説明

防汚パネル部材の連結構造、防汚パネル、それを設置した構造物、および防汚パネル用の連結部材

【構成】 防汚パネル部材の連結構造10は、複数の防汚パネル部材12を海水と接する構造物の壁面に取り付けて連結部材14,42で連結し、防汚パネル16を形成するものである。防汚パネル部材12どうしを連結部材14,42で連結する際には、複数の防汚パネル部材12を所定の間隔を隔てて配置し、構造物102の壁面にアンカ止めする。そして、隣り合う防汚パネル部材12に跨るように連結部材14を配置し、一方のパネル部材12の連結方向の一方端部、および他方のパネル部材の連結方向の他端部に対して連結部材14を押し当てて、壁面にアンカ止めする。これにより、隣り合う防汚パネル部材12の第1陽極要素22どうしが連結部材14の第2陽極要素32によって電気的に接続される。
【効果】 防汚パネル部材どうしの連結作業が簡単で、かつ防汚パネルの陽極体の通電性を長期間に亘って安定的に確保することが可能である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、防汚パネル部材の連結構造、防汚パネル、それを設置した構造物、および防汚パネル用の連結部材に関し、特にたとえば、複数の防汚パネル部材を海水と接する壁面に取り付けて連結し、海生生物の付着を防止する防汚パネルを形成するための、防汚パネル部材の連結構造、防汚パネル、それを設置した構造物、および防汚パネル用の連結部材に関する。
【背景技術】
【0002】
海水と接する構造物の壁面には、イガイやフジツボ等の海生生物が付着するが、このような海生生物の付着が問題となる場合がある。たとえば、発電所などでは海水を冷却水として利用しているが、海水を引き込むための水路(海水路)に海生生物が付着すると、取水流量の低下などの事態を招き、海水路の正常機能が阻害されてしまう。そこで、海水と接する壁面への海生生物の付着を防止するために、多くの技術が提案されている。その中でも、有害な物質を生成することなく海生生物の付着を防止する技術として、海水と接する壁面に張り付けた陽極シートを用いて海水を電気分解することによって、酸素を発生させて有機物を分解して、海生生物の付着を防止する技術が有力視されている。このような技術の一例が特許文献1に開示される。
【0003】
特許文献1には、絶縁材の表面に陽極形成板状体(陽極シート)を装着するとともに、絶縁材の裏面側に取水路の流れ方向に延びる複数の陰極形成帯状体を装着した海生生物付着防止用プレートを取水路内壁面に配設し、陽極形成板状体および陰極形成帯状体を外部直流電源と電気的に接合した、海生生物付着防止装置が開示されている。特許文献1の技術では、海生生物付着防止用プレートは、複数の複合プレート(防汚パネル部材)によって構成される。これら複合プレートの各々は、本体部、上部重合わせ部および下部重合わせ部からなるパネル状チタンプレートと、パネル状チタンプレートの本体部および下部重合わせ部の裏面に配された絶縁材と、パネル状チタンプレートの一端に絶縁材を介して配置された長尺状ステンレス鋼プレートとからなる。そして、長尺状ステンレス鋼プレートは、パネル状チタンプレートの下部重合わせ部より突出した突出部を有し、絶縁材は、固定部に配された絶縁性樹脂とその他の部分に配された発泡材とからなる。
【特許文献1】特許第4256319号公報 [A01M 29/00]
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1の技術では、パネル状チタンプレートの上下の重合わせ部を重ね合わせた状態で、複合プレートの固定部両側端にアンカボルトを打ち込むことによって、取水路内壁面に複合プレートを固定すると同時に、隣り合うパネル状チタンプレート同士(延いては陽極シート全体)の通電性を確保しようとしている。しかしながら、特許文献1の技術では、パネル状チタンプレートの重合わせ部の両側端のみをアンカボルトによって押さえ付けているだけなので、アンカボルトの間の重合わせ部の部分において、浮き或いは隙間が生じ易く、安定した通電性を確保できない恐れがある。たとえば、施工不良などによって、パネル状チタンプレートが撓んでしまったり、上下の重合わせ部同士がしっかりと重なっていなかったりすると、安定した通電性を確保できない。このため、実際の施工においては、安定した通電性を確保するために、上下の重合わせ部同士をスポット溶接する必要が生じる場合があり、その作業に手間や時間がかかる。
【0005】
さらに、チタンプレート同士を導通させるために導通用チタンバーを用いて、このチタンバーをボルトナット締めしているから、長期間経過すると締め付けが緩んでしまう恐れがある。この場合には、パネル状チタンプレートの重ね合わせ部同士の面接触を適切に維持できない。
【0006】
したがって、特許文献1の技術では、パネル状チタンプレートの上下の重ね合わせ部どうしの適切な面接触を長期間に亘って維持することができない、つまり陽極シートの通電性を長期間に亘って安定的に維持できない恐れがある。
【0007】
それゆえに、この発明の主たる目的は、新規な、防汚パネル部材の連結構造、防汚パネル、それを設置した構造物、および防汚パネル用の連結部材を提供することである。
【0008】
この発明の他の目的は、施工が簡単で、かつ陽極シートの通電性を長期間に亘って安定的に確保できる、防汚パネル部材の連結構造、防汚パネル、それを設置した構造物、および防汚パネル用の連結部材を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、上記の課題を解決するために、以下の構成を採用した。なお、括弧内の参照符号および補足説明などは、本発明の理解を助けるために後述する実施の形態との対応関係を示したものであって、本発明を何ら限定するものではない。
【0010】
第1の発明は、複数の防汚パネル部材を海水と接する壁面に取り付けて連結し、海水の電気分解によって酸素を発生させて海生生物の付着を防止する防汚パネルを形成するための、防汚パネル部材の連結構造であって、各防汚パネル部材は、絶縁材によって形成された第1本体と第1本体の表面側に貼り付けられた第1陽極要素とを有し、所定の間隔を隔てて壁面に固定され、隣り合う防汚パネル部材に跨ってそれらの表面側に設けられ、絶縁材によって形成された第2本体と第2本体に貼り付けられた第2陽極要素とを有する連結部材、および連結部材を壁面に固定する固定手段を備え、連結部材を隣り合う防汚パネル部材に押し当てて固定手段で固定することにより、第2陽極要素を隣り合う防汚パネル部材のそれぞれの第1陽極要素に電気的に接続した、防汚パネル部材の連結構造である。
【0011】
