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防汚塗料組成物、該防汚塗料組成物を含む塗膜、該塗膜の形成方法、および塗装物品
説明

防汚塗料組成物、該防汚塗料組成物を含む塗膜、該塗膜の形成方法、および塗装物品

【課題】皮革などの素材の触感や風合いを損なうことなく、防汚性、汚れ除去性、および防汚耐久性を向上させうる手段を提供する。
【解決手段】ホスホリルコリン類似基含有重合体と、水系塗料または溶剤系塗料と、を含有する防汚塗料組成物である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は防汚塗料組成物、該防汚塗料組成物を含む塗膜、該塗膜の形成方法、および塗装物品に関する。さらに詳細には、皮革などの素材の触感や風合いを損なうことなく、防汚性、汚れ除去性、および防汚耐久性を向上させうる防汚塗料組成物、該防汚塗料組成物を含む塗膜、該塗膜の形成方法、および塗装物品に関する。
【背景技術】
【0002】
一般的に、屋内で用いられる本革、合成皮革等における汚れは、皮脂、たんぱく質、カーボン、砂またはこれらの混合物の表面への付着が多い。よって、これら汚れの付着を防止する技術や、汚れが付着したとしてもその汚れを容易に除去することができる技術が求められている。
【0003】
上記のような汚れが付着することを防止する表面処理技術としては、例えば、特許文献1および2に記載の技術が挙げられる。特許文献1では、フッ素系樹脂水性分散液を用いて防汚性被膜を形成する技術が、特許文献2では、最表層にアクリルシリコン系化合物を主成分とする膜を形成する技術が、それぞれ開示されている。
【特許文献1】特開平8−283654号公報
【特許文献2】特開2007−191820号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1および2に記載の技術は、耐防汚性能には優れるが、一方で触感・風合いへの影響を避けることができず、特に本革・合成皮革等が有する素材本来のしっとりとした触感を保つことができないという問題があった。
【0005】
そこで、本発明は、皮革などの素材の触感や風合いを損なうことなく、防汚性、汚れ除去性、および防汚耐久性を向上させうる手段を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明者らは、上記の課題に鑑み、鋭意研究を積み重ねた。この一連の研究の中で、素材の表面処理に用いられる塗料に対して、高親水性という特徴を有するホスホリルコリン類似基含有重合体を含有させる研究を行った。その結果、驚くべきことに、ホスホリルコリン類似基含有重合体を含む塗料組成物を塗布した際、素材本来の触感や風合いをほとんど損なうことなく、素材表面の防汚性および汚れ除去性を向上させることを見出した。さらに、該塗料組成物を塗布することにより、より実用的な特性である素材の防汚耐久性を向上させることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0007】
すなわち、本発明は、ホスホリルコリン類似基含有重合体と、水系塗料または溶剤系塗料と、を含有する防汚塗料組成物である。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、皮革などの素材の触感や風合いを損なうことなく、防汚性、汚れ除去性、および防汚耐久性を向上させうる防汚塗料組成物が提供されうる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
以下、本発明を詳細に説明する。ただし、本発明は、下記の形態に制限されるものではない。
【0010】
本発明は、ホスホリルコリン類似基含有重合体と、水系塗料または溶剤系塗料と、を含有する防汚塗料組成物である。
【0011】
従来、撥水撥油剤としてフッ素系ポリマーやシリコーン系ポリマーを素材の表面に塗布することで、表面自由エネルギーを下げて撥水・撥油性を素材の表面において発現させ、汚れ成分の付着防止および汚れ除去性を実現させてきた。しかしながら、素材表面の塗膜は疎水性となるため、これらの表面処理により素材本来のしっとりとした触感が損なわれることとなり、防汚性と触感・風合いとの両立が課題となっていた。
【0012】
これに対し、本発明は、具体的には、水系塗料または溶剤系塗料に対してホスホリルコリン類似基含有重合体(以下、単に「PC重合体」とも称する)を溶解・混合した防汚塗料組成物を提供する。本発明において素材の防汚性が発現するメカニズムは、以下のようであると推測される。すなわち、本発明で用いられるPC重合体は親水性であることから、PC重合体を含む塗料から形成される塗膜は親水性となる。よって、皮脂、タンパク質などの汚れの原因となる親油性物質が塗膜表面に付着しにくくなる。また、汚れが付着したとしても、例えば、濡れた布などで塗膜の表面を拭き取ると、水分が親油性物質と塗膜との間に入り込み汚れを浮かせ、容易に汚れを除去することができる。
