除草組成物
本発明は、HPPD阻害除草剤と植物成長調節剤との混合物を用いて雑草を調節する方法に関する。本発明はまた、HPPD阻害除草剤と植物成長調節剤との混合物それ自体、及びそれを含む組成物に関する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【０００１】
本発明は、HPPD阻害除草剤及び成長調節化合物（「植物成長調節剤」）の混合物を用いる雑草の調節方法に関する。本発明はまた、HPPD阻害除草剤及び成長調節化合物の混合物それ自体、及びそれを含む組成物に関する。
【背景技術】
【０００２】
作物の保護（作物成長を阻害し、農作業の質を下げ及び/又は妨害する、雑草及び他の植物に起因する損傷からの）は、農業、及び専門的な家及び知庭園用途のための芝管理において常時発生する問題である。また、美的には、例えば、ゴルフコース、芝地及び公園等の場所において芝を成長させる場合に、このような望ましくない雑草及び植物を除くことは興味のあることである。これの問題の解決を助けるために、合成化学の分野の研究者は、かかる望ましくない成長の制御に効果的な幅広い化学物質及び化学調製物を製造してきた。多くの種類の、様々な作用形式を有する化学除草剤が文献に開示され、多数が商業的に使用されている。商業的除草剤及びなお開発段階にあるいくつかのものは、British Crop Protection Councilによって2006年に出版された「The Pesticide Manual」第14版に記載されている。
【０００３】
植物成長調節剤は、一般に、作物の成長及び発達を調節するために使用されている。例えば、植物成長調節剤は、望ましい時期に開花するように作物（例えば脂肪種子菜種）の発達を遅らせ、ほとんど根付かないように作物（例えば穀物）の高さを減少させ、窒素効率を増加させ、作物（例えば果樹）の開花及び結実を調節し、及び草刈頻度を減少するために芝生の成長を遅らせるために使用される。
【０００４】
いくつかの異なった種類の植物成長調節剤がある。公知の種類は、アゾール (例えばユニコナゾール及びパクロブトラゾール)、シクロへキサンカルボキシレート (例えばトリネキサパック-エチル及びプロヘキサジオンカルシウム)、ピリミジニルカルビノール (例えばフルルプリミドール及びアンシミドール)、四級アンモニウム (例えばクロルメコートクロリド及びメピコートクロリド)、並びにスルホニル-アミノフェニル-アセトアミド (例えばメフルイジド) を含む。植物成長調節剤は、様々な作用形式似よって作用する。例えば、正に荷電したアンモニウム、ホスホニウム又はスルホニウム基を有し、生合成経路において早期にジベレリン合成を遮断することによって機能する、オニウム-型植物成長遅延剤、例えばクロルメキートクロリド及びメピキートクロリド。窒素含有へテロサイクル、例えばフルルプリミドール、パクロブトラゾール及びウニコナゾール-Pを含む成長遅延剤は、ジベレリン生合成において酸化的ステップを触媒するモノオキシゲナーゼのインヒビターとして働く。2-オキソグルタール酸の構造類似体、例えばアシルシクロへキサンジオン、トリネキサパッククロリド及びプロヘキサジオンカルシウムは、ジベレリン生合成の最後のステップを妨害する。他の植物成長調節剤、例えばメフルイジドは、細胞分割及び分化を阻害する。
【０００５】
場合によっては、除草的に活性な成分は、個別に適用された時と比べて他の除草剤を混合した時に、より効果的であることがわかっている。このことは「相乗効果」と言われる。組合わせが成分の個々の能力の知識に基いて予想される程度を超える能力又は活性レベルを証明するからである。
【発明の概要】
【０００６】
本発明は、植物成長調節剤と組合わせて適用される時に除草剤が改善された除草効果を示すという発見にある。特に、かかる混合物は相乗効果を有する、すなわち当業者が予想する、単独で適用される時の各活性成分の活性よりも、速く、優れたかつ長期の除草活性を提供することがわかった。本発明によれば、相乗的に有効な量での1以上のHPPD阻害除草剤と1以上の植物成長調節剤との混合物、又は該混合物（複数）を含む組成物を、雑草又は雑草が存在する場所に適用することを含む、雑草を調節するための方法を提供する。好適には、該混合物は、少なくとも1つのHPPD阻害除草剤及び少なくとも1つの植物成長調節剤を含むことになる。
【発明を実施するための形態】
【０００７】
該組成物は、除草剤と植物成長調節剤との除草的に有効な組合せを含む。本明細書で使用される用語「除草剤」は、植物成長を調整又は変更する化合物を言う。用語「相乗的に有効な量」は、植物の成長に対する調整又は変更効果を生じることができるような化合物の量であって、該効果が、化合物の各々を個別に適用することによって得られた効果の合計よりも大きい量を言う。調整又は変更効果は、自然の発達からの全て偏りを含み、例えば枯れ、遅延、抑制、葉やけ、白化、矮化等を含む。例えば、枯れていない植物は、通常、発育阻害であり、開花中断と競合しない。用語「植物」は、種子、苗、根、塊茎、幹、茎、葉及び果実を含む植物のすべての有形部分を言う。
【０００８】
HPPDインヒビターは、酵素4-ヒドロキシフェニル-ピルビン酸ジオキシゲナーゼを阻害することによって作用し、よってカロチノイド（catotenoid）生合成を妨害する除草剤である。周知の種類のHPPDインヒビターは、トリケトン、イソキサゾール及びピラゾールを含む。
【０００９】
好適には、HPPDインヒビターは、メソトリオン、スルコトリオン、ベノキシフェナプ、イソキサクロルトール、イソキサフルトール、ピラスルホトール、ピラゾリナート、ピラゾキシフェン、ベンゾビシクロン、ケトスピラドックス、テムボトリオン、トプラメゾン、及び式I
【００１０】
【化１】
【００１１】
の化合物からなる群より選ばれる1以上の除草剤である。
【００１２】
好適には、除草剤は、メソトリオン、テムボトリオン、トプラメゾン、イソキサクロルトール、ピラスルホトール、又は式Iの化合物である。より好適には、除草剤はメソトリオンである。
【００１３】
本発明は、上記の化合物の除草的に活性な形態、例えば塩、キレート及びエステルのすべてを含む。
【００１４】
任意の成長調節剤は、本発明に従って使用してよい。1つの実施形態では、植物成長調節剤は、トリネキサパック-エチル、プロヘキサジオンカルシウム、パクロブトラゾール、ユニコナゾール、メピキートクロリド及びクロルメキートクロリドからなる群より選ばれる。
【００１５】
好適には、植物成長調節剤は、ジベレリン生合成インヒビターである。好適には、植物成長調節剤は、ジベレリンA生合成インヒビターである。好適には、植物成長調節剤は、ジベレリンB生合成インヒビターである。好ましい実施態様では、植物成長調節剤は、トリネキサパック-エチル、プロヘキサジオンカルシウム、パクロブトラゾール又はクロルメキートクロリドである。好適には、植物成長調節剤はトリネキサパック-エチルである。好適には、植物成長調節剤はプロヘキサジオンカルシウムである。好適には、植物成長調節剤はクロルメキートクロリドである。
【００１６】
本発明によれば、HPPDインヒビター及びトリネキサパック-エチルを含む混合物、又はそれを含む組成物が挙げられる。好適には、本発明において使用するための混合物は、メソトリオン、イソキサフルトール、ピラスルホトール、式Iの化合物、テムボトリオン及びトプラメゾンからなる群より選ばれる1以上の除草剤と組合わせて、トリネキサパック-エチルを含む。好適には、本発明において使用するための混合物は、トリネキサパック-エチル及びトプラメゾンを含む。好適には、本発明において使用するための混合物は、トリネキサパック-エチル及びテムボトリオンを含む。好適には、本発明において使用するための混合物は、トリネキサパック-エチル及びイソキサフルトールを含む。好適には、本発明において使用するための混合物は、トリネキサパック-エチル及びピラスルホトールを含む。好適には、本発明において使用するための混合物は、トリネキサパック-エチル及び式(I)の化合物を含む。より好適には、本発明において使用するための混合物は、トリネキサパック-エチル及びメソトリオンを含む。
【００１７】
本発明は、単子葉植物雑草及び双子葉植物雑草を含む多数の作物学上重要な雑草を調節するために使用してよい。
【００１８】
例えば、本発明は、双子葉植物雑草、例えば、アブチロン属（Abutilon spp.）、アンブロシア属（Ambrosia spp.）、アマランタス（Amaranthus spp.）、ケノポジウム属（Chenopodium spp.）、ユーホルビア属（Euphorbia spp.）、ガリウム属（Galium spp.）、イソモエア属（Ipomoea spp.）、メジカゴ属（Medicago spp.）、ポリゴナム属（Polygonum spp.）、シダ属（Sida spp.）、シナピス属（Sinapis spp.）、ソラリウム属（Solarium spp.）、ステラリア属（Stellaria spp.）、タラキサクム属（Taraxacum spp.）、トリホリウム属（Trifolium spp.）、ベロニカ属（Veronica spp.）、ビオラ属（Viola spp.）及びキサンチウム属（Xanthium spp.）を調節するために使用してよい。
【００１９】
本発明は、単子葉植物雑草、例えば、アグロスチス属（Agrostis spp.）、アロペクルス属（Alopecurus spp.）、アペラ属（Apera spp.）、アベナ属（Avena spp.）、ブラキアリア属（Brachiaria spp.）、ブロムス属（Bromus spp.）、ジギタリア属（Digitaria spp.）、エキノクロア属（Echinochloa spp.）、エレウシネ属（Eleusine spp.）、エリオクロア属（Eriochloa spp.）、レプトクロア属（Leptochloa spp.）、ロリウム属（Lolium spp.）、オトコロア属（Ottochloa spp.）、パニクム属（Panicum spp.）、パスパルム属（Paspalum spp.）、ファラリス属（Phalaris spp.）、ポア属（Poa spp.）、ロトボエリア属（Rottboellia spp.）、セタリア属（Setaria spp.）、ソルガム属（Sorghum spp.）、これらの芝の任意の本質的に感受性かつ耐性（例えばACCase 及び/又はALS耐性）の生物種、並びに単子葉植物雑草、例えばコメリナ属（Commelina spp.）、モノコリア属（monochoria spp.）、サギタリア属（Sagittaria spp.）及びスゲ、例えばサイプラス属（Cyperus spp.）及びスクルプス属（Scirpus spp.）の境界を調節するために使用してもよい。
【００２０】
好適には、本発明は、単子葉植物雑草、より好適には芝生を調節するために使用される。特に、本発明は、暖期の芝生を調節するために使用される。例えば、本発明は、イヌエビ (Echinochloa crus-galli)、オオエノコログサ (Setaria faberi)、オオメヒシバ (Digitaria sanguinalis)、ウーリー・カップグラス (Eriochloa villosa)、及び/又はアレキサンダーグラス (Brachiaria plantaginea) を調節するために使用される。
【００２１】
