説明

除湿器およびその容器包装体

【課題】除湿器単体または複数の除湿器をひとまとめにして流通、販売するときの包装形態や購入者が押入れなどにおいて使用しているときなどにおいて、水抜き孔を塞ぐ閉鎖蓋が不用意に傷付いたり、破損しないように包装、保護し得るように改良された容器包装体を提供する。
【解決手段】容器開口部3が透湿非透水性シート4によって塞がれ、該シート4の一部に潮解液Wを捨てる水抜き孔13を設けるとともに、該水抜き孔13が閉鎖シート14によって塞がれている除湿器Aの容器開口部3に蓋体6を備え、この蓋体6は、容器開口部3を覆う天板部6a、天板部6aに連設されて容器周壁1bを覆う両側板部6bを備え、さらに、天板部6aと両側板部6bとを連設する折り目線17の一部に、容器開口部3の開口両短辺縁部3cに掛止させる掛止部16を備えるとともに水抜き孔13の開口部位を除く天板部6aに通気口8を備えている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、除湿器およびその容器包装体に係り、詳しくは、空気中の湿気を潮解性除湿剤で吸湿して空間の湿度を下げ、湿度を低く保つ、押入れ、タンス、下駄箱その他の収納空間などにおいて使用される除湿器および複数の除湿器をひとまとめに並列して支持包装する容器包装体に関する。
【背景技術】
【0002】
除湿器は、容器内に潮解性除湿剤を収容し、容器開口部がシート材に密封されて容器内に湿気が伝われないようにして工場などから流通され、消費者に店頭販売される。シート材は、二層シートからなり、一層目のシートは、湿気や空気を通すが、水は通さない透湿非透水性シート(以後、単に「透湿性シート」と言う)で、二層目のシートは、湿気や空気、そして水も通さない密封シートであり、この密封シートは、透湿性シートの上に剥離可能に貼着されるものである。
ちなみに、潮解性除湿材は、例えば、顆粒状の塩化カルシウム、塩化マグネシウム、酢酸カリウム、塩化ナトリウムなどからなり、空気中の湿気を吸湿することより水溶液へと変化されるものである。
そして、透湿性シートは、例えば、ポリオレフィン樹脂やポリアミド樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂などに微小孔が処理されてなるものであり、容器開口部への貼着は、超音波溶着、熱板溶着、高周波溶着、熱溶着などによって開口縁部(フランジ部)に対して行われる。
一方、密封シートは、アルミシートやポリプロピレンなどのガスバリヤ性フィルムなどからなるものであり、透湿性シートの表面に剥離可能に貼着され、購入者が使用するときに、透湿性シートの表面から簡単に剥離し得るようにしている。
【0003】
ところで、近年の住宅などでは、気密化が図られた環境が主流になってきている。つまり、冷暖房の効率化や省エネルギー、さらには騒音対策などの観点から、気密化が図られた住宅環境となり、それに伴い湿気に起因するカビの発生などが問題視され、その解決策として、空気中の湿気を潮解性除湿剤で吸湿して空間の湿度を下げ、湿度を低く保つ除湿器が広く普及している。例えば、押入れ、タンス、下駄箱その他の収納空間などにおいて、除湿器が数多く使用されるに至っている。
【0004】
そこで、このような使用実態に鑑み、各社販売メーカーなどでは、除湿器を1個単位で流通し、販売するに加えて、複数の除湿器をひとまとめに包装した複数単位の1パックにして流通し、販売することを行っている。そして、各社販売メーカーでは、取扱い性や使用中に不具合などが生じないように配慮し、また、流通時の除湿器の保護などを踏まえた上で、複数の除湿器をひとまとめにして包装する容器包装体の開発を進め、種々の容器包装体が提案されている(特許文献1および特許文献3などを参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特許第4171963号公報