【0013】
さらに、PC重合体中のホスホリルコリン類似基は、自由水を取り込みやすい6員環状の構造を有していると推測される。よって、本発明の防汚塗料組成物を用いると、しっとりとした触感が長期にわたって持続し、上記のような防汚性と素材本来の触感・風合いの保持とが両立すると考えられる。
【0014】
本発明の防汚塗料組成物を素材表面に塗布し乾燥することによって、PC重合体が所定量存在する塗膜が素材表面に形成される。これにより、PC重合体が有する親水性、汚れ付着性の低減、汚れ除去性の向上、素材の防汚耐久性向上、および触感・風合いの維持などの機能を、素材表面に付与することができる。
【0015】
以下、本発明の防汚塗料組成物を構成する成分について詳しく述べる。
【0016】
[ホスホリルコリン類似基含有重合体]
本発明に用いられるPC重合体は、下記化学式[I]で表される共重合体であることが好ましい。
【0017】
【化1】

【0018】
前記化学式[I]中、mは30〜70mol%であり、nは70〜30mol%であり、かつm+n=100mol%であり、Lは炭素数4〜22の直鎖状もしくは分岐状のアルキル基、炭素数4〜22の直鎖状もしくは分岐状の含フッ素アルキル基、または−(R−O)−Rで表される基であり、この際、Rは炭素数2〜4のアルキレン基であり、Rは水素原子または炭素数1〜3のアルキル基であり、pは2〜16の整数である。
【0019】
PC重合体は、下記化学式[II]で表される単量体(2−メタクリロイルオキシエチル−2’−(トリメチルアンモニオ)エチルホスフェート、以下単に「MPC」とも称する)とメタクリル酸エステルとを共重合して得ることができる。
【0020】
前記MPCは、下記化学式[II]で表される構造を有する。
【0021】
【化2】

【0022】
前記メタクリル酸エステルのうち、Lが炭素数4〜22の直鎖状または分岐状のアルキル基である単量体の例としては、例えば、n−ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルへキシル(メタ)アクリレート、n−ドデシル(メタ)アクリレート、シクロへキシル(メタ)アクリレート、n−オクタデシル(メタ)アクリレート、n−ステアリル(メタ)アクリレート、イソステアリル(メタ)アクリレート、ベヘニル(メタ)アクリレートが挙げられる。
【0023】
また、前記メタクリル酸エステルのうち、Lが炭素数4〜22の直鎖状または分岐状の含フッ素アルキル基である単量体の例としては、例えば、パーフロロオクチルエチル(メタ)アクリレート、1H,1H,5H−オクタフルオロペンチル(メタ)アクリレート、1H,1H,7H−ドデカフルオロへプチル(メタ)アクリレート、2,2,2−トリフルオロ−1−トリフルオロメチルエチル(メタ)アクリレートが挙げられる。
【0024】
さらに、前記メタクリル酸エステルのうち、Lが−(R−O)−Rで表される基である単量体の例としては、例えば、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレートが挙げられる。
【0025】
これら他の単量体は、単独で用いても良いし、2種以上組み合わせて用いてもよい。
【0026】
前記PC単量体と前記他の単量体とから形成される共重合体の結合形態は、ブロックであってもランダムであってもよい。
【0027】
前記化学式[I]中のLを適宜選択することによって、前記化学式[I]で表される共重合体の塗料に対する溶解性を制御することができる。例えば、水を溶媒として用いる水系塗料の場合、前記Lはアルキル基であることが好ましく、トルエン、DMF等を溶媒として用いる溶剤系塗料の場合、前記Lはアルキル基または−(R−O)−Rで表される基であることが好ましい。
【0028】
Lで用いられるアルキル基の中でも、塗装物品の風合いおよび触感の観点から、2−エチルヘキシル基、n−ドデシル基、n−オクタデシル基、またはベヘニル基がより好ましく、オクタデシル基がより好ましい。
【0029】
また、Lで用いられる含フッ素アルキル基の中でも、塗装物品の風合いおよび触感の観点から、パーフロロオクチルエチル基がより好ましい。
【0030】
さらに、Lで用いられる−(R−O)−Rで表される基の中でも、塗装物品の風合いおよび触感の観点から、ポリエチレングリコール基(R=エチレン基、R=水素原子、p=2〜8)、ポリプロピレングリコール基(R=イソプロピレン基、R=水素原子、p=6〜16)、ポリプロピレングリコール基(R=イソプロピレン基、R=水素原子、p=9〜16)がより好ましい。
【0031】
防汚耐久性を高めるためには、前記化学式[I]中のmはより好ましくは30〜50mol%であり、かつ前記化学式[I]中のnはより好ましくは70〜50mol%(ただし、m+n=100mol%)である。
