説明

防眩性バイザー付き安全ヘルメット

【課題】制御スライダに加えられる力がバイザーを上昇・下降する力と等しくなる操作機構を備える安全ヘルメットを提供する。
【解決手段】衝撃吸収性材料よりなる内側シェルと結合された、前部開口部3を設けた外側シェル2と、前部開口部3に、少なくとも1つの係合位置と前部開口部3に非係合位置との間で移動可能な、外側シェル2に拘束した少なくとも1つの防眩性バイザー4と、外側シェル2に固着された関連ガイド17に滑動自在に連結された、少なくとも1つの操作伝達ケーブルを介して制御スライダ18により制御される、防眩性バイザー4と一体をなす操作部とを備える。この制御スライダ18は、防眩性バイザー4が非係合位置に配置させるための非能動位置と、防眩性バイザー4が前記少なくとも1つ係合位置に配置されるための能動位置との間に手動で並進可能である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は安全ヘルメットに関し、特にモーターサイクリスト、若しくは他の輸送手段のユーザに使用され、前部開口部に設けたポリカーボネートのような硬質性材料からなる外側シェルと、発泡スチロールのような衝撃吸収性材料からなる内側シェルと、ユーザに快適となるように、織物で被覆されたフォームラバーからなる内部キャップと、ヘルメットの前部開口部に可逆係合する少なくとも1つの防眩性バイザーとを備える安全ヘルメットに関する。
【背景技術】
【0002】
モーターサイクルやスノーモービルなどの車両のユーザが使用する公知の防眩性バイザーを有する安全ヘルメットは、通常、光沢のある防眩性バイザー、または光をフィルタするように製造された防眩性バイザーを備えている。このような防眩性バイザーは、外側シェルに枢着または拘束され、例えば、ユーザの眩惑を防止するため、適切な操作機構により、ヘルメットの前部開口部における係合位置と非係合位置との間を移動可能である。
【0003】
特に、硬質性合成材料からなる外側シェルと、ユーザに快適性を与える外側シェルに補完的に、且つ一体的に連結し、通常は発泡材による衝撃吸収材からなる内側シェルとを備える安全ヘルメットは公知であり、このようなヘルメットは、ユーザに視界を与える前部開口部と、ヘルメットを装着するための下部開口部を備えている。
【0004】
公知のように、「オープンフェース」のような安全ヘルメットの種類は、上記2つの開口部が途切れなく、互いに結合されたヘルメットである一方、他のヘルメットにおいては、ユーザのあごの周辺に配置された「あごガード」と呼ばれる、対応する衝撃吸収性層に設けた外側シェルの特殊な部分により互いに分離されている。後者のようなヘルメットにおいて、あごガードが外側シェルの残部分に一体的に固着したものは「フルフェース」として知られる一方、外側シェルに少なくともある程度自由度のある枢着または拘束されることによって、通常は外側シェルに対してあごガードが上昇できるものは「フリップアップフルフェースヘルメット」として知られる。
【0005】
いずれにしても、安全ヘルメットの種類に関係なく、フリップアップ型の場合はユーザ顔面の保護用の前部開口部を可逆可能に覆うバイザーは、外側シェルに、または任意にあごガードの延長部で拘束されることは知られている。また、場合によって、少なくともユーザ視野の一部を広くする防眩性バイザーを、外側シェルに拘束することも知られている。
【0006】
このような防眩性バイザーは、通常、操作機構手段により外側シェルに拘束される。そのため、ある手動制御によって、防眩性バイザー付きヘルメットの前部開口部を係合するか、又は非係合とするように、ユーザが外側シェルに対して、バイザーを移動させることができる。
【0007】
これに関し、外側シェルに対して、下降位置と一致している防眩性バイザーの係合位置から、外側シェルに対して上昇位置と一致している非係合位置へ、ユーザが迅速かつ簡易に切り替え可能にする防眩性バイザーのいくつか異なる操作機構が知られている。
【0008】
例えば、トンネルへの出入りの際に、採光の突然の変化が生じた場合、ヘルメットを着用した走行中の人が、ヘルメットの前部開口部の係合位置のようなユーザの視野を遮る位置から、前部開口部の非係合位置のようなユーザの視野から外れた位置へ、迅速かつ簡単に防眩性バイザーを手で移動させることは実際上必須である。
【0009】
防眩性バイザーを、ヘルメットの前部開口部の係合位置から、防眩性バイザーを非係合位置へ、またはその逆の方向に切り替える必要がある時に、切り替えの迅速性は、特に重要であるということは最も注目すべきである。
【0010】
また、安全ヘルメットに対する震動や、わずかの打撃などにより、防眩性バイザーが、反対位置などの他の位置に移動してしまわないように、ユーザが設定した最適の位置に、しっかりと保持することも重要である。
【0011】
ユーザが防眩性バイザーを有する安全ヘルメットを、夜間若しくは周辺光の不良状況時に走行して使用する際、あるいはユーザが、防眩性バイザーを、ヘルメットの前部開口部から上昇した非係合位置に配置する際には、この要件は特に重要である。すなわち、震動や打撃などにより、防眩性バイザーが、ヘルメットの前部開口部に突然下降すると、車両を運転中のユーザに対して、さまざまの問題が生じる。
【0012】
従って、防眩性バイザーの操作機構には、ユーザが防眩性バイザーを上昇位置に設定した上、震動やわずかの打撃が生じても、防眩性バイザーを少なくとも上昇位置に、しっかりと保持する必要がある。
【0013】