1つの実施態様では、本発明は、ブラキアリア属（Brachiaria spp.）を調節するために使用される。特に、本発明は、上記の除草性混合物をサトウキビ又はトウモロコシに適用することを含む、該作物におけるブラキアリア属（Brachiaria spp.）を調節する方法を含む。好適には、除草性混合物は、トリネキサパック-エチル及び式(I)の化合物を相乗的に有効な量で含む。好適には、除草性混合物は、場合により毒性緩和剤（safener）と混合して組成物の形態で適用される。
【００２２】
本発明の目的のためには、用語「雑草」は、慣用的に及び突然変異又はトランスジェニック的方法のいずれかによる遺伝子的に改変された、ボランティア作物のような望ましくない作物種を含む。例えば、ゴルフコース上のような芝草に関連して、緑芝生になるはびこるベント芝は、様々な種類の芝が栽培されるフェアウェイ部分で見られるならば、「ボランティア」と考えられる。以下に記載の他の芝は、同様に、間違った場所で見られる時に雑草と考えられる。
【００２３】
「場所」は、土壌、種子及び苗木並びに確立された植物を含むものとする。
【００２４】
本発明によれば、少なくとも1つのHPPD阻害除草剤及び少なくとも1つの植物成長調節剤を相乗的に有効な量で含む、除草組成物が提供される。1つの実施態様では、除草剤は、メソトリオン、スルコトリオン、ベノキシフェナプ、イソキサクロルトール、イソキサフルトール、ピラスルホトール、ピラゾリナート、ピラゾキシフェン、ベンゾビシクロン、ケトスピラドックス、テムボトリオン、トプラメゾン、及び式I
【００２５】
【化２】
【００２６】
の化合物からなる群より選ばれる。
【００２７】
好適には、HPPD阻害除草剤は、メソトリオン、イソキサフルトール、ピラスルホトール、テムボトリオン、トプラメゾン又は式Iの化合物である。
【００２８】
好適には、該組成物中の植物成長調節剤は、トリネキサパック-エチル、プロへキサジオンカルシウム、パクロブトラゾール、ユニコナゾール、メピコートクロリド及びクロルメコートクロリドからなる群より選ばれる。好適には、植物成長調節剤は、トリネキサパック-エチル、プロへキサジオンカルシウム、又はクロルメコートクロリドである。
【００２９】
好適には、本発明の除草組成物は、トリネキサパック-エチル及びメソトリオンを含む。好適には、本発明の除草組成物は、トリネキサパック-エチル及びテムボトリオンを含む。好適には、本発明の除草組成物は、トリネキサパック-エチル及びトプラメゾンを含む。好適には、本発明の除草組成物は、トリネキサパック-エチル及びイソキサフルトールを含む。好適には、本発明の除草組成物は、トリネキサパック-エチル及びピラスルホトールを含む。好適には、本発明の除草組成物は、トリネキサパック-エチル及び式(I)の化合物を含む。
【００３０】
本発明の組成物において、除草効果が相乗的である、除草剤の植物成長調節剤に対する混合比は、重量で約1:1000〜約1000:1の範囲にある。好適には、除草剤の植物成長調節剤に対する混合比は、重量で約1:100〜約100:1である。好適には、除草剤の植物成長調節剤に対する混合比は、重量で約1:1〜約1:10である。例えば、除草剤がメソトリオン及び植物成長調節剤がトリネキサパック-エチルである場合には、重量で約1:3〜約1:6の混合比が好ましい。
【００３１】
本発明の組成物が適用される割合は、調節される雑草の特定の種類、必要とされる調節の程度、及び適用の時期及び方法に依拠することになる。一般的に、本発明の組成物は、組成物中の活性成分（メソトリオン及びトリネキサパック-エチル）の総量に基いて、0.001キログラムの活性成分/ヘクタール (kg ai/ha)〜約5.0 kg ai/haの適用割合で適用され得る。約0.01 kg ai/ha〜約3.0 kg ai/haの適用割合が好ましく、約0.05 kg ai/ha〜0.3 kg ai/haの適用割合が特に好ましい。以下の実施例で使用される割合は、温室割合であり、除草効果は温室条件では増大される傾向にあるので、該場所に通常適用されるよりも低い、ことに留意されたい。
【００３２】
更なる局面では、本発明は、かかる雑草の場所に本発明の組成物の除草的に有効な量を適用することを含む、徐増の成長を調節又は変更する方法を提供する。
【００３３】
本発明の利点は、有用植物の作物：例えば、トウモロコシ（コーン、ポップコーン及びスイートコーンを含む）、綿花、冬及び春穀物（小麦、大麦、ライ麦、オート麦）、コメ、ポテト、サトウキビ/飼料用ビート、冬及び春菜種、豆科作物（大豆を含む）、穀実用モロコシ、プランテーション作物（バナナ、果樹、オイルパルム、ゴム、養樹、蔓）、サトウキビ、野菜（アスアラガス、ルバーブ、トマトを含む）、ヒマワリ、様々なベリー、麻、寒期及び暖期の芝草、及びその他、の成長において雑草を調節するために適用される時に最も見られる。1つの特定の実施態様では、本発明の利点は、除草組成物がサトウキビに適用される時に見られる。更なる実施態様では、本発明の利点は、除草組成物がコーンに適用される時に見られる。
【００３４】
寒期の芝草は、例えば、ブルーグラス (Poa L)、例えばケンタッキーブルーグラス (Poa pratensis L.)、深いブルーグラス (Poa trivialis L.)、カナダブルーグラス (Poa compressa L.)及び一年生ブルーグラス (Poa annua L.); ベント芝 (Agrostis L.)、例えば蔓延るベント芝 (Agrostis palustris Huds.)、コロニアルベント芝 (Agrostis tenius Sibth.)、ベルベットベント芝 (Agrostis canina L.) 及びレッドトップ (Agrostis alba L.); ウシノケグサ (Festuca L.)、例えばヒロハノウシノケグサ (Festuca arundinacea Schreb.)、メドゥーウシノケグサ (Festuca elatior L.) 及びファインフェスク、例えば蔓延る赤色フェキキュー (Festuca rubra L.)、チューイングフェスク (Festuca rubra var. commutata Gaud.)、シープフェスク (Festuca ovina L.)及びハードフェスク (Festuca longifolia); 並びにライグラス (Lolium L.)、例えば多年生ライグラス (Lolium perenne L.) 及び一年生 (イタリアン) ライグラス (Lolium multiflorum Lam.) を含む。
【００３５】
暖期の芝草は、例えば、ハイブリッド及び一般的なバミューダグラスを含むバミューダグラス (Cynodon L. C. Rich)；ゾイシアグラス (Zoysia Willd.)、セントオーガスチングラス (Stenotaphrum secundatum (Walt.) Kuntze); 及びセンチピードグラス (Eremochloa ophiuroides (Munro.) Hack.) を含む。
【００３６】
加えて、「作物」は、慣用的な繁殖方法又は遺伝工学の結果として、除草剤又は除草剤の種類（及び、好適には、本発明の除草剤）を含む、害虫及び殺虫剤に耐性を獲得した作物を含むものと理解されるべきである。除草剤への耐性は、慣用的な作物繁殖と比べて、特定の除草剤によって起こる損傷に対する減少した感受性を意味する。作物は、例えばHPPDインヒビター、例えばメソトリオンに耐性であるように改変又は繁殖され得る。コーンは、本質的にメソトリオンに耐性であることに留意されたい。
【００３７】
本発明の組成物は、該組成物が適用される作物によるが、調節が望ましい場所への発芽前又は発芽後の適用によって、望ましくない植物の成長を調節する点で有用である。従って、1つの実施態様では、本発明の除草組成物は、発芽前適用として適用される。更なる実施態様では、本発明の除草組成物は、発芽後適用として適用される。
【００３８】
本発明の化合物は、同時又は連続して適用される。連続的に適用される場合には、該化合物は、好適な時間スケールで任意の順で適用されてよい。例えば第1成分の適用時間と最後の成分の適用時間との間が最大1週間である。好適には、該成分は、24時間内に適用される。より好適には、該成分は数時間内に適用される。好適には、該成分は1時間以内に適用される。該成分が同時に適用される場合には、それらは、別個に適用されてよく、あるいはすべての成分のタンク混合物としてもしくは予め調製した混合物、又は残りの成分とタンク混合された成分のいくつかの予め調製した混合物として適用されてよい。1つの実施態様では、本発明の混合物又は組成物は、植える前の種子処理として作物に適用してよい。
【００３９】
実際には、本発明の組成物は、産業に公知の又は使用される様々な補助剤及び担体を含む調製物として適用される。よって、本発明の組成物は、顆粒として、水和剤として、乳化濃縮物として、粉末又は塵として、流動体（flowable）として、溶液として、懸濁液又はエマルションとして、あるいはマイクロカプセルのような制御された放出形態として、調製してよい。これらの調製物は、重量で、約0.5%の微量から、約95%以上の程度の活性成分を含んでよい。任意の所定の化合物の最適量は、調製物、適用装置及び調節される植物の性質に依拠することになる。
【００４０】
水和剤（wettable powder）は、水又は他の液状担体に容易に分散する細粒の形態にある。該粒子は、固体マトリックス中に保持された活性成分を含む。典型的な固体マトリックスは、フラー土、カオリンクレイ、シリカ、及び他の容易に湿潤する有機又は無機固体を含む。水和剤は、通常、約5%〜約95%の活性成分、及び少量の湿潤剤、分散剤又は乳化剤を含む。
【００４１】
乳化濃縮物は、水又は他の液体に分散可能な均一な液状組成物であり、全体的に液状又は固体乳化剤と共に活性化合物からなってよく、あるいは液状担体、例えばキシレン、重芳香族ナフサ、イソホロン及び他の非-揮発性有機溶媒を含んでもよい。使用において、これらの濃縮物は、水又は他の液体に分散され、通常、処理される場所へ、スプレイとして適用される。活性成分の量は、濃縮物の約0.5%〜約95%の範囲でよい。
【００４２】
顆粒調製物は、押出し物及び比較的粗な粒子を含み、通常、植物の抑制が望ましい場所に希釈することなく適用される。顆粒調製物用の典型的な担体は、肥料、砂、フラー土、アタパルガイドクレイ、ベントナイトクレイ、モンモリロナイトクレイ、バーミュキュライト、パーライト、炭酸カルシウム、レンガ、軽石、葉蝋石、カオリン、白雲石、しっくい、木粉、挽いたトウモロコシの穂軸、挽いたピーナッツ外皮、糖類、塩化ナトリウム、硫酸ナトリウム、ケイ酸ナトリウム、ホウ酸ナトリウム、マグネシア、マイカ、酸化鉄、酸化亜鉛、酸化チタン、酸化アンチモン、氷晶石、石膏、珪藻土、硫酸カルシウム、及び活性化合物を吸収するか又は活性化合物で被覆され得る他の有機又は無機物質、を含む。特に好適には、肥料顆粒担体である。顆粒調製物は、通常、界面活性剤、例えば重芳香族ナフサ、ケロセン及び他の石油精留物、又は植物油；及び/又は粘貼剤、例えばデキストリン、接着剤又は合成樹脂を含む、約5%〜約25%の活性成分を含む。顆粒物質は、上記の典型的な担体の1つでよく、及び/又は肥料物質、例えば尿素/ホルムアルデヒド肥料、アンモニウム、液体窒素、尿素、塩化カリウム、アンモニウム化合物、リン酸化合物、イオウ、類似の植物栄養物及び微量元素、及びその混合物又は組合せでよい。除草剤及び植物成長調節剤は、顆粒全体に均一に分布されてよく、又は顆粒が形成された後に顆粒担体上に噴霧して染み込んでもよく、もしくはその上に吸収されてよい。
【００４３】
