説明

防水筺体およびそれを備える電子機器

【課題】
電子機器の外観および薄型化を損なわず、高精度にて電子機器の厚さ方向両側において防水を図る。
【解決手段】
本発明は、電子機器1の厚さ方向内方に配置される内部筺体5aに防水部材11を固定した防水筺体5であって、内部筺体5aにはその厚さ方向に防水部材11を固定するための複数の環状領域30,31を備え、防水部材11には、それぞれの環状領域30,31に固定される環状防水部材11a,11bを複数備え、複数の環状防水部材11a,11bとそれらをつなぐ連接部25とを一体形成して成る防水筺体5に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、防水筺体およびそれを備える電子機器に関する。
【背景技術】
【0002】
最近では、携帯電子端末、カメラ、腕時計等の電子機器に防水構造を備えたものの需要が高くなってきている。電子機器の防水性を高めるには、蓋などの開閉部分および操作部からの水の浸入を防ぐことが不可欠である。バッテリーカバーからの浸水を防止する代表的な防水構造としては、例えば、バッテリーカバー側に、支持部材を別体で固定し、その支持部材の突出部に防水部材を付着させ、当該防水部材を本体側の溝部に圧入することにより防水を図る構造が知られている(例えば、特許文献1を参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2008−288174号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、上記防水構造を備える電子機器には、次のような問題がある。バッテリーカバーと別体に支持部材を用いるため、電子機器の厚みが増し、電子機器の薄型化に反する。バッテリーカバーに、直接、防水部材を付着し、支持部材を用いない方法も考えられるが、その方法を採ると、バッテリーカバーの裏側に防水部材を一体成形する工程において、バッテリーカバーの表側の面に防水部材の形状に沿って凹凸ができ、あるいは当該表側の面の加飾層が劣化し、その結果、電子機器の外観が損なわれるという問題がある。一方、電子機器の厚さ方向にてバッテリーカバーの反対側に取り付けられる操作部にも、防水を図る構成を設ける必要がある。その際、電子機器の厚さ方向両側に別々に防水部材を成形すると、防水部材を固定する部材を複数回加熱することになり、防水部材の固着性や寸法精度に悪影響が生じやすい。その結果、電子機器の防水性が低下する。
【0005】
本発明は、上記のような問題を解決するためになされたものであって、電子機器の外観および薄型化を損なわず、高精度にて電子機器の厚さ方向両側の防水を図ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するため、本発明者らは、防水を図るための防水部材を、電子機器の厚さ方向内方の筺体に固定するという構成を考えた。加えて、本発明者らは、その筺体の表側の面および裏側の面の両面に、一つながりの防水部材を形成する構成を考えた。かかる構成の具体的な形態は、以下のとおりである。
【0007】
すなわち、本発明の一形態は、電子機器の厚さ方向内方に配置される内部筺体に防水部材を固定した防水筺体であって、内部筺体には、その厚さ方向に防水部材を固定するための複数の環状領域を備え、防水部材には、それぞれの環状領域に固定される環状防水部材を複数備え、複数の環状防水部材とそれらをつなぐ連接部とを一体形成して成る防水筺体である。
【0008】
本発明の別の形態は、さらに、内部筺体には、連接部を形成する部位として、複数の環状領域をつなぐ1以上の貫通孔あるいは溝を備える防水筺体である。
【0009】
本発明の別の形態は、さらに、内部筺体には1または2以上の貫通領域を備え、防水部材には、それぞれの貫通領域の周囲に固定されるシール部材を備え、シール部材を、複数の環状防水部材の少なくとも1つと連接している防水筺体である。
【0010】
本発明の別の形態は、さらに、複数の環状防水部材の少なくとも1つに、その開口内方に向かって突出する第一突出部を備える防水筺体である。
【0011】
本発明の別の形態は、さらに、複数の環状防水部材の少なくとも1つに、内部筺体をその厚さ方向から覆う被覆部材の方向に突出する第二突出部を備える防水筺体である。
【0012】
本発明の別の形態は、さらに、複数の環状領域の少なくとも1つの領域の外側に、一段高い段差部を少なくとも1つ備える防水筺体である。
