説明

防災用寝具

【課題】防災に役立つとともに寝具としても利用可能なる防災用寝具を提供する。
【解決手段】厚手布地に防水性シートを縫着してなるシート本体を設け、スライドファスナーを有する布片による頭巾部を設けるとともに該頭巾部の一辺をシート本体の一辺に縫着したことを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、寝具としての機能と防災用品としての機能の双方を有する防災用の寝具に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、布団やマットレス、毛布、タオルケットなど種々の寝具が多用されており、また防災頭巾などの防災用品も利用されているが、本発明にて示すように、寝具としての利用に加えて防災時にも役立てることのできる寝具は現在のところ見当たらない。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
地震、火事、台風、津波、土砂崩れその他の災害が生じたとき、居住している場所を離れて体育館などの公共的施設に避難し、しばらくの間そこに身を寄せることがある。
このようなとき、移動時の身の危険を避けるために防災頭巾などが利用される。
しかし、この防災頭巾は頭部とその周囲を守るのみであり、身体全体の保護はできない。
身体を覆うものとしては、薄合成樹脂シートにより形成されたレジャーシート、アルミ箔に不織布を一体化したシート、毛布などがあるが、レジャーシートやアルミ箔を用いたシートでは薄いため、転んだり物品が身体に当たったときには身体損傷の恐れがあり、また保温効果も不十分である。毛布はもともと寝具として作られており、移動時の着用には適さず、防水機能を有していない。
本発明は、以上のような災害避難時の用具に関わる課題を解決するために発明されたもので、頭部を含めた身体の保護ができ、かつ寝具としての利用も可能なる新規かつ有用なる防災用の物品を提供することを目的としたものである。
【課題を解決するための手段】
【0004】
課題を解決する手段として本発明は、シート本体に頭巾部を設けてその主要部を構成した。すなわち、厚手布地に防水性シートを縫着してなるシート本体を設け、スライドファスナーを有する布片による頭巾部を設けるとともに該頭巾部の一辺をシート本体の一辺に縫着する。本発明は以上の構成よりなる防災用寝具である。
【発明の効果】
【0005】
本発明によれば、厚手布地と防水性シートを一体化するとともに、該シートの一辺に、ファスナーを有する頭巾部を取り付けたので、非常時にはファスナーを閉じて頭巾部分を頭にかぶり、シート本体を体に巻きつけることにより、身体の保温と安全を確保することができ、また避難場所にては床面に敷いて寝具としても利用可能なる有用なる物品を提供することができる。なお、結び紐を設けることで、この紐を互いに結びつけることで身体に巻きつけたシート本体の保持も可能である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0006】
以下、本発明の実施形態について説明する。
図において、1は長方形のシート本体で、パイル生地による厚手布地2の片面にアルミ箔を用いたアルミシートによる防水性シート3を四辺縫着したものである。5は頭巾部で、シート本体と同様構成の小四角布片であり、その一辺がシート本体の一辺中央に縫着される。この頭巾部はパイル生地2枚が中央で縫着され、同形のアルミシートが縫着して形成される。
7はスライドファスナーで、頭巾部のシート本体への縫着部の対辺に縫着される。
従って、このスライドファスナーをスライドさせることにより、頭巾部の一辺は一体化して開口部を有する略袋状となり、頭部に着用することができる。8は結び紐で、適宜長の細長小布片であり、その一端がシート本体の一辺に頭巾部をはさんで対称に縫着される。
本品を使用するには、まずスライドファスナーを閉じて略袋状になった頭巾部を頭にかぶり、シート本体を体に巻きつけ、結び紐を互いに結ぶ。すると図5〜図6に示すように頭部を含めた身体全体を覆うことができる。このシート本体は既述のようにパイル生地の表面にアルミシートが縫着されており、防水性を有するとともに厚手布地のため保温性があり、かつ外部からの衝撃からも身を守ることができる。
また、アルミシートは光の反射率が高く、直射日光を反射して過度の体温上昇を防ぐことができ、外を移動中においてはライトに対する反射にて容易に視認ができる。
【0007】
また、身体に巻きつける方式のため、使用者の体格や体形を選ぶことなく使用できる。
寝具として利用するときは、図7にて示すように厚手布地を上にして床に敷いて使用する。あるいは図8にて示すようにアルミシートを上にして掛け布団のように用いてもよい。
使用後は、丸めてコンパクトに収納することができる。
以上本発明について記したが、本発明はシート本体の一辺に頭巾部を設けたところにその特徴を有している。従来の防災頭巾は頭部の保護が目的のため、身体全体の保護は不能であった。また、寝具としての毛布を用いれば頭部を除く身体全体を覆うことができるが、防水性を有さず、身にまとうのに適さない形状であった。そして全身を覆うには防災頭巾とシートや毛布の双方を用いねばならず、別物品のためまとまりも悪いものであった。
しかるに本発明は、頭巾部とシート本体が合体した構成のため、保温・防水に優れるとともに外部からの衝撃を緩和し、かつ寝具としても利用できる物品となったのである。
なお、既述の実施形態では厚手布地としてパイル生地を用いたが、フリース生地など他の布地を用いてもよい。また、アルミシート以外にチタン合金シートや合成樹脂シートを用いてもよく、スライドファスナー以外に、ボタンやスナップによる係止としてもよい。
以上のごとく、本発明によって安全に避難できるとともに、避難後にも有効に活用できる防災用の寝具を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】本発明の平面図
【図2】本発明のシート本体構造説明図
【図3】本発明の裏面図
【図4】本発明の要部拡大説明図
【図5】本発明の着用状態図
【図6】本発明の着用時における要部説明図
【図7】本発明の使用状態図(寝具に利用時)
【図8】本発明の使用状態図(寝具に利用時)
【符号の説明】
【0009】
1 シート本体
2 厚手布地
3 防水性シート
4 縫着部
5 頭巾部
6 縫着部
7 スライドファスナー
8 結び紐

【特許請求の範囲】
【請求項1】
厚手布地に防水性シートを縫着してなるシート本体を設け、スライドファスナーを有する布片による頭巾部を設けるとともに該頭巾部の一辺をシート本体の一辺に縫着したことを特徴とする防災用寝具。
【請求項2】
シート本体適所に結び紐を設けてなる請求項1記載の防災用寝具。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2006−320690(P2006−320690A)
【公開日】平成18年11月30日(2006.11.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−176927(P2005−176927)
【出願日】平成17年5月19日(2005.5.19)
【出願人】(504392773)
【Fターム(参考)】