防臭・防カビ装置付車用空調設備
【目的】本考案は従来の車用空調設備の不快なカビ臭や腐敗臭等のないさわやかな空調を行う。
【構成】本考案は車用空調設備においてヒーターコアの熱によるカビや雑菌の繁殖を抑える為、エバポレーター部分にバイパスダクトと電磁三方弁を設け断熱材で熱の遮断を行い、又車使用時はコンプレッサーを常に経済運転で作動させ、エバポレーターの温度を10度以下に抑えて、カビ臭や雑菌の繁殖のない快適な空調を行う事の出来る車用空調設備である。
【構成】本考案は車用空調設備においてヒーターコアの熱によるカビや雑菌の繁殖を抑える為、エバポレーター部分にバイパスダクトと電磁三方弁を設け断熱材で熱の遮断を行い、又車使用時はコンプレッサーを常に経済運転で作動させ、エバポレーターの温度を10度以下に抑えて、カビ臭や雑菌の繁殖のない快適な空調を行う事の出来る車用空調設備である。
【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】
本考案はすべての車に使う事の出来る防臭・防カビ装置付空調設備である。
【0002】
【従来の技術】
今までの車用空調設備はヒーターコアの熱がカビや雑菌の繁殖の原因で有る事に気付かずに熱対策を行わず、エバポレーター部分の温度が高く、その為殆どすべての車の空調設備がカビ臭や腐敗臭に悩まされているのが実状である。ちなみにカビの繁殖は水分と養分となる埃と温かい25度前後の温度が最適なのである。そしてエバポレーター部分は夏冬問わず一年中ヒーターコアの熱により、エンジン回転時には冷却水が約80度前後になり、その為20度から30度に温度が上昇している。又、エンジン停止後においても熱い冷却水が冷めるまでの3時間から6時間もの長い間空気と水の対流により、15度から25度の温度が保たれている。その高い温度がカビや雑菌を繁殖させる主原因であり、現在の車用空調設備の構造的欠陥である。
【0003】
【考案が解消しようとする課題】
構造的に説明すると、車用空調設備は冷房用エバポレーターと暖房用ヒーターコア、そしてそれをつなぐダクト、風を送るファン、以上から成り立っている。
殆どの機種はダクト内にファンがあり、風は吸入口からエバポレーターへそして暖房用ヒーターを通り各吹き出し口へと流れる。
現在使用されている車用空調設備は埃を防ぐエアーフィルターも殆ど装備されていない。このためエバポレーターはフィンの間に埃が大量に付着している。又、エバポレーターは除湿しながら冷房を行う構造となっている。そして暖房時の雨天等の湿度が高い時にファンを回すとエバポレーターは温度差により結露してしまう。そのため水分の除去は不可能である。暖房時にはダクト内部の温度はファンの回転又は停止にかかわらず、ヒーターコアの熱により上昇する。このため、一年中エバポレーターは常にカビや雑菌繁殖の適温範囲の15度から25度となっている。これがエバポレーターがカビや雑菌繁殖の温床となる原因である。
従って、カビや雑菌の繁殖の要素の一つの温度を低く保てばこれを防ぐことができる。つまり、エバポレーター部分の温度を低く保つ事が課題である。
【0004】
【課題を解決する為の手段】
本考案は車用空調設備のエバポレーター部分が温められるのを防ぐ対策として次の方法を考案した。エバポレーター部分にバイパスダクトと電磁三方弁を設ける。暖房時及びエンジン停止時には、エバポレーターは2ケの電磁三方弁によって密閉する。これによりヒーターコアで温められた空気はエバポレーターには流れず、ヒーターコアからバイパスダクトの方に流れる。従ってヒーターコアの熱はエバポレーターを温める事はなく、低温を保つ事が出来る。
