説明

隔離された反応性材料

【課題】位置選択的化学を実施するための繊維集合体を提供する。
【解決手段】一般に、本発明は、第1の反応性成分を封鎖する第1の繊維と、第2の反応性成分を封鎖する第2の繊維と、を含み、少なくとも第1または第2の繊維は放出剤の存在下で反応性成分を放出し、少なくとも第1または第2の繊維が反応性成分を放出すると、第1および第2の反応性成分が互いに反応して反応生成物を形成する繊維集合体を提供する。また、関連する製造・使用方法を提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、反応性成分を封鎖(sequester)する繊維集合体に関する。また、本発明は、反応性成分を目的位置に供給するために使用することができる繊維集合体に関する。さらに、本発明は、特定の位置で化学作用を発生させる際に使用することができる繊維集合体に関する。
【背景技術】
【0002】
位置選択的化学(site−specific chemistry)に対する需要がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
位置選択的化学は、反応生成物を容易に目標位置に供給することができない多くの用途で有用である。そのような反応生成物の例としては、限定されないが、気相組成物が挙げられる。具体例としては、酸化窒素が挙げられる。気相組成物を目標位置に導入するために、気相反応生成物を生成する反応を目標位置で行なうことができる。したがって、反応性成分が接触および反応して反応生成物を形成できるように、反応性成分を互いに近接して目標位置に供給することができる組成物または方法が求められている。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明は、第1の反応性成分を封鎖する第1の繊維と、第2の反応性成分を封鎖する第2の繊維と、を含み、少なくとも第1または第2の繊維は放出剤の存在下で反応性成分を放出し、少なくとも第1または第2の繊維が反応性成分を放出すると、第1および第2の反応性成分が互いに反応して反応生成物を形成する繊維集合体を提供する。
【0005】
また、本発明は、第1の反応性成分を封鎖する第1の繊維を調製する工程と、第2の反応性成分を封鎖する第2の繊維を調製する工程と、第1および第2の繊維を繊維集合体に含有させる工程と、を含み、少なくとも第1または第2の繊維は、放出剤と接触する際に反応性成分を放出し、少なくとも第1または第2の反応性成分が繊維から放出されると、第1および第2の反応性成分が互いに反応して反応生成物を形成する、繊維集合体の製造方法を提供する。
【0006】
また、本発明は、繊維集合体を用いて患者を治療する工程を含み、繊維集合体は、第1の反応性成分を封鎖する第1の繊維と、第2の反応性成分を封鎖する第2の繊維と、を含み、少なくとも第1または第2の繊維は放出剤の存在下で反応性成分を放出し、少なくとも第1または第2の反応性成分が繊維から放出されると、第1および第2の反応性成分が互いに反応して反応生成物を形成する治療方法を提供する。
【0007】
また、本発明は、ウレタンプレポリマーを封鎖する第1の繊維とジアミンを封鎖する第2の繊維とを有する繊維集合体に放出剤を添加する工程を含み、繊維が放出剤の存在下にある場合に、少なくともウレタンプレポリマーまたはジアミンが繊維から放出され、少なくともウレタンプレポリマーまたはジアミンが繊維から放出されると、ウレタンプレポリマーおよびジアミンが互いに反応してエポキシ系接着剤を形成する、エポキシ系接着剤の製造方法を提供する。
【0008】
さらに、本発明は、第1の反応性成分を封鎖する第1の繊維を含み、第1の反応性成分が放出剤の存在下にある場合に、第1の反応性成分は放出剤と反応して反応生成物を生成
する繊維集合体を提供する。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本発明は概して、反応性成分を封鎖し、放出剤(releasing agent:放出作因)と接触する際に反応性成分を放出する繊維に関する組成物および方法に関する。
【0010】
