説明

陰圧サポートを用いる補助換気装置

患者の気道へガスのフローを輸送するシステムであり、これはガスフロー生成装置と前記患者の気道と前記ガスフローと流通させる患者回路を含む。センサが前記ガスのフローに関連する特徴、例えばフロー速度を測定する。制御装置は、前記測定される特徴に基づき第1の特徴を決定し、かつ前記第1の特徴が前記第1のターゲット値を下回る場合には患者に陽圧サポートを与え、前記第1の特徴が第2のターゲット値を超える場合には陰圧サポートを与える。前記陽圧サポートが与えられる場合には、吸気の間に与えられる圧は、呼気の間に与えられる圧よりも高い。前記陰圧サポートが与えられる場合には、吸気の間に与えられる圧は、呼気の間に与えられる圧よりも高い。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、2010年1月14日出願の米国仮特許出願第61/294,873によるUSC119条(e)による優先権を主張するものであり、本出願の内容は参照されてここに援用される。
【0002】
本発明は一般的には陽圧治療を適用するための方法及び装置に、具体的にはチェーン・ストークス呼吸の治療及びうっ血性心不全に関連付けられる呼吸障害を含む呼吸疾患の治療に適する方法及び装置に関する。
【0003】
うっ血性心不全(CHF)患者は共通して、閉塞性睡眠時無呼吸(OSA)又は中枢性無呼吸などの呼吸障害に悩まされている。呼吸障害CHFなどの患者がしばしば睡眠時に経験することは、チェーン・ストークス呼吸として知られる。図1は典型的なチェーン・ストークス呼吸(CSR)パターン30を示し、これは呼吸のリズミカルな漸増期間32と漸減期間34と共に、規則的に生じる高呼吸運動(過呼吸)36と低呼吸運動(呼吸低下又は無呼吸)38を持つことで特徴付けられる。典型的なチェーン・ストークスサイクルは40で示される。これは約1分続き、上昇(矢印A)(そこでは患者のピーク呼吸は数回の呼吸サイクルにわたり増加し)及び下降(矢印B)(そこでは患者のピーク呼吸フローは数回の呼吸サイクルにわたり減少する)とで特徴付けられる。典型的なチェーン・ストークスサイクルは、前記下降相に続いて中枢性無呼吸又は呼吸低下で終わる。無呼吸、呼吸低下及び呼吸の深さや速度の異常な変化によりしばしば患者を覚醒させ、それにより睡眠の質が低下する。この睡眠の混乱と同様にCSRサイクルにより起こされる動脈血酸素の周期的な不飽和化は、心臓血管系及び特に心臓にストレスを与えるものである。
【0004】
CSRの最も初期の治療は、テオフィリン、カフェイン、又は1−3%添加二酸化炭素を患者に用途することで呼吸運動を刺激していた。CSRを低減させるには場合に効果的であったが、この治療の欠点は呼吸速度を増加させ、呼吸速度の増加はそれに比例して心臓及び呼吸系に負担をかけるということである。
【0005】
睡眠時無呼吸及び関連する呼吸障害の治療における近年の研究は、バイレベル陽圧起動治療を含む。バイレベル治療では、陽圧が患者の気道内に、比較的高い所定の圧力レベルと比較的低い所定の圧力レベルとで交互に適用されることで、治療用空気圧はより強い強度及びより弱い強度で交互に投与されることとなる。前記より高い及びより低い所定の陽圧強度は吸気道陽圧(IPAP)及び呼気気道陽圧(EPAP)として知られている。前記吸気及び呼気圧は、患者の吸気サイクル及び呼気サイクルにそれぞれ同調される。
【0006】
予備的研究によると、患者がバイレベル陽圧治療を用いてサポートされる場合に心拍出量が改善されることが明らかとされている。また次のことが認められている。即ち、CSRは、CSRパターンが無呼吸領域38にある場合に陽圧サポートで呼吸努力を増強することで治療され得る、ということである。これを達成するために、患者の自発呼吸運動が減少又は存在しない場合に、無呼吸間隔の間に、機械起動呼吸を輸送する人工呼吸装置又は陽圧サポートシステムを用いることが知られている。さらに、換気効率は、フローが過呼吸領域36にある場合に減少し得る。又は、CSRを治療する他の方法は、CSRサイクルの過呼吸相の間に選択的にCOを再呼吸させる、という方法である。この方法はしかしながら、通常の換気装置システムと共に使用される追加の装置を必要とする。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は一般的には陽圧治療を適用するための方法及び装置、具体的にはチェーン・ストークス呼吸の治療及びうっ血性心不全に関連付けられるその他の呼吸障害の治療に適する方法及び装置を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
1つの側面は患者の気道へ呼吸ガスを輸送するシステムを提供する。前記システムは、ガスのフローを生成するガスフロー生成装置及び前記ガスのフロー生成装置に接続され、患者の気道へガスのフローを流通するように適合される患者回路を含む。前記システムはさらに、前記ガス生成装置又は前記患者回路と関連付けられかつフロー速度などのガスのフローに関連する特徴を測定するように適合されるセンサを含む。前記システムはまた、制御装置を含み、これは前記モニタされた特徴に基づいて第1の特徴を決定し、かつ患者回路を介して前記ガスフロー生成装置から前記患者の気道へガスのフローを輸送することを、(1)前記第1の特徴が第1のターゲット値を下回る場合に陽圧サポートを与え、及び(2)前記第1のターゲットが第2のターゲット値を超える場合には患者に陰圧サポートを与えることで制御する制御装置を含む。前記陽圧サポートが患者に与えられる、吸気の間に与えられた圧は呼気の間に与えられた圧よりも高い。前記陰圧サポートが患者に与えられる場合、呼吸の間に患者に与えられる圧が呼気の間に患者に与えられる圧よりも低い。
【0009】
他の側面は患者を換気する方法である。前記方法は、患者回路を介して呼吸ガスのソースから患者の気道へガスのフローを輸送し、前記ガスのフローに関連する特徴(例えばフロー速度)を測定し、かつ前記測定された特徴に基づき第1の特徴を決定するステップを含む。前記方法はさらに、前記患者へガスのフローを輸送することを、(1)前記第1の特徴が第1のターゲット値を下回る場合には前記患者に陽圧サポートを与え、かつ前記第1の特徴が第2のターゲット値を超える場合には前記患者に陰圧サポートを与えるころで、制御するステップを含む。前記陽圧サポートが前記患者に与えられると、吸気の間の前記患者に与えられる圧は、呼気の間に前記患者に与えられる圧よりも高い。前記陰圧サポートが前記患者に与えられると、吸気の間に患者に与えられる圧は、呼気の間に患者に与えられる圧よりも低い。
【0010】
他の側面は患者の換気のためのシステムを提供する。前記システムは、患者回路を介して呼吸ガスのソースから患者の気道へガスのフローを輸送するために手段、前記ガスのフローに関連する特徴(例えばフロー速度)を測定する手段及び前記測定された特徴に基づき第1の特徴を決定する手段を含む。前記システムはまた、前記ガスのフローの前記患者への輸送を、(1)前記第1の特徴が第1のターゲット値を下回る場合に前記患者に陽圧サポートを与えること、及び(2)前記第1の特徴がネガティブターゲット値を超える場合には前記患者に陰圧サポートを与える、ことで制御する手段を含む。前記陽圧サポートが患者に与えられると、吸気の間に患者に与えられる圧は、呼気の間に患者に与えられる圧よりも高くなる。前記陰圧サポートが患者に与えられると、吸気の間に患者に与えられる圧は、呼気の間に患者に与えられる圧よりも低い。
