階層化構造物およびその製造方法
本発明は、階層化構造物の形状、その形状に応じた階層化構造物の工学的効果、その工学的効果の増大方法、新規素材または部品に対する階層化構造物の応用方法、階層化構造物の大量製造方法に関する。本発明は、階層化構造物およびその製造方法に関し、内部の基地にナノスケール領域の特性長さを有する少なくとも1つ以上のナノオブジェクトが一定のパターンによって配列されたことを特徴とする階層化構造物を含む。本発明によれば、ナノスケール領域で発生する優れた特性を巨視的なスケール領域の構造物でも活用することができ、スケールが互いに異なる構造物を相違するスケールに関係なく容易に連係することができる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は階層化構造物およびその製造方法に関し、より詳細には、階層化構造物の形状、その形状による階層化構造物の工学的効果、その工学的効果の増大方法、新規素材または部品に対する階層化構造物の応用方法、階層化構造物の大量製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
1980年代に走査型トンネル顕微鏡(Scanning Tunneling Microscope)が発明されて以来、100nm以下の特性長さを有するナノスケール領域で発生する特異な現象を測定するナノ測定技術が急激な発展を重ねている。現在、ナノ測定技術は、ナノスケール領域で発生する特異な機械的、電磁気的、光学的、化学的、または熱的物性の測定に活発に適用されている。
ナノ測定技術の発展により、ナノスケール領域では既存の巨視的なスケール領域とは異なる自然現象が発生するという事実が明らかになり、現在までもナノスケール領域における新たな自然現象が持続して報告されている。
さらに、Lijimaの1991年度の論文によって炭素ナノチューブが本格的に注目され始めて以来、現在では各種金属と半導体から構成された多様なナノ素材、すなわちナノワイヤー(Nano Wire)、ナノロッド(Nano Rod)、ナノストライプ、または量子ドット(Quantum Dot)などを実生活に応用するナノ素材技術が活発に研究されている。
一方、現在水準の半導体工程技術において、半導体工程の特性領域(Critical Dimension)は一部素子の場合には既に100nm以下に進入した。このような半導体工程技術はナノスケールの構造物をより自由かつ低廉に製造することができる方法を提供し、これによってナノ技術の結果物を実生活に適用することができる無限の可能性が到来した。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明は、上述したような技術的背景に基づいて本発明者の惜しみない努力によって持続的な研究開発を行った結果として完成したものであって、本発明は、ナノスケール領域で発生する優れた特性を巨視的なスケール領域の構造物に実現することができる階層化構造物およびその製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明の一実施形態に係る階層化構造物は、第1ブロック内部の第1基地にナノ(nano)スケール領域の特性長さを有する少なくとも1つ以上のナノオブジェクト(Object)が第1パターンによって配列され、第2ブロック(block)の第2基地(matrix)に少なくとも1つ以上の第1ブロックが第2パターン(pattern)で配列されてもよい。
【0005】
前記第1基地または第2基地はポリマー(polymer)または金属からなってもよい。
前記特性長さは1nm〜100nmの範囲に属してもよい。
前記ナノオブジェクトは、量子ドット(quantum dot)、ナノスフェア(nano sphere)、ナノ粒子(nano particle)、ナノチューブ(nano tube)、ナノワイヤー(nano wire)、およびナノスケール領域の線パターン(line pattern)のうちより選択されたいずれか1つであってもよい。
【0006】
前記第1パターンは、光学リソグラフィ(lithography)、ソフト(soft)リソグラフィ、ホログラフィック(holographic)リソグラフィ、ナノインプリント(imprint)、シャドーマスク(shadow mask)、および金属トランスファプリンティング(transfer printing)方法のうちより選択されたいずれか1つの方法によって形成されてもよい。
【0007】
前記第2ブロックの大きさは、前記第1ブロックの大きさよりも5倍〜100倍大きく形成されてもよい。
【0008】
一方、本発明の他の実施形態に係る階層化構造物は、少なくとも1つ以上の第3ブロック(block)が互いに結合した第1構造物の外部にナノ(nano)スケール領域の特性長さを有する少なくとも1つ以上の第4ブロックが結合したものであってもよい。
【0009】
前記特性長さは1nm〜100nmの範囲に属してもよい。
一方、本発明の他の実施形態に係る階層化構造物の製造方法は、(a)第1母材(substrate)上に第1基地(matrix)を形成する段階と、(b)前記第1基地上にナノ(nano)スケール領域の特性長さを有する少なくとも1つ以上のナノオブジェクト(object)を第1パターンで配列する段階と、(c)前記(b)段階の第1パターン上に第2基地を形成する段階と、(d)前記第1母材を分離して第1ブロックを形成する段階と、(e)第2母材上に少なくとも1つ以上の前記第1ブロックを第2パターンで配列する段階と、(f)前記(e)段階の第2パターン上に第3基地を形成する段階と、(g)前記第2母材を分離して第2ブロックを形成する段階とを含む。
【0010】
前記第1基地または第2基地はポリマーまたは金属からなってもよい。
前記特性長さは1nm〜100nmの範囲に属してもよい。
前記ナノオブジェクトは、量子ドット(quantum dot)、ナノスフェア(nano sphere)、ナノ粒子(nano particle)、ナノチューブ(nano tube)、ナノワイヤー(nano wire)、およびナノスケール領域の線パターン(line pattern)のうちより選択されたいずれか1つであってもよい。
【0011】
前記パターンは、光学リソグラフィ(lithography)、ソフト(soft)リソグラフィ、ホログラフィック(holographic)リソグラフィ、ナノインプリント(imprint)、シャドーマスク(shadow mask)、および金属トランスファプリンティング(transfer printing)方法のうちより選択されたいずれか1つの方法によって形成されてもよい。
【0012】
前記(a)段階は、(a1)前記第1基地を形成する前に前記第1母材上に犠牲層を形成する段階をさらに含んでもよい。
前記(d)段階は、(d1)前記第2基地上にフォトレジストパターンまたは無機物パターンを形成した後にエッチングする段階と、(d2)前記フォトレジストパターンまたは無機物パターンを除去する段階とを含んでもよい。
前記フォトレジストパターンまたは無機物パターンは光学リソグラフィまたはインプリントリソグラフィ方法を用いて形成してもよい。
前記(e)段階は、前記第1ブロックをチャック(chuck)を用いて前記第2母材上に付着する段階を含んでもよい。
前記(e)段階は、前記第1ブロックを配列する前に前記第2母材上に粘着強化層を形成する段階をさらに含んでもよい。
【0013】
前記粘着強化層は自己組織化単分子層(Self−Assembled Monolayer)またはポリマー接着剤層が適用されてもよい。
前記第2ブロックの大きさは前記第1ブロックの大きさよりも5倍〜100倍大きく形成されてもよい。
【0014】
一方、本発明の他の実施形態に係る階層化構造物の製造方法は、(A)ナノスケール領域の特性長さを有する少なくとも1つ以上の第3ブロックおよび前記第3ブロックの大きさよりも大きい少なくとも1つ以上の第4ブロックを形成する段階と、(B)第3母材(substrate)上に前記第4ブロックを付着し、前記第4ブロック上に前記第3ブロックを付着する段階と、(C)前記第3母材を分離する段階とを含む。
【0015】
前記第4ブロックの大きさは前記第3ブロックの大きさよりも5倍〜100倍大きく形成されてもよい。
前記(B)段階は、前記第4ブロックまたは第3ブロックをチャック(chuck)を用いて前記第3母材または第4ブロック上に付着する段階を含んでもよい。
前記(B)段階は、前記第4ブロックを付着する前に前記第3母材上に粘着強化層を形成する段階を含んでもよい。
前記粘着強化層は自己組織化単分子層(Self−Assembled Monolayer)またはポリマー接着剤層が適用されてもよい。
【発明の効果】
【0016】
本発明の実施形態による効果は、大きく3つに区分することができる。
第1に、ナノスケール領域で発生する優れた特性を巨視的なスケール領域の構造物でも活用することができる方法を提供する。第2に、スケールの大きさが互いに異なる構造物を相違したスケールの大きさに関係なく容易に連係(Interconnect or Interface)することができる方法を提供する。第3に、従来技術では製造することが困難であった3次元的な形状を含む部品を容易に製造することができる方法を提供する。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】人間の腱で発見される階層構造の例を示す模式図である。
【図2】ヤモリ(Gecko)トカゲの足裏に形成された階層構造の例を示す写真である。
【図3】本発明の一実施形態によって製造される構造に関する例示図である。
【図4】本発明の第1実施形態に係る階層化構造物の製造工程を説明するための模式図である。
【図5】図4のレベル1工程において基地(matrix)内に配列されるナノオブジェクト(object)の多様な例を示す模式図である。
【図6】本発明の第2実施形態に係る階層化構造物を概略的に示す模式図である。
【図7】本発明の第1実施形態に係る階層化構造物の製造方法のうちのレベル1工程を示す工程図である。
【図8】本発明の第1実施形態に係る階層化構造物の製造方法のうちのレベル1工程後のレベル1ブロックを製造する工程を示す工程図である。
【図9】本発明の第1実施形態に係る階層化構造物の製造方法のうちのレベル2工程を示す工程図である。
