説明

防風燭台

【目的】 新鮮な空気を燭台内に導入でき、且つ燃焼による排気を順調に排出できる上、防風の効果も有する防風燭台を提供する。
【構成】 ヘッドカバー10と防風ケーシング20とからなる防風燭台において、ヘッドカバー10の中央付近に排気孔11、15が形成され、防風ケーシング20の上縁に、或いはヘッドカバー10に通気孔21、14が形成されている。

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】
本考案は防風燭台の構成に関するものである。
【0002】
【従来の技術とその課題】
従来の防風燭台の構成は、大体防風の効果と外見のよさを目当てとして設計されたものである。しかしながら、防風の効果を考える上、燃焼を助ける空気の流通性も考慮せねばならない。空気の流通性が順調であれば、燭台内の蝋の燃焼が完全になり、スモークの発生量も少なくなる。故に、防風性と空気の流通性のよい防風燭台が必要とされている。
【0003】
本考案は前記の事情を鑑みてなされたものであり、防風の効果と空気の流通性のよい防風燭台を提供することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本考案の第一の考案は、台座と、この台座に載せた蝋燭を取り囲む筒状の防風ケーシングと、この防風ケーシングの上側開口をカバーするヘッドカバーとからなる防風燭台であって、 前記防風ケーシングの上縁に複数の通気孔が形成され、前記ヘッドカバー中央付近に排気孔が形成されている。
【0005】
また、前記防風ケーシングは台座と一体になって容器状に形成され、この容器内に液状の蝋と灯心とを収容してもよい。
【0006】
前記ヘッドカバーの周縁に嵌合槽が形成され、該嵌合槽に前記防風ケーシングの上縁を嵌合してもよい。
【0007】
本考案の第二の考案は、台座と、この台座に載せた蝋燭を取り囲む筒状の防風ケーシングと、この防風ケーシングの上側開口をカバーするヘッドカバーとからなる防風燭台であって、 前記ヘッドカバーに複数の通気孔が形成され、且つ該ヘッドカバーの中央付近に排気孔が形成されている。
【0008】
また、前記防風ケーシングは台座と一体になって容器状に形成され、この容器内に液状の蝋と灯心とを収容してもよい。
【0009】
前記ヘッドカバーの周縁に嵌合槽が形成され、該嵌合槽に前記防風ケーシングの上縁を嵌合してもよい。
【0010】
【作用】
本考案は防風ケーシングの上縁に、或いはヘッドカバーに通気孔が設けられ、且つヘッドカバーの中央付近に排気孔が設けられるので、空気は通気孔から燭台の内部に入り、そして、燃焼によって生じた排気は排気孔から排出され、空気の対流現象が形成されているため、空気の流通性がよくなり、且つ、前記通気孔が防風ケーシングの上縁やヘッドカバーに形成されるので、通気の効果を有する上、防風の効果も有する。
【0011】
また、前記防風ケーシングが台座と一体になって容器状に形成される場合、その中に液状の蝋を収容することができる。
【0012】
また、本考案によるヘッドカバーに嵌合槽が形成されているので、該嵌合槽により、ヘッドカバーが防風ケーシングの開口に嵌合でき、且つその嵌合状態が安定なので、安全、且つ安定なヘッドカバーと防風ケーシングとの結合構成を提供できる。
以下、実施例によって本考案を詳述する。
【0013】
【実施例】
図1、図2、図3に示すのは、本考案の第一実施例である。本考案の第一実施例の燭台は、台座40と、この台座40の上方を包囲するように配置された円筒状の防風ケーシング20と、この防風ケーシング20の上側開口をカバーするヘッドカバー10とからなり、ヘッドカバー10の中央付近に排気孔11が形成され、そして、防風ケーシング20の上縁に複数の通気孔21が形成されている。
このようにして、空気は矢印の示す方向に沿って通気孔21から燭台の内部に入り、また、燃焼によって生じた排気はヘッドカバー10にある排気孔11から排出され、空気の対流を形成する。
【0014】
また、ヘッドカバー10の周縁に嵌合槽12が形成され、該嵌合槽12に防風ケーシング20の上縁を嵌合でき、この嵌合により、ヘッドカバー10と防風ケーシングとは密接に結合され、防風の効果を有する上、対流の形成にも役に立つ。
【0015】
また、防風ケーシング20が台座40と一体になって、図3に示すような容器を形成してもよい。該容器に液状の蝋30を充填し、該液状の蝋30の中心に灯心31を配置することができる。
【0016】
図4、図5、図6に示すのは、本考案の第二実施例である。この実施例は前記実施例と同じ、ヘッドカバー10と、防風ケーシング20と、台座40とからなる。その中、台座40には棒状蝋燭を収容できる収容凹槽が形成され、防風ケーシング20は単純な円筒状構造で、ヘッドカバー10は、その中央付近に排気孔15が形成され、該排気孔15の周辺に、通気孔14が設けられている。燭台外部にある空気は通気孔14から入り、そして、燃焼によって生じた排気はヘッドカバー10の中央部にある排気孔15から排出され、空気の対流を形成するので蝋燭が安定に燃焼することができるようになる。
【0017】
また、前記ヘッドカバー10の下面周縁に嵌合槽13が形成され、この嵌合槽13により、ヘッドカバー10を防風ケーシング20の上縁に嵌合・固定でき、穏やかなヘッドカバー10と防風ケーシング20との結合構成を提供する。
【0018】
また、図7に示すように、本考案による第二実施例の燭台は単に液状の蝋を収容できる容器30とヘッドカバー10とから構成されてもよい。この第二実施例の通気孔14はヘッドカバー10に形成されているので、容器30の外見を破壊することなく、燭台を構成できる。
【0019】
また、前記第一実施例や第二実施例を問わず、蝋燭を燃焼による光を外部の照明として利用するには、単にヘッドカバーだけを、それとも防風ケーシングと共に、耐熱、且つ透明である材料で製作すればよい。
【0020】
【考案の効果】
本考案の第一実施例による防風燭台によれば、防風ケーシングの上縁に通気孔が形成され、それがヘッドカバーの中央部に設けられる排気孔に合わせて、空気の対流を形成し、また、本考案の第二実施例による防風燭台によれば、ヘッドカバーに排気孔と通気孔が形成され、前記第一実施例のように空気の対流現象をも形成し、蝋燭や液状の蝋の燃焼に役立つ上、防風の効果も有する。さらに、本考案によるヘッドカバーには嵌合槽が形成され、その嵌合槽に防風ケーシングの上縁を嵌合することにより、ヘッドカバーと防風ケーシングとの結合状態を穏やかにし、防風の効果を達成できるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本考案の第一実施例による防風燭台の断面図である。
【図2】前記第一実施例による防風燭台の分解斜視図である。
【図3】前記第一実施例の変形例の断面図である。
【図4】本考案の第二実施例による防風燭台の断面図である。
【図5】前記第二実施例によるヘッドカバーの平面図である。
【図6】前記第二実施例による防風燭台の分解斜視図である。
【図7】前記第二実施例の変形例の断面図である。
【符号の説明】
10 ヘッドカバー
11 排気孔
12 嵌合槽
13 嵌合槽
14 通気孔
15 排気孔
20 防風ケーシング
21 通気孔
30 容器
31 灯心
40 台座