【0011】
本発明のこれらの及びその他の課題、構成及び特徴は、操作の方法、及び関連する構造の要素及び部品の組合せ操作の機能及び製造の経済性と共に、添付の図面を参照して以下の記載及び特許請求の範囲を考慮して明らかとなるであろう。図面は本明細書の一部であり、図中参照符号は対応する部品に付されている。本発明の1つの実施態様では、ここで図示される構造コンポーネントは寸法通りであると考えられ得る。しかし明確に理解されるべきことは、図は図示し説明するだけのものであり、本発明をなんら限定することを意図するものではないということである。明細書及び特許請求の範囲で使用される、「1つの」、「前記」などは特別に記載されない限り複数の場合も含むものである。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】図1は、本発明の陽圧サポートシステムにより処置される典型的チェーン・ストークスサイクルを示す。
【図2A】図2Aは、患者のフローの波形を示す。
【図2B】図2Bは、本発明の1つの実施態様により、患者へ輸送される陽圧の波形を示す。
【図3】図3は、本発明の原理による陽圧サポート治療を実施するように適合された陽圧起動サポートシステムの機能的ダイヤグラムを示す。
【図4A】図4Aは、本発明の1つの実施態様による図3の陽圧サポートシステムにより輸送される例示的波形を示す。
【図4B】図4Bは、本発明の1つの実施態様による図3の陽圧サポートシステムにより輸送される例示的波形を示す。
【図5】図5は、本発明陽圧サポートシステムを実施するためのプロセスの部分を示すフローチャートである。
【図6】図6は、最大平均吸気フローの正規分布曲線の例である。
【図7】図7は、1つの実施態様による単一ターゲット値選択を説明する状態ダイヤグラムである。
【図8】図8は、1つの実施態様によるデュアルターゲット値選択を説明する状態ダイヤグラムである。
【発明を実施するための形態】
【0013】
図2Aは波形を表し、これは患者からの気道でガスのフローの測定速度のグラフであり、図2Bは、1つの実施態様による陽圧サポートシステム10(図3参照)による患者に輸送するための陽圧サポートの波形を示す。システム10はこれらの患者フロー値を用いて、患者フローの他の測定、例えばピークフロー、最小換気量、呼吸容積、平均吸気フロー又はその他の測定値を得る。最初、図2Bで矢印Cで示されるように、患者はCSR事象を経験する。CSRパターンの過呼吸相の間に、陰圧サポートが起動され患者に輸送される(矢印Dで示される。CSR事象が低減又は除去されるまで陽圧及び陰圧サポートが適用され得る。ここで使用される陽圧サポートは、IPAPレベルが、EPAPレベルよりの高いところである。対照的に、ここで使用される陰圧サポートは、IPAPレベルがEPAPレベルよりも低いところである。陰圧サポートは、吸気及び呼気圧が大気圧より高いとき、又はどちらかの圧が大気圧と同程度か又は低いときに、提供され得る。従って、陰圧サポートを提供するために、IAPAPレベルは減少され得るか、又はEPAPレベルは増加され、それによりIPAPレベルがEPAPレベルよりも低くなる。陰圧サポートは、患者が覚醒や覚醒の際には望ましくなく、快適ではなく、かつ不必要であり得る。そこで、ある実施態様では、システム10は、CSRの上昇−下降パターンをモニタして、陰圧サポートを可能となる前にCSRが起こっていることを確認する。
【0014】
図3は、本発明の原理により、患者への圧サポートの1つの改善された変更可能な陽圧気道モードを提供するために適合された陽圧気道サポートシステム10を示す。このあるサポートモードは特にチェーン・ストークス呼吸を処置するために適している。圧サポートシステム10は、従来のCPAP又はバイレベル圧サポート装置で使用されるブロアなどのガスフロー/ガス圧発生装置52、ピストン、ベロー、コンプレッサ、又は一般に矢印Cで示される呼吸ガスを、例えば酸素又は空気の加圧タンク、大気、又はそれらの組合せなどの適切なソースから受けるその他の全ての装置を含む。ガスフロー・ガス圧生成装置52は呼吸ガス、例えば空気、酸素又はそれらの混合物のフローを生成し、比較的高いか低い圧力で患者54の気道へ輸送する。システム10はまた、呼吸ガスを大気圧よりも低い圧で与える装置又はコンポーネントを含み得る。すなわち、ある実施態様では、前記システム10は、2つのブロア及びバルブを含み、大気圧よりも低い圧で呼吸ガスを与えるように構成される。
【0015】
呼吸ガスの加圧されたフローが、ガスフロー/ガス圧生成装置52から一般に矢印Dで示されるように、輸送導管56を介して、知られた構成の呼吸マスク又は患者インタフェース58へ輸送される。これは通常、患者54へ装着され又はその他の方法で付設されて呼吸ガスのフローと患者の気道を流通させる。輸送導管56及び患者インタフェース装置58は、通常はまとめて患者回路と参照される。
【0016】
1つの実施態様では、変動可能な陽圧サポートシステムは本質的に、バイレベル圧サポートとして機能し、かつそれにより、かかるシステムにおいて患者に別々のIPAP及びEPAPを提供するために必要な全ての可能性を含む。これは、最大及び最小の吸気及び呼気圧設定などのバイレベル圧を提供するために入力命令による必要なパラメータ、シグナル、命令又は情報74を受けることを含む。フローセンサ62からのフローシグナルQmeasuredはまた、圧サポートプロセスに与えられ、これは前記圧力制御装置を制御して望ましい吸気及び呼気波形を出力する。通常は、前記圧サポート操作の実施は、前記フローシグナルQmeasuredに基づく実際の患者フローQpatientを評価又は決定すること、患者が呼吸サイクルの吸気相又は呼気相のいずれかを決定することを含み、かつ患者の呼吸状態を示すI/E状態シグナルを提供し、及び圧サポートシステム10を開始させサイクルさせる、ことを含む。
【0017】
図3に示される圧サポートシステム10は、シングルリムシステムであり、これは患者回路が輸送導管56のみが患者を前記圧サポート装置と接続することを意味する。従って、排気ベント57は前記輸送導管内に設けられ矢印Eで示されるように排気ガスをシステムから排気する。留意すべきことは、前記排気ベントは、前記輸送導管内に加えて又はそれに代えて他の位置に設けることができるということであり、例えば患者インタフェース装置内などである。また理解されるべきことは、ガスが前記圧サポートシステム10から排気される望ましい方法に依存して、排気ベントは広い種類の構成を持つことができる、ということである。
【0018】
圧サポートシステム10は場合により、2リムシステムであり、患者に接続された輸送導管及び排気導管を持つ。
【0019】
本発明の図示された実施態様では、患者インタフェース58は鼻孔/経口マスクである。理解されるべきことは、しかし、患者インタフェース58は、鼻マスク、鼻枕、気管チューブ、気管内チューブ、又はガスフロー流通機能性を与える全ての装置が含まれ得る、ということである。また、ここで使用される「患者インタフェース」には、輸送導管56及び、加圧呼吸ガスのソースを患者と接続する全てのその他の構成を含み得る。
【0020】
