説明

障害のある障壁を有する皮膚の洗浄方法

【課題】障害のある障壁機能を有する皮膚の洗浄方法を提供する。
【解決手段】本発明の方法は、(i)少なくとも1つの低分子量の非架橋の直鎖アクリル共重合体、並びに(ii)アニオン性界面活性剤、両性界面活性剤、及びそれらの2つ又は3つ以上の組み合わせからなる群から選ばれる少なくとも1つの界面活性剤を含む洗浄組成物を皮膚に塗布することにより、最小限の皮膚障壁の無秩序化、又は皮膚障壁との相互作用の特性を有する洗浄組成物を利用する。この洗浄組成物は約2mN/mを超えるΔST(65)を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は障害のある障壁機能を有する皮膚の洗浄方法に関する。本発明の方法は、最小限の皮膚障壁の無秩序化、又は皮膚障壁との相互作用の特性を有する洗浄組成物を利用する。障壁機能の損傷を引き起こした皮膚状態を悪化させないためには、この特性が必須である。
【背景技術】
【0002】
ヒトの皮膚は、化学的、物理的及び機械的損傷に対する障壁及び保護層として作用する。皮膚の外皮最外層である角質層(stratum corneum:SC)の主要な機能は、体内から環境への水及び生命維持に必要な物質の損失を防止する一方、外部の有害物質が皮膚障壁を浸透し、生体組織に到達することを防止することである。SCの他の機能としては、変化する環境に直面して、定常状態を保証するために恒常性維持機構を制御すること、及び疾患又は外部損傷又は感染症に対する防護のための抗菌性物質の存在により、障壁が崩壊されたときに修復機構を提供することが挙げられる。これらの機能を実現させるために、SCは水和され柔軟である必要がある。
【0003】
外的環境と同様に、疾患、食事、人種を含む、皮膚障壁を動揺させ、潜在的に乾燥、刺激又は掻痒を誘発する多数の要因が存在する。個人が老化するにつれて、障壁を修復する機能は減退する。心理的ストレスは循環するグルココルチコイドの上昇を導くことがあり、このことによっても障壁の回復が遅延される。細胞内脂質水準の季節的変動も、冬季に皮膚が乾燥する傾向を説明し得る。
【0004】
上述したように、皮膚内の複雑な機構がSCの本質的な水和状態を維持している。しかしながら、多くの要因が角質層(以下、「SC」)障壁機能の損傷及び皮膚の水損失の増大に協働し得る。寒冷な、乾燥した冬の気候、石鹸及び熱水による頻繁な洗浄、界面活性剤又は刺激性化学物質若しくは溶媒への曝露を含む過酷な条件への曝露は、SC障壁機能を損傷させ皮膚の乾燥を引き起こし得る。おむつかぶれもSC障壁を損傷させ得る。障害のあるSC障壁機能を引き起こす外部要因のほかに、SCの異常な状態又は挙動により特徴付けられるいくつかの疾患が知られている。かかる疾患の例としては、アトピー性皮膚炎、乾癬、魚鱗癬、湿疹、脂漏症、手の皮膚炎、ツタウルシ、おむつかぶれ、界面活性剤誘発性乾燥症、石鹸誘発性乾燥症、冬季誘発性乾燥症、及び臨床的に診断された乾燥皮膚を含むさまざまな形態の皮膚炎が挙げられる。
【0005】
障害のある角質層障壁機能を有する皮膚は、通常は上昇した経上皮水損失(transepidermal water loss:TEWL)又は減少した皮膚の水和を呈する。障害のある障壁を有する皮膚は、一般的に保湿剤、抗炎症剤、ステロイドなどの塗布により治療される。おむつかぶれの場合、酸化亜鉛及びペトロラタムなどの皮膚保護薬がしばしば塗布される。
【0006】
皮膚の洗浄も、皮膚障壁を崩壊させるか、又は既に皮膚内に存在する障害のある障壁機能を悪化させる可能性がある。障害のある障壁機能に苦しむ消費者は、典型的には、病状の悪化を避けるために、水のみで洗浄するか、乳化物を主成分とする洗剤(界面活性剤を含まない)を用いるか、又は皮膚洗浄の頻度を減少させる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