さらに詳細には、本発明は、反応性成分を封鎖し、放出剤と接触する際に反応性成分を放出する少なくとも1種の繊維を含む組成物に関する。反応性成分は繊維から放出されると、好ましくは別の反応性成分と反応して、(好ましくは特定の用途に合った)反応生成物を形成する。
【0011】
さらに、本発明は、反応性成分を封鎖し、少なくとも1種の繊維が放出剤と接触する際に反応性成分を放出する2種以上の繊維を含む組成物に関する。より具体的には、第1の繊維は第1の反応性成分を封鎖して放出することができ、第2の繊維は第2の反応性成分を封鎖して放出することができる。好ましくは、2種類の繊維が放出剤に接触すると、2種類の反応性成分の両方がそれぞれの繊維から放出され、好ましくは互いに反応して、特定の用途に合った反応生成物を形成する。
【0012】
反応性成分は、反応性成分を機械的に繊維内に拘束したり、化学的に繊維に結合させたり、その他の方法で繊維に付着させたり、あるいはそれらを組み合わせることにより、繊維内に封鎖される。「機械的に繊維内に拘束される」とは、反応性成分が繊維内に物理的に拘束または固定されることを意味する。この意味において、反応性成分は繊維内に完全に包み込まれなくてもよく、反応性成分の一部が繊維の表面に露出していてもよい。
【0013】
簡単に言えば、反応性成分を繊維に付着させる化学結合がある場合、反応性成分は、繊維に化学的に結合されている。
【0014】
本発明の繊維の寸法または調製方法は特に限定されない。例えば、繊維は、特定の直径、長さ、デニール、その他の物理的特性に制限されるものではない。ただし、繊維は好ましくはナノ繊維であり、より好ましくは電界紡糸(electrospun)されたナノ繊維である。また、繊維を製造するために別の調製方法を使用することができ、例えば、ナノ繊維ガスジェット(NGJ)法でナノ繊維を調製する方法が挙げられる。NGJ法は当業者には周知の方法である。
【0015】
繊維によって封鎖される場合、封鎖された反応性成分の有用な物理的形態は特定の形態に限定されない。一方、封鎖された反応性成分は、様々な物理的形態を有することができる。封鎖された反応性成分の有用な物理的形態の例としては、限定されないが、粒子、溶解分子、電界紡糸によって形成された線維状骨格、繊維の表面上の均一なコーティング、リボン、チューブ、ガス充填細孔(gas−filled pore)、流体充填細孔(fluid−filled pore)、イオン交換樹脂ビーズに化学的に結合された化合物、またはそれらの組み合わせが挙げられる。
【0016】
流体充填細孔の形態で封鎖される場合、流体の例としては、限定されないが、ロウ、油、オリゴマー含有流体、低分子量液体、またはそれらの組み合わせが挙げられる。
【0017】
繊維によって封鎖され得る反応性成分の例には、限定されないが、カルボン酸、アスコルビン酸、亜硝酸カリウム、亜硝酸塩、ウレタンプレポリマー、ジアミン、およびジオールが含まれる。
【0018】
単一の繊維によって封鎖することができる反応性成分の数または濃度の上限または下限
は、限定されない。
【0019】
単一の繊維によって封鎖することができる、異なる反応性成分の種類は、特に限定されない。実際には、本発明においては、繊維によって封鎖することができるあらゆる反応性成分を使用することができる。また、単一の繊維によって封鎖することができる、異なる反応性成分の種類の数もまた限定されない。一実施形態では、1種類の反応性成分が単一の繊維によって封鎖される。別の実施形態では、2種類以上の異なる反応性成分が単一の繊維によって封鎖される。
【0020】
対象となる繊維に接触する際に、該繊維から反応性成分を放出させることができるあらゆるものが、放出剤として有用である。使用することができる放出剤は特に限定されない。有用な放出剤の例としては、限定されないが、溶媒、信号伝達物質(signaling substance)、放射線、熱、機械的な力、荷電粒子、電子、磁性粒子、磁場、流動流体による力、静水圧、機械的変形、またはそれらの組み合わせが挙げられる。
【0021】