【実用新案登録請求の範囲】
【請求項1】 台座と、この台座に載せた蝋燭を取り囲む筒状の防風ケーシングと、この防風ケーシングの上側開口をカバーするヘッドカバーとからなる防風燭台であって、前記防風ケーシングの上縁に複数の通気孔が形成され、前記ヘッドカバーの中央付近に排気孔が形成されていることを特徴とする防風燭台。
【請求項2】 前記防風ケーシングは台座と一体になって容器状に形成され、この容器内に液状の蝋と灯心が収容していることを特徴とする請求項1に記載の防風燭台。
【請求項3】 前記ヘッドカバーの周縁に嵌合槽が形成され、該嵌合槽に、前記防風ケーシングの上縁を嵌合することを特徴とする請求項1又は2に記載の防風燭台。
【請求項4】 台座と、この台座に載せた蝋燭を取り囲む筒状の防風ケーシングと、この防風ケーシングの上側開口をカバーするヘッドカバーとからなる防風燭台であって、前記ヘッドカバーに複数の通気孔が形成され、且つ該ヘッドカバーの中央付近に排気孔が形成されていることを特徴とする防風燭台。
【請求項5】 前記防風ケーシングは台座と一体になって容器状に形成され、この容器内に液状の蝋と灯心が収容していることを特徴とする請求項4に記載の防風燭台。
【請求項6】 前記ヘッドカバーの周縁に嵌合槽が形成され、該嵌合槽に、前記防風ケーシングの上縁を嵌合することを特徴とする請求項4または5に記載の防風燭台。

【図1】
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【図3】
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【図4】
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【図2】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【登録番号】第3017895号
【登録日】平成7年(1995)8月30日
【発行日】平成7年(1995)11月7日
【考案の名称】防風燭台
【国際特許分類】
【評価書の請求】未請求
【出願番号】実願平7−1608
【出願日】平成7年(1995)2月15日
【出願人】(595040456)プレジデント・キャンドルズ・インダストリアル・カンパニー・リミテッド (1)