【特許文献2】特開2002−96868号公報
【特許文献3】特開2001−240117号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1から特許文献3に記載の従来技術では、使用後、ゴミとして廃棄するときに、容器内底部側に溜まった潮解液を容器の外に排出するための水抜き孔(排水口)を備えていない。そのため、従来では、カッター、ハサミなどの切断具を用いて透湿性シートを切断するなどによって排水口を設け、潮解液を排出しなければならなかった。
また、潮解液は非常に塩分濃度が高い液体であるために、切断に使用した切断具が腐食するなどの問題が発生し、その対策が求められていた。
【0007】
そこで、本発明は、前記課題を解消するために創案されたものであり、使用後において潮解液を捨てる水抜き孔が備えられている除湿器および複数の除湿器をひとまとめにして流通し、販売するときや購入者が押入れなどにおいて使用しているときなどにおいて、水抜き孔が不用意に傷付いたり、破損しないように保護するように改良された除湿器およびその容器包装体を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前記課題を解決するために、本発明では、容器開口部がシート材によって塞がれ、該シート材の一部に潮解液を捨てる水抜き孔を設けるとともに、該水抜き孔が閉鎖シートによって塞がれている除湿器であって、
前記シート材によって塞がれている前記容器開口部に蓋体を備えてなり、
前記蓋体は、前記容器開口部を覆う天板部と、この天板部から折り目線を介して連設されて容器周壁を覆う両側板部と、を備え、前記天板部と前記両側板部とを連設する前記折り目線の一部に、前記容器開口部の開口縁部に掛止させる掛止部をそれぞれ備えるとともに、前記水抜き孔の開口部位を除く前記天板部に、通気口または通気口用の開口切断線をそれぞれ備えていることを特徴とする。
【0009】
このような構成によれば、容器開口部を塞ぐシート材に設けられている水抜き孔を塞ぐ閉鎖シートは、流通、販売、そして使用状態において蓋体の天板部によって覆われて保護される。つまり、水抜き孔を含めて該水抜き孔を塞ぐ閉鎖シートが傷付いたり、破損することを蓋体によって防ぐことができる。
【0010】
また、本発明では、容器開口部がシート材によって塞がれ、該シート材の一部に潮解液を捨てる水抜き孔を設けるとともに、該水抜き孔を閉鎖シートによって塞いでなる複数の除湿器を並列させて、該除湿器群をひとまとめにして包装支持する容器包装体であって、
前記シート材によって塞がれた前記除湿器郡の前記容器開口部にわたり該容器開口部を覆う天板部と、この天板部から折り目線を介して連設されて前記除湿器群の各容器周壁の少なくとも高さ方向上部側を覆う両側板部と、を備え、前記天板部と前記両側板部とを連設する前記折り目線の一部に、前記除湿容器群の前記容器開口部の開口縁部に掛止させる掛止部をそれぞれ備えるとともに、前記除湿器群のそれぞれの境目には除湿器毎に前記天板部および前記両側板部を分離する分離線をそれぞれ備え、さらに、前記除湿器毎の前記容器開口部と対応する位置で前記水抜き孔の開口部位を除く前記天板部に、通気口または通気口用の開口切断線をそれぞれ備えていることを特徴とする。
【0011】
ここで、前記両側板部が、前記容器周壁の高さ方向の全高に至る幅を有し、この両側板部から折り目線を介して連設されて前記除湿器群にわたり該除湿器群の各容器底壁を覆う両底板部をさらに備え、かつ、前記両側板部には、該両側板部を前記天板部側と前記両底板部側とに分断する引裂き部が前記除湿器群の並列方向にわたり設けられていることが好適なものとなる。
【0012】