反応性成分または反応性物質を封鎖する繊維を調製する際に採用することができる方法は特に限定されない。反応性成分は、製造プロセス時または製造プロセス後に、繊維によって封鎖することができる。繊維の製造プロセス時に反応性成分を封鎖する例としては、限定されないが、電界紡糸時に反応性成分を繊維に直接封鎖する方法が挙げられる。この方法は、電界紡糸溶液に反応性成分を直接添加し、得られた溶液を電界紡糸することによって行なわれる。電界紡糸時に、反応性成分は繊維内に封鎖される。電界紡糸およびそのパラメータは公知であり、当業者が適度な実験を行なうことにより、電界紡糸法によって反応性成分を繊維内に封鎖することができる。
【0022】
電界紡糸溶液中の反応性成分の濃度の上限または下限は、特に限定されない。有用な濃度は、当業者が適度な実験を行なうことにより、容易に決定可能である。電界紡糸溶液中の反応性成分の濃度は、繊維によって封鎖される反応性成分の所望の濃度に応じて決定することができる。そして、電界紡糸溶液の濃度は容易に決定することができる。
【0023】
別の実施形態では、ナノ繊維ガスジェット(NGJ)法による繊維製造時に、反応性成分が繊維内に封鎖される。これは、NGJ法に使用される流体混合物に反応性成分を添加することによって行なわれる。NGJ法は公知であり、当業者が過度な実験を行なうことなく、封鎖された反応性成分を有するNGJ繊維を調製することができる。
【0024】
NGJ流体混合物中の反応性成分の濃度の上限または下限は、特に限定されない。
【0025】
有用な濃度は、当業者が適度な実験を行なうことにより容易に決定することができる。NGJ流体混合物中の反応性成分の濃度は、繊維によって封鎖される反応性成分の所望の濃度に応じて決定することができる。NGJ流体混合物の濃度は、容易に決定することができる。
【0026】
本発明の繊維集合体は通常、それぞれが反応性成分を封鎖する少なくとも2種の異なる繊維を有する。より具体的には、第1の繊維が少なくとも第1の種類の反応性成分を封鎖して放出することができ、第2の繊維が少なくとも第2の種類の反応性成分を封鎖して放出することができる。2種類の繊維の両方が放出剤と接触すると、第1および第2の反応性成分が各繊維から放出され、好ましくは互いに反応する。したがって、繊維集合体は、化学的な反応性成分を目標位置に供給するために適している。さらに、繊維からの反応物質の放出は、放出剤に繊維が接触するタイミングによって調節される。
【0027】
繊維集合体の一実施形態では、繊維が反応性成分を放出する際に反応性成分が互いに反
応できるように、好ましくは、第1および第2の繊維が互いに近接するように配置される。少なくとも2種類の繊維を互いに近接して配置させるためには、繊維を織り合わせるか、あるいは各繊維が少なくとも1箇所で互いに接触するように配置させることが好ましい。本発明で採用可能である異なる繊維構造は特に限定されない。繊維を互いに近接して配置させるための好ましい実施形態の例としては、限定されないが、第1の繊維の不織布マットを、第2の繊維の不織布マットと接触させることが挙げられる。より好ましくは、2つの不織布マットを接触させて、重ね合わせる。
【0028】
別の実施形態では、繊維集合体は、第1の反応性成分を封鎖する少なくとも第1の繊維を有する。第1の反応性成分が放出剤の存在下にある場合、第1の反応性成分は放出剤と反応して、反応生成物を生成する。また、放出剤は、第1の繊維から第1の反応性成分を放出させるために機能することができる。さらに、この実施形態では、第2の繊維は繊維集合体の一部として必須ではなく、化学反応は放出剤と第1の反応性成分との間で発生する。この実施形態では、繊維全体を第1の反応性成分によって製造することができる。
【0029】
繊維集合体は、反応性成分を目標位置に供給するために有用であり、結果として、繊維集合体をどのように使用するかについては特に限定されない。繊維集合体の好ましい使用は、皮膚の傷やいぼ等の傷害を治療するための酸化窒素放出医療用品(包帯)である。別の実施形態では、繊維集合体は、エポキシ系接着剤を製造するために有用である。
【0030】
本発明を実施するために、以下の実施例について試験を行った。しかしながら、以下の実施例は本発明の範囲を制限するものではない。請求項は本発明を定義するために機能するだろう。
