説明

防錆顔料組成物

【課題】有害な重金属および亜鉛成分を含まず、防錆性能がすぐれ、水系塗料に配合した場合貯蔵安定性に悪影響しないリン酸塩型防錆顔料組成物を提供する。
【解決手段】(a)トリポリリン酸二水素アルミニウム、オルトリン酸アルミニウム、メタリン酸アルミニウムおよびリン酸水素チタンよりなる群から選ばれた水難溶性リン酸塩、 (b)カルシウムの酸化物、水酸化物または炭酸塩、および (c)マグネシウムの酸化物、水酸化物または炭酸塩の3成分のうち、(a)成分と(b)成分の2成分か、または(a)成分、(b)成分および(c)成分の3成分を含み、 重量基準で(a):(b)が1:0.05ないし1:5であり、(c)成分を含む場合(a):(c)が1:0.1ないし1:1であることを特徴とする防錆顔料組成物。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、防錆顔料組成物に関する。さらに詳しくは、本発明は、無公害で、かつ防錆性能が優れ、しかも世界的な環境問題の高まりの中、VOC(揮発性有機化合物)規制に伴って今後の伸びが期待される水系塗料に配合した場合でも、貯蔵安定性が優れた防錆顔料組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
世界的な環境意識の高まりからVOCの規制により、徐々にではあるが、従来の溶剤系塗料から粉体塗料や水系塗料への移行が行われている。又、環境意識より六価クロムや鉛など有害な重金属を排除する流れの中、防錆顔料においても、クロム、鉛を含まない環境対応型のものへの代替が進んでいる。これらの環境対応型防錆顔料の主流は、リン酸塩系、特にリン酸亜鉛を成分とするものが多い。しかし、欧州では亜鉛成分が水棲生物の成長を阻害するとのデータより、67/548/EEC欧州危険物質リストにリン酸亜鉛、酸化亜鉛が掲載され、リン酸亜鉛、酸化亜鉛を含む顔料組成物や塗料などには危険物質のラベル表示が義務づけられている。日本国内でも酸化亜鉛は労働安全衛生法の通知対象物質であり、GHSの危険性シンボルを記入したMSDSによる通知が必要となってくる。米国においては、カリフォルニア州法にて亜鉛の排出が規制されている。これらの背景から水系塗料に適した亜鉛フリー防錆顔料が切望されていた。ただ、鋼板に対する防錆には亜鉛成分は必須と考えられており、亜鉛成分を含まず高い防錆性を発現させることは非常に難しい。さらに、水系塗料での安定性も考慮する必要がある。
【0003】
近年は、鉛、クロムなどの重金属元素に対する公害規制が強化され、それに伴って、無公害のリン酸系防錆顔料の使用量が大きく伸びている。特に層状リン酸塩であるトリポリリン酸二水素アルミニウムを配合した防錆顔料組成物は優れた防錆性能を有していて、重金属を含有しない無公害型防錆顔料として、溶剤系、水系、粉体系など、各種の塗料系で広範囲に使用されている(特開昭55−160059号公報)。しかしながら、上記トリポリリン酸二水素アルミニウムをはじめ、層状リン酸塩を配合した防錆顔料組成物は、水系塗料での貯蔵安定性を向上させるために、塗料配合上の工夫を必要とする場合があり、VOC(揮発性有機化合物)規制によって、塗料が溶剤系から水系へ移行する技術動向に対して充分に対応できないという問題があった。したがって、本発明は、層状リン酸塩を水系塗料にも充分に適応できるようにして、水系塗料に配合した場合でも貯蔵安定性が優れ、かつ防錆性能が優れた亜鉛成分を含まない防錆顔料組成物を提供することを目的とする。
【0004】
リン酸塩系防錆顔料として最も普及しているトリポリリン酸二水素アルミニウムはプロトンを含んでいる1種の固体酸である。そのため水系塗料に添加すると貯蔵中増粘、ゲル化などが発生し、貯蔵安定性に悪影響する。そのため本出願人の特許第3186908号は、トリポリリン酸二水素アルミニウムのプロトンを部分的にアンモニアで置換し、これを酸化亜鉛またはアルカリ土類金属の酸化物もしくは水酸化物を組合せて、水系塗料を配合した場合でも貯蔵安定性に悪影響しない無公害型防錆顔料を提供する。しかしながらアンモニアは劇物であり、かつ悪臭を発するのでその使用は好ましくはない。亜鉛成分を含まない防錆顔料として特許第3004486号、特許第3440325号等が開示されているが、トリポリリン酸二水素アルミニウムが有する固体酸の影響により、一般的な水系塗料中では貯蔵安定性が悪い。
【0005】
それ故有害重金属および亜鉛を含まず、防錆性能にすぐれ、水系塗料に配合しても貯蔵安定性に悪影響しないリン酸塩型防錆顔料組成物の提供が望まれる。
【発明の開示】
【0006】
本発明は、
(a)トリポリリン酸二水素アルミニウム、オルトリン酸アルミニウム、メタリン酸アルミニウムおよびリン酸水素チタンよりなる群から選ばれた水難溶性リン酸塩、
