説明

除電装置、および画像形成装置

【課題】除電針の変形を防止できる除電装置を提供する。
【解決手段】先端が搬送されてくる記録媒体の面に向かうように記録媒体の幅方向に複数配置された、記録媒体の電荷を除去するための除電針98と、複数の除電針の上流側近傍に配置され、記録媒体側の端部が除電針の先端よりも記録媒体の面に近い位置に配置された接触防止部材93と、除電針の下流側に当接し、または除電針の下流側近傍に配置され、除電針の折れ曲がりを防止する折れ防止部材99とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プリンタ、複写機、およびファクシミリなどの画像形成装置、および画像形成装置に用いる除電装置に関する。
【背景技術】
【0002】
像担持体表面に作像し現像したトナー画像を、直接、またはさらに中間転写体に転写した後に、転写ローラ等により記録媒体上にトナー画像を転写する方式の画像形成装置では、記録媒体上に転写する際にトナー画像とは逆極性のバイアスを印加するので、このとき記録媒体が帯電状態となる。
【0003】
転写部でトナー画像の転写を受けた記録媒体は、転写ローラから分離されて画像定着部へ搬送され画像の定着処理を受ける。この場合、記録媒体が上記の帯電状態のまま転写部から画像定着部へ向けて搬送されると、その搬送の間に記録媒体が搬送ガイドなどに接触し、記録媒体上の電荷がリークして記録媒体上の未定着トナー画像に乱れを生じ、画像不良を発生しやすい。
【0004】
そこで、このような画像不良の発生を防止するために、転写工程の直後に除電針などの除電手段を設け、記録媒体に過剰に乗った電荷を除電するようにしている。
【0005】
除電針による記録媒体の除電は、除電針の高さを記録媒体の搬送経路ギリギリまで高くすることが効果的であるため、除電針の先端は露出している。
【0006】
したがって、ジャム処理等のため、画像形成装置本体の開閉部材を開いて、ユーザが装置本体内部に手を入れてジャム紙を取り除く際に、記録媒体経路上に突出している除電針の尖った先端部に手指を不用意に触れ易い。
【0007】
不用意に除電針の先端に触れることを防止する構成として、除電針の昇降制御を行う画像形成装置が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【0008】
図7に、特許文献1に記載されているプリンタの、記録シートへの転写部分の拡大構成図を示す。
【0009】
このプリンタは、感光体ドラム100の表面に静電潜像が形成され、トナー画像として現像される。そのトナー画像が、感光体ドラム100と転写ローラ101との間の転写部位(圧接ニップ部)に、感光体ドラム100の回転とタイミングを合わせて搬送ガイド102に案内されて搬送されてきた記録シート105に対して順次に転写されていく。
【0010】
転写ローラ101は、感光体ドラム100に対して所定の押圧力をもって圧接させてあり、感光体ドラム100とほぼ同一の周速度をもって感光体ドラム100の回転に順方向に回転しており、また転写バイアスが印加される。
【0011】
転写部出口側の近傍には、除電装置として、ホルダ104に収納された除電針103が配置されている。
【0012】
転写部を通過した記録シート105は、感光体ドラム100から順次に分離されて除電針103の上側を接近通過して、搬送ガイド102に案内されて画像定着部へ搬送される。記録シート105は、除電針103の上側を接近通過していくとき除電針103により過剰電荷の除電を受ける。
【0013】
除電針103は、昇降可能な構成となっており、プリンタ本体の開閉部材を開いたときに、除電針103が下降し、その先端部分がホルダ104内に収納されるように制御される。
【0014】
図7で、除電針103の実線で示した部分は、上がった状態の位置を示しており、破線で示した部分は、下がった状態の位置を示している。
【0015】
プリンタ本体の開閉部材が閉じているときには、除電針103は、上がった状態となり、このときの除電針103の位置は、その先端が、その上方約1〜2mm離れたところを感光体ドラム100から分離されて搬送されてくる記録シート105の背面が通過する高さ位置となるように設定されている。
【0016】
そして、プリンタ本体の開閉部材が開けられたときには、除電針103は、下がった状態となり、ジャム紙を取り除く等のためにユーザがプリンタ本体内部に手を入れても、除電針103の尖った先端部に手指が触れることを防止している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0017】