理解されるべきことは、種々のコンポーネントが患者回路内に設けられ又は患者回路に接続され得るということである。例えば、バクテリアフィルタ、圧制御バルブ、フロー制御バルブ、センサ、メーター、圧フィルタ、加湿装置及び/又は加熱装置などが、患者回路中に設けられ又は付設され得る。同様に他のコンポーネント、マフラ及びフィルタなどがガスフロー/ガス圧生成装置52及びバルブ60の出口に設けられ得る。
【0021】
図示される実施態様では、変更可能な陽圧気道サポートシステム10は圧力制御装置を含む。1つの実施態様では、圧力制御装置は輸送導管56に設けられる制御バルブ60の形をとり得る。バルブ60は、患者へ輸送されるガスフロー/ガス圧生成装置52からの呼吸ガスの圧力を制御する。この目的のために、ガスフロー/ガス圧生成装置52及びバルブ60は、まとめて「圧力生成システム」と参照される。というのはこれらは患者へ輸送されるガスの圧力及び/又はフローを制御するように作用するからである。
【0022】
明らかであるべきことは、ブロア速度の変更のみ又は圧制御バルブとの組合せなどにより前記ガスフロー及びガス圧生成装置により患者へ輸送される圧を制御するための技術が使用され得る、ということである。そこで、バルブ60は場合により、患者に輸送される呼吸ガスのフロー圧を制御するために使用される技術に依存する。バルブ60が除去される場合、前記圧生成システムは、ガスフロー/ガス圧生成装置52のみに対応し得る。かつ患者回路のガスの圧は、例えば前記ガスフロー/ガス圧生成装置のモーター速度を制御することで制御され得る。
【0023】
圧サポートシステム10はさらに、センサ62を含み、これは輸送導管56内のガスのフローに伴う特徴を測定する。1つの例示的実施態様では、センサ62はフローセンサであり、前記輸送導管内のガスフロー速度を測定する。センサ62は全ての従来のフローセンサであってよく、圧低下に基づくフローセンサ、超音波フローセンサ、又はその他の全ての輸送導管内のガスフロー速度をモニタ又は測定することができるセンサであり得る。図3に示される実施態様によると、フローセンサ62はバルブ60の下流などの輸送導管56内に内装される。フローセンサ62はフローシグナル Qmeasuredを生成し、これは制御装置64に与えられ、患者でのガスフローQpatientを決定するために制御装置により使用される。
【0024】
measuredに基づきQpatientを計算する技術はよく知られており、患者回路の圧低下が考慮される。これは、図2で矢印Eで示されるように前記回路からガスの内部排気であるシステムから知られたリーク、及びマスク/患者インタフェースなどでのシステムからの知られていないリークを考慮に入れる。リークフローを計算する従来の全ての技術が使用でき、この計算はQmeasuredに基づくQpatientの計算に使用でき、例えば米国特許第5,148802号、5313937号、5433193号、5632269号、5803065号、6029664号、6539940号、6626175号及び7011091号に記載されており、これらの内容は参照されて本明細書に援用される。
【0025】
他の患者の患者フローの測定技術が使用され得る。例えば、前記フローは患者において直接測定され得るものであり、ここでは患者フローQpatientに直接対応するフローが測定されフロー推定は必要ではない。フローは輸送導管56に沿って他の位置でも測定され得るということも想到される。
【0026】
さらに、推定患者フローQpatientは、圧サポートシステム10の他の特徴からも決定され得る。例えば、ガスフロー/ガス圧生成装置又はバルブなどのフロー/圧制御装置の操作が患者回路内のフローにより影響され、また前記システム内の圧力を維持するシステムの試みにより影響される。その結果、前記システムの特徴、例えば圧力生成装置のパワー、トルク及び/又は回転速度又はバルブ位置等をモニタすることが患者フローを直接測定するための代わりとして使用され得る。ガスフロー/ガス圧生成装置の上流フローセンサを用いて患者フローを測定することも知られている。かかるフロー測定技術の全てがまた使用され得る。後者の場合、前記測定フロー又は他のパラメータに基づいて患者フローQpatientの推定が必要となる。
【0027】
入/出力装置66は、種々の陽圧気道サポートシステム10により用いられる種々のパラメータを設定するために使用され、同様に医師や介護者などのユーザへのデータと情報の表示と出力のために使用される。入/出力ターミナルが場合により提供され、操作情報及び圧サポートシステム10により集められたデータが遠隔モニタされ制御され得る。制御装置64はマイクロプロセッサであるか又はマイクロプロセッサを含み、これは以下詳細に説明されるように、患者呼吸の特性をモニタし、呼吸ガスのフローを制御するためのルーチンを実装し実行することができる。さらに、1つの実施態様では、制御装置64は、メモリ、又はメモリアレイ65を含み、ここで説明された技術を実施するために必要な情報を記憶しバッファする。理解されるべきことは、前記制御装置64は単一のプロセスコンポーネントであってよく、又はここで説明した技術を実施するために連動して操作する複数のコンポーネントを含むこともできる(メモリ、プロセッサ、アレイ、論理回路など)、ということである。
【0028】
1つの実施態様では、制御装置64は、患者54の気道へ圧波形を輸送するためにガスフロー/ガス圧生成装置52、バルブ60,又はその両方を制御する。1つの実施態様では、前記圧波形は本質的にバイレベル圧波形であり、EPAPレベルとIPAPレベルの間を交互に変化する(図4A及び4B参照)。ある実施態様では、IPAPレベルは以下説明するように制御装置64の指示下で変更可能である。(IPAPmax,IPAPmin)などの最大及び最小IPAPレベルがユーザから入力装置66を介して制御装置へ提供される。これに代えて又はこれに加えて、EPAPレベルは制御装置64の指示下で変更可能である(図4A及び4B参照)。かかる実施態様で、(EPAPmax,EPAPmin)などの前記最大及び最小EPAPレベルがユーザから入力装置66を介して前記制御装置へ与えられる。理解されるべきことは、前記最大及び最小IPAP/EPAPレベルはまた、前もって確定され、デフォルトとして又は前記システムオペレータからのパラメータ入力の代わりとして前記制御装置に記憶され得る、ということである
図4A及び4Bは、例示的圧波形78を示し、これはCSRを処置するために圧サポートシステム10により与えられ得る。図4A及び4Bで示されるように時間Fでは呼気吸から吸呼吸へのトリガ点であり、患者が吸気を開始し、圧サポートシステム10をIPAPレベル80への移行を引き起こす。トリガ点FからIPAPレベルへの圧増加又は上昇82の形状及び期間は、固定又は可変であってよく、例えば米国特許番号第5,598,838号、5,927,274号、6,532,960号及び 6,640,806号に教示されており、これらの内容は参照されて本明細書に援用される。図示された実施態様で、前記圧増加の形状は指数関数的である。理解されるべきことは、ステップ関数的又は直線的などの他の形状もまた、圧波形の吸気部分83の圧力増加又は上昇について含まれる、ということである。
【0029】