【図10】本発明の第2実施形態に係る階層化構造物の製造工程を示す工程図である。
【図11】本発明の第3実施形態に係る階層化構造物の製造方法のうちのレベル1工程を示す工程図である。
【図12】本発明の第3実施形態に係る階層化構造物の製造方法のうちのレベル1工程後のレベル1ブロックを製造する工程を示す工程図である。
【図13】本発明の第3実施形態に係る階層化構造物の製造方法のうちのレベル2工程を示す工程図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
本発明を実施するための具体的な内容を説明するに先立ち、本発明の技術的要旨と直接に関連のない構成については、本発明の技術的要旨を乱さない範囲内で省略した。
また、本明細書および特許請求の範囲に用いられた用語や単語は、発明者が自身の発明を最善の方法で説明するために用語の概念を適切に定義できるという原則に立脚し、本発明の技術的な思想に符合する意味と概念で解釈されなければならない。
【0019】
ナノスケール領域で発生する優れた特性を巨視的な構造物に実現することができるという可能性は、最近の自然構造物に対する研究によっても証明された。
図1は、人間の腱で観察される階層構造の例を示す模式図である。
図1に示すような階層構造により、人間の腱(tendon)は優れた強度を示しながらも、外部から印加される極めて大きい変形率を支えることができる。人間の腱だけではなく動物の骨からもこれと類似した階層構造が観察され、これによって動物の骨も極めて優れた破壊靭性を示す。
【0020】
このような優れた破壊靭性は、人間の腱または動物の骨の内部に存在し得る欠陥にかかわらずに階層構造が外部の衝撃を弱化させるためであるという事実が明らかになり、このような階層構造は、図1に示したように、ナノスケール領域の基本構造が6段階または7段階まで連続して積層された構造である。
【0021】
階層構造によって優れた特性が発現する他の例として、ヤモリ(Gecko)トカゲの足裏に形成された階層構造の例を図2に示した。
【0022】
ヤモリトカゲは、図2に示すような階層構造を用いてナノスケール領域で発生するファンデルワールス力を巨視的なスケール領域まで増幅させる。これにより、ヤモリトカゲは、建物の天井やガラス窓などでも自由に往来することができる粘着力を得る。
【0023】
ナノスケール領域におけるファンデルワールス(Van der Waals)力による粘着力の大きさは極めて小さいが、階層構造によって巨視的なスケール領域に拡張されることによって粘着力の大きさを幾何級数的に増加することができる。これにより、体重が数百グラムに過ぎないヤモリトカゲが建物の天井やガラス窓などに自分の体を付着させる粘着力が発生する。
【0024】
従来にはこのような階層構造を人工的に製造する技術が存在しなかったが、本発明の実施形態によれば優れた特性、すなわち優れた破壊靭性または粘着力を実現する人工的な階層構造を製造することができる。
【0025】
また、本発明の実施形態は、スケールが互いに異なる構造物をスケールに関係なく容易に連係することができる方法を提供する。
【0026】
ナノ技術の発展に伴ってナノスケール領域の構造物、すなわちナノチューブまたはナノワイヤーなどを用いてナノスケール領域のトランジスタまたは各種NEMS(Nano−Electro−Mechanical−System)などを実現する技術が開発されているが、ナノスケール領域の構造物を巨視的なスケール領域の構造物と連係する技術はまったく存在しない実情にある。
【0027】
本発明の実施形態によれば、このようなナノスケール領域の構造物を日常生活で使用する製品と連係することができる。
【0028】
例えば、本発明の実施形態に係る階層化構造物を用いて図3に示す構造を製造してもよい。すなわち、図3において、数十マイクロメータ以上のスケール領域に該当する上段のシリコンMEMS(microelectromechanical systems)と、数マイクロメータ以下のスケール領域に該当する中央の金属導線(interconnect line)と、極めて高い測定敏感度を示して数十ナノメートル水準のスケール領域に該当する下段のナノワイヤーセンサとを連係した製品を製造してもよい。
【0029】
図3において、各レベル間の電気的な連結のために、粘着力増加層の素材を慎重に選択してもよく、粘着力増加層を用いなくてもよい。粘着力増加層を用いなければ、プラズマ(plasma)処理技術などの表面処理技術を適用して粘着力を増加させることができる。これについては詳しく後述する。
【0030】
一方、本発明の実施形態は、従来技術では製造することが困難であった3次元的な形状を含む部品を容易に製造することができる方法を提供する。
3次元部品を製造する方式は大きく、Additive方式とSubtractive方式に分類してもよい。Additive方式は基本ブロックを積層したり組み立てて3次元部品を製造する方式であって、ステレオリソグラフィ(stereo lithography)またはレーザ焼結(sintering)などを例示してもよい。この反面、Subtractive方式は巨大構造物を段階的に切削して所望する形状を実現する方式であって、ミリング加工、ダイ加工、放電加工、または光学リソグラフィなどを例示してもよい。
【0031】
本発明の実施形態は、従来のAdditive方式とは異なる概念のAdditive方式の製造方法であって、図3に示すように、レベル別に構造物を積層したり組み立てて3次元部品を製造する方法を提供する。本発明の実施形態に係る製造方法を用いれば、従来のAdditive方式では製造することができなかった構造物、例えばConformal Cooling Moldのように内部に複雑な流動チャネルを含む構造物を製造することができ、多様なスケール領域のブロックを用いることによって従来のAdditive方式よりも生産性を向上させながら、パターン分解能も向上させることができる。
【0032】
従来のAdditive方式は一定の大きさの基本構造物を積層する方式であって、基本構造物の大きさが増加することによって生産速度は基本構造物の体積、すなわち基本構造物の大きさの3乗に比例して増加する。この反面、本発明の実施形態によって階層化されたレベル別に基本ブロックを積層する場合、微細なパターン変化がない部分はスケールが大きい基本ブロックを用いて構造物を製造し、微細なパターン変化がある部分はスケールが小さい基本ブロックを用いることによって生産速度を大きく向上させることができる。
【0033】
さらに、従来のAdditive方式の大部分は表面分解能が良くなく、後処理(研磨(polishing)または仕上げ機械加工)工程を含むが、本発明の実施形態によれば、最小スケール領域の基本ブロックの大きさを減少させて構造物の加工分解能を向上させることができ、後処理工程を最少化したり省略することができる。
【0034】
以下、本発明の多様な実施形態に係る階層化構造物およびその製造方法について、添付の図面を参照しながら詳しく説明する。
【0035】
図4は、本発明の第1実施形態に係る階層化構造物の製造工程を説明するための模式図である。
図4を参照すれば、レベル1工程では、母材(substrate)12上に基地(matrix)14と共にナノスケール領域の特性長さ(例えば、Wl)を有するナノオブジェクト(object)16を配列する。
【0036】
ナノオブジェクト16は、図5に示すように、0次元、1次元、または2次元のナノオブジェクトであってもよい。ナノオブジェクト16が主に点、線、または面のうちのいずれの観点によって規定されるかにより、便宜上、0次元、1次元、または2次元ナノオブジェクトに区分することにする。図5の(a)を参照すれば、0次元ナノオブジェクト160としては、量子ドット(quantum dot)、ナノスフェア(nano sphere)、またはナノ粒子(nano particle)などがある。図5の(b)を参照すれば、1次元ナノオブジェクト161としては、ナノチューブ(nano tube)、ナノワイヤー(nano wire)、またはナノスケール領域の線パターン(line pattern)などがある。図5の(c)を参照すれば、2次元ナノオブジェクト162は、ナノスケール領域で意味のある厚さを有するナノオブジェクトを意味する。
【0037】
ナノオブジェクト16、160、161、162を配列する方法は、ナノオブジェクト16、160、161、162が任意的な(randomly)分布を有するように基地14内に分散させる方法と、ナノオブジェクト16、160、161、162が3次元空間で周期的なパターンを有するようにしたり予め設定された位置に分布するように配列する方法とに分類してもよい。任意的な分布を有するように分散させるためには、通常の方法、すなわちナノ粒子基盤の複合材を製造する方法などを用いることができ、周期的なパターンを有するようにしたり予め設定された位置に分布するように配列する方法については詳しく後述する。
【0038】
図4を参照するとき、レベル2工程では、一定の形態と大きさを有するように形成されたナノスケール領域のレベル1ブロック10を3次元空間内に配列してレベル2ブロック20を実現する。レベル3工程では、一定の形態と大きさを有するレベル2ブロック20を3次元空間内に配列してレベル3ブロック30を実現する。必要な場合、同じ方法によってレベル4ブロック、レベル5ブロックなどを段階的に実現してもよいことはもちろんだ。
【0039】
レベル2ブロック20のスケール領域(Wlll)はレベル1ブロック10のスケール領域(Wll)よりも極めて大きく、レベル2ブロック20のスケール領域(Wlll)がレベル1ブロック10のスケール領域(Wll)の5倍〜100倍よりも大きく形成されてもよい。これは、レベル3ブロック30とレベル2ブロック20の間においても同じであり、これにより、レベルが増加することによってレベル別のブロックの大きさは次第に増加し、最終的に巨視的なスケール領域の構造物を構成することが容易となる。
【0040】
図6は、本発明の第2実施形態に係る階層化構造物を概略的に示す模式図である。