【0013】
本発明の一形態は、上記いずれかの防水筺体を備えた電子機器である。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、電子機器の外観および薄型化を損なわず、高精度にて電子機器の厚さ方向両側の防水を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】図1は、本発明の実施の形態に係る電子機器の正面図(A)および側面図(B)を示す。
【図2】図2は、図1に示す電子機器をその厚さ方向に分解した分解断面図を模式的に示す。
【図3】図3は、図2中の防水筺体の第二壁部の端部側から見た斜視図を示す。
【図4】図4は、図2中の防水筺体の第一壁部の端部側から見た斜視図を示す。
【図5】図5は、図4に示す防水筺体を、内部筺体と防水部材とに仮想的に分解した分解斜視図を示す。
【図6】図6は、図5に示す防水部材の斜視図、その一部Pの拡大斜視図および当該一部PにおけるA−A線断面の斜視図を示す。
【図7】図7は、図5に示す内部筺体の第一環状領域の近傍をその表側から見た平面図(A)、およびその第一環状領域の変形例をその表側から見た平面図(B,C)を示す。
【発明を実施するための形態】
【0016】
次に、本発明に係る防水筺体およびそれを備える電子機器の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。
【0017】
図1は、本発明の実施の形態に係る電子機器の正面図(A)および側面図(B)を示す。
【0018】
本発明の実施の形態に係る電子機器1は、略直方体の外観を有し、表側カバー2と裏側カバー3とを電子機器1の厚さ方向に配置する。表側カバー2は、好適には、その内側に表示部4を備える。表示部4は、文字や画像を単に表示するディスプレイ、入力操作を可能とする操作部、あるいはディスプレイと操作部を兼ねた領域でも良い。
【0019】
図2は、図1に示す電子機器をその厚さ方向に分解した分解断面図を模式的に示す。
【0020】
電子機器1は、被覆部材の一例である表側カバー2と、被覆部材の一例である裏側カバー3と、それらカバー2,3に挟まれる防水筺体5とを備える。電池6は、防水筺体5と裏側カバー3とを重ね合わせた状態にて、防水筺体5側から挿入および取り出し可能に、電子機器1内に取り付けられる。表側カバー2は、表示部4の外周位置であって防水筺体5側に突出する環状の第一突出壁部7を備える。一方、裏側カバー3は、電池6を出し入れ可能な形態にて防水筺体5側に突出する環状の第二突出壁部8を備える。
【0021】
防水筺体5は、電子機器1の厚さ方向内方に配置される内部筺体5aに防水部材11を固定した筺体である。内部筺体5aは、好適には、熱可塑性樹脂あるいは熱硬化性樹脂から成る。内部筺体5aは、表側カバー2側に開口面を向け、その縁部を第一突出壁部7より外側に大きく形成した環状の第一壁部9を備える。また、内部筺体5aは、裏側カバー3側に突出し、その縁部を第二突出壁部8より外側に大きく形成した環状の第二壁部10を備える。第一壁部9および第二壁部10は、第一壁部9の先端縁と第二壁部10の先端縁とが互いに逆方向を向くように形成されている。防水部材11は、好適には、熱可塑性エラストマー、熱硬化性のエラストマーあるいは天然ゴムから成り、より好ましくはシリコーンゴムから成る。
【0022】
防水部材11は、第一壁部9の内側に固定される環状防水部材の一つである第一環状防水部材11aと、第二壁部10の内側に固定される環状防水部材の一つである第二環状防水部材11bとを連接して備える。この実施の形態では、第一環状防水部材11aは、その内方に向かって突出する形状であり、第二環状防水部材11bもその内方に向かって突出する形状である。防水筺体5の表裏両側から表側カバー2および裏側カバー3を取り付けると、第一突出壁部7と第一壁部9との間に、第一環状防水部材11aが配置され、その突出面が第一突出壁部7に密着し、第二突出壁部8と第二壁部10との間に、第二環状防水部材11bが配置され、その突出面が第二突出壁部8に密着する。これによって、電子機器1における当該密着部分より内方への浸水を有効に防止できる。なお、内部筺体5aは、第二壁部10の内側に、内部筺体5aの厚さ方向に貫通する開口部12を備える。開口部12は、電池6を防水筺体5側から、裏側カバー3の第二突出壁部8で囲まれた領域内(電池収納部)に挿脱するのを可能にする。
