防犯構造

【課題】構造体の表面部材を貫通したドリル先端が構造体の内部へ侵入することを不能にし、ドリル犯罪を効果的に防御することができる防犯構造を提供する。
【解決手段】表面部材1の内側に、ドリルに対し絡み合い可能な短繊維ウエブや短繊維不織布などの繊維を充填した区域2が設けられ、該区域の裏側に、ポリエステルシートなどの可撓性シート4と該可撓性シートの自由端を受け入れる逃げ空間5とが設けられている防犯構造。この防犯構造では、繊維充填区域2を貫通したドリル7の先端は、可撓性シート4に接触することによって回動動作が鈍り、制御盤6に侵入することが不能になる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は防犯構造に関し、詳細には、玄関扉、金庫、倉庫、ロッカー、書庫、自動販売機、ATMなど、表面部材の内側に施錠構造や制御盤などを有している構造体に適用することが可能で、構造体の表面部材を貫通したドリル先端が構造体の内部へ侵入することを不能にし、ドリルを用いた犯罪に対して防御機能を有する防犯構造に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、サムターン式のピッキングが出現している。サムターン式のピッキングとは、扉における鍵の周辺部分にドリルで貫通孔を開け、その貫通孔から先端の曲がった太い針金を差し込み、その針金の先端を扉の裏側の内鍵の回動ノブに引っ掛けて開錠してしまうというものである。
【0003】
このような新型のサムターン式のピッキングに対する防御として、特許文献1には、係止爪を出没操作する鍵を扉本体に埋没し、その鍵穴を扉本体の表側に露出させ、裏側に回動ノブを突設した扉において、この扉本体内部の鍵を取り囲むようにアラミド繊維などの耐切創性繊維を充填した区域を設けることが提案されている。
【0004】
特許文献1においては、扉本体には、鍵の周囲を囲むように空洞域が形成され、この空洞域に耐切創性繊維が細密状態に充填されている。充填される耐切創性繊維として、短繊維がランダムに分散した繊維集合体、ランダムに分散したウエブにニードルパンチを施して絡合させた不織布、製織又は製編された織物や編物が開示されている。
【0005】
しかし、最近では扉自体を破壊するドリル犯罪が出現していることから、その防御策が望まれている。
【特許文献1】特開2004−324145号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、繊維部材を用いた防犯構造であって、構造体の表面部材を貫通したドリル先端が構造体の内部へ侵入することを不能にし、ドリル犯罪を効果的に防御することができる防犯構造を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者等は、かかる課題を解決するため鋭意検討した。そして、ドリル本来の働きを妨害するようにすればドリル犯罪の防御になると考え、そのための手段として、表面部材の内側にドリルに対し絡み合い可能な繊維を充填した区域を設け、さらに該区域のドリル侵入側と反対側に可撓性シートを、ドリル先端もしくは針金の侵入に対し逃げるように配置することが有効であることを見出し、本発明に到達した。
【0008】
すなわち、本発明は、以下の通りである。
(1)表面部材の内側にドリルに対し絡み合い可能な繊維を充填した区域が設けられ、該区域の裏側に、可撓性シートと該可撓性シートの自由端を受け入れる逃げ空間とが設けられていることを特徴とする防犯構造。
(2)前記可撓性シートが、樹脂製シート、コート紙または積層板である、(1)に記載の防犯構造。
(3)前記ドリルに対し絡み合い可能な繊維の形態が、織物、編物、フェルト、短繊維不織布、短繊維スライバーまたは短繊維ウエブである、(1)または(2(に記載の防犯構造。
(4)前記ドリルに対し絡み合い可能な繊維の形態が、織物、編物、フェルトまたは短繊維不織布の場合は目付が80〜400g/mで、短繊維スライバーまたは短繊維ウエブの場合は目付が80〜800g/mであり、かつ、密度が0.07以下である、(3)に記載の防犯構造。
(5)前記ドリルに対し絡み合い可能な繊維が耐熱性かつ高強度の繊維である、(1)〜(4)のいずれかに記載の防犯構造。