【特許文献1】特開平7−104585号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0018】
しかしながら、従来の画像形成装置の構造では、記録シートの搬送中に記録シートが除電針に接触して、除電針が変形してしまうことがあった。
【0019】
すなわち、図7に示すように、記録シート105の搬送中には、除電針103の先端部分は、ホルダ104から突出した状態となっている。記録シート105は、その材質や、湿度などによる状態の違いによって搬送状態が不安定になると、除電針103の先端部分に接触する場合がある。
【0020】
また、除電針103の先端が記録シート105に突き刺さったような場合には、ジャム処理をする際に、除電針103が下がったとしても記録シート105に突き刺さったままとなるため、記録シート105を取り除くときに除電針103を変形させてしまうおそれがある。
【0021】
本発明は、上記従来の除電装置の課題を考慮して、除電針の変形を防止できる除電装置および画像形成装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0022】
上述した課題を解決するために、第1の本発明は、
先端が搬送されてくる記録媒体の面に向かうように前記記録媒体の幅方向に複数配置された、前記記録媒体の電荷を除去するための除電針と、
前記複数の除電針の上流側近傍に配置され、前記記録媒体側の端部が前記除電針の先端よりも前記記録媒体の面に近い位置に配置された接触防止部材と、
前記除電針の下流側に当接し、または前記除電針の下流側近傍に配置され、前記除電針の折れ曲がりを防止する折れ防止部材とを備えた除電装置である。
【0023】
また、第2の本発明は、
前記除電針を1本ごとに仕切るように、前記各除電針間に配置された仕切り部材を備えた、第1の本発明の除電装置である。
【0024】
また、第3の本発明は、
前記接触防止部材は、板状であり、
前記折れ防止部材は、前記除電針ごとに設けられたブロック部材である、第2の本発明の除電装置である。
【0025】
また、第4の本発明は、
前記仕切り部材は、三角板形状であり、一つの端面が前記接触防止部材に当接し、他の一つの端面が前記接触防止部材の上端面から段差なく連続した形状となっており、
前記折れ防止部材は、前記仕切り部材に平行な三角板形状であり、前記記録媒体側の頂点が前記除電針の先端よりも前記記録媒体の面から遠い位置に配置された、第3の本発明の除電装置である。
【0026】
また、第5の本発明は、
表面に現像剤画像が形成される一または複数の像担持体と、
前記像担持体に形成された現像剤画像が、複数転写されて重ね合わされる中間転写体と、
記録媒体の電荷を除去するための第1〜第4のいずれかの本発明の除電装置を有し、前記中間転写体に転写された前記現像剤画像を前記記録媒体上に二次転写する二次転写部と、を備えた画像形成装置である。
【発明の効果】
【0027】
本発明により、除電針の変形を防止できる除電装置および画像形成装置を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【図1】本発明の実施の形態1における複写機の正面の構成断面図
【図2】本発明の実施の形態1における複写機の二次転写部の構成図
【図3】(a)本発明の実施の形態1の除電ユニットを構成する上流側ガイド部の上面図、(b)本発明の実施の形態1の除電ユニットを構成する除電針板の斜視図、(c)本発明の実施の形態1の除電ユニットを構成する下流側ガイド部の斜視図
【図4】本発明の実施の形態1の除電ユニットの拡大斜視図
【図5】本発明の実施の形態1の除電ユニットのB−B´断面図
【図6(a)】本発明の実施の形態1の、他の構成の除電ユニットの拡大斜視図
【図6(b)】本発明の実施の形態1の、他の構成の除電ユニットの拡大斜視図
【図6(c)】本発明の実施の形態1の、他の構成の除電ユニットの拡大斜視図
【図7】従来のプリンタの転写部分の拡大構成図
【発明を実施するための形態】
【0029】
以下に、本発明にかかる画像形成装置の一実施例である複写機について、図面を参照しながら説明する。
【0030】
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1における複写機の正面の構成断面図である。
