説明

防災システム

【課題】地震や火災の災害時に、電気・ガス・水道のエネルギー供給設備の稼動および停止を制御して、二次災害の発生を抑制できる一方で、エネルギーを確保する防災システムを提供することを目的とする。
【解決手段】災害時に、災害情報を取得する災害情報取得手段17,19と、前記災害情報取得手段19によって災害情報として前記緊急地震速報データを受信すると、ガスの供給を停止し、建物に備え付けられた蓄電設備125に対して電気を供給し、建物に備え付けられた貯水設備95に対して水を供給するように、蓄電設備125への通電および貯水設備95への通水を制御する前記制御部13を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、防災システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、緊急地震速報を利用して、地震の到来前に、半導体工場等のプラントにおけるガス・薬品等の供給を遮断する等して地震の被害を防止する地震防災システムが提案されていた(特許文献1参照)。この地震防災システムは、地震発生によるS波到達予測時刻及び予測震度を含む緊急地震速報が送られてくると、前記緊急地震速報を受信して前記予測震度が設定震度を超えるか否かを判定して第1の判定結果を出力する受信手段と、前記地震発生により到来するP波を検出するP波地震計を有し、前記P波地震計の検出結果に基づき、到来予定の地震の種類を判定すると共に到来予定のS波の震度を予測判定して第2の判定結果を出力するP波検出手段と、前記第1及び第2の判定結果に基づき、前記到来予定のS波の予測震度が設定値を超えるか否かの確認判定を行い、前記設定値を上回った時にトリガ信号を発信する判定手段と、前記トリガ信号を受信すると起動して、前記S波到来前に保護対象の動作又は停止を制御する制御手段と、を有する。
特許文献1は、緊急地震速報の受信手段とP波検出手段との2つの異なる手段から、S波到達時刻の予測と、震度の予測を行い、判定手段の確認判定により、予測震度が設定値を上回った時に該判定手段からトリガ信号を発信し、本震到着前に、自動的に制御手段を起動して保護対象を保護する構成になっているので、本震の予測精度が大幅に向上し、大陸型又はプレート型地震、或いは直下型地震による被害を的確に防止でき、地震防災システムの信頼性を著しく向上出来ることを開示している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2007−108012号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
このように、地震等による被害の拡大を防止することは重要である。一方で、電気、ガス、水道等のライフラインが切断された場合に、ライフラインが復旧するまでに、住宅等の建物の居住者が生活を維持していかなければならない。
【0005】
そのため、地震や火災等の災害時に、ガスを停止し、二次災害の発生を抑制できる一方で、電気・水道を確保して、エネルギー及び水を確保することが望まれる。
【0006】
本発明は、地震や火災等の災害時に、ガスを停止し、二次災害の発生を抑制できる一方で、電気・水道を確保して、エネルギー及び水を確保する防災システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、請求項1に記載の防災システムに関する発明は、例えば、図1に示すように、
災害時に、災害情報を取得する災害情報取得手段17,19と、
前記災害情報取得手段19によって災害情報として前記緊急地震速報データを受信すると、ガスの供給を停止し、建物に備え付けられた蓄電設備125に対して電気を供給し、建物に備え付けられた貯水設備95に対して水を供給するように、蓄電設備125への通電および貯水設備95への通水を制御する前記制御部13を備えることを特徴とする。
【0008】
請求項1に記載の発明によれば、緊急地震速報データを受信すると、ガスの供給を停止するので、地震時の火災を確実に抑制でき、建物に備え付けられた蓄電設備125に対して電気を供給し、建物に備え付けられた貯水設備95に対して水を供給するように、蓄電設備125への通電および貯水設備95への通水を制御するので、エネルギー及び水を確保できる。
【0009】
請求項2に記載の発明は、例えば、図1に示すように、
請求項1に記載の防災システム300において、
建物の開口部を開閉制御する開閉制御手段18を備えており、
前記制御部13は、前記緊急地震速報データを受信すると、少なくとも前記開口部に設けられた玄関ドアを開放状態にするように前記開閉制御手段18を制御することを特徴とする。