(6)前記ドリルに対し絡み合い可能な繊維が、ポリフェニレンサルファイド繊維、全芳香族ポリエステル繊維、ポリベンゾビスオキサゾール繊維、アラミド繊維およびポリケトン繊維から選ばれた少なくとも1種の繊維である、(1)〜(5)のいずれかに記載の防犯構造。
【発明の効果】
【0009】
本発明の防犯構造は、表面部材の内側にドリルに対し絡み合い可能な繊維を充填した区域が設けられているため、施錠構造を不正に開放したり制御盤を不正に操作したりする目的で表面部材を貫通したドリルに繊維を絡ませることによって、ドリルの回動動作を鈍らせることができる。さらに該区域の後側に、可撓性シートと逃げ空間とが設けられているため、万一ドリル先端が繊維充填区域を貫通したとしても、該ドリル先端が可撓性シートに接触してスリッピングしてしまうから、ドリルの回動動作が機能し難くなる。
【0010】
また、樹脂製シート、コート紙、積層板は可撓性で表面が平滑であるため、ドリル先端をスリッピングさせる効果が大きい。
【0011】
また、ドリルに対し絡み合い可能な繊維は、織物、編物、フェルト、短繊維不織布、短繊維スライバーまたは短繊維ウエブのように、繊維がバラバラに解れ易く、ドリルに絡まり合い易い形態にすることで防犯性が向上する。
【0012】
また、織物、編物、フェルトまたは短繊維不織布の場合は目付が80〜400g/mで、短繊維スライバーまたは短繊維ウエブの場合は目付が80〜800g/mであり、かつ、密度が0.07以下であれば、ドリルに巻き付かせるのに必要な繊維量を確保することができ、しかも繊維層が硬くなることによってドリルが繊維層を通り抜けてしまう現象を防止することができる。
【0013】
また、ドリルに対し絡み合い可能な繊維として、高耐熱性かつ高強度の繊維を用いることにより、ドリルの回転力で発生する摩擦熱で繊維が溶解するおそれがなく、ドリルに引っ張られた際に繊維が切れるおそれもない。
【0014】
よって、本発明の防犯構造物を、玄関扉、金庫、倉庫、ロッカー、書庫、自動販売機、ATMなど、表面部材の内側に施錠構造や制御盤等を有している構造体に適用することにより、構造体の表面部材を貫通したドリル先端もしくは針金が、構造体の内部へ侵入するのを不能にすることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
本発明に係る防犯構造は、表面部材の内側にドリルに対し絡み合い可能な繊維を充填した区域が設けられ、該区域の裏側に、可撓性シートと該可撓性シートの自由端を受け入れる逃げ空間とが設けられていることを特徴とするものである。
【0016】
本発明において、表面部材とは、玄関扉、金庫、倉庫、ロッカー、書庫、自動販売機、ATMなどの構造体の表面部材を言う。
【0017】
以下、本発明を図を参照しながら具体的に説明する。図1は本発明に係る防犯構造を備えた構造体の一例を示すものであり、図2は図1に示す防犯構造にドリルが侵入したときの状態を示したものである。
【0018】
防犯構造を構成する表面部材1は、金属製、樹脂製または木製のものであり、例えば、扉、金庫、倉庫、ロッカー、書庫など施錠構造を内設した扉の表面部材、ATM、自動販売機、自動券売機、非常通報装置、昇降機、監視装置、建物内設備(ドア等)制御装置など制御装置を内設した構造体の電源装置や制御装置を覆う表面部材、自動販売機のコイン収容部を覆う表面部材などが該当する。該表面部材の内側には、ドリルに対し絡み合い可能な繊維を充填した区域2が設けられている。該区域2は、表面部材1と、金属製、樹脂製または木製の中板3に鋏まれた空洞域に繊維を充填することにより形成されうる。中板3の裏側には可撓性シート4が配置され、さらに、繊維充填区域2の裏側には、可撓性シート4の自由端を受け入れる逃げ空間5が設けられている。逃げ空間5の後方には、制御盤(あるいは施錠構造)6が存在する。
【0019】
