説明

防風性・防水性・通気性の継ぎ合わせた物品

【課題】折り畳み又はプリーツ技術を必要とせずに可撓性物品を形成可能な非布地の継ぎ合わせた多層構造体について、本技術分野で長年にわたる要求を解決すること。
【解決手段】本発明は、高水準の耐久性を示し、かつ着用者に高水準の柔軟性及び物品強度を提供する、防水性かつ通気性の非布地継ぎ合わせ物品を提供する。本発明は、特に、操作性の高い(dexterous)ハンドカバー及び形状適合性(conformable)のフットカバーへの使用を対象としている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は概して、高水準の耐久性を示し、かつ着用者に高水準の可撓性及び物品強度を提供する、防水性かつ通気性の継ぎ合わせた物品に関する。本発明は、特に、操作性の高い(dexterous)ハンドカバー及び形状適合性(conformable)のフットカバーへの使用を対象としている。
【背景技術】
【0002】
防水性かつ通気性の物品は、様々な目的、例えば、屋外活動、スポーツ活動、スキー、サイクリング、軍事活動及び消防活動に使用される。アウターシェル材料が防水性であるため、手袋のような継ぎ合わせた物品を防水性とすることができる。代わりに、そのような手袋を最先端構造によって防水性にしてもよく、そこでは、シェル材料は空気透過性及び水分透過性であって、シェル材料の裏側に防水性かつ水蒸気透過性の機能層材料からなる他の層(一般に手袋インサートと呼ばれる)が配置されている。そのような機能層に適した材料のいくつかとして、PTFE、親水性含浸剤及び/もしくは親水性層を備えた延伸PTFE、通気性ポリウレタン層、又はエーテルエステル共重合体のようなエラストマー、並びにこれらの積層体が挙げられる。
【0003】
そのような物品には幅広い防護が要求されるため、それらの物品は、手袋の周縁のあたりに通常取り付けられる複数の材料層から一般に構成される。通常、手袋厚の増加は、触覚性及び操作性の損失に直接関係する。触覚性及び操作性は、薄い手袋構造体を使用することによって、あるいは手袋表面を粘着性又はグリップ性の種類の材料で処理すること、例えば、低弾性率ポリマー被膜を手袋の指及び手のひら領域の外表面に適用することによって、従来は改善されていた。しかしながら、10ミル厚を超えるこれらの被膜を手袋に適用すると、指先の感覚及び制御を欠くといった欠点があった。触覚性及び操作性を改良するためにいくつかの試みがなされているが、それらの成功は限られたものであった。
【0004】
また、全体のインサート又はシームが熱可塑性フィルムで構成されている、厚い熱可塑性フィルムの代替構造体も追求されている。残念なことに、これらの厚いポリウレタンシームは本質的に堅いため、手袋インサートに望ましくない。さらに、これらの厚いポリウレタンフィルムは事実上通気性がないため、同様に大半の手袋又は衣料用途に望ましくない。
【0005】
米国特許第5325541号では、防水性・水蒸気透過性で、実質的に非伸縮性の布帛から構成されるインナーライナーを含む、防水性オーバーソックスが開示されており、防水性・水蒸気透過性のインナーライナー布帛はヒートシール可能である。
【0006】
米国特許第5981019号では、基材に積層された多孔質延伸ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)フィルムを好ましくは含む、複合膜材料が開示されている。
【0007】
米国特許第5036551号では、層状構造を有し、微孔質ポリマー膜、水蒸気透過性ポリマー及び熱可塑性のエラストマー不織材料から作られる、エラストマー複合布帛が記載されている。このエラストマー複合布帛は、水蒸気透過性を有しつつバリア特性を提供し、他の物体の周りに形状が適合する衣料品及び他の物品において、有用性が見出されている。
【0008】
薄く、より操作性が高くかつ耐久性で、防水性である、非布地の継ぎ合わせた物品を作り出す試みが継続してなされているものの、上述の要求全てに合致することについて成功したものはない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明は、折り畳み又はプリーツ技術を必要とせずに可撓性物品を形成可能な非布地の継ぎ合わせた多層構造体について、本技術分野で長年にわたる要求を解決する。本発明は、防水性で、薄く、通気性である、非布地の継ぎ合わせた物品を提供し、これらの物品は、手袋システムにおける操作性の高いハンドカバーインサートとして特に適しており、あるいはハンドカバーとして単体で使用可能である。本発明は、大量生産設備で損傷なく組み立てるために強く、かつ屋外使用で耐久防水性であるといった利点をさらに有する。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は、第1の微孔質ポリマー層及び第1の熱可塑性ポリマー層を含む、第1の非布地材料と;第2の微孔質ポリマー層及びポリマー層を含む、第2の非布地材料と;該第1の非布地材料を該第2の非布地材料に接合し、剛性が25g/インチ未満であり、かつ強度が4ポンド/直線インチ(pli)を超えるシームとを含む、継ぎ合わせた物品を提供する。この継ぎ合わせた物品は驚くべき防水性と耐摩耗性を示す。
【0011】
さらに本発明は、第1の微孔質ポリマー層及び第1の熱可塑性ポリマー層を含む、第1の非布地材料と;ポリマー層を含む、第2の非布地材料と;該第1の非布地材料を該第2の非布地材料に接合し、剛性が25g/インチ未満であり、かつ強度が4pliを超えるシームとを含む、継ぎ合わせた物品を提供する。
【0012】
さらに本発明は、第1の微孔質ポリマー層及び第1の熱可塑性ポリマー層を含む、第1の非布地材料と;第2の微孔質ポリマー層及びポリマー層を含む、第2の非布地材料と;該第1の非布地材料を該第2の非布地材料に接合するシームとを含み、該第1の非布地材料が、防水性とASTM試験法D3886で63サイクルを超える耐摩耗性とを示す、継ぎ合わせた物品を提供する。
【0013】
さらに本発明は、手の入る開口側を有し、該手の入る開口側に端部がある、アウターシェル材料と;微孔質ポリマー層及び第1の熱可塑性ポリマーフィルム層を含む、第1の非布地材料、微孔質ポリマー層及び第2のポリマーフィルム層を含む、第2の非布地材料、並びに該第1の非布地材料を該第2の非布地材料に接合し、剛性が25g/インチ未満であり、かつ強度が4pliを超えるシームを含んでなる、インサートとを含む、手袋システムであって、該手袋インサートが、それぞれのシェルに挿入可能に受容されるように形状適合的な寸法である、手袋システムを提供する。
【0014】
さらに本発明は、手の入る開口側を有し、該手の入る開口側に端部がある、アウターシェル材料と;微孔質ポリマー層及び第1の熱可塑性ポリマーフィルム層を含む、第1の非布地材料、微孔質ポリマー層及び第2のポリマーフィルム層を含む、第2の非布地材料、並びに該第1の非布地材料を該第2の非布地材料に接合し、剛性が25g/インチ未満であり、かつ強度が4pliを超えるシームを含んでなる、インサートとを含む、手袋システムであって、該手袋インサートが、それぞれのシェルに挿入可能に受容されるように形状適合的な寸法であり、該インサートの該第1の非布地材料が、防水性とASTM試験法D3886で300サイクルを超える耐摩耗性とを示す、手袋システムを提供する。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】層の配置を図示する、手袋インサートの上側の切断図を示す。
