説明

防水構造及び電子機器の筐体

【課題】ケースに溝を形成せずとも防水性を確保する。
【解決手段】電子機器の筐体1は、第1のケース10と、第1のケース10に突き合わせられた第2のケース20と、第1のケース10の突合わせ面11に凸設され、第2のケース20の突合わせ面21に圧接された弾性突起30と、第2のケース20の突合わせ面21に凸設され、弾性突起30に沿うよう設けられた剛性突起40と、を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、防水構造及び電子機器の筐体に関し、特に2つのケースの突き合わせ部分の防水構造及びそれを利用した電子機器の筐体に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、携帯電話機に代表されるような電子機器が広く普及している。電子機器の小型化が求められ、併せて、電子機器の防水対策も進められている。電子機器の防水対策として、パッキンが用いられている(例えば、特許文献1参照)。即ち、溝が電子機器筐体の一方のケースの縁に沿ってそのケースの全周にわたって形成され、その溝にパッキンが嵌め込まれ、リブが他方のケースの縁に沿ってそのケースの全周にわたって形成され、両方のケースが突き合わせられることによって、リブがパッキンに圧接されている。
【特許文献1】特開平8−20082号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
ところで、パッキンを埋め込むための溝がケースの周縁部に凹設されているから、溝の分だけケースの幅を広くしなければならず、電子機器筐体の小型化が図れない。また、ケースが加工しにくいガラス材等からなるものである場合、そのケースには溝を形成しにくい。
一方、ケースに溝を形成せずに、パッキンがリブによって圧縮されると、パッキンの位置がずれてしまい、防水性を実現できない虞がある。パッキンを溝に埋め込まずにパッキンの位置ずれを防止するために、パッキンに対する圧縮力を低減すると、防水性が低減してしまう。
そこで、本発明の課題は、ケースに溝を形成せずとも高い防水性を確保することである。
【課題を解決するための手段】
【0004】
請求項1に係る発明によれば、
第1のケースと、
前記第1のケースに突き合わせられた第2のケースと、
前記第1のケースの突合わせ面に凸設され、前記第2のケースの突合わせ面に圧接された弾性突起と、
前記第2のケースの突合わせ面に凸設され、前記弾性突起に沿うよう設けられた剛性突起と、を備えることを特徴とする電子機器の筐体が提供される。
【0005】
請求項2に係る発明によれば、
前記剛性突起の表面が曲面状をなして前記第2のケースの突合わせ面に滑らかに連なることを特徴とする請求項1に記載の電子機器の筐体が提供される。
【0006】
請求項3に係る発明によれば、
第1のケースと、
前記第1のケースに突き合わせられた第2のケースと、
前記第1のケースの突合わせ面に凸設され、前記第2のケースの突合わせ面に圧接された弾性突起と、
前記第1のケースの突合わせ面に凸設され、前記弾性突起に沿うよう設けられた剛性突起と、を備えることを特徴とする電子機器の筐体が提供される。
【0007】
請求項4に係る発明によれば、
第1のケースと、
前記第1のケースに突き合わせられた第2のケースと、
前記第1のケースの突合わせ面に凸設されるとともに、その突合わせ面に対して傾斜した斜面を有する剛性突起と、
前記斜面に凸設され、前記剛性突起に沿うよう設けられ、前記第2のケースの突合わせ面に圧接された弾性突起と、を備えることを特徴とする電子機器の筐体が提供される。
【0008】
請求項5に係る発明によれば、
前記第2のケースの突合わせ面に凸設され、前記弾性突起に沿うよう設けられた第2の剛性突起を更に備えることを特徴とする請求項3又は4に記載の電子機器の筐体が提供される。
【0009】
請求項6に係る発明によれば、
前記弾性突起が先細りに設けられていることを特徴とする請求項3から5の何れか一項に記載の電子機器の筐体が提供される。
【0010】
請求項7に係る発明によれば、
一対の部材の突合わせ部分の防水構造において、
一方の部材の突合わせ面に凸設され、他方の部材の突合わせ面に圧接された弾性突起と、
前記他方の部材の突合わせ面に凸設され、前記弾性突起に沿うよう設けられた剛性突起と、を備えることを特徴とする防水構造が提供される。
【0011】
請求項8に係る発明によれば、
前記剛性突起の表面が曲線状をなして前記他方の部材の突合わせ面に滑らかに連なることを特徴とする請求項7に記載の防水構造が提供される。