本発明の第2実施形態に係る階層化構造物は、図6に示すように、最もスケールが大きいレベル(図6ではレベル4)のブロックを先ず組み立て、次第にスケールが小さいレベルのブロックを組み立てる方式によって製造してもよい。図6において、レベル4は1個のレベル4ブロック140で構成され、レベル3は4個のレベル3ブロック130で構成され、レベル2は12個のレベル2ブロック120で構成され、レベル1は48個のレベル1ブロック110で構成されることが確認される。もちろん、本発明がこのような個数に限定されるものではない。
【0041】
図6のレベル1では、図4と同じように、図5に示すような多様なナノオブジェクトをそれぞれのレベル1ブロック110の基地内に配列してもよい。図6に示すような階層化構造物を製造する詳細な工程については後述して説明する。
【0042】
以下、図4に示すような本発明の第1実施形態に係る階層化構造物を製造する方法について説明する。便宜上、ナノオブジェクト16は金属ナノパターンであり、基地14はポリマー(polymer)であるものと設定して説明するが、本発明がこれに限定されるものではない。一例として、基地14としてはポリマーだけではなく金属を用いることもでき、図11〜図13には基地とナノオブジェクトの素材として互いに異なる種類の異種金属を用いた階層化構造物の製造工程を示した。
【0043】
図7は、本発明の第1実施形態に係る階層化構造物の製造方法のうちのレベル1工程を示す工程図である。
先ず、母材12に犠牲層13を蒸着する(S11)。段階S11の犠牲層13の機能は、完成したレベル1ブロック10が以後にエッチング(etching)によって母材12から円滑に分離するようにするものである。犠牲層13の素材は、エッチング感度(selectivity)が基地14であるポリマーよりも大きい素材であることが好ましい。
【0044】
次に、前記犠牲層13上に基地14としてポリマーをスピンコーティングする(S12)。段階S12の基地14のポリマーの種類はスピンコーティングが可能なものであれば問題なく、通常はスピンコーティング条件に応じて厚さを精巧に制御してもよい。
【0045】
次に、前記ポリマー基地14上にナノオブジェクト16である金属ナノパターンを形成する(S13)。段階S13において、ナノオブジェクト16である金属ナノパターンは通常の方法を用いて形成してもよい。例えば、光学リソグラフィを用いる方法、ナノインプリント(Imprint)またはソフトリソグラフィ(Soft Lithography)を用いる方法、シャドーマスク(Shadow Mask)方法、または金属トランスファプリンティング(Transfer Printing)方法などを用いることができる。
【0046】
その他に、ホログラフィックリソグラフィ(Holographic Lithography)方法を用いれば、ナノオブジェクト16である金属ナノパターンの積層工程がなくてもレベル1工程を容易に実行することができ、多様な形状のナノオブジェクト16を3次元的にさらに周期的に配列してもよい。しかしながら、この場合、最小構造物、すなわちレベル1ブロック10の大きさは100nm以上でなければならず、使用可能な素材に制約がある。
【0047】
次に、前記形成されたナノオブジェクト16を覆うようにポリマー基地14をスピンコーティングし(S14)、その上に金属ナノパターンを形成し(S15)、このように形成された金属ナノパターンを覆うように再びポリマー基地14をスピンコーティングによって形成する(S16)。
【0048】
所望する個数のナノオブジェクト16層を形成するために前記段階S13と段階S14を反復してもよく(S17)、これによってレベル1工程が完了する(S18)。
一方、図11は、本発明の第3実施形態に係る階層化構造物の製造方法のうちのレベル1工程を示す工程図である。
【0049】
図11では、レベル1ブロック11の基地15としてポリマーの代わりに異種金属を用いる場合を示しており、基地15がナノオブジェクト17とは異種の金属であるという点を除いては図7に示す工程と全体的に類似している。
【0050】
図8は、本発明の第1実施形態に係る階層化構造物の製造方法のうちのレベル1工程後のレベル1ブロックを製造する工程を示す工程図である。
図8を参照すれば、先ずレベル1工程で製作されたパターンを準備し(S21)、前記パターンにフォトレジスト(photoresist、PR)51コーティングを行った後(S22)、リソグラフィ工程を行う(S23)。段階S23のリソグラフィは通常の光学リソグラフィまたはインプリントリソグラフィなどであってもよい。
【0051】
次に、段階S23によって形成されたフォトレジスト51パターンを用いてポリマー基地14をエッチングし(S24)、ポリマー基地14の種類に応じてフォトレジスト51パターンの代わりに無機物パターンをエッチングマスク(etch mask)で形成してエッチングすることもできる。フォトレジスト51パターンの代わりに無機物パターンをエッチングマスクに用いる場合には、段階S22のフォトレジスト51スピンコーティングの代わりに金属(WまたはTiなど)または酸化物(SiO2など)などの無機物層蒸着工程が必要となり、段階S23のリソグラフィによって無機物層にパターンを形成する。
【0052】
追加的に、段階S23は、レイヤー(layer)蒸着、パターニング、またはエッチングなどの工程を含むことができる。このような追加的な工程は、半導体製造に関連する技術分野において通常の知識を有する者であれば容易に把握することができるため、詳細な説明は省略する。
【0053】
最終的に、フォトレジスト51パターンまたは無機物パターンと犠牲層13を除去するようになれば(S25)、レベル1ブロック10が得られる(S26)。
【0054】
前記レベル1ブロック10と母材12の間の犠牲層13素材は、段階S22のフォトレジスト51または無機物層と同じであってもよく、相違してもよい。同じ素材である場合には1つの工程でフォトレジスト51と犠牲層13を除去することができるため、相違する素材である場合よりもエッチング工程が単純である。
【0055】
一方、図12は、本発明の第3実施形態に係る階層化構造物の製造方法のうちのレベル1工程後のレベル1ブロックを製造する工程を示す工程図である。
図12では、レベル1ブロック11の基地15としてポリマーの代わりに異種金属を用いることを示しており、基地15がナノオブジェクト17とは異種の金属であるという点を除いては図8に示す工程と全体的に類似している。
【0056】
図9は、本発明の第1実施形態に係る階層化構造物の製造方法のうちのレベル2工程を示す工程図である。
図9を参照すれば、先ずダミー(dummy)母材22上に製造されたレベル1ブロック10を準備し(S31)、チャック(chuck)45を用いて前記レベル1ブロック10を一括的に引き離す(S32)。前記チャック45としては半導体関連工程で通常用いる静電チャック(electrostatic chuck)またはポリマーチャックなどを用いることができる。
【0057】
レベル1ブロック10とダミー母材22の間の酸化物層が既にエッチングされた状態であるため、レベル1ブロック10とダミー母材22の間の粘着力は極めて低い。したがって、チャック45を用いてレベル1ブロック10を比較的に容易に引き離すことができる。
【0058】
次に、引き離したレベル1ブロック10を目標母材(target substrate)32上に移送する(S33)。
このとき、チャック45とレベル1ブロック10の間の粘着力は能動的に制御することが好ましい。すなわち、レベル1ブロック10をダミー母材22から引き離すときには、チャック45とレベル1ブロック10の間の粘着力が増加しなければならず、レベル1ブロック10を目標母材32上に移送するときには、チャック45とレベル1ブロック10の間の粘着力が減少することが好ましい。
【0059】
静電チャックを用いる場合には、チャック45に加えられる電圧を制御することによって粘着力を制御することができ、ポリマーチャックを用いる場合には、チャック45の変形速度を制御することによって粘着力を制御することができる。
【0060】
チャック45の粘着力を制御することだけでレベル1ブロック10を目標母材32上に付着することが困難であれば、粘着強化層を段階S33前に目標母材32上に形成してもよい。粘着強化層としてはGycidoxypropyl Trimethory Silane(GPT)、Acryloxypropyl Methyl Dichloro Silane(APMDS)、またはAminopropyl Triethoxy Silane(APTS)などの自己組織化単分子層(self−assembled monolayer)、またはナノスケール領域の厚さを有するポリマー接着剤層などを用いてもよい。
【0061】
次に、ポリマー層24を前記レベル1ブロック10を覆うようにスピンコーティングし(S34)、さらに他のレベル1ブロック10’を前記ポリマー層24上に付着する(S35)。段階S35は段階S33と同じようにチャック45を用いて実行してもよい。必要に応じて段階S34と段階S35を一定の回数だけ反復してもよく(S36)、これによってレベル2工程を完了する(S37)。
【0062】
前記レベル2工程後のレベル2ブロック20を製造する工程は、図8に示すレベル1ブロック10製造工程と類似している。ただし、レベル1ブロック10に比べてレベル2ブロック20はその大きさが極めて大きいという点が相違している。製造されたレベル2ブロック20を用いたレベル3工程は、図9に示すレベル2工程と類似している。
【0063】
図13は、本発明の第3実施形態に係る階層化構造物の製造方法のうちのレベル2工程を示す工程図である。
図13では、レベル1ブロック11の基地25としてポリマーの代わりに異種金属を用いることを示しており、基地25が異種金属であるという点を除いては図9に示す工程と全体的に類似している。
【0064】
図10は、本発明の第2実施形態に係る階層化構造物の製造工程を示す工程図である。図10を参照しながら、図6に示す本発明の第2実施形態に係る階層化構造物を製造する方法について説明する。
【0065】
上述のように、図4に示す第1実施形態に係る階層化構造物を製造する工程では、スケールが小さいブロックからそれよりもスケールが大きいブロックに順に製造する反面、以下の第2実施形態に係る階層化構造物の製造方法は、スケールが大きいブロックから先に目標母材上に形成し、順にそれよりも小さいブロックを大きいブロック上に形成するという点において相違している。また、上述した第1実施形態に係る階層化構造物の製造方法は、スケールが小さいブロックを製造した後に次第にそれよりも大きいブロックを順に製造しなければならない反面、以下の図6に示す第2実施形態に係る階層化構造物の製造方法は、階層別の基本ブロック間の製造順序には制約がない。