【0031】
図1に示すように、本実施の形態1の複写機1は、底部に画像形成される用紙を収納するための複数の給紙カセット2を備えている。また、複写機1は、その上部に、露光ランプ、レンズ、ミラー等により原稿の画像を読み取る原稿読み取り部3を備えている。
【0032】
また、本実施の形態1の複写機1は、タンデム方式を用いたカラー複写機であり、水平方向に順に配置されたブラック画像形成部4、イエロー画像形成部5、シアン画像形成部6、およびマゼンダ画像形成部7を備えている。これら画像形成部によって形成された画像を重ね合わせるための中間転写ベルト8が配置されている。また、中間転写ベルト8上で重ね合わされたトナー画像を用紙に転写する二次転写部9と、転写されたトナー画像を用紙に定着させる定着部10が設けられている。
【0033】
また、二次転写部9の用紙搬送方向(矢印E参照)上流側には、レジストローラ25が設けられており、二次転写部9と定着部10の間には、用紙を搬送するための搬送ベルト26が設けられている。また、定着部10を通過した用紙を複写機1外へと排出するための排出ローラ対12が側面に設けられており、排出ローラ対12によって排出された用紙が載置される排出トレイ13が設けられている。なお、図1には、用紙の搬送方向が矢印Eで示されている。
【0034】
次に、画像形成部および中間転写ベルト8の構成について説明する。
【0035】
ブラック画像形成部4は、アモルファスシリコン製の感光体ドラム40、帯電器41、現像器42およびクリーニング部43、除電器44等から構成されている。また、ブラック画像形成部4の帯電器41によって帯電された感光体ドラム40の表面を光走査することによって静電潜像を形成するレーザースキャナーユニット(以下、LSUと呼ぶ)46が、感光体ドラム40の上方に設けられている。同様に、他の画像形成部5、6、7も、感光体ドラム50、60、70、帯電器51、61、71、現像器52、62、72、クリーニング部53、63、73、除電器54、64、74およびLSU56、66、76等を有している。
【0036】
また、中間転写ベルト8を挟んで感光体ドラム40、50、60、70のそれぞれに対向するように一次転写ローラ14、15、16、17が配置されており、中間転写ベルト8を挟んで対向する感光体ドラム40、50、60、70に押圧されている。また、現像器42、52、62、72には、感光体ドラム40、50、60、70の表面にトナーを供給するために、感光体ドラムに当接して配置されている現像ローラ45、55、65、75が設けられている。
【0037】
また、中間転写ベルト8は、走行性と高画質を両立させるために、樹脂ベルト上にゴム等の弾性部材の層を設けたものが用いられている。
【0038】
図2は、二次転写部9の斜視図を示している。
【0039】
二次転写部9は、二次転写ローラ92と除電ユニット91を備えている。除電ユニット91は、二次転写ローラ92の下流側近傍に設けられており、二次転写後に用紙に帯電している電荷を除去する。二次転写ローラ92は中間転写ベルト8の回転方向(矢印A参照)を基準にしてブラック画像形成部4の下流側、とマゼンダ画像形成部7の上流側であって、中間転写ベルト8の外側に配置されている。
【0040】
また、二次転写ローラ92に対向するように、中間転写ベルト8の内側には従動ローラ21が設けられている。更に、マゼンダ画像形成部7の上流側近傍には、中間転写ベルト8の内側に従動ローラ22が設けられている。また、ブラック画像形成部4の下流側であって、従動ローラ21の上流側の中間転写ベルト8の内側には、中間転写ベルト8を駆動するための駆動ローラ24が設けられている。また、図1に示すように、従動ローラ22の上流側であって、従動ローラ21の下流側には、中間転写ベルト8のオモテ面(感光体ドラムに当接する側の面)の残留トナーを取り除くためのクリーニング装置11が配置されている。
【0041】
なお、除電ユニット91が、本発明の除電装置の一例にあたる。また、感光体ドラム40、50、60、70が、本発明の複数の像担持体の一例にあたり、中間転写ベルト8が、本発明の中間転写体の一例にあたる。また、トナー画像を転写する用紙が、本発明の記録媒体の一例にあたる。
【0042】
次に、本実施の形態1の複写機の画像形成方法について説明する。
【0043】