このような構成によれば、ひとまとめに包装支持されている除湿器群のそれぞれの容器開口部のシート材に設けられている水抜き孔を含めた該水抜き孔を塞ぐ閉鎖シートは、流通、販売のときに容器包装体の天板部によって覆われて保護される。そして、この保護は、除湿器毎に分離されて使用されるときにおいても継続される。つまり、流通、販売、そして使用しているときに、水抜き孔を含めた閉鎖シートが傷付いたり、破損することを容器包装体によって防ぐ。
【発明の効果】
【0013】
本発明の除湿器およびその容器包装体は、以上のように構成されていることで、容器開口部を塞ぐシート材に設けられている水抜き孔を含めて水抜き孔を塞ぐ閉鎖シートが、流通、販売、そして購入者が押入れなどにおいて使用しているときなどにおいて不用意に傷付いたり、破損しないように天板部によって保護することができる。
これにより、購入者が使用中に除湿器を誤って倒すなどの不具合が生じても、容器内の潮解液が外部に流出することはなく、使用後においてゴミとして廃棄するときには閉鎖シートを剥がし、容器内の潮解液を水抜き孔から排出させて捨てることができる。
【0014】
したがって、本発明によれば、従来のように、カッター、ハサミなどの切断具を用いて透湿非透水性シートを切断するなどの面倒で、手間の掛かる作業が解消されるために、消費者に対するサービスの向上を期待することができる。つまり、消費者は、使用後、手間を掛けずに簡単に廃棄することができ、しかも、切削具が腐食するなどの問題をも解決することができるなどの取扱い性に優れた除湿器およびその容器包装体を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本実施形態に係る本発明の除湿器を示す斜視図である。
【図2】同除湿器の縦断面図である。
【図3】同除湿器の容器本体を示し、(a)は、容器開口部の斜め上方から見たときの斜視図であり、(b)は、受け皿を内在させた状態を示す同斜視図である。
【図4】受け皿を示す斜視図である。
【図5】蓋体の展開説明図である。
【図6】購入者が使用するときに、蓋体を取り外し、密封シートを取り剥がす状態を示す斜視図である。
【図7】タンスなどにおいての使用状態を示す斜視図である。
【図8】水抜き孔から潮解液を排出している状態を示す斜視図である。
【図9】第1の実施形態に係る容器包装体による複数除湿器の包装支持形態を示す斜視図である。
【図10】同容器包装体の展開説明図である。
【図11】第2の実施形態に係る容器包装体による複数除湿器の包装支持形態を示す斜視図である。
【図12】同包装支持形態の縦断面図である。
【図13】同容器包装体の展開説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の実施形態について、適宜図面を参照しながら詳細に説明する。
図1は、本実施形態に係る本発明の除湿器を示す斜視図であり、図2は、同縦断面図である。
【0017】
≪除湿器の構成≫
除湿器Aは、図1および図2に示すように、上面を開口した容器本体1と、この容器本体1内の中高部位に内在される簀の子状の受け皿2と、容器開口部3を塞ぐ透湿非透水性シート(以後、単に「透湿性シート」と称する)4および密封シート5、そして容器開口部3に着脱自在に装着される蓋体6とを備えて構成されている。
そして、このように構成されている除湿器Aは、容器本体1内の受け皿2の上に潮解性除湿剤7が収容されており、消費者(使用者)が使用するときに、後記の図6および図7に示すように、密封シート5を透湿性シート4の上から取り剥がすことで、湿気が透湿性シート4を通過して容器本体1内に流入が可能となり、潮解性除湿剤7に吸湿されるようになっている。
【0018】
≪容器本体の構成≫
図3は、容器本体を示す斜視図である。
容器本体1は、透明または半透明などの透視可能な合成樹脂材料などによって平面視で略矩形形状に形成されている。
