説明

除草組成物

A)プレチラクロル+プロスルホカルブ、B)プレチラクロル+メソトリオン+プロスルホカルブ、C)プレチラクロル+ピリフタリド+ベンスルフロン、D)プレチラクロル+メソトリオン+ピリフタリド+ベンスルフロン、E)プレチラクロル+メソトリオン+ピリフタリド+イマゾスルフロン及び、F)プレチラクロル+メソトリオン+ピリフタリド+ピラゾスルフロンから成る群から選択される除草化合物の組み合わせを含んで成ることを特徴とする、雑草の選択的な防除のための除草相乗作用組成物。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、好ましくは、有用な作物中の雑草(イネ科植物、広葉の雑草及びスゲ)、特に有用な作物、例えばコメの作物中のALS−耐性雑草の選択的な防除に適した除草活性成分の組み合わせを含んで成る、新規の除草相乗作用組成物に関する。
【0002】
本発明は、有用な作物中の所望されない植生として定義される雑草を防除する方法、及び防除が所望される場所、例えば所望されない植生又はその場所に作用するための新規の組成物の使用にも関する。
【背景技術】
【0003】
例えば、The e−Pesticide Manual(version 3.0,13th Edition,Ed.CDC Tomlin,British Crop Protection Council,2003−2004)に記載されているように、化合物、ベンスルフロン(64)、イマゾスルフロン(456)、メソトリオン(515)、プレチラクロル(656)、プロスルホカルブ(683)、ピラゾスルフロン−エチル(694)、ピリフタリド(704)及びそれらの農学的に許容される塩は、除草作用を示す。
【発明の開示】
【0004】
驚いたことに、可変量の規定された活性成分の組み合わせが、感知できるほどに有用な植物に損傷を与えずに、特に有用な作物中に発生する大部分の雑草(発芽前及び発芽後の双方)を防除することができる相乗作用を示すことが見出された。特に、解決すべき具体的な問題は、有用な作物、例えばコメの作物中のALS−耐性雑草の選択的な防除である。
【0005】
従って、本発明により、
A)プレチラクロル+プロスルホカルブ
B)プレチラクロル+メソトリオン+プロスルホカルブ
C)プレチラクロル+ピリフタリド+ベンスルフロン
D)プレチラクロル+メソトリオン+ピリフタリド+ベンスルフロン
E)プレチラクロル+メソトリオン+ピリフタリド+イマゾスルフロン及び
F)プレチラクロル+メソトリオン+ピリフタリド+ピラゾスルフロン
から成る群から選択される除草化合物の組み合わせを含んで成ることを特徴とする、雑草の選択的な防除のための新規な除草相乗作用組成物を提供する。
【0006】
それらの活性成分の組み合わせが、原則として予測される防除すべき雑草への相加効果を超え、それにより特に2つの観点(第一に、優れたレベルの作用が保持されると同時に個々の化合物の適用の比率が減少し、第二に、適用範囲の低い比率における個々の物質が農学的な観点から無益となる場合においても、本発明の組成物が高いレベルの雑草防除を達成する)において双方の活性成分の作用の範囲を広げることは、極めて驚くべきことである。その結果は、活性成分の意図していない過剰投与の場合に必要で且つ所望される、雑草の範囲の相当な拡大及び有用な作物に関する選択性における付加的な増大である。本発明の組成物は、有用な作物中の雑草の優れた防除を保持しながら、後続の作物におけるより大きな柔軟性も可能にする。
【0007】
本発明の組成物は、言及した任意の混合比の活性成分を含んで成るが、通常1つの成分が他の成分より過剰である。
【0008】
