説明

防水構造、及びその施工方法

【課題】短時間で施工可能であり、さらには床を熱水や蒸気によって洗浄することによって生じる熱冷繰り返しの負荷が加わっても塗膜が剥離したり、割れたりすることがなく、防水性も付与できる層構造、塗床材樹脂組成物を提供すること。
【解決手段】硬化物の収縮率が1.0%以上3.5%以下であり、かつ応力が3N/mm以上15N/mm以下であるラジカル重合性樹脂組成物と、骨材とを含む塗床材樹脂組成物を塗付された防水構造、さらに前記ラジカル重合性樹脂組成物が含浸された繊維補強層が形成される防水構造とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、食品工場、厨房床や浴室など熱や水がかかる床に施工される塗り床材樹脂組成物、及び塗り床材施工方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、食品工場や厨房床は取り扱う食材等により床表面が汚染されるため、毎日のように熱水又は蒸気等で床を洗浄し清潔性を保持している。このため食品工場や厨房床の下地コンクリート上には不浸透性で排水性の良好なシームレスのエポキシ樹脂系塗床材や、水系ウレタン系セメント組成物等から成る合成樹脂系塗床材が塗付されることが多い。また浴室床は毎日のように、住居者の入浴、洗浄による温水又は冷水が繰返し床にかかる。このため浴室床の下地コンクリート上には不浸透性で排水性の良好なシームレスの不飽和ポリエステル樹脂系組成物や、ビニルエステル樹脂系組成物等から成る合成樹脂系防水材のライニング施工や加工品が設置されることが多い。
【0003】
エポキシ樹脂塗床材としては、エポキシ樹脂成分100に対してシリカバルーン、ガラスバルーン、プラスチックバルーンのうち少なくとも二種以上のバルーンを約5〜80重量%配合してなり、形成された塗膜の上層に該2種以上のバルーンによって断熱層が形成されてなる耐熱床材が開示されている(特許文献1)。
【0004】
架橋性(メタ)アクリルシラップ、並びに、パラフィン及び/又はワックスを含む樹脂組成物であって、該架橋性(メタ)アクリルシラップは、重合性二重結合を有する(メタ)アクリル系重合体(A)、及び、重合性単量体(B)を含み、該パラフィン及び/又はワックスの融点は、30〜100℃であり、該パラフィン及び/又はワックスの含有量は、架橋性(メタ)アクリルシラップ100重量部に対して、0.01〜5重量部である樹脂組成物で速硬化性を有するとともに、密着性、耐薬品性、耐水性、表面硬度、靭性等の性能に優れ、しかも、硬化剤の増量による色目の違いが生じることが抑制されて乾燥性や低温硬化性に優れた土木建築用被覆材組成物として好適に適用することができることが開示されている。(特許文献2)
【0005】
上から(A)表面層、(B)繊維強化熱硬化性樹脂硬化物層、(C)ビニルエステル樹脂(C−1)、空乾性ビニルエステル樹脂(C−2)及び重合性不飽和単量体(C−3)を含む不飽和樹脂組成物(c1)であって、前記組成物(c1)を硬化物とした際のJISK6301での引張り伸び率が30%以上である不飽和樹脂組成物(c1)と珪砂(c2)とを含む硬化物層、(D)基体からなる床構造体であって、硬化物層(C)の体積のうち、珪砂(c2)が25〜80体積%で、前記硬化物層(C)が荷重時変形量0.3mm以下である床構造体で、耐据え切り性、耐加重変形性に優れ、倉庫、駐車場に使用できることが開示されている。(特許文献3)
【0006】
しかし、これらは防水信頼性が得られるものではなかった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開平4−108955号公報
【特許文献2】特開2002−20440号公報
【特許文献3】特開2009−179989号公報
【特許文献4】特開2005−120305号公報
【特許文献5】特開2004−203949号公報
