸入を防ぐ必要がある。
【0005】
スイッチに高い防水性を確保するために、操作ノブとスイッチケースとの間にゴムブーツ等のシール部材を配設する構成が採用されており、このようなスイッチは防水スイッチと称されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】実開平7−036333号公報
【特許文献2】特開2007−260010号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、シール部材を用いた防水スイッチにおいては、操作ノブが透光性材料で構成されている場合には内部に光がそのまま透過してしまうため、シール部材が存在する部分は該シール部材の色(例えば、黒色)に見えてしまい、当該スイッチの意匠性が低下するという問題がある。特に、操作ノブとシール部材との間に隙間が存在する場合には、シール部材の色が不均一に見えてしまい、スイッチの外観を著しく損ねてしまう。
【0008】
本発明は上記問題に鑑みてなされたもので、その目的とする処は、高い防水性を確保しつつ、意匠性の向上を図ることができる防水スイッチを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するため、請求項1記載の発明は、パネルに取り付けられて固定接点を収容するスイッチケースと、該スイッチケースに対して変位可能に保持されて可動接点を変位させる可動部材と、該可動部材に連結される透光性材料から成る操作ノブと、該操作ノブと前記可動部材との間からの水の浸入を防ぐシール部材を備える防水スイッチにおいて、前記操作ノブに、前記可動部材との間で前記シール部材の一端を挟着する周縁部を形成するとともに、該周縁部の前記シール部材を挟着する挟着面に凹凸を形成したことを特徴とする。
【0010】
請求項2記載の発明は、請求項1記載の発明において、前記操作ノブに、前記スイッチケース内に収容された発光部からの照射光を屈曲させる光屈曲部を設けたことを特徴とする。
【0011】
請求項3記載の発明は、請求項1又は2記載の発明において、前記可動部材を、前記可動接点を有するスライダと該スライダに係着されたノブベースとで構成するとともに、該ノブベースに、その周縁が前記操作ノブの周縁部との間で前記シール部材の一端を挟着する環状のフランジ部を形成し、該フランジ部の内周面に前記操作ノブと係合する係合部を形成したことを特徴とする。
【0012】
請求項4記載の発明は、請求項3記載の発明において、前記ノブベースを透光性材料で構成するとともに、該ノブベースに、前記操作ノブとの間で閉空間を形成する光透過部を設けたことを特徴とする。
【0013】
請求項5記載の発明は、請求項3又は4記載の発明において、前記シール部材を中空の蛇腹状に成形し、該シール部材の一端に、前記操作ノブの周縁部と前記ノブベースのフランジ部周縁との間で挟着される被挟着部を形成し、他端に、前記スイッチケースの一端に取り付けられる固定部を形成したことを特徴とする。
【発明の効果】
【0014】
請求項1記載の発明によれば、操作ノブに形成された周縁部のシール部材を挟着する挟着面に凹凸を形成したため、外界からの照射光が凹凸で反射するとともに、シール部材は凸部と接して凹部とは接しないため、シール部材が配設される防水部が透明に近い状態で視認され、シール部材の色が外から見えないために当該防水スイッチの意匠性が高められる。又、シール部材と可動部材との間でシール部材を挟着するため、操作ノブと可動部材との間からの浸水を確実に防ぐことができ、当該防水スイッチの防水性が高められる。
【0015】
請求項2記載の発明によれば、発光部からの照射光を屈曲させる光屈曲部を操作ノブに設けたため、農業機械用のように屋外の明るい場所に設けられた防水スイッチであっても、照射光を確実に視認することができる。
【0016】
請求項3記載の発明によれば、ノブベースのフランジ部の内周面に操作ノブと係合する係合部を設けたため、操作ノブをノブベースに確実に固定することができるとともに、固定後は係合部がノブベースの内部にあるために操作ノブを容易に取り外すことができない構造とすることができる。又、ノブベースと操作ノブ及びシール部材をサブ組みした後に、スライダに対してノブベースを操作ノブとシール部材と共に取り付ければ良いため、これらの組付性が高められる。
【0017】