【実施例】
【0031】
[具体例]
ナノ繊維集合体は、それぞれが反応性成分を封鎖する少なくとも2種の繊維を含む。本実施例では、繊維1はアスコルビン酸を含み、繊維2は亜硝酸カリウムを含む。アスコルビン酸および亜硝酸カリウムは、電界紡糸前のポリマー溶液に可溶であってもよく、あるいは不溶であってもよい。繊維ポリマーは水溶性であってもよく、あるいは水不溶性であってもよい。上述したように形成された繊維マットは、水分と接触した場合に成分を放出して、アスコルビン酸およびNOを与え、アスコルビン酸およびNOが反応して、酸化窒素(NO)を生成する。あるいは、イオン交換樹脂ビーズに吸着させることなどによって、硝酸塩および/またはアスコルビン酸を固定することにより、ポリマー繊維またはナノ繊維に含有させることができる。したがって、ビーズに固定された1種以上の反応性化合物は、水分と接触する際に繊維から浸み出さず、ビーズ上でin situで反応する。例えば、アスコルビン酸を第1のナノ繊維に含有させ、イオン交換樹脂ビーズに固定された亜硝酸塩を第2のナノ繊維に含有させることができる。いずれの成分も水分が存在しない場合、繊維から浸み出すことはない。しかしながら、第1の繊維のポリマーを溶媒に接触させるか、あるいは、第1の繊維からアスコルビン酸を放出させる別の化合物に接触させることにより、アスコルビン酸が放出されて、固定された亜硝酸塩と反応して、酸化窒素を放出する。また、繊維の介在層を組み込むことにより、亜硝酸塩を含有する繊維へのアスコルビン酸の移動を制御することもできる。
【0032】
【化1】

A=アスコルビン酸
N=K+NO(亜硝酸塩)
別の実施例では、以下に模式的に示すように、第1の繊維がウレタンプレポリマーを含み、第2の繊維が架橋剤を含む。
【0033】
【化2】

U=ウレタンプレポリマー(ハイポール(Hypol)(登録商標))
DA=ジアミン(架橋剤)
ナノ繊維が溶媒中で溶解または膨潤するまでは、反応は全く起こらない。
【0034】
上述した繊維集合体は、皮膚の傷やいぼ等の傷害を治療するための酸化窒素放出医療用品(包帯)としての使用を想定したものである。また、この方法は、エポキシ系接着剤の製造などのように、反応性成分を封鎖することが望ましいその他の分野でも有用である。
【0035】
本発明の要旨を逸脱しない様々な変形および変更は、当業者に明らかだと思われる。本発明は、上述した実施形態に限定されない。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の反応性成分を封鎖する第1の繊維と、
第2の反応性成分を封鎖する第2の繊維と、
を含み、
少なくとも前記第1または第2の繊維は、放出剤の存在下で前記反応性成分を放出し、
少なくとも前記第1または第2の繊維が前記反応性成分を放出すると、前記第1および第2の反応性成分が互いに反応して反応生成物を形成する、繊維集合体。
【請求項2】
請求項1において、
少なくとも前記第1または第2の繊維はポリマーである、繊維集合体。
【請求項3】
請求項1において、
少なくとも前記第1または第2の繊維はナノ繊維である、繊維集合体。
【請求項4】
請求項1において、
少なくとも前記第1または第2の繊維は、電界紡糸またはガスジェット法によって製造されたナノ繊維である、繊維集合体。
【請求項5】
請求項1において、
少なくとも前記第1または第2の反応性成分は、粒子、溶解分子、電界紡糸によって形成された線維状骨格、均一なコーティング、リボン、チューブ、ガス充填細孔、流体充填細孔、またはイオン交換樹脂ビーズに結合した形態である、繊維集合体。
【請求項6】
請求項1において、
前記第1の反応性成分と前記第2の反応性成分との反応生成物は、酸化窒素である、繊維集合体。
【請求項7】
請求項1において、
前記第1の反応性成分はカルボン酸であり、前記第2の反応性成分は亜硝酸塩である、繊維集合体。
【請求項8】
請求項1において、
前記第1の反応性成分はウレタンプレポリマーであり、前記第2の反応性成分はジアミンまたはジオールである、繊維集合体。
【請求項9】
請求項1において、
