説明

防水型オービタルサンダーの延長取手

【課題】携帯性に優れた床用の小型研磨機に対して、簡便に取り付け取り外しができることにより立ち作業も可能で、作業現場に応じ作業者に対して適切な作業姿勢を提供することにより、作業者の疲労負担を著しく低減することが可能な防水型オービタルサンダーの延長取手を提供することを目的とする。
【解決手段】偏芯回転機構と、前記偏芯回転機構に敷設され偏芯回転いわゆるオービタル運動をする研磨部を有する防水型オービタルサンダー本体用の延長取手であり、一端に前記防水型オービタルサンダー本体と係合するカバー部と、前記カバー部から前記防水型オービタルサンダー本体とは逆方向に延長される延長軸部と、延長軸部の他端には延長軸部を中心として略直角方向または直線状に配された使用者が左右両手で保持する握り部とから構成され、前記カバー部は防水型オービタルサンダー本体から着脱自在にする固定用機構部を有することを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、フローリングなどの床材に塗布された老朽化したワックスを強アルカリの水溶液などの薬剤を用いて剥離したり、風呂場、自動車のウィンドウガラス、鏡などの水垢を剥離剤などの溶液を用いて効率よく研磨除去する防水型コードレスオービタルサンダーの延長取手に関するものである。
【背景技術】
【0002】
床面に塗布されたワックスの剥離用の機械として大型の押し手一体型の研磨機が知られている。(特許文献1)(特許文献2)(特許文献3)
【0003】
またDC電源で駆動する小型のオービタルサンダーも知られている。(特許文献4)
【特許文献1】実開平6−66946号公報
【特許文献2】特開2004−216470号公報
【特許文献3】特開2007−175501号公報
【特許文献4】特願2008−126510号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1、特許文献2、特許文献3床用研磨機は本体が大型で、狭い場所や、階段などでは使用できない機械であった。
【0005】
特許文献4に示す小型オービタルサンダーは、 特許文献1、特許文献2、特許文献3の欠点を補う研磨機として、狭い場所や階段の研磨作業には適したものでは有るが、作業者が長時間に腰を曲げて作業することになり、作業者の疲労負担の軽減としては限定的な効果であった。
【0006】
以上の現状に鑑み、本発明は、携帯性に優れた床用の小型研磨機に対して、簡便に取り付け取り外しができることにより立ち作業も可能で、作業現場に応じ作業者に対して適切な作業姿勢を提供することにより、作業者の疲労負担を著しく低減することが可能な防水型オービタルサンダーの延長取手を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記目的を達成するため、請求項1に関わる発明は、偏芯回転機構と、前記偏芯回転機構に敷設され偏芯回転いわゆるオービタル運動をする研磨部を有する防水型オービタルサンダー本体用の延長取手であり、一端に前記防水型オービタルサンダー本体と係合するカバー部と、前記カバー部から前記防水型オービタルサンダー本体とは逆方向に延長される延長軸部と、延長軸部の他端には延長軸部を中心として略直角方向または直線状に配された使用者が左右両手で保持する握り部とから構成され、前記カバー部は防水型オービタルサンダー本体から着脱自在にする固定用機構部を有することを特徴とする防水型オービタルサンダーの延長取手である。
【0008】
請求項2に係る発明は、防水型オービタルサンダー本体の凹部または凸部に対向し配された凸部または凹部とを有するカバー部を有し、取付け時には前記凹部または凸部と前記凸部または凹部が係号することにより防水型オービタルサンダー本体の所定の位置に取付が可能であることを特徴とする前記請求項1に記載の防水型オービタルサンダーの延長取手である。
【0009】
請求項3に係る発明は、本体に配された本体駆動用の電源スイッチ回路と前記電源スイッチ回路と電気回路的に並列に配された接続端子部とを有する防水型オービタルサンダー本体と、前記接続端子部に対して接触または非接触的に電気的に接続される接続部をとを有するカバー部と、前記接続端子部に電気的に接続された延長コードを有する延長軸部と、スライドまたはプッシュプッシュまたはトグル式のスイッチを有する握り部とから構成され、前記スライドまたはプッシュプッシュまたはトグル式のスイッチを操作することにより防水型オービタルサンダー本体を起動、停動することを特徴とする前記請求項1に記載の防水型オービタルサンダーの延長取手である。
【0010】
請求項4に係る発明は、本体に配された本体駆動用の電源スイッチ回路と前記電源スイッチ回路と電気回路的に並列に配された非接触式の近接スイッチとを有する防水型オービタルサンダー本体と、前記非接触式の近接スイッチに対して対向して配され、かつ前記近接スイッチ電気的にON/OFFする駆動片を有するカバー部と、駆動片を可動する延長コードを有する延長軸部と、スライドまたはプッシュプッシュまたはトグル式のツマミ部を有する握り部とから構成され、前記駆動片をスライドまたはプッシュプッシュまたはトグル式のツマミ部を操作することにより前記非接触式の近接スイッチに対して近接・離間をさせることにより防水型オービタルサンダー本体を起動、停動することを特徴とする前記請求項1及び請求2に記載の防水型オービタルサンダーの延長取手である。