【0032】
前記のPC重合体は、前記のMPCとその他の単量体との単量体混合物を、従来公知の溶液重合、塊状重合、乳化重合、懸濁重合等の方法で重合させることにより製造することができる。中でも、重合の際に、重合系内を窒素、二酸化炭素、またはヘリウム等の不活性ガスの雰囲気とし、好ましくは重合温度0〜100℃、好ましくは重合時間10分〜48時間の重合条件でラジカル重合させる方法が好ましい。このラジカル重合に際しては、従来公知のラジカル重合開始剤を用いることができる。
【0033】
前記ラジカル重合開始剤の例としては、例えば、2,2’−アゾビス(2−アミジノプロピル)二塩酸塩、4,4’−アゾビス(4−シアノ吉草酸)、2,2’−アゾビス(2−(5−メチル−2−イミダゾリン−2−イル)プロパン)二塩酸塩、2,2’−アゾビスイソブチルアミド二水和物、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル(AIBN)、過硫酸アンモニウム、過硫酸カリウム、過酸化ベンゾイル、ジイソプロピルペルオキシジカーボネート、t−ブチルペルオキシ−2−エチルヘキサノエート、t−ブチルペルオキシピバレート、t−ブチルペルオキシジイソブチレート、過酸化ラウロイル、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、t−ブチルペルオキシネオデカノエート等が挙げられる。これらのラジカル重合開始剤は、1種単独で用いても2種以上を組み合わせて用いてもよい。また、前記重合開始剤には各種レドックス系の促進剤を併用してもよい。重合開始剤の使用量は、単量体または単量体混合組成物100質量部に対して0.01〜5質量部が好ましい。
【0034】
前記PC重合体の重量平均分子量は、塗料との混和性および仕上がった塗料の摩擦耐久性の観点から、好ましくは10,000〜1,000,000、より好ましくは20,000〜400,000、さらに好ましくは30,000〜200,000である。なお、本発明において、前記重量平均分子量は、後述の実施例の方法により測定した値を採用するものとする。
【0035】
[水系塗料または溶剤系塗料]
本発明の防汚塗料組成物は、水系塗料または溶剤系塗料を含む。
【0036】
前記水系塗料の例としては、例えば、エマルション油ペイント、エマルションラッカー、または合成樹脂エマルション塗料等が挙げられる。
【0037】
前記エマルション油ペイントとしては、例えば、亜麻仁油、えの油、桐油等を水で乳化したものが挙げられる。
【0038】
前記エマルションラッカーとしては、例えば、ニトロセルロースを水で乳化したものが挙げられる。
【0039】
前記合成樹脂エマルション塗料の例としては、例えば、樹脂エマルション(ポリ酢酸ビニルエマルション、ポリスチレン/ポリブタジエン系エマルション、ポリアクリル系エマルション、ポリアクリル/シリコン系エマルション、ポリ塩化ビニル系エマルション、ポリ塩化ビニル/ポリ塩化ビニリデン系エマルション、ポリブタジエン/ポリアクリロニトリル系エマルション、ポリウレタン系エマルション等)をベースにしたものが挙げられる。
【0040】
また、前記溶剤系塗料の例としては、例えば、アルキド樹脂系塗料、アミノアルキド樹脂系塗料、ビニル樹脂系塗料、常温乾燥型アクリル樹脂系塗料、焼付け乾燥型アクリル樹脂系塗料、タールエポキシ型エポキシ樹脂系塗料、ワニス・エナメル型エポキシ樹脂系塗料、一液型ポリウレタン樹脂系塗料、多液型ポリウレタン樹脂系塗料、不飽和ポリエステル樹脂系塗料、塩化ゴム系塗料が挙げられる。
【0041】
これらの塗料は、公知の製造方法に従って製造したものを使用することもできるし、水系塗料または溶剤系塗料として市販されているものをそのまま用いることもできる。また、市販されている塗料組成物(塗料成分)を適当量の溶媒により希釈したものを用いることもできる。
【0042】
本発明で用いられるPC重合体は、特にポリウレタン樹脂系塗料との親和性が良い。ポリウレタン樹脂系塗料は、一般にポリイソシアネートとポリオール化合物との反応により塗膜を形成する塗料であり、一液型と多液型とがある。また、溶媒の種類も、水系と溶剤系とがある。本発明で用いられるPC重合体は、これらいずれのポリウレタン樹脂系塗料とも良好な親和性を有する。
【0043】
本発明の防汚塗料組成物における前記PC重合体の含有量は、本発明の効果をより効果的に発現させるという観点から、防汚塗料組成物の全固形分を100質量%として、好ましくは0.1〜30質量%である。該含有量は、より好ましくは1〜20質量%、さらに好ましくは1〜10質量%である。前記PC重合体の含有量が0.1質量%未満の場合、防汚性が発現しない場合がある。前記PC重合体の含有量が30質量%を超えると、塗膜の膜厚不足となる場合がある。