第1の発明では、防汚パネル部材の連結構造(10)は、防汚パネル部材(12)を海水と接する構造物(102)の壁面に取り付けて連結部材(14,42)で連結し、防汚パネル(16)を形成するためのものである。防汚パネル部材は、第1本体(20)および第1陽極要素(22)を含み、所定間隔を隔てて構造物の壁面に固定される。第1本体は、絶縁性を有する材質によって板状に形成される。また、第1陽極要素は、たとえば、チタンなどによってシート状に形成され、第1本体の表面側に貼り付けられる。連結部材は、第2本体(30)および第2陽極要素(32)を含み、隣り合う防汚パネル部材に跨ってそれらの表面側に設けられる。第2本体は、絶縁性を有する材質によって形成される。また、第2陽極要素は、チタンなどによってシート状に形成され、実施例では、第2本体の表面全体を覆い、かつその両端部が第2本体の裏面側まで巻き込むように第2本体に貼り付けられる。また、他の実施例では、第2陽極要素は、第2本体の表面側に貼り付けられて、第2本体を厚み方向に貫く導電体(48)に電気的に接続される。防汚パネル部材どうしを連結部材で連結する際には、隣り合う防汚パネル部材に跨るように連結部材を配置し、連結部材を一方の防汚パネル部材の連結方向の一方端部、および他方の防汚パネル部材の連結方向の他端部に押し当てて、固定手段(36,40)によって壁面に固定する。これによって、隣り合う防汚パネル部材の第1陽極要素どうしが連結部材の第2陽極要素によって電気的に接続される。
【0012】
第1の発明によれば、隣り合う防汚パネル部材に跨るように連結部材を配置し、それを防汚パネル部材の表面側に押し当てて固定するだけで、連結部材の陽極要素を防汚パネル部材の陽極要素に電気的に接続して、隣り合う防汚パネル部材の陽極要素どうしの通電性を確保できるので、簡単な施工で防汚パネルを形成することができるようになる。
【0013】
また、防汚パネル部材の表面側に連結部材を押し当てて陽極要素どうしを電気的に接続するようにしているので、防汚パネル部材がその面方向に膨張ないし収縮しても、連結部材の陽極要素と防汚パネル部材の陽極要素との接触部分を防汚パネル部材の伸縮に追従させて、陽極要素間の通電性を確保することが可能である。したがって、陽極体の通電性を長期間に亘って安定的に確保することができる。
【0014】
第2の発明は、第1の発明に従属し、第2陽極要素は、第2本体の表面全体を覆うとともに、その両端部が第2本体の裏面側まで延び、その裏面側まで延ばした部分が第1陽極要素と接触して電気的に接続される。
【0015】
第2の発明では、第2陽極要素(32)は、第2本体(30)の表面全体を覆い、かつその両端部が第2本体の裏面側まで巻き込むように第2本体に貼り付けられる。そして、隣り合う防汚パネル部材(12)を連結部材(14,42)で連結する際には、たとえば、連結部材の第2陽極要素が各パネル部材の第1陽極要素(22)に均一に押し当てられて面接触し、これによって、防汚パネル部材の第1陽極要素と連結部材の第2陽極要素との間の通電性が確保される。また、この際、パネル部材の表面端部が連結部材によって覆われていて、第1陽極要素の端縁が海水中に露出しないので、第1陽極要素の捲れが防止される。
【0016】
第2の発明によれば、陽極体の通電性をより安定的に確保することができる。
【0017】
第3の発明は、第1の発明に従属し、連結部材は、第2本体を表裏方向に貫通しかつ第2陽極要素に電気的に接続される導電体をさらに有し、第2陽極要素は導電体を介して第1陽極要素に電気的に接続される。
【0018】
第3の発明では、連結部材(14,42)には、第2本体(30)を表裏方向に貫通する導電体(48)が設けられる。導電体は、リベットやビスなどであり、たとえば、導電体は、連結部材の連結方向の両側にそれぞれ設けられる。導電体は、連結部材の表面側において、第2陽極要素(32)と電気的に接続されるとともに、連結部材の裏面側において、第2本体の裏面から突き出すようにされる。そして、隣り合う防汚パネル部材(12)を連結部材で連結する際には、連結部材の導電体が各パネル部材の第1陽極要素(22)に押し当てられる。これにより、連結部材の第2陽極要素が導電体を介して防汚パネル部材の第1陽極要素に電気的に接続され、防汚パネル部材の第1陽極要素と連結部材の第2陽極要素との間の通電性が確保される。
【0019】
第3の発明によれば、連結部材の陽極要素を裏面側まで延ばす必要がなく、陽極要素の使用量を減少させることができるので、連結部材のコストダウンを実現できる。
【0020】
第4の発明は、第1ないし3のいずれかの発明に従属し、固定手段は、連結部材を壁面にねじ止めするねじ止め手段を含む。
【0021】
第4の発明では、たとえば、隣り合う防汚パネル部材(12)に跨るように配置した連結部材の貫通孔(36)にアンカボルトなどのねじ止め手段(40)を挿通して、連結部材を構造物(102)の壁面にねじ止めすることによって、連結部材を防汚パネル部材に押し当てて固定する。
【0022】
第5の発明は、第1ないし4のいずれかの発明に従属し、第1本体の連結方向端部には、第1本体の表面を段差状に窪ませた段差部が形成され、連結部材は、隣り合う防汚パネル部材の段差部に跨って設けられる。
【0023】
第5の発明では、防汚パネル部材(12)の第1本体(20)の連結方向の端部表面は、段差状に凹んでおり、そこに表面の高さが他よりも低くされた段差部(26)が形成される。また、第1陽極要素(22)は、段差部に沿って第1本体の端縁まで延びるように第1本体に貼り付けられる。そして、隣り合う防汚パネル部材を連結部材(14,42)で連結する際には、連結部材の第2陽極要素が各防汚パネル部材の段差部に貼り付けられた第1陽極要素に押し当てられて、防汚パネル部材の第1陽極要素と連結部材の第2陽極要素とが電気的に接続される。
【0024】
第5の発明によれば、パネル部材と連結部材との高さを揃えるなどして、連結部材がパネル部材よりも上に突出しないようにすることが可能である。したがって、施工後に連結部材が海水の流れを阻害することがなくなるまたは低減される。
【0025】
第6の発明は、第1ないし5のいずれかの発明に従属し、第1本体の表面端部には、第1本体の端縁に向かう方向に上り勾配を付けた第1傾斜面が形成され、第2本体の裏面端部には、第2本体の端縁に向かう方向に第1傾斜面に対応した上り勾配を付けた第2傾斜面が形成され、第2傾斜面が第1傾斜面に沿うように連結部材を配置した。
【0026】
第6の発明では、防汚パネル部材(12)の第1本体(20)の連結方向端部の表面には、第1本体の端縁に向かう方向に所定の上り勾配が付けられた傾斜面(24a,26a)が形成される。また、連結部材(14,42)の第2本体(30)の端部の裏面には、第2本体の端縁に向かう方向に所定の上り勾配が付けられた傾斜面(30a)が形成される。そして、隣り合う防汚パネル部材を連結部材で連結する際には、連結部材の傾斜面に貼り付けられた第2陽極要素が、各防汚パネル部材の傾斜面に貼り付けられた第1陽極要素に沿うように押し当てられて、防汚パネル部材の第1陽極要素と連結部材の第2陽極要素とが電気的に接続される。
【0027】
第6の発明によれば、防汚パネル部材の表面端部の傾斜面と連結部材の裏面端部の傾斜面とが互いに嵌まり合うので、連結部材を壁面に固定するときの位置決めが容易になり、しかも設置後に連結部材の連結方向のずれが防止される。
【0028】
第7の発明は、第1ないし6のいずれかの発明の防汚パネル部材の連結構造によって防汚パネル部材を連結して形成した、防汚パネルである。
【0029】
第7の発明では、防汚パネル(16)は、防汚パネル部材(12)、および防汚パネル部材どうしを連結する連結部材(14)を備えており、複数の防汚パネル部材を所定間隔を隔てて構造物(102)の壁面に固定して、隣り合う防汚パネル部材に跨るように連結部材(14,42)を配置し、連結部材を防汚パネル部材の表面側に押し当てて固定手段(36,40)で固定して、第2陽極要素(32)を隣り合う防汚パネル部材のそれぞれの第1陽極要素(22)に電気的に接続することによって形成される。
