説明

院内感染防止用具

【課題】 点滴中に病院内を移動する際、院内感染の心配が生じることなく移動できるようにするための院内感染防止用用具の提供を図る。
【解決手段】 底部の所要三箇所にキャスター10aを設けることによって、当該脚体フレーム10の移動が安定かつ円滑に行われるようにした脚体フレーム10に、点滴器具吊下げ用フック11aを具えたスタンド柱11を立設し、当該スタンド柱11の上端に、カバー体開閉案内用固定枠12を取付けると共に、当該固定枠12に対してこれより大きい可動枠13を起伏自在に取り付け、これに一括して被せたカバー体15の開閉用部Sが、当該可動枠13を立ち上がらせるように回動させた際に、開閉案内用固定枠12の先端部分に衝接してその押し広げが成されるように構成した院内感染防止用具。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、点滴中に病院内を移動する際、院内感染の心配が生じることなく移動できるようにするための院内感染防止用具に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、例えば病室から、診察室への移動、会計のための窓口への移動、見舞客との歓談のための待合室への移動等、病院内を移動する機会は結構多いものである。 そして、これらの移動に際して他の患者や外来者との接触に基き、風邪等の病気をうつされてしまう、いわゆる院内感染の恐れが生じることを余儀なくされた。
【0003】
従来、このような感染を防止するための手段として、予防衣を着用することを通例とした。 然し乍、点滴を受けながらの移動時には、点滴用スタンドと共に移動しなければならない。 そして、当該スタンドに吊り下げられている点滴の管の存在もあるため、上記したような予防衣の着用は殆ど不適当とされた。
【0004】
上記のような問題を解決するための手段として、本特許と同一出願人にして同一発明者に係る発明である「院内感染防止用具」が存在する(第1特許文献参照)。 これは、図6に示すように、 移動用キャスターを具えた点滴用スタンドAと、当該スタンドを用いた点滴中の患者とを、各一緒に被うためのカバー体2を具え、当該点滴用スタンドAの上端部分に対して、取付け用桟状杆1a、回動用レバー杆1b、枢支用金具1cを介して支持されるように構成したものである。 2aはカバー体2に設けた透明資材製窓部、2bは同開閉用部である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特願2011−047915号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記したような構成を具えた「院内感染防止用具」の場合、患者は片手しか使えないため(片方の手は点滴を行っているため)、カバー体2の開閉に顕著な煩雑性が伴うことを余儀なくされた。
【0007】
更に、カバー体2内に、患者自身と点滴用スタンドAとが入っているため、内部の狭小性から歩行性の悪さが伴うばかりでなく、点滴用スタンドAの足部分(キャスターが取付けられている足部分)に躓いてしまうような問題が生じやすいものであつた。
【0008】
本発明は上述したような従来の「院内感染防止用具」において生じた問題を解決した新規の院内感染防止用具を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は請求項1に記載のように、底部の所要三箇所にキャスター10aを設けることによって、当該脚体フレーム10の移動が安定かつ円滑に行われるようにした脚体フレーム10に、点滴器具吊下げ用フック11aを具えたスタンド柱11を立設し、当該スタンド柱11の上端に、カバー体開閉案内用固定枠12を取付けると共に、当該固定枠12に対してこれより大きい可動枠13を起伏自在に取り付け、当該案内用固定枠12と可動枠13とを一括して被せるためのカバー体15の開閉用部Sを、当該可動枠13の起伏端に臨ませ、当該可動枠13を立ち上がらせるように回動させた際に、これと同期的回動が成されるカバー体15の開閉用部Sが、開閉案内用固定枠12の先端部分に衝接して、当該回動につれてこれが拡開状態に押し広げられるように構成したことを特徴とする院内感染防止用具に係る。
【0010】
本発明は請求項2に記載のように、可動枠13をカバー体開閉案内用固定枠12よりひと回り大きい相似形を呈する形状とすると共に、開閉案内用固定枠12の中央部に架設したフレーム杆12a側を固定端とし、可動枠13の中央部分に架設したフレーム杆13a側を枢着端とするようにして、所要の連動レバー14を介して両者を連結する事により、当該可動枠13を開閉案内用固定枠12に対して起伏自在(回動自在)に取付けるように構成した請求項1に記載の院内感染防止用具を実施の態様とする。
【0011】