カプセル化顆粒は、一般的に、多孔質顆粒であり、活性種を顆粒孔の内側に液状形態保持する、顆粒孔の開口を塞ぐ多孔質膜を有する。顆粒は典型的には、1ミリリットル〜1センチメートル径、好ましくは1〜2ミリリットル径の範囲にある。顆粒は、押し出し、凝集又は小球化（prilling）によって形成されるか、あるいは自然に発生する。かかる物質の例は、バーミュキュライト、焼結クレイ、カオリン、アパタルガイドクレイ、おが屑及び顆粒炭素である。シェル又は膜物質は、天然及び合成ゴム、セルロース物質、スチレン-ブタジエンコポリマー、ポリアクリルニトリル、ポリアクリレート、ポリエステル、ポリアミド、ポリウレア、ポリウレタン及びデンプンキサントゲン酸塩を含む。
【００４４】
塵は、分散剤及び担体として働く、タルク、クレイ、粉末、及び他の有機及び無機固体のような細粒固体を有する活性成分の流動混合物である。
【００４５】
マイクロカプセルは、典型的には、制御された割合で周囲に封入された物質の放出を可能にする不活性多孔質シェルに閉じ込められた活性物質の液滴又は顆粒である。カプセル化された液滴は、典型的には、約1〜50ミクロン径である。封入された液体は、典型的には、約50〜95%のカプセル重量を構成し、活性化合物に加えて溶媒を含んでよい。
【００４６】
除草的適用のための他の有用な調製物は、所望の濃度で活性成分が完全に溶解性である溶媒、例えばアセトン、アルキル化ナフタレン、キシレン及び他の有機溶媒、中の活性成分の単純な溶液を含む。低沸点分散溶媒担体の気化の結果として活性成分が細粒形態で分散されている加圧スプレイも使用できる。
【００４７】
上記の調製物の多くは、湿潤剤、分散剤又は乳化剤を含む。その例は、アルキル及びアルキルアリールスルホネート及びサルフェート及びその塩、多価アルコール；ポリエトキシ化アルコール、エステル及び脂肪アミンを含む。これらの物質は、使用される時に、通常、調製物の重量で0.1%〜15%を含む。
【００４８】
上記の調製物の種類において本発明の組成物を調製するには有用である、一緒に調製されるか及び/又は別個に添加される、好適な農業補助剤及び担体は、当業者に周知である。異なった種類の好適な例は、非-限定的な以下のリストに見られる。
【００４９】
使用され得る液状担体は、水、トルエン、キシレン、石油ナフサ、作物油、AMS；アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、無水酢酸、アセトニトリル、アセトフェノン、酢酸アミル、2-ブタノン、クロロベンゼン、シクロヘキサン、シクロヘキサノール、酢酸アルキル、ジアセトンアルコール、1,2-ジクロロプロパン、ジエタノールアミン、p-ジエチルベンゼン、ジエチレングリコール、アビエチン酸ジエチレングリコール、ジエチレングリコールブチルエーテル、ジエチレングリコールエチルエーテル、ジエチレングリコールメチルエーテル、N,N-ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、1,4-ジオキサン、ジプロピレングリコール、ジプロピレングリコールメチルエーテル、ジプロピレングリコールジベンゾエート、ジプロキシトール、アルキルピロリジノン、酢酸エチル、2-エチルヘキサノール、エチレンカーボネート、1,1,1-トリクロロエタン、2-ヘプタノン、アルファピネン、d-リモネン、エチレングリコール、エチレングリコールブチルエーテル、エチレングリコールメチルエーテル、γ-ブチロラクトン、グリセロール、グリセロールジアセテート、グリセロールモノアセテート、グリセロールトリアセテート、ヘキサデカン、ヘキシレングリコール、シソアミルアセテート、イソボルニルアセテート、イソオクタン、イソホロン、イソプロピルベンゼン、ミリスチン酸イソプロピル、乳酸、ラウリルアミン、メシチルオキシド、メトキシ-プロパノール、メチルイソアミルケトン、メチルイソブチルケトン、ラウリル酸メチル、オクタン酸メチル、オレイン酸メチル、メチレンクロリド、m-キシレン、n-ヘキサン、o-オクチルアミン、オクタデカン酸、オクチルアミンアセテート、オレイン酸、オレイルアミン、o-キシレン、フェノール、ポリエチレングリコール (PEG400)、プロピオン酸、プロピレングリコール、プロピレングリコールモノメチルエーテル、p-キシレン、トルエン、トリエチルホスフェート、トリエチレングリコール、キシレンスルホン酸、パラフィン、鉱油、トリクロロエチレン、パークロロエチレン、酢酸エチル、酢酸アミル、酢酸ブチル、メタノール、エタノール、イソプロパノール、及び高分子量アルコール、例えばアミルアルコール、テトラヒドロフルフリルアルコール、ヘキサノール、オクタノール等、エチレングリコール、プロピレングリコール、グリセリン、N-メチル-2-ピロリジノン等を含む。水は、一般的に、濃縮物の希釈のための特別の担体である。
【００５０】
好適な固体担体は、タルク、二酸化チタン、葉蝋石クレイ、シリカ、アタパルガイドクレイ、珪藻土、チョーク、珪藻土、石灰、炭酸カルシウム、ベントナイトクレイ、フラー土、肥料、綿実外皮、小麦粉、大豆粉、軽石、木粉、クルミ殻粉、リグニン等を含む。
【００５１】
幅広い界面活性剤は、前記の液状及び固体組成物、特に適用に担体で希釈されるように設計されたものにおいて有利に使用される。界面活性剤は、アニオン性、カチオン性、非-イオン性又はポリマー性でよく、乳化剤、湿潤剤、懸濁剤又はその他の目的のために使用され得る。典型的な界面活性剤は、アルキルサルフェート塩、例えばジエタノールアンモニウム・ラウリルサルフェート；アルキルアリールサルフェート塩、例えばドデシルベンゼンスルホネートカルシウム；アルキルフェノール-アルキレンオキシド付加生成物、例えばノニルフェノール-C.sub. 18 エトキシレート; アルコール-アルキレンオキシド付加生成物、例えばトリデシルアルコール-C.sub. 16 エトキシレート; 石鹸、例えばステアリン酸ナトリウム；アルキルナフタレンスルホネート塩、例えばジブチルナフタレンスルホネートナトリウム；スルホコハク酸のジアルキルエステル塩、例えばジ(2-エチルヘキシル)スルホコハク酸塩; ソルビトールエステル、例えばオレイン酸ソルビトール; 四級アミン、例えばラウリルトリメチルアンモニウムクロリド；脂肪酸のポリエチレングリコールエステル、例えばステアリン酸ポリエチレングリコール; エチレンオキシド及びプロピレンオキシドのブロックコポリマー、及びモノ及びジアルキルホスホネートエステルの塩を含む。
【００５２】
農薬組成物において一般的に使用される他の補助剤は、結晶化阻害剤、粘度調整剤、懸濁剤、スプレイ液滴調整剤、顔料、抗酸化剤、発泡剤、光遮断剤、適合剤、消泡剤、金属イオン封鎖剤、中和剤及びバッファ、錆止め剤、色素、臭気剤、展着剤、透過剤、微量元素、軟化剤、滑剤、固着剤等を含む。該組成物は、液状肥料又は固体の粒子状の肥料担体、例えば硝酸アンモニウム、尿素等を用いて調製してもよい。
【００５３】
除草剤と植物成長調節剤との所定の混合物の有用性に影響を与える重要な因子は、作物に対するその耐性（「薬害」）である。ほとんどの場合には、このことは、除草剤の選択によって決定されることになる。場合によっては、有益な作物は、除草剤の効果を受けやすい。効果的にするために、除草剤は、有益な作物への損傷を最少限にし（好ましくは損傷のない）、同時に作物の存在場所に寄生する雑草種への損傷を最大にしなければならない。除草剤使用の有益な局面を維持し、作物損傷を最少限にするために、必要ならば、解毒剤/毒性緩和剤を組合わせて除草剤を適用することが知られている。本明細書で使用される「解毒剤」は、除草剤選択性、すなわち、除草剤によって雑草種への継続した除草的薬害、及び栽培された作物種への減少した又は非-薬害、を確立する毒性緩和効果を有する化合物である。用語「解毒的に有効な量」は、除草剤への有益な作物の薬害反応をある程度弱める解毒化合物の量を言う。特定の適用又は作物について必要又は望ましい場合には、本発明の組成物は、本発明の除草剤のための解毒剤の解毒的に有効な量を含んでよい。当業者は、特定の除草剤及び植物成長調節剤と共に使用するために好適である解毒剤に精通しており、特定の混合物のための解毒的に有効量を容易に決定することができる。解毒剤は、例えば、ベノキサノル、フェンクロリム、クロキントセット-1-メチル、メフェンピル-ジエチル、フリラゾール、ジシクロノン、フルキソフェニム、ジクロルミド、フルラゾール、イソキサジフェンエチル、フェンクロラゾールエチル、プリミスルフロンメチル、シプロスルファミド、式IIの化合物
【００５４】
【化３】
【００５５】
式IIIの化合物
【００５６】
【化４】
【００５７】
式IVの化合物
【００５８】
【化５】
【００５９】
式Vの化合物
【００６０】
【化６】
【００６１】
式VIの化合物
【００６２】
【化７】
【００６３】
H3C又は式VIIの化合物
【００６４】
【化８】
【００６５】
を含む。
【００６６】
加えて更に、他の生物殺生活性成分又は組成物は、本組成物の除草組成物と組み合わせてよい。例えば、該組成物は、活性のスペクトルを広げるために、除草剤及び植物成長調節剤、他の除草剤、殺虫剤、殺菌剤（fungicide）、殺菌剤（bactericide）、アカラサイド、線虫剤及び/又は植物成長調節剤を含んでよい。
【００６７】
上記の調製物の各々は、調製物の他の成分（希釈剤、乳化剤、界面活性剤等）と一緒に除草剤を含むパッケージとして調製され得る。調製物は、該成分が栽培者側で別個に入手されそして混合される、タンク混合法によって調製してもよい。
【００６８】
これらの調製物は、調節は慣用的方法によって望ましい場所に適用され得る。塵及び液状組成物は、例えば、パワー-ダスター、ブルーム及びハンドスプレー、及びスプレーダスターの使用によって適用され得る。調製物は、塵もしくはスプレーとして又はロープウィック適用によって飛行機から適用してもよい。発芽種子又は発芽している苗の成長を変更又は調節するために、塵及び液状調整物は、土表面下、少なくとも1.5インチの深さで土に分配されるか、あるいは噴霧又は撒き散らすことによって土表面のみに適用され得る。調製物は、灌漑用水に添加することによって適用してもよい。このことは、灌漑用水と一緒に土に調製物を浸透させる。土表面に適用される塵組成物、顆粒組成物又は液状調製物は、慣用的方法、例えばディスク化（disking）、引きづり（dragging）又は混合操作によって土表面下に分配され得る。
【００６９】
本発明は、雑草調節が望まれる任意の状況、例えば農業で、ゴルフコース上で又は庭園で使用され得る。
【００７０】
以下の実施例は、説明目的のためのみである。実施例は、実施された試験全体の必要な代表を意図するものではなく、本発明を任意に限定するものではない。当業者が知っているように、除草試験では、容易に調節できない顕著な数の因子が個々の試験の結果に影響し、非-再現性を与えている。例えば、結果は、環境的因子、例えば日光及び水の量、土壌の種類、土壌のpH、温度及び湿度等によって変動することがある。また、植栽の深さ、個々の及び併せた除草剤の適用割合、任意の解毒剤の適用割合、及び個々の除草剤の他の除草剤に対する割合及び/又は個々の除草剤の解毒剤に対する割合、並びに試験される作物又は雑草の性質は、試験結果に影響を与え得る。結果は、作物の種類の範囲内で作物によって変動し得る。
【実施例】
【００７１】
以下の試験において、除草効果は温室環境で増大されるので、減少された領域率で除草剤を適用した。任意の相乗効果は混合物を試験する時に直ちに検出され得るので、試験した割合は、適用された除草剤単独で約50〜70%調節を得るように選択した。
【００７２】
実施例1-発芽後に適用されたメソトリオン及びトリネキサパック-エチルによるイヌエビの調節