この容器本体1は、図3に示すように、容器開口部3に外向きの平坦状に形成されている開口両長辺縁部(両長辺フランジ部)3a,3bのうち、一方の開口長辺縁部3a側に、容器本体1の内側に向けて所望の凹設幅にて凹設させた内向き凹設縁部3a−1を備えている。そして、この内向き凹設縁部3a−1の凹設幅方向の両側には容器底壁1aに至る高さ方向の屈曲部9を備えて、この屈曲部9を介して開口両短辺縁部(開口短辺フランジ部)3cに平面視で略円弧形状に連設させてなる。
【0019】
他方の開口長辺縁部3b側には、内向き凹設縁部3a−1と対応させて容器本体1の外側に向けて凸設させた外向き凸設縁部3b−1を備え、この外向き凸設縁部3b−1の凸設幅方向の両側には容器底壁1aに至る高さ方向の屈曲部10を備えて、この屈曲部10を介して開口両短辺縁部3cに平面視で略円弧形状に連設させてなる。
つまり、内向き凹設縁部3a−1と外向き凸設縁部3b−1とは、平面視で略同じ形状で、開口両長辺縁部3a,3bに対して非対称形に形成されている。
【0020】
また、容器本体1は、図3に示すように、容器周壁1bの内側における要所数ヶ所(計8ヶ所)に補強縦リブ11が備えられており、この各補強縦リブ11の上端に受け皿2が係止された状態で載置されるようになっている。
【0021】
≪受け皿の構成≫
図4は、受け皿を示す斜視図である。ここでは、図3を適宜参照しながら説明する。
受け皿2は、合成樹脂材料などによって容器本体1内の中高部位に位置する平面視形状に形成されている。そして、受け皿2は、図3の(b)および図4に示すように、外周輪郭に沿う平坦部2aと、その内側に一段高く形成されている段部2bと、さらにその内側に略山形形状に形成されている中央部2cとから形成され、それら各部には、長孔形状の滴下孔12が多数設けられている。
【0022】
≪透湿性シートおよび密封シートの説明≫
ここでは、図1および図2を適宜参照しながら説明する
透湿性シート4は、湿気や空気を通すが、水は通さない、例えば、ポリオレフィン樹脂やポリアミド樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂などに微小孔が処理されてなるものであり、容器開口部3の開口長辺・短辺両縁部3a,3b,3cに熱溶着などによって溶着されて取り付けられるようになっている。
そして、この透湿性シート4には、図1および図2に示すように、受け皿2によって区画された容器本体1の下部空間M側に溜まった潮解液Wを排出するための水抜き孔13を備えている。
【0023】
密封シート5は、湿気や空気、そして水も通さない、例えば、アルミシートやポリプロピレンなどのガスバリヤ性フィルムなどからなるものであり、透湿性シート4に剥離可能に貼着され、購入者が使用するときに、透湿性シート4の表面から簡単に取り剥がすことができるようになっている。
【0024】
水抜き孔13は、透湿性シート4に平面視で略U字形状に切込みが入れられることで設けられている。そして、この水抜き孔13は、被透水性シートなどからなる閉鎖シート14によって塞がれている。
これにより、潮解性除湿剤7の全てが潮解液Wとなって受け皿2の滴下孔12から容器本体1の下部空間M側に溜まり、除湿器Aをゴミとして廃棄するときに、後記の図8に示すように、閉鎖シート14を剥がし、容器本体1を傾けることで、水抜き孔13から潮解液Wを排出することができるようにしている。
【0025】
≪蓋体の構成≫
図5は、蓋体の展開説明図である。ここでは、図1および図2を適宜参照しながら説明する。
蓋体6は、厚紙などのブランクシートを用いた打抜き加工によって形成されるものであり、図1および図2、図5に示すように、透湿性シート4および密封シート5によって塞がれる容器開口部3の全面を覆う程度の大きさを有する略矩形形状の天板部6aと、この天板部6aに折り目線15を介してそれぞれ連設されて容器本体1の容器周壁1bの上部側を覆う両側板部6bとから形成されている。