本発明は請求項3に記載のように、連動レバー14には所用のスプリングを設けることによって水平状態への自動的復帰が成されるように構成した請求項2に記載の院内感染防止用具を実施の態様とする。
【0012】
本発明は請求項4に記載のように、スタンド柱11の上端に対するカバー体開閉案内用固定枠12の取付けを、不使用時に於いては当該カバー体開閉案内用固定枠12を垂直状態に転化可能とするように構成すると共に、可動枠13もその起伏自在性の支持に基く垂直状態状に回転させることによって、不使用時の全体的コンパクト化が図られるように構成した請求項1乃至請求項3の何れかに記載の院内感染防止用具を実施の態様とする。
【0013】
本発明は請求項5に記載のように、カバー体15を不透明な材料で形成すると共に、点滴中の患者の眼の高さの部分に、透明資材製窓部15aを設けるように構成した請求項1乃至請求項4の何れかに記載の院内感染防止用具を実施の態様とする。
【0014】
本発明は請求項6に記載のように、カバー体15の大きさの範囲を、歩行患者が立って入れる大きさから、車椅子に乗っている患者が入れる程度の大きさとするように設定した請求項1乃至請求項5の何れかに記載の院内感染防止用具を実施の態様とする。
【発明の効果】
【0015】
本発明は請求項1に記載のような構成、すなわち、底部の所要三箇所にキャスター10aを設けることによって、当該脚体フレーム10の移動が安定かつ円滑に行われるようにした脚体フレーム10に、点滴器具吊下げ用フック11aを具えたスタンド柱11を立設し、当該スタンド柱11の上端に、カバー体開閉案内用固定枠12を取付けると共に、当該固定枠12に対してこれより大きい可動枠13を起伏自在に取り付け、当該案内用固定枠12と可動枠13とを一括して被せるためのカバー体15の開閉用部Sを、当該可動枠13の起伏端に臨ませ、当該可動枠13を立ち上がらせるように回動させた際に、これと同期的回動が成されるカバー体15の開閉用部Sが、開閉案内用固定枠12の先端部分に衝接して、当該回動につれてこれが拡開状態に押し広げられるように構成したから、点滴を行いながらの移動に際して、点滴用スタンドを含めて患者の体全体がカバー体に覆われているため、身体に対する黴菌が付着することがよく防止され、いわゆる院内感染というような事態発生を未然に回避させる。 同時に、例えばカバー体を不透明材料で形成した場合、カバー体内の患者は、周りの人々の眼から遮られているため、一般人と紛れていても、点滴患者であることに基づく一種の気恥ずかしさを感じることなく移動することが出来る。 そして、カバー体16の開閉の自動化を図ることが可能化される。
【0016】
更に、底部の所要三箇所にキャスター10aを設けることによって、当該脚体フレーム10の移動が安定かつ円滑に行われるようにした脚体フレーム10に、点滴器具吊下げ用フック11aを具えたスタンド柱11を立設するように構成したから、当該スタンド柱11の移動が小回り可能にして極めて円滑に行われることと成る。 そして、カバー体開閉案内用固定枠12と可動枠13の取付けを、一本の柱であるスタンド柱11に対して行うように構成したから、例えばこれの取付けを複数本のスタンド柱を用いて支持するように構成した場合に生ずる、歩行時の荷重の増大に基く移動の煩雑性、占用スペースの増大性(ベッドの近くに置くと場所をとる)と言うような問題発生を回避することができる。
【0017】
本発明は請求項2に記載のような構成、すなわち、可動枠13をカバー体開閉案内用固定枠12よりひと回り大きい相似形を呈する形状とすると共に、開閉案内用固定枠12の中央部に架設したフレーム杆12a側を固定端とし、可動枠13の中央部分に架設したフレーム杆13a側を枢着端とするようにして、所要の連動レバー14を介して両者を連結する事により、当該可動枠13を開閉案内用固定枠12に対して起伏自在(回動自在)に取付けるように構成したから、前記請求項1の場合と同様な効果、すなわち、カバー体15の開閉の容易性および自動性が図られる。 同時に、カバー体開閉案内用固定枠12と可動枠13の両者に依るカバー体15に対する支持が成されるため、当該カバー体15の顕著な安定化が図られることとなる。
【0018】
本発明は請求項3に記載のような構成、すなわち、連動レバー14には所用のスプリングを設けることによって水平状態への自動的復帰が成されるように構成することにより、カバー体15の開閉の自動化を図ることが許容化される。
【0019】
本発明は請求項4に記載のような構成、すなわち、スタンド柱11の上端に対するカバー体開閉案内用固定枠12の取付けを、不使用時に於いては当該カバー体開閉案内用固定枠12を垂直状態に転化可能とするように構成すると共に、可動枠13もその起伏自在性の支持に基く垂直状態状に回転させることによって、不使用時の全体的コンパクト化が図られるように構成することによって、不使用時に於いては当該カバー体開閉案内用固定枠12を垂直状態に転化可能とすると共に、可動枠13もその起伏自在性の支持に基く垂直状態状に回転させることによって、不使用時の全体的コンパクト化が図られるように構成することにより、保管時の占有スペースを最小化させることが出来る(図3参照)。