少なくとも前記第1または第2の反応性成分はイオン交換樹脂ビーズに結合している、繊維集合体。
【請求項10】
請求項1において、
前記放出剤は、溶媒、信号伝達物質、放射線、熱、機械的な力、荷電粒子、電子、磁性粒子、磁場、流動流体による力、静水圧、機械的変形、またはそれらの組み合わせである、繊維集合体。
【請求項11】
請求項1において、
前記放出剤は溶媒である、繊維集合体。
【請求項12】
請求項1において、
少なくとも前記第1または第2の繊維は、前記放出剤の存在下で溶解または膨潤する、
繊維集合体。
【請求項13】
請求項5において、
前記流体は、ロウ、油、オリゴマー含有流体、低分子量液体、またはそれらの組み合わせである、繊維集合体。
【請求項14】
請求項7において、
前記カルボン酸はアスコルビン酸である、繊維集合体。
【請求項15】
第1の反応性成分を封鎖する第1の繊維を調製する工程と、
第2の反応性成分を封鎖する第2の繊維を調製する工程と、
前記第1および第2の繊維を繊維集合体に含有させる工程と、
を含み、
少なくとも前記第1または第2の繊維は、放出剤と接触する際に前記反応性成分を放出し、
少なくとも前記第1または第2の反応性成分が前記繊維から放出されると、前記第1および第2の反応性成分が互いに反応して反応生成物を形成する、繊維集合体の製造方法。
【請求項16】
請求項15において、
前記第1の繊維を調製する工程または前記第2の繊維を調製する工程は、少なくとも電界紡糸またはガスジェット法を使用して行われる、方法。
【請求項17】
請求項15において、
前記第1の繊維は、第1のポリマーおよび第1の反応性成分を含む第1の電界紡糸溶液を電界紡糸することによって調製され、
前記第2の繊維は、第2のポリマーおよび第2の反応性成分を含む第2の電界紡糸溶液を電界紡糸することによって調製され、
前記第2の反応性成分は、前記第1の反応性成分と反応することができる、方法。
【請求項18】
請求項15において、
前記第1の反応性成分と前記第2の反応性成分との反応生成物は酸化窒素である、方法。
【請求項19】
請求項15において、
前記第1の反応性成分はカルボン酸であり、前記第2の反応性成分は亜硝酸塩である、方法。
【請求項20】
請求項15において、
前記第1の反応性成分はウレタンプレポリマーであり、前記第2の反応性成分はジアミンまたはジオールである、方法。
【請求項21】
請求項15において、
少なくとも前記第1または第2の反応性成分は、イオン交換樹脂ビーズに結合している、方法。
【請求項22】
請求項15において、
少なくとも前記第1または第2の反応性成分は、粒子、溶解分子、電界紡糸によって形成された線維状骨格、均一なコーティング、リボン、チューブ、ガス充填細孔、流体充填細孔、またはイオン交換樹脂ビーズに結合した形態である、方法。
【請求項23】
請求項17において、
前記第1の電界紡糸溶液を電界紡糸することによって、前記第1の反応性成分を封鎖する第1の繊維を調製し、
前記第2の電界紡糸溶液を電界紡糸することによって、前記第2の反応性成分を封鎖する第2の繊維を調製する、方法。
【請求項24】
請求項19において、
前記カルボン酸はアスコルビン酸である、方法。
【請求項25】
請求項22において、
前記流体は、ロウ、油、オリゴマー含有流体、低分子量液体、またはそれらの組み合わせである、方法。
【請求項26】
第1の反応性成分を封鎖する第1の繊維と、第2の反応性成分を封鎖する第2の繊維とを含む繊維集合体を用いて、患者を治療する工程を含み、
少なくとも前記第1または第2の繊維は、放出剤の存在下で前記反応性成分を放出し、
少なくとも前記第1または第2の反応性成分が前記繊維から放出されると、前記第1および第2の反応性成分が互いに反応して反応生成物を形成する、治療方法。
【請求項27】
請求項26において、
前記第1の反応性成分と前記第2の反応性成分との反応生成物は、酸化窒素である、方法。
【請求項28】
請求項26において、
前記第1の反応性成分はカルボン酸であり、前記第2の反応性成分は亜硝酸塩である、方法。
【請求項29】
請求項26において、