【0066】
図6に示す第2実施形態に係る階層化構造物を製造するために、先ず階層別の基本ブロック110、120、130をそれぞれのダミー母材210、220、230上に形成する(S41)。このとき、階層別の基本ブロック110、120、130は生産工程に対して依存性がないため、個別的にそれぞれの階層別基本ブロック110、120、130を製造してもよい。この反面、第1実施形態に係る階層化構造物の製造工程では、階層別の基本ブロックはその以前工程の基本ブロックを用いて製造されるため、階層別にそれぞれの基本ブロックを製造するためには順に工程を進行しなければならない。
【0067】
本実施形態において、階層別の基本ブロック110、120、130の製造には上述した光学またはインプリントリソグラフィ技術を用いてもよく、シャドーマスク方法や金属トランスファプリンティング方法を適用してもよい。
【0068】
次に、階層別に製造された基本ブロック110、120、130のうちで最も大きさが大きいブロック(ブロック130)をダミー母材230から引き離す(S42)。段階S42で用いるチャック45は図9の場合と同じである。
【0069】
ダミー母材210、220、230から引き離したブロックを目標母材235上に付着するために、粘着強化層を蒸着してもよい(S43)。同じように、図9の段階S33前に蒸着する粘着強化層を用いてもよい。
【0070】
この後、チャック45に付着したブロック130を粘着強化層が蒸着した目標母材235と接触させて目標母材235上に付着させる(S44)。
その後、段階S42〜段階S44と類似するように、それよりも小さい大きさのブロック110、120を目標母材235上に移送して付着させる(S45、S46)。必要に応じて同じレベルのブロックを積層する段階を何度か反復して進行してもよい。
【0071】
以上、本発明の技術的な思想を例示するための好ましい実施形態と関連して説明して図示したが、本発明はこのように図示されて説明されたそのままの構成および作用にのみ限定されるものではなく、技術的思想の範疇を逸脱せずに本発明に対して多数の変更および修正が可能であることを当業者はよく理解できるはずである。したがって、このようなすべての適切な変更および修正と均等物も本発明の範囲に属するものと見なさなければならない。
【符号の説明】
【0072】
10、11、110: レベル1ブロック
12: 母材
13: 犠牲層
14、15、25: 基地
16、17、160、161、162: ナノオブジェクト
20、120: レベル2ブロック
24: ポリマー層
30、130: レベル3ブロック
45: チャック
51: フォトレジスト
140: レベル4ブロック
22、210、220、230: ダミー母材
【技術分野】
【0001】
本発明は階層化構造物およびその製造方法に関し、より詳細には、階層化構造物の形状、その形状による階層化構造物の工学的効果、その工学的効果の増大方法、新規素材または部品に対する階層化構造物の応用方法、階層化構造物の大量製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
1980年代に走査型トンネル顕微鏡(Scanning Tunneling Microscope)が発明されて以来、100nm以下の特性長さを有するナノスケール領域で発生する特異な現象を測定するナノ測定技術が急激な発展を重ねている。現在、ナノ測定技術は、ナノスケール領域で発生する特異な機械的、電磁気的、光学的、化学的、または熱的物性の測定に活発に適用されている。
ナノ測定技術の発展により、ナノスケール領域では既存の巨視的なスケール領域とは異なる自然現象が発生するという事実が明らかになり、現在までもナノスケール領域における新たな自然現象が持続して報告されている。
さらに、Lijimaの1991年度の論文によって炭素ナノチューブが本格的に注目され始めて以来、現在では各種金属と半導体から構成された多様なナノ素材、すなわちナノワイヤー(Nano Wire)、ナノロッド(Nano Rod)、ナノストライプ、または量子ドット(Quantum Dot)などを実生活に応用するナノ素材技術が活発に研究されている。
一方、現在水準の半導体工程技術において、半導体工程の特性領域(Critical Dimension)は一部素子の場合には既に100nm以下に進入した。このような半導体工程技術はナノスケールの構造物をより自由かつ低廉に製造することができる方法を提供し、これによってナノ技術の結果物を実生活に適用することができる無限の可能性が到来した。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明は、上述したような技術的背景に基づいて本発明者の惜しみない努力によって持続的な研究開発を行った結果として完成したものであって、本発明は、ナノスケール領域で発生する優れた特性を巨視的なスケール領域の構造物に実現することができる階層化構造物およびその製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明の一実施形態に係る階層化構造物は、第1ブロック内部の第1基地にナノ(nano)スケール領域の特性長さを有する少なくとも1つ以上のナノオブジェクト(Object)が第1パターンによって配列され、第2ブロック(block)の第2基地(matrix)に少なくとも1つ以上の第1ブロックが第2パターン(pattern)で配列されてもよい。
【0005】
前記第1基地または第2基地はポリマー(polymer)または金属からなってもよい。
前記特性長さは1nm〜100nmの範囲に属してもよい。
前記ナノオブジェクトは、量子ドット(quantum dot)、ナノスフェア(nano sphere)、ナノ粒子(nano particle)、ナノチューブ(nano tube)、ナノワイヤー(nano wire)、およびナノスケール領域の線パターン(line pattern)のうちより選択されたいずれか1つであってもよい。
【0006】
前記第1パターンは、光学リソグラフィ(lithography)、ソフト(soft)リソグラフィ、ホログラフィック(holographic)リソグラフィ、ナノインプリント(imprint)、シャドーマスク(shadow mask)、および金属トランスファプリンティング(transfer printing)方法のうちより選択されたいずれか1つの方法によって形成されてもよい。
【0007】
前記第2ブロックの大きさは、前記第1ブロックの大きさよりも5倍〜100倍大きく形成されてもよい。
【0008】
一方、本発明の他の実施形態に係る階層化構造物は、少なくとも1つ以上の第3ブロック(block)が互いに結合した第1構造物の外部にナノ(nano)スケール領域の特性長さを有する少なくとも1つ以上の第4ブロックが結合したものであってもよい。
【0009】
前記特性長さは1nm〜100nmの範囲に属してもよい。
一方、本発明の他の実施形態に係る階層化構造物の製造方法は、(a)第1母材(substrate)上に第1基地(matrix)を形成する段階と、(b)前記第1基地上にナノ(nano)スケール領域の特性長さを有する少なくとも1つ以上のナノオブジェクト(object)を第1パターンで配列する段階と、(c)前記(b)段階の第1パターン上に第2基地を形成する段階と、(d)前記第1母材を分離して第1ブロックを形成する段階と、(e)第2母材上に少なくとも1つ以上の前記第1ブロックを第2パターンで配列する段階と、(f)前記(e)段階の第2パターン上に第3基地を形成する段階と、(g)前記第2母材を分離して第2ブロックを形成する段階とを含む。
【0010】
前記第1基地または第2基地はポリマーまたは金属からなってもよい。
前記特性長さは1nm〜100nmの範囲に属してもよい。
前記ナノオブジェクトは、量子ドット(quantum dot)、ナノスフェア(nano sphere)、ナノ粒子(nano particle)、ナノチューブ(nano tube)、ナノワイヤー(nano wire)、およびナノスケール領域の線パターン(line pattern)のうちより選択されたいずれか1つであってもよい。
【0011】
前記パターンは、光学リソグラフィ(lithography)、ソフト(soft)リソグラフィ、ホログラフィック(holographic)リソグラフィ、ナノインプリント(imprint)、シャドーマスク(shadow mask)、および金属トランスファプリンティング(transfer printing)方法のうちより選択されたいずれか1つの方法によって形成されてもよい。
【0012】
前記(a)段階は、(a1)前記第1基地を形成する前に前記第1母材上に犠牲層を形成する段階をさらに含んでもよい。
前記(d)段階は、(d1)前記第2基地上にフォトレジストパターンまたは無機物パターンを形成した後にエッチングする段階と、(d2)前記フォトレジストパターンまたは無機物パターンを除去する段階とを含んでもよい。
前記フォトレジストパターンまたは無機物パターンは光学リソグラフィまたはインプリントリソグラフィ方法を用いて形成してもよい。
前記(e)段階は、前記第1ブロックをチャック(chuck)を用いて前記第2母材上に付着する段階を含んでもよい。
前記(e)段階は、前記第1ブロックを配列する前に前記第2母材上に粘着強化層を形成する段階をさらに含んでもよい。
【0013】
前記粘着強化層は自己組織化単分子層(Self−Assembled Monolayer)またはポリマー接着剤層が適用されてもよい。
前記第2ブロックの大きさは前記第1ブロックの大きさよりも5倍〜100倍大きく形成されてもよい。
【0014】
一方、本発明の他の実施形態に係る階層化構造物の製造方法は、(A)ナノスケール領域の特性長さを有する少なくとも1つ以上の第3ブロックおよび前記第3ブロックの大きさよりも大きい少なくとも1つ以上の第4ブロックを形成する段階と、(B)第3母材(substrate)上に前記第4ブロックを付着し、前記第4ブロック上に前記第3ブロックを付着する段階と、(C)前記第3母材を分離する段階とを含む。
【0015】