【0020】
本発明は請求項5に記載のような構成、すなわち、カバー体15を不透明な材料で形成すると共に、点滴中の患者の眼の高さの部分に、透明資材製窓部15aを設けるように構成することにより、内部に居る患者は、カバー体15により、周りの人々の眼から遮られているため、点滴患者であることの一種の気恥ずかしさを感じることなく移動することが出来る。 そして、当該透明資材製窓部15aの存在に基き、歩行時の視界は確保されることとなる。
【0021】
本発明は請求項6に記載のような構成、すなわち、カバー体15の大きさの範囲を、歩行患者が立って入れる大きさから、車椅子に乗っている患者が入れる程度の大きさとするように設定することにより、その利用者の多様化及び拡大化が図られることとなる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】カバー体を鎖線で示した状態で本発明全体を表した説明用斜視図である。
【図2】カバー体を鎖線で示した状態で本発明全体を表した側面図である。
【図3】不使用状態におけるコンパクト化状態を表しかつカバー体を省略して示す側面図である。
【図4】スタンド柱を移動可能に支持するための脚体フレームの他の実施例を表した斜視図である。
【図5】スタンド柱を移動可能に支持するための脚体フレームの他の実施例を表した斜視図である。
【図6】従来例を表した斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
図1及び図2は本発明の実施例を表したものである。 同図において、10は脚体フレームであって、その上面所要箇所にはスタンド柱11を安定した状態で立設するように構成してある。 そして、当該脚体フレーム10の底部所要の三箇所にキャスター10aを設けることによって、当該脚体フレーム10の移動、すなわち、スタンド柱11の移動が安定かつ円滑に行われるように構成してある。
【0024】
すなわち、上記キャスター10aの存在に基き、スタンド柱11は、後述するカバー体◎内に入っている患者によって、自由に押し動かすことが出来るように構成してある。 11aはスタンド柱11の所要箇所に付設した点滴器具吊下げ用フックである。
【0025】
なお、本発明に於いて重要な点は、スタンド柱11を一本とし、これを支える脚体フレーム10として、その底部所要箇所の三箇所に設けたキャスター10aに基き安定的移動が行われるように構成したことにある。
【0026】
12はカバー体開閉案内用固定枠であって、その先端部分を後述するカバー体15の開閉用合せ部Sに臨ませることによって、当該カバー体15に対する開閉の案内を行わせるためのものである。 そして、当該カバー体開閉案内用固定枠12の所要箇所に、後述する可動枠13を枢支するためのフレーム杆12aを架設してある。 そして、当該カバー体開閉案内用固定枠12は、そのフレーム杆12aの中央部分を、上記したスタンド柱11の上端に連結することによって、スタンド柱11に対して水平状に取付けるように構成してある。
【0027】
なお、当該カバー体開閉案内用固定枠12の取付け手段であるが、図1及び図2に示す図示の実施例にあっては、直接的に固定化するように構成してある。 然し乍、当該取付け手段として、クランプ等適宜の連結金具を用いることによって、必要に応じてこれを垂直状態に転化可能とするように構成することにより、図3に示すような不使用時のコンパクト化を図ることが出来るようにしても良い。 すなわち、当該クランプの固定用螺子を介して緩締可能に固定するように構成し、使用時にあっては当該カバー体開閉案内用固定枠12を図2に示すように水平状態に固定化しておくも、不使用時には当該固定用螺子を緩めることによって、図4に示すように垂直化させ、これにより保管上のコンパクト化が図られるように構成して実施する場合もある。
【0028】
13は可動枠であって、上記した開閉案内用固定枠12の外側に、これと相似形を呈するように取付けるためのものである。 そして、その所要箇所には上記開閉案内用固定枠12のフレーム杆12aに対して、所要の連動レバー14を介して起伏自在(回転自在)に連結するためのフレーム杆13aが架設してある。
【0029】
なお、上記した可動枠13の寸法は、点滴を行う患者が歩行可能とする程度のスペースを保った状態でスッポリと入る程度の大きさを具えたものである。 然し乍、患者自身が車椅子に乗った状態で入る場合も想定され、この場合はそれに即した大きさの可動枠を用いるものとする。
【0030】
