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防腐抗菌組成物
説明

防腐抗菌組成物

【課題】化粧品の防腐抗菌目的に、パラベン類、フェノキシエタノール、安息香酸塩、アルキル鎖長C8〜12のアルキルグリセリルエーテルやアルキル鎖長C8〜12アルキルグリセリンエステルが、しばしば使用されるが、抗菌性、溶解性、安全性が不十分であるため、抗菌性、溶解性、安全性に優れた防腐抗菌組成物を提供する事を目的とする。
【解決手段】モノエステル含量が50重量%以上のモノアルキルモノグリセリルエーテルとモノエステル含量が50重量%以上のモノアルキルポリグリセリルエーテルを含有させることで上記課題を解決する。すなわち本発明は、非イオン界面活性剤からなる抗菌性、溶解性、安全性に優れる防腐抗菌剤組成物に関するものである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、非イオン界面活性剤からなる防腐抗菌剤組成物に関するものである。
【背景技術】
【0002】
化粧料の防腐抗菌剤としては、パラベン類が汎用されているが、皮膚刺激性、アレルギー性、環境ホルモン作用などが報告されており、より人体に安全な防腐抗菌剤が望まれている。そこで、より人体に安全なアルキル鎖長C8〜12のアルキルグリセリルエーテルやアルキル鎖長C8〜12のアルキルグリセリンエステルが使用されている(例えば、特許文献1〜3参照。)。
【0003】
しかしながら、アルキル鎖長C8〜12のアルキルグリセリルエーテルやアルキル鎖長C8〜12のアルキルグリセリンエステルは、水に不溶性であるため化粧料への配合には可溶化や乳化する工夫が必要であることから、抗菌効果に優れ、溶解性が高く、安全性に優れた防腐抗菌剤が求められている。さらに、パラベン類は、可溶化剤を用いて可溶化すると、防腐抗菌効果が不活化されることが知られており、可溶化の必要がない溶解性に優れ、防腐抗菌効果の優れた防腐抗菌剤が求められている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2007−84464号公報
【特許文献2】特開2004−43336号公報
【特許文献3】特開2001−19608号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の目的は、優れた防腐抗菌効果を有し、水への溶解性が良好で、安全性に優れた防腐抗菌組成物を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
パラベン類の代替として用いられる中鎖脂肪酸グリセリン脂肪酸エステルや、エチルヘキシルグリセリルエーテルは、防腐抗菌効果には優れるものの、水溶性が低く、充分な防腐抗菌効果を得るために必要な添加濃度においては、外観は白濁しており、安定性も不十分である。
【0007】
本特許発明者らは、上述の問題点に鑑み、モノエーテル含量が50%以上でアルキル鎖長がC8〜C12のモノアルキルモノグリセリルエーテルと、モノエーテル含量が50%以上でアルキル鎖長がC8〜C12のモノアルキルポリグリセリルエーテルを混合することにより、優れた防腐抗菌性を有し、かつ水に可溶で、安全性に優れた防腐抗菌組成物を発明するに至った。
【0008】
すなわち本発明は、下記成分A及びBを含有する防腐抗菌組成物である。
A:モノエーテル含量が50%以上でアルキル鎖長がC〜C12のモノアルキルモノグリセリルエーテル
Aの構造:R−O−CH−CH(OH)−CH(OH)
(RはC〜C12のアルキル基であり、Rのエーテル結合部位は、グリセリンの1級水酸基又は2級水酸基のどちらでも良い。)