【0010】
請求項2に記載の発明によれば、開閉制御手段18によって玄関ドアを開放状態にすることで避難経路を確保できるので、地震時の被害をさらに抑制できる。
【0011】
請求項3に記載の発明は、例えば、図2に示すように、
請求項1または2に記載の防災システムにおいて、
ガスメーター140を更に備え、
前記災害情報取得手段17,19によって取得される災害情報は、緊急地震速報データ、または、建物内で発生した火災の火災発生データであり、
前記制御部13は、前記緊急地震速報データ、または、火災発生データを受信すると、ガスの供給を停止するように、前記ガスメーター140を制御することを特徴とする。
【0012】
請求項3に記載の発明によれば、緊急地震速報データ、または、火災発生データを受信すると、ガスの供給を停止するので、いち早く災害対応を行うことができるので、火災時の被害の拡大を確実に抑制できる。
【0013】
請求項4に記載の発明は、例えば、図1に示すように、
請求項1〜3のいずれか一項に記載の防災システムにおいて、
前記災害情報取得手段17,19によって各種災害に関する情報を取得した際に、各種災害に対応したアドバイスを居住者に行うアドバイス手段11,16を備えていることを特徴とする。
【0014】
請求項4に記載の発明によれば、居住者が各種災害に対応したアドバイスに従って動くことにより、的確な避難や対応を行うことができる。これによって、災害時の被害をより一層抑制できる。
【0015】
請求項5に記載の発明は、例えば、図1に示すように、
請求項2〜4のいずれか一項に記載の防災システムにおいて、
制御部13は、居住者の操作による情報端末から玄関ドアを閉めることを示す操作信号を受信すると、前記玄関ドアを開放状態から施錠状態にするように前記開閉制御手段を制御することを特徴とする。
【0016】
請求項5に記載の発明によれば、制御部13は、居住者の操作による情報端末から玄関ドアを閉めることを示す操作信号を受信すると、前記玄関ドアを開放状態から施錠状態にするように前記開閉制御手段を制御するので、居住者が建物にいない場合でも、外部から玄関ドアを施錠状態にすることができる。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、地震や火災等の災害時に、ガスを停止し、二次災害の発生を抑制できる一方で、電気・水道を確保して、エネルギー及び水を確保する防災システムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明に係る防災システムの機能ブロック図である。
【図2】本発明に係る防災システムの使用例を説明するための間取り図である。
【図3】本発明に係る防災システムにおける発電装置等の構成例を示す図である。
【図4】本発明に係る防災システムにおけるガスメーターの構成例を示す図である。
【図5】本発明に係る防災システムにおける配管の構成例を示す図である。
【図6】本発明に係る防災システムの表示器の一例である。
【図7】本発明に係る防災システムの開閉制御手段の一例である。
【図8】本発明に係る防災システムにおける表示器に表示されるエネルギーモニターモード画面の一例である。
【図9】本発明に係る防災システムにおける表示器に表示される防災モード画面の一例である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。
【0020】
<実施の形態>
図1、図2を参照して、防災システム300の概要について説明する。
防災システム300は、電気・ガス・水道のエネルギーの使用状況等を検出および表示するエネルギーモニターシステム250に、火災発生時に火災の発生を音声で報知し、火災発生データ(災害情報)を生成し送信する火災報知器17と、ドアの開閉を制御する開閉制御手段18と、気象庁200または予報業務許可事業者210から通知される緊急地震速報データ(災害情報)を受信する受信装置19とを備えている。火災報知器17と受信装置19とは本発明の災害情報取得手段に相当する。
【0021】
火災報知器17は、キッチン80のガスコンロの近くに設置されている。火災報知器17は、火災発生時に、音声で火災の発生を報知するとともに、火災発生速報データを制御部13に送信する。制御部13は、火災の発生時に火災発生データを受信すると、ガスメーター140からのガスの供給を停止するようにガスメーター140を制御する。