【0023】
図3は、図2中の防水筺体の第二壁部の端部側から見た斜視図を示す。
【0024】
内部筺体5aは、第二壁部10の外側に、開口部12と独立して、内部筺体5aの厚さ方向に貫通する貫通領域13,14を備える。貫通領域13,14は、例えば、裏側カバー3側に設けられる操作キーやカメラレンズ等を取り付ける部分である。貫通領域13,14は、それらの各内周囲に、シール部材16,17をそれぞれ配置する。シール部材16,17は、防水部材11と連接する一部を構成する。例えば、シール部材16は、第二環状防水部材11bと接続部19によって一体化している。この実施の形態では、シール部材16,17および貫通領域13,14は、それぞれ2個であるが、これらを1個ずつ、3個ずつ以上とし、あるいは全く設けなくても良い。
【0025】
図4は、図2中の防水筺体の第一壁部の端部側から見た斜視図を示す。
【0026】
シール部材17は、接続部20および接続部22を介して、それぞれ第二環状防水部材11bおよび第一環状防水部材11aと接続する。また、第一環状防水部材11aと第二環状防水部材11bは、好適に、シール部材16,17を介さずに、内部筺体5aの裏面に沿って配置される接続部21を介して接続する箇所を有する。上述の接続部19,20,21,22は、全て、防水部材11を構成する一部である。
【0027】
また、第一環状防水部材11aと第二環状防水部材11bとは、内部筺体5aを挟み、4個の連接部25を介して連接する。すなわち、内部筺体5aを挟んで配置される第一環状防水部材11aと第二環状防水部材11bは、内部筺体5aを貫く連接部25によって一体となっている。なお、連接部25は、4個に限定されず、1〜3個あるいは5個以上でも良い。
【0028】
図5は、図4に示す防水筺体を、内部筺体と防水部材とに仮想的に分解した分解斜視図を示す。
【0029】
防水部材11は、第一環状防水部材11aおよび第二環状防水部材11bのいくつかの箇所に、ゲート部26を備える。ゲート部26は、内部筺体5a側から、液状のエラストマー組成物を注入して防水部材11を形成した部分である。内部筺体5aは、その厚さ方向に、第一環状防水部材11aおよび第二環状防水部材11bをそれぞれ固定するための環状領域を備える。その一つは、第一壁部9の内側に、第一環状防水部材11aを固定する第一環状領域30である。もう一つは、第二壁部10の内側に、第二環状防水部材11bを固定する第二環状領域31である。第一環状領域30は、その環状路のいくつかの箇所に、内部筺体5aの厚さ方向に貫通する複数の注入孔32を備える。上述の液状のエラストマー組成物は、第二壁部10側に接する金型に形成される複数の孔から注入孔32を通じて注入され、主に第一環状防水部材11aの形成に供される。一方、第二環状防水部材11bは、主に、第二壁部10側に接する金型に形成される複数の孔から注入される液状のエラストマー組成物から形成される。
【0030】
内部筺体5aの開口部12の外周囲であって貫通領域14の近傍につながる位置には、内部筺体5aの内方に窪む凹部33と、第一環状領域30と第二環状領域31とを内部筺体5aの裏面に沿って連結する凹部34とがそれぞれ形成されている。液状のエラストマー組成物は、凹部33を流れることにより、第二環状防水部材11aとシール部材17とをつなぐ接続部20を形成できる。同様に、液状のエラストマー組成物は、凹部34を流れることにより、第一環状防水部材11aと第二環状防水部材11bとをつなぐ接続部21を形成できる。
【0031】
内部筺体5aは、開口部12の外周囲に、連接部25を形成する部位として、第一環状領域30と第二環状領域31をつなぐ4つの貫通孔35を備える。この結果、液状のエラストマー組成物は、貫通孔35を通して第一環状防水部材11aと第二環状防水部材11bとを連接する連接部25を形成可能に流れる。
【0032】
図6は、図5に示す防水部材の斜視図、その一部Pの拡大斜視図および当該一部PにおけるA−A線断面の斜視図を示す。
【0033】