【発明の効果】
【0011】
請求項1に係る発明によれば、以下の作用効果が得られる。まず、小型の防水型オービタルサンダーに対して、延長取手の本体カバー部の固定用機構部によって本体に固定することができる。
【0012】
延長取手の先端には延長軸部を中心として2方向に突出した握り部が設けられているため、作業者は左右の両手で、確実に偏芯回転する防水型オービタルサンダーを支持することが可能となる。
【0013】
これにより、作業者は立ち作業が可能で、腰をかがめたり、中腰で作業をする必要がなく、作業者の疲労負担を軽減することが可能である。
【0014】
また、階段などの段差が有る作業現場では、固定用機構部を外すことにより、延長取手を防水型オービタルサンダー本体から離間させることが可能で、本体の携帯性を最大限に活用することができる。
【0015】
請求項2に係る発明によれば、例えば防水型オービタルサンダー本体のキャビネットを固定する複数の螺子の挿入部などの凹部に対して、カバー部は前記凹部と勘合される凸状のボスなどを有するため、簡便に相対的な位置の規制と回転止めが可能で確実な固定性が得られる。
【0016】
請求項3に係る発明によれば、握り部には防水型オービタルサンダー本体の電源スイッチと電気回路的に並列接続されたスイッチ部を有しており、立作業をしながらでもスイッチ部を操作することにより防水型オービタルサンダー本体の電源操作が可能となる。
【0017】
請求項4係る発明によれば、防水型オービタルサンダー本体には非接触式の近接スイッチが配されており、金属などの磁性体を近接、離間により電源のON/OFFが可能となる。
【0018】
カバー部の前記非接触式の近接スイッチと対向する部位には、握り部のツマミ部の切り替え動作と連動し近接、離間運動をする金属などの磁性体を配することにより、握り部のスイッチ部の動作により、防水型オービタルサンダー本体を起動、停止させることが可能である。
【0019】
この構成で有れば、防水型オービタルサンダー本体の防水性を損なうことがない遠隔操作スイッチを有する延長取手となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
本防水型コードレスオービタルサンダーの延長取手は、フローリングなどの床材に塗布された老朽化したワックスを強アルカリの水溶液などの薬剤を用いて剥離したり、風呂場、自動車のウィンドウガラス、鏡などの水垢を剥離材などの溶液を用いて効率よく研磨除去することを主目的にする小型防水型コードレスオービタルサンダーの作業性の改善を図る延長取手の一種である。以下、図面を用いて本発明の実施形態を説明する。
【0021】
図1および図2は本実施に係る延長取手を取り付ける防水型コードレスオービタルサン
ダー本体の斜視図で、図3は本実施に係る延長取手の斜視図である。
図1および図2に示すように、防水型コードレスオービタルサンダー本体(1)には保持
部(2)と研磨部(3)と内蔵された電源(図示せず)とDCモーター(図示せず)と保持
部(2)に設けられた電源スイッチ(4)とから構成されている。
【0022】
保持部(2)の上面には防水型コードレスオービタルサンダー本体(1)の筐体を組み付ける複数の螺子(5)が締結固定されており、螺子(5)が作業者の手に触れないように凹部(6)内に配置されている。
【0023】
図3に示すように、延長取手(7)の一端は防水型コードレスオービタルサンダー本体
(3)の保持部(2)を覆うように構成されたカバー(8)とカバー(8)に対して支
軸(9)を中心として回転自在に保持されたナット(10)を有するロック部材(11)と、内面に凹部(6)と勘合するボス(12)、(13)を有している。
【0024】
カバー(8)のロック部材(11)の反対面にはアルミ材からなる延長部(14)を挿入固定する軸受け部(15)が有り、延長部(14)の先端には、延長部(14)を中心として略直行する方向に延伸されたグリップ1(16)とグリップ2(18)が螺子(19)により締結固定されている。
【0025】
グリップ1(16)にはプッシュ式のスイッチが(図示せず)内蔵されており、ツマミ(20)を押すことにより、前記スイッチをON/OFFの切り替え操作することができる。
【0026】
延長部(14)内には前記スイッチと電気的に接続する複数の電線(21)が配され、この電線(21)の多端にはコネクター端子(22)がカバー(7)の内面から延伸している。
【0027】
防水型コードレスオービタルサンダー本体(1)のカバー(7)の固定部近傍には防水キャップ(図示せず)に覆われた端子部(23)が設けられており、コネクター端子(22)を端子部(23)に接続することにより、電気回路的に防水型コードレスオービタルサンダー本体(1)の電源スイッチ(4)と並列接続される。
【0028】
図4は防水型コードレスオービタルサンダー本体(1)に対して延長取手(7)を螺子(25)により固定した状態の斜視図である。
【0029】
