説明

防火帯を兼ねた築山内に設けた防災用水槽及び倉庫

【課題】大地震に見舞われた場合、避難場所の周囲に防火帯を設け非難住民を保護し、さらに災害時に必要とされる水及び非常用食糧などを備蓄可能とする防災公園用の防火帯を兼ねた防災用水槽及び倉庫技術を提供する。
【解決手段】災害時に必要とされる水の確保及び非常用食糧などを、防火帯を兼ねた築山1内に設ける防災用水槽及び倉庫であって、当該システムは、水槽部2とその水槽の側部に設けられた倉庫部3と、水槽部2の点検用に水槽の上方に設けられた管理用空間と、これら全体を包む築山1部とからなり、築山1部は少なくともブロックを築山1の表面に配置しブロック5内部に土を充填して形成され、築山1部を緑化した防災公園用の防火帯を兼ねた防災用水槽及び倉庫である。災害時に必須の水と、非常用部材を周囲の景観を考慮した築山1内に設けた。築山1の傾斜を強くするため、ブロック5で土止めした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、災害時の防火帯を兼ねた築山内に設ける防災用水槽及び備蓄用倉庫技術に属する。
【背景技術】
【0002】
災害時に一時的に公園などにテントを張り地域住民の避難場所とすることが行われている。多くは公園などに設けたコンテナボックスにテントを収納しておき、災害時に使用する例が多い。災害用のテントは仮設用・臨時用として収納に場所をとらず、組立て容易で機械によらず組み立てられることが好ましい。
特開2006-297044にはガスボンベにて膨張させる防災用エアーテントが開示されている。また特開2008-214962には、骨格内に壁シート、屋根シート、床シートからなる袋状のハウスを配置し、骨格の外から屋根シートおよび壁シートをさらにシート部材で覆う仮設テントが開示されている。
大地震に見舞われた場合、関東大震災、阪神神戸地震の例に示されるように地震災害のほかに火災による被害を防止するする必要がある。そのため避難場所の周囲に防火帯を設けて非難住民を保護し、さらに災害時に必要とされる水の確保及び非常用食糧などの備蓄の可能な防災公園用の防火帯を兼ねた防災用水槽及び倉庫が求められている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2006-297044
【特許文献2】特開2008-214962
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、大地震に見舞われた場合、避難場所の周囲に防火帯を設け非難住民を保護し、さらに災害時に必要とされる水及び非常用食糧などを備蓄可能とする防災公園用の防火帯を兼ねた防災用水槽及び倉庫技術の提供にある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、災害時に必要とされる水の確保及び非常用食糧などを、防火帯を兼ねた築山内に設ける防災用水槽及び倉庫であって、当該システムは、水槽部とその水槽の側部に設けられた倉庫部と、水槽部の点検用に水槽の上方に設けられた管理用空間と、これら全体を包む築山部とからなり、築山部は少なくともブロックを築山の表面に配置しブロック内部に土を充填して形成され、築山部を緑化した防災公園用の防火帯を兼ねた防災用水槽及び倉庫である。
災害時に必須の水と、非常用部材を周囲の景観を考慮した築山内に設けた水槽と倉庫に備蓄したものである。また、築山の傾斜を強くして築山部を小さくするため、築山表面を覆うブロックで土止めした。
【発明の効果】
【0006】
本発明は、築山の中に水槽を設置したため地上置きの場合と同様ポンプを使用することなく水の利用が可能となる。また築山の周囲をブロックに土を詰めて形成したため築山の傾斜をきつくすることができ、築山の大きさを小さくすることができる。築山であるため常時は景観を保つことができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】は、防災公園用の緑化した築山部内に設けた防災用水槽及び倉庫の概念図である。
【図2】は、本発明の築山表面を覆うために使用するブロックの例を示す。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、本発明を図により詳細に説明する。
図1に示す通り、本発明は、緑化した築山部内部に防災用水槽及び倉庫部を設けたものであり、かつ築山は防災公園用の防火帯を兼ねている。
【0009】
図に示すように本発明は、防火用水槽部、防火水槽の点検用に使用する点検用空間部および非常用の備蓄物資を保管する倉庫部が築山内部に設けられている。
【0010】
水槽部は外壁がコンクリートあるいは金属で覆われた水槽であり、地震時に破壊されたりしないよう強度を有するものが好ましく、その内部は地震の揺れ2よる水の揺動を吸収するため互いに連通する複数の区画に分割されている。あるいは図2に示すようなブロックが充填されている。
【0011】
倉庫部は、例えば、ボックスカルバートを水槽の側面に配置し、その内部を備蓄空間としている。備蓄物を出入するための開口部が設けられ、通常時は閉鎖されている。ボックスカルバートは図に示すように側面に平行に設けてもよく、周囲を囲むように設けてもよい。
【0012】
水槽部の上部には、水槽の点検用の区間が設けられている。側面部にも点検用の通路を設けることもできるが、倉庫部により保護されるため省くことができる。
【0013】
築山の周囲表面にはブロックを配置し、中に土を充填する。こうすることで土盛りする際の土の傾斜をきつくすることができるため、土盛りするだけの築山と異なりその大きさを小さくすることができる。築山の表面は、適宜緑化し、防火帯となるよう植樹することが好ましい。また防災公園と使用される地域全体を囲むように本発明を実施することが好ましい。
【産業上の利用可能性】
【0014】
災害などの非常時に一時的に避難民の安全と必要に応じることができる。
【符号の説明】
【0015】
1 築山
2 水槽部
3 倉庫部
4 点検部
5 ブロック
6 客土

【特許請求の範囲】
【請求項1】
災害時に必要とされる水の確保及び非常用食糧などを、防火帯を兼ねた築山内に設ける防災用水槽及び倉庫であって、当該システムは、水槽部とその水槽の側部に設けられた倉庫部と、水槽部の点検用に水槽の上方に設けられた管理用空間と、これら全体を包む築山部とからなり、築山部は少なくともブロックを築山の表面に配置しブロック内部に土を充填して形成され、築山部を緑化した防災公園用の防火帯を兼ねた防災用水槽及び倉庫。

【図1】
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【図2】
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