公知の安全ヘルメットの防眩性バイザーの操作機構において、ユーザが、手動により、制御スライダから防眩性バイザーに運動を伝えるようになっているケーブルを備えるものが、特に効果的であり、かつ構造的に簡単であることは知られている。
【0014】
特許文献1(出願者:シューベルト・エンジニアリング アーゲー)には、押し引きを伝達できるような、2本のボーデンケーブルを備える防眩性バイザー用の操作機構が開示されている。ケーブルは、ヘルメットの外側シェルと一体に設けたガイドの内部を滑動する少なくとも1つの制御スライダに連結された一端を有し、ケーブルの他端は、防眩性バイザーの操作部の側部に連結されている。ユーザが制御スライダを操作すると、ボーデンケーブル作動を介して、制御スライダから防眩性バイザーへ移動させられ、次に、下降位置に対応する視界を遮る位置から、上昇位置に対応する視界が広がる位置へ、若しくはその逆方向に移動させられる。
【0015】
構造上簡単であるにも関わらず、このような防眩性バイザーに対する操作機構は、防眩性バイザーの前部開口部に係合位置から非係合位置へ、移送速度がユーザの手動速度に依存するものであるため、またその一方では、ユーザが制御スライダを移動するために必要な力は、ボーデンケーブルがあるため、防眩性バイザーを上昇・下降させるのに必要な力とほぼ等しく、そのため、バイザーの迅速操作に障害となる可能性もあり、余り効果がない。
【0016】
特許文献2(出願者:ラゼール エス・ア)は、安全ヘルメットの防眩性バイザーを上昇・下降する操作機構に関し、この操作機構は、バイザーの制御スライダの間に設けられ、ヘルメットの外側シェルと一体をなすガイド内を、滑動しうる可撓性ケーブルやボーデンケーブルと、防眩性バイザーを、外側シェル及び前部開口部に対して上昇・下降させるように、防眩性バイザーの側端部に一体に設けられたそれぞれ2つのレバーのアームに拘束されているスライダとを備えている。
【0017】
ガイドの中にある制御スライダを手で作動させることにより、運動伝達ケーブル、並びにスライダと2個のレバーよりなる運動機構を介して、防眩性バイザーを、ユーザの視界を覆う下降位置から、視界を広げる上昇位置へ、若しくはその逆の方向に移動させることができる。この操作機構は、2個のレバーにより、防眩性バイザーが比較的限られた力で作動するようになっているが、構造は複雑で、組み立てるのが難しい。
【0018】
特許文献2に記載された防眩性バイザーの操作機構は、関連制御スライダを、限られた力で操作することが出来るが、制御スライダを、必要に応じて迅速に上昇させるための技術的手段を備えておらず、まだ防眩性バイザーが、ヘルメットの前部開口部から上昇した非係合位置に、安定状態で保持する機構も備えていない。
【0019】
特許文献3(出願者:ヴィツマン)は、防眩性バイザーを備えるヘルメットに関する参照すべき開示はなされていないが、制御スライダ及び操作部として作動するバイザーの下端それぞれに、作動可能に連結された2本の操作伝達ケーブルを有するシェルの前部開口部に対し、保護バイザーを、上昇・下降させる機構が記載されている。またこのヘルメットは、バイザーを上昇位置に押す、即ちバイザーを、ヘルメットの前部開口部から、上昇した非係合位置に押仕上げることができるようになっており、外側シェルとバイザーとの間に、作動可能とした弾性復帰手段を備えている。
【0020】
制御スライダへ複数の安定した保持位置を設けるようになっている段付きガイドの内側に、滑動可能に係合している制御スライダは、上記弾性復帰手段の動作に対して、防眩性バイザーを下降させるユーザにより操作される。
このバイザーの操作機構は、防眩性バイザーを迅速に上昇させることは可能であるが、制御スライダから防眩性バイザーへ力を直接伝達することになるので、制御スライダに加えられる力は、バイザーを上昇・下降する力と等しくなければならす、特許文献1と同様の欠点を有している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0021】
【特許文献1】国際公開第WO2006/037294号
【特許文献2】国際公開第WO2010/0066278号
【特許文献3】ドイツ国実用新案第8534132号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0022】
本発明の第1の目的は、上記のような欠点を持たない操作機構を備える、防眩性バイザーを備える安全ヘルメットを提供することにある。
【0023】
発明の第2の目的は、関連シェルの前部開口部に、少なくとも1つの係合位置と、前部開口部から上昇した非係合位置との間で移動可能で、ヘルメットの外側シェルと一体的に設けられた、ガイド内を滑動する制御スライダからの運動を伝達するケーブルと、制御スライダが、ヘルメットの外側シェルに取り付けたガイド内を滑動し、防眩性バイザーのための簡易な構造であり、かつ制御スライダに限られた力を加えることにより、防眩性バイザーを作動させる防眩性バイザーの操作部とを設けた防眩性バイザーを備える安全ヘルメットを提供することにある。
【0024】
本発明の第3の目的は、上記の特徴に加え、防眩性バイザーは、高い安全性をもって使用することができ、振動、わずかの打撃、若しくは他の偶発的要因により、バイザーが、ヘルメットの前部開口部から、上昇した非係合位置へ偶発的に移動するのを防止した安全ヘルメットを提供することにある。
以上及びその他の目的は、特許請求の範囲の独立請求項と、その従属請求項に記載されている安全ヘルメットにより達成される。