原稿読み取り部3によって読み取られた画像データに基づいて、ブラック画像形成部4、イエロー画像形成部5、シアン画像形成部6およびマゼンダ画像形成部7において、帯電器41、51、61、71、により一様に帯電された感光体ドラム40、50、60、70の表面にLSU46、56、66、76により静電潜像が形成され、現像器42、52、62、72により可視化されたトナー画像が形成される(図1参照)。この時、感光体ドラム40、50、60、70上のトナーはプラスに帯電しており、一次転写ローラ14、15、16、17に印加されたマイナスの電圧と、一次転写ローラの押圧力によって、マゼンダ、シアン、イエロー、ブラックの順でトナー画像が中間転写ベルト8上に重ね合わされる。
【0044】
なお、一次転写により感光体ドラム40、50、60、70上に残ったトナーは、クリーニング部43、53、63、73により除去され、感光体ドラム40、50、60、70の表面は、除電器44、54、64、74により帯電が除去される。
【0045】
同時に、給紙カセット2から用紙が給紙され、用紙はレジストローラ25によって一旦停止し、中間転写ベルト8上のトナー画像が形成された領域の移動タイミングに合わせて二次転写部9へと送り出される。
【0046】
そして、二次転写ローラ92によって中間転写ベルト8上に重ね合わされたトナー画像が用紙上に転写された後、帯電して用紙に過剰に乗った電荷を除電ユニット91によって除去されて、用紙は搬送ベルト26によって定着部10へと搬送される。そして、定着部10にてトナー画像が定着された用紙が、排出ローラ対12を通って排出トレイ13上へ排出される(図1参照)。
【0047】
読み取られた画像データ分の印刷が終了すると、感光体ドラム40、50、60、70、中間転写ベルト8および二次転写ローラ92等の動作が停止され、画像形成動作が終了する。
【0048】
次に、本実施の形態1の除電ユニット91の構造について説明する。
【0049】
図3に、除電ユニット91を構成する3つの部材の上面図および斜視図を示す、図3(a)には、上流側ガイド部93の上面図を、図3(b)および(c)には、それぞれ除電針板94および下流側ガイド部95の斜視図を示している。
【0050】
上流側ガイド部93と下流側ガイド部95の間に除電針板94を挟んで除電ユニット91が構成されている。
【0051】
図4に、これらの3つの部材で構成された除電ユニット91の拡大斜視図を示す。
【0052】
除電針板94は、SUSで構成されており、図3(b)に示すように、平板状のフレーム部97の一端側に、複数の除電針98が一列に形成されている。除電針98のピッチ3mmまたは4mmで、針部分の長さは3.5mmである。除電針板94は、SUS以外でも導電性の材料であればよく、二次転写部9に組み付けられたときに接地される。
【0053】
図3(a)に示すように、上流側ガイド部93上部には、三角板形状の仕切り部96が複数形成されており、図4に示すように、除電ユニット91として組み付けられたときに、隣接する除電針98を1本ずつ仕切るように配置される。
【0054】
また、図3(c)に示すように、下流側ガイド部95上部には、突起状の除電針折れ防止部99が複数形成されており、図4に示すように、除電ユニット91として組み付けられたときに、各除電針折れ防止部99が、除電針板94に対して用紙の搬送方向Eの下流側で、各除電針98に対応する位置に配置される。本実施の形態1では、除電針折れ防止部99も、図4に示すように、仕切り部96に平行な三角板形状としている。
【0055】
上流側ガイド部93および下流側ガイド部95は、PET(ポリエチレンテレフタレート)やPBT(ポリブチレンテレフタレート)等の耐熱性のポリエステル樹脂から形成されている。
【0056】
図2に示すように、除電ユニット91は、上流側ガイド部93側が用紙が搬送されてくる側に配置され、搬送されてくる用紙に対して、複数の除電針98が用紙の幅方向に並び、その先端が用紙の面に向かうように配置される。
【0057】
なお、上流側ガイド部93が、本発明の接触防止部材の一例にあたり、仕切り部96が、本発明の仕切り部材の一例にあたる。また、除電針折れ防止部99が、本発明の折れ防止部材の一例にあたる。
【0058】
図4の除電針98を通るB−B´断面図を、図5に示す。
【0059】
図5に示すように、除電針板94は、下流側ガイド部95の上流側の面に接するように取り付けられ、各除電針98の下部の側面部分が各除電針折れ防止部99に接している。つまり、除電針折れ防止部99の上に、除電針98の先端部分が突出するように配置される。