(b)カルシウムの酸化物、水酸化物または炭酸塩、および
(c)マグネシウムの酸化物、水酸化物または炭酸塩の3成分のうち、(a)成分と(b)成分の2成分か、(a)成分、(b)成分および(c)成分の3成分を含み、重量基準で(a):(b)が1:0.05ないし1:5であり、(c)成分を含む場合(a):(c)が1:0.1ないし1:1であることを特徴にする。
【0007】
好ましくは、(a)成分はトリポリリン酸二水素アルミニウムであり、(b)成分は水酸化カルシウムであり、(c)成分は酸化マグネシウムである。
【0008】
本発明の防錆顔料組成物は、(a)成分を、(b)成分単独または(b)成分と(c)成分と湿式で反応させることによって調製される。湿式反応はバッチ式、連続式のいずれでも可能であり、(a)成分に対する他の成分の混合順序は任意である。湿式反応の反応温度は室温から80℃までの範囲が適しており、反応時間は通常30分〜3時間が好ましい。反応終了後は、反応スラリーを濾過、乾燥し、得られた乾燥物を粉砕することによって、目的とする防錆顔料組成物を得ることができる。
【0009】
この湿式反応について、好適な具体例を例示しつつ、さらに詳しく説明すると、まず、イオン交換水にアルカリ土類金属の酸化物或いは水酸化物を投入してアルカリ土類金属スラリーを作製する。このスラリーを室温から80℃程度まで昇温し、そこにリン酸塩を投入し約80℃まで昇温した後、室温から80℃程度で2時間攪拌する。アルカリ土類金属の酸化物或いは水酸化物としては、水酸化カルシウム、酸化マグネシウムの2種類を併用するのが好適である。特に好ましい製造方法としてはイオン交換水に水酸化カルシウムを投入して水酸化カルシウムスラリーを作製、このスラリーを約60℃まで昇温し、リン酸塩を投入し約80℃まで昇温した後、同温度で1時間攪拌する。つぎに、上記スラリーに酸化マグネシウムを投入し、1時間攪拌する。その後、該スラリーを脱水、濾過し、乾燥した後、粉砕することによって、防錆顔料組成物を得る。ここでスラリー温度を室温から80℃までの温度とするのは、反応温度が低いと反応時間が長くなるというだけのことであり、それによって特に反応条件が限定されるものではない。
上記の湿式反応においては、添加順序を逆にしてもよい。
【0010】
本発明の防錆顔料組成物は、特に水系塗料に配合した場合でも優れた貯蔵安定性を持ち得るようにしたものであるが、塗料化にあたっては水溶性樹脂、ディスパージョン樹脂、エマルション樹脂(カチオン電着塗料用エマルション樹脂、アニオン電着塗料用エマルション樹脂を含む)をはじめとする水系樹脂はもとより、塗料用樹脂として用いられるものであれば特に制限を受けることなく各種のものを用いることができる。たとえば、ボイル油、油性ワニス、フェノール樹脂、アミノ樹脂、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、ビニル樹脂、アクリル樹脂、フッ素樹脂、シリコン樹脂、ポリエステル樹脂などの各種塗料用合成樹脂、塩化ゴム、環化ゴムなどのゴム誘導体、その他繊維素誘導体などを、単独でまたは併用して使用することができる。
【実施例】
【0011】
つぎに、実施例をあげて本発明をさらに具体的に説明する。ただし、本発明はそれらの実施例のみに限定されるものではない。なお、以下において量を示す部数や濃度を示す%は重量基準によるものである。
【0012】
実施例1
イオン交換水1000gに対し水酸化カルシウム((株)カルファイン製 特号消石灰)を30g投入して水酸化カルシウムスラリーを作製した。このスラリーを約60℃まで昇温し、トリポリリン酸二水素アルミニウム(テイカ(株)製 K−フレッシュ#100P)を240g投入し約80℃まで昇温した後、同温度で1時間攪拌した。
つぎに、上記スラリーに酸化マグネシウム(協和化学工業(株)製 キョウワマグ30)を30g投入し、1時間攪拌した。その後、該スラリーを脱水、濾過し、100℃で12時間乾燥した後、粉砕することによって、防錆顔料組成物を得た。
【0013】
実施例2〜5
トリポリリン酸二水素アルミニウム、水酸化カルシウム、酸化マグネシウムの量を変更し、実施例1と全く同じ手順で防錆顔料組成物を得た。(表1参照)
【0014】
実施例6
イオン交換水1000gに対し水酸化カルシウムを80g投入して水酸化カルシウムスラリーを作製した。このスラリーを約60℃まで昇温し、トリポリリン酸二水素アルミニウムを220g投入し約80℃まで昇温した後、同温度で2時間攪拌した。
その後、該スラリーを脱水、濾過し、100℃で12時間乾燥した後、粉砕することによって、防錆顔料組成物を得た。
【0015】
実施例7
トリポリリン酸二水素アルミニウム、水酸化カルシウムの量を変更し、実施例6と全く同じ手順で防錆顔料組成物を得た。(表1参照)