【特許文献6】特開2003−212926号公報
【特許文献7】特開2009−68016号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
解決しようとする課題は、短時間で施工可能であって、さらには床を熱水や蒸気によって洗浄することによって生じる熱冷繰り返しの負荷が加わっても塗膜が剥離したり、割れたりすることがなく、防水性も付与できる層構造、その施工方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
請求項1の発明は、硬化物の収縮率が1.0%以上3.5%以下であり、かつ応力が3N/mm以上15N/mm以下であるラジカル重合性樹脂組成物と、骨材とを含む塗床材樹脂組成物が塗付されたことを特徴とする防水構造で、骨材を含むことで不陸調節を有し、常温短時間硬化が可能で、熱冷耐久性を有する防水用層構造となる。
【0010】
請求項2の発明は、請求項1の防水構造にさらに前記のラジカル重合性樹脂組成物が含浸された繊維補強層が形成されることを特徴とする防水構造で、骨材を含むことで不陸調節を有すると共に熱冷繰返し耐熱性を有し、繊維に含浸することにより、防水信頼性を高める。
【0011】
請求項3の発明は、請求項1乃至2に記載のいずれかの防水構造を施工する方法で、不陸調節を容易にでき、熱冷繰返し耐熱性を有する塗床となる。
【発明の効果】
【0012】
本発明の塗床材樹脂組成物は不陸調節を容易にでき、熱冷繰返し耐熱性を有する床仕上げができ、その上に繊維補強層を形成することにより、より熱冷耐久性を有する防水構造となる特徴がある。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本発明はラジカル重合性樹脂組成物と骨材とを含む塗床材樹脂組成物を使用し、前記ラジカル重合性樹脂組成物は硬化物の収縮率が1.0%以上3.5%以下であり、かつ応力が3N/mm以上15N/mm以下である。下地基材に塗材組成物を塗付した下地調節下塗層とさらにその上にラジカル重合性樹脂組成物を含浸した繊維補強層とを有する層構造とすることで高い熱冷繰り返し耐久性を有し、短工期で塗床を施工できる。
【0014】
前記 ラジカル重合性樹脂組成物は不飽和ポリエステル樹脂、エポキシアクリレート樹脂等のラジカル重合性基を有する樹脂とモノマーとを組み合わせたものでよく、作業環境、VOC等を重視したスチレン等の溶剤非含有がより好ましく、これらは特許文献4〜7等の組成物であり、末端に(メタ)アクリル基を導入された樹脂と(メタ)アクリレートモノマー、硬化剤、硬化促進剤、必要に応じて塗床材適性を上げる添加剤から構成される。硬化収縮率と収縮応力は末端に(メタ)アクリル基を導入された樹脂の(メタ)アクリル基当量、すなわち、主鎖の柔軟性や長さと末端(メタ)アクリル基の比率と、樹脂と(メタ)アクリレートモノマーとの比率、このモノマーの柔軟性、官能基数で適宜選択する。このうち、各種主鎖の両末端にエポキシを導入したものに(メタ)アクリル酸を反応させたビニルエステルが物性と設計のし易さから好ましい。(メタ)アクリレートモノマーは残存モノマー、反応性と反応速度、作業性に影響する粘度、臭気等から適宜選択する。
【0015】
硬化剤は前記ラジカル重合性基を有する樹脂とモノマーの残存モノマー率、開始剤効率等から適宜選択する。メチルエチルケトンパーオキサイド、シクロヘキサノンパーオキサイド、3、3、5−トリメチルシクロヘキサノンパーオキサイド、メチルシクロヘキサノンパーオキサイド、メチルアセトアセテートパーオキサイド、アセチルアセトンパーオキサイド等やクメンハイドロパーオキサイド等のハイドロパーオキサイド類が使用可能である。この中で、硬化促進剤との組み合わせ易さ、ハンドリング性、入手し易さからメチルエチルケトンパーオキサイド(MEKPOと略す)が好ましい。
【0016】