【図2】接着層を介して微孔質層に接着した、熱可塑性ポリマー層の横断面図を示す。
【図3】接着層を介して微孔質ポリマー層に接着した、熱可塑性ポリマー層の横断面図を示す。
【図4】2つの同一の非布地材料を接合して形成した、防水性シール端部の横断面図を示す。
【図5】2つの異なる非布地材料を接合して形成した、防水性シール端部の横断面図を示す。
【図6】2つの非布地材料を接合して形成した、防水性シール端部の横断面図を示し、微孔質ポリマー層で熱可塑性ポリマー層をシールすることによりシームが形成され、その結果界面層が形成している。
【図7】3つの主な層を用いて構成したハンドカバーシステムを示し、絶縁層が防水性かつ通気性のインサートの中にはめ込まれ、インサートは本発明のハンドカバーのアウターシェルの中にはめ込まれている。
【発明を実施するための形態】
【0016】
本発明は、ハンドカバー、手袋システム用インサート、フットカバー及び他の衣料品として有用な、防水性かつ通気性の継ぎ合わせた物品を作るのに適した材料を提供する。
【0017】
本出願の目的のため、他に指示のない限り、以下の用語を以下に記載する意味を有するものとして理解しなければならない。
【0018】
「接着されている」又は「一緒に接着されている」とは、ポリマー材料(例えば延伸PTFEフィルム)と布地材料とが、適切な接着媒体によって接合されていることを意味する。接着媒体は、接着剤ドット、連続グリッドパターンとして適用された接着剤、連続線として適用された接着剤、連続の通気性接着層、融着された界面、又は所望層の間に接着を提供する他の任意の材料であってよい。
【0019】
「ASTM試験法D3886」:本特許の目的のため、ASTM試験法D3886とは、0番のエメリー紙を用いた多方向モードを第1の非布地材料に対する研磨材として使用する方法を指し、ここでは、第1の非布地材料を膨張可能なダイアフラムによって定位置に保持し、そのダイアフラムに4psiの圧力を与え、研磨材に1ポンドの荷重を与える。比較結果の目的のため、Norton Abrasives Worcester, MAから入手される、A621 エメリー砥粒0番、品番662611 01290の0番のエメリー紙を使用する。
【0020】
「通気性」とは、水蒸気透過率(MVTR)が少なくとも約1000グラム/(m2)(24時間)である材料のことを指す。
【0021】
「複合(体)」とは、2つ以上の部分から形成される材料を指す。例えば、複合材料は複数層の化合物から形成されてもよく、このとき、各層が適当な接着手段を介して他の層と接合されていてもよい。本発明の複合材料は布地層を全く必要としない。
【0022】
「操作性」とは、難しい動作を手で素早く巧みに行う能力、あるいは操作における敏捷さを容易にする能力を指す。操作性の高い手袋は、手袋を外すことを必要とせずに、難しい動作を行う能力を提供する。
【0023】
「延伸PTFE」又はePTFEは、PTFEのフィブリルで相互連結されたPTFEのノードが存在する、PTFEの微孔質構造体を含む膜を意味するために使用する。延伸PTFEの基本的な構造及び特性は多くの文献に記載されており、例えば、米国特許第3953566号、第3962153号、第4096227号及び第4187390号が挙げられ、これら全てを参照することにより本明細書の一部とする。
【0024】
「インサート」とは、毒性及び/又は非毒性の流体によって皮膚を汚染されるのを防止するためのバリア保護を使用者に提供する、継ぎ合わせた物品を指す。インサートは、継ぎ合わせた物品に防水性及び/又は通気性を提供しうる。インサートの例は、アウターシェルと着用者の手との間に挿入されて、着用者の手を保護する手袋層である。
【0025】
「界面層」とは、2つのポリマー層を接合して形成された層を指す。例えば本発明では、熱可塑性ポリマー層を微孔質ポリマー層でシールすることによって界面層が形成され、熱によって熱可塑性ポリマー層が微孔質ポリマー層と入り交じる場所に界面層が形成される。
【0026】
「積層体」:本出願の目的のため、「積層体」とは、通常一緒に接着しているポリマー層と少なくとも1つの布地層とを含む複合体を意味する。
【0027】
「微孔質」は、微細な気孔から構成される材料の連続層を意味するために使用する。本発明では、開放した、相互連結している微細空隙の微細構造を有する、微孔質ポリマー膜を使用するのが好ましい。この膜は空気透過性を示し、そのようなものとして水蒸気透過性を付与するかあるいは損なわない。使用する微孔質膜の厚さは、通常5μm〜125μmであり、最も好ましくは約5μm〜約40μmのあたりである。微孔質膜材料に有用なポリマーには可塑性ポリマーに加えて弾性ポリマーが含まれる。適したポリマーの例として、ポリエステル、ポリアミド、ポリプロピレン及びポリエステルを含むポリオレフィン、ポリケトン、ポリスルホン、ポリカーボネート、フルオロポリマー、ポリアクリレート、ポリウレタン、ポリエーテルエステル共重合体、ポリエーテルアミド共重合体などが挙げられる。好ましいポリマーは可塑性ポリマーである。最も好ましい微孔質ポリマー膜材料は、延伸微孔質ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)である。これらの材料は、多数の開放した相互連結している微細空隙、大きい空隙体積、高強度、柔軟、可撓性、安定な化学特性、高い水蒸気移動量、及び良好な汚染制御特性を示す表面といった点に特徴がある。米国特許第3953566号及び第4187390号には、そのような微孔質延伸ポリテトラフルオロエチレン膜の調製が記載されており、これらを参照することにより本明細書の一部とする。
【0028】
「触覚性」とは、感じられる又は触られる能力、及び触覚刺激に対する応答性を指す。例えば、触覚性手袋は指先の感覚及び制御を可能にする。
【0029】
「熱可塑性」とは、温度上昇による軟化及び温度低下による硬化が、繰り返し可能な材料を指す。これは、加熱した時に化学変化よりもむしろ実質的に物理変化して、軟化段階にて成形又は押出により物品へ形成可能であるか、他の材料に融着可能である材料を指す。
【0030】
「布地」は、合成繊維、天然繊維又は合成繊維と天然繊維との混紡を使用した、織物、編物又は不織物の材料を意味するために使用する。
【0031】
「防水性」は、以下のような防水性試験を行うことによって決定される。すなわち、材料もしくは複合体(又は継ぎ合わせた平らな材料もしくは複合体)を、水の進入圧が低い攻撃である、変更したスーター(Suter)試験装置を用いて防水性について試験する。クランプ留めした配置で2つのゴムガスケットによりシールした、直径約4−1/4インチのサンプル領域に対して水を押し付ける。サンプルは大気条件に開放されて、測定者に見える状態である。サンプルにかかる水圧を、適切なゲージにより確認し、インラインバルブによって調節しながら、貯水タンクに接続されたポンプにより約1psiに増加する。試験サンプルは斜めの状態であり、水を再循環して、サンプルの下部表面に対して空気ではなく水を確実に接触させる。サンプルを通って押し出される水の出現について、サンプルの上部表面を目視で3分間観察する。表面に見られる液体の水を漏れと解釈する。液体の水が3分間見られなければ防水等級に合格したものとされる。この試験に合格することが本明細書で使用する「防水性」の定義である。