温室試験を行った。イヌエビ種子を、10 cm平方のプラスティックポットに入れた標準的な鉢植え用ミックス（1:1 v/v プロミックス:ベロー砂土）に播いた。処理は3回反復した。メソトリオン（Callisto（登録商標）480SEの形態）(MST)を、イヌエビ (Echinochloa crus-gall) に、12.5g ai/ha又は25g ai/haのいずれかで、トリネキサパック-エチル（Palisade（登録商標）の形態）(TXP) 有り又は無しで発芽後に適用した。適用する時に、トリネキサパック-エチルを20Og ai/ha又は40Og ai/haの割合で適用した。補助剤系は、脱イオン水に0.1% v/vのX-77であった。200リットルの除草剤/補助剤系をヘクタール当たり使用した。処置後6〜9及び14〜18日（DAT）に一般的な雑草調節を評価した。除草効果が温室環境で拡大されるので、減少した場所割合ですべての除草剤を適用した、ことに留意されたい。割合は、単独で適用された除草剤による50〜70%レベルの調節を提供するように選択した。このことは、タンク混合が使用される時に任意の相乗効果の検出を可能にするからである。
【００７３】
表1は、コルビー式を用いて評価した結果を示す。(Y+Z)についての予想された結果は、(Y+Z)-(YxZ/100)（ここで、Y及びZは、Y及びZ単独について「観察された」結果である）。現実の結果が予想された結果よりも顕著に高い場合には、タンク混合からの調節は相乗的である（スチューデント・ニューマン・クールズ多重範囲検定に基く有意）。
【００７４】
【表１】
【００７５】
コルビー式及びスチューデント・ニューマン・クールズ多重範囲検定を用いて、トリネキサパック-エチルとメソトリオンとの組合せをイヌエビを調節するために使用した時に、相乗効果はメソトリオンの高割合及び低割合、並びにトリネキサパック-エチルの高割合及び低割合で観察された。
【００７６】
実施例2-発芽後に適用されたメソトリオン及びトリネキサパック-エチルによるオオエノコログサの調節
イヌエビをセタリアファベリ (Setariafaberi) (オオエノコログサ) に変えて温室試験を実施例1に記載のように行った。使用した割合及び得られた結果を以下の表2に示す。
【００７７】
【表２】
【００７８】
試験した割合の組合せの多くでオオエノコログサの調節の相乗効果が見られたが、特に、試験したトリネキサパック-エチルのすべての割合と組合わせたメソトリオンの高割合について相乗効果が見られた。
【００７９】
実施例3-発芽後に適用されたメソトリオン及びトリネキサパック-エチルによるオオメヒシバの調節
イヌエビをジギタリア・サンギナリス (Digitaria sanguinalis) (オオネヒシバ) に変えて温室試験を実施例1に記載のように行った。使用した割合及び得られた結果を以下の表3に示す。
【００８０】
【表３】
【００８１】
試験したすべての割合の組合せで、オオメヒシバの調節の相乗効果が見られた。
【００８２】
実施例4-発芽後に適用されたメソトリオン及びトリネキサパック-エチルによるオオクサキビの調節
イヌエビをパニカム・ジクトミフロルム (Panicum dichotomiflorum) (オオクサキビ) に変えて温室試験を実施例1に記載のように行った。使用した割合及び得られた結果を以下の表4に示す。
【００８３】
【表４】
【００８４】
試験した割合の組合せの多くでオオクサキビの調節の相乗効果が見られたが、特に、試験したトリネキサパック-エチルのすべての割合と組合わせたメソトリオンの高割合について相乗効果が見られた。
【００８５】
実施例5-発芽後に適用されたメソトリオン及びトリネキサパック-エチルによるオヒシバの調節
イヌエビをエロイシン・インディカ (Eleusine indica) (オヒシバ) に変えて温室試験を実施例1に記載のように行った。使用した割合及び得られた結果を以下の表5に示す。
【００８６】
【表５】
【００８７】
試験したすべての割合の組合せで、オヒシバの調節の相乗効果が見られた。
【００８８】
実施例6-発芽後に適用されたメソトリオン及びトリネキサパック-エチルによるコメツブウマゴヤシの調節
イヌエビをメディカゴ・ルプリナ (Medicago lupulina) (コメツブウマゴヤシ) に変えて温室試験を実施例1に記載のように行った。使用した割合及び得られた結果を以下の表6に示す。
【００８９】
【表６】
【００９０】
試験したすべての割合の組合せで、コメツブウマゴヤシの調節の相乗効果が見られた。
【００９１】
実施例7-発芽後に適用されたメソトリオン及びトリネキサパック-エチルによるシロツメクサの調節
イヌエビをトリホリウム・レペンス (Trifolium repens) (シロツメクサ) に変えて温室試験を実施例1に記載のように行った。使用した割合及び得られた結果を以下の表7に示す。
【００９２】
【表７】
【００９３】
試験したすべての割合の組合せで、シロツメクサの調節の相乗効果が見られた。
【００９４】
実施例8-発芽後に適用された様々な除草剤及びトリネキサパック-エチルによるオヒシバ、オオエノコログサ及びウーリー・カップグラス (woolly cupgrass) の調節
オシヒバ (Eleusine indica, ELEIN)、オオエノコログサ (Setariafaberi, SETFA) 及びウーリー・カップグラス (Eriochloa villosa, ERBVI) に対する、トリネキサパック-エチル (2種類の割合) と組合わせた様々な除草剤（各々2種の割合）を試験するために、温室試験を実施例1に記載のように行った。処理は最後の発芽M後に行った。化合物は、商業的調製物の形態で試験した。例えば、メソトリオンについてCallisto （登録商標） 4SC; 式Iについて開発中の250EC調製物; シソオキサフルトールについてBalance Pro （登録商標）; テムボトリオンについて25WP調製物; トプラメソンについてImpact （登録商標） 4.8SC; トリネキサパック-エチルについてPrimoMAXX （登録商標） 120ME。適用後13及び21日にパーセンテージ雑草調節を評価した。
【００９５】
13 DAA評価の結果を表8に示す。相乗効果の同一のパターンは21 DAAで観察された。
【００９６】
【表８】
【００９７】
【表９】
【００９８】
結果は、トリネキサパック-エチル及びHPPD阻害除草剤を3つの雑草種すべてに様々な割合で同時適用する時に、相乗効果が幅広く観察されたことを示している。
【００９９】
実施例9-発芽前又は発芽後に適用された式Iの化合物及びトリネキサパック-エチルによるブラキャリアの調節
ブラキャリア・プランタギニア（Brachiaria plantaginea）に対する、200 gai/haでのトリネキサパック-エチルと組合わせたメソトリオン又は式Iの化合物（各々3種の割合）の活性を試験するために、温室試験を行った。ブラキアリア種子を、50 cmのプラスティックトラフに入れた標準的な鉢植え用ミックスに播いた。化合物は、下記表に記載の割合で標準的な商業的調製物として適用した。補助剤系は、脱イオン水に0.1% v/vのX-77であった。500リットルの除草剤/補助剤系をヘクタール当たり使用した。発芽後試験については適用後15日（DAA）に、発芽前試験については2OD AAに一般的な雑草調節を評価した。除草効果が温室環境で拡大されるので、減少した場所割合ですべての除草剤を適用した、ことに留意されたい。割合は、単独で適用された除草剤による50〜70%レベルの調節を提供するように選択した。結果を表9に示す。
【０１００】
【表１０】
【０１０１】
本発明は好ましい実施態様及びその実施例を参考に記載してきたが、本発明の範囲は記載された実施態様にのみ限定されるものではない。当業者には明らかであろうが、上記発明の修飾及び適合は、添付のクレームによって定義され及び制限された本発明の趣旨及び範囲から逸脱しないでなされる。本明細書で引用された全ての文献は、各々の文献が参考として援用されるように具体的に及び個別に示されている場合にそれと同程度に全ての目的のために、その全体が参照のために本明細書に引用される。
【技術分野】
【０００１】
本発明は、HPPD阻害除草剤及び成長調節化合物（「植物成長調節剤」）の混合物を用いる雑草の調節方法に関する。本発明はまた、HPPD阻害除草剤及び成長調節化合物の混合物それ自体、及びそれを含む組成物に関する。
【背景技術】
【０００２】
作物の保護（作物成長を阻害し、農作業の質を下げ及び/又は妨害する、雑草及び他の植物に起因する損傷からの）は、農業、及び専門的な家及び知庭園用途のための芝管理において常時発生する問題である。また、美的には、例えば、ゴルフコース、芝地及び公園等の場所において芝を成長させる場合に、このような望ましくない雑草及び植物を除くことは興味のあることである。これの問題の解決を助けるために、合成化学の分野の研究者は、かかる望ましくない成長の制御に効果的な幅広い化学物質及び化学調製物を製造してきた。多くの種類の、様々な作用形式を有する化学除草剤が文献に開示され、多数が商業的に使用されている。商業的除草剤及びなお開発段階にあるいくつかのものは、British Crop Protection Councilによって2006年に出版された「The Pesticide Manual」第14版に記載されている。
【０００３】
植物成長調節剤は、一般に、作物の成長及び発達を調節するために使用されている。例えば、植物成長調節剤は、望ましい時期に開花するように作物（例えば脂肪種子菜種）の発達を遅らせ、ほとんど根付かないように作物（例えば穀物）の高さを減少させ、窒素効率を増加させ、作物（例えば果樹）の開花及び結実を調節し、及び草刈頻度を減少するために芝生の成長を遅らせるために使用される。
【０００４】
いくつかの異なった種類の植物成長調節剤がある。公知の種類は、アゾール (例えばユニコナゾール及びパクロブトラゾール)、シクロへキサンカルボキシレート (例えばトリネキサパック-エチル及びプロヘキサジオンカルシウム)、ピリミジニルカルビノール (例えばフルルプリミドール及びアンシミドール)、四級アンモニウム (例えばクロルメコートクロリド及びメピコートクロリド)、並びにスルホニル-アミノフェニル-アセトアミド (例えばメフルイジド) を含む。植物成長調節剤は、様々な作用形式似よって作用する。例えば、正に荷電したアンモニウム、ホスホニウム又はスルホニウム基を有し、生合成経路において早期にジベレリン合成を遮断することによって機能する、オニウム-型植物成長遅延剤、例えばクロルメキートクロリド及びメピキートクロリド。窒素含有へテロサイクル、例えばフルルプリミドール、パクロブトラゾール及びウニコナゾール-Pを含む成長遅延剤は、ジベレリン生合成において酸化的ステップを触媒するモノオキシゲナーゼのインヒビターとして働く。2-オキソグルタール酸の構造類似体、例えばアシルシクロへキサンジオン、トリネキサパッククロリド及びプロヘキサジオンカルシウムは、ジベレリン生合成の最後のステップを妨害する。他の植物成長調節剤、例えばメフルイジドは、細胞分割及び分化を阻害する。
【０００５】
場合によっては、除草的に活性な成分は、個別に適用された時と比べて他の除草剤を混合した時に、より効果的であることがわかっている。このことは「相乗効果」と言われる。組合わせが成分の個々の能力の知識に基いて予想される程度を超える能力又は活性レベルを証明するからである。
【発明の概要】
【０００６】
