説明

防煙頭巾

【課題】 簡易な構成で、タバコを吸う際にタバコの煙が肌や髪に直接触れることを低減させることを課題とする。
【解決手段】 防煙頭巾として、想定される人の顎から頭頂部を経て後頭部までを覆う長さと、当該人の顔の幅よりも大きな幅とを有するシート体である本体シートと、前記本体シートにより前記人の頭部を覆った際に目に対応する位置に形成される、本体シートに設けられる開口である眼部開口部と、本体シートにより前記人の頭部を覆った際に口に対応する位置に形成される、本体シートに設けられる開口である口部開口部と、前記本体シートを前記人の頭部を覆った状態で固定することができる固定手段とを設ける。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、タバコを吸う際に煙が肌等に触れないように被る頭巾に関する。
【背景技術】
【0002】
タバコを吸うと煙が発生する。この煙を嫌う人のために、煙を除去する方法として種々の換気装置が提案されており、これにより煙の流れを変えることが行われている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかし、換気装置では、タバコの煙が肌や髪に触れることを完全に防止することができない。そして、タバコの煙が肌や髪に触れると、タバコの匂いが付着し、さらに、タールを含むタバコの煙の粒子は肌に刺激となり、毛穴に付着すると黒ずみの要因となる。また、換気装置は野外などでは使用することができず、屋内においても大掛かりな装置が必要になる。
本発明は、このような問題に鑑みて、簡易な構成で、タバコを吸う際にタバコの煙が肌や髪に直接触れることを低減させることを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0004】
上記課題を解決するために、本発明は次のような構成を有する。
請求項1に記載の発明は、想定される人の顎から頭頂部を経て後頭部までを覆う長さと、当該人の顔の幅よりも大きな幅とを有するシート体である本体シートと、前記本体シートにより前記人の頭部を覆った際に目に対応する位置に形成される、本体シートに設けられる開口である眼部開口部と、本体シートにより前記人の頭部を覆った際に口に対応する位置に形成される、本体シートに設けられる開口である口部開口部と、前記本体シートを前記人の頭部を覆った状態で固定することができる固定手段とを有する防煙頭巾である。
請求項2に記載の発明は、前記防煙頭巾において、前記本体シートを長方形状のシート体としたものである。
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の防煙頭巾において、前記固定手段は、前記本体シートの対向する長辺にそれぞれの一端が固定された一組の紐体により形成されるものである。
請求項4に記載の発明は、前記防煙頭巾において、前記固定手段は、前記装着する人の頭部における頭頂部と顎を通る外周よりも長い紐体により形成されるものである。
【発明の効果】
【0005】
請求項1に記載の発明は、タバコを吸う際に本体シートで顔と髪とを覆うように頭部に被って固定することで、タバコの煙が直接肌や髪に触れることを抑制することができる。また、覆う部分をシート体により形成することで、装着の際に頭部の大きさや形状に柔軟に対応でき、カーラーで髪を巻いた髪等の種々の頭部形状に対して使用することができ、また、ヘアスタイルを崩すことも少ない。
請求項2に記載の発明は、本体シートを長方形状のシート体とすることで、製造が簡易になり、また、折りたたんで収納することが容易になる。
請求項3に記載の発明は、前記固定手段を、本体シート部の対向する長辺にそれぞれの一端が固定された一組の紐体により形成することで、紐体の後端同士を連結させれば本体シートを頭部に固定することができ、簡易な構成で固定手段が形成できることになる。また、固定手段が本体シートに固定されることで固定手段が無くなることがない。
請求項4に記載の発明は、前記固定手段を、装着する人の頭部における頭頂部と顎を通る外周よりも長い紐体により形成することで、使用に際しては、頭部に掛けた本体シートの上から固定手段を構成する紐を頭頂から顎を通る外周に巻くようにして端部同士を連結させて本体シートを固定することができる。この際、本体シート体の下端部分が顎の下で固定手段に挟まれ、かつ、側面に位置する本体シートの少なくとも縁部が固定手段に挟まれるようにすることで、側面および下面を塞ぐことができ、煙を本体シートの内部に侵入しにくくさせることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0006】
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながら説明する。