15はカバー体であって、上記した開閉案内用固定枠12及び可動枠13に対してその上面部分及び側周面部分を被うように全周に亘ってカーテン状に垂下させるように取り付けてある。 そして、当該カバー体15は点滴を行っている患者の頭の上から膝の高さまでを被う程度の丈幅を具えていることが好ましい。 また、当該カバー体15は不透明な材料を用いると共に、防菌性、耐消毒処理に適した材料、例えば合成樹脂製シート材等を用いることが好ましいが、布材、化学繊維材等のような軽い材質のものであっても良い。
【0031】
ところで、上記したカバー体15であるが、後方の中央部分には、患者の出入りを行わせるために、その高さ方向全長に亘る開閉用部Sが形成してある。 当該開閉用部Sは図1に示すように両端縁を開閉自在に重ね合わせるように構成したもの(巻きスカート状の構成)、或いはスリット状に構成したもの等、適宜形態のものであっても可とする。
【0032】
15aは上記患者の眼のあたりに位置するように設けた透明資材製窓部であって、歩行に際する透視用窓としての役割を果たすものである。 すなわち、カバー体15内にいる患者は、カバー体15が不透明素材の場合は周りの人々から見られることがないが、歩行時の視野が妨げられることとなる。 そのために、当該透明資材製窓部15aを透して当該患者の視界確保がなされるように構成してある。 なお、カバー体16を透明資材で形成した場合は、このような窓部15aの形成は不要である。
【0033】
更に、カバー体15の取り付けは、既述したように可動枠13に対して上面からスッポリと被せるようにして取り付けるものであり、この状態において患者は前記開閉用部S部分から出入りを行うものであるが、本発明にあっては、前述したカバー体開閉案内用固定枠12と、これに起伏自在に連結した可動枠13とによる下記するような作用に基き、当該カバー体15の開閉がスムーズに行われるように構成してある。
【0034】
すなわち、図1及び図2に示す状態において、可動枠13を、図2に示す矢印方向に立ち上がらせるように回動させれば、これに伴い図1及び図2に示すように設けられているカバー体15も、その開閉用部Sを上昇させながら同期的回動が成される。 そして、当該同期的回動に基き当該開閉用部Sは、開閉案内用固定枠12の先端部分に衝接すると共に、当該回動につれてこれが拡開状態に押し広げられるような作用が奏されることとなる。 従って、このよう押し広げ状態で、患者はカバー体13の内部に、直接的あるいは車椅子に乗った状態で入ると共に、当該可動枠13を元位置に戻せば(水平状態に戻せば)、開閉用部Sは再び閉じられ、患者はカバー体15によって覆われた状態に保たれることとなる。 なお、患者が出る場合の開閉も上記と同様にして行われる。
【0035】
ところで、上述したような可動枠13の起伏作動であるが、図示の実施例にあっては、開閉案内用固定枠12のフレーム杆12aと、可動枠13のフレーム杆13aとを、所要の連動レバー14を介して起伏自在(回転自在)に連結することによって行われるように構成してある。 すなわち、当該連動レバー14の開閉案内用固定枠12のフレーム杆12a側を固定端とし、可動枠13フレーム杆13a側を枢着端とすることにより、当該可動枠13は開閉案内用固定枠12に対して起伏自在(回動自在)に連結されているわけである。
【0036】
そして、当該連動レバー14にはスプリングを内蔵させたものを用いることにより、自動的復元が成されるように構成することが出来る。 そして、当該可動枠13に取付けた適宜の引き紐に基く手動的連動手段、電動機を用いた自動的手段、ゼンマイ等を用いたスプリング手段(例えば日除け巻き上げ及び引下げ状態でのラチェット的停止手段を付加したスプリング手段)等、適宜な手段を付加することによって、当該可動枠13の起伏操作を(これに基くカバー体15の開閉作動)行うものとするが、その手段は必要に応じて任意に選定実施するものとする。
【0037】
すなわち、本発明にあっては、開閉案内用固定枠12と、これに対して起伏自在に連結した可動枠13との存在に基き、カバー体15に対する開閉のスムーズ化が図られるようにした構成自体を技術的要部とするものである。 従って、当該環状可動枠13の起伏作動を行わせるための手段は、本発明に対して適宜に付加的に設ける技術に属するため、同手段に対する具体的な詳細説明は省略する。
【0038】
図4および図5はスタンド柱11の立設用たる脚体フレームの他の実施例を表したものである。 すなわち、本発明の特徴の一つとする点は、当該スタンド柱11の構成として、その上端に開閉案内用固定枠12を取付けると共に、その安定移動を司る脚体フレームとして、患者による移動がスムーズに行われるような形態である3箇所のキャスター10aの配置が可能とするような形態の脚体フレームを使用する点にある。 従って、当該脚体フレームとして、図4に示すような平面T状を呈する脚体フレーム20とするが、或いは図5に示すような平面V状を呈する脚体フレーム30とするか、若しくはこれ以外の形態とするかは任意に選定する技術に属するものである。
