説明

防音床材の撓み防止構造

【課題】
防音床材の施工後において、防音床材上に家具等の重量物を載置しても防音床材が撓むことなく、重量物を水平に保つことが可能な防音床材の撓み防止構造を提供すること。
【解決手段】
裏面にクッション材3を備えた防音床材4が床基材6上に施工された後に、床基材6から防音床材4の表面までの高さと略同じ高さの支持部材1が防音床材4の表面側から床基材6表面まで達するように挿入され、支持部材1によって防音床材4上に載置される家具等の重量物8が支持される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、防音床材の撓み防止構造に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来より、裏面にクッション材を備え、床基材上に施工されて防音効果を奏する防音床材が知られている(例えば、特許文献1)。
【0003】
ここで、図3に示すように、従来の防音床材4においては、壁7付近における防音床材4の沈み込みを防止するために、クッション材3を一部剥がして際根太5を配置するようにしている。
【特許文献1】特許第2697945号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記の防音床材4を床基材6上に施工した後に、家具等の重量物8を壁7付近に載置した場合、その重みによって防音床材4が撓んでしまい、重量物8が前側に傾いてしまうおそれがあった。
【0005】
そのため、重量物8の前面側の底部にスペーサ10を挿入して重量物8を水平に保つようにしているが、防音床材4の撓みは解消されないものであった。
【0006】
本発明は、かかる事由に鑑みてなしたもので、その目的とするところは、防音床材の施工後において、防音床材上に家具等の重量物を載置しても防音床材が撓むことなく、重量物を水平に保つことが可能な防音床材の撓み防止構造を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、本発明における防音床材の撓み防止構造は、裏面にクッション材を備えた防音床材が床基材上に施工された後に、床基材から防音床材の表面までの高さと略同じ高さの支持部材が、防音床材の表面側から床基材表面まで達するように挿入され、該支持部材によって防音床材上に載置される家具等の重量物が支持されるものであることを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
上記本発明の防音床材の撓み防止構造は、防音床材上に家具等の重量物を載置する際に、重量物の載置場所に合わせて支持部材を設置することができるので、防音床材が撓むのを防止するとともに、重量物を水平に保つことができる。
【0009】
また、防音床材の施工後に支持部材を設置することができるので、予め防音床材の補強等を行っておく必要がなく、重量物の載置場所の自由度が上がる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
本発明の実施形態における防音床材の撓み防止構造について、図1、2に基づいて説明する。
【0011】
本実施形態における防音床材4は、表面床材2と表面床材2の裏面に備えられたクッション材3により構成されており、床基材6上に施工されている。
【0012】
複数の表面床材2同士は、それぞれの側端部に交互に設けられた嵌合凸部2a及び嵌合凹部2bにより嵌合されている。
【0013】
壁7の下部に沿って際根太5が配設されており、これにより表面床材2が壁7付近で沈み込まないようにしている。
【0014】
また、家具等の重量物8の一例として、タンスがその背面を壁7に接近させた状態で防音床材4上に載置されている。
【0015】
そして、重量物8の下方において、支持部材1が防音床材4内に挿入された状態で重量物8を支持している。すなわち、支持部材1は、底部が床基材6と当接し、上部が重量物8の底面と当接した状態で、重量物8が傾かないように支持している。
【0016】
ここで、支持部材1としては、図2(a)に示すようなネジ部1aとヘッド部1bからなるボルト状のものを用いてもよいし、図2(b)に示すような木ネジ1cとダボ1dからなるものを用いてもよい。
【0017】
また、支持部材1の材料としては、樹脂や金属等が挙げられるが特に限定されるものではなく、また、ダボ1dの材料としては木材を使用してもよい。
【0018】
また、支持部材1の色は表面床材2の色と同色とすることがデザイン上好ましい。
【0019】
また、支持部材1の高さは、床基材6から防音床材4の表面までの高さと略同じ高さとすることが好ましく、例えば、上記のダボ1dの高さを調整することにより支持部材1の高さを調整することもできる。
【0020】
次に、支持部材1の設置方法について説明する。ここで、本実施形態における支持部材1は、防音床材4が床基材6上に施工された後に、重量物8の載置位置等に合わせて防音床材4の表面側から床基材6表面まで達するように挿入されるものである。
【0021】
まず、上記図2(a)に示したボルト状の支持部材1を設置する場合においては、防音床材4に孔をあけてから、この孔にボルト状の支持部材1を挿入する。この時、必ずしもネジ部1aにはネジが形成されている必要はなく、例えば、ハンマー等を用いて孔内に支持部材1を嵌め込んでもよい。
【0022】
また、上記図2(b)に示した木ネジ1cとダボ1dからなる支持部材1を設置する場合においては、木ネジ1cのヘッド部とダボ1dが収容される程度の深さの孔をあけておき、この孔に木ネジ1cをねじ込んでいけばよい。
【0023】
ここで、支持部材1の設置場所、設置数等については特に限定されるものではなく、載置される重量物8の大きさや重さによって適宜選択すればよいものである。
【0024】
以上のように、本実施形態における防音床材の撓み防止構造は、防音床材4上に家具等の重量物8を載置する際に、重量物8の載置場所に合わせて支持部材1を設置することができるので、防音床材4が撓むのを防止するとともに、重量物8を水平に保つことができる。
【0025】
また、防音床材4の施工後に支持部材1を設置することができるので、予め防音床材4の補強等を行っておく必要がなく、重量物8の載置場所の自由度が上がる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】本発明の実施形態における防音床材4の撓み防止構造を説明する断面図である。
【図2】同実施形態における支持部材1を説明する断面図である。
【図3】従来の防音床材4上に重量物8が載置された状態を説明する断面図である。
【符号の説明】
【0027】
1 支持部材
2 表面床材
3 クッション材
4 防音床材
5 際根太
6 床基材
8 重量物


【特許請求の範囲】
【請求項1】
裏面にクッション材を備えた防音床材が床基材上に施工された後に、
床基材から防音床材の表面までの高さと略同じ高さの支持部材が、防音床材の表面側から床基材表面まで達するように挿入され、
該支持部材によって防音床材上に載置される家具等の重量物が支持されるものであることを特徴とする防音床材の撓み防止構造。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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