説明

防蝉光ファイバ心線

【課題】可撓性(柔軟性)を保持しながら、クマゼミの産卵管の刺入による光ファイバ素線の損傷や断線の恐れがないものとする。
【解決手段】光ファイバ素線1の上に、紫外線硬化樹脂からなる内層2と、高強度樹脂からなる外層3を順次形成してなる光ファイバ心線4である。外層3は、ナイロン、ポリウレタン、フッ素樹脂、高密度ポリエチレンのいずれかからなる。ナイロン等は、クマゼミ等の昆虫の産卵管を刺入できない高い強度を有するため、その産卵管の刺入により、光ファイバ素線が損傷したり、断線したりする恐れはない。また、紫外線硬化樹脂は一般的に柔軟性があるため、内外層を高強度の樹脂からなる光ファイバに比べれば、可撓性が優れたものとなる。このため、この構成の光ファイバ心線は、可撓性を保持しながら、クマゼミの産卵管の刺入による光ファイバ素線の損傷や断線の恐れがないものとなる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、クマゼミ等の昆虫の産卵管刺入による被害を防止した光ファイバ心線に関する。
【背景技術】
【0002】
光ファイバ心線は、本願に係る発明の一実施例を示す図1を参照して説明すると、光ファイバ素線1の上に、紫外線硬化樹脂からなる内層2と、ポリエチレン等の樹脂外層(外被)3を順次形成してなる構成である(特許文献1図1、特許文献2図1参照)。
【特許文献1】特開2002−090593号公報
【特許文献2】特開平11−194242号公報
【0003】
この光ファイバ心線4は、屋外にも設置され、その設置個所には種々の昆虫が飛来する。その昆虫の中には、樹皮内に直接産卵管を刺入して卵を産み付ける習性をもつもの、樹皮に咬み疵を付け、その疵を経て樹皮内に卵を産み付ける習性をもつもの等がいる。
こうした習性をもつ昆虫、とりわけ強力な産卵管を持つクマゼミが、光ファイバ心線4の外被3に卵を産み付けると、その産み付けの際、産卵管を外皮3に刺入させて光ファイバ素線1を損傷させ、あるいは断線させる事故が起きる恐れがある。
このようなクマゼミの産卵管刺入による事故を防止する対策技術として、その産卵の可能性のあるノッチに工夫をしたものはある(特許文献1 要約参照)。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記特許文献1に記載の工夫は、ノッチの頂点を光ファイバ素線1に向かない位置にして、その産卵管の刺入方向を光ファイバ素線1に向かないようにしたものである。
しかし、昆虫が、必ずしも、ノッチの形成態様に基づきその光ファイバ素線1に向かない方向に(頂点に向かって)産卵管を刺入するとは限らず、光ファイバ素線1に向って刺入する場合もある。その場合には、光ファイバ素線1を損傷させ、あるいは断線させる恐れがある。
【0005】
この発明は、クマゼミ等の昆虫の産卵管の刺入を直接的に阻止することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、この発明は、上記外層をクマゼミ等の昆虫の産卵管を刺入できない高強度の樹脂により形成することとしたのである。
このような外層とすれば、クマゼミ等の昆虫の産卵管が刺入されることがなく、その産卵管の刺入により光ファイバ素線が損傷したり、断線したりする恐れはない。
【発明の効果】
【0007】
この発明は、以上のように構成したので、クマゼミ等の昆虫の産卵管の刺入による光ファイバ素線の損傷及び断線の恐れがないものとなる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
この発明の実施形態としては、光ファイバ素線の上に、紫外線硬化樹脂からなる内層と、クマゼミ等の昆虫の産卵管を刺入できない高強度の樹脂からなる外層を順次形成した構成を採用することができる。
紫外線硬化樹脂は一般的に柔軟性(可撓性)があるため、内外層を高強度の樹脂からなるものに比べれば、この実施形態に係る光ファイバ心線は、柔軟性が優れたものとなる。
このため、特許文献2に記載の光ファイバ心線のように柔軟性があって、クマゼミ等の昆虫の産卵管の刺入による光ファイバ素線の損傷及び断線の恐れがないものとなる。
【0009】
上記外層の材料としては、クマゼミ等の昆虫の産卵管を刺入できない強度を有するものであれば、いずれの樹脂でも良いが、例えば、ナイロン、ポリウレタン、フッ素樹脂、高密度ポリエチレン等を適宜に選択する。
【実施例】
【0010】
図1に一実施例を示し、図中の1は、一般的な外径:250μmの光ファイバ素線、同2は、厚さ:125μmの内層で、その素材はこれまで一般的に採用されてきた柔軟性のある紫外線硬化樹脂である。同3は、厚さ:200μmの外層で、その素材はナイロン、ポリウレタン、フッ素樹脂あるいは高密度ポリエチレンのいずれかであって、クマゼミ等の昆虫の産卵管を刺入できない強度を有するものである。
【0011】
この実施例をクマゼミの飛来する環境下に置いたところ、クマゼミの産卵管の刺入跡が全く見られなかった。
また、可撓性を有して施工性も良いものであった。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】一実施例の断面図
【符号の説明】
【0013】
1 光ファイバ素線
2 内層
3 外層
4 光ファイバ心線

【特許請求の範囲】
【請求項1】
光ファイバ素線(1)の上に、紫外線硬化樹脂からなる内層(2)と、クマゼミ等の昆虫の産卵管を刺入できない高強度の樹脂からなる外層(3)を順次形成してなる光ファイバ心線。
【請求項2】
上記外層(3)は、ナイロン、ポリウレタン、フッ素樹脂、高密度ポリエチレンのいずれかからなる請求項1に記載の光ファイバ心線。

【図1】
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