硬化促進剤は硬化剤を常温で分解させる目的で使用し、各種ナフテン酸、オクチル酸等の金属塩や三級アミンなど組み合わせて使用する。前者の例としてナフテン酸コバルトやオクチル酸コバルト、アセチルアセトンコバルト等のコバルト塩が好ましい。ラジカル重合性基を有する樹脂とモノマーと硬化促進剤を混合物として使用すると2液で、ハンドリング性が良く好ましい。硬化速度はラジカル重合性樹脂組成物としての硬化速度、硬化温度、残存モーマー等から添加量を選択する。
【0017】
本発明で使用できるラジカル重合性樹脂組成物が硬化物の収縮率が1.0%以上3.5%以下であり、かつその硬化物の収縮率と圧縮及び引張弾性係数から求めた応力が3N/mm以上15N/mm以下であることで、熱冷繰り返し耐熱性を有する防水構造が構成できる。前記範囲であれば、硬化の段階で形成塗膜に負荷がかからず、破壊せず、十分な熱冷繰返し耐熱性が発揮でき、加熱により発生する熱膨張による内部応力を緩和でき、熱冷繰返しによる収縮応力で形成塗膜の破壊を防ぐ。熱冷繰返し耐熱性を得るには、体積変化量が過大とならず、熱冷繰返しによる膨張収縮を緩和でき、塗床構造を維持できる適度な凝集力を必要とする。硬化物の収縮率が2.0〜3.0%、かつその硬化物の応力が6〜10N/mmであることがより好ましい。
【0018】
前記硬化物の収縮率は23℃条件下でラジカル重合性樹脂組成物をポリ容器(上面φ60mm、底面φ45mm、高さ75mm)に100g入れ、この樹脂組成物の中央に熱電対を設置、温度計測し、最高硬化発熱到達時間の6/10をゲル化時間とし、ゲル化時間が30分になるように配合されたラジカル重合性樹脂組成物を使用し、硬化処理時間はゲル化時間の6倍の時間とし、80℃下に静置後、ゲル化時間の2倍の時間23℃下に静置したものとし、体積変化量から硬化収縮率を求め、また、その硬化物を80℃下に24時間静置後、23℃下に8時間静置したものの体積変化量から収縮率を求めて、前記硬化収縮率と収縮率の和とした。
具体的な求め方は下記、数1による。
【0019】
【数1】

*1 ラジカル重合性樹脂組成物を23℃下10分真空脱泡し、JIS K6833:1994(接着剤の一般試験方法)に規定される内容積100mlの比重カップを用いて液体比重を求めた。
*2 上記 ラジカル重合性樹脂組成物を約12.5×12.5×25.5mmのシリコーン樹脂製型枠を用いて正四角柱の硬化物とし、23℃で2時間静置し、その後80℃で3時間加熱し、23℃で1時間以上静置したものを23℃下で水中置換法によって硬化物比重を求めた。
*3 *2の被測定物(硬化物)を80℃で24時間静置し、速やかに23℃下で水中置換法によって80℃における硬化物比重を求めた。
*4 *3の測定直後、23℃で8時間以上静置させ水中置換法によって23℃における硬化物比重を求めた。
【0020】
応力は、下記数2より求めた。すなわち前記硬化物の収縮率とその硬化物の圧縮及び引張弾性係数からそれぞれ求めて、圧縮収縮応力と引張収縮応力の合計を1/2したものとした。
【0021】
【数2】

【0022】
骨材としては、例えば、砂、硅砂、石英砂、硅石粉、これらを着色したものや焼成したもの、炭酸カルシウム、ゼオライト、アルミナ、ガラス粉末、ガラスビーズ等を使用することができる。特に硅砂を使用することにより、塗床材樹脂組成物としての粘度の上昇を抑えることができると共に、硅砂が塗床材に加わる荷重を負担し、樹脂部の疲労を軽減させることができる。これらの組み合わせとしては、例えば塗付作業性、セルフレベリング性向上の点から、粒径が異なる骨材の組み合わせが好ましい。
また骨材のほかに着色顔料や染料等を配合することにより、塗床材樹脂組成物を着色することができ、着色顔料としては酸化チタン、弁柄、シアニンブルー、シアニングリーン、酸化クロム、カーボンブラック等を配合することができる。
骨材は塗床材樹脂組成物の熱冷の膨張収縮を抑えるため、全体に対して30〜90容量%配合することが好ましく、この範囲で、熱膨張・収縮の効果が発揮でき、樹脂不足による耐熱不足もない。