受信装置19は、表示器10の近くに設置され、表示器10に接続されている。受信装置19は、地震発生時に有線または無線により緊急地震速報データを、気象庁または予報業務許可事業者から受信し、制御部13に緊急地震速報データを送信する。制御部13は、地震の発生時に緊急地震速報データを受信すると、ガスの供給を停止し、建物に備え付けられた蓄電設備125に対して電気を供給し、建物に備え付けられた貯水設備95に対して水を供給するように、蓄電設備125への通電および貯水設備95への通水を制御する。
防災システム300は、気象庁200または予報業務許可事業者210から通知される緊急地震速報データ、または、火災報知器17による火災発生データを受信した際に、防災システムとして機能する。即ち、地震や火災の災害情報を取得すると、エネルギーモニターシステム250における「エネルギーモニターモード(図8参照)」から防災システム300における「防災モード(図9参照)」へと切り替わる。
【0022】
図1において、符号1は、複数のエリアにおいて使用される電力の使用量をそれぞれ検出すると共に、発電システムが発電した電力を検出する使用電力・発電電力検出部である。使用電力・発電電力検出部1は、電気が使用された場合に電力の使用量を計測し、太陽光発電システム、燃料電池、または、ガスから電気を発生する発電システム等の発電システムから発電された電力(発電電力)の発電量を計測する。
符号3は、複数のエリアにおいて使用されるガスの使用量を検出するガス使用量検出部であり、符号5は、複数のエリアにおいて使用される水の使用量をそれぞれ検出する水使用量検出部であり、符号7は、パルスカウンターである。ここで、ガス使用量検出部3はガスの使用があった場合に使用量に応じたパルス信号をパルスカウンター7に出力する。水使用量検出部5は水の使用があった場合に使用量に応じたパルス信号をパルスカウンター7に出力する。そして、パルスカウンター7は、ガス使用量検出部3および水使用量検出部5から出力されるパルスをカウントしてガスの積算使用量および水の積算使用量をそれぞれ算出し、制御部13に信号出力する。
【0023】
次に、符号10は、表示器であり、この表示器10は、表示部11と、操作部12と、制御部13と、記憶部14と、通信部15と、スピーカー16とから構成される。表示部11は、例えば、液晶画面で構成される。表示部11は、制御部13からの表示信号に応じた画像を画面に表示する。具体的には、表示部11は、前記複数のエリアのそれぞれに対応する複数の画像を画面内に表示し、使用電力・発電電力検出部1、ガス使用量検出部3および水使用量検出部5のいずれか一つで検出された現在の使用量を前記複数の画像内に表示する(図8参照)。操作部12は、画面切り替えを行い、前記複数のエリアの各々に所定の使用量や所定の時間等の設定値を入力するためのボタン等が配置された操作手段であり、ユーザの操作に応じた操作信号を制御部13に出力する。記憶部14は、表示部11に表示する複数の画像、使用電力量、発電量、ガスの使用量、水の使用量等の各種データを記憶する。
通信部15は、制御部13からの制御信号に応じて、災害発生時に、異常があったことを通信回線を介して外部に通報する。図1では、通信部15はインターネットを介して情報端末220に電子メールで通報することを示している。通信部15とインターネットとの接続は、有線または無線のいずれでもよい。
【0024】
図2は、防災システム300を設置する住宅の間取り図を示している。図2において、符号20は玄関を示し、符号20aは玄関のドアを示し、符号21はホールを示し、符号23はセンサー付外灯を示し、符号25はホールのスイッチを押すと点灯する外灯を示し、符号30は寝室を示し、符号40は子供部屋を示し、符号50はリビングを示し、符号60はダイニングンを示し、符号70はエアコンを示し、符号80はキッチンを示し、符号90は浴室を示し、符号91はシャワーを示し、符号93はバスタブを示し、符号95はタンク等の貯水設備を示し、符号100は洗面所を示し、符号110はトイレを示し、符号120は発電システムを示し、符号125は蓄電設備を示し、符号130は電気温水器を示し、符号140はパルス出力つきガスメーターを示している。そして、これらの各エリアに設置された機器による各資源の使用量が、使用電力・発電電力検出部1、ガス使用量検出部3、水使用量検出部5により検出されるように、配線、配管等が住宅の外部から内部へ行われている。更に、図1に示す表示器10は、ホール21からリビング50へ向かう壁に設置されている。
【0025】
玄関のドア20aは、引戸であり、開閉制御手段18が設けられている。開閉制御手段18は、ドアを開閉する手段であり、制御部13からの制御信号に応じて、開錠および施錠する電気錠(図示せず)と引戸20aを左右に移動させる駆動部18Aとを備え、図2に示すように、引戸20aのホール21側に設置されている。