【0039】
本発明は図1に示すような状態で使用に供するものである。 そして、この状態において患者はその周りをカバーされた状態となるため、点滴用スタンドと共に移動する際に、近傍者が咳きをして風邪をうつしてしまうと言うような心配を生じることなく、病院内での移動が可能化される。 同時に、カバー体内部の患者は、周りの人々の眼から遮られているため、点滴患者であることの一種の気恥ずかしさを感じることなく移動することが出来る。
【0040】
また、カバー体15の開閉は、可動枠13の起伏自在の回動に基き、開閉案内用固定枠12先端部分の、当該カバー体15の開閉用部Sに対する相対的接近突入に基き達成されるため、当該カバー体15の開閉が極めて容易に達成されると共に、既述したような自動的開閉システムを付加することが許容化される。
【0041】
なお、本発明の不使用時には図3に示すように、開閉案内用固定枠12を垂直状態とすると共に、可動枠13も垂直状態に回動させておくことにより、保管上のコンパクト性が図られることとなる。
【産業上の利用可能性】
【0042】
病院内で院内感染防止、プライバシー保護のために使用できる。
【符号の説明】
【0043】
10 脚体フレーム
10aキャスター
11 スタンド柱
11a点滴器具吊下げ用フック
12 カバー体開閉案内用固定枠
12aフレーム杆
13 可動枠
13aフレーム杆
14連動レバー
15カバー体
S 開閉用合せ部
15a透明資材製窓部
20 脚体フレーム
30 脚体フレーム

【特許請求の範囲】
【請求項1】
底部の所要三箇所にキャスター(10a)を設けることによって、当該脚体フレーム(10)の移動が安定かつ円滑に行われるようにした脚体フレーム(10)に、点滴器具吊下げ用フック(11a)を具えたスタンド柱(11)を立設し、当該スタンド柱(11)の上端に、カバー体開閉案内用固定枠(12)を取付けると共に、当該固定枠(12)に対してこれより大きい可動枠(13)を起伏自在に取り付け、当該案内用固定枠(12)と可動枠(13)とを一括して被せるためのカバー体(15)の開閉用部(S)を、当該可動枠(13)の起伏端に臨ませ、当該可動枠(13)を立ち上がらせるように回動させた際に、これと同期的回動が成されるカバー体(15)の開閉用部(S)が、開閉案内用固定枠(12)の先端部分に衝接して、当該回動につれてこれが拡開状態に押し広げられるように構成したことを特徴とする院内感染防止用具。
【請求項2】
可動枠(13)をカバー体開閉案内用固定枠(12)よりひと回り大きい相似形を呈する形状とすると共に、開閉案内用固定枠(12)の中央部に架設したフレーム杆(12a)側を固定端とし、可動枠(13)の中央部分に架設したフレーム杆(13a)側を枢着端とするようにして、所要の連動レバー(14)を介して両者を連結する事により、当該可動枠(13)を開閉案内用固定枠(12)に対して起伏自在(回動自在)に取付けるように構成した請求項1に記載の院内感染防止用具。
【請求項3】
連動レバー(14)には所用のスプリングを設けることによって水平状態への自動的復帰が成されるように構成した請求項2に記載の院内感染防止用具。
【請求項4】
スタンド柱(11)の上端に対するカバー体開閉案内用固定枠(12)の取付けを、不使用時に於いては当該カバー体開閉案内用固定枠(12)を垂直状態に転化可能とするように構成すると共に、可動枠(13)もその起伏自在性の支持に基く垂直状態状に回転させることによって、不使用時の全体的コンパクト化が図られるように構成した請求項1乃至請求項3の何れかに記載の院内感染防止用具。
【請求項5】
カバー体(15)を不透明な材料で形成すると共に、点滴中の患者の眼の高さの部分に、透明資材製窓部(15a)を設けるように構成した請求項1乃至請求項4の何れかに記載の院内感染防止用具。
【請求項6】
カバー体(15)の大きさの範囲を、歩行患者が立って入れる大きさから、車椅子に乗っている患者が入れる程度の大きさとするように設定した請求項1乃至請求項5の何れかに記載の院内感染防止用具。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2012−245297(P2012−245297A)
【公開日】平成24年12月13日(2012.12.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−121313(P2011−121313)
【出願日】平成23年5月31日(2011.5.31)
【出願人】(306024805)株式会社 林物産発明研究所 (155)
【Fターム(参考)】