表面部材1の表面からドリル7が侵入すると、繊維充填区域2を貫通する際に繊維がドリルに巻き付くが、巻き付いた繊維は切断しないため、ドリルの回動数が増すに従いドリルの周囲には繊維が蓄積されていく。それによりドリルは回転停止状態になり、それ以上の貫通操作をすることができなくなる。しかし、ドリルが繊維充填区域2および中板3を貫通した場合に防御機能が不十分になることから、本発明では繊維充填区域2の裏側に、可撓性シート4と逃げ空間5を設けている。中板3を貫通したドリル7の先端が可撓性シート4に接触すると、可撓性シートの自由端が中板3から離れる。該可撓性シート4は上端が中板3に固定されているが、それ以外の端は逃げ空間5内において自由状態にあるため、万一ドリル先端が繊維充填区域を貫通したとしても、ドリル先端は可撓性シート4の表面でスリップしてしまい、該可撓性シート4を貫通することができない。したがって、ドリル貫通孔を通して制御盤(あるいは施錠構造)6への針金の侵入は、可撓性シート4で防止することができる。
【0020】
上記のように可撓性シートを有効に機能させるためには、表面部材1と中板3とで挟み込むように繊維を充填し、中板3の裏側に可撓性シートを設けて上端を固定すると共に、中板の裏側には可撓性シートが撓むことのできる逃げ空間を設けることが望ましい。逃げ空間の広さは特に限定されないが、構造体の大きさ等を考慮すると、深さ5aを2〜5cm程度とするのが一般的である。
【0021】
本発明において、ドリルに対し絡み合い可能な繊維の形態としては、織物、編物、フェルト、短繊維不織布、短繊維スライバーまたは短繊維ウエブであることが好ましく、なかでも、ドリルへの巻き付き性が良好であることから、フェルト、短繊維ウエブ、短繊維ウエブにニードルパンチングを施して絡合させた短繊維不織布、短繊維スライバーが好ましい。これらの形態の繊維は、それぞれ単独で用いても良いし、複数組合せて用いても良い。 なお、本発明においてフェルトとは、織布や編物、格子状素材などの補強基材を芯材として、該芯材の少なくとも一方の面に短繊維スライバーまたは短繊維ウエブを積層した後、ニードルパンチングして形成される構造体を云う。
【0022】
織物、編物、フェルトおよび短繊維不織布を用いる場合は、目付が80〜400g/mのものを用いることが好ましく、より好ましくは100〜200g/mである。目付が80/m未満の場合は、ドリルに絡ませて回転操作を停止させるのに必要な繊維量を確保することができなくなり、目付が400g/mを超える場合は、繊維層が硬くなることによってドリルが繊維層を通り抜けてしまい、繊維をドリルに巻き付かせることが困難になる。製布工程を経ていない短繊維ウエブおよび短繊維スライバーを用いる場合は、同様の理由から、目付が80〜800g/mのものを用いることが好ましく、より好ましくは100〜800g/mである。これらのドリルに対し絡み合い可能な各種繊維形態では、いずれの場合であっても、密度が0.07以下であることが好ましく、より好ましくは0.05以下である。密度が高すぎると、繊維が有効にドリルに絡み合うことが困難になるからである。
【0023】
ドリルに対し絡み合い可能な繊維は、ドリルに絡まり合うことができる程度の柔軟性を有していることが必要であるが、ドリルに絡まり合ったときに切れないことも重要であり、そのためには、高耐熱性かつ高強度の繊維であることが好ましい。耐熱性としては、溶融温度もしくは熱分解開始温度が250℃以上の繊維が好ましく、より好ましくは300℃以上の繊維である。また、強度としては、JIS L 1013(1999)に基づいて測定される引張強度が約13cN/dtex以上の繊維が好ましく、より好ましくは約15cN/dtex以上の繊維である。
【0024】
高耐熱性かつ高強度の繊維としては、例えば、ポリフェニレンサルファイド(PPS)繊維、全芳香族ポリエステル繊維(例えば株式会社クラレ製、商品名「ベクトラン」)、ポリパラフェニレンベンゾビスオキサゾール繊維(例えば東洋紡績株式会社製、商品名「ザイロン」)、アラミド繊維およびポリケトン繊維などが挙げられる。これらの繊維はそれぞれ単独で用いても良いし、2種以上を組み合わせて用いても良い。また、これらの繊維が100重量%の状態で繊維層を形成することが望ましいが、必ずしも100重量%である必要はなく、少なくとも50重量%以上、好ましくは80重量%以上であれば、ポリエステル繊維、レーヨン繊維、ポリビニルアルコール繊維、ポリアミド繊維、カーボン繊維などの他の繊維が混合されていても良い。
【0025】