図7に示すように、駆動部18Aは、例えば、モータ18bとモータ18bの回転軸に固定され引戸20aのフレームと接触する円盤状のローラ(回動部)18cと、モータ18bとローラ18cを収納する筐体18aとから構成され、筐体18aが壁面等に取付けられている。ローラ18cはモータ18bによって正逆方向に回転するようになっており、この回転によって引戸20aのフレームとローラ18cとに摩擦力が作用し、この摩擦力によって引戸20aが左右方向に往復動するようになっている。
モータ18bを制御部13で制御することによってローラ18cの回転を制御し、これによって引戸20aの開閉を制御するようになっている。なお、開閉制御手段18は上記のような構成に限らず、例えば、リニアモータ、ラック&ピニオン機構等によって構成してもよい。
【0026】
このように、建物の開口部を開閉制御する開閉制御手段18を備えており、この開閉制御手段18は、前記緊急地震速報データを受信装置19により受信すると、制御部13は玄関ドアの開閉制御手段18を駆動して、玄関ドアを開放状態にするように制御する。また、開閉制御手段18は、その他、寝室30、子供部屋40、ダイニング60の開口部に設けてもよい。
【0027】
図3において、発電システム120は太陽光発電システムであり、蓄電設備125は発電システム120等からの直流を蓄電可能な直流電源であり、符号150は電気温水器130へ配線された電線と接続された増設ブレーカを示す。発電システム120から出力された発電電力は、使用電力・発電電力検出部1へ入力される。使用電力・発電電力検出部1は、具体的には分電盤であり、発電システムの発電量を計測する。更に、使用電力・発電電力検出部1は、電気温水器130および各エリアへ配線された電線と接続され、各エリアで電気が使用された場合に各エリアの電力の使用量を計測する。そして、使用電力・発電電力検出部1は、表示器10へ使用電力量および発電電力量を電気信号に変換し、電気信号を信号線を介して表示器10に送信する。
地震発生時に、制御部13は、商用電源の交流を変換機(図示せず)を制御して直流に変換し、蓄電設備125に直流を供給する。商用電源から蓄電設備125に電気が供給できない場合は、制御部13は、太陽光発電システム120から蓄電設備125に電気を供給するように制御する。
【0028】
図4において、パルス出力付ガスメーター140は、ガス会社から支給されるガスメーターであり、パルスカウンターに接続されている。パルス出力付ガスメーター140は、ガス使用量検出部3を内蔵し、ガスの使用があった場合に使用量に応じたパルス信号をパルスカウンター7に出力する。そして、パルスカウンター7は、パルス出力付ガスメーター140から出力されるパルスをカウントしてガスの積算使用量を算出し、ガスの積算使用量を電気信号に変換し、電気信号を信号線を介して表示器10に送信する。ガスは、給湯用の他、ガスレンジ等の調理器用、ガスストーブ、床暖房等の空調用、燃料電池等の発電用などの複数の用途が考えられる。そして、それらのいずれかの用途としてガスを使用するエリアがガスのエリアに該当する。前記ガスメーター140は、制御部13からガスの供給を停止するための制御信号を受信すると、ガスの供給を停止する機能を有する。
【0029】
制御部13は、地震発生時に、受信装置19から取得した緊急地震速報データを受信すると、ガスの供給を停止するように、前記ガスメーター140を制御し、または、火災発生時に、火災報知器17から取得した火災発生データを受信すると、ガスの供給を停止するように、前記ガスメーター140を制御する。また、制御部13は、前記ガスメーター140の制御状態に応じて表示部11およびスピーカー16により居住者にアドバイスをする。
【0030】
例えば、制御部13は、ガスの供給を停止するための制御信号を前記ガスメーター140に送信した後、パルスカウンター7からのガスの積算使用量が増加していないことを確認してガスの供給が停止できたと判断した場合は、例えば、「ガスの供給を停止しました。安全のためガスの元栓も締めてください。」と表示部11に表示する。これと同時に、スピーカー16を用いて「ガスの供給を停止しました。安全のためガスの元栓も締めてください。」とアドバイスする。
【0031】
また、制御部13は、ガスの供給を停止するための制御信号を前記ガスメーター140に送信した後、パルスカウンター7からのガスの積算使用量が増加していることを確認してガスの供給が停止できなかったと判断した場合は、例えば、「ガスの供給が停止できませんでした。手動でガスの供給を停止してください。」と表示部11に表示する。これと同時に、スピーカー16を用いて「ガスの供給が停止できませんでした。手動でガスの供給を停止してください。」とアドバイスする。
【0032】