さらに樹脂塗付作業性及びセルフレベリング性が良好となり、膜厚を確保できるために60〜80容量%がより好ましい。
この市販品に東北硅砂6号(東北硅砂(株)、商品名)、ジョリエースJF−40(アイカ工業(株)製、商品名、硅砂と珪石粉の混合物)がある。
【0023】
塗床材樹脂組成物を塗付された防水構造は塗付厚さ0.2〜10mmで塗り付けられる。この塗膜は熱冷繰り返し耐熱性を有し、素地調整の役目も有する。この範囲で、塗床材として、十分硬化させることができ、前記塗膜としての性能を発揮する。塗布厚さ0.2mm未満では施工性が不良となり塗膜形成困難であり、十分な耐熱性が得られない、10mmを超えると硬化物の収縮量が大きくなり、ひび割れ等が生じ十分な塗膜が形成できず、耐熱性を低下させる。作業性に支障がなく、十分な熱冷繰返し耐熱性を得るのには、塗布厚さ0.5〜7mmがより好ましい。
【0024】
さらに 上記防水構造に繊維補強層を設けることができる。繊維として市販の繊維が使用でき、上記ラジカル重合性樹脂組成物を含浸硬化させる。この繊維補強層は一回であっても、複数回繰り返してもよい。必要塗膜厚さ、耐疲労性等の必要性能、用途に応じて決められる。
前記繊維としてガラスチョップドストランドマット、ビニロンチョップドストランドマットがあげられ、前者マット目付量230〜600g/mに、ラジカル重合性樹脂組成物0.8〜4.0kg/m、後者マット目付量100〜150g/mに0.8〜2.0kg/mが適する。この範囲で作業性に支障が生じず、繊維補強効果があり、強度、防水性が得られる。
【0025】
本発明の防水用層構造が形成される下地、塗床材樹脂組成物の塗付される下地はコンクリート等に使用でき、必要に応じて、プライマー(シーラー)等を塗布して、施工する。これは密着力を上げると共に、塗床材樹脂組成物の硬化が阻害されないためであるが、下地により使用の必要性を選択する。
【0026】
以下、実施例と比較例によって具体的に説明する。
【実施例1】
【0027】
JIS A5371:2004、付属書2普通平板 呼び300の規定に適合する300×300×60mmのコンクリート平板を4分の1に切断した150×150×60mmのコンクリート下地に、ジョリエースJU−70(アイカ工業(株)、商品名、溶剤形ウレタン樹脂系プライマー)を0.2kg/m塗布し、アイカジョリエースJE−2008(アイカ工業(株)、商品名、ビニルエステル樹脂系、硬化促進剤含有、スチレン非含有)100重量部に硬化剤としてジョリエースJE−2509L(アイカ工業(株)、商品名、MEKPO35%含有品)を1.5重量部添加し、十分混合させ、ラジカル重合性樹脂組成物とし、更にJF−40(アイカ工業(株)、商品名、硅砂と珪石粉の混合物、比重2.56)を400重量部混合し、塗床材樹脂組成物とし、厚さ5mm塗付し、実施例1とした。
【実施例2】
【0028】
実施例1のJE−2008をジョリエースJE−2006(アイカ工業(株)、商品名、不飽和ポリエステル樹脂50重量%とスチレンモノマー48重量%、8%オクチル酸コバルト2重量%配合物、粘度450 mPa・s/23℃)に変え、JE−2509LをジョリエースJE−2509M(アイカ工業(株)、商品名、MEKPO38%含有品)1重量部に変えた以外実施例1と同じく行い実施例2とした。
【実施例3】
【0029】
実施例1と同じ配合のラジカル重合性樹脂組成物100重量部に、JF−40を6号硅砂(東北硅砂(株)、比重2.6)200重量部に変えた塗床材樹脂組成物を、1.5kg/m塗付し(厚さ0.7mm)、前記ラジカル重合性樹脂組成物0.5kg/mを塗付し、その上に450g/mガラスチョップドストランドマットを敷いて、さらに前記ラジカル重合性樹脂組成物を1.0kg/m塗付し、実施例3とした。
【0030】
比較例1