前記第4ブロックの大きさは前記第3ブロックの大きさよりも5倍〜100倍大きく形成されてもよい。
前記(B)段階は、前記第4ブロックまたは第3ブロックをチャック(chuck)を用いて前記第3母材または第4ブロック上に付着する段階を含んでもよい。
前記(B)段階は、前記第4ブロックを付着する前に前記第3母材上に粘着強化層を形成する段階を含んでもよい。
前記粘着強化層は自己組織化単分子層(Self−Assembled Monolayer)またはポリマー接着剤層が適用されてもよい。
【発明の効果】
【0016】
本発明の実施形態による効果は、大きく3つに区分することができる。
第1に、ナノスケール領域で発生する優れた特性を巨視的なスケール領域の構造物でも活用することができる方法を提供する。第2に、スケールの大きさが互いに異なる構造物を相違したスケールの大きさに関係なく容易に連係(Interconnect or Interface)することができる方法を提供する。第3に、従来技術では製造することが困難であった3次元的な形状を含む部品を容易に製造することができる方法を提供する。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】人間の腱で発見される階層構造の例を示す模式図である。
【図2】ヤモリ(Gecko)トカゲの足裏に形成された階層構造の例を示す写真である。
【図3】本発明の一実施形態によって製造される構造に関する例示図である。
【図4】本発明の第1実施形態に係る階層化構造物の製造工程を説明するための模式図である。
【図5】図4のレベル1工程において基地(matrix)内に配列されるナノオブジェクト(object)の多様な例を示す模式図である。
【図6】本発明の第2実施形態に係る階層化構造物を概略的に示す模式図である。
【図7】本発明の第1実施形態に係る階層化構造物の製造方法のうちのレベル1工程を示す工程図である。
【図8】本発明の第1実施形態に係る階層化構造物の製造方法のうちのレベル1工程後のレベル1ブロックを製造する工程を示す工程図である。
【図9】本発明の第1実施形態に係る階層化構造物の製造方法のうちのレベル2工程を示す工程図である。
【図10】本発明の第2実施形態に係る階層化構造物の製造工程を示す工程図である。
【図11】本発明の第3実施形態に係る階層化構造物の製造方法のうちのレベル1工程を示す工程図である。
【図12】本発明の第3実施形態に係る階層化構造物の製造方法のうちのレベル1工程後のレベル1ブロックを製造する工程を示す工程図である。
【図13】本発明の第3実施形態に係る階層化構造物の製造方法のうちのレベル2工程を示す工程図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
本発明を実施するための具体的な内容を説明するに先立ち、本発明の技術的要旨と直接に関連のない構成については、本発明の技術的要旨を乱さない範囲内で省略した。
また、本明細書および特許請求の範囲に用いられた用語や単語は、発明者が自身の発明を最善の方法で説明するために用語の概念を適切に定義できるという原則に立脚し、本発明の技術的な思想に符合する意味と概念で解釈されなければならない。
【0019】
ナノスケール領域で発生する優れた特性を巨視的な構造物に実現することができるという可能性は、最近の自然構造物に対する研究によっても証明された。
図1は、人間の腱で観察される階層構造の例を示す模式図である。
図1に示すような階層構造により、人間の腱(tendon)は優れた強度を示しながらも、外部から印加される極めて大きい変形率を支えることができる。人間の腱だけではなく動物の骨からもこれと類似した階層構造が観察され、これによって動物の骨も極めて優れた破壊靭性を示す。
【0020】
このような優れた破壊靭性は、人間の腱または動物の骨の内部に存在し得る欠陥にかかわらずに階層構造が外部の衝撃を弱化させるためであるという事実が明らかになり、このような階層構造は、図1に示したように、ナノスケール領域の基本構造が6段階または7段階まで連続して積層された構造である。
【0021】
階層構造によって優れた特性が発現する他の例として、ヤモリ(Gecko)トカゲの足裏に形成された階層構造の例を図2に示した。
【0022】
ヤモリトカゲは、図2に示すような階層構造を用いてナノスケール領域で発生するファンデルワールス力を巨視的なスケール領域まで増幅させる。これにより、ヤモリトカゲは、建物の天井やガラス窓などでも自由に往来することができる粘着力を得る。
【0023】
ナノスケール領域におけるファンデルワールス(Van der Waals)力による粘着力の大きさは極めて小さいが、階層構造によって巨視的なスケール領域に拡張されることによって粘着力の大きさを幾何級数的に増加することができる。これにより、体重が数百グラムに過ぎないヤモリトカゲが建物の天井やガラス窓などに自分の体を付着させる粘着力が発生する。
【0024】
従来にはこのような階層構造を人工的に製造する技術が存在しなかったが、本発明の実施形態によれば優れた特性、すなわち優れた破壊靭性または粘着力を実現する人工的な階層構造を製造することができる。
【0025】
また、本発明の実施形態は、スケールが互いに異なる構造物をスケールに関係なく容易に連係することができる方法を提供する。
【0026】
ナノ技術の発展に伴ってナノスケール領域の構造物、すなわちナノチューブまたはナノワイヤーなどを用いてナノスケール領域のトランジスタまたは各種NEMS(Nano−Electro−Mechanical−System)などを実現する技術が開発されているが、ナノスケール領域の構造物を巨視的なスケール領域の構造物と連係する技術はまったく存在しない実情にある。
【0027】
本発明の実施形態によれば、このようなナノスケール領域の構造物を日常生活で使用する製品と連係することができる。
【0028】
例えば、本発明の実施形態に係る階層化構造物を用いて図3に示す構造を製造してもよい。すなわち、図3において、数十マイクロメータ以上のスケール領域に該当する上段のシリコンMEMS(microelectromechanical systems)と、数マイクロメータ以下のスケール領域に該当する中央の金属導線(interconnect line)と、極めて高い測定敏感度を示して数十ナノメートル水準のスケール領域に該当する下段のナノワイヤーセンサとを連係した製品を製造してもよい。
【0029】
図3において、各レベル間の電気的な連結のために、粘着力増加層の素材を慎重に選択してもよく、粘着力増加層を用いなくてもよい。粘着力増加層を用いなければ、プラズマ(plasma)処理技術などの表面処理技術を適用して粘着力を増加させることができる。これについては詳しく後述する。
【0030】
一方、本発明の実施形態は、従来技術では製造することが困難であった3次元的な形状を含む部品を容易に製造することができる方法を提供する。
3次元部品を製造する方式は大きく、Additive方式とSubtractive方式に分類してもよい。Additive方式は基本ブロックを積層したり組み立てて3次元部品を製造する方式であって、ステレオリソグラフィ(stereo lithography)またはレーザ焼結(sintering)などを例示してもよい。この反面、Subtractive方式は巨大構造物を段階的に切削して所望する形状を実現する方式であって、ミリング加工、ダイ加工、放電加工、または光学リソグラフィなどを例示してもよい。
【0031】
本発明の実施形態は、従来のAdditive方式とは異なる概念のAdditive方式の製造方法であって、図3に示すように、レベル別に構造物を積層したり組み立てて3次元部品を製造する方法を提供する。本発明の実施形態に係る製造方法を用いれば、従来のAdditive方式では製造することができなかった構造物、例えばConformal Cooling Moldのように内部に複雑な流動チャネルを含む構造物を製造することができ、多様なスケール領域のブロックを用いることによって従来のAdditive方式よりも生産性を向上させながら、パターン分解能も向上させることができる。
【0032】
従来のAdditive方式は一定の大きさの基本構造物を積層する方式であって、基本構造物の大きさが増加することによって生産速度は基本構造物の体積、すなわち基本構造物の大きさの3乗に比例して増加する。この反面、本発明の実施形態によって階層化されたレベル別に基本ブロックを積層する場合、微細なパターン変化がない部分はスケールが大きい基本ブロックを用いて構造物を製造し、微細なパターン変化がある部分はスケールが小さい基本ブロックを用いることによって生産速度を大きく向上させることができる。
【0033】
さらに、従来のAdditive方式の大部分は表面分解能が良くなく、後処理(研磨(polishing)または仕上げ機械加工)工程を含むが、本発明の実施形態によれば、最小スケール領域の基本ブロックの大きさを減少させて構造物の加工分解能を向上させることができ、後処理工程を最少化したり省略することができる。
【0034】
以下、本発明の多様な実施形態に係る階層化構造物およびその製造方法について、添付の図面を参照しながら詳しく説明する。
【0035】
図4は、本発明の第1実施形態に係る階層化構造物の製造工程を説明するための模式図である。
図4を参照すれば、レベル1工程では、母材(substrate)12上に基地(matrix)14と共にナノスケール領域の特性長さ(例えば、Wl)を有するナノオブジェクト(object)16を配列する。
【0036】
ナノオブジェクト16は、図5に示すように、0次元、1次元、または2次元のナノオブジェクトであってもよい。ナノオブジェクト16が主に点、線、または面のうちのいずれの観点によって規定されるかにより、便宜上、0次元、1次元、または2次元ナノオブジェクトに区分することにする。図5の(a)を参照すれば、0次元ナノオブジェクト160としては、量子ドット(quantum dot)、ナノスフェア(nano sphere)、またはナノ粒子(nano particle)などがある。図5の(b)を参照すれば、1次元ナノオブジェクト161としては、ナノチューブ(nano tube)、ナノワイヤー(nano wire)、またはナノスケール領域の線パターン(line pattern)などがある。図5の(c)を参照すれば、2次元ナノオブジェクト162は、ナノスケール領域で意味のある厚さを有するナノオブジェクトを意味する。