【0012】
請求項9に係る発明によれば、
一対の部材の突合わせ部分の防水構造において、
一方の部材の突合わせ面に凸設され、他方の部材の突合わせ面に圧接された弾性突起と、
前記一方の部材の突合わせ面に凸設され、前記弾性突起に沿うよう設けられた剛性突起と、を備えることを特徴とする防水構造が提供される。
【0013】
請求項10に係る発明によれば、
一対の部材の突合わせ部分の防水構造において、
一方の部材の突合わせ面に凸設されるとともに、その突合わせ面に対して傾斜した斜面を有する剛性突起と、
前記斜面に凸設され、前記剛性突起に沿うよう設けられ、他方の部材の突合わせ面に圧接された弾性突起と、を備えることを特徴とする防水構造が提供される。
【0014】
請求項11に係る発明によれば、
前記他方の部材の突合わせ面に凸設され、前記弾性突起に沿うよう設けられた第2の剛性突起を更に備えることを特徴とする請求項9又は10に記載の防水構造が提供される。
【0015】
請求項12に係る発明によれば、
前記弾性突起が先細りに設けられていることを特徴とする請求項9から11の何れか一項に記載の防水構造が提供される。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、凸設された弾性突起がその弾性突起に沿うように設けられた剛性突起に受けられ、その弾性突起の大変形が抑えられる。そのため、突合わせ面に溝を設けずとも、防水性を確保することができる。更には、弾性突起に対する圧縮力が小さくとも、防水性を確保することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下に、本発明を実施するための好ましい形態について図面を用いて説明する。但し、以下に述べる実施形態には、本発明を実施するために技術的に好ましい種々の限定が付されているが、発明の範囲を以下の実施形態及び図示例に限定するものではない。
【0018】
〔第1の実施の形態〕
図1は、電子機器の筐体1を示した分解斜視図である。
第1のケース10が第2のケース20に突き合わせられ、第1のケース10と第2のケース20の四つ角において第1のケース10と第2のケース20がネジ2によって締め付けられている。第1のケース10と第2のケース20の結合は爪によるものでもよいし、リベットによるものでもよいし、接着剤によるものでもよい。
【0019】
第2のケース20は、プラスチック製、ガラス製、金属製又はセラミック製であるが、その材質は特に限定するものではない。第2のケース20の両面のうち第1のケース10との突合わせ面21には収納凹部22(図6に図示)が形成されており、その収納凹部22に回路基板が収容されている。第2のケース20の突合わせ面21と第1のケース10の突合わせ面11が突き合わせられることで、収納凹部22が第1のケース10によって覆われる。
【0020】
第1のケース10は、プラスチック製、ガラス製、金属製又はセラミック製であるが、その材質は特に限定するものではない。なお、第1のケース10の両面のうち第2のケース20との突合わせ面11にも回路基板収納用の収納凹部が形成され、第1のケース10の収納凹部と第2のケース20の収納凹部22が重なるようにして、第1のケース10と第2のケース20が突き合わせられてもよい。
【0021】
第1のケース10と第2のケース20の突合わせ部分の防水構造について具体的に説明する。第1のケース10の突合わせ面11であってその周縁部には、弾性突起30が凸設されている。弾性突起30は、突合わせ面11の周縁部の全周にわたって形成されている。弾性突起30はゴム材料からなるものであり、2色成型法、インサート成型法、その他の成型法によって弾性突起30が形成される。そのため、弾性突起30が突合わせ面11に密着している。
【0022】
図2は、図1のII−IIに沿った切断面の矢視端面図である。図2に示すように、弾性突起30は三角形状を成している。具体的には、弾性突起30の径方向内側の面31は突合わせ面11に対してほぼ垂直な面となっており、径方向外側の面32は突合わせ面11に対して傾斜し、弾性突起30の先端部33が面31と面32によって挟まれる稜線部であり、その先端部33が丸められている。
【0023】