又、冷房時及び除湿暖房時には車内や車外から温度の高い風がファンにより吸入されても、エバポレーター内部の温度は2度前後に冷えているので、カビや雑菌は繁殖しないのである。この冷房時及び除湿暖房時にはバイパスダクトが電磁三方弁によって密閉される。そして風は吸入口から入りエバポレーターで冷やされ、ヒーターコアを通り各吹き出し口へと流れるのである。又、車用空調設備を使用しない時にはエンジン回転時は常にコンプレッサーの経済運転を行い、ファンを回転させす、エバポレーター部分の温度を10度以下に抑えるリレーを設ける。そして、エバポレーター部分は、しっかりと断熱材で覆う。この断熱を厳密に行えば、コンプレッサーの作動時間も短くなり、燃費のロスは非常に低く抑える事が出来る。
【0005】
【作用】
本考案により、エバポレーター内の温度が上昇する事がないので、カビや雑菌の繁殖が抑えられ、カビ臭のない快適な車内の空調が可能となる。
【0006】
【実施例】
以下、添付図面に従って実施例を説明する。12は冷房用エバポレーター、13は暖房用ヒーターコア、17はそれを結ぶ空気用ダクトである。5はバイパスダクト、1と2は電磁三方弁である。12のエバポレーターの温度上昇を抑える為、暖房時及びエンジン停止時は1と2の電磁三方弁が18の空気吸入口と19の空気排出口をふさぎ、温かい空気が12のエバポレーター部分へ流れるのを防ぐのである。そして20と16はエバポレーター部分とヒーターコア部分の断熱材である。21のリレーにより、エバポレーター部分は、エンジン回転時は常に10度以下に保つ様にする。空調設備のスイッチがオフの時は、ファンを回転させず、コンプレッサーのみを作動させる。エバポレーターの断熱材で覆われた小さな空間のみを冷やすのには、コンプレッサーは短い時間の作動で済むのである。
冷房時と除湿暖房時のエバポレーターは2度前後まで温度が下がるので温かい空気が通ってもヒーターコアの熱の影響は受けずカビや雑菌の繁殖は抑えられる。従来の車用空調設備はこのバイパスダクトや電磁三方弁がついておらず、エバポレーターは冷却水の温度が高い間中温められカビや雑菌の温床となっているのが現状である。
3と4は熱遮断用電磁弁である。空調設備のスイッチがオフの時はこの電磁弁を閉める。これによりダクト内の温度上昇を抑えダクト内やファンへのカビと雑菌の発生も抑える事が出来るのである。
【0007】
【考案の効果】
本考案の採用により、エバポレーター内部及びダクト内やファンまでもカビや雑菌の繁殖が抑えられ、現在まで放置されていた車内へのカビの胞子の散乱やカビ臭などの不健康な状態が改善され、さわやかで快適な車の空調が可能となるのである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本考案の防臭・防カビ装置付車用空調設備の正面図である。
【符号の説明】
1 バイパスダクトとエバポレーターの空気の流れを切り換える吸入口用電磁三方弁
2 バイパスダクトとエバポレーターの空気の流れを切り換える排出口用電磁三方弁
3 ヒーターコアの熱遮断用吸入口用電磁弁
4 ヒーターコアの熱遮断用排出口用電磁弁
5 バイパスダクト
6 フロントガラス用デフロスター
7 フロント用ダッシュボード吹き出し口
8 足元用吹き出し口
9 外気導入口
10 室内空気導入口
11 ファン
12 冷房用エバポレーター
13 暖房用ヒーターコア
14 冷却水用パイプ
15 冷却水用パイプ
16 断熱材
17 エバポレーターとヒーターコアをつなぐダクト
18 エバポレーター空気吸入口
19 エバポレーター空気排出口
20 断熱材
21 コンプレッサー作動用リレー
【0001】
【産業上の利用分野】
本考案はすべての車に使う事の出来る防臭・防カビ装置付空調設備である。
【0002】
【従来の技術】
今までの車用空調設備はヒーターコアの熱がカビや雑菌の繁殖の原因で有る事に気付かずに熱対策を行わず、エバポレーター部分の温度が高く、その為殆どすべての車の空調設備がカビ臭や腐敗臭に悩まされているのが実状である。ちなみにカビの繁殖は水分と養分となる埃と温かい25度前後の温度が最適なのである。そしてエバポレーター部分は夏冬問わず一年中ヒーターコアの熱により、エンジン回転時には冷却水が約80度前後になり、その為20度から30度に温度が上昇している。又、エンジン停止後においても熱い冷却水が冷めるまでの3時間から6時間もの長い間空気と水の対流により、15度から25度の温度が保たれている。その高い温度がカビや雑菌を繁殖させる主原因であり、現在の車用空調設備の構造的欠陥である。