図1に、本実施形態に係る防煙頭巾Xの構成要素を表す正面図を示す。防煙頭巾Xは長方形状の布からなる本体シート10と、本体シート10の両側縁に固定される一組の扁平な紐体からなる第1固定紐20、20と、一本の長い扁平な紐体からなる第2固定紐30とから構成される。
本体シート10の一短辺から長手方向に向って約3分1の位置には、目を出すことができる2つの開口である眼部開口部11、11が設けられている。また、本体シート10のこの短辺から長手方向に向って約4分1の位置には、口を出すことができる開口である口部開口部12が設けられている。これらの開口部は、本体シート10を平均的な日本人が頭部に被った際に眼部開口部11、11から目が表出し、口部開口部12から口が表出するような大きさ、形状、位置に形成されている。
第1固定紐20は、布により形成される紐体であり、2本合わせた長さが人の平均的な頭部の周囲の長さよりもやや長くなるように設定されている。そして、各紐体の端部には、面ファスナーの係合部21aと被係合部21bがそれぞれ縫い付けられている。なお、係合部21aは2本の紐体を後頭部に回したときに被係合部21bに面するように、被係合部21bが設けられている面に対する裏面に固定されている。
第3固定紐30は、布により形成される紐体であり、長さが平均的な日本人の頭部の顎と両側面と頭頂部を通る外周の長さよりもやや長くなるように形成されている。そして、紐体の両端部には、面ファスナーの係合部31aと被係合部31bとが縫い付けられている。なお、被係合部31bと係合部31aとは、やはり、輪を形成した際に互いに相対するように互いに異なる面に固定されている。
【0007】
次に、以上のような構成を有する防煙頭巾Xの使用方法について説明する。図1に防煙頭巾Xの使用状態を表す正面図を示し、図2に防煙頭巾Xの使用状態を表す側面図を示す。使用者は、まず、眼部開口部11、11、口部開口部12が顔側に来るようにして、顔の前面から後頭部を覆うように本体シート10を被る。そして、眼部開口部11、11を目の位置に、口部開口部12を口の位置に合わせた後に、第1固定固定紐20、20の2本の紐体を後頭部側に回して、後頭部にかかっている本体シート10の上に位置させた状態で、係合部21aと被係合部21bとを係合させて固定する。この際、本体シート10の側縁は一方の側面に付き前後に2つ現れるが、一方の側縁を他方の側縁に連なる本体シート10の下側に入れて本体シート10の側縁部同士が重なるようにすることが望ましい。
それから、第2固定紐30を頭頂部から側面を通って顎に至る頭部の外周を巻くようにして、端部同士を係合部31aと被係合部31bとを係合させることにより固定する。この際、顎の下面と第2固定紐30との間に本体シート10の端部が挟まるようにし、また、頭頂部近傍では、略三角形状に本体シート10が重合する部分が生じるが、この部分を第2固定紐30により押さえるようにすることが望ましい。
以上のようにして、防煙頭巾Xを装着した後、使用者が煙草を吸えば、煙草の煙が皮膚や髪に直接触れることがほとんどなくなり、肌の黒ずみや髪の傷みを防ぐことができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】実施形態に係る防煙頭巾の構成を示す正面図である。
【図2】防煙頭巾の使用状態を示す正面図である。
【図3】防煙頭巾の使用状態を示す側面図である。
【符号の説明】
【0009】
X 防煙頭巾
10 本体シート
11 眼部開口部
12 口部開口部
20 第1固定紐
30 第2固定紐

【特許請求の範囲】
【請求項1】
想定される人の顎から頭頂部を経て後頭部までを覆う長さと、当該人の顔の幅よりも大きな幅とを有するシート体からなる本体シートと、
前記本体シートにより前記人の頭部を覆った際に目に対応する位置に形成される、前記本体シートに設けられる開口である眼部開口部と、
前記本体シートにより前記人の頭部を覆った際に口に対応する位置に形成される、前記本体シートに設けられる開口である口部開口部と、
前記本体シートを前記人の頭部を覆った状態で固定することができる固定手段と
を有する防煙頭巾。
【請求項2】
前記本体シートは長方形状のシート体である請求項1に記載の防煙頭巾。
【請求項3】
前記固定手段は、前記本体シートの対向する長辺にそれぞれの一端が固定された一組の紐体により形成される請求項2に記載の防煙頭巾。
【請求項4】
前記固定手段は、前記装着する人の頭部における頭頂部と顎を通る外周よりも長い紐体により形成される請求項1又は2に記載の防煙頭巾。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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