図5において、符号160は水道メータを示し、符号170は主幹計測用水量センサーを示し、符号171は給湯用水量センサーを示し、符号173は端末用水量センサーを示す。電気温水器130は配水管と接続されている。そして、給湯用水量センサー171は、電気温水器130へ給水する箇所と、浴室90のシャワー91、キッチン80、洗面所100、トイレ110の各エリアへ温水を電気温水器130から排出する箇所とに設置されている。水使用量検出部5は、これらの複数の水量センサーから構成されている。そして、水使用量検出部5は、水の使用があった場合に使用量に応じたパルス信号をパルスカウンター7に出力する。そして、パルスカウンター7は、水使用量検出部5から出力されるパルスをカウントして水の積算使用量をそれぞれ算出し、各エリアにおける水の積算使用量を電気信号に変換し、電気信号を信号線を介して表示器10に送信する。
【0033】
前記制御手段13は、受信装置19から取得した緊急地震速報データ受信すると、建物に備え付けられた貯水設備95に対して水を供給するように、貯水設備95への通水を制御する。貯水設備95は、前記制御手段13からの制御信号を受信すると、貯水設備95に備えられている弁を開き、貯水設備95内に水の供給を開始し、パルスカウンター7からの水の積算使用量を監視し、所定量になると弁を閉じて水の供給を停止する。
また、前記制御手段13は、受信装置19から取得した緊急地震速報データ受信すると、バスタブ93に水を供給するように、給水を制御するようにしてもよい。
【0034】
図6は、表示器10の正面図を示す。表示器10では、左に表示部11が配置され、右に操作部12が配置されている。操作部12は、上下左右ボタン12a、決定ボタン12b、戻るボタン12c、切り替えボタン12d、メニューボタン12e、TOPボタン12fから構成される。ここで、切り替えボタン12dは、「電気」、「ガス」、「水道」のいずれかを選択するために使用される。メニューボタン12eを押すと、設定画面やその他のサブメニューが選択可能に表示部11に表示される。TOPボタン12fを押すと、予め設定した画像が表示される。なお、図6の表示部11に示す画像は、ユーザがTOPボタン12fを押したときに表示される発電状態を示す画面であり、発電システム120が待機中であることを示している。
【0035】
図6において、画面の右には、「発電」、「目標達成」、「エリア別」、「分岐別」の項目が表示されている。これらの項目は、上下左右ボタン12aの上下方向のいずれかのボタンを押すことにより、選択可能である。
【0036】
エネルギーモニターモードにおいては、図8に示すように、電気の使用電力量等をエリア別に示すエリアモニター画面が表示される。
例えば、上下左右ボタン12aを操作して「エリア別」を選択し、決定ボタン12bを押すと、エリアモニター画面に遷移し、エリア別の現在の電力使用量が表示される。ここで、表示部11には、正方形状の複数の画像が表示されており、これら複数の画像には、「リビング」、「ダイニング」、「キッチン」、「洗面所」、「浴室」、「寝室」、「玄関&ホール」、「外部」、「電気温水器」、「トイレ」、「エアコン」、「子供部屋」のエリア名がそれぞれ現在の使用電力量とともに表示される。ここで、各エリアに対して所定の使用量および所定の使用時間が予め設定され、記憶部14に設定値が記憶されている。なお、操作部12により、各エリアに設定すべき所定の使用量および所定の使用時間をユーザが変更可能である。
【0037】
地震や火災の災害発生時には、エネルギーモニターモードから防災モードに切り替わる。例えば、制御部13が緊急地震速報データを受信して、「防災モード」に切り替わると、制御部13は、受信装置19で受信した災害情報を表示部に表示すると共に、ガスメーター140からのガスの供給を停止し、蓄電設備125への蓄電を開始し、貯水設備95への給水を開始し、玄関ドアを開放状態にする。制御部13は、図9に示すように、「○○沖で地震発生。強い揺れに備えてください。1.ガスの供給を停止しました。2.蓄電及び貯水を開始しました。玄関ドアを開放しました。安全を確認して非難してください。」と表示部11に表示する。これと同時に、スピーカー16を用いて「○○沖で地震発生。強い揺れに備えてください。玄関ドアを開放しました。安全を確認して非難してください。」とアドバイスする。
【0038】