【0003】
【考案が解消しようとする課題】
構造的に説明すると、車用空調設備は冷房用エバポレーターと暖房用ヒーターコア、そしてそれをつなぐダクト、風を送るファン、以上から成り立っている。
殆どの機種はダクト内にファンがあり、風は吸入口からエバポレーターへそして暖房用ヒーターを通り各吹き出し口へと流れる。
現在使用されている車用空調設備は埃を防ぐエアーフィルターも殆ど装備されていない。このためエバポレーターはフィンの間に埃が大量に付着している。又、エバポレーターは除湿しながら冷房を行う構造となっている。そして暖房時の雨天等の湿度が高い時にファンを回すとエバポレーターは温度差により結露してしまう。そのため水分の除去は不可能である。暖房時にはダクト内部の温度はファンの回転又は停止にかかわらず、ヒーターコアの熱により上昇する。このため、一年中エバポレーターは常にカビや雑菌繁殖の適温範囲の15度から25度となっている。これがエバポレーターがカビや雑菌繁殖の温床となる原因である。
従って、カビや雑菌の繁殖の要素の一つの温度を低く保てばこれを防ぐことができる。つまり、エバポレーター部分の温度を低く保つ事が課題である。
【0004】
【課題を解決する為の手段】
本考案は車用空調設備のエバポレーター部分が温められるのを防ぐ対策として次の方法を考案した。エバポレーター部分にバイパスダクトと電磁三方弁を設ける。暖房時及びエンジン停止時には、エバポレーターは2ケの電磁三方弁によって密閉する。これによりヒーターコアで温められた空気はエバポレーターには流れず、ヒーターコアからバイパスダクトの方に流れる。従ってヒーターコアの熱はエバポレーターを温める事はなく、低温を保つ事が出来る。
又、冷房時及び除湿暖房時には車内や車外から温度の高い風がファンにより吸入されても、エバポレーター内部の温度は2度前後に冷えているので、カビや雑菌は繁殖しないのである。この冷房時及び除湿暖房時にはバイパスダクトが電磁三方弁によって密閉される。そして風は吸入口から入りエバポレーターで冷やされ、ヒーターコアを通り各吹き出し口へと流れるのである。又、車用空調設備を使用しない時にはエンジン回転時は常にコンプレッサーの経済運転を行い、ファンを回転させす、エバポレーター部分の温度を10度以下に抑えるリレーを設ける。そして、エバポレーター部分は、しっかりと断熱材で覆う。この断熱を厳密に行えば、コンプレッサーの作動時間も短くなり、燃費のロスは非常に低く抑える事が出来る。
【0005】
【作用】
本考案により、エバポレーター内の温度が上昇する事がないので、カビや雑菌の繁殖が抑えられ、カビ臭のない快適な車内の空調が可能となる。
【0006】
【実施例】
以下、添付図面に従って実施例を説明する。12は冷房用エバポレーター、13は暖房用ヒーターコア、17はそれを結ぶ空気用ダクトである。5はバイパスダクト、1と2は電磁三方弁である。12のエバポレーターの温度上昇を抑える為、暖房時及びエンジン停止時は1と2の電磁三方弁が18の空気吸入口と19の空気排出口をふさぎ、温かい空気が12のエバポレーター部分へ流れるのを防ぐのである。そして20と16はエバポレーター部分とヒーターコア部分の断熱材である。21のリレーにより、エバポレーター部分は、エンジン回転時は常に10度以下に保つ様にする。空調設備のスイッチがオフの時は、ファンを回転させず、コンプレッサーのみを作動させる。エバポレーターの断熱材で覆われた小さな空間のみを冷やすのには、コンプレッサーは短い時間の作動で済むのである。
冷房時と除湿暖房時のエバポレーターは2度前後まで温度が下がるので温かい空気が通ってもヒーターコアの熱の影響は受けずカビや雑菌の繁殖は抑えられる。従来の車用空調設備はこのバイパスダクトや電磁三方弁がついておらず、エバポレーターは冷却水の温度が高い間中温められカビや雑菌の温床となっているのが現状である。