【課題を解決するための手段】
【0025】
本発明に係る安全ヘルメットは、前部開口部を設けた、衝撃吸収性材料からなる関連内側シェルに連結された外側シェルと、前部開口部における少なくとも1つの係合位置と、前部開口部から少なくとも1つの非係合位置との間で作動可能であり、この外側シェルに拘束された少なくとも1つの防眩性バイザーと、この防眩性バイザーに一体に設けられた、少なくとも1つの操作伝達ケーブルを介して、外側シェルに固定されている関連ガイドに滑動自在に連結された制御スライダにより制御される防眩性バイザーの操作部とを備え、
制御スライダは、防眩性バイザーを、非係合位置へ位置させるための非能動位置と、係合位置に位置させるための能動位置との間で、手動により移動させることができるようになっている。
【0026】
操作伝達ケーブルは、直接的若しくは間接的に外側シェルに一体的に設けられた一端と、制御スライダに一体的に設けられた他端とを備え、防眩性バイザーの操作部を防眩性バイザーと一体的に移動させるため、防眩性バイザーの操作部に拘束された少なくとも1つの駆動部(伝達部)と係合されている。
【0027】
当業者は理解しうるように、操作伝達ケーブルを巻回し連結した、好ましくは滑車を備える駆動部を設けることにおいて、防眩性バイザーを、外側シェルの前部開口部における非係合位置から、外側シェルの前部開口部における係合位置まで移動させるための、制御スライダに加えるべき力を減少させることができる。
ここで、「駆動部」とは、ケーブルが受けたあらゆる運動を、ケーブルから、駆動部が一体的に設けられた操作部に伝達するためのケーブルと係合するあらゆる構造体を意味している。従って駆動部は、操作部と一体的に設けられた枢軸、若しくは防眩性バイザーの操作部に拘束された滑車なども含むものである。
【0028】
また、所定の荷重を支持する、回動滑車を一端に拘束した運動伝達用ロープ、若しくはケーブルが巻回された回動滑車である場合、このシステムの理想の運動学的平衡は、滑車がロープの遊端に加わる力の2倍に等しいこと、あるいはロープの遊端に加わられる力が、滑車の荷重と等しいことという条件が必要となる。なお、上記の荷重は、防眩性バイザーの重量で示しているが、後述のように、必要に応じて、戻しばねに加えられる荷重で示してもよい。
【0029】
機械力学的に単純化させると、機械的利点を有する運動学的機構が得られる。
【0030】
本発明の好ましい実施の形態に係る安全ヘルメットにおいては、前部開口部から非係合位置へ押すように、防眩性バイザーを直接的若しくは間接的に作動させる弾性復帰手段を備えている。
【0031】
当業者には公知のように、この弾性復帰手段を使用すると、安全ヘルメットに対して震動や偶発的な打撃が加えられても、防眩性バイザーを、上昇位置、即ちユーザが設定した、ヘルメットの前部開口部から上昇した非係合位置で、効果的に保持することができる。
【0032】
好ましくは外側シェルと防眩性バイザーとの間に拘束された、ばねよりなる弾性復帰手段においては、以下で示すように、ユーザが制御スライダの一時保持手段を解除するために操作するとき、外側シェルの前部開口部から非係合位置へ、即ちユーザの視界から外れた位置へ、自動的に戻すことが可能になる。
【0033】
また、本発明に係る別の実施の形態においては、安全ヘルメットは、能動位置に配置されたときに制御スライダを作動させる、制御スライダの手動操作一時保持手段を備えている。
本発明に係る好ましい実施の形態においては、この一時保持手段は、係止爪と一時的に係合しうる少なくとも1つのシートを設けた制御スライダと係合するロック位置と、制御スライダから、非係合のアンロック位置との間を移動する係止爪を有するレバーを備える作動体とにより構成されている。この作動体は、ロック位置へ、即ち係止爪が制御スライダが関連シートと係合する位置へ、推進させるようになっている。
【0034】
本発明の別の実施の形態によれば、制御スライダは、一時仮保持手段を構成する弾性レバーの係止爪のための2つ以上のシートを備えている。
【0035】
本発明のいくつかの実施の形態を、図面に基づいて、非限定的な例として説明する。
【図面の簡単な説明】
【0036】
【図1】本発明の実施の形態に係る防眩性バイザーが、外側シェルの前部開口部から上昇した非係合位置へ移動している安全ヘルメットの部分側面図である。
【図2a】ユーザの視野の少なくとも一部を覆うように、防眩性バイザーが外側シェルの前部開口部の係合位置にある図1の安全ヘルメットの部分側面図である。
【図2b】図2aと同じ位置にある図1の安全ヘルメットの縦断側面図である。
【図3】図1、図2a、図2bに示す安全ヘルメットの防眩性バイザー、及び一部の関連操作機構の分解斜視図である。
【図4】外側シェルの前部開口部から上昇した非係合位置における図1及び図2の安全ヘルメットの防眩性バイザー、及び一部の関連操作機構の概略側面図である。
【図5】外側シェルの前部開口部に係合位置における図4の安全ヘルメットにおける防眩性バイザー、及び一部の関連操作機構の概略側面図である。
【図6a】本発明の一実施形態における防眩性バイザーを操作するための制御スライダ、及び関連する一時保持手段を、異なる操作位置で示す部分側面図である。
【図6b】本発明の一実施形態における防眩性バイザーを操作するための制御スライダ、及び関連する一時保持手段を、異なる操作位置で示す部分側面図である。
【図6c】本発明の一実施形態における防眩性バイザーを操作するための制御スライダ、及び関連する一時保持手段を、異なる操作位置で示す部分側面図である。