【0032】
「全体手袋漏れ試験」(WGLT)を使用して手袋の防水性を決定する。全体手袋漏れ試験機とは、完成した(全体の)手袋の内側に空気圧をかけて、防水性構成部品にある穴を検出する装置である。この試験は、米国特許第4776209号に記載されており、参照することにより本明細書の一部とする。抜け漏れる空気は貯水タンクを通ってくる気泡として観察される。この試験は非破壊的である。具体的には、この試験は空気圧を2psigに設定して行う。
【0033】
ある実施態様では、本発明は、第1の微孔質ポリマー層及び第1の熱可塑性ポリマー層を含む、第1の非布地材料と;第2の微孔質ポリマー層及びポリマー層を含む、第2の非布地材料と;該第1の非布地材料を該第2の非布地材料に接合して物品を形成する、シームとを含む、継ぎ合わせた物品を提供する。驚くべきことに、このシームの剛性は25g/インチ未満である。25g/インチ未満の剛性は、継ぎ合わせた物品に良好な操作性を提供するために望ましい。さらにより驚くべきことに、このシームは4pliを超える強度を示す。4pliを超えるシーム強度は、屋外使用のため、及び製造を容易にするために、十分な耐久性を提供すると考えられる。
【0034】
第1の非布地材料は、第1の熱可塑性ポリマー層に接着した、第1の微孔質ポリマー層から構成される。第2の非布地材料は、第2の微孔質ポリマー層及びポリマー層を含む。他の実施態様では、第2の非布地材料は1つのポリマー層のみを含んでもよい。
【0035】
第1の非布地材料及び第2の非布地材料は、いくつかの同様の特性を共有してもよく、互いに別々の特性を示してもよく、それらの特性として、通気性、防水性、耐摩耗性及び防風性が挙げられるが、これらに限られない。
【0036】
例えば、第1の非布地材料及び第2の非布地材料の両方が通気性を示してもよい。第1の非布地材料及び第2の非布地材料の両方が防水性を示してもよい。いくつかの望ましい実施態様では、第1の非布地材料及び第2の非布地材料は、通気性かつ防水性である。これらの材料特性は、所望の用途について選択した材料に部分的に左右されうる。
【0037】
本発明の他の態様では、第1の非布地材料及び第2の非布地材料が異なる特性を示す。例えば、第1の非布地材料又は第2の非布地材料のうちいずれかが示す特性は、通気性及び/又は防水性である。
【0038】
本発明の好ましい実施態様では、微孔質ポリマー層の少なくとも1つが延伸ポリテトラフルオロエチレンを含む。さらに別の本発明の好ましい実施態様では、第1の非布地材料の微孔質ポリマー層及び第2の非布地材料の微孔質ポリマー層の両方が、延伸ポリテトラフルオロエチレンを含む。
【0039】
本発明の好ましい実施態様では、第1の熱可塑性ポリマーフィルム層が熱可塑性ポリウレタンを含む。
【0040】
第1の非布地材料を第2の非布地材料に接合するシームは、このシームの剛性が25g/インチ未満であり、さらに強度が4pliを超えるという点で、優れた可撓性を有する。このシームは、従来入手可能であった耐久防水性シームよりも柔軟で可撓性が高いという点で注目に値する。
【0041】
当業者であれば即座に理解することであるが、このシームを形成するのに適したシール手段の例として、インパルスシール、高周波シール、超音波溶接、マイクロ波溶接、及びヒートシールが挙げられるが、これらに限られない。好ましい実施態様では、シームは溶接工具を用いて熱溶接で作られる。シームを熱溶接で作っている間、第1の微孔質ポリマー層又は第2の微孔質ポリマー層は離型剤として機能して、接触時に層が溶接工具に接着するのを防止する。
【0042】
本発明の他の態様では、継ぎ合わせた物品は驚くべき耐摩耗性を示す。例えば、少なくとも第1の非布地材料は、防水性とASTM試験法D3886で63サイクルを超える耐摩耗性とをさらに示してもよい。好ましい実施態様では、少なくとも第1の非布地材料が300サイクルを超える耐摩耗性を示す。
【0043】
本発明を説明するために図1〜7をここに示す。図1は、本発明の手袋インサート5の形状である、継ぎ合わせた物品を示す。手袋インサート5は、着用者の指を取り囲む指部分6と、着用者の手の裏側を覆う背面部分又は裏部分(不図示)と、着用者の親指7を取り囲む親指部分と、着用者の手のひらを覆う手のひら部分と、着用者の手首を取り囲む袖口部分と、着用者が自分の手を手袋インサート5にくぐり入れる、手の入る開口部70とを含むように形成されている。これらの図では、指部分6が、指のために4つに分離した覆いを有するように示されている。ミット又はロブスターパターン(2つに分離した指の覆い)の形状とすることも同様に良好であって、本発明の原理を損なわない。
【0044】
手袋インサート5は、第1の非布地材料10及び第2の非布地材料20から形成される。第1の非布地材料10及び第2の非布地材料20は、シーム30を形成する適当なシール手段によって、所望の周縁部を囲んで接合される。シームは防水性の継ぎ合わせた端部であることが好ましい。着用者の手が手袋インサートに入るようにするため、開口部70が設けられる。
【0045】
第1の非布地材料10の部品は、手袋インサート5の手のひら面すなわち前面の第1の手のひら部分11に加えて、親指部分7の第1の親指面12を有する、手袋インサート5の片面を形成する。第2の非布地材料20の部品は、指部分の反対面、親指部分の第2の親指面に加えて、手袋インサート5の裏面の第2の手のひら部分を形成する。このように、手袋インサートの手のひら部分は、第1の非布地材料10の部品の第1の手のひら部分11と第2の非布地材料20の部品の第2の手のひら部分とから形成され、さらに別の図を参照して後ほど説明するように、これらは一緒に接着されている。
【0046】
手袋インサート5の親指部分7は、親指先端部8、親指部分が指部分に隣接する側にある指側親指外端部9及び手袋インサート5の橈側にある橈側親指外端部3を有している。親指部分7は、第1の非布地材料部品10の第1の親指面12と第2の非布地材料部品20の第2の親指面とから形成されている。指部分6は、手袋インサート5の橈側にある指橈側部4及び手袋インサート5の尺側にある指尺側部2を有している。股部31は親指部分7と指部分6との間に位置している。従って、股部31は指橈側部4が指側親指外端部9と出会う位置にある。(背面部品及び尺側部品の両方に存在する)手袋インサート5の袖口部分75は、手袋インサート5の手の入る部分70に隣接し、手袋インサート5の尺側にある尺側袖口外端部85を有している。
【0047】