原則として、化合物プレチラクロル及びプロスルホカルブは、それぞれ300〜600及び2000〜4000のg/ha比における、2者混合物プレチラクロル+プロスルホカルブにおいて適用し、化合物プレチラクロル、メソトリオン、プロスルホカルブ、ピリフタリド及びベンスルフロンは、それぞれ300〜600、50〜100、2000〜4000、50〜75及び100〜200のg/ha比における、3者混合物プレチラクロル+メソトリオン+プロスルホカルブ及びプレチラクロル+ピリフタリド+ベンスルフロンにおいて適用し、化合物プレチラクロル、メソトリオン、ピリフタリド、ベンスルフロン、イマゾスルフロン及びピラゾスルフロンは、それぞれ300〜600、50〜100、100〜200、50〜75、50〜75及び50〜75のg/ha比における、4者混合物プレチラクロル+メソトリオン+ピリフタリド+ベンスルフロン、プレチラクロル+メソトリオン+ピリフタリド+イマゾスルフロン及びプレチラクロル+メソトリオン+ピリフタリド+ピラゾスルフロンにおいて適用する。
【0009】
好ましい混合重量比は:
・2者混合物プレチラクロル+プロスルホカルブの場合は、5〜7:30〜50、
・3者混合物プレチラクロル:メソトリオン:プロスルホカルブそれぞれに関して、5〜7:0.1〜3:30〜50、
・3者混合物プレチラクロル:メソトリオン:ベンスルフロンそれぞれに関して、5〜7:0.1〜3:1〜3、
・4者混合物プレチラクロル:メソトリオン:ベンスルフロン、プレチラクロル:メソトリオン::イマゾスルフロン及びプレチラクロル:メソトリオン:ピリフタリド:ピラゾスルフロンそれぞれに関して、5〜7:0.1〜3:1〜4:1〜3。
【0010】
最も好ましい混合重量比は:
・2者混合物プレチラクロル:プロスルホカルブそれぞれに関して、6:40、
・混合物プレチラクロル:メソトリオン:プロスルホカルブそれぞれに関して、6:1:40、
・混合物プレチラクロル:メソトリオン:ベンスルフロンそれぞれに関して、6:1:1、
・4者混合物プレチラクロル:メソトリオン:ピリフタリド:ベンスルフロン、プレチラクロル+メソトリオン+ピリフタリド+イマゾスルフロン及びプレチラクロル+メソトリオン+ピリフタリド+ピラゾスルフロンそれぞれに関して、6:1:2:1。
【0011】
適用の比率は広い制限の中で変わることもでき、土壌の性質、適用の方法(発芽前又は発芽後;種子ドレッシング;種子畝間への適用;無耕作適用など)、作物、防除する雑草又はイネ科植物、一般的な気候条件、並びに適用の方法、適用の時間及び標的作物により決定される他の因子に依存する。本発明の活性成分混合物は、一般的には1ヘクタールあたり0.05〜7kgの活性成分混合物の比率で、好ましくは2者混合物の場合には0.5〜6kgの比率で、3者混合物の場合には1ヘクタールあたり2〜6kgの活性成分混合物の比率で、4者混合物の場合には0.5〜2kgの比率で適用することができる。
【0012】
本発明は、有用植物又は耕作領域又はその場所を、本発明の組成物を用いて同時に又は異なる時間に処理することを含んで成る、有用植物中のイネ科植物及び雑草を選択的に防除するための方法にも関する。本発明の組成物を用いることのできる有用植物の作物としては、特にコメが挙げられる。
【0013】
「作物」という用語は、育種又は遺伝子組み換えに関する従来の方法の結果として、除草剤又は数種の除草剤(例えば、ALS、GS、EPSPS、PPO及びHPPDインヒビター)に対して耐性が付与された作物も含むことが理解されるべきである。育種の従来の方法により例えばイマザモックスなどのイミダゾリノンに対して耐性にされた作物の例は、Clearfield(登録商標)サマーレイプ(summer rape)(Canola)である。遺伝子組み換え法により除草剤に対して耐性が付与された作物の例としては、例えばRoundupReady(登録商標)及びLibertyLink(登録商標)の商標名で商業的に入手可能なグリホサート−及びグルホシネート−耐性トウモロコシ品種が挙げられる。防除する雑草は、単子葉植物及び双子葉植物の雑草、例えばハコベ属、オランダガラシ属、ヌカボ属、メヒシバ属、カラスムギ属、セタリア属、シロガラシ属、ドクムギ属、ナス属、ヒエ属、アブラガヤ属、コナギ属、オモダカ属、スズメノチャヒキ属、スズメノテッポウ属、モロコシ属、ウシノシッペイ属、カヤツリグサ属、イチビ属、キンゴジカ属、オナモミ属、ヒユ属、アカザ属、イポミア属、キク属、ヤエムグラ属、スミレ属とクワガタソウ属であることができる。