【図7】本発明の別の実施の形態における防眩性バイザーを操作するための制御スライダ、及び関連する一時保持手段を示す部分側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0037】
図1と図2を参照すると、本発明の実施の形態による安全ヘルメット1は、ポリカーボネート、あるいはABSのような熱可塑性樹脂、及び複合樹脂よりなる外側シェル2を備え、この外側シェル2には、ヘルメット1を装着するための下部開口部28と、ユーザの視野を拡げる前部開口部3とが設けられている。
【0038】
図2bに示すように、安全ヘルメット1は、発泡スチロール(EPS)のような衝撃吸収性にすぐれた材料よりなる内側シェル26と、この内側シェル26の内面27に、通常は取り外し可能に取り付けられ、内側シェル26とユーザの頭部とに接触するキャップ(図示せず)とを備えている。この接触するキャップは、特殊な織物で覆われたスポンジゴムより構成することができ、ヘルメットを着用した時に、ユーザの心地良さを改良するものである。
【0039】
図1、図2a、図2bに示す本発明に係る安全ヘルメット1は、「あごガード」即ちユーザのあごを保護するフルフェース型ヘルメット、若しくはフリップアップフルフェース型ヘルメットに設けられたヘルメット部分を備えていない。しかし、当業者には明らかなように、本発明において、外側シェルと一体的に設けられたあごガードを備えるヘルメット、フリップアップ型のあごガードを備えるヘルメット、若しくは取り外し可能なあごガードを備えるヘルメットは、特別な器具を必要としないで、使用することができる。
【0040】
ここで示す安全ヘルメット1は、従来通り、ほぼ透明の保護バイザー(図示せず)を備え、この保護バイザーは、安全ヘルメットの前部開口部3を覆う位置と、その逆に、この前部開口部3から上昇した非係合の位置との間を移動することができる。この保護バイザーは、安全ヘルメット1の外側シェル2の前部開口部3の側部2に自由に枢着または拘束されるか、もしくは、本発明の他の実施例(図示せず)におけるようなヘルメットに設けた作動あごガードに、枢着または拘束されている。
【0041】
また、安全ヘルメット1は、関連する操作機構により、光沢が付けられているか、または光をフィルタすることが出来る防眩性バイザー4を備えている。この防眩性バイザーは、関連する操作装置により、図2a、図2bに示す、ユーザの視界を遮るように下降した位置である、前部開口部3を部分的に係合位置から、図1に示す、ユーザの視界から外れたよう、上昇した位置である前部開口部3の非係合位置へ、ユーザの操作により移動させることが出来る。
【0042】
図1、図2a、図2bに示す安全ヘルメットの実施例においては、外側シェル2と内側シェル26との間に、シート28若しくは溝が設けられている。前部開口部3から上昇した非係合位置へユーザにより移動させた際、シート28の中に、防眩性バイザー4が、収容される。これによって、透明な保護バイザー(図示せず)は、防眩性バイザー4の上部に配置される。即ち防眩性バイザー4に対して、外側シェル2の開口部3から、より離れた位置へ、好ましくは外側シェル2の外側へ移動させられる。
【0043】
他の実施の形態の安全ヘルメット1においては、保護バイザーの外側に防眩性バイザー4を設けたり、防眩性バイザーを収容する溝を設けなかったり、または保護バイザーを設けなかったりすることも可能であるが、これらも本発明の範囲内に含まれる。
【0044】
図3、図4、図5に示す、本発明の別の実施の形態における防眩性バイザー4は、所定の方法で光をフィルタすることが出来る中央部と、例えば、前部開口部3に対し外側シェル2の片側に第1側面支持部8aと、前部開口部3に対し外側シェル2の別の片側に第2側面支持部8bと、それぞれの部材を係止または並設するように、一体的に係合するU字状2個の側端部5a,5bとを備えている。
【0045】
側面支持部8a,8bの両方は、外側シェル2へ一体的に固定されているか、またはそれに単体として形成されたインターフェース治具により、枢軸の回りに回転可能に取り付けられたシートを備えている。それにより、防眩性バイザー4は、外側シェル2に側面支持部8a,8bを介して、側端部5a,5bに枢着されている。
【0046】
防眩性バイザー4の側端部5aと一体的に設けられた第1側面支持部8aは、孔10を備え、この孔10は、例えばプラスチック材料からなる取付けブラケット6bから突出する枢軸7bと係合し、安全ヘルメット1の外側シェル2と一体的に固定される。外側シェル2の内面の形成部6aは、例えば、ねじ若しくはグラブねじにより、ブラケット6bに連結され、これによって、側面支持部8aを正確な位置に保持する。
【0047】
また、防眩性バイザー4の第1側面支持部8aは、形成部6aにネジ止めされて取付けたブラケット6bを介して、安全ヘルメット1の前部開口部3に対し、横方向に外側シェル2へ回転可能に支持され、これによって、ブラケット6bと形成部6aとの間に介在したこの側面支持部8aを、回転可能に拘束している。
【0048】
上記安全ヘルメット1の実施の形態においては、形成部6aは、保護バイザー(図示せず)若しくは安全ヘルメット1のフリップアップあごガードを枢動させる突起7aを備えている。
【0049】
第2側面支持部8bは、外側シェル2に対して防眩性バイザーを回動させるように、前部開口部3に対し、形成部6aと反対側で安全ヘルメット1の外側シェル2の内面の関連部分(図示せず)へ、例えば、ねじやピンを通して簡単に枢着される。