本発明は、植物成長調節剤と組合わせて適用される時に除草剤が改善された除草効果を示すという発見にある。特に、かかる混合物は相乗効果を有する、すなわち当業者が予想する、単独で適用される時の各活性成分の活性よりも、速く、優れたかつ長期の除草活性を提供することがわかった。本発明によれば、相乗的に有効な量での1以上のHPPD阻害除草剤と1以上の植物成長調節剤との混合物、又は該混合物（複数）を含む組成物を、雑草又は雑草が存在する場所に適用することを含む、雑草を調節するための方法を提供する。好適には、該混合物は、少なくとも1つのHPPD阻害除草剤及び少なくとも1つの植物成長調節剤を含むことになる。
【発明を実施するための形態】
【０００７】
該組成物は、除草剤と植物成長調節剤との除草的に有効な組合せを含む。本明細書で使用される用語「除草剤」は、植物成長を調整又は変更する化合物を言う。用語「相乗的に有効な量」は、植物の成長に対する調整又は変更効果を生じることができるような化合物の量であって、該効果が、化合物の各々を個別に適用することによって得られた効果の合計よりも大きい量を言う。調整又は変更効果は、自然の発達からの全て偏りを含み、例えば枯れ、遅延、抑制、葉やけ、白化、矮化等を含む。例えば、枯れていない植物は、通常、発育阻害であり、開花中断と競合しない。用語「植物」は、種子、苗、根、塊茎、幹、茎、葉及び果実を含む植物のすべての有形部分を言う。
【０００８】
HPPDインヒビターは、酵素4-ヒドロキシフェニル-ピルビン酸ジオキシゲナーゼを阻害することによって作用し、よってカロチノイド（catotenoid）生合成を妨害する除草剤である。周知の種類のHPPDインヒビターは、トリケトン、イソキサゾール及びピラゾールを含む。
【０００９】
好適には、HPPDインヒビターは、メソトリオン、スルコトリオン、ベノキシフェナプ、イソキサクロルトール、イソキサフルトール、ピラスルホトール、ピラゾリナート、ピラゾキシフェン、ベンゾビシクロン、ケトスピラドックス、テムボトリオン、トプラメゾン、及び式I
【００１０】
【化１】
【００１１】
の化合物からなる群より選ばれる1以上の除草剤である。
【００１２】
好適には、除草剤は、メソトリオン、テムボトリオン、トプラメゾン、イソキサクロルトール、ピラスルホトール、又は式Iの化合物である。より好適には、除草剤はメソトリオンである。
【００１３】
本発明は、上記の化合物の除草的に活性な形態、例えば塩、キレート及びエステルのすべてを含む。
【００１４】
任意の成長調節剤は、本発明に従って使用してよい。1つの実施形態では、植物成長調節剤は、トリネキサパック-エチル、プロヘキサジオンカルシウム、パクロブトラゾール、ユニコナゾール、メピキートクロリド及びクロルメキートクロリドからなる群より選ばれる。
【００１５】
好適には、植物成長調節剤は、ジベレリン生合成インヒビターである。好適には、植物成長調節剤は、ジベレリンA生合成インヒビターである。好適には、植物成長調節剤は、ジベレリンB生合成インヒビターである。好ましい実施態様では、植物成長調節剤は、トリネキサパック-エチル、プロヘキサジオンカルシウム、パクロブトラゾール又はクロルメキートクロリドである。好適には、植物成長調節剤はトリネキサパック-エチルである。好適には、植物成長調節剤はプロヘキサジオンカルシウムである。好適には、植物成長調節剤はクロルメキートクロリドである。
【００１６】
本発明によれば、HPPDインヒビター及びトリネキサパック-エチルを含む混合物、又はそれを含む組成物が挙げられる。好適には、本発明において使用するための混合物は、メソトリオン、イソキサフルトール、ピラスルホトール、式Iの化合物、テムボトリオン及びトプラメゾンからなる群より選ばれる1以上の除草剤と組合わせて、トリネキサパック-エチルを含む。好適には、本発明において使用するための混合物は、トリネキサパック-エチル及びトプラメゾンを含む。好適には、本発明において使用するための混合物は、トリネキサパック-エチル及びテムボトリオンを含む。好適には、本発明において使用するための混合物は、トリネキサパック-エチル及びイソキサフルトールを含む。好適には、本発明において使用するための混合物は、トリネキサパック-エチル及びピラスルホトールを含む。好適には、本発明において使用するための混合物は、トリネキサパック-エチル及び式(I)の化合物を含む。より好適には、本発明において使用するための混合物は、トリネキサパック-エチル及びメソトリオンを含む。
【００１７】
本発明は、単子葉植物雑草及び双子葉植物雑草を含む多数の作物学上重要な雑草を調節するために使用してよい。
【００１８】
例えば、本発明は、双子葉植物雑草、例えば、アブチロン属（Abutilon spp.）、アンブロシア属（Ambrosia spp.）、アマランタス（Amaranthus spp.）、ケノポジウム属（Chenopodium spp.）、ユーホルビア属（Euphorbia spp.）、ガリウム属（Galium spp.）、イソモエア属（Ipomoea spp.）、メジカゴ属（Medicago spp.）、ポリゴナム属（Polygonum spp.）、シダ属（Sida spp.）、シナピス属（Sinapis spp.）、ソラリウム属（Solarium spp.）、ステラリア属（Stellaria spp.）、タラキサクム属（Taraxacum spp.）、トリホリウム属（Trifolium spp.）、ベロニカ属（Veronica spp.）、ビオラ属（Viola spp.）及びキサンチウム属（Xanthium spp.）を調節するために使用してよい。
【００１９】
本発明は、単子葉植物雑草、例えば、アグロスチス属（Agrostis spp.）、アロペクルス属（Alopecurus spp.）、アペラ属（Apera spp.）、アベナ属（Avena spp.）、ブラキアリア属（Brachiaria spp.）、ブロムス属（Bromus spp.）、ジギタリア属（Digitaria spp.）、エキノクロア属（Echinochloa spp.）、エレウシネ属（Eleusine spp.）、エリオクロア属（Eriochloa spp.）、レプトクロア属（Leptochloa spp.）、ロリウム属（Lolium spp.）、オトコロア属（Ottochloa spp.）、パニクム属（Panicum spp.）、パスパルム属（Paspalum spp.）、ファラリス属（Phalaris spp.）、ポア属（Poa spp.）、ロトボエリア属（Rottboellia spp.）、セタリア属（Setaria spp.）、ソルガム属（Sorghum spp.）、これらの芝の任意の本質的に感受性かつ耐性（例えばACCase 及び/又はALS耐性）の生物種、並びに単子葉植物雑草、例えばコメリナ属（Commelina spp.）、モノコリア属（monochoria spp.）、サギタリア属（Sagittaria spp.）及びスゲ、例えばサイプラス属（Cyperus spp.）及びスクルプス属（Scirpus spp.）の境界を調節するために使用してもよい。
【００２０】
好適には、本発明は、単子葉植物雑草、より好適には芝生を調節するために使用される。特に、本発明は、暖期の芝生を調節するために使用される。例えば、本発明は、イヌエビ (Echinochloa crus-galli)、オオエノコログサ (Setaria faberi)、オオメヒシバ (Digitaria sanguinalis)、ウーリー・カップグラス (Eriochloa villosa)、及び/又はアレキサンダーグラス (Brachiaria plantaginea) を調節するために使用される。
【００２１】
1つの実施態様では、本発明は、ブラキアリア属（Brachiaria spp.）を調節するために使用される。特に、本発明は、上記の除草性混合物をサトウキビ又はトウモロコシに適用することを含む、該作物におけるブラキアリア属（Brachiaria spp.）を調節する方法を含む。好適には、除草性混合物は、トリネキサパック-エチル及び式(I)の化合物を相乗的に有効な量で含む。好適には、除草性混合物は、場合により毒性緩和剤（safener）と混合して組成物の形態で適用される。
【００２２】
本発明の目的のためには、用語「雑草」は、慣用的に及び突然変異又はトランスジェニック的方法のいずれかによる遺伝子的に改変された、ボランティア作物のような望ましくない作物種を含む。例えば、ゴルフコース上のような芝草に関連して、緑芝生になるはびこるベント芝は、様々な種類の芝が栽培されるフェアウェイ部分で見られるならば、「ボランティア」と考えられる。以下に記載の他の芝は、同様に、間違った場所で見られる時に雑草と考えられる。
【００２３】
「場所」は、土壌、種子及び苗木並びに確立された植物を含むものとする。
【００２４】
本発明によれば、少なくとも1つのHPPD阻害除草剤及び少なくとも1つの植物成長調節剤を相乗的に有効な量で含む、除草組成物が提供される。1つの実施態様では、除草剤は、メソトリオン、スルコトリオン、ベノキシフェナプ、イソキサクロルトール、イソキサフルトール、ピラスルホトール、ピラゾリナート、ピラゾキシフェン、ベンゾビシクロン、ケトスピラドックス、テムボトリオン、トプラメゾン、及び式I
【００２５】
【化２】
【００２６】
の化合物からなる群より選ばれる。
【００２７】
好適には、HPPD阻害除草剤は、メソトリオン、イソキサフルトール、ピラスルホトール、テムボトリオン、トプラメゾン又は式Iの化合物である。
【００２８】
好適には、該組成物中の植物成長調節剤は、トリネキサパック-エチル、プロへキサジオンカルシウム、パクロブトラゾール、ユニコナゾール、メピコートクロリド及びクロルメコートクロリドからなる群より選ばれる。好適には、植物成長調節剤は、トリネキサパック-エチル、プロへキサジオンカルシウム、又はクロルメコートクロリドである。
【００２９】
好適には、本発明の除草組成物は、トリネキサパック-エチル及びメソトリオンを含む。好適には、本発明の除草組成物は、トリネキサパック-エチル及びテムボトリオンを含む。好適には、本発明の除草組成物は、トリネキサパック-エチル及びトプラメゾンを含む。好適には、本発明の除草組成物は、トリネキサパック-エチル及びイソキサフルトールを含む。好適には、本発明の除草組成物は、トリネキサパック-エチル及びピラスルホトールを含む。好適には、本発明の除草組成物は、トリネキサパック-エチル及び式(I)の化合物を含む。
【００３０】
本発明の組成物において、除草効果が相乗的である、除草剤の植物成長調節剤に対する混合比は、重量で約1:1000〜約1000:1の範囲にある。好適には、除草剤の植物成長調節剤に対する混合比は、重量で約1:100〜約100:1である。好適には、除草剤の植物成長調節剤に対する混合比は、重量で約1:1〜約1:10である。例えば、除草剤がメソトリオン及び植物成長調節剤がトリネキサパック-エチルである場合には、重量で約1:3〜約1:6の混合比が好ましい。
【００３１】
本発明の組成物が適用される割合は、調節される雑草の特定の種類、必要とされる調節の程度、及び適用の時期及び方法に依拠することになる。一般的に、本発明の組成物は、組成物中の活性成分（メソトリオン及びトリネキサパック-エチル）の総量に基いて、0.001キログラムの活性成分/ヘクタール (kg ai/ha)〜約5.0 kg ai/haの適用割合で適用され得る。約0.01 kg ai/ha〜約3.0 kg ai/haの適用割合が好ましく、約0.05 kg ai/ha〜0.3 kg ai/haの適用割合が特に好ましい。以下の実施例で使用される割合は、温室割合であり、除草効果は温室条件では増大される傾向にあるので、該場所に通常適用されるよりも低い、ことに留意されたい。
【００３２】