【0037】
ナノオブジェクト16、160、161、162を配列する方法は、ナノオブジェクト16、160、161、162が任意的な(randomly)分布を有するように基地14内に分散させる方法と、ナノオブジェクト16、160、161、162が3次元空間で周期的なパターンを有するようにしたり予め設定された位置に分布するように配列する方法とに分類してもよい。任意的な分布を有するように分散させるためには、通常の方法、すなわちナノ粒子基盤の複合材を製造する方法などを用いることができ、周期的なパターンを有するようにしたり予め設定された位置に分布するように配列する方法については詳しく後述する。
【0038】
図4を参照するとき、レベル2工程では、一定の形態と大きさを有するように形成されたナノスケール領域のレベル1ブロック10を3次元空間内に配列してレベル2ブロック20を実現する。レベル3工程では、一定の形態と大きさを有するレベル2ブロック20を3次元空間内に配列してレベル3ブロック30を実現する。必要な場合、同じ方法によってレベル4ブロック、レベル5ブロックなどを段階的に実現してもよいことはもちろんだ。
【0039】
レベル2ブロック20のスケール領域(Wlll)はレベル1ブロック10のスケール領域(Wll)よりも極めて大きく、レベル2ブロック20のスケール領域(Wlll)がレベル1ブロック10のスケール領域(Wll)の5倍〜100倍よりも大きく形成されてもよい。これは、レベル3ブロック30とレベル2ブロック20の間においても同じであり、これにより、レベルが増加することによってレベル別のブロックの大きさは次第に増加し、最終的に巨視的なスケール領域の構造物を構成することが容易となる。
【0040】
図6は、本発明の第2実施形態に係る階層化構造物を概略的に示す模式図である。
本発明の第2実施形態に係る階層化構造物は、図6に示すように、最もスケールが大きいレベル(図6ではレベル4)のブロックを先ず組み立て、次第にスケールが小さいレベルのブロックを組み立てる方式によって製造してもよい。図6において、レベル4は1個のレベル4ブロック140で構成され、レベル3は4個のレベル3ブロック130で構成され、レベル2は12個のレベル2ブロック120で構成され、レベル1は48個のレベル1ブロック110で構成されることが確認される。もちろん、本発明がこのような個数に限定されるものではない。
【0041】
図6のレベル1では、図4と同じように、図5に示すような多様なナノオブジェクトをそれぞれのレベル1ブロック110の基地内に配列してもよい。図6に示すような階層化構造物を製造する詳細な工程については後述して説明する。
【0042】
以下、図4に示すような本発明の第1実施形態に係る階層化構造物を製造する方法について説明する。便宜上、ナノオブジェクト16は金属ナノパターンであり、基地14はポリマー(polymer)であるものと設定して説明するが、本発明がこれに限定されるものではない。一例として、基地14としてはポリマーだけではなく金属を用いることもでき、図11〜図13には基地とナノオブジェクトの素材として互いに異なる種類の異種金属を用いた階層化構造物の製造工程を示した。
【0043】
図7は、本発明の第1実施形態に係る階層化構造物の製造方法のうちのレベル1工程を示す工程図である。
先ず、母材12に犠牲層13を蒸着する(S11)。段階S11の犠牲層13の機能は、完成したレベル1ブロック10が以後にエッチング(etching)によって母材12から円滑に分離するようにするものである。犠牲層13の素材は、エッチング感度(selectivity)が基地14であるポリマーよりも大きい素材であることが好ましい。
【0044】
次に、前記犠牲層13上に基地14としてポリマーをスピンコーティングする(S12)。段階S12の基地14のポリマーの種類はスピンコーティングが可能なものであれば問題なく、通常はスピンコーティング条件に応じて厚さを精巧に制御してもよい。
【0045】
次に、前記ポリマー基地14上にナノオブジェクト16である金属ナノパターンを形成する(S13)。段階S13において、ナノオブジェクト16である金属ナノパターンは通常の方法を用いて形成してもよい。例えば、光学リソグラフィを用いる方法、ナノインプリント(Imprint)またはソフトリソグラフィ(Soft Lithography)を用いる方法、シャドーマスク(Shadow Mask)方法、または金属トランスファプリンティング(Transfer Printing)方法などを用いることができる。
【0046】
その他に、ホログラフィックリソグラフィ(Holographic Lithography)方法を用いれば、ナノオブジェクト16である金属ナノパターンの積層工程がなくてもレベル1工程を容易に実行することができ、多様な形状のナノオブジェクト16を3次元的にさらに周期的に配列してもよい。しかしながら、この場合、最小構造物、すなわちレベル1ブロック10の大きさは100nm以上でなければならず、使用可能な素材に制約がある。
【0047】
次に、前記形成されたナノオブジェクト16を覆うようにポリマー基地14をスピンコーティングし(S14)、その上に金属ナノパターンを形成し(S15)、このように形成された金属ナノパターンを覆うように再びポリマー基地14をスピンコーティングによって形成する(S16)。
【0048】
所望する個数のナノオブジェクト16層を形成するために前記段階S13と段階S14を反復してもよく(S17)、これによってレベル1工程が完了する(S18)。
一方、図11は、本発明の第3実施形態に係る階層化構造物の製造方法のうちのレベル1工程を示す工程図である。
【0049】
図11では、レベル1ブロック11の基地15としてポリマーの代わりに異種金属を用いる場合を示しており、基地15がナノオブジェクト17とは異種の金属であるという点を除いては図7に示す工程と全体的に類似している。
【0050】
図8は、本発明の第1実施形態に係る階層化構造物の製造方法のうちのレベル1工程後のレベル1ブロックを製造する工程を示す工程図である。
図8を参照すれば、先ずレベル1工程で製作されたパターンを準備し(S21)、前記パターンにフォトレジスト(photoresist、PR)51コーティングを行った後(S22)、リソグラフィ工程を行う(S23)。段階S23のリソグラフィは通常の光学リソグラフィまたはインプリントリソグラフィなどであってもよい。
【0051】
次に、段階S23によって形成されたフォトレジスト51パターンを用いてポリマー基地14をエッチングし(S24)、ポリマー基地14の種類に応じてフォトレジスト51パターンの代わりに無機物パターンをエッチングマスク(etch mask)で形成してエッチングすることもできる。フォトレジスト51パターンの代わりに無機物パターンをエッチングマスクに用いる場合には、段階S22のフォトレジスト51スピンコーティングの代わりに金属(WまたはTiなど)または酸化物(SiO2など)などの無機物層蒸着工程が必要となり、段階S23のリソグラフィによって無機物層にパターンを形成する。
【0052】
追加的に、段階S23は、レイヤー(layer)蒸着、パターニング、またはエッチングなどの工程を含むことができる。このような追加的な工程は、半導体製造に関連する技術分野において通常の知識を有する者であれば容易に把握することができるため、詳細な説明は省略する。
【0053】
最終的に、フォトレジスト51パターンまたは無機物パターンと犠牲層13を除去するようになれば(S25)、レベル1ブロック10が得られる(S26)。
【0054】
前記レベル1ブロック10と母材12の間の犠牲層13素材は、段階S22のフォトレジスト51または無機物層と同じであってもよく、相違してもよい。同じ素材である場合には1つの工程でフォトレジスト51と犠牲層13を除去することができるため、相違する素材である場合よりもエッチング工程が単純である。
【0055】
一方、図12は、本発明の第3実施形態に係る階層化構造物の製造方法のうちのレベル1工程後のレベル1ブロックを製造する工程を示す工程図である。
図12では、レベル1ブロック11の基地15としてポリマーの代わりに異種金属を用いることを示しており、基地15がナノオブジェクト17とは異種の金属であるという点を除いては図8に示す工程と全体的に類似している。
【0056】
図9は、本発明の第1実施形態に係る階層化構造物の製造方法のうちのレベル2工程を示す工程図である。
図9を参照すれば、先ずダミー(dummy)母材22上に製造されたレベル1ブロック10を準備し(S31)、チャック(chuck)45を用いて前記レベル1ブロック10を一括的に引き離す(S32)。前記チャック45としては半導体関連工程で通常用いる静電チャック(electrostatic chuck)またはポリマーチャックなどを用いることができる。
【0057】
レベル1ブロック10とダミー母材22の間の酸化物層が既にエッチングされた状態であるため、レベル1ブロック10とダミー母材22の間の粘着力は極めて低い。したがって、チャック45を用いてレベル1ブロック10を比較的に容易に引き離すことができる。
【0058】
次に、引き離したレベル1ブロック10を目標母材(target substrate)32上に移送する(S33)。
このとき、チャック45とレベル1ブロック10の間の粘着力は能動的に制御することが好ましい。すなわち、レベル1ブロック10をダミー母材22から引き離すときには、チャック45とレベル1ブロック10の間の粘着力が増加しなければならず、レベル1ブロック10を目標母材32上に移送するときには、チャック45とレベル1ブロック10の間の粘着力が減少することが好ましい。
【0059】
静電チャックを用いる場合には、チャック45に加えられる電圧を制御することによって粘着力を制御することができ、ポリマーチャックを用いる場合には、チャック45の変形速度を制御することによって粘着力を制御することができる。
【0060】