さらに理解されるべきことは、本発明は、圧波形78の吸気部分83及び呼気部分Pexhは種々の配置・構成を持ち得る、ということである。即ち、吸気Pinsp及び/又は呼気部分Pexnの間の圧波形は、通常の圧サポート又は換気技術を用いて制御され得るものである。例えば比例補助換気(PAV(R))が挙げられ、これは米国特許番号第5044362号及び5107830号に記載されており、又は比例陽圧気道サポート(PPAP)が挙げられ、これは米国特許番号第5535738号、5794615号、6105575号及び6609517号(「PPAP特許」)に記載されており、これらは参照されて本明細書に援用される。PPAP特許によると、前記呼吸サイクルの吸気相の間の圧サポートシステム10により出力される吸気圧Pinspの波形は、次の式により決定され得る:
insp = IPAP+Gaininsp*Qpatient 式1.1
ここで、Gaininspはゲインファクタであり、通常は介護者から選択される。Gaininspは値(1)を含む全ての値を設定し得る。
【0030】
呼吸サイクルの呼気相の間の圧サポートシステム10により出力される呼気圧Pexhは、次の式により決定され得る:
exh = EPAP+Gainexh*Qpatient 式1.2
ここでGainexhはゲインファクタであり、通常は介護者から選択される。 Gainexhは値(1)を含む全ての値を設定し得る。
【0031】
留意すべきことは、本発明の目的のために、患者へのフローは正フローとされ、かつ患者からのフローが負フローと考える、ということである。そこで、患者フローQpatientの値は、患者気道で取得される。患者から離れた位置で測定されたフローQmeasuredは、例えば前記回路からガスの排気による正オフセットを持つ可能性があり、これはリーク推定技術により除去される。
【0032】
制御装置64はフローセンサ62からフローQmeasuredを受け取り、かつ式1.1、1.2又は両方を実行し、吸気圧波形Pinst及び呼気圧波形Pexhを生成する。
【0033】
制御装置64は患者へ輸送されるガスフローの圧を制御するためのアルゴリズムを実行する。図5に示されるプロセスは、それぞれの呼吸の間銭圧サポートシステム10で実行されるアルゴリズムを示す。図5に示されるように、このアルゴリズムへの第1の入力はフローセンサ62の出力(Qmeasured)である。前記出力は、100サンプル/秒などのサンプル速度でサンプルされ、10ミリ秒ごとに新たな推定患者フローQpatient決定値を生成する。Qpatientは知られたフロー/リーク推定技術を用いてQmeasuredに基づいて計算され得る。Qpatientはまた、前記マスクで直接測定されることができ、この場合前記フロー推定値が必要ない。前記測定されたフローQmeasuredは、前記測定されたフローは患者の気道でのフローを正確に表すものではないということを認識した上で、場合により本発明の計算のために直接使用され得る。
【0034】
患者フロー Qpatientの履歴又は患者フローの測定は以下説明されるフロー分析を実行するためにメモリに記憶される。制御装置64は、リアルタイムでパラメータ計算し及び前記結果を移動ウィンドウ内に記憶するための記憶アレイ及びバッファを含む。
【0035】
本発明の1つの側面によると、制御装置64は、吸気から呼気へ及び呼気から吸気への移行を決定するために患者フローをモニタする。(a)吸気圧Pinspを与えるために前記装置をトリガし、及び(b)呼気圧Pexhを与えるために前記装置をサイクルするための容積及び波形の両方を使用するなどの全ての適切な技術が使用され得る。これらは米国特許番号第 5148802号、5313937号、5433193号、5632269号、6029664号、6539940号及び6626175号に記載されている。
【0036】
図5は本発明の圧サポートモードを実施するプロセスの部分を図示するフローチャートである。ステップ100では、ある実施態様で、前記制御装置は患者の即時のフローQpatientを分析してフローの測定値を生成する(即ち測定された特徴の第1の特徴、フローであり得る)フローの測定値を生成する。1つの実施態様では、Qpatientは即時平均吸気フロー(Qave(t))と最大即時平均吸気フロー(Qave(max))を計算するために使用され、これらは呼吸サイクルの吸気相の間に連続的に計算される。即時平均吸気フローは、ある期間にわたり正、即ち吸気患者フローの総和を、前記時間間隔の間に取得されたサンプル数で割算することで得られるものである。最大平均吸気フロー(Qave(max))は、1呼吸にわたる、即ち呼吸サイクルの吸気相の間にわたる即時平均吸フローの最大値である。従って、理解されるべきことは、患者の呼吸サイクルの1回の所定の吸気相の間、一連のQave(t)が全吸気相にわたり計算され1つのみのQave(max)が見出される、ということである。他の実施態様では、Qpatientは呼吸容積、最小換気又はその他のフローの測定値を計算するために使用される。
【0037】
前記のように、チェーン・ストークス呼吸(CSR)パターン30は、高呼吸運動(過呼吸)36と低呼吸運動(呼吸低下又は無呼吸)38を規則的に繰り返す、呼吸の周期的な上昇32と下降34により特徴付される。本発明はCSRをモニタして、患者に適用される陽圧治療がCSRを十分に治療することを確実にする。通常は、CSRの存在は治療が効果的でないことを示す。そこで、CSR事象は正確に検出されかつモニタされることが重要である。CSR検出のためのステップは、前記圧サポートシステム10で前記プロセッサにより実行されるソフトウェアで実施され得る。本発明に含まれ、かつ当業者に理解されるべきことは、全ての適切なCSR検出技術は患者に施されるCSR処置での有効性をモニタするために使用され得る、ということである。例えば、CSRは、フローの測定をモニタし、CSRインデックス及びフロー比の値を用いることで検出され得る。これは米国特許出願公開第11/235,520に記載され、この全内容は参照されて本明細書に援用される。CSRはまた、ユーザの酸素飽和をモニタすることで検出され得る。これはパルスオキシメータを用いてモニタされ得る。酸素飽和の増加はCSRパターンの漸増期間に一致し、酸素飽和の減少はCSRサイクルの漸減期間に一致し得る。そこで、酸素飽和レベルがモニタされ、患者がCSRサイクルを経験していることを示す漸増及び漸減を識別することができる。
【0038】
いくつかの実施態様では、CSRはまた、現在の呼吸についてピークフロー(Qpeak(k))を直前の呼吸サイクルのピークフロー(Qpeak(k−1))と比較することで検出され得る。これは米国特許番号第7,267,122に記載され、この全内容は参照されて本明細書に援用される。かかる実施態様で、システム10は上昇傾向(漸増)、ピークフロー頂部(過呼吸)、下降傾向(漸減)及びピークフロー底部(呼吸低下又は無呼吸)を含むパターンを探すことができる。
【0039】
全ての従来技術が、無呼吸及び呼吸低下を検出するために使用され得る。その最も基本的な形で、無呼吸及び呼吸低下検出は、所定の時間の間ある閾値レベル以下のフローへの減少につき患者フローQpatientをモニタすることを含む。前記閾値レベル及び所定に時間間隔は、無呼吸又は呼吸低下を構成すると思われるレベルであり、即ち無呼吸又は呼吸低下の前記定義に一致する。
【0040】
1つの実施態様では、図5に示されるように無呼吸及び呼吸低下検出技術は米国特許出願第10/268406号(米国特許出願公開第2003−0111079A1、「079」出願)に教示され、ステップ110で使用されている。「079」出願の内容は参照され本発明明細書に援用される。いくつかの実施態様では、重み付けピークフローQwpeak又は前の呼吸のピークからピークが、無呼吸及び呼吸低下の間に使用され得る。