弾性突起30の断面形状は三角形状に限るものではなく、例えば、図3〜図5に示すようにしてもよい。図3の場合は、弾性突起30Aの径方向内側の面31Aと外側の面32Aがほぼ平行であり、その弾性突起30Aの先端部33Aが丸められている。図4の場合は、弾性突起30Bの断面形状が台形型であり、弾性突起30Bの先端部の面33Bが底面34Bに平行であり、径方向内側の面31Bが突合わせ面11に対してほぼ垂直であり、径方向外側の面32Bが突合わせ面11に対して傾斜している。図5の場合は、弾性突起30Cの断面形状が2つ山状であり、弾性突起30Cが径方向内側の稜線部34Cと径方向外側の稜線部35Cとを有する。
【0024】
図6は、第1のケース10と第2のケース20を突き合わせた状態を示した端面図である。図6に示すように、第2のケース20の突合わせ面21であってその周縁部には、剛性突起40が凸設されている。剛性突起40と第2のケース20は一体形成されたものである。剛性突起40は突合わせ面21の周縁部の全周にわたって形成されている。収納凹部22が剛性突起40の径方向内側に形成されている。
【0025】
第1のケース10と第2のケース20を突き合わせた状態では、弾性突起30の径方向内側に剛性突起40が位置し、弾性突起30が剛性突起40に沿って、弾性突起30と剛性突起40が互いに近接している。突合わせ面11を基準とした弾性突起30の突出高さは、突合わせ面21を基準とした剛性突起40の突出高さよりも高い。なお、剛性突起40が弾性突起30の径方向外側に位置してもよい。
【0026】
第1のケース10と第2のケース20が突き合わせられると、弾性突起30が第2のケース20の突合わせ面21に当接し、更に図1に示すように第1のケース10と第2のケース20がネジ2によって締結されると、弾性突起30が圧縮される。
【0027】
以上のように、本実施形態によれば、第1のケース10の突合わせ面11に弾性突起30が凸設され、弾性突起30が弾性変形し得るから、その弾性突起30が第2のケース20の突合わせ面21に圧接することで、その部分で防水性を得られる。更に、弾性突起30が成型されることで、弾性突起30が突合わせ面11に密着しているから、弾性突起30が溝に埋め込まれていなくても、弾性突起30の位置ずれが発生しない。
【0028】
そして、突合わせ面21に溝を形成せずとも、防水性を確保することができるため、収納凹部22の縁から突合わせ面21の縁までの幅を溝の壁片側ぶんだけ狭くすることができる。そのため、筐体1の全体としての幅も狭くすることができ、コンパクトな筐体1を提供することができる。
【0029】
また、弾性突起30に沿って剛性突起40が設けられているので、弾性突起30が変形しても剛性突起40に受けられ、弾性突起30が内側に折れ曲がるように変形しない。つまり、筐体1の防水性が高くなっており、特に、筐体1が水中に沈んだ場合でも、耐水性がある。特に、第1のケース10と第2のケース20によって弾性突起30が圧縮される荷重が小さくとも、防水性・耐水性の低減を最小限に抑えることができる。そして、防水性・耐水性を保ち、弾性突起30に対する圧縮力を小さくしながら、突合わせ面21からの弾性突起30の剥離を抑えることができる。
【0030】
それに対して、図7に示す比較例のように、剛性突起40が無いと、水圧によって弾性突起30が内側に折れ曲がるように変形してしまい、特に弾性突起30に対する圧縮力が小さくなる程、その現象は顕著に現れる。そのため、剛性突起40がある方が無い場合よりも防水性が高い。
【0031】
また、本実施形態によれば、剛性突起40は第2のケース20に形成されており、弾性突起30は成型法によって第1のケース10に形成されたものであるから、第1のケース10がガラス等のように加工しにくい材質であっても、防水性・耐水性を得ることができる。
【0032】
なお、剛性突起40が弾性突起30の径方向外側に位置している場合には、筐体1の外側の圧力が内側の圧力よりも低くなるようなときに、防水性の向上を図ることができる。
【0033】
本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、上記実施形態に対して種々の設計変更を行ってもよい。
例えば、図8に示すように、剛性突起40Dの表面41Dを滑らかにしてもよい。つまり、剛性突起40Dの表面41Dが曲線状をなして突合わせ面21に滑らかに連なっている。このような形状をなした剛性突起40Dを図2〜図5の弾性突起30A〜30Cの何れかに組み合わせて用いてもよい。剛性突起40Dの表面41Dが滑らかな曲線状をなしているので、塵埃が入隅に堆積するということが起こらず、剛性突起40Dと弾性突起30Dの密接性が保たれ、防水性を確保することができる。また、第1のケース10と第2のケース20を突き合わせて筐体1を組み立てる時には、剛性突起40Dが滑らかであるために、剛性突起40Dと弾性突起30Dの位置合わせを行いやすく、防水不良を確実に防止することができる。なお、図8においては、弾性突起30Dの径方向外側の面32Dは突合わせ面11に対してほぼ垂直な面となっており、径方向内側の面31Dは突合わせ面11に対して傾斜している。このような断面形状の弾性突起30Dを図3に示された形状の剛性突起40と組み合わせて用いてもよい。