【0050】
防眩性バイザー4が外側シェル2に対し回動するように、日除けバイザー4は、安全ヘルメット1に取り付けられているが、外側シェル2に対するバイザー4の回動は、他の取付け方法、外側シェル2の前部開口部3内に配置された位置と、離脱した位置との間で、日除けバイザーを動かすことが出来るならば、例えば、ガイドの中を滑るような、「シュータイプ」のようなものであっても良い。
【0051】
防眩性バイザー4の側面支持部8aは、一体的に設けられているため、この防眩性バイザー4の操作部を構成し、また、特にここで示される実施の形態において側面支持部8aは、側面支持部8aを枢着させるための孔10に対し、位置的に互いに反対方向の2個のアーム9,22を備えるレバー形状を構成している。
【0052】
添付図面では、外側シェル2の下部と、即ち安全ヘルメット1の下部開口部28と向き合っている側面支持部8aの2個のアーム9のうちの1つは、駆動部13を収容するシート12を備えている。駆動部は、伸張不可能なケーブル14のため、中央に回動枢軸を有する円盤の形状であり、ケーブル14は、制御スライダ18から、防眩性バイザー4における側面支持部8aのアーム9、更には防眩性バイザー4へ運動を伝達する。
【0053】
安全ヘルメット1の図示の実施形態においては、側面支持部8aのアーム9は、安全ヘルメット1の下部開口部28と対向している。また、他の実施形態においては、側面支持部8aのアーム9は、外側シェル2の頂部に、即ち本実施の形態とは反対方向に配置されている。
【0054】
好ましくはプラスチックからなる保護シース29により覆われた可撓性の鋼鉄ストランドにより構成されているケーブル14は、外側シェル2に、ブラケット6bを介して固定された、または一体的に設けられた第1端部15と、外側シェル2と一体的に設けられた非線形形状が可能な直線ガイド17を滑動し、ユーザにより手動操作されることができる制御スライダ18に固定された第2端部16とを備えている。
【0055】
保護シース29の両端は、安全ヘルメット1内部の配置が変わらないように、またケーブル14を所定の経路に通すように、ブラケット6b及びガイド17へそれぞれ安定的に拘束されている。
【0056】
図1、図2a、図2bに示すように、曲線状のガイド17は、ユーザによる制御スライダ18へのアクセスが容易になるよう、ユーザの頭部用の安全ヘルメット1の開口部の側部において、外側シェル2の下部側縁部へ一体的に配置されている。
【0057】
ケーブル14は、少なくとも一方向にガイド17に沿って、制御スライダ18を滑動させることによって滑車13を作動させる。それに従い、支持部8aに滑車13の枢軸が拘束されるため、防眩性バイザー4が作動するよう、滑車13にU字状に巻回されている。
【0058】
可撓性の金属製ケーブル14として、制御スライダ18から、滑車13又は他の同種駆動部へ、それに従い、側面支持部8a及び防眩性バイザー4へ、制御スライダ18の少なくとも1つが、滑動、すなわち一方向に運動伝達が可能な、様々な種類のケーブル又はロープが使用可能である。必要に応じて、操作伝達ケーブルの数は変更可能である。
【0059】
また、可撓性ケーブル14として、関連直線状ガイド17に沿って、制御スライダ18を双方向に滑動するよう、制御スライダ18から1つ以上の駆動部への運動を伝達できる1個以上のボーデンケーブルを使用することもできる。しかし、この場合、1つまたは複数のボーデンケーブルにおいては、制御スライダ18の双方向の運動を伝達出来るように、側面支持部8aと一体に移動する少なくとも2個の駆動部が拘束される必要がある。
【0060】
特に、制御スライダ18はガイド17に沿って作動し、防眩性バイザー4は、滑車13及び側面支持部8aによって構成されるケーブル14を介して、安全ヘルメット1の前部開口部3における係合位置に配置される第1の能動位置と、防眩性バイザー4の前部開口部3から非係合位置に対応する第2の非能動位置とに配置されている。
【0061】
また、制御スライダ18の非能動位置は、直線状ガイド17の後限止部と一致し、一方、能動位置は、ガイド17の前限止部にほぼ一致している。
【0062】
本発明の実施の形態によれば、ケーブル14は、制御スライダ18に与えられた運動を引っぱる方向にのみ伝達することができる可撓性の金属よりなり、ヘルメット1における制御スライダ18を、能動位置へ移動した場合、制御スライダ18の非能動位置は、防眩性バイザー用の弾性復帰手段11を通して得られる。弾性復帰手段11は、非能動位置に戻り、防眩性バイザー4を直接的又は間接的に作動し、これによって、制御スライダ18は非係合位置へ戻る。
【0063】
本発明の実施の形態においては、このように、防眩性バイザー4の側面支持部8aの他のアーム22は、アーム22と外側シェル2との間に機能的に介在した弾性復帰手段11に連結され、特にこの場合は円筒状コイルばねを備えている。また、図4,図5に示すように、その両端は、それぞれ側面支持部8aのアーム22に枢着され、ピン23を通して外側シェル2に一体的に固定されたブラケット6bに、順次枢着されている。
【0064】
防眩性バイザー4は、図5に示すヘルメット1の前部開口部3に下降し、係合位置に配置され、それに従って、スライダ18が能動位置に設定された初期静止位置から伸長するばね11は、図4に示すように、防眩性バイザー4を、上昇した非係合位置、すなわち戻し静止位置に戻すことにより作動し、それに従って、側面支持部8a、滑車13及びケーブル14を介して、制御スライダ18を非能動位置に戻す。