【0041】
周期的呼吸事象はまた、全ての従来技術を用いて検出され得る。最大平均吸気フローQave(max)がフロー測定値として使用される実施態様では、周期的呼吸事象が、患者が前記Qave(max)であまりに多くの不規則性を持つように思われる場合に宣言される。周期的呼吸事象を検出するためのかかる方法は米国特許出願公開第11/235,520に記載され、この内容は参照されて本明細書に援用される。
【0042】
図5を参照すると、前記アルゴリズムはステップ140で統計関数を用いて、患者が直近の数分の呼吸にわたり示した換気のレベルを決定する。フローの測定に基づく次の統計測定又は特徴はステップ140で制御装置64により計算される:
(1)平均
(2)60パーセンタイル
(3)95%の平均
(4)標準偏差及び
(5)標準平均。
【0043】
例えばQave(max)をフローの測定として使用する実施態様において、図6は、標準偏差4で30の値を持つ平均値142の回りのQave(max)について正規分布を例示する。この例では、平均の95%は28.5lpmであり、線144で示される。データの60パーセンタイルは33.2lpmであり、線246で示される。標準平均は、パーセンテージで表現した平均についての標準偏差の比である。他の測定又は特徴は場合によりQave(max)値の代わりに、例えば平均フロー、ピークフロー、呼吸容積、最小換気量又はその他の測定などが使用され得る。
【0044】
図5を参照して、ステップ150でのアルゴリズムは、前記圧サポートシステム10により患者に施される圧サポートの量の決定に使用されるターゲット値を決定する。前記ターゲット値は、フローの現在の測定などの第1の特徴が、前記ベースライン圧サポートが変更又は輸送される必要があるかどうかを決定するために比較される対象の値である。場合により、単一のターゲット、二重ターゲット又は多重ターゲットであり得る。
【0045】
図7はターゲットとして使用されるべき統計測定のためのプロセスを詳細に示す状態ダイヤグラムである。前記圧サポートシステム10が駆動される場合、前記ターゲット選択プロセスはステップ200を開始し、そこで前記ターゲットが最小値に設定されかつ初期データが集められる。単一のターゲット値がこの実施態様では、陰圧サポート及び陽圧サポートのために使用されることから、前記単一ターゲット値がネガティブターゲット値及びポジティブターゲット値として考えられる。1つの実施態様で、前記ターゲットの最小値が経験的に決定される。本実施態様ではこの最小ターゲットが15lpmへ設定される。しかしながら理解されるべきことは、本発明は、患者が呼吸障害、フロー制限などを経験していると思われるかどうかなど、前記ターゲットがモニタされた患者の生理学的性質に基づくシステムにより設定されることができる、ということである。
【0046】
ステップ202で、前記ターゲットは値(1)増加される。これは集められたフローデータの測定に平均値の95%に対応する。又は値(2)が増加される。これは測定されたフローの平均、ある固定値のいずれか小さい方をマイナスするものに対応する。1つの実施態様では、前記固定フロー速度は2lpmである。1つの実施態様では前記ターゲットでの増加は、例えば30秒などの数呼吸サイクルの幅にわたる時間間隔で直線的傾斜様式でなされる。ターゲットでのこの傾斜は、患者に急激な圧変動を与えないようにするためになされ、それにより患者の心地よさと処置のコンプライアンスを最大化する。ターゲットでの変化(傾斜)の形状又はパターンは、固定速度でなされ得る。この場合傾斜は直線となる。また、非直線でなされ得る。この場合には傾斜形状は非直線となる。1つの実施態様では、ターゲットでの傾斜は1呼吸当たり0.5lpmの速度が採用される。
【0047】
ステップ204で、ターゲット値は値(1)で維持される。これはフローの測定値の平均の95%に対応する。又はターゲット値は(2)で維持される。これはフローの測定の平均、ある固定フロー速度のいずれか小さ方をマイナスしたものに対応する。1つの実施態様では、この固定フロー速度は2lpmであり、ターゲットはフローの測定値の95%又は(フロー測定値−2lpm)の平均値のいずれか小さい方で維持される。このステップで前記陰圧換気が非可動となる。しかし、無呼吸又は呼吸低下などの睡眠障害事象が検出されると、プロセスはステップ206に移り、ここではターゲット値は60パーセンタイルへ変更される。ターゲット値のこの増加により、前記システムは圧サポートを増強し、それによりターゲット値を変更しない場合よりも睡眠障害呼吸を治療する可能性を提供する。このステップで、陰圧サポートはなお非可動である。ターゲット値はしばらくの間、例えば1分間この値を維持される。その後プロセスはステップ208へ移動する。
【0048】
ステップ208では、ターゲット値は、(1)最近集められたフローデータの測定値の平均の95%又は(2)フローの測定値の平均値マイナス2plmなどの固定フロー速度のうちのより小さい値に戻される。1つの実施態様では、この変更は、1呼吸当たり速度0.5lpmで2分間などのような数呼吸サイクルの幅の時間間隔にわたり、直線的傾斜方式で起こす。ターゲット値の変化はまた、非直線的であり得る。
【0049】
前記システムは、この現在の値でのターゲット値をステップ210で維持状態で維持する。これは、患者が前記ターゲット値の新しい値の下で安定化できるようになされる。これは、本発明のシステムが患者のモニタされた状態に反応して過剰補償し又は過剰介入することを防止する。1つの実施態様では、この保持状態は1.5分間続く。他の時間間隔も使用され得る。この間隔は前記システムにより動的に選択され得る。1.5分間の保持後、プロセスはステップ202へ戻る。
【0050】
CSR事象又は周期的呼吸がステップ204で検出されると、プロセスはステップ212へ移動し、ここでターゲット値が60パーセンタイルへ変更される。このステップで、陰圧サポートが可動となる。ここで使用されるように、「可動」とは、前記システムが患者に陰圧サポートを輸送することができることを意味し、陰圧サポートが患者に輸送されねばならないことを意味するものではない。すなわち、システムが患者に陰圧サポートを輸送することが可能であるということである。さらに、ここで使用される「輸送する」又は「輸送される」とは患者に陰圧サポートを実際に提供することを意味する。このステップ204で、フローの測定値が前記ネガティブターゲット値を超えるとその後、陰圧サポートが患者に輸送される。前記ターゲット値はこのレベルで、30秒などの相対的に短い時間維持される。CSR事象がこの30秒間に検出されない場合、プロセスはステップ208へ移動する。CSRがなお検出される場合にはこの時間はリセットされる。周期的呼吸又はCSRがもはや検出されず、30秒が経過した場合には、プロセスはステップ208へ移動する。
【0051】