B:モノエーテル含量が50%以上でアルキル鎖長がC〜C12のモノアルキルポリグリセリルエーテル
Bの構造:R−(OCH−CH(OH)−CH−OH
(RはC〜C12のアルキル基であり、Rのエーテル結合部位は、ポリグリセリンの1級水酸基又は2級水酸基のどちらでも良い。nは2以上の整数。)
【発明の効果】
【0009】
本発明の防腐抗菌組成物は、防腐抗菌効果に優れ、水への溶解性が高く、安全性に優れるという利点がある。本発明の防腐抗菌組成物を用いる事により、簡便に防腐抗菌効果が高く、安全性に優れた化粧料を開発することが可能となる。
また、化粧料以外の他の分野への応用として、食器用洗剤、コンタクトレンズ用製剤、医療用製剤及び工業用原料としても好ましく使用することができる。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明は、下記成分A及びBを含有する防腐抗菌組成物である。
A:モノエーテル含量が50%以上でアルキル鎖長がC〜C12のモノアルキルモノグリセリルエーテル
Aの構造:R−O−CH−CH(OH)−CH(OH)
(RはC〜C12のアルキル基であり、Rのエーテル結合部位は、グリセリンの1級水酸基又は2級水酸基のどちらでも良い。)
【0011】
B:モノエーテル含量が50%以上でアルキル鎖長がC〜C12のモノアルキルポリグリセリルエーテル
Bの構造:R−(OCH−CH(OH)−CH−OH
(RはC〜C12のアルキル基であり、Rのエーテル結合部位は、ポリグリセリンの1級水酸基又は2級水酸基のどちらでも良い。nは2以上の整数。)
【0012】
また、本発明の成分Bはポリグリセリン部分の重合度が2〜5量体であり、2〜5量体のいずれかを20%以上を含むことを特徴とする、上記記載の防腐抗菌組成物である。
【0013】
さらに、成分A及びBの質量比が、9.9:0.1〜4:6であることを特徴とする上記記載の防腐抗菌組成物である。
【0014】
また、前記、モノアルキルモノグリセリルエーテル及び/又はモノアルキルポリグリセリルエーテルのアルキル鎖長がCであることを特長とする。
また、本発明は、成分A及びBの合計が、0.01〜20質量%であることを特徴とする、上記の防腐抗菌組成物である。
【0015】
さらに、上記のいずれか記載の防腐抗菌組成物を含有することを特徴とする化粧料組成物である。
【0016】
本発明の防腐抗菌組成物は、他の抗菌剤の1又は2種類以上と併用しても良い。また、本発明の効果を損なわない範囲で、化粧料に用いられる成分、例えば、多価アルコール、高級アルコール、油分、脂肪酸、紫外線吸収剤、粉体、顔料、界面活性剤、糖、高分子、生理活性物質、酸化防止剤、pH調整剤、香料等を配合することが出来るが、これに限定されるものではない。
【0017】
本発明に用いられるモノアルキルグリセリルエーテル、又は、モノアルキルポリグリセリルエーテルの製造方法としては、塩基性触媒の存在下、脂肪族アルコールに該アルコール/グリシドールの存在モル比が特定となるようにグリシドールを添加して反応させる方法、ポリグリセリンにα−オレフィンエポキシドを反応させることによって得られる方法、酸触媒もしくはアルカリ触媒存在下で、アルキルグリシジルエーテルを、グリセリン又はポリグリセリンを用いて開環させる方法等が挙げられ、さらに未反応物等を溶剤により除去する方法や分子蒸留法を組合せることもできるが、特に限定されるものではない。また、本発明に用いられる成分A及び成分Bは、例えば上記記載の方法で、各々合成したのち混合することもできるが、例えば上記記載の方法で、一度の合成工程で成分A及び成分Bの混合物として合成することもできる。
【0018】
本発明の防腐抗菌組成物は、従来のモノアルキルモノグリセリルエーテルと比較すると、水への溶解性が極めて高く、化粧料の防腐抗菌剤として好ましく利用される。本発明の防腐抗菌組成物が対象とする製剤は、化粧料が望ましく、食器用洗剤、コンタクトレンズ用製剤、医療用製剤及び工業用原料としても好ましく使用される。
以下、実施例を示して本発明を具体的に説明するが、本発明は実施例に制限されるものでは無い。
【実施例】
【0019】
実施例
カプリルアルコールに塩基性触媒存在下グリシドールを反応させて得られたカプリルグリセリルエーテルを、分子蒸留を行なって95%のモノカプリルモノグリセリルエーテルを得た(成分A)。カプリルアルコールに塩基性触媒存在下グリシドールを反応させて得られたモノカプリルポリグリセリルエーテルを、分子蒸留を行なって、モノカプリルジグリセリルエーテルを64%、モノカプリルトリグリセリルエーテルを25%、モノカプリルテトラグリセリルエーテルを11%含むモノカプリルポリグリセリルエーテルを得た(成分B)。
【0020】
これらの成分A及び成分Bを、表1に示した割合でビーカーに量り取り、均一になるまで良く撹拌し本発明品A〜E(実施例1〜5)を得た。さらに、これらの発明品A〜Eを用いて、表2の配合で化粧料組成物(化粧水及び乳液)を調製し、本発明品F〜O(実施例6〜15)を得た。なお、表の比率は質量%を示す。
【0021】
本発明品の組成
【表1】