チャック45の粘着力を制御することだけでレベル1ブロック10を目標母材32上に付着することが困難であれば、粘着強化層を段階S33前に目標母材32上に形成してもよい。粘着強化層としてはGycidoxypropyl Trimethory Silane(GPT)、Acryloxypropyl Methyl Dichloro Silane(APMDS)、またはAminopropyl Triethoxy Silane(APTS)などの自己組織化単分子層(self−assembled monolayer)、またはナノスケール領域の厚さを有するポリマー接着剤層などを用いてもよい。
【0061】
次に、ポリマー層24を前記レベル1ブロック10を覆うようにスピンコーティングし(S34)、さらに他のレベル1ブロック10’を前記ポリマー層24上に付着する(S35)。段階S35は段階S33と同じようにチャック45を用いて実行してもよい。必要に応じて段階S34と段階S35を一定の回数だけ反復してもよく(S36)、これによってレベル2工程を完了する(S37)。
【0062】
前記レベル2工程後のレベル2ブロック20を製造する工程は、図8に示すレベル1ブロック10製造工程と類似している。ただし、レベル1ブロック10に比べてレベル2ブロック20はその大きさが極めて大きいという点が相違している。製造されたレベル2ブロック20を用いたレベル3工程は、図9に示すレベル2工程と類似している。
【0063】
図13は、本発明の第3実施形態に係る階層化構造物の製造方法のうちのレベル2工程を示す工程図である。
図13では、レベル1ブロック11の基地25としてポリマーの代わりに異種金属を用いることを示しており、基地25が異種金属であるという点を除いては図9に示す工程と全体的に類似している。
【0064】
図10は、本発明の第2実施形態に係る階層化構造物の製造工程を示す工程図である。図10を参照しながら、図6に示す本発明の第2実施形態に係る階層化構造物を製造する方法について説明する。
【0065】
上述のように、図4に示す第1実施形態に係る階層化構造物を製造する工程では、スケールが小さいブロックからそれよりもスケールが大きいブロックに順に製造する反面、以下の第2実施形態に係る階層化構造物の製造方法は、スケールが大きいブロックから先に目標母材上に形成し、順にそれよりも小さいブロックを大きいブロック上に形成するという点において相違している。また、上述した第1実施形態に係る階層化構造物の製造方法は、スケールが小さいブロックを製造した後に次第にそれよりも大きいブロックを順に製造しなければならない反面、以下の図6に示す第2実施形態に係る階層化構造物の製造方法は、階層別の基本ブロック間の製造順序には制約がない。
【0066】
図6に示す第2実施形態に係る階層化構造物を製造するために、先ず階層別の基本ブロック110、120、130をそれぞれのダミー母材210、220、230上に形成する(S41)。このとき、階層別の基本ブロック110、120、130は生産工程に対して依存性がないため、個別的にそれぞれの階層別基本ブロック110、120、130を製造してもよい。この反面、第1実施形態に係る階層化構造物の製造工程では、階層別の基本ブロックはその以前工程の基本ブロックを用いて製造されるため、階層別にそれぞれの基本ブロックを製造するためには順に工程を進行しなければならない。
【0067】
本実施形態において、階層別の基本ブロック110、120、130の製造には上述した光学またはインプリントリソグラフィ技術を用いてもよく、シャドーマスク方法や金属トランスファプリンティング方法を適用してもよい。
【0068】
次に、階層別に製造された基本ブロック110、120、130のうちで最も大きさが大きいブロック(ブロック130)をダミー母材230から引き離す(S42)。段階S42で用いるチャック45は図9の場合と同じである。
【0069】
ダミー母材210、220、230から引き離したブロックを目標母材235上に付着するために、粘着強化層を蒸着してもよい(S43)。同じように、図9の段階S33前に蒸着する粘着強化層を用いてもよい。
【0070】
この後、チャック45に付着したブロック130を粘着強化層が蒸着した目標母材235と接触させて目標母材235上に付着させる(S44)。
その後、段階S42〜段階S44と類似するように、それよりも小さい大きさのブロック110、120を目標母材235上に移送して付着させる(S45、S46)。必要に応じて同じレベルのブロックを積層する段階を何度か反復して進行してもよい。
【0071】
以上、本発明の技術的な思想を例示するための好ましい実施形態と関連して説明して図示したが、本発明はこのように図示されて説明されたそのままの構成および作用にのみ限定されるものではなく、技術的思想の範疇を逸脱せずに本発明に対して多数の変更および修正が可能であることを当業者はよく理解できるはずである。したがって、このようなすべての適切な変更および修正と均等物も本発明の範囲に属するものと見なさなければならない。
【符号の説明】
【0072】
10、11、110: レベル1ブロック
12: 母材
13: 犠牲層
14、15、25: 基地
16、17、160、161、162: ナノオブジェクト
20、120: レベル2ブロック
24: ポリマー層
30、130: レベル3ブロック
45: チャック
51: フォトレジスト
140: レベル4ブロック
22、210、220、230: ダミー母材
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1ブロックの第1基地にナノ(nano)スケール領域の特性長さを有する少なくとも1つ以上のナノオブジェクト(object)が第1パターンで配列され、第2ブロックの第2基地(matrix)に少なくとも1つ以上の前記第1ブロックが第2パターン(pattern)で配列されたことを特徴とする階層化構造物。
【請求項2】
前記第1基地または第2基地はポリマー(polymer)または金属であることを特徴とする請求項1に記載の階層化構造物。
【請求項3】
前記特性長さは1nm〜100nmの範囲に属することを特徴とする請求項1に記載の階層化構造物。
【請求項4】
前記ナノオブジェクトは、量子ドット(quantum dot)、ナノスフェア(nano sphere)、ナノ粒子(nano particle)、ナノチューブ(nano tube)、ナノワイヤー(nano wire)、およびナノスケール領域の線パターン(line pattern)のうちより選択されたいずれか1つであることを特徴とする請求項1に記載の階層化構造物。
【請求項5】
前記第1パターンは、光学リソグラフィ(lithography)、ソフトリソグラフィ、ホログラフィック(holographic)リソグラフィ、ナノインプリント(nanoimprint)、シャドーマスク(shadow mask)、および金属トランスファプリンティング(transfer printing)方法のうちより選択されたいずれか1つの方法によって形成されたことを特徴とする請求項1に記載の階層化構造物。
【請求項6】
前記第2ブロックの大きさは前記第1ブロックの大きさよりも5倍〜100倍大きいことを特徴とする請求項1に記載の階層化構造物。
【請求項7】
少なくとも1つ以上の第3ブロックが互いに結合した第1構造物の外部にナノスケール領域の特性長さを有する少なくとも1つ以上の第4ブロックが結合したことを特徴とする階層化構造物。
【請求項8】
前記特性長さは1nm〜100nmの範囲に属することを特徴とする請求項7に記載の階層化構造物。
【請求項9】
階層化構造物の製造方法において、
(a)第1母材(substrate)上に第1基地(matrix)を形成する段階;
(b)前記第1基地上にナノ(nano)スケール領域の特性長さを有する少なくとも1つ以上のナノオブジェクト(object)を第1パターンで配列する段階;
(c)前記(b)段階の第1パターン上に第2基地を形成する段階;
(d)前記第1母材を分離して第1ブロックを形成する段階;
(e)第2母材上に少なくとも1つ以上の前記第1ブロックを第2パターンで配列する段階;
(f)前記(e)段階の第2パターン上に第3基地を形成する段階;および
(g)前記第2母材を分離して第2ブロックを形成する段階を含む階層化構造物の製造方法。
【請求項10】
前記第1基地または第2基地はポリマー(polymer)または金属であることを特徴とする請求項9に記載の階層化構造物の製造方法。
【請求項11】
前記特性長さは1nm〜100nmの範囲に属することを特徴とする請求項9に記載の階層化構造物の製造方法。
【請求項12】
前記ナノオブジェクトは、量子ドット(quantum dot)、ナノスフェア(nano sphere)、ナノ粒子(nano particle)、ナノチューブ(nano tube)、ナノワイヤー(nano wire)、およびナノスケール領域の線パターン(line pattern)のうちのいずれか1つであることを特徴とする請求項9に記載の階層化構造物の製造方法。
【請求項13】
前記第1パターンは、光学リソグラフィ(lithography)、ソフトリソグラフィ、ホログラフィック(holographic)リソグラフィ、ナノインプリント(nanoimprint)、シャドーマスク(shadow mask)、および金属トランスファプリンティング(transfer printing)方法のうちのいずれか1つの方法によって形成されたことを特徴とする請求項9に記載の階層化構造物の製造方法。
【請求項14】
前記(a)段階は、
(a1)前記第1基地を形成する前に前記第1母材上に犠牲層を形成する段階をさらに含むことを特徴とする請求項9に記載の階層化構造物の製造方法。
【請求項15】
前記(d)段階は、
(d1)前記第2基地上にフォトレジストパターンまたは無機物パターンを形成した後にエッチングする段階;および
(d2)前記フォトレジストパターンまたは無機物パターンを除去する段階を含むことを特徴とする請求項9に記載の階層化構造物の製造方法。
【請求項16】
前記フォトレジストパターンまたは無機物パターンは光学リソグラフィまたはインプリントリソグラフィ方法を用いて形成することを特徴とする請求項15に記載の階層化構造物の製造方法。
【請求項17】
前記(e)段階は、
前記第1ブロックをチャック(chuck)を用いて前記第2母材上に付着する段階を含むことを特徴とする請求項9に記載の階層化構造物の製造方法。
【請求項18】
前記(e)段階は、
前記第1ブロックを配列する前に前記第2母材上に粘着強化層を形成する段階をさらに含むことを特徴とする請求項9に記載の階層化構造物の製造方法。