図8は、状態ダイヤグラムをあり、詳細には、デュアルターゲット値(ネガティブターゲット値とポジティブターゲット値)として使用されるべき統計的測定を選択するためのプロセスを示す。圧サポートシステム10が起動されると、ネガティブターゲット値及びポジティブターゲット値選択プロセスがステップ300で開始され、ここでポジティブターゲット値が最小値に設定され、ネガティブターゲット値が最大値に設定され、かつ初期データが集められる。1つの実施態様では、前記ネガティブターゲット値及びポジティブターゲット値の最小値及び最大値は経験的に決められる。いくつかの実施態様では、この最小ターゲット値は15lpmに設定される。いくつかの実施態様では、最大ターゲット値は50lpmに設定される。理解されるべきことは、しかしながら、本発明は、前記ネガティブターゲット値及びポジティブターゲット値は患者のモニタされる生理学的特徴、例えば患者が睡眠障害呼吸、フロー制限などを経験しているかどうかなどに基づき前記システムにより設定され得るということである。
【0052】
ステップ302で、前記ポジティブターゲット値は、集められたデータの測定値の平均値の95%に対応する値にまで増加させる。1つの実施態様では、ターゲット値の増加は、30秒などの数呼吸の範囲の時間間隔にわたり直線傾斜方式でなされる。このターゲット値の傾斜は、患者に導入される圧力変動を避けて、それにより患者の心地よさと治療のコンプライアンスを最適化するためになされる。ターゲット値の変化(傾斜)の形状又はパターンは、傾斜が直線的などの固定速度でなされ得る。また、非直線的速度でなされ得る。この場合傾斜形状は直線的ではない。1つの実施態様では、ターゲット値の傾斜は1呼吸当たり0.5lpmを採用する。前記ネガティブターゲット値は最大値で維持される。いくつかの実施態様では、このネガティブターゲット値のこの設定値はネガティブターゲット値サポートを本質的に不可能にする。前記のように、患者の施されるベースライン陽圧サポートは、フローの測定値がターゲット値を超える場合には患者に輸送される。デュアルターゲット値を持つ実施態様では、陰圧サポートは、フローの測定値がネガティブターゲット値を超える場合には患者に輸送される。そのようにして、ネガティブターゲット値が高い値の場合、フロー測定値は、ベースライン陽圧サポートから低減されるべき陰圧サポートについてネガティブターゲット基準を超えることはできない。
【0053】
ステップ304で、ポジティブターゲット値は、フローの測定平均値の95%に対応する値で維持される。前記ネガティブターゲット値は最大値で維持される。
【0054】
しかし、無呼吸又は呼吸低下などの睡眠障害事象が検出されると、プロセスはステップ306に移動し、そこでターゲット値が60パーセンタイルに変更される。このターゲット値の増加は、前記システムが圧サポートを増加し、それによりターゲット値が変更されない場合よりも睡眠障害事象を処置するより大きい可能性を提供する。このステップで、ネガティブターゲット値はなお、最大レベルに維持されている。前記のように、いくつかの実施態様では、ネガティブターゲット値のこの設定は、陰圧サポートを不可能にする。前記ポジティブターゲット値とネガティブターゲット値は、1分間などの期間このレベルで維持される。この後プロセスはステップ308へ移動する。
【0055】
ステップ308で、ポジティブターゲット値は、現在集められるフロー測定データの平均値の95%に戻すように変更される。1つの実施態様で、この変化は、直線的傾斜方式で、数呼吸サイクルの範囲、例えば2分間1呼吸当たり0.5lpmで実行される。ポジティブターゲット値の変化はまた非直線的でなされ得る。ネガティブターゲット値は最大値で維持される。
【0056】
前記システムはステップ310で、ポジティブターゲット値及びネガティブターゲット値をその現在値で、保持状態で維持される。前記のように、これは患者が、新たなポジティブターゲット値及びネガティブターゲット値の下で安定化することを可能とするためになされる。このことは、本発明のシステムが、患者のモニタされた状態を過剰に補償したり、過度に応答することを防止する。1つの実施態様ではこの保持状態は1.5分続く。他の時間間隔も場合により使用され、かつこの時間間隔は前記システムにより動的に選択され得る。1.5分後、プロセスはステップ302へ移動する。
【0057】
CSR事象又は周期的呼吸がステップ304で検出されると、プロセスはステップ312へ移動し、そこでポジティブターゲットが60パーセンタイル値へ変更される。ネガティブターゲットは65パーセンタイルへ変更される。このステップ312で、フローの測定値がネガティブターゲット値を超えると、陰圧サポートが患者に輸送される。ポジティブターゲット値及びネガティブターゲット値は比較的短い時間、例えば30秒間このレベルに維持される。CSR事象がこの30秒間で検出されない場合には、プロセスはステップ308へ移動する。しかし、CSRが検出されると、システムは保持を続けてタイマーをリセットしプロセスはステップ312に留まる。周期的呼吸又はCSRがもはや検出されない場合には30秒が経過する。
【0058】
理解されるべきことは、前記陰圧サポートは、CSRが検出される場合の代わりに又はこれに加えて他のステップの間でも可動である、ということである。例えば、陰圧サポートは、全治療の間に可動であり得る。また前記フロー測定値がネガティブターゲット値を超える場合に輸送され得る。いくつかの実施態様では、陰圧サポートは、繰り返し無呼吸又は呼吸低下が識別されると可動とされ得る。
【0059】
前記陰圧サポートはまた、特定の相だけで可動とされ得る。例えば、いくつかの実施態様では、陰圧サポートは、CSR又は繰り返し無呼吸/.呼吸低下のいずれかの過呼吸相の間にのみ可動される。かかる実施態様では、システム10は、患者が過呼吸に入る時に決定するために前記フローの測定値をモニタし得る。患者が過呼吸にいることが決定されると、陰圧サポートが可動となる。前記のように、陰圧サポートは、前記フロー測定値がターゲットを超える場合に輸送され得る。
【0060】
さらに本発明には、前記陰圧サポートが、所定の期間後、又はある事象の発生後に非可動とされ得る、ことも含まれるということである。例えば、陰圧サポートは、無呼吸又は呼吸低下が起こらなくなった後、又は目覚めが検出される場合に、非可動とされ得る。
【0061】
理解されるべきことは、前記実施態様は特定の時間間隔、パーセンテージ及び上で示した定数には限定されるものではない、ということである。むしろ、これらの量についてその他の値が、本発明の一般的原理が維持される限り使用され得るということである。さらに、これらの量は固定される必要はない。その代わりに、これらは患者のモニタされる状態に基づき前記制御装置により動的に変更され得るものである。これは、例えば、これらが現在の処置スキームに応答しない場合に患者をより積極的に処置することでなされ得る。またその逆がなされ得る。
【0062】
制御装置64は、CSRを除去又は低減させるために患者に与えられるべき圧の量を決定する。前記のように、いくつかの実施態様では、IPAP又はEPAPレベルのいずれか又は両方が制御装置により変更され得る。いくつかの実施態様では、IPAP又はEPAPの1つは手動で設定されるか又は前もって決められ、かつIPAPまたはEPAPレベルのその他の圧レベルは制御装置64で変更され得る。
【0063】
図5を参照して、いくつかの実施態様では、ステップ250で患者へ輸送されるべきIPAP/EPAPが、(1)いくつかの実施態様でのQave(max)などのフローの現在の測定値、(2)前の呼吸の間に輸送された圧サポート、(3)ステップ150で決定されたターゲット値及び(4)ゲインファクタに基づいて決定され得る。前記のように、圧サポートはIPAPレベルとEPAPレベルとの間で異なる。
【0064】