【0044】
なお、本発明の防汚塗料組成物には、各種の成分を添加することが可能である。例えば、一般的に塗料用添加剤として使用されている公知の物質、例えば、フッ素樹脂、フッ素樹脂パウダー、シリコーンオイル等や、金属ドライヤー等の乾燥剤、リン酸塩等の分散剤、可塑剤、消泡剤、増粘剤、沈降防止剤、レベリング剤、防腐剤、防カビ剤、抗酸化剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、難燃剤、湿潤剤、凍結防止剤、造膜助剤、色別れ防止剤、レオロジー調整剤、各種触媒、アルミニウムキレート、チタニウムキレート等の各種金属キレート、皮張り防止剤、pH調整剤などを、本発明の効果を損なわない範囲において適宜添加することができる。
【0045】
次に、本発明の防汚塗料組成物の製造方法を説明する。しかしながら、本発明の技術的範囲は、下記に限定されるものではない。
【0046】
本発明の防汚塗料組成物は、PC重合体と水系塗料または溶剤系塗料とを攪拌・混合することにより製造されうる。前記PC重合体は、水系塗料または溶剤系塗料と直接混合してもよいが、PC重合体を塗料中により均一に溶解・分散させるという観点から、PC重合体を溶剤に溶解させた溶液を塗料と混合させることがより好ましい。
【0047】
PC重合体と水系塗料とを混合する場合、PC重合体を溶かす溶剤の具体的な例としては、例えば、水;メタノール、エタノール、n−プロパノール、iso−プロパノール、n−ブタノール、iso−ブタノール、sec−ブタノール、tert−ブタノール、n−ペンタノール、iso−ペンタノール、2−メチルブタノール、sec−ペンタノール、tert−ペンタノール、3−メトキシブタノール、n−ヘキサノール、2−メチルペンタノール、sec−ヘキサノール、2−エチルブタノール、sec−ヘプタノール、ヘプタノール−3、n−オクタノール、2−エチルヘキサノール、sec−オクタノール、n−ノニルアルコール、2,6−ジメチルヘプタノール−4、n−デカノール、sec−ウンデシルアルコール、トリメチルノニルアルコール、sec−テトラデシルアルコール、sec−ヘプタデシルアルコール、フェノール、シクロヘキサノール、メチルシクロヘキサノール、3,3,5−トリメチルシクロヘキサノール、ベンジルアルコール、フェニルメチルカルビノール、ジアセトンアルコール、クレゾールなどのモノアルコール系溶媒;エチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、ペンタンジオール−2,4、2−メチルペンタンジオール−2,4、ヘキサンジオール−2,5、ヘプタンジオール−2,4、2−エチルヘキサンジオール−1,3、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリエチレングリコール、トリプロピレングリコール、グリセリンなどの多価アルコール系溶媒;アセトン、メチルエチルケトン、メチル−n−プロピルケトン、メチル−n−ブチルケトン、ジエチルケトン、メチル−iso−ブチルケトン、メチル−n−ペンチルケトン、エチル−n−ブチルケトン、メチル−n−ヘキシルケトン、ジ−iso−ブチルケトン、トリメチルノナノン、シクロヘキサノン、メチルシクロヘキサノン、2,4−ペンタンジオン、アセトニルアセトン、ジアセトンアルコールなどのケトン系溶媒;エチルエーテル、iso−プロピルエーテル、n−ブチルエーテル、n−ヘキシルエーテル、2−エチルヘキシルエーテル、エチレンオキシド、1,2−プロピレンオキシド、ジオキソラン、4−メチルジオキソラン、ジオキサン、ジメチルジオキサン、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、エチレングリコールモノ−n−ブチルエーテル、エチレングリコールモノ−n−ヘキシルエーテル、エチレングリコールモノフェニルエーテル、エチレングリコールモノ−2−エチルブチルエーテル、エチレングリコールジブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールモノ−n−ブチルエーテル、ジエチレングリコールジ−n−ブチルエーテル、ジエチレングリコールモノ−n−ヘキシルエーテル、エトキシトリグリコール、テトラエチレングリコールジ−n−ブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノプロピルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、トリプロピレングリコールモノメチルエーテル、テトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロフランなどのエーテル系溶媒;ジエチルカーボネート、酢酸メチル、酢酸エチル、γ−ブチロラクトン、γ−バレロラクトン、酢酸n−プロピル、