上記のアラミド繊維としては、メタ系アラミド繊維とパラ系アラミド繊維がある。メタ系アラミド繊維としては、例えば、ポリメタフェニレンイソフタルアミド繊維(デュポン社製、商品名「ノーメックス」)などのメタ系全芳香族ポリアミド繊維が挙げられる。また、パラ系アラミド繊維としては、例えば、ポリパラフェニレンテレフタルアミド繊維(東レ・デュポン株式会社製、商品名「ケブラー」)およびコポリパラフェニレン−3,4'−ジフェニルエーテルテレフタルアミド繊維(帝人テクノプロダクツ株式会社製、商品名「テクノーラ」)などのパラ系全芳香族ポリアミド繊維が挙げられる。
【0026】
ポリケトン繊維としては、繰り返し単位の95質量%以上が1−オキソトリメチレンにより構成されるポリケトン(PK)繊維、ポリエーテルケトン(PEK)繊維、ポリエーテルケトンケトン(PEKK)繊維、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)繊維などがある。
【0027】
これらの高耐熱性かつ高強度繊維の中でも、耐切創性および耐熱性に優れると共に、経済性、引張強さの点においてパラ系アラミド繊維が好ましく、特に難燃性の点においてポリパラフェニレンテレフタルアミド繊維が好ましい。
【0028】
繊維充填区域の裏側に設ける可撓性シートは、表面が平滑で滑りやすいものであることが好ましく、例えば、ポリプロピレンシート、ポリエステルシート、ポリアミドシートなどの樹脂製シート類、コート紙や積層板等が挙げられる。可撓性シートの厚みは、可撓性があれば特に限定されるものではなく、一般的には薄すぎるとドリルが貫通するおそれがあり、厚すぎるとドリル先端を固定してしまい回動動作を補助するおそれがあるため、シートの材質にもよるが約0.5mm〜3mm程度の厚みのものを用いるのがよい。
【実施例】
【0029】
次に、実施例および比較例を用いて本発明を更に具体的に説明するが、本発明は以下の実施例のみに限定されるものではない。
【0030】
(製造例1)
東レ・デュポン(株)製のポリパラフェニレンテレフタルアミド繊維フィラメント糸条(「KEVLAR(登録商標)29」、引張強度20.3cN/dtex、引張弾性率490cN/dtex、単糸繊度1.65dtex)のカットステープル(繊維長51mm)を公知の方法により開綿、開繊して短繊維ウエブを作製して、表1に示す、目付、厚み及び密度を有する短繊維ウエブとした。
【0031】
(製造例2)
製造例1の短繊維ウエブを複数積層した後、ニードルパンチングして、表1に示す、目付、厚み及び密度を有する短繊維不織布を作製した
【0032】
(製造例3〜6)
ナイロンモノフィラメントを使用して作製した平織基布(経糸:ナイロンモノフィラメント220d×4本撚糸 50本/5cm 、緯糸:ナイロンモノフィラメント500d 50本/5cm)の両面に、製造例1で用いたものと同じポリパラフェニレンテレフタルアミド繊維のカットステープル(繊維長51mm)からなる短繊維ウエブを公知の方法によりニードルパンチングして一体化させた。この際、短繊維ウエブと基布との絡み付きの度合いを調整しながらニードルパンチングを行うことによって、表1に示す、目付、厚み及び密度の異なるフェルトを作製した。
【0033】
製造例3〜6で作製した不織布及びフェルトを、板の隙間10mmに設定した厚さ9mmの2枚の木製板(MDF板、中質繊維板)の間に挟み、後側の木製板の裏側に、可撓性シートとして厚さ1.0mmのポリエステルシートを上端部のみを固定して設置した。また、後側の木製板の約3.0cm後方に厚紙を設置した。
【0034】
(実施例1)
ドリル刃を装着したバッテリードライバードリル(BOSCH製 PSR14.4)を用いて、製造例1〜6で作製した短繊維不織布またはフェルトを挟んだ木製板の表面からドリル刃の先端を押し当て、高速回転(最高無負荷回転数1400回転/min)、トルク30N・mの条件にて、ドリル刃の先端が厚紙に到達するかどうか、実験し、以下の評価基準で評価した。ドリル刃は、外径が3mm、長さが65mm、材質がコバルトハイス鋼、用途がステンレス・鉄鋼・アルミ用のものを使用した。
【0035】
(評価基準)
◎:ドリル回転によりドリル先端が木製板を貫通しなかったため、厚紙に到達しなかった。
○:ドリル回転によりドリル先端が木製板を貫通したが、厚紙には到達しなかった。