【0014】
作物は、遺伝子組み換え法により害虫に対して耐性を付与されたものとしても理解されるべきであり、例えばBtトウモロコシ(ヨーロピアンアワノメイガに対して耐性)、Bt綿(綿ワタミゾウムシに対して耐性)及びBtジャガイモ(コロラドハムシに対して耐性)である。Btトウモロコシの例は、NK(登録商標)(Syngenta Seeds)のBt−176トウモロコシ交配種である。Bt毒素は、バチルスチューリンゲンシス(Bacillus thuringiensis)細菌により天然に形成されるタンパク質である。毒素及びこのような毒素を合成することのできる遺伝子組み換え植物の例は、EP−A−451 878、EP−A−374 753、WO93/07278、WO95/34656、WO03/052073及びEP−A−427 529に記載されている。殺虫剤耐性に関してコードし、1以上の毒素を発現する1以上の遺伝子を含む遺伝子組み換え植物の例は、KnockOut(登録商標)(トウモロコシ)、Yield Gard(登録商標)(トウモロコシ)、NuCOTIN33B(登録商標)(綿)、Bollgard(登録商標)(綿)、NewLeaf(登録商標)(ジャガイモ)、NatureGard(登録商標)及びProtexcta(登録商標)である。作物及びそれらの種子材料は、除草剤に対して、そして同時に昆虫摂食に対しても耐性であることができる(「積層型(stacked)」遺伝子組み換えイベント)。種子は、例えば殺虫活性Cry3タンパク質を発現する能力を有することができ、同時にグリホサート耐性であることができる。「作物」という用語は、いわゆるアウトプットされた形質(例えば、向上したフレーバー、貯蔵安定性、栄養素含有量)を含む、育種又は遺伝子組み換えの従来の方法の結果として得られる作物も含むことが理解されるべきである。
【0015】
耕作領域は、作物が既に成長している土地、及びそれらの作物の耕作を意図した土地を含むことが理解されるべきである。
【0016】
本発明の組成物は、未変化形態で用いることができる。しかし、本発明の組成物は、一般的に製剤アジュバント、例えば担体、溶媒及び界面活性物質を用いて様々な方法で製剤化することができる。製剤は様々な物理学的形態、例えば散布剤、ゲル、水和剤、水分散性顆粒、水分散性錠剤、発泡圧縮錠、乳化可能な濃縮物、マイクロ乳化可能な濃縮物、水中油型乳剤、油流動物(oil flowable)、水分散液、油分散液、サスポエマルション、カプセル懸濁液、乳化可能な顆粒、可溶性液体、水溶性濃縮物(担体として、水又は水混和性有機溶媒を用いる)、含浸高分子フィルムの形態、又は例えば「Manual on Development and Use of FAO Specifications for Plant Protection Products」(5th Edition,1999)により知られている他の形態であることができる。このような製剤は、直接用いるか使用の前に希釈することができる。希釈製剤は、例えば水、液体肥料、微量栄養素、生物有機体、油又は溶媒を用いて調製することができる。
【0017】
製剤は、例えば活性成分を製剤アジュバントと混合することにより調製し、微粉化した固体、顆粒、溶液、懸濁液又はエマルジョンの形態の組成物を得ることができる。活性成分は、他のアジュバント、例えば微粉化した固体、鉱油、植物油、変性植物油、有機溶媒、水、界面活性物質又はそれらの組み合わせと一緒に製剤化することもできる。活性成分は、ポリマーから成る非常に細かいマイクロカプセル中に含ませることもできる。マイクロカプセルは、多孔質担体中に活性成分を含む。これは、活性成分が制御された量でそれらの周囲に放出されることを可能にする(例えば、持続放出)。マイクロカプセルは、通常0.1〜500ミクロンの直径を有する。それらは、カプセル重量の約25〜95重量%の量において活性成分を含む。