防水部材11を形成する際、液状のエラストマー組成物を金型から注入すると、当該エラストマー組成物は、金型に形成される注入孔(ゲート部26の位置)から矢印X,Yで示すように流れる。防水部材11の一部Pの拡大斜視図に示すように、連接部25は、第一環状防水部材11a側から流れてくるエラストマー組成物と第二環状防水部材11b側から流れてくるエラストマー組成物との合流位置となり得る。内部筺体5aに貫通孔35を形成すると、一回の成形工程にて、防水部材11を内部筺体5aに固定することができる。また、貫通孔35は、第一環状防水部材11aおよび第二環状防水部材11bの各形成路内のエアーを追い込む箇所、あるいはエラストマー組成物がそこで合流する合流箇所として機能する。この結果、第一環状防水部材11aおよび第二環状防水部材11bにエアーの貯留に起因する切り欠き、あるいはエラストマー組成物の合流に伴う段差などが生じにくくなる。よって、高精度に防水を図る防水部材11を成形できる。特に、シール部材16,17にも当該切り欠きや段差を形成しないようにするには、接続部19,20,21,22以外に、第一環状防水部材11aと第二環状防水部材11bとをつないでエラストマー組成物の合流箇所としやすい連接部25を設ける方が好ましい。欠損部位を極力低減した高精度の防水部材11を形成するには、金型の第一環状領域30側と第二環状領域31側のそれぞれに、少なくとも1つの注入孔を備えるのが好ましい。さらには、体積のより大きい第一環状防水部材11aを形成する側に、より多くの注入孔を形成する方が好ましい。さらには、貫通孔35の開口面積を、第一環状防水部材11aおよび第二環状防水部材11bの断面積より大きくする方が好ましい。また、内部筺体5aに防水部材11を成形する際に、貫通孔35側を高い位置にして、貫通孔35にエアーを誘導するようにする方が好ましい。
【0034】
第一環状防水部材11aの長さ方向に垂直な断面Sの形状から明らかなように、第一環状防水部材11aは、その開口内方に向かって突出する第一突出部40を備える。第一突出部40は、表側カバー2の第一突出壁部7の外周面と第一環状防水部材11aとを密着するのに好適な部分である。同様の趣旨で、第二環状防水部材11bの開口内方にも、裏側カバー3の第二突出壁部8の外周面と第二環状防水部材11bとを密着するのに好適な第一突出部40を設けるのが好ましい。また、第一環状防水部材11aは、表側カバー2の方向に向かって突出する第二突出部41を備える。第二突出部41は、表側カバー2の第一突出壁部7から略直角方向に延出する壁と第一環状防水部材11aとを密着するのに好適な部分である。第一突出部40と第二突出部41を形成すると、2箇所にて表側カバー2と第一環状防水部材11aとを密着可能である。同様の趣旨で、第二環状防水部材11bの裏側カバー3側にも、裏側カバー3の第二突出壁部8から略直角に延出する壁と第二環状防水部材11bとを密着するのに好適な第二突出部41を設けるのが好ましい。
【0035】
内部筺体5aの第一環状領域30は、その領域30の外側に、一段高い段差部42を少なくとも1つ備えることができる。同様に、第二環状領域31も、また、その領域31の外側に、一段高い段差部42を少なくとも1つ備えることができる。このように、段差部42を備えると、第一環状防水部材11aおよび/または第二環状防水部材11bと、第一環状領域30および/または第二環状領域31との接触面積を増加させ、両者の密着性を高めることができる。
【0036】
以上、本発明に係る防水筺体およびそれを備える電子機器の好適な実施の形態について説明したが、本発明は、上述の実施の形態に限定されることなく、本発明の趣旨を逸脱しない限り、種々変形して実施可能である。
【0037】
図7は、図5に示す内部筺体の第一環状領域の近傍をその表側から見た平面図(A)、およびその第一環状領域の変形例をその表側から見た平面図(B,C)を示す。
【0038】
図7の(A)に示すように、上述の内部筺体5aの第一環状領域30は、内部筺体5aの厚さ方向に貫通する複数の貫通孔35を備え、これによって、防水部材11の複数の連接部25を形成可能としている。しかし、内部筺体5aに、貫通孔35を備えず、図7の(B)に示すように、金型50側に開口する溝35aを備えても良い。溝35aと金型50の内面との間で貫通孔を形成することにより、防水部材11に、連接部25と同様の部位を形成可能となる。また、第一環状領域30に貫通孔35も溝35aも備えずに、図7の(C)に示すように、金型50の内部筺体5aとの接触面に、内部筺体5a側に開口する溝51を形成しても良い。溝51と内部筺体5aとの間で貫通孔を形成することにより、防水部材11に、連接部25と同様の部位を形成可能となる。
【0039】