【0030】
第8の発明は、海水と接する壁面を有する構造物であって、第7の発明の防汚パネルを壁面に設置した、構造物である。
【0031】
第8の発明では、構造物(102)は、海水と接する壁面を有し、この壁面には、複数の防汚パネル部材(12)を連結部材(14,42)で連結して形成される防汚パネル(16)が取り付けられる。
【0032】
第9の発明は、海水の電気分解によって酸素を発生させて海生生物の付着を防止する防汚パネルを形成するために用いられ、海水と接する壁面に取り付けた複数の防汚パネル部材を連結する、防汚パネル用の連結部材であって、絶縁材によって形成され、隣り合う防汚パネル部材に跨ってそれらの表面側に押し当てられた状態で壁面に固定される本体、および本体の表面全体を覆うとともに、その両端部が本体の裏面側まで延び、隣り合う防汚パネル部材のそれぞれが有する第1陽極要素に電気的に接続される第2陽極要素を備える、防汚パネル用の連結部材である。
【0033】
第9の発明では、連結部材(14)は、第2本体(30)、および第2陽極要素(32)を備えている。第2本体は、絶縁性を有する材質によってたとえば平板状に形成される。また、第2陽極要素は、チタンなどによってシート状に形成され、第2本体の表面全体を覆うとともに、その両端部が第2本体の裏面側まで延びる。このような連結部材は、隣り合う防汚パネル部材(12)に跨って第2本体を配置し、第2本体を防汚パネル部材の表面側に押し当てた状態で固定手段(36,40)などによって構造物(102)の壁面に固定することにより、第2陽極要素が、隣り合う防汚パネル部材のそれぞれが有する第1陽極要素(22)に電気的に接続される。
【0034】
第9の発明によれば、防汚パネル部材どうしの連結作業を容易に行えるようになり、しかも防汚パネルの陽極体の通電性を長期間に亘って安定的に確保することが可能になる。
【発明の効果】
【0035】
この発明によれば、隣り合う防汚パネル部材に跨るように配置した連結部材を、防汚パネル部材の表面側に押し当てて固定するだけで、防汚パネル部材の陽極要素どうしの通電性を確保できるので、防汚パネルの施工が簡単になり、しかも陽極体の通電性を長期間に亘って安定的に確保することが可能である。
【0036】
この発明の上述の目的,その他の目的,特徴および利点は、図面を参照して行う以下の実施例の詳細な説明から一層明らかとなろう。
【図面の簡単な説明】
【0037】
【図1】防汚システムの構成を概略的に示す図解図である。
【図2】図1の防汚システムにおいて、この発明の一実施例である防汚パネル部材の連結構造によって防汚パネル部材を連結部材で連結した様子を示す断面図である。
【図3】図1の防汚システムにおいて、図2の防汚パネル部材の連結構造によって防汚パネル部材を連結部材で連結した様子を示す平面図である。
【図4】図2の防汚パネル部材を示す斜視図である。
【図5】図4の防汚パネル部材を示す断面図である。
【図6】図2の連結部材を示す斜視図である。
【図7】図6の連結部材を示す断面図である。
【図8】防汚パネル部材を連結部材で連結した様子を示す図解図である。
【図9】図4の防汚パネル部材を図6の連結部材で連結した様子を示す断面図である。
【図10】図4の防汚パネル部材を陰極具備型の連結部材で連結した、防汚パネル部材の連結構造を示す断面図である。
【図11】図10の陰極具備型の連結部材を示す平面図である。
【図12】図11の陰極具備型の連結部材を示す断面図であり、(A)は図10のA―А線における断面を示し、(B)は図10のB−B線における断面を示す。
【図13】この発明の他の実施例である防汚パネル部材の連結構造を示す断面図である。
【図14】この発明のさらに他の実施例である防汚パネル部材の連結構造を示す断面図である。
【図15】この発明のさらに他の実施例である防汚パネル部材の連結構造を示す断面図である。
【図16】この発明のさらに他の実施例である防汚パネル部材の連結構造を示す断面図である。
【図17】この発明のさらに他の実施例である防汚パネル部材の連結構造を示す断面図である。
【図18】この発明のさらに他の実施例である防汚パネル部材の連結構造を示す断面図である。
【図19】この発明のさらに他の実施例である防汚パネル部材の連結構造における、防汚パネル部材の連結部分を示す図解図であり、(A)は防汚パネル部材の連結部分の平面を示し、(B)は防汚パネル部材の連結部分の断面を示す。
【図20】図19の防汚パネル部材の連結構造を示す図解図であり、(A)は防汚パネル部材の連結構造の平面を示し、(B)は防汚パネル部材の連結構造の断面を示す。
【図21】この発明のさらに他の実施例である防汚パネル部材の連結構造を示す断面図である。
【図22】この発明のさらに他の実施例である防汚パネル部材の連結構造を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0038】
図1−図3を参照して、この発明の一実施例である防汚パネル部材の連結構造10(以下、単に「連結構造10」という。)は、複数の防汚パネル部材(以下、単に「パネル部材」という。)12を海水と接する構造物の壁面に取り付けて連結部材14で連結し、防汚パネル16を形成するものであり、イガイやフジツボ等の海生生物の付着を防止する防汚システム100に適用される。この実施例では、防汚システム100(連結構造10)をコンクリート製ボックスカルバート型の海水路102に適用した例を示す。
【0039】
図1に示すように、この防汚システム100では、海水路102の底面、側面および天面のそれぞれに対して、複数のパネル部材12を連結部材14で連結して形成された防汚パネル16が取り付けられる。そして、防汚パネル16の表面に形成される陽極体18に対して、外部に設置された直流電源装置104の正極を接続して微弱電気を流すことによって、海水を電気分解して酸素を発生させる。発生した酸素は、バクテリアの栄養素となる有機物を分解するので、防汚システム100では、バクテリアの繁殖を抑制でき、バクテリアの繁殖によるスライム層の形成、それに伴う藻類の付着および海生生物の付着を防止できる。
【0040】
先ず、図4および図5を参照して、パネル部材12の構成について説明する。
【0041】
図4および図5に示すように、パネル部材12は、パネル本体(第1本体)20およびそれに貼り付けられる陽極要素(第1陽極要素)22を備え、たとえば海水路102の管軸方向(流水方向)に連結されることによって防汚パネル16を形成する。また、陽極要素22どうしが電気的に(つまり、通電可能に)接続されることにより、陽極体18を形成する。基本的には、海水路102の底面、側面および天面のそれぞれには、管軸方向に1列に連結されたパネル部材12が設置されるが、海水路102が大きい場合には、パネル部材12を幅方向にも連結して設置するようにしてもよい。
【0042】
この実施例では、パネル部材12の連結方向の長さは、800mmであり、幅方向の長さは、2000mmである。このパネル部材12の大きさは、海水路102の使用中、つまり海水中での防汚工事が求められ、施工スピードの向上が求められるところ、施工作業に支障をきたさない範囲での最大の大きさに設定したものである。すなわち、連結方向の長さは、点検用マンホール(標準は900φ)からの搬入が可能な最大長さとしたものである。また、幅方向の長さは、作業性実験を行った結果、作業者(ダイバー)が支障なく水中運搬できる最大長さとしたものである。