活性成分は、モノリシック構造の固体の形態、固体又は液体分散液中の微粒子の形態、或いは適切な溶液の形態で存在することができる。カプセル化膜は、例えば天然及び合成ゴム、セルロース、スチレン−ブタジエン共重合体、ポリアクリロニトリル、ポリアクリレート、ポリエステル、ポリアミド、ポリ尿素、ポリウレタン又は化学的に修飾したポリマー及びデンプンキサントゲン酸塩、或いはこれに関連する当業者に知られている他のポリマーを含んで成る。或いは、非常に細かいマイクロカプセルは、基礎物質の固体マトリックス中に微粉化された粒子の形態で存在するように形成することが可能であるが、この場合マイクロカプセルはカプセル化されない。
【0018】
本発明の組成物の調製に適した製剤アジュバントは、それ自体知られている。液体担体として、以下のものを用いることができる:水、トルエン、キシレン、石油エーテル、植物油、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、酸無水物、アセトニトリル、アセトフェノン、酢酸アミル、2−ブタノン、炭酸ブチレン、クロロベンゼン、シクロヘキサン、シクロヘキサノール、酢酸のアルキルエステル、ジアセトンアルコール、1,2−ジクロロプロパン、ジエタノールアミン、p−ジエチルベンゼン、ジエチレングリコール、ジエチレングリコールアビエチン酸塩、ジエチレングリコールブチルエーテル、ジエチレングリコールエチルエーテル、ジエチレングリコールメチルエーテル、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、1,4−ジオキサン、ジプロピレングリコール、ジプロピレングリコールメチルエーテル、ジプロピレングリコールジベンゾエート、ジプロキシトール、アルキルピロリドン、酢酸エチル、2−エチルヘキサノール、炭酸エチレン、1,1,1−トリクロロエタン、2−ヘプタノン、アルファ−ピネン、d−リモネン、乳酸エチル、エチレングリコール、エチレングリコールブチルエーテル、エチレングリコールメチルエーテル、ガンマ−グチロラクトン、グリセロール、グリセロール酢酸塩、グリセロール二酢酸塩、グリセロール三酢酸塩、ヘキサデカン、ヘキシレングリコール、酢酸イソアミル、酢酸イソボルニル、イソオクタン、イソホロン、イソプロピルベンゼン、ミリスチン酸イソプロピル、乳酸、ラウリルアミン、酸化メシチル、メトキシプロパノール、メチルイソアミルケトン、メチルイソブチルケトン、ラウリン酸メチル、オクタン酸メチル、オレイン酸メチル、塩化メチレン、m−キシレン、n−へキサン、n−オクチルアミン、オクタデカン酸、オクチルアミン酢酸塩、オレイン酸、オレイルアミン、o−キシレン、フェノール、ポリエチレングリコール(PEG 400)、プロピオン酸、乳酸プロピル、炭酸プロピレン、プロピレングリコール、プロピレングリコールメチルエーテル、p−キシレン、トルエン、トリエチルリン酸塩、トリエチレングリコール、キシレンスルホン酸、パラフィン、鉱油、トリクロロエチレン、ペルクロロエチレン、酢酸エチル、酢酸アミル、酢酸ブチル、プロピレングリコールメチルエーテル、ジエチレングリコールメチルエーテル、メタノール、エタノール、イソプロパノール、及び高分子量アルコール、例えばアミルアルコール、テトラヒドロフルフリルアルコール、ヘキサノール、オクタノール、エチレングリコール、プロピレングリコール、グリセロール、N−メチル−2−ピロリドンなど。水は、濃縮物の希釈に一般的に好まれる担体である。適切な固体担体は、例えばCFR180.1001.(c)&(d)に記載されているように、例えばタルク、二酸化チタン、葉ろう石クレイ、シリカ、アタパルジャイトクレイ、珪藻土、石灰石、炭酸カルシウム、ベントナイト、カルシウムモントモリロナイト、綿の実の皮、小麦粉、大豆粉、軽石、木粉、粉末のクルミの殻、リグニン及び類似の物質である。
【0019】