酢酸iso−プロピル、酢酸n−ブチル、酢酸iso−ブチル、酢酸sec−ブチル、酢酸n−ペンチル、酢酸sec−ペンチル、酢酸3−メトキシブチル、酢酸メチルペンチル、酢酸2−エチルブチル、酢酸2−エチルヘキシル、酢酸ベンジル、酢酸シクロヘキシル、酢酸メチルシクロヘキシル、酢酸n−ノニル、アセト酢酸メチル、アセト酢酸エチル、酢酸エチレングリコールモノメチルエーテル、酢酸エチレングリコールモノエチルエーテル、酢酸ジエチレングリコールモノメチルエーテル、酢酸ジエチレングリコールモノエチルエーテル、酢酸ジエチレングリコールモノ−n−ブチルエーテル、酢酸プロピレングリコールモノメチルエーテル、酢酸プロピレングリコールモノエチルエーテル、酢酸プロピレングリコールモノプロピルエーテル、酢酸プロピレングリコールモノブチルエーテル、酢酸ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、酢酸ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、ジ酢酸グリコール、酢酸メトキシトリグリコール、プロピオン酸エチル、プロピオン酸n−ブチル、プロピオン酸iso−アミル、シュウ酸ジエチル、シュウ酸ジ−n−ブチル、乳酸メチル、乳酸エチル、乳酸n−ブチル、乳酸n−アミル、マロン酸ジエチル、フタル酸ジメチル、フタル酸ジエチルなどのエステル系溶媒;N−メチルホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジエチルホルムアミド、アセトアミド、N−メチルアセトアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルプロピオンアミド、N−メチルピロリドンなどの含窒素系溶媒;硫化ジメチル、硫化ジエチル、チオフェン、テトラヒドロチオフェン、ジメチルスルホキシド、スルホラン、1,3−プロパンスルトンなどの含硫黄系溶媒などが挙げられる。これら溶剤は、単独でもまたは2種以上を混合しても用いることができる。
【0048】
PC重合体と溶剤系塗料とを混合する場合、PC重合体を溶かす溶剤の具体的な例としては、上記の溶媒に加えて、例えば、n−ペンタン、iso−ペンタン、n−ヘキサン、iso−ヘキサン、n−ヘプタン、iso−ヘプタン、2,2,4−トリメチルペンタン、n−オクタン、iso−オクタンなどの脂肪族炭化水素系溶媒;ベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン、トリメチルベンゼン、メチルエチルベンゼン、n−プロピルベンセン、iso−プロピルベンセン、ジエチルベンゼン、iso−ブチルベンゼン、トリエチルベンゼン、ジ−iso−プロピルベンセン、n−アミルナフタレン、トリメチルベンゼンなどの芳香族炭化水素系溶媒などが挙げられる。これらの溶剤もまた、単独でもまたは2種以上を混合しても用いることができる。
【0049】
上記の溶媒の中でも、均一混和性および塗膜レベリング性などの観点から、水系塗料を用いる場合は、水、エタノール、iso−プロパノール、または水/iso−プロパノール混合溶媒が好ましい。また、溶剤系塗料を用いる場合は、iso−プロパノール、iso−プロパノール/N,N−ジメチルホルムアミド混合溶媒、iso−プロパノール/メチルエチルケトン混合溶媒、iso−プロパノール/メチル−n−ブチルケトン混合溶媒、n−プロパノール/トルエン混合溶媒、またはiso−プロパノール/トルエン混合溶媒が好ましい。
【0050】
前記PC重合体を溶剤に溶かす場合、その濃度は、好ましくは1〜50質量%である。この範囲であれば、PC重合体がより均一に塗料中に溶解・分散しうる。
【0051】
PC重合体と、水系塗料または溶剤系塗料とを混合・攪拌する際の温度は、好ましくは4〜60℃であり、混合・攪拌時間は好ましくは0.5〜8時間である。
【0052】
本発明の防汚塗料組成物を塗布し乾燥することにより、塗膜を形成することができる。前記塗膜は、少なくとも最表層に前記防汚塗料組成物を含む層を備えることが好ましい。この際、前記塗膜は、単層構造であってもよいし、多層構造であってもよい。前記塗膜の少なくとも最表層が本発明の防汚塗料組成物を含む、すなわちPC重合体を含むことにより、汚れが付着しにくく、たとえ汚れが表面に付着しても拭き取って容易に除去することができ、かつ基材の触感や風合いがほとんど損なわれない塗膜となる。
【0053】
前記塗膜が多層構造である場合、最表層以外の層は特に制限されず、その例としては、例えば、ベースコート層、カラーコート層などが挙げられる。また、本発明の防汚塗料組成物から形成される塗膜を複数重ねた層構造であってもよい。
【0054】