図2に示すように、第1の非布地材料10は、第1の熱可塑性ポリマー層60に接着された第1の微孔質ポリマー層40から構成される。第1の微孔質ポリマー層40及び第1の熱可塑性ポリマー層60は、接着剤50を介して接着されてもよい。同様に、図3に示すように、第2の非布地材料20は、ポリマー層80に接着された第2の微孔質ポリマー層45から構成される。第2の微孔質ポリマー層45及びポリマーフィルム層は、第2の接着剤55を介して接着されてもよい。接着剤50及び第2の接着剤55の両方を含む接着層は、所望する結果に応じて連続的又は不連続的に適用してもよい。物品に通気性領域が必要な場合、接着層は通気性連続接着剤又は不連続接着剤のいずれかでなければならない。通気性接着剤とは親水性接着剤を指す。通気性の親水性接着剤は、高い水蒸気透過性に加えて良好な層間接着を提供するように選択される。通気性接着剤の例として、ポリエーテルポリウレタン及び水分硬化ポリエーテルポリウレタンが挙げられるが、これらに限られない。必要であれば、接着層にフィラーがさらに含まれてもよい。不連続接着剤は通気性又は非通気性のいずれかであってよい。微孔質ポリマー層をポリマー層又は熱可塑性ポリマー層のいずれかに接着するための不連続接着層の適用は、数多くの方法、例えば、以下に限られないが、いずれも当業者に知られている、スクリーン印刷、グラビア印刷及びスプレーのような方法によって行うことができる。
【0048】
図2及び3で説明した、微孔質ポリマー層40及び45は同じ又は異種の材料から構成されてもよい。微孔質ポリマー層は、延伸PTFE、熱可塑性ポリマーから作られた微孔質フィルム、熱硬化ポリマーから作られた微孔質フィルムに加えて、弾性ポリマーから作られた微孔質フィルムを含んでもよい。適したポリマーの例として、ポリエステル、ポリアミド、ポリプロピレン及びポリエステルを含むポリオレフィン、ポリケトン、ポリスルホン、ポリカーボネート、フルオロポリマー、ポリアクリレート、ポリウレタン、ポリエーテルエステル共重合体、ポリエーテルアミド共重合体などが挙げられる。好ましい微孔質ポリマー材料は微孔質延伸PTFEである。一般に、微孔質ポリマー層の厚さは様々であってよい。
【0049】
本発明で使用する微孔質ポリマー層は、必要に応じて、1つ以上の追加の連続ポリマー層、例えば、接着剤又は疎油性層でコーティングしてもよい。通気性構造体については、使用する連続ポリマー層は親水性ポリマーである。親水性層は拡散によって水を選択的に輸送するが、圧力で動かされた液体又は空気流を支持しない。この特性が、全ての大きさの汚染物質に対するバリアとして機能することによる、良好な汚染制御特性をバリア層に付与し、同様にこのバリア層から作られた物品、例えば、靴下又は手袋にもそれらの特性を付与する。さらに、この材料の水蒸気透過特性は、着用者への快適性を可能にする。微孔質ポリマー層40又は45の少なくとも一方が、延伸ポリテトラフルオロエチレンを含むことが好ましい。
【0050】
熱可塑性ポリマー層60は、熱可塑性ポリウレタンフィルム、シリコーンフィルム、ポリエーテルエステル共重合体フィルム、ポリエーテルエステルアミド共重合体フィルムを単独でもしくは組み合わせて含んでもよく、又は他の適当な連続の水蒸気透過性ポリマーを含んでもよい。熱可塑性ポリマー層は、連続の水蒸気透過性ポリマーであるポリウレタン、特にオキシエチレン単位含有ポリウレタンを含むことが好ましく、例えば、米国特許第4532316号に記載されているものである。
【0051】
熱可塑性ポリマー層60は、モノリシック又は微孔質のいずれであってもよい。図4に示すような、シールされたシーム30を作るために必要な範囲に接着温度が入るように、使用する特定のポリマー種類を選択しなければならない。熱可塑性ポリマーの融点は微孔質ポリマーの融点未満又は分解温度未満であることが有利である。
【0052】
接着温度が50℃〜200℃の熱可塑性ポリマーが望ましい。接着温度が約400℃(延伸PTFEのような微孔質膜材料が軟化又は溶融し始める温度)未満であることを条件として、接着温度がより高温の熱可塑性ポリマーも本発明で使用できる。熱可塑性ポリマーを使用すると、所望の周縁部を囲んで型を加熱して、その型の材料片を一緒に溶接することが可能である。
【0053】
薄い熱可塑性ポリウレタン層は、可撓性、延性の柔軟な複合層を製造でき、同様にこれらの複合体を組み込んだ、より操作性の高い触覚性手袋を作製できるために、特に有用である。熱可塑性ポリマー層の厚さは、2ミル未満が望ましく、1.5ミル未満がさらにより好ましく、最も好ましい形態では1ミル以下である。薄い熱可塑性ポリウレタンフィルムは、当業者の知る様々な供給元から入手できる。好ましい実施態様では、モノリシック熱可塑性ポリウレタンを第1の熱可塑性ポリマー層60として使用する。
【0054】
図4に示すように、継ぎ合わせた物品の対向する面が同一の材料で構成されるように、本発明による継ぎ合わせた物品を、同じ非布地材料の2つの対向する層を使用して作製してもよい。この図4に示すように、第1の非布地材料10は、第1の微孔質ポリマー層40及び第1の熱可塑性ポリマー層60から構成される。第1の微孔質ポリマー層40及び第1の熱可塑性ポリマー層60は、接着剤50を介して接着されてもよい。同様の構成要素を示すにあたって説明を簡略にするため、図4には、要素40、50及び60から構成される2つの層が示されている。2つの同一の熱可塑性ポリマー層60は、それらが互いに接触するように配置されている。この図では、2つの熱可塑性ポリマー層はシーム30によって接合されており、シーム30は、熱溶接シームを用いて作製された、防水性シール端部を有している。しかしながら、所望の用途に応じて他の適当なシームを使用してもよい。同一の材料から構成された第1の非布地材料10及び第2の非布地材料を用いて、このように本発明を実施する場合、物品の組成及び特性は全体を通して均一である。しかしながら、本記載を読むにあたって理解すべきは、第1の非布地材料10及び第2の非布地材料20の記載した要素の全てが、本発明の実施のために存在する必要があることである。従って、第1の微孔質ポリマー層40及び第2の微孔質ポリマー層45を同じ材料から構成することが可能である。さらに、物品全体にわたって構造の均一性が必要な場合、第1の熱可塑性ポリマー層60及びポリマー層が同じ材料を含み、これらの層の接着が、第2の接着層55と同一であってよい接着層50の使用によることも可能である。
【0055】
図5では、図2に示した複合層の1つのシートと図3に示した複合層の1つのシートとを接合して形成した、防水性シール端部又はシーム30の横断面を示す。図5に示すように、こうして継ぎ合わせた物品は異種の非布地層から構成される。さらに図5に示すように、第2の非布地材料は第2の微孔質ポリマー層45から構成され、この層の組成は、第1の非布地材料の第1の微孔質ポリマー層40の組成とは異なる。さらに、第1の熱可塑性ポリマー層60の組成は、ポリマーフィルム層80の組成とは異なる。継ぎ合わせた物品の目的とする用途に応じて、第1の非布地材料10及び第2の非布地材料20に異なる材料を使用することが望まれる場合がある。同様に、当業者によれば、物品の別々の領域に異なる接着剤又は接着剤適用手段を使用することが選択される場合もある。注意すべき重要なことは、熱可塑性ポリマーは第1の非布地材料に存在する必要があるものの、そのような熱可塑性ポリマーが第2の非布地材料に存在する必要はないことである。第2の非布地材料はポリマーフィルム層を含むことのみが必要であって、そのポリマーフィルム層は熱可塑性ポリマーであってもなくてもよい。さらに注意すべき重要なことは、シーム30を介して、熱可塑性ポリマーを対向する材料の微孔質ポリマー層又はポリマー層のいずれかと結合してもよいことである。