請求項4記載の発明によれば、ノブベースを透光性材料で構成するとともに、該ノブベースの光透過部と操作ノブとの間に閉空間が形成されるため、たとえシール部材の挟着部から水が浸入したとしても、この水は閉空間に閉じ込められてそれ以外の部位には流れ込まないため、当該防水スイッチの防水性が高められる。
【0018】
請求項5記載の発明によれば、スイッチケースに対して可動の操作ノブとノブベースによって蛇腹状のシール部材の一端を挟着し、シール部材の他端をスイッチケースの一端に取り付けたため、シール部材が弾性変形して操作ノブと可動部材の変位を許容するとともに、両者間(可動部)からの水の浸入を確実に防ぐ機能を果たす。又、透光性材料から成るノブベースを通って操作ノブとスイッチケースとの間から光が漏れるのをシール部材によって確実に防ぐことができ、当該防水スイッチの外観性が高められる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本発明に係る防水スイッチの分解斜視図である。
【図2】本発明に係る防水スイッチの側面図である。
【図3】図2のA−A線断面図である。
【図4】本発明に係る防水スイッチの背面図である。
【図5】図3のB部拡大詳細図である。
【図6】本発明に係る防水スイッチの操作ノブとシール部材及びノブベースの斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下に本発明の実施の形態を添付図面に基づいて説明する。
【0021】
図1は本発明に係る防水スイッチの分解斜視図、図2は同防水スイッチの側面図、図3は図2のA−A線断面図、図4は同防水スイッチの背面図、図5は図3のB部拡大詳細図、図6は同防水スイッチの操作ノブとシール部材及びノブベースの斜視図である。
【0022】
本発明に係る防水スイッチ1は、略矩形筒状のスイッチケース2の内部に可動部材3を変位可能に収容するとともに、該可動部材3のスイッチケース2から突出する先端部(図2の左端部)に操作ノブ4を取り付け、スイッチケース2の後端部(図2の右端部)から内部にターミナルベース5を組み込んで構成されている。
【0023】
上記スイッチケース2は、その左右両側部に一体に形成された係合爪2aを不図示のパネルの装着孔の周縁に係合させることによってパネルに固定される。そして、このスイッチケース2の前端部には円形のフランジ部2Aが一体に形成されており、このフランジ部2Aには図1及び図3に示すようにリング溝状のスプリング受け2bが形成されている。又、図1に示すように、スイッチケース2の後端部の上下には矩形の係合孔2c(図1には一方のみ図示)が形成されている。
【0024】
上記スイッチケース2の内部に図3の左右方向に変位可能に収容された前記可動部材3は、矩形ブロック状のスライダ6とその先端部に取り付けられる2段筒状のノブベース7とで構成されており、スライダ6は光不透過性材料によって一体成形され、ノブベース7はアクリル樹脂等の透明な光透過性材料によって一体に成形されている。尚、図1に示すように、前記ターミナルベース5には固定接点5cが設けられている。
【0025】
そして、上記スライダ6の前端には円筒状の嵌合筒6Aが一体に形成されており、この嵌合筒6Aの左右両側部には図1及び図3に示すように係合爪6a(図1には一方のみ図示)が一体に形成され、嵌合筒6Aの上下には幅の異なるガイド突起6b(図1には一方のみ図示)が突設されている。尚、図示しないが、スライダ6には可動接点が設けられており、この可動接点は前記操作ノブ4の押圧操作によってターミナルベース5側の前記固定接点5cに選択的に接触する。
【0026】
前記ノブベース7は、小径の嵌合筒7Aの前端に環状のフランジ部7Bを一体に形成して構成されており、図6に示すように、嵌合筒7Aの左右両側部(スライダ6の前記係合爪6aに対応する部分)には矩形の係合孔7aが形成され、嵌合筒7Aの上下には幅の異なるガイド溝7bがそれぞれ形成されている。又、ノブベース7の嵌合筒7Aとフランジ部7Bとの間には、図3に示すように円形の隔壁としての光透過部7cが形成されており、フランジ部7Bの内周面の周方向4箇所には図1に示すように矩形の係合爪7d(図1には1つのみ図示)が形成されるとともに、同フランジ部7Bの内周面の上下には幅の異なるガイド突起7e(図1には一方のみ図示)が突設されている。
【0027】