【0034】
〔第2の実施の形態〕
図9に示すように、第2実施形態では、第1実施形態と同様に、第1のケース10が第2のケース20に突き合わせられ、第1のケース10と第2のケース20がネジ、爪、リベット又は接着剤によって結合されている。
【0035】
第1のケース10の突合わせ面11であってその周縁部には、剛性突起50Eが凸設されている。剛性突起50Eは、突合わせ面11の周縁部の全周にわたって形成されている。剛性突起50Eと第1のケース10は一体形成されたものである。この剛性突起50Eの断面形状は矩形状又は正方形状である。
【0036】
第1のケース10の突合わせ面11であってその周縁部には、ゴム製の弾性突起30Eが凸設されている。弾性突起30Eは、突合わせ面11の周縁部の全周にわたって形成されている。弾性突起30Eの断面形状は五角形状である。つまり、径方向内側の面31Eと外側の面32Eが平行であり、上面33Eと底面34Eが平行であり、上面33Eと内側の面31Eの間の面35Eが斜面であり、弾性突起30Eが底面34E側から上面33E側に向かって先細りに設けられている。
【0037】
弾性突起30Eの突出高さは剛性突起50Eの突出高さよりも高い。弾性突起30Eが剛性突起50Eの径方向外側に位置し、弾性突起30Eが剛性突起50Eに沿っている。そして、弾性突起30Eの径方向内側の面31Eと剛性突起50Eの径方向外側の面52Eが密着している。なお、弾性突起30Eが剛性突起50Eの径方向内側に位置し、弾性突起30Eの径方向外側の面32Eと剛性突起50Eの径方向内側の面51Eが密着してもよい。
【0038】
第1のケース10と第2のケース20が突き合わせられ、弾性突起30Eが第2のケース20の突合わせ面21に圧接されている。
【0039】
以上のように、本実施形態によれば、弾性突起30Eに沿って剛性突起50Eが設けられているので、水圧等によっても弾性突起30Eが大変形せず、防水性・耐水性が高くなっている。また、第2のケース20の突合わせ面21に溝や突起を設けずとも済み、第2のケース20がガラス等のように加工しにくい材質であっても、防水性・耐水性を得ることができる。また、弾性突起30Eが先細りに設けられているので、弾性突起30Eが更に圧縮されたときでも、弾性突起30Eの逃げが確保される。
【0040】
なお、図9においては、突合わせ面21に突起が形成されていないが、図10に示すように、第1実施形態の場合と同様に、第2のケース20の突合わせ面21に剛性突起40Eが凸設され、その剛性突起40Eが弾性突起30Eに沿っていてもよい。この剛性突起40Eの断面形状は矩形状であるが、剛性突起40Eの断面形状が第1実施形態における剛性突起40又は剛性突起40Dの断面形状と同一であってもよい。図10では、剛性突起40Eが、弾性突起30Eの径方向内側に位置しているが、弾性突起30Eの径方向外側に位置してもよい。剛性突起40Eと剛性突起50Eのうち一方が弾性突起30Eの径方向内側に位置し、他方が弾性突起30Eの径方向内側に位置していれば、筐体の外側の圧力が内側の圧力よりも高い場合でも低い場合でも、防水性の向上を図ることができる。
【0041】
〔第3の実施の形態〕
図11に示すように、第3実施形態では、第1実施形態と同様に、第1のケース10が第2のケース20に突き合わせられ、第1のケース10と第2のケース20がネジ、爪、リベット又は接着剤によって結合されている。
【0042】
第1のケース10の突合わせ面11であってその周縁部には、剛性突起50Fが凸設されている。剛性突起50Fは、突合わせ面11の周縁部の全周にわたって形成されている。剛性突起50Fと第1のケース10は一体形成されたものである。この剛性突起50Fの断面形状は台形状である。つまり、剛性突起50Fの径方向内側の面51Fが第1のケース10の突合わせ面11に対して垂直であり、径方向外側の面52Fが突合わせ面11に対して傾斜し、上面53Fが突合わせ面11と平行である。
【0043】