多くの界面活性物質は、固体及び液体製剤中、特に使用前に担体で希釈することのできるそれらの製剤中で有利に用いることができる。界面活性物質は陰イオン性、陽イオン性、非イオン性又はポリマーであることができ、それらは乳化、湿潤又は懸濁物質として或いは他の目的のために用いることができる。典型的な界面活性物質としては、例えばアルキル硫酸塩、例えばジエタノールアンモニウムラウリル硫酸塩;アルキルアリールスルホン酸塩、例えばドデシルベンゼンスルホン酸カルシウム;アルキルフェノール−アルキレン酸化物の添加生成物、例えばノニルフェノールエトキシレート;アルコール−アルキレン酸化物の添加生成物、例えばトリデシルアルコールエトキシレート;せっけん、例えばステアリン酸ナトリウム;アルキルナフタレンスルホン酸塩、例えばジブチルナフタレンスルホン酸ナトリウム;スルホコハク酸塩のジアルキルエステル、例えばジ(2−エチルヘキシル)スルホコハク酸ナトリウム;ソルビトールエステル、例えばソルビトールオレイン酸塩;第4級アミン、例えばラウリルトリメチルアンモニウム塩化物、脂肪酸のポリエチレングリコールエステル、例えばポリエチレングリコールステアリン酸塩;酸化エチレン及び酸化プロピレンのブロック共重合体;並びに、モノ−及びジアルキルリン酸エステル;並びに、例えば「McCutcheon's Detergents and Emulsifiers Annual」(MC Publishing Corp.,Ridgewood,New Jersey,1981)に記載されている更なる物質が挙げられる。
【0020】
農薬製剤中で通常用いることのできる更なるアジュバントとしては、結晶化阻害剤、粘度を変化させる物質、懸濁物質、色素、抗酸化剤、発泡剤、光吸収剤、混同補助剤、消泡剤、錯化剤、中和若しくはpHを変化させる物質及びバッファー、腐食阻害剤、香料、湿潤剤、吸収改良剤、微量栄養素、可塑剤、流動促進剤、潤滑剤、分散剤、増粘剤、不凍剤、マイクロバイオサイド、並びに液体及び固体肥料が挙げられる。
【0021】
製剤は追加の活性物質、例えば更なる除草剤、除草剤セーフナー(safener)、植物成長調整剤、殺真菌剤又は殺虫剤も含んで成ることができる。
【0022】
本発明の組成物は、植物又は動物起源の油、鉱油、そのような油のアルキルエステル又はそのような油と油誘導体の混合物を含んで成る添加物を付加的に含むことができる。本発明の組成物中で用いる油添加物の量は、一般的にスプレー混合物に基づいて0.01〜10%である。例えば、油添加物は、スプレー混合物を調製した後に、所望の濃度で、スプレータンクに加えることができる。好ましい油添加物は、鉱油又は植物起源の油、例えば菜種油、オリーブオイル又はヒマワリ油、乳化植物油、例えばAMIGO(登録商標)(Rhone−Poulenc Canada Inc.)、植物起源の油のアルキルエステル、例えばメチル誘導体、又は動物起源の油、例えば魚油又は牛脂を含んで成る。好ましい添加物は、例えば活性成分として、基本的に80重量%の魚油のアルキルエステル及び15重量%のメチル化菜種油、並びに5重量%の通常の乳化剤及びpH調整剤を含む。基本的に好ましい油添加物はC8〜C22脂肪酸のアルキルエステルを含んでなり、基本的にC12〜C18脂肪酸のメチル誘導体、例えばラウリル酸のメチルエステル、パルミチン酸及びオレイン酸が重要である;それらのエステルは、それぞれラウリル酸メチル(CAS−111−82−0)、パルミチン酸メチル(CAS−112−39−0)及びオレイン酸メチル(CAS−112−62−9)として知られている。好ましい脂肪酸メチルエステル誘導体は、Emery(登録商標)2230又は2231(Cognis GmbH)である。それらの及び他の油誘導体は、Compendium of Herbicide Adjuvants(5th Edition,Southern Illinois University,2000)からも知られている。
【0023】