本発明の防汚塗料組成物の塗布は、種々の方法で行うことができる。例えば、スプレー塗布法、ディッピングコート法、スピンコート法、ナイフコート法、グラビアコート法、フローコート法、ロールコート法、アプリケート法、刷毛塗り、または浸漬法による塗装などが採用されうる。これらの中でも、スプレー塗布法、ナイフコート法、グラビアコート法、またはアプリケート法が好ましい。乾燥方法も特に制限されず、例えば、常温硬化乾燥、焼付け硬化乾燥、紫外線硬化乾燥、電子線硬化乾燥などが採用されうる。
【0055】
本発明の防汚塗料組成物から形成される塗膜の膜厚は、特に制限はないが、耐久性・触感の観点から、1〜30μmが好ましく、5〜25μmがより好ましい。前記膜厚が1μm未満であると、耐久性が低下する場合がある。また、前記膜厚が30μmを超えると、触感が悪くなる場合がある。
【0056】
本発明の塗装物品は、被塗物の最表面に、本発明の防汚塗料組成物を用いて形成された塗膜を備える。本発明における被塗物の材質は、特に限定されない。たとえば、コンクリート、モルタル、スレート等のセメント系基材;鋼材、アルミニウム、ステンレス等の金属類;ガラス;木材;プラスチック類;タイル類;皮革等のあらゆる材質に適用できる。このような材質が用いられ、かつ本発明の塗膜を有する塗装物品の例としては、例えば、車両用部品、家庭電化製品、建築部材、家具、食器、靴、鞄、皮革小物、皮革衣料、または手芸用原反などが挙げられる。
【0057】
その中でも特に、本発明における塗膜は、皮革の触感や風合いを活かすことができるため、天然皮革または皮革調基材の表面に形成することがより好ましい。
【0058】
被塗装物である皮革は、天然皮革および皮革調基材のいずれでもよく、種々の皮革が使用できる。皮革の例としては、天然皮革、または人工皮革、合成皮革、もしくはビニルレザーなどの皮革調基材を挙げることができる。天然皮革の由来動物としては、牛、羊、山羊、豚、馬、カンガルー、鹿などが挙げられる。
【0059】
本発明の塗膜を有する天然皮革または合成皮革は、各種の皮革製品に加工できる。例えば、建造物の内装品;自動車のシート、ヘッドレスト、アームレスト、ステアリング、ドア内張り、天井内張り、航空機のシート、機内内張り、鉄道車両のシート、船舶のシートなどの車輌の内装品;ソファー、リビングチェアー、ダイニングチェアー、テーブルなどの皮革家具;ブーツ、パンプス、紳士ビジネスシューズ、スポーツシューズ、安全靴などの革靴;ランドセル、ハンドバッグ、ショルダーバッグ、ポーチ、ボストンバッグ、リュックサックなどの皮革鞄類;スカート、コート、パンツ、ジャケット、ライダースーツ、スキーウェア、手袋、帽子などの皮革衣料;財布、ベルト、時計バンド、手帳、馬具、ブックカバーなどの皮革小物類;および手芸用原反などに加工できる。なお、これら皮革製品の作製方法は、本発明の塗膜を有する皮革を裁断縫製する方法であってもよいし、皮革製品の形にした後に塗装する方法であってもよい。
【実施例】
【0060】
本発明を、以下の実施例および比較例を用いてさらに詳細に説明する。ただし、本発明の技術的範囲が以下の実施例のみに制限されるわけではない。なお、重量平均分子量の測定は、クロロホルム/エタノール=6/4(容量比、0.5質量%の臭化リチウムを含む)を溶離液としたゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC、標準物質:ポリメチルメタクリレート)を用い、屈折率にて検出した。
【0061】
(合成例1:ポリマー1の合成)
MPC 28.53g、オクタデシルメタクリレート(以下、単に「C18MA」とも称する)45.03g、パーフロロオクチルエチルメタクリレート(以下、単に「FMA」とも称する)6.43g(単量体組成モル比、MPC/C18MA/FMA=40/55/5)を、n−プロパノール 320gに溶解し4つ口フラスコに入れ、30分間窒素を吹込んだ。その後、60℃でアゾビスイソブチロニトリル 1.0gを加えて24時間重合反応させた。重合液を3リットルのジエチルエーテル中に撹拌しながら滴下し、析出した沈殿を濾過し、48時間室温で真空乾燥を行って、粉末68.5gを得た。GPCにより評価した重量平均分子量は、30,000であった。これをポリマー1とする。
【0062】
(合成例2:ポリマー2の合成)
MPC 16.14g、プロピレングリコールモノメタクリレート(前記化学式[I]中のLが−(CH−CH(CH)−O)−Hで表される基であり、この際、前記pは9〜16の混合物である)(以下単に「PPGMA」とも称する、)63.13g、FMA 0.73g(単量体組成モル比、MPC/PPGMA/FMA=40/55/5)0.73gをn−プロパノール 320gに溶解し4つ口フラスコに入れ、30分間窒素を吹込んだ。その後、60℃でアゾビスイソブチロニトリル 0.5gを加えて24時間重合反応させた。重合液を3リットルのヘキサン中に撹拌しながら滴下し、析出した沈殿を濾過し、48時間室温で真空乾燥を行って、粉末60.7gを得た。GPCにより評価した重量平均分子量は、130,000であった。これをポリマー2とする。