【0065】
図3に示すように、ケーブル14の端部16に拘束されるため、制御スライダ18により、ケーブル14の引っ張り方向へ、ガイド17に沿って制御スライダ18は移動する。ケーブル14は、ばね11に対向しているにも関わらず、他の端部15により、外側シェル2に一体的に設けられているため、滑車13を移動させ、それによって、制御スライダ18は、ガイド17に沿って限止部位置に達するまで、防眩性バイザー4を、上昇位置から下降位置まで移動させる。ここで、能動位置と定義された制御スライダ18の位置は、防眩性バイザー4がヘルメット1の前部開口部3に下降した係合位置と一致する。
【0066】
図3に示すように、制御スライダ18は、ばね11によって、ケーブル14の引っ張り方向と逆の方向へ、ガイド17に沿って移動し、このばね11は、滑車13により、ケーブル14を引っ張り、制御スライダ18を非能動位置に戻す。この非能動位置は、上述のように、ヘルメット1の前部開口部3から上昇した防眩性バイザー4の非係合位置と一致する。
【0067】
防眩性バイザー4の側面支持部8aのアーム22と、外側シェル2一体に設けた関連ブラケット6bのピン23との間に介在させたばね、若しくは他の弾性復帰手段11の使用について、ここで記載されているが、制御スライダ18を非能動位置に戻し、次に、安全ヘルメット1の前部開口部3から上昇とした非係合位置にできるような弾性復帰手段であれば、他の手段を使用してもよいということに留意すべきである。
【0068】
図4及び図5には、上述したように、防眩性バイザー4が、前部開口部3に下降した係合位置にあるとき、ガイド17に沿う制御スライダ18、及び関連ケーブル14の配置と、それに対応する側面支持部8aにおける滑車13及びばね11の配置とをそれぞれ示している。
【0069】
図6(a)〜(c)における、本発明の実施の形態に係る安全ヘルメット1は、制御スライダ18の手動操作一時保持手段20,21,24,25を備え、この手動操作一時保持手段が、防眩性バイザー4のヘルメット1の前部開口部3に下降した係合位置に対応する能動位置にあるとき、この制御スライダ18を作動させる。
【0070】
図6(a)〜(c)に示す、本発明の実施の形態に係る一時保持手段は、直線状ガイド17の限止端部において、枢軸21に枢着されたレバー20と制御スライダ18とを係止し、かつ保持するため、制御スライダ18における少なくとも1つのシート19と係合するようになっている係止爪25を備えている。
【0071】
レバー20は、レバー20とガイド17との間、またはレバー20と外側シェル2との間に介在したばね24によって推進力を受け、このばね24は、係止爪25をシート19と係合したロック位置の方向へ押す。レバー20は、枢軸21に対して係止爪25とは反対側に、ユーザによって手動操作されるアームを有する。ばね24により加えられた力に対向する推進力は、係止爪25を、シート19から一時的に解放し、次いで、制御スライダ18を解放させることができるように構成されている。
【0072】
制御スライダ18の縦断側面図である図6(c)に示すように、本発明の実施の形態において、制御スライダ18は、複数のシート19を画定する歯を有し、このシート19の中に、係止爪25が選択的に係合するように構成されている。
【0073】
直線状ガイド17の長手方向に沿って互いに離隔し、それに従って、これらのシート19の一つに、弾性レバー20の係止爪25が係合することにより、制御スライダ18の運動の方向に沿って、制御スライダ18における複数のシート19は、防眩性バイザー4の下方向の運動量が、係止爪25と選択的に係合されたシート19の機能として変化する。その結果、防眩性バイザー4によって、ユーザの視野を覆う際、ヘルメット1の前部開口部3における防眩性バイザー4のいくつかの位置を、ユーザは確認出来る。
【0074】
しかし、図7で示すように、本発明の別の実施の形態においては、制御スライダ18の製造を簡単にするため、制御スライダ18は、弾性レバー20の係止爪25と係合するための1つのシート19’を備えている。
【0075】
制御スライダ18の係止爪25を備えるレバー20は、上述のように、制御スライダ18を一時的に係止させることができ、この制御スライダ18を、このロックした係合位置へ弾性的に移動させ、手による推進力により、制御スライダ18を解放することができる、他の可動体も適用可能である。
【0076】
また、本発明の実施の形態に係る安全ヘルメットにおいて、制御スライダ18から分離された可動体によって構成されている制御スライダ18の一時保持手段20,21,24,25を使用できるが、制御スライダ18に対する弾性手段11による反発力を解消し、制御スライダ18を所定の位置に保持できる、あらゆる他の手段を設けることも可能である。
【0077】
また、弾性復帰手段11の代わりに、ここでは記載されていないその他の手段として、防眩性バイザー4を手動で非係合位置に戻すべく、制御スライダ18を非能動位置に戻す手段を設け、例えば、ボーデンケーブルの使用、または制御スライダ18を側面支持部8aに連結する支柱の使用することにより、一時保持手段20,21,24,25を不要とすることができる。
【0078】
図1〜図6(c)の実施例に示す、安全ヘルメット1の操作は、以下の通りである。
