説明

防水紐

【課題】防水性を有し、なおかつ適度な伸縮性を有する紐を提供する。
【解決手段】芯部(11)にゴムを使用し、芯部を被覆する表面部(12)に軟質合成樹脂を使用したことを特徴とする防水紐(10)である。軟質合成樹脂としては、熱可塑性エラストマー(スチレン系、オレフィン系、ポリエステル系、ウレタン系、PVC系、フッ素系、等)などが使用可能である。ゴムとしては、天然ゴム、イソプレンゴム、ブタジエンゴム、ニトリルゴム、アクリルゴム、シリコーンゴム、等が使用可能である。芯部が紐の直径に占める割合は、1/4〜1/2程度(好ましくは1/3程度)で、残り1/2〜3/4(好ましくは2/3程度)が表面部であるのが好ましい。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、伸縮性を有する防水紐に関する。この防水紐は、水に触れる可能性のあるところで幅広く使用することができる。例えば、防水ジャケットのフード・袖口等の絞り紐、銭湯やプールで身につける鍵の保持用紐、荷物の結束紐、など従来、組紐が使用されてきたところに幅広く用いることができる。
【背景技術】
【0002】
伸縮性を有する紐として従来組紐が使用されている。これは、ゴム芯を組み込んで螺旋状に糸を編み上げたものである。しかし、組紐は防水性に難があり、雨水にぬれたりすると劣化しやすい。
【0003】
昨今、リクレーションやレジャーなどアウトドアで行動する機会が増えているので、水に濡れてもよい防水紐に対する需要は大きい。紐を防水にするためには、少なくとも表面をプラスチックで成形することが考えられる。例えば下記特許文献1では、繊維製芯体とそれを被覆するプラスチックからなる2層構造の縄跳び用のロープを開示している。もっとも、この考案の特徴はその部分ではなく、両端部の外径を中央部の外径よりも大径とし、両端部を中央部よりも剛性の高いものとしたことである。
【特許文献1】実公昭60−15571号明細書
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、この特許文献1のロープは、繊維製芯体のために伸縮性はあまりないと考えられる。実際、縄跳び用として使用するロープに伸縮性があると、使用している間にだんだん伸びてしまうので好ましくない。
【0005】
しかし、防水ジャケットのフード・袖口等の絞り紐、銭湯やプールで身につける鍵の保持用紐、一時的な荷物結束の紐には適度な伸縮性がある方が好ましい。本発明は、防水性を有し、なおかつ、適度な伸縮性を有する紐を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の防水紐は、芯部にゴムを使用し、芯部を被覆する表面部に軟質合成樹脂を使用して2層構造としたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明の防水紐は、表面部に軟質合成樹脂を使用しているので、防水性を有する。また、芯部にゴムを使用し、芯部を被覆する表面部に軟質合成樹脂を使用しているので、双方共に伸縮性を有し、全体としても適度な伸縮性を有する。
【0008】
その結果、本発明の防水紐は、防水ジャケットのフード・袖口等の絞り紐、銭湯やプールで身につける鍵の保持用紐、一時的な荷物結束の紐、等として、幅広く使用することができる。
【0009】
また、表面部を透明とし、芯部を着色すれば、視覚的に意外性のあるデザインを有する紐となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
軟質合成樹脂としては、熱可塑性エラストマー(スチレン系、オレフィン系、ポリエステル系、ウレタン系、PVC系、フッ素系、等)などが使用可能である。
【0011】
ゴムとしては、天然ゴム、イソプレンゴム、ブタジエンゴム、ニトリルゴム、アクリルゴム、シリコーンゴム、等が使用可能である。
【0012】
芯部が紐の直径に占める割合は、1/4〜1/2程度(好ましくは1/3程度)で、残り1/2〜3/4(好ましくは2/3程度)が表面部であるのが好ましい。
【実施例1】
【0013】
図1は、本発明に係る防水紐の斜視図である。図2は、図1の2−2断面図である。
【0014】
この防水紐10は、芯部11にシリコーンゴムを使用し、芯部を被覆する表面部12にウレタン系熱可塑性エラストマーを使用している。芯部が紐の直径に占める割合は、約1/3で、残り約2/3が表面部である。
【0015】
この防水紐を製造するには、シリコーンゴム紐を中心に置き、周囲からウレタン系熱可塑性エラストマーで被覆しつつ押し出す、押し出し成形法が適当である。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明に係る防水紐の斜視図である。
【図2】図1の2−2断面図である。
【符号の説明】
【0017】
10 防水紐
11 芯部
12 表面図


【特許請求の範囲】
【請求項1】
芯部(11)にゴムを使用し、芯部を被覆する表面部(12)に軟質合成樹脂を使用して2層構造としたことを特徴とする防水紐(10)。
【請求項2】
軟質合成樹脂が、スチレン系、オレフィン系、ポリエステル系、ウレタン系、PVC系、フッ素系の中から選択される熱可塑性エラストマーである請求項1記載の防水紐。
【請求項3】
ゴムが、天然ゴム、イソプレンゴム、ブタジエンゴム、ニトリルゴム、アクリルゴム、シリコーンゴムの中から選択されるゴムである請求項1又は2記載の防水紐。
【請求項4】
芯部(11)が紐の直径に占める割合が、1/4〜1/2で、残り1/2〜3/4が表面部(12)である請求項1ないし3のいずれかに記載の防水紐。


【図1】
image rotate

【図2】
image rotate


【公開番号】特開2006−28707(P2006−28707A)
【公開日】平成18年2月2日(2006.2.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−212760(P2004−212760)
【出願日】平成16年7月21日(2004.7.21)
【出願人】(000114606)モリト株式会社 (198)
【Fターム(参考)】