【0022】
本発明品A〜Eを含有する化粧料組成物(化粧水)
【表2】

【0023】
本発明品A〜Eを含有する化粧料組成物(乳液)
【表3】

【0024】
比較例
比較例として、実施例記載のモノカプリルモノグリセリルエーテル(成分A)及びモノカプリルポリグリセリルエーテル(成分B)を、表4に示した割合でビーカーに量り取り、均一になるまで良く撹拌し比較品1〜3を得た。また、化粧料、洗浄料、医薬品に汎用される防腐剤であるメチルパラベン(比較品4)、フェノキシエタノール(比較品5)、エチルヘキシルグリセリルエーテル(比較品6)、カプリルグリセリルエーテル(比較品7)、ペンタンジオール(比較品8)は、市販の試薬を購入した。さらに、これらの比較品1〜8を用いて、表5及び表6の配合で化粧料組成物(化粧水及び乳液)を調製し、比較品9〜24を得た。なお、表の比率は質量%を示す。
【0025】
比較品の組成
【表4】

【0026】
比較品1〜8を含有する化粧料組成物(化粧水)
【表5】

【0027】
比較品1〜8を含有する化粧料組成物(乳液)
【表6】

【0028】
試験例1.溶解性試験
本発明品A〜E(実施例1〜5)と、比較品1〜8について、水への溶解性の比較試験を行った。
【0029】
<試験方法>
発明品及び比較品について、0.1%、0.5%、1%、10%、20%の水溶液を調製した。外観を目視にて確認し、さらに分光光度計を用いて20℃での波長650nmにおける透過率を測定した。
<試験結果>
結果を表7に示した。
【0030】
水溶解性の試験結果
【表7】

【0031】
※表中の上段は透過率。下段は目視評価。上段の「−」は、分離や沈殿により透過率が測定不能のため測定値なし。
以上の結果より、本発明品は優れた水溶解性を示した。
【0032】
試験例2.防腐効力試験
本発明品及び比較例について、防腐効力試験を行った。
【0033】
<試験方法>
試験液の調製にあたっては、実際に化粧品等に使用される濃度を勘案し、本発明品A〜E(実施例1〜5)、比較品1〜3及び比較品6〜7は1%水溶液を調製し、検体とした。比較品4は0.1%、比較品5は0.3%、比較品8は2.0%水溶液を調製し、検体とした。
また、本発明品F(実施例6)〜本発明品O(実施例15)並びに比較品9〜24の化粧料組成物は、そのまま検体とした。
【0034】
上記記載の検体液10ミリリットル(又はグラム)に、各種液体培地で培養し、107〜9cfuに調整した下記菌液100マイクロリットルを接種し、試験液とした。試験液の生菌数を、7日目、14日目、21日目毎に測定し、21日目の生菌数の残存数から抗菌性を評価した。
【0035】
菌1;大腸菌(Escherichia coli)
菌2;黄色ブドウ球菌(Staphylococcus aureus)
菌3;クロコウジカビ(Aspergillus niger)
【0036】
<試験結果>
防腐効力試験の結果を表8〜46に示した。
【0037】
【表8】