【0056】
図5に示すように、異なる材料を第1の非布地材料10及び第2の非布地材料20のポリマー層に使用できる。溶接シームを使用して、第1の非布地材料10及び第2の非布地材料20の対向する複合層を結合してもよい。第2の非布地材料20として示した複合層を、延伸PTFE又は他の第2の微孔質ポリマー層45、第1の微孔質ポリマー層40を熱可塑性層60に接合する接着剤50と同じでも異なってもよい第2の接着層55から構成してもよい。ポリマー層80のいずれか又は全てが、第1の非布地材料10として示した複合層において、層40、50及び60にそれぞれ使用した材料と異なってもよい。特定のポリマー層80を選択して、第1の熱可塑性ポリマー層60では実現できない何らかの特別な特性を付与できる。例えば、第2の非布地材料20の異なる隣接層に結合を形成するために、操作性の高い耐久性インサートを、ある第1の熱可塑性ポリマー層60を用いて製造できる。従って、ポリマーフィルム層80を選択して所望の特性を第2の非布地材料20に付与できる一方で、第1の非布地材料10の第1の熱可塑性ポリマー層を選択して、異なる物理的特性を付与してもよく、このようにして、環境又は用途の要求といった観点から特定ユーザーの要求を満足するために、効果的に設計可能な継ぎ合わせた物品が提供される。
【0057】
図6に、継ぎ合わせた物品の防水性シール端部の横断面を示す。このシームは2つの非布地材料を接合して形成されている。この例では、熱可塑性ポリマー層は微孔質ポリマー層にシールされて、その結果、2つのポリマー層が出会うところに界面層35が形成される。界面層35は、操作性を構造体に付与しつつも強度及び耐久性を提供する。当業者であれば理解することであるが、本発明の継ぎ合わせた物品はいかなる形状を含んでもよく、必要であれば、特定の用途に望ましい衣服用のインサート、ハンドカバー又はフットカバーにしてもよい。また、ハンドカバーとして形成されたインサートを、手袋システムの一体要素として組み込んでもよく、あるいは薄くて操作性の高いハンドカバーとして使用する単体の用途に使用してもよい。
【0058】
図7に手袋システム95を大まかに図示する。本発明の手袋システムは、アウターシェル材料90及びインサート5を含む。インサート5は、微孔質ポリマー層及び第1の熱可塑性ポリマーフィルム層を含む、第1の非布地材料と;微孔質ポリマー層及び第2のポリマーフィルム層を含む、第2の非布地材料と;該第1の非布地材料を該第2の非布地材料に接合するシームとを含む。シームの剛性が25g/インチ未満であり、かつ強度が4pliを超え、それぞれのアウターシェルに挿入可能に受容されるように、手袋インサートが形状適合的な寸法であることが好ましい。手袋システムは、絶縁材又は絶縁層92をさらに含んでもよい。一部の用途では、シェル材料の内側に位置又は配置した手袋ライナーを含むことが望ましい場合もあり、この場合、手袋インサートは手袋ライナーとシェル材料との間に位置する。
【0059】
好ましい実施態様では、手袋システムのインサートは通気性である。さらに別の好ましい実施態様では、手袋システムのインサートの第1の非布地材料が、防水性とASTM試験法D3886で63サイクルを超える耐摩耗性とを示す。インサートの第1の非布地材料が、防水性と300サイクルを超える耐摩耗性とを示すことがさらに好ましい。
【0060】
手袋の防水性は、上述した全体手袋漏れ試験を用いて試験してもよい。
【0061】
シェル材料は、入口開口部、例えば、手の入る開口側とその手の入る開口側にあるシェル端部とを含む形状に形成されている。上述したように、手袋インサートは、微孔質ポリマー層及び第1の熱可塑性ポリマーフィルム層を含む、第1の非布地材料と;微孔質ポリマー層及び第2のポリマーフィルム層を含む、第2の非布地材料と;該第1の非布地材料を該第2の非布地材料に接合するシームとを含む。シームの剛性は25g/インチ未満であり、かつ強度は4pliを超える。手袋システムは、必要に応じて絶縁層を含んでもよい。シェル材料は防水性であるのが好ましい。また必要に応じて、手袋システムは、下側袖口端部及び上側袖口端部を備え、シェルの内側に位置する手の入る開口部に近接して配置した袖(cuff sleeve)を含んでもよく、下側袖口端部は、所定の下方長さだけシェル端部から下でシェルの内側に配置されてその端部とつながっており、上側袖口端部は、所定の上方長さだけシェル端部を超えて突き出しており、下側袖口端部はシェル端部の下でシェルと直接つながっている。下側袖口端部は、防水性接着シームによってシェルに接着剤で結合してもよく、防水性シームシールテープによって袖の内面をシールする、継ぎ合わせたシームによりシェルに取り付けてもよく、あるいは他の適当な手段で取り付けてもよい。望ましい実施態様では、シェル材料に内面ライニング層を付与してもよい。手袋インサート及び手袋ライナーはシェル材料の内側に配置され、手袋インサートは手袋ライナーとシェル材料との間にある。本明細書で使用する「手袋システム」とは、少なくともアウター手袋シェル90及びインサート5を意味する。また必要に応じて、手袋システムが、絶縁層(92)(図示)及び/又は追加のインナーライニング(不図示)を含んでもよい。絶縁材又はインナーライニングは、パイル又はフリースの布地層を通常含んで、熱に関する利点を提供する。当然のことながら、絶縁層92を特定用途に望ましい任意の材料から作ってもよい。また、手袋インサート5は、手袋システム95の一体要素として組み込んでもよく、単独で使用してもよい。手袋インサートは、微孔質ポリマー層及び第1の熱可塑性ポリマーフィルム層を含む、第1の非布地材料と、微孔質ポリマー層及び第2のポリマーフィルム層を含む、第2の非布地材料とから構成される。シームは第1の非布地材料を第2の非布地材料に接合し、驚くべきことに、シームの剛性は25g/インチ未満であり、かつ強度は4pliを超える。手袋インサートを手袋システムに使用する場合、その手袋インサートは、第1の非布地材料10で構成される第1の手形部分と、その第1の手形部分に対して合う寸法にされた、第2の非布地材料20から構成される第2の手形部分とによって画定され、第1及び第2の手形部分はそれぞれ互いに継ぎ合わされて、複数の指区画、親指区画、手のひら部分及び背面部分を有するハンドカバーを形成する。手袋システムが絶縁層92をさらに含んでもよい実施態様では、手袋を使用するときに、絶縁層は着用者の手と手袋ライナーとの間に位置する。手袋システムの一体要素として使用する場合、インサートは、それぞれの手袋シェルに挿入可能に受容されるように形状適合的な寸法である。アウター手袋シェルすなわちシェル90は、任意の適当な材料から作ることができ、例えば、編物、織物もしくは不織物材料、革、複合布帛、又は他の適当な材料が挙げられるが、これらに限られない。アウター手袋シェルは任意の適当な型、例えば、クルートカット(Clute Cut)型、ガンカット(Gunn Cut)型、又はフォシェット(Fourchette)型に従ってその形状にしてもよい。図1及び7に図示するように、手袋システム10には以下のものが含まれてもよい:手のひら部分11、指部分6、親指部分7、又は着用者に内側が面する手の入る開口部70。手袋システム5は、人間の手の各指について別々の指区画と親指区画とを含んでいる点で、従来の手袋システムとして描かれているが、当然のことながら、本発明の教示するものは、4つの指区画より少ないが少なくとも1つはある、他の手袋システムにも適用できる。さらに、手袋システム5に、袖口部分75に近接した弾性屈曲領域(不図示)を付与して、手袋システムが着用者の手首に密着するようにしてもよい。