【0026】
また、蓋体6は、天板部6aと両側板部6bとを連設する折り目線15の一部(天板部6aの短辺幅方向中央部位)に、容器開口部3の開口両短辺縁部3cに係脱自在に掛止させる掛止部16をそれぞれ備えている。これにより、掛止部16を、図2に示すように、開口両短辺縁部3cに掛止させたり、その掛止状態を解除させることで、蓋体6を容器開口部3に係脱自在に装着し得るようにしている。
【0027】
そして、このように形成されている蓋体6の天板部6aには、購入者が使用するときに開口する通気口用の開口切断線8aが設けられている。
【0028】
通気口用の開口切断線8aは、図1および図2に示すように、透湿性シート4に設けられて閉鎖シート14によって塞がれている水抜き孔13の開口部位および閉鎖シート14が貼られている範囲を除く天板部6aにおいて、適宜形状の通気口8が開口されるようにミシン目などを施すことで形成されている。
これにより、除湿器Aの製造工場からの流通、店舗における販売(陳列)、そして購入者が押入れなどにおいて使用しているときに、水抜き孔13を含めてこの水抜き孔13を塞ぐ閉鎖シート14が傷付いたり、破損することを蓋体6の天板部6aによって保護し、防ぐようにしている。
【0029】
[作用説明]
つぎに、以上のように構成されている本実施形態に係る除湿器Aの使い方について簡単に説明する。
図6は、購入者が使用するときに、蓋体を取り外し、密封シートを取り剥がす状態を示す斜視図であり、図7は、タンスなどにおいての使用状態を示す斜視図であり、図8は、水抜き孔から潮解液を排出しているときの状態を示す斜視図である。
まず、購入者は、タンスなどにおいて使用するときに、図6に示すように、蓋体6を容器本体1から取り外す。つぎに、開口切断線8aに沿って通気口8の開口面部8bを天板部6aから切り離し、天板部6aに通気口8を開口する。最後に、密封シート5を透湿性シート4の上から取り剥がした後に、図7に示すように、蓋体6を容器開口部3に装着する。
これにより、湿気が透湿性シート4を通過して容器本体1内への流入が可能となり、また、水抜き孔13を塞ぐ閉鎖シート14は、天板部6aによって覆われて傷付いたり、破損しないように保護される。
【0030】
そして、湿気の吸湿によって受け皿2上の潮解性除湿剤7の全てが容器本体1の下部空間Mに潮解液Wとなって滴下し、除湿器Aをゴミとして廃棄するときには、蓋体6を容器本体1から取り外し、水抜き孔13を塞いでいる閉鎖シート14を透湿性シート4から剥がして、図8に示すように、容器本体1を傾けて容器本体1内の潮解液Wを水抜き孔13から排出することができる。
【0031】
つぎに、以上のように構成されている除湿器A複数をひとまとめにして包装支持する第1の実施形態に係る本発明の容器包装体Bについて説明する。ここでは、前記の図2を適宜参照しながら説明する
図9は、第1の実施形態に係る容器包装体による複数除湿器の包装支持形態を示す斜視図であり、図10は、容器包装体の展開説明図である。
この実施形態では、蓋体6を除く除湿器Aの基本構成は、前記の実施形態と基本的に同じ構成であることから同じ構成要素に同じ符合を付することが重複説明は省略する。
【0032】
≪容器包装体の構成≫
容器包装体Bは、前記した蓋体6と同じく、厚紙などのブランクシートを用いた打抜き加工によって形成される。
この容器包装体Bは、図9および図10に示すように、一列に並列されている複数(図では3個)の除湿器A群の容器開口部3にわたり該容器開口部3を覆う略長方形状の天板部B1を備え、この天板部B1に折り目線17を介して連設されて除湿器Aの各容器周壁1bの上部側を覆う両側板部B2を備えて構成されている。
【0033】