3と4は熱遮断用電磁弁である。空調設備のスイッチがオフの時はこの電磁弁を閉める。これによりダクト内の温度上昇を抑えダクト内やファンへのカビと雑菌の発生も抑える事が出来るのである。
【0007】
【考案の効果】
本考案の採用により、エバポレーター内部及びダクト内やファンまでもカビや雑菌の繁殖が抑えられ、現在まで放置されていた車内へのカビの胞子の散乱やカビ臭などの不健康な状態が改善され、さわやかで快適な車の空調が可能となるのである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本考案の防臭・防カビ装置付車用空調設備の正面図である。
【符号の説明】
1 バイパスダクトとエバポレーターの空気の流れを切り換える吸入口用電磁三方弁
2 バイパスダクトとエバポレーターの空気の流れを切り換える排出口用電磁三方弁
3 ヒーターコアの熱遮断用吸入口用電磁弁
4 ヒーターコアの熱遮断用排出口用電磁弁
5 バイパスダクト
6 フロントガラス用デフロスター
7 フロント用ダッシュボード吹き出し口
8 足元用吹き出し口
9 外気導入口
10 室内空気導入口
11 ファン
12 冷房用エバポレーター
13 暖房用ヒーターコア
14 冷却水用パイプ
15 冷却水用パイプ
16 断熱材
17 エバポレーターとヒーターコアをつなぐダクト
18 エバポレーター空気吸入口
19 エバポレーター空気排出口
20 断熱材
21 コンプレッサー作動用リレー
【実用新案登録請求の範囲】
【請求項1】車用空調設備のエバポレーター部分にバイパスダクトと電磁三方弁を設ける。冷房用コンプレッサーの作動していないときとエンジン停止時に、ヒーターコアの熱によりエバポレーター部分が温められるのを防ぐ為、電磁三方弁でエバポレーターへの空気の流通を遮断する。
【請求項2】冷房及び除湿暖房中だけでなく、エンジン作動中はコンプレッサーを作動させ、エバポレーター部分の温度を10度以下に抑える。ただし、車用空調設備のスイッチがオフの時はファンの回転は止めておく。
【請求項3】エバポレーター部分を断熱材で覆う。これにより、コンプレッサー作動時間を短縮でき、燃費のロスを低く抑える事が出来る。この三点を行う事により、腐敗臭やカビ臭のない清潔な車用空調設備となる。
【請求項1】車用空調設備のエバポレーター部分にバイパスダクトと電磁三方弁を設ける。冷房用コンプレッサーの作動していないときとエンジン停止時に、ヒーターコアの熱によりエバポレーター部分が温められるのを防ぐ為、電磁三方弁でエバポレーターへの空気の流通を遮断する。
【請求項2】冷房及び除湿暖房中だけでなく、エンジン作動中はコンプレッサーを作動させ、エバポレーター部分の温度を10度以下に抑える。ただし、車用空調設備のスイッチがオフの時はファンの回転は止めておく。
【請求項3】エバポレーター部分を断熱材で覆う。これにより、コンプレッサー作動時間を短縮でき、燃費のロスを低く抑える事が出来る。この三点を行う事により、腐敗臭やカビ臭のない清潔な車用空調設備となる。
【図1】
【登録番号】第3008311号
【登録日】平成6年(1994)12月21日
【発行日】平成7年(1995)3月14日
【考案の名称】防臭・防カビ装置付車用空調設備
【国際特許分類】
【評価書の請求】有
【出願番号】実願平6−3826
【出願日】平成6年(1994)3月9日
【出願人】(593020452)
【登録日】平成6年(1994)12月21日
【発行日】平成7年(1995)3月14日
【考案の名称】防臭・防カビ装置付車用空調設備
【国際特許分類】
【出願番号】実願平6−3826
【出願日】平成6年(1994)3月9日
【出願人】(593020452)
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