【0043】
パネル本体20は、絶縁性を有する材質、たとえば塩化ビニル樹脂やポリオレフィン樹脂等の合成樹脂によって形成される。ただし、パネル本体20内部に中空部を形成したり、パネル本体20内部を部分的に発泡性合成樹脂によって形成することによって、パネル部材12の軽量化を図るようにしてもよい。
【0044】
パネル本体20は、矩形の平板状に形成される平板部24を含む。平板部24の連結方向の端部表面は、段差状に凹んでおり、そこに表面の高さが他よりも低くされた段差部26が形成される。段差部26は、平板部24の幅方向の全長に亘って形成される。この実施例では、平板部24の厚みは、10mmである。また、段差部26の部分における平板部24の厚みは、3−6mmである。
【0045】
このようなパネル本体20の表面側には、エポキシ樹脂などを主成分とする絶縁性の接着剤を用いて陽極要素22が貼り付けられる。陽極要素22は、チタンによって薄膜状に形成されるシート、フィルム或いは板であって、その厚みは、たとえば0.3mmである。具体的には、陽極要素22は、平板部24の表面全体を覆い、段差部26の形状に沿って平板部24の両端まで延びるようにパネル本体20に貼り付けられる。
【0046】
なお、陽極要素22の表面は、白金などの白金族金属の電気的触媒(図示せず)で被覆しておくことが好ましい。電気的触媒で陽極要素22の表面を被覆することによって、塩素の発生を抑制しながら、酸素を効率よく発生させることができる。
【0047】
また、パネル部材12には、パネル本体20およびそれに貼り付けられた陽極要素22を貫く複数(この実施例では2つ)の貫通孔28が幅方向に所定の間隔を隔てて設けられる。ただし、貫通孔28は、施工時に穿孔されてもよく、取付強度が不足するようであれば追加穿孔されてもよい。この貫通孔28は、パネル部材12を海水路102の壁面にアンカ止め(ねじ止め)する際に利用される。
【0048】
続いて、図6および図7を参照して、連結部材14の構成について説明する。
【0049】
連結部材14は、パネル部材12どうしを連結するものであり、図6および図7に示すように、部材本体(第2本体)30、および陽極要素(第2陽極要素)32を備え、隣り合うパネル部材12に跨ってそれらの表面側に設けられる。
【0050】
部材本体30は、絶縁性を有する材質、たとえば塩化ビニル樹脂やポリオレフィン樹脂等の合成樹脂によって、長尺の矩形平板状に形成される。部材本体30の連結方向の長さは、たとえば70mmであり、その幅方向の長さは、たとえば2000mmであり、その厚みは、たとえば10mmである。
【0051】
部材本体30の連結方向の中央部には、部材本体30の裏面から突き出す突出部34が形成される。突出部34は、部材本体30の幅方向の全長に亘って形成され、パネル部材12どうしを連結部材14で連結するときには、パネル部材12どうしの間に嵌め込まれて、連結部材14を位置決めするために利用される。
【0052】
また、部材本体30の表面側には、パネル部材12と同様の陽極要素32が貼り付けられる。具体的には、陽極要素32は、部材本体30の表面全体を覆い、かつその両端部が部材本体30の裏面側まで延びるように、つまり部材本体30の裏面側まで巻き込むように部材本体30に貼り付けられる。なお、この陽極要素32の表面も、パネル部材12と同様に、白金などの白金族金属の電気的触媒(図示せず)で被覆しておくことが好ましい。
【0053】
さらに、連結部材14には、部材本体30およびそれに貼り付けられた陽極要素32を貫く複数(この実施例では2つ)の貫通孔36が幅方向に所定の間隔を隔てて設けられる。貫通孔36は、連結部材14を海水路102の壁面にアンカ止め(ねじ止め)して、部材本体30に貼り付けられた陽極要素32をパネル部材12に押し付ける際に利用され、連結部材14の連結方向の中央付近に設けられる。
【0054】
図8および図9に示すように、パネル部材12どうしを連結部材14で連結して防汚パネル16を形成するときには、先ず、複数のパネル部材12を所定の間隔を隔てて配置し、パネル部材12の各貫通孔28にアンカボルト(固定手段)38を挿通して、海水路102の壁面にパネル部材12をアンカ止めする。
【0055】
そして、隣り合うパネル部材12の段差部26に跨って、かつパネル部材12間に突出部34が嵌まるように連結部材14を配置する。それから、連結部材14を一方のパネル部材12の連結方向一方端の段差部26、および他方のパネル部材12の連結方向他端の段差部26に押し当てるとともに、連結部材14の貫通孔36にアンカボルト(固定手段)40を挿通して、海水路102の壁面に連結部材14をアンカ止めする。
【0056】
すると、連結部材14の陽極要素32が一方のパネル部材12の連結方向一方端の段差部26に貼り付けられた陽極要素22と互いに押し合うようにして面接触するとともに、この連結部材14の陽極要素32が他方のパネル部材12の連結方向他端の段差部26に貼り付けられた陽極要素22とも互いに押し合うようにして面接触し、隣り合うパネル部材12の陽極要素22どうしが電気的に(通電可能に)接続される。そして、これにより、連結部材14の陽極要素32も陽極体18の一部となる。
【0057】
このように、隣り合うパネル部材12に跨るように設けた連結部材14を海水路102の壁面にアンカ止めするだけで、隣り合うパネル部材12の陽極要素22どうしが電気的に接続される。しかも、この際、パネル部材12の陽極要素22の端縁の上方が連結部材14により覆われることで、陽極要素22の端縁が海水中に露出しないので、陽極要素22の捲れも防止される。
【0058】
さらに、アンカボルト40の締付力が作用することにより、部材本体30の裏面側まで延びた陽極要素32の端部全体が陽極要素22に均等に押し当てられて、陽極要素22と面接触するので、陽極体18の通電性を長期間に亘って安定的に確保することができる。
【0059】
続いて、図2、図3および図8を参照して、防汚システム100(連結構造10)の海水路102への適用方法の一例について説明する。ここでは、海水路102の側面にパネル部材12を設置する場合を想定して説明するが、海水路102の天面および底面に対しても同様にパネル部材12を設置することができる。なお、海水路102へのパネル部材12の設置は、海水路102から海水を除去して行うようにしてもよいし、海水路102を使用中であって海水が除去できない場合は、海水中で行うようにしてもよい。
【0060】
先ず、ステンレス製の帯状板などによって形成された、図示しない陰極側導電体(陰極側の配線)を海水路102の管軸方向に対して設置し、その後、点検用マンホール等からパネル部材12を順次搬入する。そして、1つ目のパネル部材12をアンカボルト38を用いて海水路102の壁面にアンカ止めし、それから、先導するパネル部材12と一定の間隔を隔てて、後続するパネル部材12をアンカボルト38を用いて海水路102の壁面にアンカ止めしていく。パネル部材12どうしの間隔は、連結部材14の突出部34の幅と等しいかそれよりもやや大きい程度が好ましい。それから、上述した要領で、順次、パネル部材12どうしを連結部材14で連結していくことによって、施工部分の全域に亘って防汚パネル16を形成する。