【0062】
本発明の変形は当業者にとって自明であるが、特記されるのは、継ぎ合わせた物品の一部の実施態様において、第1の熱可塑性ポリマーフィルム層が熱可塑性ポリウレタンを含んでもよいことである。第1の非布地材料の第1の微孔質ポリマー層及び第2の非布地材料の微孔質ポリマー層の両方が、延伸ポリテトラフルオロエチレンを含んでもよい。
【0063】
ある実施態様では、第1の非布地材料10の複合層が、接着剤50を用いて延伸PTFE層40を熱可塑性層60に接着して形成される。第1の非布地材料10及び第2の非布地材料20の複合層の配置は、個々の用途の要求に応じて適合可能である。例えば、着用者の手の背面が、その手のひらとは違う水準の保護を必要とするハンドカバーに形成する場合、第2の非布地材料20を反転して、ポリマーフィルム層が、第1の非布地材料10の第1の熱可塑性ポリマー層60の結合面から離れて外側を向くように、第1の非布地材料10及び第2の非布地材料20の層を配置してもよい。少なくとも1つの熱可塑性ポリマー層を結合する複合層に向けて配置しなければならないことが、唯一の制約である。これらの各実施態様では、第1の非布地材料10及び第2の非布地材料20の複合層を、上述するように防水性でかつシールされたシーム30によって周縁部を囲んでシールした場合に、防水性で操作性の高い、耐久性の非布地手袋インサートを製造可能である。
【0064】
最終用途で要求されるバリア特性に基づいて、特定の第1の熱可塑性ポリマー層60を選択する。本発明に重要な要件は、継ぎ合わせた物品が少なくとも1つの熱可塑性ポリマー層を含むことである。熱可塑性ポリマー層は、結合面をシールするときに、柔軟だが十分に強いシームを形成する能力を提供する。本発明の一部の実施態様では、2つ以上の熱可塑性ポリマー層が存在してもよい。本発明に従って製造したハンドカバーは、手袋システムのインサートや、シェル、インサート及びライナーを含むハンドカバーシステムとして使用するのに望ましい。また、適切な材料選択によりハンドカバーが多くの様々な用途での要求に合致するため、ハンドカバーを単体の非布地手袋用途として使用することもできる。例えば、シェル又はライナーのないハンドカバーは、第1の非布地材料層及び第2の非布地材料層のみから製造されるクリーンルーム手袋として使用可能である。そのような例の1つは、本発明の教示に従って作られた、延伸PTFEと熱可塑性ポリウレタンとの組み合わせを使用することである。
【0065】
以下の表1に示すように、本発明の物品は、可撓性で、薄くて強いため、操作性の高い耐久性の手袋が得られることが分かる。
【0066】
【表1】

【0067】
表1では、本発明の通気性の非布地インサートを、(A)ポリウレタンフィルムインサート、(B)2層延伸PTFE/ポリウレタン/不織布積層体インサート、(C)3層不織布/延伸PTFE/ポリウレタン/不織布積層体インサート、(D)延伸PTFE/ポリウレタンインサート(米国特許第4814412号に記載された融着複合体によって製造)、(E)2層編み布/ポリウレタン積層体インサートと比較する。
【0068】
本発明のさらなる驚くべき特性は、得られるシームの可撓性である。例1の実施態様における、厚さ、MVTR及び耐摩耗性を含む平面フィルムの特性を、表1に記載したものと同じ比較製品と比較して表2に示す。このデータの比較から、本発明は、全ての試験した比較インサート(布地層を備えたものも含む)と比べて、顕著に高い耐摩耗性を提供することが明らかに示される。
【0069】
【表2】

【0070】
サンプルAは剛性が低いが、シーム強度が不十分で耐摩耗性が低い。同様に、米国特許第4814412号に記載されたサンプルDは、許容できる低い剛性といくらか改善されたシーム強度とを備えているが、残念なことに、サンプルDの耐摩耗性及びシーム強度は望ましい程度より低い。驚くべきことに本発明は、剛性の低いシーム、良好なシーム強度と通気性、及び優れた耐摩耗性を備えた、インサート又は継ぎ合わせた物品を提供する。
【0071】
本発明の継ぎ合わせた物品は、装飾具、留め具、手袋表面又は単体インサート表面への粘着性又はグリップ性の種類の材料を用いた処理、例えば、手袋の指及び手のひら領域の外表面に適用した低弾性率ポリマー被膜をさらに含んでもよい。
【実施例】
【0072】
次の試験法を用いて、本発明の製品及び比較製品の特性及び性能を評価した。
【0073】
防水性(初期):ASTM試験法D751手順Bには、防水性について用いた試験が記載されている。この試験では、サンプルを拘束し、最低で0.7ポンド/平方インチの固定した水圧ヘッドを適用して、最低3分間保持した。最小で直径3−1/2インチの試験領域内部のどこかで1滴以上現れることを漏れと定義した場合に、3分後に漏れがなかった結果を合格と見なす。サンプルの防水性を試験するために、シェルに面する側のサンプル面が使用される。
【0074】
厚さ:ASTM試験法D1777、表題「Standard Test Method for Thickness of Textile Materials」を使用して、積層体の層10及び20、比較材料に加えて、シールシームの厚さを測定した。
【0075】
剛性:ASTM試験法D6828、表題「Standard Test Method for Stiffness of Fabric by the Blade/Slot Method」を使用して、表1に示したシールシームの剛性を測定した。この方法には、規定のすき間を横断して4インチ×4インチの平面材料を置き、次にその材料の上に刃を押し付けて、すき間を通してその刃を動かすことが含まれる。シーム試験については、手袋のシームを4インチ×4インチの試験サンプルの一辺に沿わせて、試験中にシームが刃と直交して配向するように、この試験法を変更した。
【0076】
本特許の目的のため、次の試験パラメータを使用した:スロット幅は0.25インチに維持する。梁(beam)は100gである。少なくとも4回の別々の測定を平均して記録した。シームを試験するために、シームを一辺に沿わせた4インチ×4インチの試験サンプルを得た。試験中にシームを貫通刃と直交して配向させた。
【0077】
シーム強度、破壊エネルギー、靭性、弾性率:ASTM試験法D1876、表題「Standard Test Method for Peel Resistance of Adhesives (T−Peel Test)」を使用して、表1に示したシームの破壊強度を測定した。試験サンプルは6インチ×1インチに切断した。使用した長さは4インチであった。
【0078】