而して、ノブベース7は、その嵌合筒7Aが図3に示すようにスライダ6の嵌合筒6Aの外周に嵌め込まれるが、このとき、該嵌合筒7Aの上下に形成された幅の異なるガイド溝7b(図6参照)にスライダ6の嵌合筒6Aの上下に突設されたガイド突起6b(図1参照)が嵌合することによってノブベース7とスライダ6との周方向の位置決めがなされるとともに、両者の誤組が防がれる。そして、ノブベース7の嵌合筒7Aをスライダ6の嵌合筒6Aに嵌め込んだ状態でノブベース7を押し込むと、図3に示すように該ノブベース7の嵌合筒7Aに形成された係合孔7aにスライダ6の嵌合筒6Aに突設された係合爪6aが係合し、スライダ6の先端部にノブベース7が取り付けられて両者が一体化される。
【0028】
前記操作ノブ4は、アクリル樹脂等の透明な光透過性材料によって円形に一体成形されており、その裏側には図6に示すように嵌合筒4Aが一体に形成されている。そして、この嵌合筒4Aの外周の周方向4箇所(ノブベース7のフランジ部7Bに形成された係合爪7d(図1参照)に対応する4箇所)には係合孔4a(図6には1つのみ図示)が形成されており、嵌合筒4Aの上下には幅の異なるガイド溝4bが形成されている。
【0029】
而して、操作ノブ4は、その嵌合筒4Aが図3に示すようにノブベース7のフランジ部7Bの内周に嵌め込まれるが、このとき、該嵌合筒4Aの上下に形成された幅の異なるガイド溝4bにノブベース7のフランジ部7Bの内周面の上下に突設された幅の異なるガイド突起7e(図3には一方のみ図示)が嵌合することによって操作ノブ4とノブベース7との周方向の位置決めがなされるとともに、両者の誤組が防がれる。そして、操作ノブ4の嵌合筒4Aをノブベース7のフランジ部7Bの内周に嵌め込んだ状態で該操作ノブ4を押し込むと、ノブベース7のフランジ部7Bの係合爪7dが操作ノブ4の嵌合筒4Aに突設された係合孔4aに係合し、操作ノブ4がノブベース7のフランジ部7Bに取り付けられて該操作ノブ4とノブベース7が一体化される。このように操作ノブ4がノブベース7に固定された後はノブベース7側の係合爪7dがノブベース7の内部にあるために操作ノブ4を容易に取り外すことができない。
【0030】
以上のようにして可動部材3を構成するスライダ6とノブベース7が係合によって固定されて両者が一体化され、ノブベース7に操作ノブ4が係合によって固定されるが、これらの操作ノブ4と可動部材3はスイッチケース2に対して図3の左右方向に変位可能に保持されており、これらはノブベース7の背面とスイッチケース2のフランジ部2Aに形成された前記スプリング受け部2bとの間に縮装されたリターンスプリング8によって図3の左方(スライダ6側の可動接点がスイッチケース2側の固定接点から離れて当該防水スイッチ1がOFFされる方向)に付勢されている。
【0031】
ところで、図3に示すように、当該防水スイッチ1のスイッチケース2から前方へ突出する可動部であるノブベース7やリターンスプリング8は防水用のシール部材9によって覆われてシールされている。ここで、シール部材9は、ゴム等の弾性材によって中空の蛇腹状に成形されており、その一端には被挟着部9aが形成され、他端には固定部9bが形成されている。
【0032】
又、操作ノブ4の周縁部4Bは裏側に向かって円弧状に折り曲げられており、この周縁部4Bとノブベース7のフランジ部7Bによってシール部材9の一端の被挟着部9aが挟み込まれて挟着されており、シール部材9の他端に形成された固定部9bはスイッチケース2のフランジ部2Aの外周面に嵌め込まれて固定されている。尚、実際の組み付けにおいては、先ず、ノブベース7のフランジ部7Bがシール部材9の被挟着部9aに嵌め込まれ、操作ノブ4が前述のようにノブベース7に固定されることによってシール部材9の被挟着部9aが操作ノブ4の周縁部4Bとノブベース7のフランジ部7Bによって挟み込まれて挟着される。そして、図3に示すようにシール部材9が組み付けられた状態では、該シール部材9の被挟着部9aの外周面と操作ノブ4の周縁部4Bの外周面とは同一面を成しており、操作ノブ4を引っ掛けてこれを取り外すことができないようになっている。
【0033】
而して、本実施の形態では、図5及び図6に示すように、操作ノブ4の周縁部4Bの内面である挟着面(シール部材9の被挟着部9aに対向する面)には複数の凹凸10が同心円状に形成されている。又、図6に示すように、操作ノブ4の内面(裏面)の嵌合筒4Aによって囲まれた円形部分には、光を屈曲させる複数の同心円状のレンズカットで構成される光屈曲部11が形成されている。尚、操作ノブ4がノブベース7に固定された状態では、図3に示すように、ノブベース7の光透過部7cは操作ノブ4との間で閉空間Sを形成している。
【0034】