【0063】
(実施例1)
PC重合体であるポリマー1を水に溶かし、濃度が7.5質量%の水溶液とした。次に、得られた水溶液を、PC重合体の含有量が組成物の全固形分に対して0.1質量%となる量で、水系ポリウレタン樹脂系塗料(ユニオンペット株式会社製)に対して添加した。添加後、攪拌・混合し、防汚塗料組成物を調製した。その後、下地(ベースコートおよびカラーコート)塗装済みの天然皮革(大きさ:A4大)を用い、下地塗装の上に前記防汚塗料組成物をスプレー塗布した後、80℃、90secの条件で焼付け硬化した。この塗布および焼付け硬化の操作を2回繰り返し、塗膜を形成した。乾燥後の膜厚は10〜20μmであった。
【0064】
(実施例2)
PC重合体水溶液を、PC重合体の含有量が組成物の全固形分に対して1質量%となる量で添加したこと以外は、実施例1と同様の方法で、防汚塗料組成物の調製と天然皮革の下地塗装上への塗膜の形成とを行った。乾燥後の塗膜の膜厚は10〜20μmであった。
【0065】
(実施例3)
PC重合体水溶液を、PC重合体の含有量が組成物の全固形分に対して3質量%となる量で添加したこと以外は、実施例1と同様の方法で、防汚塗料組成物の調製と天然皮革の下地塗装上への塗膜の形成とを行った。乾燥後の塗膜の膜厚は10〜20μmであった。
【0066】
(実施例4)
PC重合体水溶液を、PC重合体の含有量が組成物の全固形分に対して5質量%となる量で添加したこと以外は、実施例1と同様の方法で、防汚塗料組成物の調製と天然皮革の下地塗装上への塗膜の形成とを行った。乾燥後の塗膜の膜厚は10〜20μmであった。
【0067】
(比較例1)
上記の水系ポリウレタン樹脂系塗料をそのまま塗布したこと以外は、実施例1と同様の方法で、天然皮革の下地塗装上への塗膜の形成をした。乾燥後の塗膜の膜厚は10〜20μmであった。
【0068】
(比較例2)
PC重合体水溶液の代わりに、フッ素系撥水撥油剤(大日本インキ化学工業株式会社製、品番:TE−5A)を組成物の全固形分に対して5質量%となる量で添加したこと以外は、実施例1と同様の方法で、塗料組成物の調製と天然皮革の下地塗装上への塗膜の形成とを行った。乾燥後の塗膜の膜厚は10〜20μmであった。
【0069】
(実施例5)
PC重合体としてポリマー2を用い、IPAもしくはNPA/トルエン溶液(20質量%)を調製した。次いで、溶剤系ポリウレタン樹脂系塗料(使用溶剤:N,N−ジメチルホルムアミド(DMF))に対して、PC重合体の含有量が組成物の全固形分に対して5質量%となるように前記のPC重合体溶液を添加した。添加後、攪拌・混合し、防汚塗料組成物を調製した。下地(ベースコートおよびカラーコート)塗装済みの合成皮革(小松精練株式会社製、大きさ:A4大)を用い、下地塗装の上に前記防汚塗料組成物をアプリケーターにより塗布し、焼付け硬化した。この塗布および焼付け硬化の操作を2回繰り返し、塗膜を形成した。乾燥後の膜厚は10〜20μmであった。
【0070】
(実施例6)
PC重合体溶液を、PC重合体の含有量が組成物の全固形分に対して10質量%となる量で添加したこと以外は、実施例5と同様の方法で、防汚塗料組成物の調製と合成皮革の下地塗装上への塗膜の形成とを行った。乾燥後の塗膜の膜厚は10〜20μmであった。
【0071】
(実施例7)
PC重合体溶液を、PC重合体の含有量が組成物の全固形分に対して30質量%となる量で添加したこと以外は、実施例5と同様の方法で、防汚塗料組成物の調製と合成皮革の下地塗装上への塗膜の形成とを行った。乾燥後の塗膜の膜厚は10〜20μmであった。
【0072】
(実施例8)
PC重合体としてポリマー1を用い、IPAもしくはNPA/トルエン溶液(20質量%)を調製した。次いで、溶剤系ポリウレタン樹脂系塗料に対して、PC重合体の含有量が組成物の全固形分に対して5質量%となるように前記のPC重合体溶液を添加した。添加後、攪拌・混合し、防汚塗料組成物を作製した。下地(ベースコートおよびカラーコート)塗装済みの合成皮革(小松精練株式会社製、大きさ:A4大)を用い、下地塗装上に本防汚塗料組成物をアプリケーターにより塗布し、焼付け硬化した。この塗布および焼付け硬化の操作を2回繰り返し、乾燥後の膜厚として10〜20μmとなるように塗膜を形成した。
【0073】
(実施例9)
PC重合体溶液を、PC重合体の含有量が組成物の全固形分に対して30質量%となる量で添加したこと以外は、実施例8と同様の方法で、防汚塗料組成物の調製と合成皮革の下地塗装上への塗膜の形成とを行った。乾燥後の塗膜の膜厚は10〜20μmであった。
【0074】
(比較例3)
上記の溶剤系ポリウレタン樹脂系塗料をそのまま塗布したこと以外は、実施例5と同様の方法で、合成皮革の下地塗装上への塗膜の形成を行った。乾燥後の塗膜の膜厚は10〜20μmであった。
【0075】
(比較例4)