【0061】
このとき、連結方向に対して所定間隔、たとえば5枚のパネル部材12に対して1枚程度の割合で、図10に示すように、パネル部材12どうしを陰極具備型の連結部材42(14)を用いて連結するようにする。なお、陰極具備型の連結部材42は、部材本体30の内部に陰極体44が埋め込まれることを除き、他の部分については上述した連結部材14と同じに形成されているので、他の部分については説明を省略することにする。
【0062】
簡単に説明すると、図11および図12に示すように、陰極具備型の連結部材42は、部材本体30の内部に埋め込まれた陰極体44を備えており、アンカボルト46およびナットを用いて海水路102の壁面にアンカ止めされる。陰極体44は、ステンレス鋼などの金属によって長尺の矩形平板状に形成され、部材本体30の幅方向の全長に亘って延びる。そして、この陰極体44の幅方向の端部やアンカボルト46に、上述の陰極側導電体が接続される。陰極体44の幅(連結部材42の連結方向の長さ)は、たとえば30mmであり、その厚みは、たとえば3mmである。また、貫通孔36は、陽極要素32とアンカボルト46との絶縁を確保できるように、陰極体44より上の部分において拡径されている。さらに、この実施例では、図10に示すように、アンカボルト46の頭部には、突起部46aが形成され、陰極具備型の連結部材42の表面から数cm程度突出するようにされる。この突起部46aは、必ずしも形成される必要はないが、表面から突出した部分が陰極として作用することによって、海水をより効率よく電気分解できるようになる。
【0063】
このようにして、施工部分の全域に亘って防汚パネル16が形成されると、防汚パネル16の表面に形成された陽極体18には、外部に設置された直流電源装置104の正極を接続し、陰極側導電体には、直流電源装置104の負極を接続することによって、防汚システム100の海水路102への設置作業を終了する。
【0064】
以上のように、この実施例によれば、隣り合うパネル部材12に跨るように連結部材14を配置し、連結部材14をパネル部材12の表面側に押し当てて壁面にアンカ止めするだけで、連結部材14の陽極要素32をパネル部材12の陽極要素22に電気的に接続して、隣り合うパネル部材12の陽極要素22どうしの通電性を確保することができる。すなわち、隣り合うパネル部材12の陽極要素22間の通電性を確保するために、スポット溶接などを行う必要性が生じないので、簡単な施工で防汚パネル16を形成することができるようになる。
【0065】
また、パネル部材12の表面側に連結部材14を押し当てて陽極要素22,32どうしを電気的に接続するようにしているので、海水の温度変化などによりパネル部材12がその面方向に膨張ないし収縮しても、パネル部材12の陽極要素22と連結部材14の陽極要素32との接触部分をパネル部材12の伸縮に追従させて、パネル部材12の陽極要素22と連結部材14の陽極要素32との間の通電性を確保することが可能である。したがって、陽極体18の通電性を長期間に亘って安定的に確保することができる。
【0066】
さらに、この実施例によれば、陽極要素32が部材本体30の裏面側まで巻き込むように部材本体30に貼り付けられているので、アンカボルト40の締付力が連結部材14に作用することにより、隣り合うパネル部材12の陽極要素22のそれぞれに連結部材14の陽極要素32が均一に押し当てられて面接触される。さらに、パネル部材12の表面端部が連結部材14によって覆われていて、陽極要素22の端縁が海水中に露出しないので、陽極要素22の捲れを防止することも可能である。したがって、この実施例によれば、陽極体18の通電性をより安定的に確保することができる。
【0067】
さらにまた、この実施例によれば、パネル部材12の連結方向端部に表面の高さを他よりも段差状に低くした段差部26を形成し、隣り合うパネル部材12の段差部26に跨って連結部材14を配置するようにしたため、パネル部材12と連結部材14との高さを揃えるなどして、連結部材14がパネル部材12よりも上に突出しないようにすることが可能である。したがって、施工後に連結部材14が海水の流れを阻害することがなくなるまたは低減される。
【0068】
なお、上述の実施例では、連結方向に対して所定間隔、たとえば5枚のパネル部材12に対して1枚程度の割合で、パネル部材12どうしを陰極具備型の連結部材42を利用して連結するようにしたが、これに限定される必要はない。たとえば、防汚パネル16の施工長さが短いときには、陰極具備型の連結部材42は適宜省略することもできるし、もっと高い割合で陰極具備型の連結部材42を利用するようにしてもよい。
【0069】
さらに、陰極具備型の連結部材42は、部材本体30の内部に陰極体44を埋め込むことによって構成されたが、これに限定される必要もない。一例として、図示は省略するが、パネル本体20の平板部24の表面に、幅方向に延びる溝を形成し、溝内面に貼り付けられた陽極要素22の上にゴムライニング等の絶縁体を設けて、その絶縁体の上に陰極体44を設けるようにしてもよい。たとえば、陰極体44は、絶縁性を有するビスまたはリベット等の固定手段を用いて平板部24に固定する。または、溝をテーパ状に形成するとともに、陰極体44を断面台形状に形成することなどによって、陰極体44をパネル本体20に嵌め込んで固定するようにしてもよい。
【0070】
さらに、上述の実施例では、先導するパネル部材12をアンカボルト38を用いて海水路102の壁面にアンカ止めし、次に、それと一定の間隔を隔てて後続するパネル部材12をアンカボルト38を用いて海水路102の壁面にアンカ止めし、それから、隣り合うパネル部材12に跨るように設けた連結部材14をアンカボルト40を用いて海水路102の壁面の所定の位置にアンカ止めするという手順で設置作業を行ったが、これに限定される必要はない。たとえば、先導するパネル部材12をアンカボルト38を用いて海水路102の壁面にアンカ止めし、次に、連結部材14をアンカボルト40を用いて海水路102の壁面の所定の位置に仮固定し、それから、後続するパネル部材12をアンカボルト38を用いて海水路102の壁面の所定の位置にアンカ止めした後で、アンカボルト40を締め付けて連結部材14をパネル部材12に押し当てるという手順で設置作業を行うようにしてもよい。
【0071】
さらにまた、上述の実施例では、パネル部材12の連結方向の両端に、平板部24の面方向と同方向に延びる段差部26が形成されたが、これに限定される必要はない。
【0072】
たとえば、図13を参照して、この発明の他の実施例である連結構造10では、パネル部材12の段差部26が、パネル部材12の端縁に向かって肉厚となるようにされる。すなわち、段差部26の表面には、平板部24側からパネル部材12の端縁に向かう方向に所定の上り勾配が付けられた傾斜面26aが形成される。また、連結部材14の部材本体30も、連結部材14の端縁に向かって肉厚となるようにされる。すなわち、部材本体30の両端部裏面には、突出部34側から連結部材14の端縁に向かう方向に所定の上り勾配が付けられた傾斜面30aが形成される。
【0073】