【0038】
【表9】

【0039】
【表10】

【0040】
【表11】

【0041】
【表12】

【0042】
【表13】

【0043】
【表14】

【0044】
【表15】

【0045】
【表16】

【0046】
【表17】

【0047】
【表18】

【0048】
【表19】

【0049】
【表20】

【0050】
【表21】

【0051】
【表22】

【0052】
【表23】

【0053】
【表24】

【0054】
【表25】

【0055】
【表26】

【0056】
【表27】

【0057】
【表28】

【0058】
【表29】

【0059】
【表30】

【0060】
【表31】

【0061】
【表32】

【0062】
【表33】

【0063】
【表34】

【0064】
【表35】

【0065】
【表36】

【0066】
【表37】

【0067】
【表38】

【0068】
【表39】

【0069】
【表40】

【0070】
【表41】

【0071】
【表42】

【0072】
【表43】

【0073】
【表44】

【0074】
【表45】

【0075】
【表46】

【0076】
以上の結果より、本発明品A(実施例1)〜本発明品O(実施例15)は、21日目で全ての菌が検出限界以下に減少しており、化粧料、洗浄料、医薬品に汎用される防腐剤と同等又はそれ以上の防腐抗菌効果を有していることが示された。
試験例1及び2で明らかな通り、本発明は、水に対する溶解性に優れ、かつ防腐抗菌効果にも優れるものである。
【産業上の利用可能性】
【0077】
本発明の防腐抗菌組成物は、様々な洗浄料、化粧料、医療用製剤及び工業用原料等数多くの分野に応用することができ、また、簡便に安全性に優れた化粧料、洗浄料を提供することができるようになり、産業上貢献非常に大である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記成分A及びBを含有する防腐抗菌組成物。
A:モノエーテル含量が50%以上でアルキル鎖長がC〜C12のモノアルキルモノグリセリルエーテル
Aの構造:R−O−CH−CH(OH)−CH(OH)
(RはC〜C12のアルキル基であり、Rのエーテル結合部位は、グリセリンの1級水酸基又は2級水酸基のどちらでも良い。)
B:モノエーテル含量が50%以上でアルキル鎖長がC〜C12のモノアルキルポリグリセリルエーテル
Bの構造:R−(OCH−CH(OH)−CH−OH
(RはC〜C12のアルキル基であり、Rのエーテル結合部位は、ポリグリセリンの1級水酸基又は2級水酸基のどちらでも良い。nは2以上の整数。)
【請求項2】
成分Bは、ポリグリセリン部分の重合度が2〜5量体であり、2〜5量体のいずれかを20%以上を含む請求項1記載の防腐抗菌組成物。
【請求項3】
成分A及びBの質量比が、9.9:0.1〜4:6である請求項1又は2記載の防腐抗菌組成物。
【請求項4】
モノアルキルモノグリセリルエーテル及び/又はモノアルキルポリグリセリルエーテルのアルキル鎖長がCである請求項1〜3いずれか記載の防腐抗菌組成物。
【請求項5】
成分A及びBの合計が、0.01〜20質量%である請求項1〜4いずれか記載の防腐抗菌組成物。
【請求項6】
請求項1〜5いずれか記載の防腐抗菌組成物を含有することを特徴とする透明化粧料組成物。

【公開番号】特開2013−95729(P2013−95729A)
【公開日】平成25年5月20日(2013.5.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−241866(P2011−241866)
【出願日】平成23年11月4日(2011.11.4)
【出願人】(000204181)太陽化学株式会社 (244)
【Fターム(参考)】