【0016】
実施例8
トリポリリン酸アルミニウム500gを箱形電気炉に入れ、500℃で2時間焼成し、粉砕することによって白色粉末409.3gを得た。X線回折の結果このものはメタリン酸アルミニウムであることが判明した。上記で得られたリン酸アルミニウムをトリポリリン酸二水素アルミニウムの代わりに用いる以外は、実施例2と全く同じ手順で防錆顔料組成物を得た。
【0017】
実施例9
水酸化アルミニウム234gと、85%リン酸346g(P2 5 /Alのモル比1)を磁製ルツボ中でよく攪拌混合し、得られた混合物をルツボごと300℃に温度設定された電気炉中に6時間入れ、さらに800℃に昇温し1時間焼成した。得られた反応生成物は白色を呈していた。この反応生成物を水洗、脱水、乾燥した後、粉砕した。この粉砕物はX線回折測定の結果、オルソリン酸アルミニウム(AlPO4)であると判明した。トリポリリン酸二水素アルミニウムの代わりにオルソリン酸アルミニウムを用いる以外は、実施例2と全く同じ手順で防錆顔料組成物を得た。
【0018】
実施例10
水酸化チタン〔Ti(OH)4 〕116gと、85%リン酸346g(P2 5 /TiO2 のモル比1.5)とを実施例4と同様に磁製ルツボ中でよく攪拌混合し、得られた混合物をルツボごと110℃に温度設定された電気炉中に入れ、110℃に加熱した水蒸気を吹き込み、水蒸気の存在下で水酸化チタンとリン酸とを110℃で5時間反応させた。得られた反応生成物は白色を呈していた。この反応生成物を水洗、脱水、乾燥した後、粉砕した。この粉砕物はX線回折測定の結果、リン酸チタン〔Ti(HPO4 2 ・H2 O〕であると判明した。また、このリン酸チタンの層間距離は7.6Åであった。
上記で得られたリン酸チタンをトリポリリン酸二水素アルミニウムの代わりに用いる以外は、実施例2と全く同じ手順で防錆顔料組成物を得た。
【0019】
実施例11
イオン交換水1000gに対し酸化マグネシウムを30g投入して酸化マグネシウムスラリーを作製した。このスラリーを約60℃まで昇温し、トリポリリン酸二水素アルミニウムを210g投入し約80℃まで昇温した後、同温度で1時間攪拌した。
つぎに、上記スラリーに水酸化カルシウムを60g投入し、1時間攪拌した。その後、該スラリーを脱水、濾過し、100℃で12時間乾燥した後、粉砕することによって、防錆顔料組成物を得た。
【0020】
実施例12
イオン交換水1000gに対し水酸化カルシウム60g、酸化マグネシウム30gを投入して水酸化カルシウム、酸化マグネシウム混合スラリーを作製した。このスラリーを約60℃まで昇温し、トリポリリン酸二水素アルミニウムを210g投入し約80℃まで昇温した後、同温度で2時間攪拌した。その後、該スラリーを脱水、濾過し、100℃で12時間乾燥した後、粉砕することによって、防錆顔料組成物を得た。
【0021】
比較例1
トリポリリン酸二水素アルミニウム、水酸化カルシウムの量を変更し、実施例6と全く同じ手順で防錆顔料組成物を得た。(表1参照)
【0022】
比較例2
イオン交換水1000gに対し酸化マグネシウムを180g投入して酸化マグネシウムスラリーを作製した。このスラリーを約60℃まで昇温し、トリポリリン酸二水素アルミニウムを120g投入し約80℃まで昇温した後、同温度で2時間攪拌した。その後、該スラリーを脱水、濾過し、100℃で12時間乾燥した後、粉砕することによって、防錆顔料組成物を得た。
【0023】
比較例3
トリポリリン酸二水素アルミニウム(テイカ(株)製 K−フレッシュ#100P)を使用。
【0024】
比較例4
亜鉛成分を含有した防錆顔料としてリン酸亜鉛(堺化学工業(株) ZPF)を使用。
【0025】
比較例5
既存の亜鉛フリー防錆顔料としてマグネシウム処理トリポリリン酸二水素アルミニウム(テイカ(株)製K−ホワイト G105)を使用。
【0026】
比較例6
既存の亜鉛フリー防錆顔料としてカルシウム処理リン酸カルシウム(Wayne社製Waincor213)を使用。
【0027】
つぎに、上記実施例1〜12の防錆顔料組成物および比較例1〜6の顔料組成物を用いて表2の配合でそれぞれ常乾型エマルション樹脂系塗料を調製し、塗膜形成後、塩水噴霧試験、複合サイクル試験、耐湿試験および貯蔵安定性試験を行った。その結果を表3、4に示す。
【0028】
塗装および塗装条件
上記18種類の常乾型エマルション樹脂系塗料をそれぞれ下記条件で被塗板上に塗装し、常温で乾燥して塗膜を形成した。
塗 装:バーコーター塗装
被塗板:脱脂処理軟鋼板 JIS G 3141(SPCC−SB)、日本テストパネル工業社製
膜 厚:38〜41μm
乾 燥:40℃ 60時間
【0029】
防錆試験(トータル40点満点)