図13に示すように、パネル部材12どうしを連結部材14で連結して海水路102の壁面に取り付けるときには、先ず、パネル部材12を所定の間隔を隔てて配置し、海水路102の壁面にアンカ止めする。そして、隣り合うパネル部材12の段差部26に跨って、かつ部材本体30の傾斜面30aが段差部26の傾斜面26aに沿うように連結部材14を配置する。それから、連結部材14の貫通孔36にアンカボルト40を挿通して、海水路102の壁面に連結部材14をアンカ止めすることにより、部材本体30の傾斜面30aに貼り付けられた陽極要素32を、一方のパネル部材12の傾斜面26aに貼り付けられた陽極要素22、および他方のパネル部材12の傾斜面26aに貼り付けられた陽極要素22に押し当てて面接触させる。こうすることにより、パネル部材12の段差部26と連結部材14とが互いに嵌まり合い、かつパネル部材12の陽極要素22と連結部材14の陽極要素32との間の通電性が確保される。
【0074】
図13に示す実施例によれば、パネル部材12の段差部26に勾配を付けるとともに、連結部材14の部材本体30に勾配を付けて、それらが互いに嵌まり合うようにしたため、連結部材14を海水路102の壁面にアンカ止めするときの位置決めが容易になり、しかも連結部材14の連結方向のずれが防止される。
【0075】
ここで、特に水中施工においては、光はヘッドランプ等の光源しかなく、視界が良くないため、連結部材14を取り付けるときに位置決めの微調整を行うのは困難であるが、図13に示す実施例によれば、連結部材14の位置決めが容易になるので、より簡単な施工で防汚パネル16を形成することができるようになる。
【0076】
また、上述したように、一方のパネル部材12をアンカボルト38を用いて海水路102の壁面にアンカ止めし、次に、連結部材14をアンカボルト40を用いて海水路102の壁面の所定の位置に仮止めし、それから、他方のパネル部材12を海水路102の壁面の所定の位置に仮置きした後で、アンカボルト40を締め付けて連結部材14をパネル部材12に押し当てて、その後、他方のパネル部材12をアンカボルト38を用いて海水路102の壁面にアンカ止めするという手順で設置作業を行う場合であっても、アンカボルト40の締付力が連結部材14に作用することにより、他方のパネル部材12が連結部材14の傾斜面30aに沿って奥側に入り、しかもアンカボルト40の締め付け後に連結方向にずれにくくなるので、パネル部材12が傾いて設置される可能性を低減させることが可能である。
【0077】
また、上述の実施例では、陽極要素32を部材本体30の裏面側まで巻き込むように部材本体30に貼り付け、その裏面側まで延ばした部分をパネル部材12の陽極要素22と面接触させて電気的に接続したが、これに限定される必要はない。
【0078】
たとえば、図14を参照して、この発明の他の実施例である連結構造10では、連結部材14には、連結部材14を表裏方向(つまり、厚み方向)に貫通する導電体48が設けられる。導電体48は、たとえばリベットやビスなどであり、連結部材14の連結方向の両側にそれぞれ設けられる。たとえば、この実施例では、連結部材14の連結方向の両側のそれぞれにおいて、2つの導電体48が連結部材14の幅方向に1列に並ぶように配置されている。導電体48は、部材本体30およびそれに貼り付けられた陽極要素32を貫き、連結部材14の表面側において、陽極要素32と電気的に接続されるとともに、連結部材14の裏面側において、部材本体30の裏面から突き出すようにされて、パネル部材12の陽極要素22に押し当てられる。このため、導電体48をアンカボルト40(貫通孔36)の付近に設けるようにすれば、導電体48がより強くパネル部材12の陽極要素22に押し当てられるようになるので、通電性をより安定的に確保することが可能になる。また、陽極要素32は、部材本体30の表面全体を覆い、かつその両端部が部材本体30の側面側まで巻き込むように部材本体30に貼り付けられている。
【0079】
図14に示すように、パネル部材12どうしを連結部材14で連結して海水路102の壁面に取り付けるときには、先ず、パネル部材12を所定の間隔を隔てて配置し、海水路102の壁面にアンカ止めする。そして、隣り合うパネル部材12の段差部26に跨って連結部材14を配置する。それから、連結部材14の貫通孔36にアンカボルト40を挿通して、海水路102の壁面に連結部材14をアンカ止めすることにより、連結部材14の導電体48を、一方のパネル部材12の段差部26に貼り付けられた陽極要素22、および他方のパネル部材12の段差部26に貼り付けられた陽極要素22に押し当てて接触させる。こうすることにより、連結部材14の陽極要素32が、導電体48を介してパネル部材12の陽極要素22に電気的に接続され、パネル部材12の陽極要素22と連結部材14の陽極要素32との間の通電性が確保される。
【0080】
図14に示す実施例においても、スポット溶接などを行う必要性が生じないので、簡単な施工で防汚パネル16を形成することができ、しかもパネル部材12の陽極要素22と連結部材14の導電体48との接触部分をパネル部材12の伸縮に追従させることができるので、陽極体18の通電性を長期間に亘って安定的に確保することができる。
【0081】
さらに、陽極要素32を部材本体30の裏面側まで延ばす必要がなく、陽極要素32の使用量を減少させることができるので、連結部材14のコストダウンを実現できる。
【0082】
なお、図14に示す実施例では、導電体48として端部(頭部)の断面が楕円形のリベットを利用しているが、リベットの端部の断面形状は、特に限定されず、半球形や円盤形に形成されていてもよい。以下、同様である。
【0083】
また、図14に示す実施例では、導電体48が連結部材14の連結方向の両側に2つずつ設けられたが、これに限定される必要はなく、連結部材14の連結方向の両側にそれぞれ任意の数の導電体48を設けるようにしてもよい。
【0084】
さらに、図14に示す実施例では、陽極要素32が、部材本体30の表面全体を覆い、かつその両端部が部材本体30の側面側まで巻き込むように部材本体30に貼り付けられたが、必ずしも陽極要素32によって部材本体30の表面全体および側面を覆う必要はなく、陽極要素32は少なくとも導電体48が設けられる位置まで部材本体30の表面を覆っていればよい。
【0085】
さらにまた、図示は省略するが、図14に示す実施例の連結部材14の部材本体30の内部に陰極体44を埋め込んで、陰極具備型の連結部材として利用してもよいことは言うまでもない。この場合には、陰極体44と導電体48とが接触しないように注意する。
【0086】
さらに、上述の実施例では、パネル部材12のパネル本体20の連結方向端部に表面の高さを他よりも低くした段差部26を形成し、隣り合うパネル部材12の段差部26に跨って連結部材14を配置するようにしたが、これに限定される必要はない。
【0087】
たとえば、図15を参照して、この発明の他の実施例である連結構造10では、パネル本体20は、矩形の平板状に形成される平板部24を含み、平板部24の連結方向の両端部が、パネル部材12の端縁に向かって肉厚となるようにされる。すなわち、平板部24の表面端部には、パネル部材12の端縁に向かう方向に所定の上り勾配が付けられた傾斜面24aが形成される。また、連結部材14の部材本体30も、連結部材14の端縁に向かって肉厚となるようにされる。すなわち、部材本体30の両端部裏面には、それぞれ突出部34側から連結部材14の端縁に向かう方向に所定の上り勾配が付けられた傾斜面30aが形成される。なお、必ずしも平板部24の端部表面に勾配を付けるとともに、部材本体30の端部裏面に勾配を付ける必要はないが、上述したように、こうすることによって、連結部材14を海水路102の壁面にアンカ止めするときの位置決めが容易になり、しかも連結部材14の連結方向のずれが防止できるようになる。