図1、図4、図6aに示すように、防眩性バイザー4の上昇した位置、即ち外側シェル2の前部開口部3における防眩性バイザー4の非係合位置で、過剰に発光する光源から視界を保護したいユーザは、この制御スライダ18を、このガイド17のほぼ前限止部に配置された能動位置へ滑動させることができる。すなわち、ユーザは、ガイド17に沿って、下限止部の非能動位置にある制御スライダ18を手動操作できる。
【0079】
制御スライダ18による非能動位置(図面の右側)から作動位置、即ち直線状ガイド17の前限止部への運動は、ケーブル14と滑車13との係合によって、防眩性バイザー4へ伝達される。また、図4と図5に示すように、制御スライダ18による運動は、ケーブル14を、制御スライダ18の端部16から引っ張ることを意味し、滑車13にU字状に巻回したそのケーブル部を解きながら移動する。
【0080】
特に、制御スライダ18を能動位置へ移動させることにより、滑車13にU字状に配置したケーブル14の一部を減少させて、滑車13を運動させ、それに伴って、外側シェル2における前部開口部3の係合位置で、支持部8aに一体的に設けられた防眩性バイザー4を下降させるように、枢軸7bを回動させて、側面支持部8aのアーム12を(図面で時計回りに)回動させる。
【0081】
制御スライダ18の運動によって、側面支持部8aの回動は、ばね11の戻し力に対抗して発生する。また、このばね11は、上記のように、側面支持部8aの他のアーム22も作動させ、初期静止位置を超えて伸長するようになっている。
【0082】
前述したように、一端15を、外側シェル2に適切に固定し、他端16を、制御スライダ18に拘束したケーブル14により巻回された滑車13、もしくは他の駆動部を使用することにより、従来技術に比べ、ユーザは、最小の労力で、制御スライダ18を介して、防眩性バイザー4を移動させることが出来る。
【0083】
制御スライダ18が能動位置近傍に移動した後、即ち防眩性バイザー4が、ヘルメット1の前部開口部3の所定の係合配置に達した後に、制御スライダ18の歯は、弾性レバー20の係止爪25と係合し、この弾性レバー20は、関連ばね24により、制御スライダ18のロックした位置の方向へ継続的に推進する。
【0084】
制御スライダ18の歯と係止爪25の適切な傾きにより、制御スライダ18が係止爪25の近傍にある時、係止爪25は、制御スライダ18の歯の斜面により一時的に上昇し、それによって、係止爪25がシート19と係合するまで、ばね24の作動に対抗するため、レバー20を、枢軸21まわりに、(図面で反時計回りに)回動させる。そのシート19の中で、この係止爪25は、ばね24により押圧され、それに従って、レバー20は枢軸21を中心として、反対方向(図面で時計方向)に回動する。
【0085】
この位置において、ユーザが、ガイド17内で制御スライダ18の並進を停止した後、係止爪25は、制御スライダ18の関連シート19の中に安定的に係合し、ヘルメット1の前部開口部3に防眩性バイザー4が必要な係合位置に対応する、ばね25の作動によって、制御スライダ18の能動位置を一時に保持する。
【0086】
日照上の環境の突然の変化などに伴い、ユーザが、防眩性バイザー4を前部開口部3から非係合位置に上昇させたい場合には、係止爪25と反対側のレバー20の突出アームを作動させることができ、それに従って、係止爪25をシート19から非係合させるように、ばね24の抵抗に対抗して、レバー20を、枢軸21を中心として反対側に(反時計回りに)回動させる。
【0087】
この時、制御スライダ18は、レバー20によっては保持されず、防眩性レバー4の側面支持部8aのアーム22に対するばね11の戻り運動により、ガイド17の後限止部に対応する非能動位置に戻る。制御スライダ18は、係止爪25から解除された後、初期静止位置に戻るため、ばね11は収縮しようとする。そこで、アーム22とばね22に拘束されていることにより、側面支持部8aを関連枢軸7bを中心に(図面で示した時計回りに)回動し、これに従い、防眩性バイザー4は、外側シェル2の前部開口部3に初期非係合位置に戻る。
【0088】
側面支持部8aのアーム9の回動により、U字状にケーブル14は、巻回された滑車13の枢軸7bに対応して一体的に回動し、次にケーブル14が作動して、制御スライダ18は、ガイド17に沿って非能動位置に戻る。
【0089】
このようにして、安全ヘルメットの最初の状態は速やかに回復し、当業者に理解しうるように、安全ヘルメット1に震動や打撃が加わる時でさえ、ばね11により、防眩性バイザー4は、非能動位置に安定的に保持される。
【0090】
1 安全ヘルメット
2 外側シェル
3 開口部
4 防眩性バイザー
5a 側端部
5b 側端部
6a 形成部
6b ブラケット
7a 突起
7b 枢軸
8a 側面支持部
8b 第2側面支持部
9 アーム
10 孔
11 弾性復帰手段
12 アーム
13 滑車
14 ケーブル
15 第1端部
16 第2端部
17 ガイド
18 制御スライダ
19 シート
19’ シート
20 レバー
21 枢軸
22 アーム
23 ピン
24 ばね
25 係止爪
26 内側シェル
27 内面
28 開口部
29 保護シース
128 溝

【特許請求の範囲】
【請求項1】
前部開口部(3)を設ける外側シェル(2)と、
衝撃吸収性材料よりなる内側シェル(26)と、
前記開口部(3)が有する少なくとも1つの係合位置と前記開口部(3) が有する少なくとも1つの非係合位置との間で作動可能な、前記外側シェル(2)に拘束した少なくとも1つの防眩性バイザー(4)と、