【0060】
一方、上流側ガイド部93は、除電針板94の上流側の位置で、除電針98の先端よりも、その上端部分が用紙の面に近い位置となるように配置されている。
【0061】
図5に示すように、除電針板94の上流側の上流側ガイド部93の上端部分が、除電針98の先端よりも用紙の面に近い位置となるように配置され、仕切り部96が、その上端部分から連続する形状で形成されているので、用紙が不安定な状態で搬送されてきても、用紙が除電針98の先端から離れた位置に誘導され、用紙が除電針98の先端に接触するのを防止する。
【0062】
また、図4に示すように、仕切り部96が、除電針98を1本ずつ仕切るように配置されているので、不安定な状態で搬送されてきた用紙の端部が、除電ユニット91の除電針98が配置されている隙間に入り込むのを防止できる。さらに、隣接する除電針98同士の干渉の影響も抑制できる。
【0063】
またさらに、ジャム処理などの際に、除電針98の先端に用紙が引っ掛かったような場合であっても、除電針折れ防止部99が個々の除電針98の下部に接していることにより、除電針98は、用紙の搬送されていく方向へは折れ曲がり難い。
【0064】
なお、本実施の形態1では、用紙の端部が、除電ユニット91の除電針98が配置されている隙間に入り込み難くするために、除電針98を1本ずつ仕切るように仕切り部96を設けることとしたが、仕切り部96を設けない構成であっても、個々の除電針98の下部に接する位置に除電針折れ防止部99を設けておけば、除電針98の折れ曲がりを防止できる。
【0065】
また、本実施の形態1では、除電針折れ防止部99を、個々の除電針98の下部の側面に接するように配置する構成で説明したが、除電針98の下流側に配置すれば、除電針98から少し離れていても除電針98の折れ曲がりを阻止する効果は得られるので、除電針折れ防止部99は、除電針98から離れた位置に配置されていてもよい。
【0066】
次に、本実施の形態1の除電ユニット91の他の構成例の拡大斜視図を図6(a)〜(c)に示す。
【0067】
図4の構成では、除電針98の下部の側面の下流側に配置する除電針折れ防止部99を、各除電針98に対応するように、下流側ガイド部95の上部に複数のブロック部材を形成させる構成としたが、個々の除電針98の下部の側面に配置される構成であれば、除電針98の1本ずつに対して個別に設ける構成でなくてもよい。例えば、図6(a)に示すように、複数の除電針98の下流側に、1つのブロックで複数の除電針98の下部に位置するような形状の除電針折れ防止部99を下流側ガイド部95の上部に形成させるような構成でもよい。
【0068】
図6(a)に示した除電針折れ防止部99は、図4に示した複数の除電針折れ防止部99を連続した一つのブロックとした構成である。
【0069】
また、図4の構成では、各除電針98の周囲のうち、仕切り部96と除電針折れ防止部99の間に隙間がある構成としたが、この隙間が無いように、各除電針98の周囲を取り囲むような構成としてもよい。図6(b)の構成は、図4に示した仕切り部96および除電針折れ防止部99の形状を変えて、これらの各ブロック間の隙間が無いようにした構成例である。
【0070】
また、図4の構成では、除電針板94の上流側に配置される部分の上流側ガイド部93の形状を、1枚の板状としたが、上流側から搬送されてくる用紙と各除電針98との接触を防止できる形状であれば、他の形状であってもよい。
【0071】
図6(c)の上流側ガイド部81は、その一例として、除電針板94の上流側に配置される部分の形状を、除電針98への用紙の接触を個別に防止する複数の板状としたものである。
【0072】
また、図4の構成では、隣接する除電針98を仕切るための仕切り部96を上流側ガイド部93の上部に形成することとしたが、図6(c)の構成では、仕切り部84を、除電針折れ防止部83とともに下流側ガイド部82の上部に形成する構成としている。
【0073】
このように、各除電針98の上流側に、除電針98の先端よりも搬送されてくる用紙の面に上端部が近い接触防止部材を設けるとともに、各除電針98の下流側に接して、または近傍に折れ防止部材を設ける構成とすれば、除電針98の折れ曲がりを防止できる。
【0074】
なお、本実施の形態1では、タンデム方式のカラー複写機の場合について説明したが、定着部に進入する前に、用紙が帯電される構成の画像形成装置であれば、本発明を適用できる。例えば、1ドラム方式のカラー複写機などにも適用できる。