【請求項19】
前記粘着強化層は自己組織化単分子層(self−assembled monolayer)またはポリマー接着剤層であることを特徴とする請求項18に記載の階層化構造物の製造方法。
【請求項20】
前記第2ブロックの大きさは前記第1ブロックの大きさよりも5倍〜100倍大きいことを特徴とする請求項9に記載の階層化構造物の製造方法。
【請求項21】
階層化構造物の製造方法であって、
(A)ナノスケール領域の特性長さを有する少なくとも1つ以上の第3ブロックおよび前記第3ブロックの大きさよりも大きい少なくとも1つ以上の第4ブロックを形成する段階;
(B)第3母材(substrate)上に前記第4ブロックを付着し、前記第4ブロック上に前記第3ブロックを付着する段階;および
(C)前記第3母材を分離する段階を含む階層化構造物の製造方法。
【請求項22】
前記第4ブロックの大きさは前記第3ブロックの大きさよりも5倍〜100倍大きいことを特徴とする請求項21に記載の階層化構造物の製造方法。
【請求項23】
前記(B)段階は、前記第4ブロックまたは第3ブロックをチャック(chuck)を用いて前記第3母材または第4ブロック上に付着する段階を含むことを特徴とする請求項21に記載の階層化構造物の製造方法。
【請求項24】
前記(B)段階は、前記第4ブロックを付着する前に前記第3母材上に粘着強化層を形成する段階を含むことを特徴とする請求項21に記載の階層化構造物の製造方法。
【請求項25】
前記粘着強化層は自己組織化単分子層(self−assembled monolayer)またはポリマー接着剤層であることを特徴とする請求項24に記載の階層化構造物の製造方法。
【請求項1】
第1ブロックの第1基地にナノ(nano)スケール領域の特性長さを有する少なくとも1つ以上のナノオブジェクト(object)が第1パターンで配列され、第2ブロックの第2基地(matrix)に少なくとも1つ以上の前記第1ブロックが第2パターン(pattern)で配列されたことを特徴とする階層化構造物。
【請求項2】
前記第1基地または第2基地はポリマー(polymer)または金属であることを特徴とする請求項1に記載の階層化構造物。
【請求項3】
前記特性長さは1nm〜100nmの範囲に属することを特徴とする請求項1に記載の階層化構造物。
【請求項4】
前記ナノオブジェクトは、量子ドット(quantum dot)、ナノスフェア(nano sphere)、ナノ粒子(nano particle)、ナノチューブ(nano tube)、ナノワイヤー(nano wire)、およびナノスケール領域の線パターン(line pattern)のうちより選択されたいずれか1つであることを特徴とする請求項1に記載の階層化構造物。
【請求項5】
前記第1パターンは、光学リソグラフィ(lithography)、ソフトリソグラフィ、ホログラフィック(holographic)リソグラフィ、ナノインプリント(nanoimprint)、シャドーマスク(shadow mask)、および金属トランスファプリンティング(transfer printing)方法のうちより選択されたいずれか1つの方法によって形成されたことを特徴とする請求項1に記載の階層化構造物。
【請求項6】
前記第2ブロックの大きさは前記第1ブロックの大きさよりも5倍〜100倍大きいことを特徴とする請求項1に記載の階層化構造物。
【請求項7】
少なくとも1つ以上の第3ブロックが互いに結合した第1構造物の外部にナノスケール領域の特性長さを有する少なくとも1つ以上の第4ブロックが結合したことを特徴とする階層化構造物。
【請求項8】
前記特性長さは1nm〜100nmの範囲に属することを特徴とする請求項7に記載の階層化構造物。
【請求項9】
階層化構造物の製造方法において、
(a)第1母材(substrate)上に第1基地(matrix)を形成する段階;
(b)前記第1基地上にナノ(nano)スケール領域の特性長さを有する少なくとも1つ以上のナノオブジェクト(object)を第1パターンで配列する段階;
(c)前記(b)段階の第1パターン上に第2基地を形成する段階;
(d)前記第1母材を分離して第1ブロックを形成する段階;
(e)第2母材上に少なくとも1つ以上の前記第1ブロックを第2パターンで配列する段階;
(f)前記(e)段階の第2パターン上に第3基地を形成する段階;および
(g)前記第2母材を分離して第2ブロックを形成する段階を含む階層化構造物の製造方法。
【請求項10】
前記第1基地または第2基地はポリマー(polymer)または金属であることを特徴とする請求項9に記載の階層化構造物の製造方法。
【請求項11】
前記特性長さは1nm〜100nmの範囲に属することを特徴とする請求項9に記載の階層化構造物の製造方法。
【請求項12】
前記ナノオブジェクトは、量子ドット(quantum dot)、ナノスフェア(nano sphere)、ナノ粒子(nano particle)、ナノチューブ(nano tube)、ナノワイヤー(nano wire)、およびナノスケール領域の線パターン(line pattern)のうちのいずれか1つであることを特徴とする請求項9に記載の階層化構造物の製造方法。
【請求項13】
前記第1パターンは、光学リソグラフィ(lithography)、ソフトリソグラフィ、ホログラフィック(holographic)リソグラフィ、ナノインプリント(nanoimprint)、シャドーマスク(shadow mask)、および金属トランスファプリンティング(transfer printing)方法のうちのいずれか1つの方法によって形成されたことを特徴とする請求項9に記載の階層化構造物の製造方法。
【請求項14】
前記(a)段階は、
(a1)前記第1基地を形成する前に前記第1母材上に犠牲層を形成する段階をさらに含むことを特徴とする請求項9に記載の階層化構造物の製造方法。
【請求項15】
前記(d)段階は、
(d1)前記第2基地上にフォトレジストパターンまたは無機物パターンを形成した後にエッチングする段階;および
(d2)前記フォトレジストパターンまたは無機物パターンを除去する段階を含むことを特徴とする請求項9に記載の階層化構造物の製造方法。
【請求項16】
前記フォトレジストパターンまたは無機物パターンは光学リソグラフィまたはインプリントリソグラフィ方法を用いて形成することを特徴とする請求項15に記載の階層化構造物の製造方法。
【請求項17】
前記(e)段階は、
前記第1ブロックをチャック(chuck)を用いて前記第2母材上に付着する段階を含むことを特徴とする請求項9に記載の階層化構造物の製造方法。
【請求項18】
前記(e)段階は、
前記第1ブロックを配列する前に前記第2母材上に粘着強化層を形成する段階をさらに含むことを特徴とする請求項9に記載の階層化構造物の製造方法。
【請求項19】
前記粘着強化層は自己組織化単分子層(self−assembled monolayer)またはポリマー接着剤層であることを特徴とする請求項18に記載の階層化構造物の製造方法。
【請求項20】
前記第2ブロックの大きさは前記第1ブロックの大きさよりも5倍〜100倍大きいことを特徴とする請求項9に記載の階層化構造物の製造方法。
【請求項21】
階層化構造物の製造方法であって、
(A)ナノスケール領域の特性長さを有する少なくとも1つ以上の第3ブロックおよび前記第3ブロックの大きさよりも大きい少なくとも1つ以上の第4ブロックを形成する段階;
(B)第3母材(substrate)上に前記第4ブロックを付着し、前記第4ブロック上に前記第3ブロックを付着する段階;および
(C)前記第3母材を分離する段階を含む階層化構造物の製造方法。
【請求項22】
前記第4ブロックの大きさは前記第3ブロックの大きさよりも5倍〜100倍大きいことを特徴とする請求項21に記載の階層化構造物の製造方法。
【請求項23】
前記(B)段階は、前記第4ブロックまたは第3ブロックをチャック(chuck)を用いて前記第3母材または第4ブロック上に付着する段階を含むことを特徴とする請求項21に記載の階層化構造物の製造方法。
【請求項24】
前記(B)段階は、前記第4ブロックを付着する前に前記第3母材上に粘着強化層を形成する段階を含むことを特徴とする請求項21に記載の階層化構造物の製造方法。
【請求項25】
前記粘着強化層は自己組織化単分子層(self−assembled monolayer)またはポリマー接着剤層であることを特徴とする請求項24に記載の階層化構造物の製造方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5(a)】
【図5(b)】
【図5(c)】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5(a)】
【図5(b)】
【図5(c)】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【公表番号】特表2011−530416(P2011−530416A)
【公表日】平成23年12月22日(2011.12.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−522015(P2011−522015)
【出願日】平成21年8月24日(2009.8.24)
【国際出願番号】PCT/KR2009/004702
【国際公開番号】WO2010/021528
【国際公開日】平成22年2月25日(2010.2.25)
【出願人】(304059937)コリア・インスティテュート・オブ・マシナリー・アンド・マテリアルズ (27)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成23年12月22日(2011.12.22)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年8月24日(2009.8.24)
【国際出願番号】PCT/KR2009/004702
【国際公開番号】WO2010/021528
【国際公開日】平成22年2月25日(2010.2.25)
【出願人】(304059937)コリア・インスティテュート・オブ・マシナリー・アンド・マテリアルズ (27)
【Fターム(参考)】
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