【0088】
図15に示すように、パネル部材12どうしを連結部材14で連結して海水路102の壁面に取り付けるときには、先ず、パネル部材12を所定の間隔を隔てて配置し、海水路102の壁面にアンカ止めする。そして、隣り合うパネル部材12に跨って、かつ部材本体30の傾斜面30aが平板部24の傾斜面24aに沿うように連結部材14を配置する。それから、連結部材14の貫通孔36にアンカボルト40を挿通して、海水路102の壁面に連結部材14をアンカ止めすることにより、部材本体30の傾斜面30aに貼り付けられた陽極要素32を、一方のパネル部材12の傾斜面24aに貼り付けられた陽極要素22、および他方のパネル部材12の傾斜面24aに貼り付けられた陽極要素22に押し当てて面接触させる。こうすることにより、パネル部材12の表面端部と連結部材14とが互いに嵌まり合い、かつパネル部材12の陽極要素22と連結部材14の陽極要素32との間の通電性が確保される。
【0089】
図15に示す実施例によれば、パネル部材12の連結方向端部に段差部26を形成する必要がないので、その分だけパネル部材12の構造が簡単になり、パネル部材12の製造コストを削減することができる。
【0090】
なお、この実施例においても、図16に示すように、連結部材14に導電体48を設けて、陽極要素32を導電体48を介してパネル部材12の陽極要素22に電気的に接続するようにしてもよい。
【0091】
さらに、上述の実施例では、連結部材14の部材本体30を矩形平板状に形成するとともに、その部材本体30の裏面の連結方向中央付近に突出部34を形成して、連結部材14を断面が略逆凸状となる形状に形成したが、連結部材14の形状は、特に限定されず、断面台形状や断面矩形平板状に形成されてもよい。また、どのような形状の連結部材14であっても、その部材本体30の内部に陰極体44を埋め込んで、陰極具備型の連結部材として利用してもよいことは言うまでもない。
【0092】
一例を挙げると、図17に示すように、連結部材14に、アンカ収容部50を形成するようにしてもよい。アンカ収容部50は、部材本体30の表面の中央付近を凹状に窪ませた上面視円形の窪みであり、貫通孔36に対応する位置に設けられる。そして、パネル部材12どうしを連結部材14で連結して海水路102の壁面に取り付けるときには、連結部材14の貫通孔36に挿通したアンカボルト40の頭部を段差部50内に収容する。こうすることにより、連結部材14のアンカ止めに使用するアンカボルト40の頭部が、連結部材14の表面から突出しないので、施工後の水の流れの阻害が軽減されるとともに、景観も向上する。
【0093】
また、図18に示すこの発明の他の実施例である連結構造10では、パネル部材12の連結方向端部に、パネル本体20の表面端部をパネル部材12の端縁に向かって下り勾配となる形状に面取りした面取り部52が形成される。陽極要素22は、平板部24の表面全体を覆い、面取り部52の形状に沿って平板部24の両端まで延びる。また、連結部材14の部材本体30は、断面が略逆台形の平板状に形成され、面取り部52に対応する所定の勾配で傾斜した側面30bを有している。陽極要素32は、部材本体30の表面全体を覆い、かつその両端部が部材本体30の側面30bまで巻き込むように部材本体30に貼り付けられる。
【0094】
図18に示すように、パネル部材12どうしを連結部材14で連結して海水路102の壁面に取り付けるときには、先ず、パネル部材12を所定の間隔を隔てて配置し、海水路102の壁面にアンカ止めする。そして、隣り合うパネル部材12の段差部26に跨って、部材本体30の傾斜面30aがパネル本体20の面取り部52に沿うように連結部材14を配置する。それから、連結部材14の貫通孔36にアンカボルト40を挿通して、海水路102の壁面に連結部材14をアンカ止めすることにより、部材本体30の側面30bに貼り付けられた陽極要素32を、一方のパネル部材12の面取り部52に貼り付けられた陽極要素22、および他方のパネル部材12の面取り部52に貼り付けられた陽極要素22に押し当てて面接触させる。こうすることにより、パネル部材12の陽極要素22と連結部材14の陽極要素32との間の通電性が確保される。
【0095】
図18に示す実施例によれば、連結部材14の部材本体30の裏面をパネル部材12のパネル本体20の表面に押し付けて面接触させる場合と比較して、パネル部材12に対する連結部材14の面圧が大きくなるので、陽極体18の通電性をより安定的に確保することができる。
【0096】
また、連結部材14の構造が簡単になり、かつ小型化も可能になるので、その分だけ連結部材14の製造コストを削減することができる。
【0097】
さらに、上述の実施例では、連結部材14の部材本体30の裏面の連結方向中央付近に突出部34を形成し、その突出部34を隣り合うパネル部材12間に配置したが、これに限定される必要はない。
【0098】
たとえば、図19および図20を参照して、この発明の他の実施例である連結構造10では、パネル本体20は、矩形の平板状に形成される平板部24を含み、平板部24の連結方向端には、平板部24およびそれに貼り付けられた陽極要素22を貫く複数(この実施例では2つ)の貫通孔形成部52が形成される。図19(a)に示すように、貫通孔形成部52は、たとえば上面視半円形の切り欠きであり、図19(a)および図19(b)に示すように、隣り合う2つのパネル部材12の貫通孔形成部52どうしを合わせることによって、上面視円形の貫通孔54を形成する。この貫通孔54は、連結部材14を海水路102の壁面にアンカ止めする際に利用される。
【0099】
また、図20に示すように、連結部材14の部材本体30は、長尺の矩形平板状に形成され、部材本体30の表面側には、パネル部材12と同様の陽極要素32が貼り付けられる。陽極要素32は、部材本体30の表面全体を覆い、かつその両端部が部材本体30の裏面側まで巻き込むように部材本体30に貼り付けられる。
【0100】
パネル部材12どうしを連結部材14で連結して海水路102の壁面に取り付けるときには、先ず、複数のパネル部材12を、2つのパネル部材12の貫通孔形成部52が貫通孔54を形成する所定の間隔を隔てて配置し、パネル部材12の各貫通孔28にアンカボルト38を挿通して、海水路102の壁面にパネル部材12をアンカ止めする。そして、隣り合うパネル部材12のそれぞれに跨るように、パネル部材12の表面側に連結部材14を配置し、連結部材14の貫通孔36ならびにパネル部材12間に形成された貫通孔54にアンカボルト40を挿通して、海水路102の壁面に連結部材14をアンカ止めすることにより、連結部材14の陽極要素32を各パネル部材12の陽極要素22に押し付けて面接触させる。
【0101】
図19および図20に示す実施例においても、スポット溶接などを行う必要性が生じないので、パネル部材12の取り付け作業が容易であり、しかも陽極体18の通電性を長期間に亘って安定的に確保することが可能である。