MVTR:ASTM試験法E96、表題「Test Methods for Water Vapor Transmission of Materials」を使用して、表2に示した材料の通気性を測定した。本特許の目的のため、以下の試験パラメータを使用した:水法、反転カップ(ASTM E96−00の手順12.4);温度=70±2°F;RH=50±2%;空気速度=580フィート/分;試験間隔=2時間。水に向ける面は、使用時に体に向かって配向すると思われる面である。本発明については熱可塑性面を使用した。試験に使用したシーラントは4ミル厚の熱可塑性ポリウレタンであった。各種類の材料について、3〜5回の別々の測定を記録した。詳細には、試験サンプルの上方2インチで測定したときの、自由流空気速度を550±50フィート/分として、反転カップ法を使用した。空気流を他の表面から少なくとも2インチで測定して、2時間流した。質量測定は試験の開始時及び完了時のみ行って結果を得た。カップの寸法は、直径が2.5インチで、深さが2インチであった。
【0079】
防水性に対する耐摩耗性:ASTM試験法D3886、表題「Abrasion Resistance of Textile Fabrics (Inflated Diaphragm Method)」を使用して、表2に示した材料の耐摩耗性を測定した。詳細な試験パラメータについては、研磨材として0番のエメリー紙を用いた多方向モードを使用した。(0番のエメリー紙は、Norton Abrasives Worcester, MAから入手した、A621 エメリー砥粒0番 品番662611 01290。)
【0080】
(シェルに向いている)体と離れている側の材料面を擦ってサンプルを試験した。摩耗試験は、研磨材として0番のエメリー紙を用いて多方向モードで行った。電気接触(接地)ピンを持たない固形ゴムダイアフラムを使用した。ダイアフラムは隆起のない滑らかな表面を有している。ダイアフラムを4±0.25psiに膨張した。1ポンドの荷重を研磨材に与えた。試験は、250サイクル、又は回転あたり100往復ストロークで完了した。研磨紙は125サイクル毎に交換した。摩耗が完了したら、ASTM D751に規定された水透過性試験法を用いて試験サンプルを試験した。
【0081】
ダイアフラムを4psiに膨張して圧力を与えた。使用したダイアフラムは接触ピンを持たなかった。1ポンドの荷重を研磨材に与えた。所定数の摩耗サイクル後、上述したASTM試験法D751を使用して防水性を試験した。
【0082】
最大引張荷重及び破壊エネルギー:ASTM試験法D5035、表題「Standard Method for Breaking Force and Elongation of Textile Strips (Strip Method)」を使用して、表1に示した強度を測定した。詳細には、使用した試験は1インチ幅切断ストリップ法であり、クロスヘッド速度は12インチ/分であった。
【0083】
以下の非限定的な例を、本発明をさらに説明するために提供する。
【0084】
例1−防水性・防風性・通気性の非布地インサート:防水性・防風性・通気性の非布地インサートを以下のように作製した。例えば、質量が約25g/m2で厚さが約40μmの微孔質延伸PTFEフィルムを作製した。次に、延伸PTFEフィルムを、被覆率を8〜10g/m2として適用した通気性ポリウレタン接着剤の連続層を用いて、1ミル厚でモノリシックの熱可塑性ポリウレタンフィルム(Deerfield Urethane, South Deerfield, MAから入手、品番 PT1710S)に接着した。通気性ポリウレタン接着剤は、米国特許第4532316号に記載したような、水分硬化ポリエーテルポリウレタン接着剤であった。
【0085】
グラビア印刷工程を積層に使用した。次に多層構造体を硬化した。こうして、合計厚さが約2.5ミルで、平均MVTRが約9900g/24時間/cm2である物品(図2に示したものと一致する)が得られた。所望の防水性・防風性・通気性の層を作製したら、手の形状の延伸PTFE/接着剤/熱可塑性ポリウレタン複合体の2つの対向する部品を結合することによって、本発明の非布地手袋インサートを作製した。2つの対向する複合体部品を一緒に積み重ねた。このとき、熱可塑性ポリウレタン表面は互いに面しており、ePTFE表面は積み重ねたものの上下で外側を向いていた。圧力およそ320psi、温度およそ165℃で3秒間、加熱したスチールダイを用いて、積み重ねたものの上から熱を与えた。こうして、積み重ねたものにある2つの部品の、それぞれのポリウレタンフィルム層を溶接した。2つの部品が手の形状に溶接されるように、スチールダイは手の形状に構成されていた。加熱したスチールダイより若干大きい手の形状に形成した鋼尺の切断刃を用いて、2つの接合した部品を切り抜いた。この手袋インサートは、米国特許第4776209号に記載するように、漏れ検出装置を用いて試験すると空気不透過性であった。測定したシーム強度は約4.5pli、測定したシーム剛性は約11g/インチであった。
【0086】
次に、以下の従来の手袋作製方法を用いて、本発明の手袋インサートを、耐摩耗性アウターシェル及びインナーライナー材料に取り付けて、完成した手袋をさらに作製した。インサートを反転し(裏返し)、接着剤タブを、インサートのポリウレタンフィルム側の指先及び袖口に取り付けた。次に、これらのタブを布地手袋ライナーの対応する位置に継ぎ合わせた。ライナーに取り付けたら、ライナーを覆ってインサートを再度反転した。次に、接着剤タブをインサートのePTFEフィルム側の指先及び袖口に取り付けた。手袋シェルを反転し、次に接着剤タブをシェルの内側の対応する位置に継ぎ合わせた。インサートに取り付けたら、インサート及びライナーを覆って手袋シェルを再度反転した。全ての部品の袖口を一緒に継ぎ合わせて封鎖し、層が分離しないように一体化して連結した、シェル、インサート及びライナーから構成される完成した手袋が得られた。完成した手袋を試験したところ、圧力約4ポンド/平方インチで上述の空気漏れ検出装置を用いて試験した場合に、依然として防水性かつ防風性であることが分かった。
【0087】
例2−不連続接着剤の適用:グラビア印刷を用いて不連続的に通気性ポリエーテルポリウレタン接着剤をePTFEフィルムに適用した以外は、例1に上述したように、非布地インサート層を作製した。その後、この非布地層を使用して、上述した同じインサート作製方法で本発明の手袋インサートを完成した。次に、上述した同じ手袋作製方法で、これらの非布地手袋インサートから完成した手袋を作製した。
【0088】
例3−非通気性接着剤:使用した接着剤が、米国特許第4532316号(参照することにより本明細書の一部とする)に記載したような、非通気性のMDI系水分硬化ポリエーテルポリウレタンであったこと以外は、例2のように非布地層フィルムを作製した。その後、この非布地層を使用して、例1で上述した同じインサート作製方法で本発明の非布地手袋インサートを完成した。次に、例1で上述した同じ手袋作製方法で、これらの非布地手袋インサートから完成した手袋を作製した。
【0089】
本発明のいくつかの例示的な実施態様を上に詳述したが、本明細書に記載した新規な教示及び利点から実質的に逸脱せずに数多くの変更が可能であることは、当業者であれば容易に理解する。従って、全てのそのような変更は、特許請求の範囲に定義するように、本発明の範囲内に包含されることが意図されている。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
(a)第1の微孔質ポリマー層及び第1のポリマー層を含む、第1の非布地材料と;