そして、容器包装体Bは、購入者が使用するときに、除湿器A群をひとまとめに包装支持する天板部B1と両側板部B2を、除湿器A毎に切り離し可能とする分離線18を、除湿器A群のそれぞれの境目部位においてそれぞれ備えている。
【0034】
分離線18は、流通や販売中の陳列状態においては不用意に切れることがなく、購入者が使用するときには簡易に切り離分離し得るような、例えば、ミシン目やその他の破断線によって形成されている。
【0035】
また、容器包装体Bは、除湿器A毎に包装支持する天板部B1と両側板部B2とを連設する折り目線17の一部(分離線18で分離される天板部B1の幅方向中央部位)に、除湿器A毎の容器開口部3の開口両短辺縁部3cに係脱自在に掛止させる掛止部19をそれぞれ備えている。これにより、掛止部19を、前記の図2に示すように、開口両短辺縁部3cに掛止させたり、その掛止状態を解除させることで、除湿器A毎に天板部B1および両側板部B2を係脱自在に装着し得るようにしている。
【0036】
そして、このように形成されている容器包装体Bの分離線18を介して連設している除湿器A毎の天板部B1には、前記の実施例詳述のように、購入者が使用するときに開口する通気口用の開口切断線8aが設けられている。
この通気口用の開口切断線8aは、前記の実施形態詳述と基本的に同じ構成であることから同じ構成部分に同じ符合を付することで重複説明は省略する。
【0037】
[作用説明]
ここでは、前記の図1、図2、図6〜図9を適宜参照しながら説明する。
第1の実施形態に係る容器包装体Bによれば、並列されている3個の除湿器A毎の容器本体1の開口両短辺縁3cを、前記の図2に示すように、容器包装体Bのそれぞれの掛止部16に掛止させる。これにより、並列する除湿器A群を、図9に示すように、ひとまとめにして、なおかつ、除湿器A毎に設けられている水抜き孔13を天板部B1で覆う支持形態で包装することができる。
そして、購入者が使用するときには、分離線18から除湿器A毎に容器包装体Bの天板部B1および両側板部B2を切り離すことで、図1に示すように、除湿器A毎の包装形態に分離することができる。つまり、分離線18によって分離された容器包装体Bの天板部B1および両側板部B2は、前記の実施形態の蓋体6として利用され、図6に示すように、蓋体6を容器本体1から取り外し、開口切断線8aに沿って通気口8の開口面部8bを天板部B1から切り離して天板部B1に通気口8を開口する。ついで、密封シート5を透湿性シート4の上から取り剥がした後に、図7に示すように、蓋体6を容器開口部3に装着する。
これにより、湿気が透湿性シート4を通過して容器本体1内への流入が可能となり、また、水抜き孔13を塞ぐ閉鎖シート14は、天板部B1によって覆われて傷付いたり、破損しないように保護される。
【0038】
そして、湿気の吸湿によって受け皿2上の潮解性除湿剤7の全てが容器本体1の下部空間Mに潮解液Wとなって滴下し、除湿器Aをゴミとして廃棄するときには、図8に示すように、水抜き孔13を塞いでいる閉鎖シート14を剥がして容器本体1を傾けることで、容器本体1内の潮解液Wを水抜き孔13から排出することができる。
【0039】
つぎに、第2の実施形態に係る本発明の容器包装体Cについて説明する。
図11は、第2の実施形態に係る容器包装体による複数除湿器の包装支持形態を示す斜視図であり、図12は、同縦断面図であり、図13は、同容器包装体の展開説明図である。
この第2の実施形態においては、図11および図13に示すように、容器包装体Cを構成する天板部C1から折り目線20を介して連設される両側板部C2を、容器本体1の容器周壁1bの高さ方向の全高に至る幅とし、この両側板部C2から折り目線21を介して連設されて並列する除湿器A群にわたり該除湿器A群の各容器底壁1aを覆う両底板部C3をさらに備えている構成を採用しており、その以外の構成要素においては前記の実施形態と基本的に同じことから同じ構成要素に同じ符合を付することで重複説明は省略する。