更なる局面では、本発明は、かかる雑草の場所に本発明の組成物の除草的に有効な量を適用することを含む、徐増の成長を調節又は変更する方法を提供する。
【００３３】
本発明の利点は、有用植物の作物：例えば、トウモロコシ（コーン、ポップコーン及びスイートコーンを含む）、綿花、冬及び春穀物（小麦、大麦、ライ麦、オート麦）、コメ、ポテト、サトウキビ/飼料用ビート、冬及び春菜種、豆科作物（大豆を含む）、穀実用モロコシ、プランテーション作物（バナナ、果樹、オイルパルム、ゴム、養樹、蔓）、サトウキビ、野菜（アスアラガス、ルバーブ、トマトを含む）、ヒマワリ、様々なベリー、麻、寒期及び暖期の芝草、及びその他、の成長において雑草を調節するために適用される時に最も見られる。1つの特定の実施態様では、本発明の利点は、除草組成物がサトウキビに適用される時に見られる。更なる実施態様では、本発明の利点は、除草組成物がコーンに適用される時に見られる。
【００３４】
寒期の芝草は、例えば、ブルーグラス (Poa L)、例えばケンタッキーブルーグラス (Poa pratensis L.)、深いブルーグラス (Poa trivialis L.)、カナダブルーグラス (Poa compressa L.)及び一年生ブルーグラス (Poa annua L.); ベント芝 (Agrostis L.)、例えば蔓延るベント芝 (Agrostis palustris Huds.)、コロニアルベント芝 (Agrostis tenius Sibth.)、ベルベットベント芝 (Agrostis canina L.) 及びレッドトップ (Agrostis alba L.); ウシノケグサ (Festuca L.)、例えばヒロハノウシノケグサ (Festuca arundinacea Schreb.)、メドゥーウシノケグサ (Festuca elatior L.) 及びファインフェスク、例えば蔓延る赤色フェキキュー (Festuca rubra L.)、チューイングフェスク (Festuca rubra var. commutata Gaud.)、シープフェスク (Festuca ovina L.)及びハードフェスク (Festuca longifolia); 並びにライグラス (Lolium L.)、例えば多年生ライグラス (Lolium perenne L.) 及び一年生 (イタリアン) ライグラス (Lolium multiflorum Lam.) を含む。
【００３５】
暖期の芝草は、例えば、ハイブリッド及び一般的なバミューダグラスを含むバミューダグラス (Cynodon L. C. Rich)；ゾイシアグラス (Zoysia Willd.)、セントオーガスチングラス (Stenotaphrum secundatum (Walt.) Kuntze); 及びセンチピードグラス (Eremochloa ophiuroides (Munro.) Hack.) を含む。
【００３６】
加えて、「作物」は、慣用的な繁殖方法又は遺伝工学の結果として、除草剤又は除草剤の種類（及び、好適には、本発明の除草剤）を含む、害虫及び殺虫剤に耐性を獲得した作物を含むものと理解されるべきである。除草剤への耐性は、慣用的な作物繁殖と比べて、特定の除草剤によって起こる損傷に対する減少した感受性を意味する。作物は、例えばHPPDインヒビター、例えばメソトリオンに耐性であるように改変又は繁殖され得る。コーンは、本質的にメソトリオンに耐性であることに留意されたい。
【００３７】
本発明の組成物は、該組成物が適用される作物によるが、調節が望ましい場所への発芽前又は発芽後の適用によって、望ましくない植物の成長を調節する点で有用である。従って、1つの実施態様では、本発明の除草組成物は、発芽前適用として適用される。更なる実施態様では、本発明の除草組成物は、発芽後適用として適用される。
【００３８】
本発明の化合物は、同時又は連続して適用される。連続的に適用される場合には、該化合物は、好適な時間スケールで任意の順で適用されてよい。例えば第1成分の適用時間と最後の成分の適用時間との間が最大1週間である。好適には、該成分は、24時間内に適用される。より好適には、該成分は数時間内に適用される。好適には、該成分は1時間以内に適用される。該成分が同時に適用される場合には、それらは、別個に適用されてよく、あるいはすべての成分のタンク混合物としてもしくは予め調製した混合物、又は残りの成分とタンク混合された成分のいくつかの予め調製した混合物として適用されてよい。1つの実施態様では、本発明の混合物又は組成物は、植える前の種子処理として作物に適用してよい。
【００３９】
実際には、本発明の組成物は、産業に公知の又は使用される様々な補助剤及び担体を含む調製物として適用される。よって、本発明の組成物は、顆粒として、水和剤として、乳化濃縮物として、粉末又は塵として、流動体（flowable）として、溶液として、懸濁液又はエマルションとして、あるいはマイクロカプセルのような制御された放出形態として、調製してよい。これらの調製物は、重量で、約0.5%の微量から、約95%以上の程度の活性成分を含んでよい。任意の所定の化合物の最適量は、調製物、適用装置及び調節される植物の性質に依拠することになる。
【００４０】
水和剤（wettable powder）は、水又は他の液状担体に容易に分散する細粒の形態にある。該粒子は、固体マトリックス中に保持された活性成分を含む。典型的な固体マトリックスは、フラー土、カオリンクレイ、シリカ、及び他の容易に湿潤する有機又は無機固体を含む。水和剤は、通常、約5%〜約95%の活性成分、及び少量の湿潤剤、分散剤又は乳化剤を含む。
【００４１】
乳化濃縮物は、水又は他の液体に分散可能な均一な液状組成物であり、全体的に液状又は固体乳化剤と共に活性化合物からなってよく、あるいは液状担体、例えばキシレン、重芳香族ナフサ、イソホロン及び他の非-揮発性有機溶媒を含んでもよい。使用において、これらの濃縮物は、水又は他の液体に分散され、通常、処理される場所へ、スプレイとして適用される。活性成分の量は、濃縮物の約0.5%〜約95%の範囲でよい。
【００４２】
顆粒調製物は、押出し物及び比較的粗な粒子を含み、通常、植物の抑制が望ましい場所に希釈することなく適用される。顆粒調製物用の典型的な担体は、肥料、砂、フラー土、アタパルガイドクレイ、ベントナイトクレイ、モンモリロナイトクレイ、バーミュキュライト、パーライト、炭酸カルシウム、レンガ、軽石、葉蝋石、カオリン、白雲石、しっくい、木粉、挽いたトウモロコシの穂軸、挽いたピーナッツ外皮、糖類、塩化ナトリウム、硫酸ナトリウム、ケイ酸ナトリウム、ホウ酸ナトリウム、マグネシア、マイカ、酸化鉄、酸化亜鉛、酸化チタン、酸化アンチモン、氷晶石、石膏、珪藻土、硫酸カルシウム、及び活性化合物を吸収するか又は活性化合物で被覆され得る他の有機又は無機物質、を含む。特に好適には、肥料顆粒担体である。顆粒調製物は、通常、界面活性剤、例えば重芳香族ナフサ、ケロセン及び他の石油精留物、又は植物油；及び/又は粘貼剤、例えばデキストリン、接着剤又は合成樹脂を含む、約5%〜約25%の活性成分を含む。顆粒物質は、上記の典型的な担体の1つでよく、及び/又は肥料物質、例えば尿素/ホルムアルデヒド肥料、アンモニウム、液体窒素、尿素、塩化カリウム、アンモニウム化合物、リン酸化合物、イオウ、類似の植物栄養物及び微量元素、及びその混合物又は組合せでよい。除草剤及び植物成長調節剤は、顆粒全体に均一に分布されてよく、又は顆粒が形成された後に顆粒担体上に噴霧して染み込んでもよく、もしくはその上に吸収されてよい。
【００４３】
カプセル化顆粒は、一般的に、多孔質顆粒であり、活性種を顆粒孔の内側に液状形態保持する、顆粒孔の開口を塞ぐ多孔質膜を有する。顆粒は典型的には、1ミリリットル〜1センチメートル径、好ましくは1〜2ミリリットル径の範囲にある。顆粒は、押し出し、凝集又は小球化（prilling）によって形成されるか、あるいは自然に発生する。かかる物質の例は、バーミュキュライト、焼結クレイ、カオリン、アパタルガイドクレイ、おが屑及び顆粒炭素である。シェル又は膜物質は、天然及び合成ゴム、セルロース物質、スチレン-ブタジエンコポリマー、ポリアクリルニトリル、ポリアクリレート、ポリエステル、ポリアミド、ポリウレア、ポリウレタン及びデンプンキサントゲン酸塩を含む。
【００４４】
塵は、分散剤及び担体として働く、タルク、クレイ、粉末、及び他の有機及び無機固体のような細粒固体を有する活性成分の流動混合物である。
【００４５】
マイクロカプセルは、典型的には、制御された割合で周囲に封入された物質の放出を可能にする不活性多孔質シェルに閉じ込められた活性物質の液滴又は顆粒である。カプセル化された液滴は、典型的には、約1〜50ミクロン径である。封入された液体は、典型的には、約50〜95%のカプセル重量を構成し、活性化合物に加えて溶媒を含んでよい。
【００４６】
除草的適用のための他の有用な調製物は、所望の濃度で活性成分が完全に溶解性である溶媒、例えばアセトン、アルキル化ナフタレン、キシレン及び他の有機溶媒、中の活性成分の単純な溶液を含む。低沸点分散溶媒担体の気化の結果として活性成分が細粒形態で分散されている加圧スプレイも使用できる。
【００４７】
上記の調製物の多くは、湿潤剤、分散剤又は乳化剤を含む。その例は、アルキル及びアルキルアリールスルホネート及びサルフェート及びその塩、多価アルコール；ポリエトキシ化アルコール、エステル及び脂肪アミンを含む。これらの物質は、使用される時に、通常、調製物の重量で0.1%〜15%を含む。
【００４８】
上記の調製物の種類において本発明の組成物を調製するには有用である、一緒に調製されるか及び/又は別個に添加される、好適な農業補助剤及び担体は、当業者に周知である。異なった種類の好適な例は、非-限定的な以下のリストに見られる。
【００４９】
使用され得る液状担体は、水、トルエン、キシレン、石油ナフサ、作物油、AMS；アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、無水酢酸、アセトニトリル、アセトフェノン、酢酸アミル、2-ブタノン、クロロベンゼン、シクロヘキサン、シクロヘキサノール、酢酸アルキル、ジアセトンアルコール、1,2-ジクロロプロパン、ジエタノールアミン、p-ジエチルベンゼン、ジエチレングリコール、アビエチン酸ジエチレングリコール、ジエチレングリコールブチルエーテル、ジエチレングリコールエチルエーテル、ジエチレングリコールメチルエーテル、N,N-ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、1,4-ジオキサン、ジプロピレングリコール、ジプロピレングリコールメチルエーテル、ジプロピレングリコールジベンゾエート、ジプロキシトール、アルキルピロリジノン、酢酸エチル、2-エチルヘキサノール、エチレンカーボネート、1,1,1-トリクロロエタン、2-ヘプタノン、アルファピネン、d-リモネン、エチレングリコール、エチレングリコールブチルエーテル、エチレングリコールメチルエーテル、γ-ブチロラクトン、グリセロール、グリセロールジアセテート、グリセロールモノアセテート、グリセロールトリアセテート、ヘキサデカン、ヘキシレングリコール、シソアミルアセテート、イソボルニルアセテート、イソオクタン、イソホロン、イソプロピルベンゼン、ミリスチン酸イソプロピル、乳酸、ラウリルアミン、メシチルオキシド、メトキシ-プロパノール、メチルイソアミルケトン、メチルイソブチルケトン、ラウリル酸メチル、オクタン酸メチル、オレイン酸メチル、メチレンクロリド、m-キシレン、n-ヘキサン、o-オクチルアミン、オクタデカン酸、オクチルアミンアセテート、オレイン酸、オレイルアミン、o-キシレン、フェノール、ポリエチレングリコール (PEG400)、プロピオン酸、プロピレングリコール、プロピレングリコールモノメチルエーテル、p-キシレン、トルエン、トリエチルホスフェート、トリエチレングリコール、キシレンスルホン酸、パラフィン、鉱油、トリクロロエチレン、パークロロエチレン、酢酸エチル、酢酸アミル、酢酸ブチル、メタノール、エタノール、イソプロパノール、及び高分子量アルコール、例えばアミルアルコール、テトラヒドロフルフリルアルコール、ヘキサノール、オクタノール等、エチレングリコール、プロピレングリコール、グリセリン、N-メチル-2-ピロリジノン等を含む。水は、一般的に、濃縮物の希釈のための特別の担体である。