外側シェル(2)に固着された関連ガイド(17)に滑動自在に連結された、少なくとも1つの操作伝達ケーブル(14)を介して制御スライダ(18)により制御される、前記防眩性バイザー(4)と一体をなす操作部(8a)とを備え、
前記制御スライダ(18)は、前記防眩性バイザー(4)が、前記少なくとも1つの非係合位置に配置された非能動位置と、前記防眩性バイザー(4)が前記少なくとも1つの係合位置に配置された非能動位置との間を、手動により移動可能である安全ヘルメット(1)において、
前記少なくとも1つの操作伝達ケーブル(14)は、前記外側シェル(2)と一体をなす一端(15)と、前記制御スライダ(18)と一体をなす他端(16)とを有し、防眩性バイザー(4)を作動させるべく、防眩性バイザー(4)の操作部(8a)に設けた少なくとも1つの駆動部(13)と係合していることを特徴とする安全ヘルメット(1)。
【請求項2】
前記操作部に設けた少なくとも1つの駆動部(13) は、前記少なくとも1つの操作伝達ケーブル(14)が巻回された滑車を備えている、請求項1に記載の安全ヘルメット。
【請求項3】
前記操作伝達ケーブル(14) は、前記滑車(13)にU字状に巻回されている、請求項2に記載の安全ヘルメット。
【請求項4】
安全ヘルメットが、前記非係合位置へ移動するように、前記少なくとも防眩性バイザー(4)に、直接または間接に作動する弾性復帰手段(11)を備える、請求項1〜3のいずれか1項に記載の安全ヘルメット。
【請求項5】
前記弾性復帰手段(11)は、前記外側シェル(2)と前記防眩性バイザー(4)に拘束された少なくとも1つのばねを備える、請求項4に記載の安全ヘルメット。
【請求項6】
前記操作部(8a)は、レバー状をなし、前記防眩性バイザー(4)を作動させるべく、前記少なくとも1つの駆動部(13)に拘束された少なくとも1つのアーム(9)を備える、請求項1〜5のいずれか1項に記載の安全ヘルメット。
【請求項7】
前記レバーは、前記少なくとも1つのばね(11)に拘束された第2のアーム(22)を備える、請求項5または6に記載の安全ヘルメット。
【請求項8】
安全ヘルメットは、前記制御スライダ(18)の手動操作一時保持手段(20)(24)を備え、前記一時保持手段(20)(24)が作動位置となっているとき、前記制御スライダ(18)は作動するようになっている、請求項1〜7のいずれか1項に記載の安全ヘルメット。
【請求項9】
前記一時保持手段は、前記制御スライダ(18)に係合するロックした位置と、前記制御スライダ(18)とは係合を解除した非係合位置との間で移動可能な、少なくとも1つの可動体(20)を備え、前記可動体(20)は、前記係止した位置へ弾性的に推進するようになっている請求項8に記載の安全ヘルメット。
【請求項10】
前記可動体(20)は、前記制御スライダ(18)に設けられた少なくとも1つの関連シート(19)と係合するための、少なくとも1つの係止爪(25)を備えるレバーである、請求項9に記載の安全ヘルメット。
【請求項11】
前記制御スライダ(18)は、前記係止爪(25)に対して2つ以上のシート(19)を備える、請求項10に記載の安全ヘルメット。
【請求項12】
前記少なくとも1つのケーブル(14)は、可撓性の金属ケーブルである、請求項1〜11のいずれか1項に記載の安全ヘルメット。
【請求項13】
安全ヘルメットは、前記非係合位置にある前記防眩性バイザー(4)を少なくとも一部に収容する少なくとも1つの溝(128)を備え、この溝(128)の少なくとも一部分は、前記外側シェル(2)と前記内側シェル(26)との間に位置している、請求項1〜12のいずれか1項に記載の安全ヘルメット。
【請求項14】
更に保護バイザーを備え、前記防眩性バイザー(4)は、前記保護バイザーの下側に配置されている、請求項1〜13のいずれか1項に記載の安全ヘルメット。
【請求項15】
前記制御スライダ(18)のための前記ガイド(17)は、前記前部開口部(3)の横方向に配置された外側シェル(2)の一部に対応し、外側シェル(2)と一体的に設けられた直線状ガイドである、請求項1〜14のいずれか1項に記載の安全ヘルメット。

【図1】
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【図2a】
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【図2b】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6a】
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【図6b】
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【図6c】
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【図7】
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【公開番号】特開2013−36158(P2013−36158A)
【公開日】平成25年2月21日(2013.2.21)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2012−170864(P2012−170864)
【出願日】平成24年8月1日(2012.8.1)
【出願人】(502336829)ノラングループ ソチエタ ペル アツィオーニ (7)
【Fターム(参考)】