(b)第2の微孔質ポリマー層及びポリマー層を含む、第2の非布地材料と;
(c)該第1の非布地材料を該第2の非布地材料に接合し、剛性が25g/インチ未満であり、かつ強度が4pliを超えるシームと
を含む、継ぎ合わせた物品。
【請求項2】
前記第1のポリマー層が熱可塑性である、請求項1に記載の継ぎ合わせた物品。
【請求項3】
前記第1の非布地材料及び前記第2の非布地材料が通気性である、請求項1に記載の継ぎ合わせた物品。
【請求項4】
前記第1の非布地材料及び前記第2の非布地材料が防水性である、請求項1に記載の継ぎ合わせた物品。
【請求項5】
前記第1の非布地材料及び前記第2の非布地材料が、通気性かつ防水性である、請求項1に記載の継ぎ合わせた物品。
【請求項6】
前記第1の非布地材料又は前記第2の非布地材料のいずれかが、通気性かつ防水性である、請求項1に記載の継ぎ合わせた物品。
【請求項7】
前記第1の非布地材料が、防水性とASTM試験法D3886で63サイクルを超える耐摩耗性とを示す、請求項1に記載の継ぎ合わせた物品。
【請求項8】
前記第1の非布地材料が、300サイクルを超える耐摩耗性を示す、請求項7に記載の継ぎ合わせた物品。
【請求項9】
前記第1の非布地材料及び前記第2の非布地材料が、通気性かつ防水性である、請求項7に記載の継ぎ合わせた物品。
【請求項10】
前記シームが、溶接工具を用いて作られた熱溶接である、請求項1に記載の継ぎ合わせた物品。
【請求項11】
前記第1の微孔質ポリマー層又は前記第2の微孔質ポリマー層が、前記溶接工具と接触したときに離型剤として作用する、請求項10に記載の継ぎ合わせた物品。
【請求項12】
前記微孔質ポリマー層の少なくとも一方が、延伸ポリテトラフルオロエチレンを含む、請求項1に記載の継ぎ合わせた物品。
【請求項13】
前記第1の熱可塑性ポリマーフィルム層が、熱可塑性ポリウレタンを含む、請求項1に記載の継ぎ合わせた物品。
【請求項14】
前記第1の非布地材料の前記微孔質ポリマー層及び前記第2の非布地材料の前記微孔質ポリマー層の両方が、延伸ポリテトラフルオロエチレンを含む、請求項1に記載の継ぎ合わせた物品。
【請求項15】
前記物品がハンドカバーである、請求項1に記載の継ぎ合わせた物品。
【請求項16】
前記物品がフットカバーである、請求項1に記載の継ぎ合わせた物品。
【請求項17】
前記物品がハンドカバーである、請求項7に記載の継ぎ合わせた物品。
【請求項18】
前記物品がフットカバーである、請求項7に記載の継ぎ合わせた物品。
【請求項19】
(a)第1の微孔質ポリマー層及び第1の熱可塑性ポリマー層を含む、第1の非布地材料と;
(b)ポリマー層を含む、第2の非布地材料と;
(c)該第1の非布地材料を該第2の非布地材料に接合し、剛性が25g/インチ未満であり、かつ強度が4pliを超えるシームと
を含む、継ぎ合わせた物品。
【請求項20】
(a)第1の微孔質ポリマー層及び第1の熱可塑性ポリマー層を含む、第1の非布地材料と;
(b)第2の微孔質ポリマー層及びポリマー層を含む、第2の非布地材料と;
(c)該第1の非布地材料を該第2の非布地材料に接合するシームと
を含み、該第1の非布地材料が、防水性とASTM試験法D3886で63サイクルを超える耐摩耗性とを示す、継ぎ合わせた物品。
【請求項21】
前記継ぎ合わせた物品がハンドカバーである、請求項19又は20のいずれかに記載の継ぎ合わせた物品。
【請求項22】
前記継ぎ合わせた物品がフットカバーである、請求項19又は20のいずれかに記載の継ぎ合わせた物品。
【請求項23】
前記継ぎ合わせた物品が、通気性かつ防水性である、請求項19又は20のいずれかに記載の継ぎ合わせた物品。
【請求項24】
前記第1の微孔質ポリマー層が、微孔質延伸ポリテトラフルオロエチレンによって形成されている、請求項21に記載のハンドカバー。
【請求項25】
(a)手の入る開口側を有し、該手の入る開口側に端部がある、アウターシェル材料と;
(b)微孔質ポリマー層及び第1の熱可塑性ポリマーフィルム層を含む、第1の非布地材料;微孔質ポリマー層及び第2のポリマーフィルム層を含む、第2の非布地材料;並びに該第1の非布地材料を該第2の非布地材料に接合し、剛性が25g/インチ未満であり、かつ強度が4pliを超えるシームを含んでなる、インサートと
を含む、手袋システムであって、該手袋インサートが、それぞれのシェルに挿入可能に受容されるように形状適合的な寸法である、手袋システム。
【請求項26】
絶縁層をさらに含む、請求項25に記載の手袋システム。
【請求項27】
手袋ライナーをさらに含む、請求項25に記載の手袋システム。
【請求項28】
前記手袋インサート及び手袋ライナーが、前記シェル材料の内側に配置され、前記手袋インサートが、前記手袋ライナーと前記シェル材料との間に位置している、請求項27に記載の手袋システム。
【請求項29】
前記インサートの前記第1の非布地材料が、防水性とASTM試験法D3886で63サイクルを超える耐摩耗性とを示す、請求項25に記載の手袋システム。
【請求項30】
前記インサートが通気性である、請求項29に記載の手袋システム。
【請求項31】
(a)手の入る開口側を有し、該手の入る開口側に端部がある、アウターシェル材料と;
(b)微孔質ポリマー層及び第1の熱可塑性ポリマーフィルム層を含む、第1の非布地材料;微孔質ポリマー層及び第2のポリマーフィルム層を含む、第2の非布地材料;並びに該第1の非布地材料を該第2の非布地材料に接合し、剛性が25g/インチ未満であり、かつ強度が4pliを超えるシームを含んでなる、インサートと
を含む、手袋システムであって、
該手袋インサートが、ぞれぞれのシェルに挿入可能に受容されるように形状適合的な寸法であり、
該インサートの該第1の非布地材料が、防水性とASTM試験法D3886で300サイクルを超える耐摩耗性とを示す、手袋システム。
【請求項32】
手袋ライナーをさらに含む、請求項31に記載の手袋システム。
【請求項33】
絶縁層をさらに含む、請求項31に記載の手袋システム。
【請求項34】
前記微孔質ポリマー層の少なくとも一方が、延伸ポリテトラフルオロエチレンを含む、請求項31に記載の手袋システム。
【請求項35】
前記第1の熱可塑性ポリマーフィルム層が、熱可塑性ポリウレタンを含む、請求項31に記載の手袋システム。
【請求項36】
前記第1の非布地材料の前記微孔質ポリマー層及び前記第2の非布地材料の前記微孔質ポリマー層の両方が、延伸ポリテトラフルオロエチレンを含む、請求項31に記載の手袋システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2013−32614(P2013−32614A)
【公開日】平成25年2月14日(2013.2.14)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2012−227487(P2012−227487)
【出願日】平成24年10月12日(2012.10.12)
【分割の表示】特願2007−543130(P2007−543130)の分割
【原出願日】平成17年11月10日(2005.11.10)
【出願人】(598123677)ゴア エンタープライズ ホールディングス,インコーポレイティド (279)
【Fターム(参考)】