1 塩水噴霧試験(SST)(15点満点)
上記塗装条件で被塗板上に塗膜を形成することによって作成した試験板に、カッターナイフで被塗板表面に達するクロスカットを入れ、槽内温度を35℃に保った塩水噴霧試験器内に静置して、5%塩化ナトリウム水溶液を1kg/cmの圧力で168時間塗膜に噴霧し、錆発生状況および塗膜の膨れを観察して、以下の評価基準に基づき評価した。なお、腐食状況は平面部の膨れと錆の発生面積、並びにカット部の腐食幅で評価した。いずれの評価においても、評価点が高いほど防錆能が優れている。
【0030】
サビ発生防止効果の評価基準(ASTM D610−68(1970) に準拠)
平面部
サビ発生面積 0.03%未満 : 5点
サビ発生面積 0.03〜0.1% : 4点
サビ発生面積 0.3〜1% : 3点
サビ発生面積 3% : 2点
サビ発生面積 10% : 1点
サビ発生面積 16%以上 : 0点
【0031】
フクレ発生防止効果の評価基準(ASTM D−714−59(1965)に準拠)

平面部
無し : 5点
8F : 4点
8M,6F,4F : 3点
8MD,6M : 2点
8D,2F : 1点
6MD以上,4MD以上、2M以上 : 0点
カット部
腐食幅 0〜1mm : 5点
腐食幅 1〜2mm : 4点
腐食幅 2〜4mm : 3点
腐食幅 4〜7mm : 2点
腐食幅 7〜10mm : 1点
腐食幅 10mm以上 : 0点