前記放出剤は、溶媒、信号伝達物質、放射線、熱、機械的な力、荷電粒子、電子、磁性粒子、磁場、流動流体による力、静水圧、機械的変形、またはそれらの組み合わせである、方法。
【請求項30】
請求項26において、
少なくとも前記第1または第2の繊維はナノ繊維である、方法。
【請求項31】
請求項26において、
少なくとも前記第1または第2の繊維は、電界紡糸またはガスジェット法によって製造されたナノ繊維である、方法。
【請求項32】
請求項28において、
前記カルボン酸はアスコルビン酸である、方法。
【請求項33】
ウレタンプレポリマーを封鎖する第1の繊維と、ジアミンを封鎖する第2の繊維とを有する繊維集合体に、放出剤を添加する工程を含み、
前記繊維が前記放出剤の存在下にある場合、少なくとも前記ウレタンプレポリマーまたは前記ジアミンが前記繊維から放出され、
少なくとも前記ウレタンプレポリマーまたは前記ジアミンが前記繊維から放出されると、前記ウレタンプレポリマーおよび前記ジアミンが互いに反応してエポキシ系接着剤を形成する、エポキシ系接着剤の製造方法。
【請求項34】
請求項33において、
前記放出剤は水である、方法。
【請求項35】
第1の反応性成分を封鎖する第1の繊維を含み、
前記第1の反応性成分が放出剤の存在下にある場合、前記第1の反応性成分は、前記放出剤と反応して反応生成物を生成する、繊維集合体。
【請求項36】
請求項35において、
前記第1の繊維はポリマーである、繊維集合体。
【請求項37】
請求項35において、
前記第1の繊維はナノ繊維である、繊維集合体。
【請求項38】
請求項35において、
前記第1の繊維は、電界紡糸またはガスジェット法によって製造されたナノ繊維である、繊維集合体。
【請求項39】
請求項35において、
少なくとも前記第1の反応性成分は、粒子、溶解分子、電界紡糸によって形成された線維状骨格、均一なコーティング、リボン、チューブ、ガス充填細孔、流体充填細孔、またはイオン交換樹脂ビーズに結合した形態である、繊維集合体。
【請求項40】
請求項35において、
前記第1の反応性成分と前記放出剤との反応生成物は、酸化窒素である、繊維集合体。
【請求項41】
請求項35において、
前記第1の反応性成分はカルボン酸または亜硝酸塩である、繊維集合体。
【請求項42】
請求項35において、
前記第1の反応性成分はウレタンプレポリマー、ジアミン、またはジオールである、繊維集合体。
【請求項43】
請求項35において、
少なくとも前記第1の反応性成分は、イオン交換樹脂ビーズに結合している、繊維集合体。
【請求項44】
請求項35において、
前記放出剤は、溶媒、信号伝達物質、放射線、熱、機械的な力、荷電粒子、電子、磁性粒子、磁場、流動流体による力、静水圧、機械的変形、またはそれらの組み合わせである、繊維集合体。
【請求項45】
請求項35において、
前記放出剤は溶媒である、繊維集合体。
【請求項46】
請求項35において、
前記第1の繊維は、前記放出剤の存在下で溶解または膨潤する、繊維集合体。
【請求項47】
請求項39において、
前記流体は、ロウ、油、オリゴマー含有流体、低分子量液体、またはそれらの組み合わせである、繊維集合体。
【請求項48】
請求項41において、
前記カルボン酸はアスコルビン酸である、繊維集合体。

【公開番号】特開2012−251289(P2012−251289A)
【公開日】平成24年12月20日(2012.12.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−172187(P2012−172187)
【出願日】平成24年8月2日(2012.8.2)
【分割の表示】特願2006−513289(P2006−513289)の分割
【原出願日】平成16年4月23日(2004.4.23)
【出願人】(505395700)ザ ユニバーシティ オブ アクロン (20)
【氏名又は名称原語表記】The University of Akron
【住所又は居所原語表記】302 E. Buchtel Common, Akron, OH 44325 U.S.A.
【出願人】(505395711)
【出願人】(505395722)
【Fターム(参考)】