いくつかの実施態様では、次のアルゴリズムが、現在の呼吸(k+1)の間に患者に輸送されるべき圧サポートを決めるために使用され得る:
PS(k+l)=PS(k)+Gain*(Target−Qave(max)(k)) 式 1.3
ここでkは最後の呼吸の指標であり、PS(k)は前の呼吸の間に輸送された圧サポートであり、Gainはフローを圧へ変換するファクタであり、ターゲットは上で説明ように決定され、かつQave(max)(k)は前の呼吸からの最大平均吸気フロー Qave(max)である。いくつの実施態様では、Gainファクタは最大平均吸気フローに対する圧サポートの比の30呼吸平均であり得る。これは米国特許出願公開第11/235520に記載されており、この内容は参照されて本明細書に援用される。
【0065】
次のことを留意することは重要である。即ち、フローの測定値として式1.3でのQave(max)を使用することは何らを限定することを意味するものではない、ということである。フローのその他の測定値も使用され得るものであり、例えば、呼吸容積、最小換気量又は平均フローが挙げられる。そこで、平均フロー、呼吸容積、又は最小換気量は、ターゲット平均フロー、ターゲット呼吸容積又はターゲット最小換気量に対して比較され得る。
【0066】
図5に示されるプロセスは、それぞれの呼吸の間に前記圧サポートシステム10により実施される計算を示す。前記制御装置は、陽圧サポート又は陰圧サポートを与えるかを決定する。即ち、前記フロー測定値がターゲット値又はポジティブターゲット値を下回る場合には陽圧サポートが与えられ、そこでIPAPレベルは前記EPAPレベルよりも高い。前記フロー測定値が前記ターゲットト又はネガティブターゲット値を超える場合には、陰圧サポートが与えられ、そこでは前記EPAPが前記IPAPレベルよりも高い。前記圧サポートシステム10は、米国特許出願公開第11/235,520号及び米国特許番号第7267122号に記載された方法を用いて圧サポートを輸送し得る。前記制御装置64は、呼吸サイクルの吸気相にあるかどうかを決定し得る。これは、吸気と呼気の識別のための従来に全ての技術を使用して達成され得る。1つの実施態様では、患者が吸気のある場合にはフラグを設定する。フラグはまた、患者が呼気にある場合にはいつでも設定され得る。
【0067】
このフラグを設定する実施態様においては、前記患者が呼吸サイクルの吸気相にいる場合、前記制御装置64は前記ガスフロー/圧生成装置に、図5のステップ250で計算された前記圧サポート(式1.3参照)に基づいて前記患者に前記吸気圧Pinspを輸送させる。いくつかの実施態様では、前記制御装置は、前記フロー/圧生成装置に、前記患者が呼吸サイクルの呼気相にいる場合に前記圧サポートに基づき前記患者に前記呼気圧サポートを輸送させる。制御装置64はその後、呼吸サイクルの間又はその中で前記患者への圧輸送を制御することができる。前記制御装置は、前記患者へ輸送される圧サポートが十分かどうかを決定する。いくつかの実施態様では、そのように輸送される陽圧サポートは、現在の増加の強さ及び速度の下で吸気相の間に前記システムにより輸送される陽圧サポートが前記ターゲット値又は前記ポジティブターゲット値と一致するか又は超えるQave(t)となる場合には、十分であると考えられる。いくつかの実施態様で、そのように輸送される陰圧サポートは、現在の低減の強さ及び速度の下で前記システムにより輸送される陰圧サポートが前記ターゲット値又は前記ネガティブターゲット値と一致するか又は下回るQave(t)となる場合には、十分であると考えられる。いくつかの実施態様では、前記制御装置64は圧サポートと輸送し、輸送される前記圧サポートが十分であるかどうかを決定することができる。これは米国特許出願公開第11/235,520号及び米国特許番号第7267122に記載されている。
【0068】
制御装置64はここで開示された圧サポートのCSR処置モードの実施に加えて、圧サポート装置の標準機能の全てを実施することができ、即ち、CPAP、バイレベル圧サポートBiPAP、PAP圧サポート、スマートCPAPなど米国特許番号第5,203,343号、5,458,137号及び6,087,747号に教示されたものであり、これらの内容は参照されて本明細書に援用され、自動タイトレーションCPAPなど米国特許番号第5,645,053号に記載されたものであり、この内容は参照されて本明細書に援用される。1つの実施態様では、圧サポートシステム10は、モード選択入力装置を含み、これはユーザ又は認められた介護者が、前記圧サポート装置が操作される換気モード(CSR処置技術、CPAP、バイレベル、自動タイトレーションCPAP、PAV、PPAPなど)を選択することを可能にする。さらに、CSR検出技術は、通常の圧サポートを実行している間バックグラウンドで実行され、CSRが検出されると圧サポートのCSR処置モードへ切り替えられ得る。
【0069】
本発明は、現在最も実用的な実施態様であると考えられることに基づいて説明を目的として詳細に説明された。しかし理解されるべきことは、かかる詳細はその目的だけのものである、ということと、本発明は前記開示された実施態様に限定されるものではなく、むしろ、添付された特許請求の範囲の本質及びその範囲内の修正・変更及び均等な構成を含むものである、ということである。例えば、可能である限り、全ての実施態様の1以上の構成は、全ての実施態様の他の1以上の構成と組み合わせることができる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
患者の気道へガスのフローを輸送するためのシステムであり、前記システムが:
ガスのフローを生成するガスフロー生成装置;
前記患者の気道へガスのフローを流通させるように適合される前記ガスフロー生成装置に接続される患者回路;
前記ガスフローに関連する特徴をモニタするように適合される前記ガスフロー生成装置又は前記患者回路に関連付けられるセンサ;
前記モニタされる特徴に基づく第1の特徴を決定するように適合される制御装置を含み、
かつ前記制御装置が前記ガスのフローを、前記患者回路を介して前記ガスフロー生成装置から前記患者の気道へ輸送することを、
(1)前記第1の特徴が第1のターゲット値を下回る場合には前記患者へ陽圧サポートを与え、及び
(2)前記第1の特徴が第2のターゲット値を超える場合には前記患者に陰圧サポートを与えること、で制御し;
前記陽圧サポートが患者に与えられる場合、吸気の間に患者に与えられる圧は呼気の間に患者に与えられる圧よりも高く、かつ前記陰圧が患者に与えられる場合、吸気の間に患者に与えられる圧が呼気の間に患者に与えられる圧よりも低い、システム。
【請求項2】
請求項1に記載のシステムであり、前記制御装置が前記モニタされる特徴に基づき前記患者の既定の呼吸特徴を検出するように構成され、かつ前記制御装置は、前記既定の呼吸特徴が検出され、前記第1の特徴が前記第2のターゲット値を超える場合には、患者に陰圧サポートを与える、システム。
【請求項3】
請求項2に記載のシステムであり、前記既定の呼吸特徴が睡眠障害呼吸事象である、システム。
【請求項4】
請求項3に記載のシステムであり、前記制御装置が、前記患者が睡眠障害事象を経験していることの検出に基づき前記第1のターゲット値及び第2のターゲット値を変更する、システム。
【請求項5】
請求項3に記載のシステムであり、前記睡眠障害呼吸事象がチェーン・ストークス呼吸、呼吸低下又は無呼吸である、システム。