スイッチケース2の内部に後端開口部から嵌め込まれる前記ターミナルベース5は、後端部に矩形筒状のカプラー部5Aが一体に形成されており、このカプラー部5Aよりも前方の前半部5Bがスイッチケース2の後端開口部から内部に嵌め込まれて固定されている。即ち、図1に示すように、ターミナルベース5の前半部5Bの上下には係合爪5a(図1には一方のみ図示)が形成されており、ターミナルベース5は、その前半部5Bをスイッチケース2に後端開口部から嵌め込み、その上下に突設された係合爪5aをスイッチケース2の後端部の上下に形成された前記係合孔2cに係合させることによってスイッチケース2に固定される。
【0035】
そして、ターミナルベース5の前端面には基板12が垂直に取り付けられており、この基板12には発光部であるLED(発光ダイオード)13が実装されるとともに、ターミナルベース5から前方に突出する上下2本のターミナル14が差し込まれて基板12に電気的に接続されている。又、図1に示すように、ターミナルベース5の側部には軸5bが横方向に突設されており、この軸5bにはカムスプリング15が巻装されている。このカムスプリング15は、その一端がターミナルベース5に係止されており、他端が図3に示すようにスライダ6に形成されたカム6cに係合している。尚、図4に示すように、ターミナルベース5のカプラー部5Aの内部には、上下2本のターミナル16と上下4本のターミナル17が収容されている。又、カムスプリング15とその一端が係合するスライダ6のカム6cとはプッシュロック機構を構成している。
【0036】
以上のように構成された防水スイッチ1において、操作者が操作ノブ4をリターンスプリング8の付勢力に抗して押すと、該操作ノブ4に連結された可動部材3が同方向(図3の右方向)に変位し、可動部材3のスライダ6に設けられた不図示の可動接点がターミナルベース5に設けられた固定接点5cに接触するため、当該防水スイッチ1がONされる。そして、操作者が操作ノブ4から手を離しても可動部材3の変位がロックされ、防水スイッチ1のON状態は前記プッシュロック機構によって維持される。又、防水スイッチ1がON状態にあるとき、基板12に実装されたLED13に通電されて該LED13が起動されると、LED13から出射する光は、透明なノブベース7の光透過部7cを透過して操作ノブ4へと進み、該操作ノブ4の内面に形成された光屈曲部11で屈曲して外部に向けて出射される。
【0037】
その後、操作者が操作ノブ4を再度押すと、前記プッシュロック機構による可動部材3のロックが解除され、該可動部材3と操作ノブ4はリターンスプリング8の付勢力によって図3に左方に変位するため、可動部材3のスライダ6に設けられた可動接点がスイッチケース2側の固定接点から離れるために防水スイッチ1がOFFされ、LED13への通電が遮断されるために該LED13の発光が停止する。
【0038】
以上のように、本発明に係る防水スイッチ1においては、操作ノブ4に形成された周縁部4Bのシール部材9を挟着する挟着面に凹凸10を形成したため、外界からの照射光が図5に示すように凹凸10で反射するとともに、シール部材9は凸部で接して凹部とは接しないため、シール部材9が配設される防水部が透明に近い状態で視認され、シール部材9の色(例えば、黒色)が外から見えないために当該防水スイッチ1の意匠性が高められる。そして、シール部材9と可動部材3との間でシール部材9を挟着するため、操作ノブ4と可動部材3との間からの浸水を確実に防ぐことができ、当該防水スイッチ1の防水性が高められる。
【0039】
又、本発明に係る防水スイッチ1によれば、LED13からの照射光を屈曲させる光屈曲部11を操作ノブ4に設けたため、当該防水スイッチ1が屋外の明るい場所で使用される農業機械等に設けられた場合であっても、照射光を確実に視認することができる。
【0040】
更に、本発明に係る防水スイッチ1においては、ノブベース7のフランジ部7Bの内周面に操作ノブ4と係合する係合爪7dを設けたため、操作ノブ4をノブベース7に確実に固定することができるとともに、固定後は係合爪7dがノブベース7の内部にあるために操作ノブ4を容易に取り外すことができない構造とすることができる。そして、ノブベース7と操作ノブ4及びシール部材9をサブ組みした後に、スライダ6に対してノブベース7を操作ノブ4とシール部材9と共に取り付ければ良いため、これらの組付性が高められるという効果も得られる。
【0041】
又、本発明に係る防水スイッチ1によれば、ノブベース7を透光性材料で構成するとともに、該ノブベース7の光透過部7cと操作ノブ4との間に閉空間Sが形成されるため、たとえシール部材9の被挟着部9aから水が浸入したとしても、この水は閉空間Sに閉じ込められてそれ以外の部位には流れ込まないため、当該防水スイッチ1の防水性が高められる。