図12に示すように、剛性突起50Fの径方向外側の面52Fには、弾性突起30Fが凸設されている。弾性突起30Fは突合わせ面11の周縁部の全周にわたって形成されており、弾性突起30Fが剛性突起50Fに沿っている。弾性突起30Fの断面形状は四角形状である。弾性突起30Fの底面34Fが剛性突起50Fの径方向外側の面52Fに密着した面であり、弾性突起30Fの径方向外側の面32Fが第1のケース10の突合わせ面11に対して垂直であり、弾性突起30Fの上面33Fが突合わせ面11に平行であり、弾性突起30Fの径方向内側の面31Fが剛性突起50Fの上面53F及び突合わせ面11に対して傾斜している。そして、弾性突起30Fは底面34F側から上面33F側に向かって先細りに設けられている。
【0044】
図11に示すように、第1のケース10と第2のケース20が突き合わせられ、弾性突起30Fが第2のケース20の突合わせ面21に圧接されている。
【0045】
本実施形態によれば、剛性突起50Fの傾斜した面52Fに弾性突起30Fが設けられているので、水圧等によっても弾性突起30Fが大変形せず、防水性・耐水性が高くなっている。また、第2のケース20の突合わせ面21に溝や突起を設けずとも済み、第2のケース20がガラス等のように加工しにくい材質であっても、防水性・耐水性を得ることができる。また、弾性突起30Fが先細りに設けられているので、弾性突起30Fが更に圧縮されたときでも、弾性突起30Fの逃げが確保される。
【0046】
なお、弾性突起30Fの断面形状は四角形状に限るものではなく、例えば、図13〜図16に示すようにしてもよい。図13〜図16に示された弾性突起30G〜30Kは何れも断面三角形状をなしている。図13の場合には、弾性突起30Gの径方向外側の面32Gが第1のケース10の突合わせ面11に対して垂直であり、径方向内側の面31Gが剛性突起50Fの上面53Fに対して傾斜し、底面34Gが剛性突起50Fの径方向外側の面52Fに密着し、弾性突起30Gは底面34G側から先端部33Gに向かって先細りに設けられ、先端部33Gが丸められている。図14の場合には、弾性突起30Hの径方向外側の面32Hが第1のケース10の突合わせ面11に対して垂直であり、径方向内側の面31Hが剛性突起50Fの上面53Fに対して傾斜し、底面34Hが剛性突起50Fの径方向外側の面52Fに密着し、弾性突起30Hは底面34H側から先端部33Gに向かって先細りに設けられ、先端部33Hが鋭角をなしている。図15の場合には、弾性突起30Jの径方向外側の面32Jが凹面とされ、径方向内側の面31Jが剛性突起50Fの上面53Fに対して傾斜し、底面34Jが剛性突起50Fの径方向外側の面52Fに密着し、弾性突起30Jは底面34J側から先端部33Jに向かって先細りに設けられ、先端部33Jが丸められている。図16の場合には、弾性突起30Kの径方向外側の面32Kが凸面とされ、径方向内側の面31Kが剛性突起50Fの上面53Fに対して傾斜し、底面34Kが剛性突起50Fの径方向外側の面52Fに密着し、弾性突起30Kは底面34K側から先端部33Kに向かって先細りに設けられ、先端部33Kが丸められている。
【0047】
図11においては、突合わせ面21に突起が形成されていないが、図17に示すように、第1実施形態の場合と同様に、第2のケース20の突合わせ面21に剛性突起40Fが凸設され、その剛性突起40Fが弾性突起30Fに沿っていてもよい。この剛性突起40Fの断面形状は矩形状であるが、剛性突起40Fの断面形状が第1実施形態における剛性突起40又は剛性突起40Dの断面形状と同一であってもよい。図17では、剛性突起40Fが、弾性突起30Fの径方向内側に位置しているが、弾性突起30Fの径方向外側に位置してもよい。剛性突起40Fと剛性突起50Fのうち一方が弾性突起30Fの径方向内側に位置し、他方が弾性突起30Fの径方向内側に位置してもよい。
【図面の簡単な説明】
【0048】
【図1】図1は、本発明の第1実施形態における電子機器の筐体を示した分解斜視図である。
【図2】図2は、図1のII−II線に沿った切断面の矢視端面図である。
【図3】図3は、変形例において図2に対応する面の端面図である。
【図4】図4は、変形例において図2に対応する面の端面図である。
【図5】図5は、変形例において図2に対応する面の端面図である。
【図6】図6は、図2に示された面において第2のケースを第1のケースに突き合わせた状態を示した端面図である。
【図7】図7は、比較例を示した端面図である。
【図8】図8は、変形例において図6に対応する面を示した端面図である。
【図9】図9は、本発明の第2実施形態における電子機器の筐体の縁部分の切断面を示した端面図である。
【図10】図10は、変形例において図9に対応する面の端面図である。