延長取手(7)を防水型コードレスオービタルサンダー本体(1)に取り付けない場合は防水キャップにより端子部(23)を閉塞することにより防水機能は維持されていることになる。
【0030】
端子部(23)を非接触式の近接スイッチ(図示せず)を用い、コネクター端子(22)を金属などの磁性材(図示せず)を用い、電線(21)をコイルばねとコードからなる遠隔コード(図示せず)から構成し、前記グリップ1(16)、に対して設けられたツマミ(20)を操作することにより前記磁性材を非接触式の近接スイッチに対して近接、離間することでも防水型コードレスオービタルサンダー本体(1)の起動、停止に対しては同じ動作を得ることができる。
【0031】
この構成により、階段など高低差のある作業環境では延長取手(7)は防水型コードレ
スオービタルサンダー本体(1)には取り付けをせずに使用でき、床などの平面での作業環境では延長取手(7)を取り付けることにより、作業者は膝を曲げての作業をすることないため、苦痛なく作業が可能となる。
【0032】
また手元のスイッチを操作することにより、簡便に防水型コードレスオービタルサン
ダー本体(1)の電源をON/OFFすることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0033】
【図1】、
【図2】本実施に係る延長取手が取り付けられる防水型コードレスオービタルサンダーの概要を示す機器本体の斜視図である。
【図3】本実施に係る防水型コードレスオービタルサンダーの延長取手の斜視図である。
【図4】延長取手のカバー部の部分図
【図5】延長取手のグリップ部の拡大図
【図6】本実施例延長取手を防水型コードレスオービタルサンダー本体に取り付けた上体の斜視図ある。
【符号の説明】
【0034】
1 防水型オービタルサンダー本体
2 保持部
4 本体電源スイッチ
6 凹部
7 延長取手
8 カバー部
9 延長軸
11 ロック部材
12,13 ボス
14 延長部
15 軸受部
16,18 グリップ
19 螺子
20 ツマミ
21 電線
22 コネクター端子
23 端子部
24 電源スイッチ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
偏芯回転機構と、前記偏芯回転機構に敷設され偏芯回転いわゆるオービタル運動をする研磨部を有する防水型オービタルサンダー本体用の延長取手であり、一端に前記防水型オービタルサンダー本体と係合するカバー部と、前記カバー部から前記防水型オービタルサンダー本体とは逆方向に延長される延長軸部と、延長軸部の他端には延長軸部を中心として略直角方向または直線状に配された使用者が左右両手で保持する握り部とから構成され、前記カバー部は防水型オービタルサンダー本体から着脱自在にする固定用機構部を有することを特徴とする防水型オービタルサンダーの延長取手。
【請求項2】
防水型オービタルサンダー本体の凹部または凸部に対向し配された凸部または凹部とを有するカバー部を有し、取付け時には前記凹部または凸部と前記凸部または凹部が係号することにより防水型オービタルサンダー本体の所定の位置に取付が可能であることを特徴とする前記請求項1に記載の防水型オービタルサンダーの延長取手。
【請求項3】
本体に配された本体駆動用の電源スイッチ回路と前記電源スイッチ回路と電気回路的に並列に配された接続端子部とを有する防水型オービタルサンダー本体と、前記接続端子部に対して接触または非接触的に電気的に接続される接続部をとを有するカバー部と、前記接続端子部に電気的に接続された延長コードを有する延長軸部と、スライドまたはプッシュプッシュまたはトグル式のスイッチを有する握り部とから構成され、前記スライドまたはプッシュプッシュまたはトグル式のスイッチを操作することにより防水型オービタルサンダー本体を起動、停動することを特徴とする前記請求項1に記載の防水型オービタルサンダーの延長取手。
【請求項4】
本体に配された本体駆動用の電源スイッチ回路と前記電源スイッチ回路と電気回路的に並列に配された非接触式の近接スイッチとを有する防水型オービタルサンダー本体と、前記非接触式の近接スイッチに対して対向して配され、かつ前記近接スイッチ電気的にON/OFFする駆動片を有するカバー部と、駆動片を可動する延長コードを有する延長軸部と、スライドまたはプッシュプッシュまたはトグル式のツマミ部を有する握り部とから構成され、前記駆動片をスライドまたはプッシュプッシュまたはトグル式のツマミ部を操作することにより前記非接触式の近接スイッチに対して近接・離間をさせることにより防水型オービタルサンダー本体を起動、停動することを特徴とする前記請求項1及び請求2に記載の防水型オービタルサンダーの延長取手。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2010−23132(P2010−23132A)
【公開日】平成22年2月4日(2010.2.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−184329(P2008−184329)
【出願日】平成20年7月15日(2008.7.15)
【出願人】(507398349)株式会社リアルデザイン (7)
【出願人】(500564677)東スリーエス株式会社 (3)
【Fターム(参考)】