連接部25は、第一環状防水部材11aの一辺と第二環状防水部材11bの一辺とをつなぐ位置に形成されているが、当該位置に限定せずに形成可能である。例えば、第一環状防水部材11aと第二環状防水部材11bの対向する2辺、3辺あるいは全ての辺に、連接部25を形成しても良い。また、第一環状領域30および第二環状領域31以外に、内部筺体5aの厚さ方向に追加して、第三、さらには第四環状領域等を形成し、第一環状防水部材11a、第二環状防水部材11b以外の第三、さらには第四環状防水部材等を、防水部材11に追加しても良い。第一環状防水部材11aは、第一壁部9の内側ではなく、その外側に固定されても良い。また、第二環状防水部材11bは、第二壁部10の内側ではなく、その外側に固定されても良い。すなわち、第一環状防水部材11aと第二環状防水部材11bは、内部筺体5aの厚さ方向に固定されていれば、固定される箇所を問わない。シール部材16,17は、第一環状防水部材11aと第二環状防水部材11bの両方に接続され、あるいはいずれか一方とのみ接続されても良い。第一突出部40は、第一環状防水部材11aのみ、あるいは第二環状防水部材11bのみに備えていても良い。同様に、第二突出部41は、第一環状防水部材11aのみ、あるいは第二環状防水部材11bのみに備えていても良い。段差部42は、1つのみならず、2以上設けられていても良い。
【産業上の利用可能性】
【0040】
本発明は、防水性の電子機器に利用することができる。
【符号の説明】
【0041】
1 電子機器
2 表側カバー(被覆部材)
3 裏側カバー(被覆部材)
5 防水筺体
5a 内部筺体
11 防水部材
11a 第一環状防水部材(環状防水部材)
11b 第二環状防水部材(環状防水部材)
13,14 貫通領域
16,17 シール部材
25 連接部
30 第一環状領域(環状領域)
31 第二環状領域(環状領域)
35 貫通孔
35a 溝
40 第一突出部
41 第二突出部
42 段差部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
電子機器の厚さ方向内方に配置される内部筺体に防水部材を固定した防水筺体であって、
上記内部筺体は、
その厚さ方向に、上記防水部材を固定するための複数の環状領域を備え、
上記防水部材は、それぞれの上記環状領域に固定される環状防水部材を複数備え、複数の上記環状防水部材とそれらをつなぐ連接部とを一体形成して成る防水筺体。
【請求項2】
前記内部筺体は、前記連接部を形成する部位として、複数の前記環状領域をつなぐ1以上の貫通孔あるいは溝を備えることを特徴とする請求項1に記載の防水筺体。
【請求項3】
前記内部筺体は、1または2以上の貫通領域を備え、
前記防水部材は、それぞれの上記貫通領域の周囲に固定されるシール部材を備え、
上記シール部材は、複数の前記環状防水部材の少なくとも1つと連接していることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の防水筺体。
【請求項4】
複数の前記環状防水部材の少なくとも1つは、その開口内方に向かって突出する第一突出部を備えることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の防水筺体。
【請求項5】
複数の前記環状防水部材の少なくとも1つは、前記内部筺体をその厚さ方向から覆う被覆部材の方向に突出する第二突出部を備えることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の防水筺体。
【請求項6】
複数の前記環状領域の少なくとも1つは、その領域の外側に、一段高い段差部を少なくとも1つ備えることを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の防水筺体。
【請求項7】
請求項1から請求項6のいずれか1項に記載の防水筺体を備える電子機器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2013−21005(P2013−21005A)
【公開日】平成25年1月31日(2013.1.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−150724(P2011−150724)
【出願日】平成23年7月7日(2011.7.7)
【出願人】(000190116)信越ポリマー株式会社 (1,394)
【Fターム(参考)】