実施例1のJE−2008に変え、ジョリエースJE−2503(アイカ工業(株)、製品名、エポキシアクリレート樹脂、スチレンモノマー系、オクチル酸コバルト含有品、粘度350mPa・s/23℃)に変え、さらにJE−2509N(アイカ工業(株)
、オクテン酸コバルト)0.5重量部を添加し十分混合させ、さらにJE−2509LをジョリエースJE−2509Mに変えた以外実施例1と同じく行い比較例1とした。
【0031】
比較例2
実施例1のJE−2008をジョリエースJE−2240(アイカ工業(株)、商品名、アクリル樹脂系)に変え、JE−2509LをJE−2200H(アイカ工業(株)、ベンゾイルパーオキサイド)1重量部に変えた以外実施例1と同じく行い比較例2とした。
【0032】
比較例3
比較例1の塗床材樹脂組成物、ラジカル重合性樹脂組成物を用いた以外実施例3と同じに行い比較例3とした。
【0033】
なお、実施例1〜3、比較例1〜3の試験体は実施後168時間23℃下に静置後冷熱繰り返し試験を行い、また塗床材樹脂組成物の塗付後、1時間23℃下に静置後次の作業を行った。
【表1】

【0034】
実施例・比較例の塗床材樹脂組成物の骨材を含まないラジカル重合性樹脂組成物を用いて、数1の測定、下記の測定を行った。
【0035】
圧縮弾性係数:JIS K 6911:1995(熱硬化性プラスチック一般試験方法)に準じて、上記測定後を試験体とし、インストロン万能試験機(商品名)を用いて、クロスヘッド移動速度1mm/分で圧縮試験し、測定された応力とひずみから圧縮弾性係数を求めた。
【0036】
引張弾性係数:JIS K7113:1995(プラスチックの引張試験方法)及びJIS K6911:1995(熱硬化性プラスチック一般試験方法)に準じて、ラジカル重合性組成物を約10.0×100×4.0mmのシリコーン樹脂製型枠を用いて短冊状の硬化物とし、硬化履歴は上記 圧縮の履歴に合わせた。インストロン万能試験機を用いて、つかみ具間隔60mm、クロスヘッド移動速度20mm/分で引張試験し、測定された応力とひずみから引張弾性係数を求めた。
【0037】
熱冷繰返し耐熱性
実施例、比較例の23℃で7日間静置した試験体の表面に95℃の熱水を4リットル/分で5分間流下させた直後、20℃の冷水を4リットル/分で10分間流下させる操作を1サイクルとして熱冷繰返しを行った。 熱冷繰返しは塗膜に膨れ、剥がれ等の異常が発生するまで連続して行い、2000サイクルまでを観察し、この膨れ、剥がれ等の異常が発生した時点におけるサイクル数を温冷繰返し耐熱性とした。
【0038】
熱冷繰返し試験後の塗膜の状態
上記熱冷繰返し試験で膨れ、剥がれ等の異常が発生した時点の状態を目視にて観察した。
【0039】
評価
上記熱冷繰返し試験を、下記の5段階に評価した。
○ :1500サイクルを超えたもの
△○ :1000サイクルを超え、1500サイクル以下のもの
△ :500サイクルを超え、1000サイクル以下のもの
×△ :100サイクルを超え、500サイクル以下のもの
× :100サイクル以下のもの

【特許請求の範囲】
【請求項1】
硬化物の収縮率が1.0%以上3.5%以下であり、かつ応力が3N/mm以上15N/mm以下であるラジカル重合性樹脂組成物と、骨材とを含む塗床材樹脂組成物が塗付されたことを特徴とする防水構造。
【請求項2】
請求項1の防水構造にさらに前記のラジカル重合性樹脂組成物が含浸された繊維補強層が形成されることを特徴とする防水構造。
【請求項3】
請求項1乃至2に記載のいずれかの防水構造を施工する方法。

【公開番号】特開2011−127317(P2011−127317A)
【公開日】平成23年6月30日(2011.6.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−285934(P2009−285934)
【出願日】平成21年12月17日(2009.12.17)
【出願人】(000100698)アイカ工業株式会社 (566)
【Fターム(参考)】