【００５０】
好適な固体担体は、タルク、二酸化チタン、葉蝋石クレイ、シリカ、アタパルガイドクレイ、珪藻土、チョーク、珪藻土、石灰、炭酸カルシウム、ベントナイトクレイ、フラー土、肥料、綿実外皮、小麦粉、大豆粉、軽石、木粉、クルミ殻粉、リグニン等を含む。
【００５１】
幅広い界面活性剤は、前記の液状及び固体組成物、特に適用に担体で希釈されるように設計されたものにおいて有利に使用される。界面活性剤は、アニオン性、カチオン性、非-イオン性又はポリマー性でよく、乳化剤、湿潤剤、懸濁剤又はその他の目的のために使用され得る。典型的な界面活性剤は、アルキルサルフェート塩、例えばジエタノールアンモニウム・ラウリルサルフェート；アルキルアリールサルフェート塩、例えばドデシルベンゼンスルホネートカルシウム；アルキルフェノール-アルキレンオキシド付加生成物、例えばノニルフェノール-C.sub. 18 エトキシレート; アルコール-アルキレンオキシド付加生成物、例えばトリデシルアルコール-C.sub. 16 エトキシレート; 石鹸、例えばステアリン酸ナトリウム；アルキルナフタレンスルホネート塩、例えばジブチルナフタレンスルホネートナトリウム；スルホコハク酸のジアルキルエステル塩、例えばジ(2-エチルヘキシル)スルホコハク酸塩; ソルビトールエステル、例えばオレイン酸ソルビトール; 四級アミン、例えばラウリルトリメチルアンモニウムクロリド；脂肪酸のポリエチレングリコールエステル、例えばステアリン酸ポリエチレングリコール; エチレンオキシド及びプロピレンオキシドのブロックコポリマー、及びモノ及びジアルキルホスホネートエステルの塩を含む。
【００５２】
農薬組成物において一般的に使用される他の補助剤は、結晶化阻害剤、粘度調整剤、懸濁剤、スプレイ液滴調整剤、顔料、抗酸化剤、発泡剤、光遮断剤、適合剤、消泡剤、金属イオン封鎖剤、中和剤及びバッファ、錆止め剤、色素、臭気剤、展着剤、透過剤、微量元素、軟化剤、滑剤、固着剤等を含む。該組成物は、液状肥料又は固体の粒子状の肥料担体、例えば硝酸アンモニウム、尿素等を用いて調製してもよい。
【００５３】
除草剤と植物成長調節剤との所定の混合物の有用性に影響を与える重要な因子は、作物に対するその耐性（「薬害」）である。ほとんどの場合には、このことは、除草剤の選択によって決定されることになる。場合によっては、有益な作物は、除草剤の効果を受けやすい。効果的にするために、除草剤は、有益な作物への損傷を最少限にし（好ましくは損傷のない）、同時に作物の存在場所に寄生する雑草種への損傷を最大にしなければならない。除草剤使用の有益な局面を維持し、作物損傷を最少限にするために、必要ならば、解毒剤/毒性緩和剤を組合わせて除草剤を適用することが知られている。本明細書で使用される「解毒剤」は、除草剤選択性、すなわち、除草剤によって雑草種への継続した除草的薬害、及び栽培された作物種への減少した又は非-薬害、を確立する毒性緩和効果を有する化合物である。用語「解毒的に有効な量」は、除草剤への有益な作物の薬害反応をある程度弱める解毒化合物の量を言う。特定の適用又は作物について必要又は望ましい場合には、本発明の組成物は、本発明の除草剤のための解毒剤の解毒的に有効な量を含んでよい。当業者は、特定の除草剤及び植物成長調節剤と共に使用するために好適である解毒剤に精通しており、特定の混合物のための解毒的に有効量を容易に決定することができる。解毒剤は、例えば、ベノキサノル、フェンクロリム、クロキントセット-1-メチル、メフェンピル-ジエチル、フリラゾール、ジシクロノン、フルキソフェニム、ジクロルミド、フルラゾール、イソキサジフェンエチル、フェンクロラゾールエチル、プリミスルフロンメチル、シプロスルファミド、式IIの化合物
【００５４】
【化３】
【００５５】
式IIIの化合物
【００５６】
【化４】
【００５７】
式IVの化合物
【００５８】
【化５】
【００５９】
式Vの化合物
【００６０】
【化６】
【００６１】
式VIの化合物
【００６２】
【化７】
【００６３】
H3C又は式VIIの化合物
【００６４】
【化８】
【００６５】
を含む。
【００６６】
加えて更に、他の生物殺生活性成分又は組成物は、本組成物の除草組成物と組み合わせてよい。例えば、該組成物は、活性のスペクトルを広げるために、除草剤及び植物成長調節剤、他の除草剤、殺虫剤、殺菌剤（fungicide）、殺菌剤（bactericide）、アカラサイド、線虫剤及び/又は植物成長調節剤を含んでよい。
【００６７】
上記の調製物の各々は、調製物の他の成分（希釈剤、乳化剤、界面活性剤等）と一緒に除草剤を含むパッケージとして調製され得る。調製物は、該成分が栽培者側で別個に入手されそして混合される、タンク混合法によって調製してもよい。
【００６８】
これらの調製物は、調節は慣用的方法によって望ましい場所に適用され得る。塵及び液状組成物は、例えば、パワー-ダスター、ブルーム及びハンドスプレー、及びスプレーダスターの使用によって適用され得る。調製物は、塵もしくはスプレーとして又はロープウィック適用によって飛行機から適用してもよい。発芽種子又は発芽している苗の成長を変更又は調節するために、塵及び液状調整物は、土表面下、少なくとも1.5インチの深さで土に分配されるか、あるいは噴霧又は撒き散らすことによって土表面のみに適用され得る。調製物は、灌漑用水に添加することによって適用してもよい。このことは、灌漑用水と一緒に土に調製物を浸透させる。土表面に適用される塵組成物、顆粒組成物又は液状調製物は、慣用的方法、例えばディスク化（disking）、引きづり（dragging）又は混合操作によって土表面下に分配され得る。
【００６９】
本発明は、雑草調節が望まれる任意の状況、例えば農業で、ゴルフコース上で又は庭園で使用され得る。
【００７０】
以下の実施例は、説明目的のためのみである。実施例は、実施された試験全体の必要な代表を意図するものではなく、本発明を任意に限定するものではない。当業者が知っているように、除草試験では、容易に調節できない顕著な数の因子が個々の試験の結果に影響し、非-再現性を与えている。例えば、結果は、環境的因子、例えば日光及び水の量、土壌の種類、土壌のpH、温度及び湿度等によって変動することがある。また、植栽の深さ、個々の及び併せた除草剤の適用割合、任意の解毒剤の適用割合、及び個々の除草剤の他の除草剤に対する割合及び/又は個々の除草剤の解毒剤に対する割合、並びに試験される作物又は雑草の性質は、試験結果に影響を与え得る。結果は、作物の種類の範囲内で作物によって変動し得る。
【実施例】
【００７１】
以下の試験において、除草効果は温室環境で増大されるので、減少された領域率で除草剤を適用した。任意の相乗効果は混合物を試験する時に直ちに検出され得るので、試験した割合は、適用された除草剤単独で約50〜70%調節を得るように選択した。
【００７２】
実施例1-発芽後に適用されたメソトリオン及びトリネキサパック-エチルによるイヌエビの調節
温室試験を行った。イヌエビ種子を、10 cm平方のプラスティックポットに入れた標準的な鉢植え用ミックス（1:1 v/v プロミックス:ベロー砂土）に播いた。処理は3回反復した。メソトリオン（Callisto（登録商標）480SEの形態）(MST)を、イヌエビ (Echinochloa crus-gall) に、12.5g ai/ha又は25g ai/haのいずれかで、トリネキサパック-エチル（Palisade（登録商標）の形態）(TXP) 有り又は無しで発芽後に適用した。適用する時に、トリネキサパック-エチルを20Og ai/ha又は40Og ai/haの割合で適用した。補助剤系は、脱イオン水に0.1% v/vのX-77であった。200リットルの除草剤/補助剤系をヘクタール当たり使用した。処置後6〜9及び14〜18日（DAT）に一般的な雑草調節を評価した。除草効果が温室環境で拡大されるので、減少した場所割合ですべての除草剤を適用した、ことに留意されたい。割合は、単独で適用された除草剤による50〜70%レベルの調節を提供するように選択した。このことは、タンク混合が使用される時に任意の相乗効果の検出を可能にするからである。
【００７３】
表1は、コルビー式を用いて評価した結果を示す。(Y+Z)についての予想された結果は、(Y+Z)-(YxZ/100)（ここで、Y及びZは、Y及びZ単独について「観察された」結果である）。現実の結果が予想された結果よりも顕著に高い場合には、タンク混合からの調節は相乗的である（スチューデント・ニューマン・クールズ多重範囲検定に基く有意）。
【００７４】
【表１】
【００７５】
コルビー式及びスチューデント・ニューマン・クールズ多重範囲検定を用いて、トリネキサパック-エチルとメソトリオンとの組合せをイヌエビを調節するために使用した時に、相乗効果はメソトリオンの高割合及び低割合、並びにトリネキサパック-エチルの高割合及び低割合で観察された。
【００７６】
実施例2-発芽後に適用されたメソトリオン及びトリネキサパック-エチルによるオオエノコログサの調節
イヌエビをセタリアファベリ (Setariafaberi) (オオエノコログサ) に変えて温室試験を実施例1に記載のように行った。使用した割合及び得られた結果を以下の表2に示す。
【００７７】
【表２】
【００７８】
試験した割合の組合せの多くでオオエノコログサの調節の相乗効果が見られたが、特に、試験したトリネキサパック-エチルのすべての割合と組合わせたメソトリオンの高割合について相乗効果が見られた。
【００７９】
実施例3-発芽後に適用されたメソトリオン及びトリネキサパック-エチルによるオオメヒシバの調節
イヌエビをジギタリア・サンギナリス (Digitaria sanguinalis) (オオネヒシバ) に変えて温室試験を実施例1に記載のように行った。使用した割合及び得られた結果を以下の表3に示す。
【００８０】
【表３】
【００８１】
試験したすべての割合の組合せで、オオメヒシバの調節の相乗効果が見られた。
【００８２】
実施例4-発芽後に適用されたメソトリオン及びトリネキサパック-エチルによるオオクサキビの調節
イヌエビをパニカム・ジクトミフロルム (Panicum dichotomiflorum) (オオクサキビ) に変えて温室試験を実施例1に記載のように行った。使用した割合及び得られた結果を以下の表4に示す。
【００８３】
【表４】
【００８４】
試験した割合の組合せの多くでオオクサキビの調節の相乗効果が見られたが、特に、試験したトリネキサパック-エチルのすべての割合と組合わせたメソトリオンの高割合について相乗効果が見られた。
【００８５】
実施例5-発芽後に適用されたメソトリオン及びトリネキサパック-エチルによるオヒシバの調節
イヌエビをエロイシン・インディカ (Eleusine indica) (オヒシバ) に変えて温室試験を実施例1に記載のように行った。使用した割合及び得られた結果を以下の表5に示す。
【００８６】
【表５】
【００８７】