上述したように、防災システムが動作を開始した際、通信部15は、異常があったことを通信回線を介して外部に通報する。例えば、受信装置19が緊急地震速報データを気象庁200または予報業務許可事業者210から受信すると、制御部13は、通信部15に「○○沖で地震発生。強い揺れに備えてください。防災システムの動作を開始し、玄関ドアを開放しました。」というメッセージをインターネット回線を通じて、携帯可能な情報端末220のメールアドレスにメールで送信させる。情報端末220のメールアドレスは、操作部12を操作して、記憶部14に予め登録されている。また、居住者は、情報端末220を用いて、エネルギー設備等の駆動状態を確認し、必要に応じて、情報端末220から玄関ドアを閉めることを示す操作信号を受信すると、制御部13が玄関ドアを開放状態から施錠状態にするように制御部開閉制御手段18を制御することができる。
【0039】
本実施の形態によれば、緊急地震速報データを受信すると、ガスの供給を停止するので、地震時の火災を確実に抑制でき、建物に備え付けられた蓄電設備125に対して電気を供給し、建物に備え付けられた貯水設備95に対して水を供給するように、蓄電設備125への通電および貯水設備95への通水を制御するので、エネルギーを確保できる。
【0040】
また、開閉制御手段18によって玄関ドアを開放状態にすることで避難経路を確保できるので、地震時の被害をさらに抑制できる。
【0041】
また、緊急地震速報データ、または、火災発生データを受信するとガスの供給を停止するので、いち早く災害対応を行うことができるので、火災時の被害の拡大を確実に抑制できる。
【0042】
また、居住者が各種災害に対応したアドバイスに従って動くことにより、的確な避難や対応を行うことができる。これによって、災害時の被害をより一層抑制できる。
【0043】
居住者が、情報端末を操作して、玄関ドアを開放状態から施錠状態にすることができるので、居住者が建物にいない場合でも、外部から玄関ドアを施錠状態にすることができる。
【符号の説明】
【0044】
1 使用電力・発電電力検出部
3 ガス使用量検出部
5 水使用量検出部
7 パルスカウンター
10 表示器
11 表示部
12 操作部
13 制御部
14 記憶部
15 通信部
16 スピーカー
17 火災報知器
18 開閉制御手段
120 発電システム
215 蓄電設備
130 電気温水器
140 パルス出力付ガスメーター
170 主幹計測用水量センサー
171 給湯用水量センサー
173 端末用水量センサー
200 気象庁
210 予報業務許可業者
220 情報端末

【特許請求の範囲】
【請求項1】
住宅等の建物に設けられる防災システムにおいて、
災害時に、災害情報を取得する災害情報取得手段と、
前記災害情報取得手段によって災害情報として緊急地震速報データを取得すると、ガスの供給を停止し、建物に備え付けられた蓄電設備に対して電気を供給し、建物に備え付けられた貯水設備に対して水を供給するように、蓄電設備への通電および貯水設備への通水を制御する制御部と、
を備えることを特徴とする防災システム。
【請求項2】
請求項1に記載の防災システムにおいて、
建物の開口部を開閉制御する開閉制御手段を備えており、
前記制御部は、前記緊急地震速報データを受信すると、少なくとも前記開口部に設けられた玄関ドアを開放状態にするように前記開閉制御手段を制御することを特徴とする防災システム。
【請求項3】
請求項1または2に記載の防災システムにおいて、
ガスメーターを更に備え、
前記災害情報取得手段によって取得される災害情報は、緊急地震速報データ、または、建物内で発生した火災の火災発生データであり、
前記制御部は、前記緊急地震速報データ、または、火災発生データを受信すると、ガスの供給を停止するように、前記ガスメーターを制御することを特徴とする防災システム。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれか一項に記載の防災システムにおいて、
前記災害情報取得手段によって各種災害に関する情報を取得した際に、各種災害に対応したアドバイスを行うアドバイス手段を備えていることを特徴とする防災システム。
【請求項5】
請求項2〜4のいずれか一項に記載の防災システムにおいて、
制御部は、情報端末から玄関ドアを閉めることを示す操作信号を受信すると、玄関ドアを開放状態から施錠状態にするように前記開閉制御手段を制御することを特徴とする防災システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2013−80309(P2013−80309A)
【公開日】平成25年5月2日(2013.5.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−218894(P2011−218894)
【出願日】平成23年10月3日(2011.10.3)
【出願人】(307042385)ミサワホーム株式会社 (569)
【Fターム(参考)】