油添加物の適用及び作用は、それらを界面活性物質(例えば、非イオン性、陰イオン性又は陽イオン性界面活性剤)と混合することにより更に改良することができる。適切な陰イオン性、非イオン性及び陽イオン性界面活性剤の例は、WO97/34485のページ7及び8に記載されている。好ましい界面活性物質は、ドデシルベンジルスルホン酸塩型の陰イオン性界面活性剤、特にそれらのカルシウム塩、及び脂肪アルコールエトキシレート型の非イオン性界面活性剤である。5〜40の程度のエトキシル化を有するエトキシル化C12〜C22脂肪アルコールが特に好ましい。商業的に入手可能な界面活性剤の例は、Genapol型(Clariant AG)である。シリコーン界面活性剤、特にポリアルキルオキシドを変化させたヘプタメチルトリシロキサン(例えば、Silwet L−77(登録商標)として商業的に入手可能)、及びペルフルオロ化界面活性剤である。全添加剤と比較した界面活性剤の濃度は、一般的に1〜30重量%である。油または鉱油又はそれらの誘導体と界面活性剤との混合物から成る油添加物の例は、Edenor ME SU(登録商標)、Turbocharge(登録商標)(Syngenta AG,CH)及びActipron(登録商標)(BPOil UK Limited,GB)である。
【0024】
界面活性物質は、製剤中で単独で(すなわち、油添加物なしで)用いることもできる。
【0025】
更に、有機溶媒の油添加物/界面活性剤混合物への添加は、作用の更なる強化に寄与することができる。適切な溶媒は、例えばSolvessso(登録商標)(ESSO)及びAromatic Solvent(登録商標)(Exxon Corporation)である。このような溶媒の濃度は、全重量の10〜80重量%であることができる。このような油添加物(溶媒との混合において用いることができる)は、例えばUS−A−4 834 908に記載されている。そこに開示されている商業的に入手可能な油添加物は、MERGE(登録商標)(BASF Corporation)の名前により知られている。本発明の好ましい更なる油添加物は、SCORE(登録商標)(Syngenta Crop Protection Canada)である。
【0026】
上記の油添加物に加えて、本発明の組成物の活性を強化するために、アルキルピロリドンの製剤(例えば、Agrimax(登録商標))をスプレー混合物に加えることもできる。合成ラテックスの製剤、例えばポリアクリルアミド、ポリビニル化合物又はポリ−1−p−メンテン(例えば、Bond(登録商標)、Courier(登録商標)又はEmerald(登録商標))を用いることもできる。プロピオン酸を含む溶液、例えばEurogkem Pen−e−trate(登録商標)を、活性強化物質としてスプレー混合物中に混合することもできる。
【0027】
除草製剤は、一般的に0.1〜99重量%、特に0.1〜95重量%の本発明の組成物の活性成分混合物、及び1〜99.9重量%の製剤アジュバント(好ましくは、0〜25重量%の界面活性物質を含む)を含む。市販製品は好ましくは濃縮物として製剤化される一方で、消費者は通常希釈製剤を用いるだろう。好ましい製剤は、特に以下の組成を有する:(%=重量パーセント;「活性成分混合物」は本発明の組成物の化合物の混合物を意味する):
【0028】
乳化可能な濃縮物:
活性成分混合物:1〜95%、好ましくは60〜90%
界面活性剤:1〜30%、好ましくは5〜20%
液体担体:バランス(balance)
【0029】
粉末(dust):
活性成分混合物:0.1〜10%、好ましくは0.1〜5%
固体担体:99.9〜90%、好ましくは99.9〜99%
【0030】
懸濁濃縮物:
活性成分混合物:5〜75%、好ましくは10〜50%
界面活性剤:1〜40%、好ましくは2〜30%
水:バランス
【0031】
水和剤:
活性成分混合物:0.5〜90%、好ましくは1〜80%
界面活性剤:0.5〜20%、好ましくは1〜15%
固体担体:バランス
【0032】
顆粒:
活性成分混合物:0.1〜30%、好ましくは0.5〜15%
固体担体:99.9〜70%、好ましくは99.5〜85%
【0033】
以下の実施例は更に本発明を説明するが、限定するものではない。
【0034】
【表1】