【請求項6】
請求項1に記載のシステムであり、前記既定の呼吸特徴がチェーン・ストークス呼吸であり、さらに患者の酸素飽和を示すシグナルを出力するように適合される酸素飽和モニタを含み、かつ前記制御装置が、患者がチェーン・ストークス呼吸を経験していることを、前記酸素飽和モニタの出力に少なくとも部分的に基づいて決定する、システム。
【請求項7】
請求項1に記載のシステムであり、前記第1の特徴がフロー速度である、システム。
【請求項8】
請求項1に記載のシステムであり、陰圧サポートが患者に与えられる場合に、呼気の間に患者に与えられる圧又は吸気の間に患者に与えられる圧が大気圧であるか、又はそれを下回る、システム。
【請求項9】
請求項1に記載のシステムであり、陰圧サポートが患者に与えられる場合に、呼気の間に患者に与えられる圧及び吸気の間に患者に与えられる圧の両方が大気圧を超える、システム。
【請求項10】
請求項1に記載のシステムであり、前記第1のターゲット値が前記第2のターゲット値と同じである、システム。
【請求項11】
請求項1に記載のシステムであり、前記第1の特徴が、最大平均吸気フロー(Qave(niax))であり、前記制御装置が、前記Qave(max)と前記第1及び第2のターゲット値と比較し、かつ前記制御装置がこの比較に結果に基づき前記システムを制御する、システム。
【請求項12】
請求項1に記載のシステムであり、前記第1の特徴が呼吸容積であり、前記制御装置が前記呼吸容積と前記第1のターゲット値及び第2のターゲット値を比較し、かつ前記制御装置はこの比較の結果に基づき前記システムを制御する、システム。
【請求項13】
請求項1に記載のシステムであり、前記第1の特徴が最小換気量であり、前記制御装置が前記最小換気量と前記第1のターゲット値及び第2のターゲット値を比較し、かつ前記制御装置はこの比較の結果に基づき前記システムを制御する、システム。
【請求項14】
患者を換気する方法であり、前記方法は:
患者回路を介して呼吸ガスのソースから患者の気道へガスのフローを輸送し;
前記ガスのフローに関連する特徴を測定し;
前記測定された特徴に基づく第1の特徴を決定し;及び
前記患者へのガスのフローの輸送を;
(1)前記第1の特徴が第1のターゲット値を下回る場合には患者に陽圧サポートを与え、かつ
(2)前記第1の特徴が第2のターゲット値を超える場合には患者に陰圧を与えることで制御し;
前記陽圧サポートが患者に与えられる場合には、吸気の間に患者に与えられる圧が、呼気の間に患者に与えられる圧よりも高く、かつ前記陰圧サポートが患者に与えられる場合には、吸気の間に患者に与えられる圧は呼気の間に患者に与えられる圧よりも低い、方法。
【請求項15】
請求項14に記載の方法であり、前記患者へのガスのフローの輸送を検出することが、前記測定される特徴に基づき患者の既定の呼吸特徴を検出することを含み、かつ前記制御装置は、前記既定の呼吸特徴が検出され前記第1の特徴が前記第のターゲット値を超える場合には陰圧サポートを患者に与える、方法。
【請求項16】
請求項15に記載の方法であり、前記既定の呼吸特徴が睡眠障害呼吸事象である、方法。
【請求項17】
請求項16に記載の方法であり、前記患者へのガスのフローの輸送の制御が、前記患者が睡眠障害呼吸事象を経験していることを検出することに基づき前記第1及び第2のターゲット値を変更することを含む、方法。
【請求項18】
請求項16に記載の方法であり、前記睡眠障害呼吸事象が、チェーン・ストークス呼吸、呼吸低下又は無呼吸である、方法。
【請求項19】
請求項15に記載の方法であり、前記既定の呼吸特徴がチェーン・ストークス呼吸であり、かつさらに患者の酸素飽和をモニタすること及び前記患者がチェーン・ストークス呼吸を経験しているかどうかを前記測定される酸素飽和に少なくとも部分的に基づき決定することを含む。
【請求項20】
請求項14に記載の方法であり、陰圧サポートが患者に与えられる場合には呼気の間に患者に与えられる圧及び吸気の間に患者に与えられる圧のいずれかが大気を下回る、方法。
【請求項21】
請求項14に記載の方法であり、陰圧サポートが患者に与えられる場合には呼気の間に患者に与えられる圧及び吸気の間に患者に与えられる圧の両方が大気を上回る、方法。
【請求項22】
請求項14に記載の方法であり、前記第2のターゲット値が前記第1のターゲット値と同じである、方法。
【請求項23】
請求項14に記載の方法であり、前記第1の特徴が最大平均吸気フロー(Qave(max))であり、患者へガスのフローの輸送の制御が、前記Qave(max)を前記第1のターゲット値及び第2のターゲット値と比較することを含む、方法。
【請求項24】
請求項14に記載の方法であり、前記第1の特徴が呼吸容積であり、患者へガスのフローの輸送の制御が、前記呼吸容積を前記第1のターゲット値及び第2のターゲット値と比較することを含む、方法。
【請求項25】
請求項14に記載の方法であり、前記第1の特徴が最小換気量であり、前記患者へガスのフローの輸送の制御が、前記最小換気量を前記第1のターゲット値及び第2のターゲット値と比較することを含む、方法。
【請求項26】
患者を換気するシステムであり、前記システムが:
患者回路を介して呼吸ガスのソースから前記患者の気道へガスのフローを輸送する手段;
前記ガスのフローに関連する特徴を測定する手段;及び
前記測定される特徴に基づき第1の特徴を決定する手段及び前記患者へ前記ガスのフローを;
(1)前記第1の特徴が第1のターゲット値を下回る場合には患者に陽圧サポートを与え、かつ
(2)前記第1の特徴が第1のターゲット値を超える場合には前記患者に陰圧サポートを与えることで制御する手段を含み、
前記陽圧サポートが前記患者に与えられる場合には、吸気の間に患者に与えられる圧は吸気の間に患者に与えられる圧よりも高く、かつ前記陰圧が患者に与えられる場合には、吸気の間に患者に与えられる圧が呼気の間に患者に与えられる圧よりも低い、方法。

【図1】
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【図2A】
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【図2B】
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【図3】
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【図4A】
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【図4B】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公表番号】特表2013−517034(P2013−517034A)
【公表日】平成25年5月16日(2013.5.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−548492(P2012−548492)
【出願日】平成22年12月17日(2010.12.17)
【国際出願番号】PCT/IB2010/055916
【国際公開番号】WO2011/086435
【国際公開日】平成23年7月21日(2011.7.21)
【出願人】(590000248)コーニンクレッカ フィリップス エレクトロニクス エヌ ヴィ (12,071)