試験したすべての割合の組合せで、オヒシバの調節の相乗効果が見られた。
【００８８】
実施例6-発芽後に適用されたメソトリオン及びトリネキサパック-エチルによるコメツブウマゴヤシの調節
イヌエビをメディカゴ・ルプリナ (Medicago lupulina) (コメツブウマゴヤシ) に変えて温室試験を実施例1に記載のように行った。使用した割合及び得られた結果を以下の表6に示す。
【００８９】
【表６】
【００９０】
試験したすべての割合の組合せで、コメツブウマゴヤシの調節の相乗効果が見られた。
【００９１】
実施例7-発芽後に適用されたメソトリオン及びトリネキサパック-エチルによるシロツメクサの調節
イヌエビをトリホリウム・レペンス (Trifolium repens) (シロツメクサ) に変えて温室試験を実施例1に記載のように行った。使用した割合及び得られた結果を以下の表7に示す。
【００９２】
【表７】
【００９３】
試験したすべての割合の組合せで、シロツメクサの調節の相乗効果が見られた。
【００９４】
実施例8-発芽後に適用された様々な除草剤及びトリネキサパック-エチルによるオヒシバ、オオエノコログサ及びウーリー・カップグラス (woolly cupgrass) の調節
オシヒバ (Eleusine indica, ELEIN)、オオエノコログサ (Setariafaberi, SETFA) 及びウーリー・カップグラス (Eriochloa villosa, ERBVI) に対する、トリネキサパック-エチル (2種類の割合) と組合わせた様々な除草剤（各々2種の割合）を試験するために、温室試験を実施例1に記載のように行った。処理は最後の発芽M後に行った。化合物は、商業的調製物の形態で試験した。例えば、メソトリオンについてCallisto （登録商標） 4SC; 式Iについて開発中の250EC調製物; シソオキサフルトールについてBalance Pro （登録商標）; テムボトリオンについて25WP調製物; トプラメソンについてImpact （登録商標） 4.8SC; トリネキサパック-エチルについてPrimoMAXX （登録商標） 120ME。適用後13及び21日にパーセンテージ雑草調節を評価した。
【００９５】
13 DAA評価の結果を表8に示す。相乗効果の同一のパターンは21 DAAで観察された。
【００９６】
【表８】
【００９７】
【表９】
【００９８】
結果は、トリネキサパック-エチル及びHPPD阻害除草剤を3つの雑草種すべてに様々な割合で同時適用する時に、相乗効果が幅広く観察されたことを示している。
【００９９】
実施例9-発芽前又は発芽後に適用された式Iの化合物及びトリネキサパック-エチルによるブラキャリアの調節
ブラキャリア・プランタギニア（Brachiaria plantaginea）に対する、200 gai/haでのトリネキサパック-エチルと組合わせたメソトリオン又は式Iの化合物（各々3種の割合）の活性を試験するために、温室試験を行った。ブラキアリア種子を、50 cmのプラスティックトラフに入れた標準的な鉢植え用ミックスに播いた。化合物は、下記表に記載の割合で標準的な商業的調製物として適用した。補助剤系は、脱イオン水に0.1% v/vのX-77であった。500リットルの除草剤/補助剤系をヘクタール当たり使用した。発芽後試験については適用後15日（DAA）に、発芽前試験については2OD AAに一般的な雑草調節を評価した。除草効果が温室環境で拡大されるので、減少した場所割合ですべての除草剤を適用した、ことに留意されたい。割合は、単独で適用された除草剤による50〜70%レベルの調節を提供するように選択した。結果を表9に示す。
【０１００】
【表１０】
【０１０１】
本発明は好ましい実施態様及びその実施例を参考に記載してきたが、本発明の範囲は記載された実施態様にのみ限定されるものではない。当業者には明らかであろうが、上記発明の修飾及び適合は、添付のクレームによって定義され及び制限された本発明の趣旨及び範囲から逸脱しないでなされる。本明細書で引用された全ての文献は、各々の文献が参考として援用されるように具体的に及び個別に示されている場合にそれと同程度に全ての目的のために、その全体が参照のために本明細書に引用される。
【特許請求の範囲】
【請求項１】
雑草を調節するための方法であって、
雑草又は雑草が存在する場所に、相乗的に有効な量での少なくとも1つのHPPD阻害除草剤と少なくとも1つの植物成長調節剤との混合物、又は該混合物を含む組成物を適用することを含む、方法。
【請求項２】
前記除草剤が、メソトリオン、スルコトリオン、ベノキシフェナプ、イソキサクロルトール、イソキサフルトール、ピラスルホトール、ピラゾリナート、ピラゾキシフェン、ベンゾビシクロン、ケトスピラドックス、テムボトリオン、トプラメゾン及び式I
【化１】
の化合物からなる群より選ばれる、請求項１記載の方法。
【請求項３】
前記植物成長調節剤が、トリネキサパック-エチル、プロへキサジオンカルシウム、パクロブトラゾール、フルルプリミドール、サイコセル、エテホン、メピコートクロリド及びクロルメコートクロリドからなる群より選ばれる、請求項１又は２記載の方法。
【請求項４】
前記植物成長調節剤が、ジベレリンA生合成インヒビターである、請求項３記載の方法。
【請求項５】
前記植物成長調節剤が、ジベレリンB生合成インヒビターである、請求項３記載の方法。
【請求項６】
前記植物成長調節剤が、トリネキサパック-エチルである、請求項４記載の方法。
【請求項７】
前記雑草が単子葉植物である、請求項１〜６のいずれか１項記載の方法。
【請求項８】
少なくとも1つのHPPD阻害除草剤と少なくとも1つの植物成長調節剤とを相乗的に有効な量で含む除草組成物。
【請求項９】
前記HPPD阻害除草剤が、メソトリオン、スルコトリオン、ベノキシフェナプ、イソキサクロルトール、イソキサフルトール、ピラスルホトール、ピラゾリナート、ピラゾキシフェン、ベンゾビシクロン、ケトスピラドックス、テムボトリオン、トプラメゾン、及び式I
【化２】
の化合物からなる群より選ばれる、請求項８記載の除草組成物。
【請求項１０】
前記植物成長調節剤が、トリネキサパック-エチル、プロへキサジオンカルシウム、パクロブトラゾール、フルルプリミドール、サイコセル、エテホン、メピコートクロリド及びクロルメコートクロリドからなる群より選ばれる、請求項８又は９記載の除草組成物。
【請求項１１】
前記植物成長調節剤が、ジベレリンA生合成インヒビターである、請求項１０記載の除草組成物。
【請求項１２】
前記植物成長調節剤が、ジベレリンB生合成インヒビターである、請求項１０記載の除草組成物。
【請求項１３】
前記植物成長調節剤が、トリネキサパック-エチルである、請求項１１記載の除草組成物。請求項４記載の方法。
【請求項１４】
前記HPPD阻害除草剤が式(I)の化合物であり、かつ前記植物成長調節剤がトリネキサパック-エチルである、請求項８記載の除草組成物。
【請求項１５】
ブラキアリア（Brachiaria）属の調節のための、請求項１４記載の除草組成物の使用。
【請求項１６】
トリネキサパック-エチル及び式(I)の化合物を相乗的に有効な量で含む除草組成物をサトウキビに適用することを含む、該植物におけるブラキアリア（Brachiaria）属の調節方法。
【請求項１】
雑草を調節するための方法であって、
雑草又は雑草が存在する場所に、相乗的に有効な量での少なくとも1つのHPPD阻害除草剤と少なくとも1つの植物成長調節剤との混合物、又は該混合物を含む組成物を適用することを含む、方法。
【請求項２】
前記除草剤が、メソトリオン、スルコトリオン、ベノキシフェナプ、イソキサクロルトール、イソキサフルトール、ピラスルホトール、ピラゾリナート、ピラゾキシフェン、ベンゾビシクロン、ケトスピラドックス、テムボトリオン、トプラメゾン及び式I
【化１】
の化合物からなる群より選ばれる、請求項１記載の方法。
【請求項３】
前記植物成長調節剤が、トリネキサパック-エチル、プロへキサジオンカルシウム、パクロブトラゾール、フルルプリミドール、サイコセル、エテホン、メピコートクロリド及びクロルメコートクロリドからなる群より選ばれる、請求項１又は２記載の方法。
【請求項４】
前記植物成長調節剤が、ジベレリンA生合成インヒビターである、請求項３記載の方法。
【請求項５】
前記植物成長調節剤が、ジベレリンB生合成インヒビターである、請求項３記載の方法。
【請求項６】
前記植物成長調節剤が、トリネキサパック-エチルである、請求項４記載の方法。
【請求項７】
前記雑草が単子葉植物である、請求項１〜６のいずれか１項記載の方法。
【請求項８】
少なくとも1つのHPPD阻害除草剤と少なくとも1つの植物成長調節剤とを相乗的に有効な量で含む除草組成物。
【請求項９】
前記HPPD阻害除草剤が、メソトリオン、スルコトリオン、ベノキシフェナプ、イソキサクロルトール、イソキサフルトール、ピラスルホトール、ピラゾリナート、ピラゾキシフェン、ベンゾビシクロン、ケトスピラドックス、テムボトリオン、トプラメゾン、及び式I
【化２】
の化合物からなる群より選ばれる、請求項８記載の除草組成物。
【請求項１０】
前記植物成長調節剤が、トリネキサパック-エチル、プロへキサジオンカルシウム、パクロブトラゾール、フルルプリミドール、サイコセル、エテホン、メピコートクロリド及びクロルメコートクロリドからなる群より選ばれる、請求項８又は９記載の除草組成物。
【請求項１１】
前記植物成長調節剤が、ジベレリンA生合成インヒビターである、請求項１０記載の除草組成物。
【請求項１２】
前記植物成長調節剤が、ジベレリンB生合成インヒビターである、請求項１０記載の除草組成物。
【請求項１３】
前記植物成長調節剤が、トリネキサパック-エチルである、請求項１１記載の除草組成物。請求項４記載の方法。
【請求項１４】
前記HPPD阻害除草剤が式(I)の化合物であり、かつ前記植物成長調節剤がトリネキサパック-エチルである、請求項８記載の除草組成物。
【請求項１５】
ブラキアリア（Brachiaria）属の調節のための、請求項１４記載の除草組成物の使用。
【請求項１６】
トリネキサパック-エチル及び式(I)の化合物を相乗的に有効な量で含む除草組成物をサトウキビに適用することを含む、該植物におけるブラキアリア（Brachiaria）属の調節方法。
【公表番号】特表２０１０−５３５７４８（Ｐ２０１０−５３５７４８Ａ）
【公表日】平成２２年１１月２５日（２０１０．１１．２５）
【国際特許分類】
【出願番号】特願２０１０−５１９５０４（Ｐ２０１０−５１９５０４）
【出願日】平成２０年７月２１日（２００８．７．２１）
【国際出願番号】ＰＣＴ／ＧＢ２００８／００２５２１
【国際公開番号】ＷＯ２００９／０１９４３１
【国際公開日】平成２１年２月１２日（２００９．２．１２）
【出願人】（５００３７１３０７）シンジェンタ リミテッド (141)
【出願人】（５００５８４３０９）シンジェンタ パーティシペーションズ アクチェンゲゼルシャフト (352)
【Ｆターム（参考）】
【公表日】平成２２年１１月２５日（２０１０．１１．２５）
【国際特許分類】
【出願日】平成２０年７月２１日（２００８．７．２１）
【国際出願番号】ＰＣＴ／ＧＢ２００８／００２５２１
【国際公開番号】ＷＯ２００９／０１９４３１
【国際公開日】平成２１年２月１２日（２００９．２．１２）
【出願人】（５００３７１３０７）シンジェンタ リミテッド (141)
【出願人】（５００５８４３０９）シンジェンタ パーティシペーションズ アクチェンゲゼルシャフト (352)
【Ｆターム（参考）】
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