【0040】
≪容器包装体の構成≫
すなわち、容器包装体Cは、厚紙などのブランクシートを用いた打抜き加工によって形成されるものであり、図11から図13に示すように、一列に並列されている複数(図では3個)の除湿器A群の各容器開口部3にわたり該容器開口部3を覆う略長方形状の天板部C1を備え、この天板部C1に折り目線20を介して連設されて除湿器Aの各容器周壁1bを覆う両側板部C2を備え、さらにこの両側板部C2に折り目線21を介して連設されて除湿器Aの各容器底壁1aを覆う両底板部C3を備えて構成されている。
【0041】
そして、容器包装体Cは、購入者が使用するときに、除湿器A群をひとまとめに包装支持する天板部C1と両側板部C2、そして両底板部C3を、除湿器A毎に切り離し分離を可能とする分離線22を、除湿器A群のそれぞれの境目部位においてそれぞれ備えている。さらに、容器包装体Cは、両側板部C2を、天板部C1側と両底板部C3側とに分断するための引裂き部23を、除湿器A群の並列支持方向にわたり備えている。
【0042】
切断線22は、前記した実施形態のように、ミシン目やその他の破断線によって形成されるものであるが、図11および図13に示すように、天板部C1から両側板部C2の引裂き部23に至る範囲または引裂き部23を通過して両底板部C3に至るように形成されている。
引裂き部23は、例えば、ミシン目やその他の破断線を適宜の間隔をおいて平行に施すなどによって形成されている。
【0043】
[作用説明]
ここでは、前記の図6から図8、そして図11および図12を適宜参照しながら説明する。
第2の実施形態に係る容器包装体Cによれば、並列されている3個の除湿器A毎の容器本体1の開口両短辺縁3cを、図12に示すように、容器包装体Cのそれぞれの掛止部19に掛止させるとともに、両底板部C3を並列する除湿器A群の容器底壁1aを覆うように巻き込み、両底板部C3の重なり合う部分を接着剤などによって連結することで、並列する除湿器A郡を、図11に示すように、ひとまとめにして、なおかつ、除湿器A毎に設けられている水抜き孔13を天板部C1で覆う支持形態として包装することができる。
そして、購入者が使用するときには、分離線22から除湿器A毎に容器包装体Cの天板部C1および両側板部C2、そして底板部C3を切り離すことで、除湿器A毎の包装形態に分離することができる。
つぎに、引裂き部23によって両側板部C2を天板部C1側と両底板部C3側とに引裂き分離する。つまり、分離線22と引裂き部23によって分離された容器包装体Cの天板部C1および両側板部C2は、前記の実施形態の蓋体6として利用され、図6に示すように、蓋体6を容器本体1から取り外し、通気口用の開口切断線8aに沿って通気口8の開口面部8bを天板部C1から切り離し、天板部C1に通気口8を開口する。そして、密封シート5を透湿性シート4の上から取り剥がした後に、図7に示すように、蓋体6を容器開口部3に装着する。
これにより、湿気が透湿性シート4を通過して容器本体1内への流入が可能となり、また、水抜き孔13を塞ぐ閉鎖シート14は、天板部C1によって覆われて傷付いたり、破損しないように保護される。
【0044】
そして、湿気の吸湿によって受け皿2上の潮解性除湿剤7の全てが容器本体1の下部空間Mに潮解液Wとなって滴下し、除湿器Aをゴミとして廃棄するときには、図8に示すように、水抜き孔13を塞いでいる閉鎖シート14を剥がして容器本体1を傾けることで、容器本体1内の潮解液Wを水抜き孔13から排出することができる。
【0045】
なお、本発明の実施形態の具体的な構成は、前記した実施形態に限られるものではなく、請求項1から請求項3に記載の本発明の要旨を逸脱しない範囲で設計変更などがあっても本発明に含まれるものである。
例えば、天板部6a,B1,C1に開口される通気口8の開口形状は、水抜き孔13の開口部位を除いて四角形状、丸型形状、或いは独立させた複数の長孔形状など任意に設けることができる。