PC重合体溶液の代わりに、シリコーン樹脂を組成物の全固形分に対して5質量%となる量で添加したこと以外は、実施例5と同様の方法で、合成皮革上に塗膜を形成した。乾燥後の塗膜の膜厚は10〜20μmであった。
【0076】
(評価1:防汚性)
汚れには、オレイン酸、パルミチン酸、トリオレイン酸、トリパルチミン酸、およびトリステアリン酸からなる人工皮脂、JIS Z8901 試験用粉体12種、JIS Z8901 試験用粉体8種、JSTM 顔料用カーボンブラック、ならびにJSTM 顔料用合成黄土からなる合成汚染を用いた。平面摩耗試験機により、材料表面への汚れを塗布した後、水を含有させた拭き取り用布(タオル)および平面磨耗試験機による汚れの拭き取りを実施した。汚れ拭き取り前、汚れ拭き取り後、および初期の色を、ポータブル積分球分光測色計(X−Rite社製、品番:SP64)を用いて測色し、その色差(ΔE)の評価を行った。
【0077】
汚れ付着性は、汚れが付着する前(以下、単に「初期」とも称する)と、汚れが付着した後(汚れを拭き取る前)との塗膜の色差(ΔE)により評価し、汚れ除去性は初期と汚れが付着しそれを拭き取った後との塗膜の色差により評価した。本評価では、ΔEが低い値であるほど、汚れ付着性および汚れ除去性に優れていることを示す。評価基準を下記表1に示す。なお、本試験を2回繰り返して、塗膜の防汚耐久性についても評価した。
【0078】
【表1】

【0079】
(評価2:触感)
触感は5名のパネラーにて基準サンプルを用いて、好き(10点)-嫌い(0点)とし官能評価で点数付けをした。基準サンプルは、日本、中国、米、ドイツ、イタリア、フランス6カ国で各60名、計360名にて好き-嫌いの官能評価を実施した20サンプルを用いた。
【0080】
【表2】

【0081】
各実施例および各比較例の評価結果を、下記表3および表4に示す。
【0082】
【表3】

【0083】
【表4】

【0084】
上記表3および表4の結果から明らかなように、PC重合体を含む本発明の防汚塗料組成物は、素材の防汚性、汚れ除去性、防汚耐久性、および触感を向上させることがわかった。本発明によれば、塗装条件に制限されることなく、種々の材料への塗装により、素材の防汚性および触感を両立させうる防汚塗料組成物が提供されうる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ホスホリルコリン類似基含有重合体と、
水系塗料または溶剤系塗料と、
を含有する防汚塗料組成物。
【請求項2】
前記ホスホリルコリン類似基含有重合体が、下記化学式[I]で表される共重合体である、請求項1に記載の防汚塗料組成物:
【化1】

前記化学式[I]中、mは30〜70mol%であり、nは70〜30mol%であり、かつm+n=100mol%であり、Lは炭素数4〜22の直鎖状もしくは分岐状のアルキル基、炭素数4〜22の直鎖状もしくは分岐状の含フッ素アルキル基、または−(R−O)−Rで表される基であり、この際、Rは炭素数2〜4のアルキレン基であり、Rは水素原子または炭素数1〜3のアルキル基であり、pは2〜16の整数である。
【請求項3】
前記ホスホリルコリン類似基含有重合体の重量平均分子量が10,000〜1,000,000であることを特徴とする、請求項1または2に記載の防汚塗料組成物。
【請求項4】
前記ホスホリルコリン類似基含有重合体の含有量が、前記防汚塗料組成物の全固形分を100質量%として0.1〜30質量%である、請求項1〜3のいずれか1項に記載の防汚塗料組成物。
【請求項5】
前記水系塗料が水系ポリウレタン樹脂系塗料である、請求項1〜4のいずれか1項に記載の防汚塗料組成物。
【請求項6】
前記溶剤系塗料が溶剤系ポリウレタン樹脂系塗料である、請求項1〜4のいずれか1項に記載の防汚塗料組成物。
【請求項7】
請求項1〜6のいずれか1項に記載の防汚塗料組成物を含む塗膜であって、
前記塗膜は少なくとも最表層に前記防汚塗料組成物を含む層を備える、塗膜。
【請求項8】
前記最表層が、スプレー塗布法、ナイフコート法、グラビアコート法、またはアプリケート法により形成される、請求項7に記載の塗膜の形成方法。
【請求項9】
請求項7に記載の塗膜または請求項8に記載の方法により形成される塗膜を有する、塗装物品。
【請求項10】
被塗物が天然皮革または合成皮革である、請求項9に記載の塗装物品。

【公開番号】特開2010−37397(P2010−37397A)
【公開日】平成22年2月18日(2010.2.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−200157(P2008−200157)
【出願日】平成20年8月1日(2008.8.1)
【出願人】(000003997)日産自動車株式会社 (16,386)
【出願人】(000004341)日油株式会社 (896)
【Fターム(参考)】