【0035】
任意の所望の濃度のエマルジョンは、そのような濃縮物を水で希釈することにより調製することができる。
【0036】
【表2】

【0037】
溶液は、マイクロドロップの形態における適用に適している。
【0038】
【表3】

【0039】
活性成分をアジュバントと完全に混合し、その混合物を適切な製粉機中で完全に製粉し、水で希釈することのできる水和剤を得、任意の所望の濃度の懸濁液を得る。
【0040】
【表4】

【0041】
活性成分を塩化メチレン中に溶解し、その溶液を担体上に噴霧し、溶媒をその後減圧下で蒸発させる。
【0042】
【表5】

【0043】
細かく挽いた活性成分を、ミキサー中で、ポリエチレングリコールで湿らせた担体に均一に適用する。この方法で、非粉末顆粒を得る。
【0044】
【表6】

【0045】
活性成分を混合し、アジュバントと共に製粉し、その混合物を水で湿らせる。得られた混合物を押し出し、気流中で乾燥させる。
【0046】
【表7】

【0047】
すぐに用いることのできる(ready−to−use)粉末は、活性成分を担体と混合し、その混合物を適切な製粉機中で製粉することにより得る。
【0048】
【表8】

【0049】
細かく挽いた活性成分をアジュバントと共に均質に混同し、水を用いた希釈により任意の濃度の濃縮物の懸濁液を調製することのできる懸濁濃縮物を得る。
【0050】
本発明の組成物中に存在する化合物は、別々に製剤化し、その後適用の直前に水中の「タンク混合物」の形態において所望の混合比で塗布器内で混合することが、しばしばより実用的である。
【実施例】
【0051】
生物学的実施例
例えば本発明の組成物の化合物の活性成分の組み合わせの作用が、別々に適用した活性成分の作用の合計より大きい場合は、相乗効果が存在する。
【0052】
2つの除草剤(A)及び(B)の所定の組み合わせに対して予想される除草作用Weは、以下のように計算することができる(COLBY,S.R.,「Calculating synergistic and antagonistic response of herbicide combinations」(Weeds 15,ページ20−22,1967)参照のこと):
【数1】

{式中:
X=未処理コントロール(=0%)と比較した、1ヘクタールあたりpkgの適用比率の化合物(A)を用いた処理における除草作用のパーセンテージ。
Y=未処理コントロール(=0%)と比較した、1ヘクタールあたりqkgの適用比率の化合物(B)を用いた処理における除草作用のパーセンテージ。}
【0053】
従って、観察された活性がColby式から予想されるものより大きい場合は、相乗作用が存在する。
【0054】
3つの除草剤(A)、(B)及び(C)の所定の組み合わせに対して予想される除草作用Weは、以下のように計算することができる(COLBY,S.R.,「Calculating synergistic and antagonistic response of herbicide combinations」(Weeds 15,ページ20−22,1967)参照のこと):
【数2】

X=未処理コントロール(=0%)と比較した、1ヘクタールあたりpkgの適用比率の化合物(A)を用いた処理における除草作用のパーセンテージ。
Y=未処理コントロール(=0%)と比較した、1ヘクタールあたりqkgの適用比率の化合物(B)を用いた処理における除草作用のパーセンテージ。
Z=未処理コントロール(=0%)と比較した、1ヘクタールあたりqkgの適用比率の化合物(C)を用いた処理における除草作用のパーセンテージ。
【0055】
従って、観察された活性がColby式から予想されるものより大きい場合は、相乗作用が存在する。
【0056】
4つの除草剤(A)、(B)、(C)及び(D)の所定の組み合わせに対して予想される除草作用Weは、以下のように計算することができる:
【数3】