【0046】
また、分離線18,22を、引裂き部23と同じ形態にて形成することができる。このようにすることで、購入者が除湿器A毎に容器包装体B,Cの天板部B1,C1および両側板部B2,C2、さらに両底板部C3を切り離し分離するときに、その分離作業をより速やかに行うことができる。
【0047】
また、通気口8は、開口切断線8aなどを施すことなく、天板部6a,B1,C1に直接開口させた状態で、消費者に販売されるようにすることができる。
【符号の説明】
【0048】
A 除湿器
1 容器本体
1a 容器底壁
1b 容器周壁
2 受け皿
3 容器開口部
4 透湿非透水性シート(シート材)
5 密封シート(シート材)
6 蓋体
6a 天板部
6b 側板部
7 潮解性除湿剤
8 通気口
8a 開口切断線
8b 開口面部
13 水抜き孔
14 閉鎖シート
B,C 容器包装体
B1,C1 天板部
B2,C2 側板部
C3 底板部
17,20,21 折り目線
18,22 分離線
19 掛止部
23 引裂き部
W 潮解液

【特許請求の範囲】
【請求項1】
容器開口部がシート材によって塞がれ、該シート材の一部に潮解液を捨てる水抜き孔を設けるとともに、該水抜き孔が閉鎖シートによって塞がれている除湿器であって、
前記シート材によって塞がれている前記容器開口部に蓋体を備えてなり、
前記蓋体は、前記容器開口部を覆う天板部と、
この天板部から折り目線を介して連設されて容器周壁を覆う両側板部と、を備え、
前記天板部と前記両側板部とを連設する前記折り目線の一部に、前記容器開口部の開口縁部に掛止させる掛止部をそれぞれ備えるとともに、前記水抜き孔の開口部位を除く前記天板部に、通気口または通気口用の開口切断線をそれぞれ備えていることを特徴とする除湿器。
【請求項2】
容器開口部がシート材によって塞がれ、該シート材の一部に潮解液を捨てる水抜き孔を設けるとともに、該水抜き孔を閉鎖シートによって塞いでなる複数の除湿器を並列させて、該除湿器群をひとまとめにして包装支持する容器包装体であって、
前記シート材によって塞がれた前記除湿器郡の前記容器開口部にわたり該容器開口部を覆う天板部と、
この天板部から折り目線を介して連設されて前記除湿器群の各容器周壁の少なくとも高さ方向上部側を覆う両側板部と、を備え、
前記天板部と前記両側板部とを連設する前記折り目線の一部に、前記除湿容器群の前記容器開口部の開口縁部に掛止させる掛止部をそれぞれ備えるとともに、前記除湿器群のそれぞれの境目には除湿器毎に前記天板部および前記両側板部を分離する分離線をそれぞれ備え、
さらに、前記除湿器毎の前記容器開口部と対応する位置で前記水抜き孔の開口部位を除く前記天板部に、通気口または通気口用の開口切断線をそれぞれ備えていることを特徴とする除湿器の容器包装体。
【請求項3】
前記両側板部は、前記容器周壁の高さ方向の全高に至る幅を有し、この両側板部から折り目線を介して連設されて前記除湿器群にわたり該除湿器群の各容器底壁を覆う両底板部をさらに備え、
かつ、前記両側板部には、該両側板部を前記天板部側と前記両底板部側とに分断する引裂き帯部が前記除湿器群の並列方向にわたり設けられていることを特徴とする請求項2に記載の除湿器の容器包装体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2010−274985(P2010−274985A)
【公開日】平成22年12月9日(2010.12.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−131022(P2009−131022)
【出願日】平成21年5月29日(2009.5.29)
【出願人】(000000550)オカモト株式会社 (118)
【Fターム(参考)】