×:ドリル先端が厚紙に到達した。
【0036】
(比較例1)
可撓性シートを設置しないほかは、製造例3で作製したフェルトを用いて、実施例1と同様に実験した。
【0037】
以上の実験結果を表1にまとめて示す。
【0038】
【表1】

【0039】
表の結果から明らかなように、繊維充填区域の密度が0.03〜0.05の不織布(製造例2)またはフェルト(製造例4)を用いた場合には、ドリル先端が木製板を貫通するのを抑止する効果があることがわかった。また、繊維充填区域の密度が0.01の短繊維ウエブ(製造例1)を用いた場合は、ドリルに絡ませて回転操作を停止させるのに必要な繊維量を確保することが困難であったため、木製板を貫通しやすくなった。
更に、基布を入れて作製したフェルトであっても、基布と短繊維ウエブとの絡み付きが進みフェルトの密度が上がったフェルト(製造例3、5、6)は、ドリル刃への繊維の絡み付きが減少してしまい、木製板を貫通しやすくなった。短繊維ウエブに基布を入れフェルト化する過程で密度を極力抑えて作製したフェルト(製造例4)は、木製板を貫通しなかった。
【0040】
本発明例では、フェルトの特性にかかわらず、木製板の後側に可撓性シートと逃げ空間とが設けられているため、ドリル先端が繊維充填区域を貫通しても、ドリル先端が可撓性シートに接触してスリッングしてしまいドリルの回動動作が機能しにくくなることによって、貫通防止効果が発現した。
【0041】
これに対し、比較例では木製板の後側に可撓性シートと逃げ空間が設けられていないため、木製板と貫通したドリル先端は、厚紙に到達した。
【産業上の利用可能性】
【0042】
本発明に係る防犯構造は、玄関扉、金庫、倉庫、ロッカー、書庫、自動販売機、ATMなど、施錠の開閉による防御機能を持たせた構造物、あるいは制御盤を格納した構造物に、幅広く適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0043】
【図1】本発明の防犯構造の一例を示す断面図である。
【図2】図1の防犯構造にドリルが侵入したときの状態を説明する図である。
【符号の説明】
【0044】
1 表面部材
2 繊維充填区域
3 中板
4 可撓性シート
5 逃げ空間
5a 逃げ空間の深さ
6 制御盤
7 ドリル

【特許請求の範囲】
【請求項1】
表面部材の内側にドリルに対し絡み合い可能な繊維を充填した区域が設けられ、該区域の裏側に、可撓性シートと該可撓性シートの自由端を受け入れる逃げ空間とが設けられていることを特徴とする防犯構造。
【請求項2】
前記可撓性シートが、樹脂製シート、コート紙または積層板である、請求項1に記載の防犯構造。
【請求項3】
前記ドリルに対し絡み合い可能な繊維の形態が、織物、編物、フェルト、短繊維不織布、短繊維スライバーまたは短繊維ウエブである、請求項1または2に記載の防犯構造。
【請求項4】
前記ドリルに対し絡み合い可能な繊維の形態が、織物、編物、フェルトまたは短繊維不織布の場合は目付が80〜400g/mで、短繊維スライバーまたは短繊維ウエブの場合は目付が80〜800g/mであり、かつ、密度が0.07以下である、請求項3に記載の防犯構造。
【請求項5】
前記ドリルに対し絡み合い可能な繊維が耐熱性かつ高強度の繊維である、請求項1〜4のいずれかに記載の防犯構造。
【請求項6】
前記ドリルに対し絡み合い可能な繊維が、ポリフェニレンサルファイド繊維、全芳香族ポリエステル繊維、ポリベンゾビスオキサゾール繊維、アラミド繊維およびポリケトン繊維から選ばれた少なくとも1種の繊維である、請求項1〜5のいずれかに記載の防犯構造。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2009−197466(P2009−197466A)
【公開日】平成21年9月3日(2009.9.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−39689(P2008−39689)
【出願日】平成20年2月21日(2008.2.21)
【出願人】(000219266)東レ・デュポン株式会社 (288)
【出願人】(000180597)イチカワ株式会社 (99)
【Fターム(参考)】