【図11】図11は、本発明の第3実施形態における電子機器の筐体の縁部分の切断面を示した端面図である。
【図12】図12は、図11に示された面において第2のケースを取り外した状態を示した端面図である。
【図13】図13は、変形例において図12に対応する面の端面図である。
【図14】図14は、変形例において図12に対応する面の端面図である。
【図15】図15は、変形例において図12に対応する面の端面図である。
【図16】図16は、変形例において図12に対応する面の端面図である。
【図17】図17は、変形例において図11に対応する面の端面図である。
【符号の説明】
【0049】
1 筐体
10 第1のケース
11 突合わせ面
20 第2のケース
21 突合わせ面
30、30A〜30H、30J〜30K 弾性突起
40、40D、40E、40F 剛性突起
50、50E、50F 剛性突起

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1のケースと、
前記第1のケースに突き合わせられた第2のケースと、
前記第1のケースの突合わせ面に凸設され、前記第2のケースの突合わせ面に圧接された弾性突起と、
前記第2のケースの突合わせ面に凸設され、前記弾性突起に沿うよう設けられた剛性突起と、を備えることを特徴とする電子機器の筐体。
【請求項2】
前記剛性突起の表面が曲面状をなして前記第2のケースの突合わせ面に滑らかに連なることを特徴とする請求項1に記載の電子機器の筐体。
【請求項3】
第1のケースと、
前記第1のケースに突き合わせられた第2のケースと、
前記第1のケースの突合わせ面に凸設され、前記第2のケースの突合わせ面に圧接された弾性突起と、
前記第1のケースの突合わせ面に凸設され、前記弾性突起に沿うよう設けられた剛性突起と、を備えることを特徴とする電子機器の筐体。
【請求項4】
第1のケースと、
前記第1のケースに突き合わせられた第2のケースと、
前記第1のケースの突合わせ面に凸設されるとともに、その突合わせ面に対して傾斜した斜面を有する剛性突起と、
前記斜面に凸設され、前記剛性突起に沿うよう設けられ、前記第2のケースの突合わせ面に圧接された弾性突起と、を備えることを特徴とする電子機器の筐体。
【請求項5】
前記第2のケースの突合わせ面に凸設され、前記弾性突起に沿うよう設けられた第2の剛性突起を更に備えることを特徴とする請求項3又は4に記載の電子機器の筐体。
【請求項6】
前記弾性突起が先細りに設けられていることを特徴とする請求項3から5の何れか一項に記載の電子機器の筐体。
【請求項7】
一対の部材の突合わせ部分の防水構造において、
一方の部材の突合わせ面に凸設され、他方の部材の突合わせ面に圧接された弾性突起と、
前記他方の部材の突合わせ面に凸設され、前記弾性突起に沿うよう設けられた剛性突起と、を備えることを特徴とする防水構造。
【請求項8】
前記剛性突起の表面が曲線状をなして前記他方の部材の突合わせ面に滑らかに連なることを特徴とする請求項7に記載の防水構造。
【請求項9】
一対の部材の突合わせ部分の防水構造において、
一方の部材の突合わせ面に凸設され、他方の部材の突合わせ面に圧接された弾性突起と、
前記一方の部材の突合わせ面に凸設され、前記弾性突起に沿うよう設けられた剛性突起と、を備えることを特徴とする防水構造。
【請求項10】
一対の部材の突合わせ部分の防水構造において、
一方の部材の突合わせ面に凸設されるとともに、その突合わせ面に対して傾斜した斜面を有する剛性突起と、
前記斜面に凸設され、前記剛性突起に沿うよう設けられ、他方の部材の突合わせ面に圧接された弾性突起と、を備えることを特徴とする防水構造。
【請求項11】
前記他方の部材の突合わせ面に凸設され、前記弾性突起に沿うよう設けられた第2の剛性突起を更に備えることを特徴とする請求項9又は10に記載の防水構造。
【請求項12】
前記弾性突起が先細りに設けられていることを特徴とする請求項9から11の何れか一項に記載の防水構造。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【公開番号】特開2009−94136(P2009−94136A)
【公開日】平成21年4月30日(2009.4.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−260884(P2007−260884)
【出願日】平成19年10月4日(2007.10.4)
【出願人】(504149100)株式会社カシオ日立モバイルコミュニケーションズ (893)
【Fターム(参考)】