{式中:
X=例えば、未処理コントロール(=0%)と比較した、1ヘクタールあたりpkgの適用比率の混合物(A+B+C)を用いた処理における除草作用のパーセンテージ。
Y=例えば、未処理コントロール(=0%)と比較した、1ヘクタールあたりqkgの適用比率の化合物(D)を用いた処理における除草作用のパーセンテージ。}
【0057】
従って、4つの除草剤(A+B+C+D)の所定の組み合わせに関して観察された活性が、Colby式から予想されるものより大きい場合は、相乗作用が存在する。
【0058】
本発明の組成物の相乗効果は、以下の実施例において実証される。
【0059】
実施例B1:発芽前試験:
試験植物は、温室条件下において種子トレイ中に播種する。標準的な土壌を、栽培基材として用いる。発芽前段階において、除草剤(単独及び混合の双方)を土壌の表面に適用する。適用比率は、田畑又は温室条件下で決定される最適濃度により決定する。2〜4週間後に試験を評価する(100%=植物が完全に枯れる;0%=植物上で植物毒性作用が無い)。
【0060】
試験化合物は優れた結果を示す。
【0061】
実施例B2:発芽後試験:
試験植物を、温室条件下において種子トレイ中で適応後の段階まで育てる。標準的な土壌を、栽培基材として用いる。発芽後段階において、除草剤(単独及び混合の双方)を試験植物に適用する。適用比率は、田畑又は温室条件下で決定される最適濃度により決定する。8〜22日後に試験を評価する(100%作用=植物が完全に枯れる;0%作用=植物毒性作用が無い)。この試験に用いた混合物は、優れた結果を示す。
【0062】
表B1:適用後8日での、プレチラクロル及びプロスルホカルブを含んで成る本発明の組成物の発芽後除草作用(8 DAA):
【表9】

【0063】
表B2:適用後22日での、プレチラクロル及びプロスルホカルブを含んで成る本発明の組成物の発芽後除草作用(22 DAA):
【表10】

【0064】
表B3:適用後22日での、プレチラクロル及びプロスルホカルブを含んで成る本発明の組成物の発芽後除草作用(22 DAA):
【表11】

【0065】
表B4:適用後22日での、プレチラクロル及びプロスルホカルブを含んで成る本発明の組成物の発芽後除草作用(22 DAA):
【表12】

【0066】
表B5:適用後8日での、プレチラクロル及びメソトリオン及びプロスルホカルブを含んで成る本発明の組成物の発芽後除草作用(8 DAA):
【表13】

【0067】
表B6:適用後22日での、プレチラクロル及びメソトリオン及びプロスルホカルブを含んで成る本発明の組成物の発芽後除草作用(22 DAA):
【表14】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
A)プレチラクロル+プロスルホカルブ
B)プレチラクロル+メソトリオン+プロスルホカルブ
C)プレチラクロル+ピリフタリド+ベンスルフロン
D)プレチラクロル+メソトリオン+ピリフタリド+ベンスルフロン
E)プレチラクロル+メソトリオン+ピリフタリド+イマゾスルフロン及び
F)プレチラクロル+メソトリオン+ピリフタリド+ピラゾスルフロン
から成る群から選択される除草化合物の組み合わせを含んで成ることを特徴とする、雑草の選択的な防除のための除草相乗作用組成物。
【請求項2】
除草有効量の請求項1に記載の組成物を、防除が所望される場所で作用させることを含んで成る、有用な作物中において所望されない植生を防除する方法。
【請求項3】
前記雑草がALS−耐性雑草である、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記作物がコメである、請求項2又は3に記載の方法。

【公表番号】特表2008−502641(P2008−502641A)
【公表日】平成20年1月31日(2008.1.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−515896(P2007−515896)
【出願日】平成17年6月17日(2005.6.17)
【国際出願番号】PCT/EP2005/006565
【国際公開番号】WO2005/122759
【国際公開日】平成17年12月29日(2005.12.29)
【出願人】(500584309)シンジェンタ パーティシペーションズ アクチェンゲゼルシャフト (352)
【Fターム(参考)】