【0042】
その他、本発明に係る防水スイッチ1においては、スイッチケース2に対して可動の操作ノブ4とノブベース7によって蛇腹状のシール部材9の一端を挟着し、シール部材9の他端をスイッチケース2の一端に取り付けたため、シール部材9が弾性変形して操作ノブ4と可動部材3の変位を許容するとともに、両者間(可動部)からの水の浸入を確実に防ぐ機能を果たす。又、透光性材料から成るノブベース7を通って操作ノブ4とスイッチケース2との間から光が漏れるのをシール部材9によって確実に防ぐことができるため、これによっても当該防水スイッチ1の外観性が高められる。
【0043】
尚、以上は本発明をプッシュロック方式を採用する防水スイッチに対して適用した形態について説明したが、本発明は、プッシュロック方式を採用しない他の防水スイッチに対しても同様に適用可能であることは勿論である。
【符号の説明】
【0044】
1 防水スイッチ
2 スイッチケース
2A スイッチケースのフランジ部
2a スイッチケースの係合爪
2b スイッチケースのスプリング受け
2c スイッチケースの係合孔
3 可動部材
4 操作ノブ
4A 操作ノブの嵌合筒
4B 操作ノブの周縁部
4a 操作ノブの係合孔
4b 操作ノブのガイド溝
5 ターミナルベース
5A ターミナルベースのカプラー部
5B ターミナルベースの前半部
5a ターミナルベースの係合爪
5b ターミナルベースの軸
5c ターミナルの固定接点
6 スライダ
6A スライダの嵌合筒
6a スライダの係合爪
6b スライダのガイド突起
6c スライダのカム
7 ノブベース
7A ノブベースの嵌合筒
7B ノブベースのフランジ部
7a ノブベースの係合孔
7b ノブベースのガイド溝
7c ノブベースの光透過部
7d ノブベースの係合爪(係合部)
7e ノブベースのガイド突起
8 リターンスプリング
9 シール部材
9a シール部材の挟着部
9b シール部材の固定部
10 操作ノブの凹凸
11 操作ノブの光屈曲部
12 基板
13 LED(発光部)
14 ターミナル
15 カムスプリング
16,17 ターミナル
S 閉空間


【特許請求の範囲】
【請求項1】
パネルに取り付けられて固定接点を収容するスイッチケースと、該スイッチケースに対して変位可能に保持されて可動接点を変位させる可動部材と、該可動部材に連結される透光性材料から成る操作ノブと、該操作ノブと前記可動部材との間からの水の浸入を防ぐシール部材を備える防水スイッチにおいて、
前記操作ノブに、前記可動部材との間で前記シール部材の一端を挟着する周縁部を形成するとともに、該周縁部の前記シール部材を挟着する挟着面に凹凸を形成したことを特徴とする防水スイッチ。
【請求項2】
前記操作ノブに、前記スイッチケース内に収容された発光部からの照射光を屈曲させる光屈曲部を設けたことを特徴とする請求項1記載の防水スイッチ。
【請求項3】
前記可動部材を、前記可動接点を有するスライダと該スライダに係着されたノブベースとで構成するとともに、該ノブベースに、その周縁が前記操作ノブの周縁部との間で前記シール部材の一端を挟着する環状のフランジ部を形成し、該フランジ部の内周面に前記操作ノブと係合する係合部を形成したことを特徴とする請求項1又は2記載の防水スイッチ。
【請求項4】
前記ノブベースを透光性材料で構成するとともに、該ノブベースに、前記操作ノブとの間で閉空間を形成する光透過部を設けたことを特徴とする請求項3記載の防水スイッチ。
【請求項5】
前記シール部材を中空の蛇腹状に成形し、該シール部材の一端に、前記操作ノブの周縁部と前記ノブベースのフランジ部周縁との間で挟着される被挟着部を形成し、他端に、前記スイッチケースの一端に取り付けられる固定部を形成したことを特徴とする請求項3又は4記載の防水スイッチ。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2013−114874(P2013−114874A)
【公開日】平成25年6月10日(2013.6.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−259578(P2011−259578)
【出願日】平成23年11月28日(2011.11.28)
【出願人】(000138462)株式会社ユーシン (241)
【Fターム(参考)】