【産業上の利用可能性】
【0075】
本発明に係る除電装置および画像形成装置は、除電針の変形を防止できる効果を有し、プリンタ、複写機およびファクシミリなどの画像形成装置、およびそれらに用いる除電装置等として有用である。
【符号の説明】
【0076】
1 複写機
2 給紙カセット
3 画像読み取り部
4 ブラック画像形成部
5 イエロー画像形成部
6 シアン画像形成部
7 マゼンダ画像形成部
8 中間転写ベルト
9 二次転写部
10 定着部
11 クリーニング装置
12 排出ローラ対
13 排出トレイ
14、15、16、17 一次転写ローラ
21、22 従動ローラ
24 駆動ローラ
25 レジストローラ
26 搬送ベルト
40、50、60、70 感光体ドラム
41、51、61、71 帯電器
42、52、62、72 現像器
43、53、63、73 クリーニング部
44、54、64、74 除電器
45、55、65、75 現像ローラ
46、56、66、76 LSU
81 上流側ガイド部
82 下流側ガイド部
83 除電針折れ防止部
84 仕切り部
91 除電ユニット
92 二次転写ローラ
93 上流側ガイド部
94 除電針板
95 下流側ガイド部
96 仕切り部
97 フレーム部
98 除電針
99 除電針折れ防止部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
先端が搬送されてくる記録媒体の面に向かうように前記記録媒体の幅方向に複数配置された、前記記録媒体の電荷を除去するための除電針と、
前記複数の除電針の上流側近傍に配置され、前記記録媒体側の端部が前記除電針の先端よりも前記記録媒体の面に近い位置に配置された接触防止部材と、
前記除電針の下流側に当接し、または前記除電針の下流側近傍に配置され、前記除電針の折れ曲がりを防止する折れ防止部材とを備えた除電装置。
【請求項2】
前記除電針を1本ごとに仕切るように、前記各除電針間に配置された仕切り部材を備えた、請求項1に記載の除電装置。
【請求項3】
前記接触防止部材は、板状であり、
前記折れ防止部材は、前記除電針ごとに設けられたブロック部材である、請求項2に記載の除電装置。
【請求項4】
前記仕切り部材は、三角板形状であり、一つの端面が前記接触防止部材に当接し、他の一つの端面が前記接触防止部材の上端面から段差なく連続した形状となっており、
前記折れ防止部材は、前記仕切り部材に平行な三角板形状であり、前記記録媒体側の頂点が前記除電針の先端よりも前記記録媒体の面から遠い位置に配置された、請求項3に記載の除電装置。
【請求項5】
表面に現像剤画像が形成される一または複数の像担持体と、
前記像担持体に形成された現像剤画像が、複数転写されて重ね合わされる中間転写体と、
記録媒体の電荷を除去するための請求項1〜4のいずれかに記載の除電装置を有し、前記中間転写体に転写された前記現像剤画像を前記記録媒体上に二次転写する二次転写部と、を備えた画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図5】
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【図7】
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【図3】
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【図4】
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【図6(a)】
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【図6(b)】
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【図6(c)】
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【公開番号】特開2010−256790(P2010−256790A)
【公開日】平成22年11月11日(2010.11.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−109357(P2009−109357)
【出願日】平成21年4月28日(2009.4.28)
【出願人】(000006150)京セラミタ株式会社 (13,173)
【Fターム(参考)】