【0102】
さらに、連結部材14の構造が簡単になるので、その分だけ連結部材14の製造コストを削減することができる。
【0103】
なお、図19および図20に示す実施例では、隣り合う2つのパネル部材12の貫通孔形成部52どうしを合わせることによって、上面視円形の貫通孔54を形成したが、これに限定される必要はない。たとえば、図示は省略するが、貫通孔54を上面視で幅方向に長い長孔状に形成すれば、海水路102の壁面に連結部材14をアンカ止めする際に、連結部材14の貫通孔36とパネル部材12間に形成された貫通孔54との厳密な位置合わせが不要となるので、貫通孔36,54にアンカボルト40を挿通し易くなり、延いては、連結部材14の取り付け作業が容易になる。
【0104】
また、必ずしも隣り合う2つのパネル部材12の貫通孔形成部52どうしを合わせて貫通孔54を形成する必要もない。図21に示すように、隣り合う2つのパネル部材12のいずれか1つに貫通孔56を形成するとともに、連結部材14の部材本体30の連結方向のいずれか一方側に寄った位置に貫通孔36を形成し、連結部材14の貫通孔36ならびにパネル部材12に形成された貫通孔56にアンカボルト40を挿通して、海水路102の壁面に連結部材14をアンカ止めするようにしてもよい。
【0105】
さらに、図19および図20に示す実施例においても、図22に示すように、パネル部材12の連結方向の端部に段差部26を形成し、隣り合うパネル部材12の段差部26に跨って連結部材14を配置するようにしてもよい。
【0106】
また、上述の各実施例ではいずれも、陽極として作用する陽極要素22,32の材質としてチタンを採用し、陰極として作用する陰極体44の材質としてステンレス鋼を採用したが、海水を電気分解して酸素を発生できるならば、これらの材質は適宜変更しても構わない。ただし、腐食に対する耐性を有することが好ましい。なお、陰極にも電気が流れるため、一般構造用圧延鋼材(SS相当品)でも電気防食効果で腐食に対する耐性を期待できる。
【0107】
さらにまた、上述の各実施例ではいずれも、連結部材14の貫通孔36にアンカボルト40を挿通して、海水路102の壁面に連結部材14をアンカ止め(ねじ止め)したが、必ずしもアンカボルト40によって連結部材14を壁面に固定する必要はなく、適宜の固定手段を用いることができる。
【0108】
さらに、上述の各実施例ではいずれも、海水路102の管軸方向(流水方向)にパネル部材12を連結して防汚パネル16を形成するようにしたが、海水路102の周方向にパネル部材12を連結することもできる。また、防汚パネル16は、海水と接する壁面であればどこに適用してもよく、たとえば、上方が解放された溝型の海水路(開水路)に適用することもできるし、橋脚や海岸壁に適用することもできる。さらに、適用する壁面が湾曲面であれば、その曲率に対応した曲板状にパネル部材12を形成することもできる。
【0109】
なお、上で挙げた寸法などの具体的数値は、いずれも単なる一例であり、製品の仕様などの必要に応じて適宜変更可能である。
【符号の説明】
【0110】
10 …防汚パネル部材の連結構造
12 …防汚パネル部材
14,42 …連結部材
16 …防汚パネル
18 …陽極体
20 …パネル本体
22,32 …陽極要素
26 …段差部
30 …部材本体
44 …陰極体
48 …導電体
100 …防汚システム

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の防汚パネル部材を海水と接する壁面に取り付けて連結し、前記海水の電気分解によって酸素を発生させて海生生物の付着を防止する防汚パネルを形成するための、防汚パネル部材の連結構造であって、
各防汚パネル部材は、絶縁材によって形成された第1本体と前記第1本体の表面側に貼り付けられた第1陽極要素とを有し、所定の間隔を隔てて前記壁面に固定され、
隣り合う防汚パネル部材に跨ってそれらの表面側に設けられ、絶縁材によって形成された第2本体と前記第2本体に貼り付けられた第2陽極要素とを有する連結部材、および
前記連結部材を前記壁面に固定する固定手段を備え、
前記連結部材を前記隣り合う防汚パネル部材に押し当てて前記固定手段で固定することにより、前記第2陽極要素を前記隣り合う防汚パネル部材のそれぞれの第1陽極要素に電気的に接続した、防汚パネル部材の連結構造。
【請求項2】
前記第2陽極要素は、前記第2本体の表面全体を覆うとともに、その両端部が前記第2本体の裏面側まで延び、その裏面側まで延ばした部分が前記第1陽極要素と接触して電気的に接続される、請求項1記載の防汚パネル部材の連結構造。
【請求項3】
前記連結部材は、前記第2本体を表裏方向に貫通しかつ前記第2陽極要素に電気的に接続される導電体をさらに有し、
前記第2陽極要素は前記導電体を介して前記第1陽極要素に電気的に接続される、請求項1記載の防汚パネル部材の連結構造。
【請求項4】
前記固定手段は、前記連結部材を前記壁面にねじ止めするねじ止め手段を含む、請求項1ないし3のいずれかに記載の防汚パネル部材の連結構造。
【請求項5】
前記第1本体の連結方向端部には、前記第1本体の表面を段差状に窪ませた段差部が形成され、
前記連結部材は、前記隣り合う防汚パネル部材の段差部に跨って設けられる、請求項1ないし4のいずれかに記載の防汚パネル部材の連結構造。
【請求項6】
前記第1本体の表面端部には、前記第1本体の端縁に向かう方向に上り勾配を付けた第1傾斜面が形成され、
前記第2本体の裏面端部には、前記第2本体の端縁に向かう方向に前記第1傾斜面に対応した上り勾配を付けた第2傾斜面が形成され、
前記第2傾斜面が前記第1傾斜面に沿うように前記連結部材を配置した、請求項1ないし5のいずれかに記載の防汚パネル部材の連結構造。
【請求項7】
請求項1ないし6のいずれかに記載の防汚パネル部材の連結構造によって防汚パネル部材を連結して形成した、防汚パネル。
【請求項8】
海水と接する壁面を有する構造物であって、
請求項7記載の防汚パネルを前記壁面に設置した、構造物。
【請求項9】
海水の電気分解によって酸素を発生させて海生生物の付着を防止する防汚パネルを形成するために用いられ、前記海水と接する壁面に取り付けた複数の防汚パネル部材を連結する、防汚パネル用の連結部材であって、
絶縁材によって形成され、隣り合う防汚パネル部材に跨ってそれらの表面側に押し当てられた状態で前記壁面に固定される本体、および
前記本体の表面全体を覆うとともに、その両端部が前記本体の裏面側まで延び、前記隣り合う防汚パネル部材のそれぞれが有する第1陽極要素に電気的に接続される第2陽極要素を備える、防汚パネル用の連結部材。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【公開番号】特開2013−57206(P2013−57206A)
【公開日】平成25年3月28日(2013.3.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−196363(P2011−196363)
【出願日】平成23年9月8日(2011.9.8)
【出願人】(505142964)クボタシーアイ株式会社 (192)
【出願人】(000211891)株式会社ナカボーテック (42)
【Fターム(参考)】