【0032】
2 複合サイクル試験(CCT)(15点満点)
塩水噴霧試験と同様にカッターナイフで被塗板表面に達するクロスカットを入れた試験板を、複合サイクル試験器内に静置して、JIS H8502 めっきの耐食性試験に記載されている中性塩水噴霧サイクル試験の条件(1)塩水噴霧試験 5%NaCl溶液噴霧 35℃ 2時間 (2)乾燥 60℃ 4時間(3)湿潤 湿度95RH%以上 50℃ 2時間(8時間/1サイクル)で、所定時間(504時間 63サイクル)、試験を行った。錆発生状況および塗膜の膨れを観察して、塩水噴霧試験と同様の評価基準に基づき評価した。
【0033】
3 耐湿試験(HT)(10点満点)
クロスカットしていない上記試験板を槽内温度50℃,相対湿度95%以上に保った耐湿試験器内に504時間静置し、塗膜の膨れを観察し、塩水噴霧試験の平面部のフクレ発生防止効果と同様の評価基準により評価した。
【0034】
塗料の貯蔵安定性試験
上記の塗料配合で各種防錆顔料を含む防錆塗料を調製した。この防錆塗料を40℃の恒温室中に放置し、1週間ごとに1カ月間にわたって経時的に防錆塗料の粘度をB型粘度計にて測定した。上記貯蔵安定性試験の結果を表4に示す。評価としては、経時的な粘度変化が少ない方がよく、粘度変化が大きい場合は塗料がゲル化して使用できなくなる。なお、表4中の数字の単位はcpsである。
【0035】
表3に示すように、実施例1〜12の防錆顔料組成物は、鉄への防錆に有効な亜鉛成分を含んでいないにもかかわらず、各防錆試験の評価値も高く防錆効果が優れており、現行の亜鉛成分を含んだ防錆顔料である比較例4以上の性能を示している。また、表4に示すように、実施例1〜12の防錆顔料組成物は、貯蔵による粘度増加が少なく、水系塗料中での貯蔵安定性が優れていた。これに対し、比較例1〜2の顔料組成物は、いずれも防錆効果あるいは塗料の貯蔵安定性が悪いものであった。
【0036】
【表1】

【0037】
【表2】

【0038】
【表3】

【0039】
【表4】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
(a)トリポリリン酸二水素アルミニウム、オルトリン酸アルミニウム、メタリン酸アルミニウムおよびリン酸水素チタンよりなる群から選ばれた水難溶性リン酸塩、
(b)カルシウムの酸化物、水酸化物または炭酸塩、および
(c)マグネシウムの酸化物、水酸化物または炭酸塩の3成分のうち、(a)成分と(b)成分の2成分か、または(a)成分、(b)成分および(c)成分の3成分を含み、
重量基準で(a):(b)が1:0.05ないし1:5であり、(c)成分を含む場合(a):(c)が1:0.1ないし1:1であることを特徴とする防錆顔料組成物。
【請求項2】
(a)成分がトリポリリン酸二水素アルミニウムであり、(b)成分が水酸化カルシウムであり、(c)成分が酸化マグネシウムである請求項1の防錆顔料組成物。
【請求項3】
請求項1または2の防錆顔料を含んでいる水系防錆塗料組成物。

【公開番号】特開2009−7466(P2009−7466A)
【公開日】平成21年1月15日(2009.1.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−169848(P2007−169848)
【出願日】平成19年6月28日(2007.6.28)
【出願人】(000215800)テイカ株式会社 (108)
【Fターム(参考)】