したがって、障害のある皮膚障壁機能を悪化させない、障害のある皮膚の洗浄方法を創出することが望まれる。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の方法は、障害のある障壁を有する皮膚を、障壁を更に損傷することのない方式で洗浄することに関する。より具体的には、本発明の方法は、障壁を更に損傷することがないように、障害のある障壁を有する皮膚洗浄のための、より遅い表面動的特性を有する洗浄組成物の使用に関する。本発明の方法において有用な組成物中の界面活性剤の含有量は、他の洗浄組成物と比べて比較的低いが、それでもこの組成物は洗浄過程で使用されるときに泡を生成する。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】動的表面張力、[γ(t)−γeq]、を図示したグラフ。[γ(t)−γeq]は以下で定義される。[γ(t)−γeq]は時間の経過とともに、より多くの界面活性剤が空気/水界面に移動し、表面張力が−γeqに接近するにつれて減少する。低分子量の疎水的に修飾されたポリマーを含む洗剤は、低分子量hmpを含まない洗剤よりも遅い力学を示す。
【図2】疎水的に修飾されたポリマーを含む洗剤の動的表面張力と、疎水的に修飾されたポリマーを含まない対応する洗剤の動的表面張力との間の差である、時間の関数としてのΔST(t)を図示したグラフ。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本明細書において使用される語句「障害のある皮膚障壁」は、角質層が損傷された皮膚状態に関する。障害のある皮膚障壁機能は、外部攻撃物、皮膚疾患、ストレスなどを介した皮膚に対する急性又は慢性刺激により引き起こされ得る。この定義に含まれるものは、アトピー性皮膚炎、乾癬及び魚鱗癬、湿疹、脂漏症、並びに皮膚炎、ツタウルシ、おむつかぶれ、界面活性剤誘発性乾燥症、石鹸誘発性乾燥症、冬季誘発性乾燥症、並びに臨床的に診断された乾燥皮膚を含むさまざまな形態の皮膚炎などの病状である。
【0011】
満期出産新生児と同様に、早産の新生児も、薄いか、又は低機能の角質層を有しており、実際にこの乳児の角質層障壁機能は出生後の少なくとも最初の12ヶ月間発達し続け、及びその生涯の最初の数年間にわたり発達し続ける。
【0012】
本明細書において使用される用語「発泡性洗浄組成物」は、皮膚表面から脂質、油、及び天然成分を除去する能力を有し、泡(即ち、薄膜により取り囲まれる気泡のシステム)を生成する組成物を含む。洗浄組成物は、典型的には皮膚に塗布され、かつ水によりすすぎ落とされる。指、手又は洗浄布でこすること、又は浴槽内へ注ぐことは、洗剤の泡立ち、若しくは発泡をもたらし得る。洗浄及び発泡性洗浄組成物への曝露の前に、皮膚が障害のある障壁を有する場合、特定の種類の洗浄組成物が既に苦痛のある皮膚障壁の健康及び完全性をさらに損傷し得る。特に、比較的高い界面活性剤含有量を含む洗浄組成物は、皮膚障壁機能に対してより損傷を与える傾向がある。
【0013】
特に、皮膚洗浄製剤は、水によるすすぎでの除去のために皮膚表面上の汚れを乳化する界面活性剤を含む。界面活性剤は、アニオン性、カチオン性、非イオン性、又は両性イオン性であってよく、及び棒、液体、クリーム、ゲルなどの形態であることができる。界面活性剤の皮膚に対する効果は著しく変化し、その皮膚障壁に対する効果も顕著に異なる。それらは、角質細胞膨潤、解離及び損傷に対する効果においても変化することが示されている。他の局所治療と同様に、界面活性剤はその皮膚の障壁浸透性に対する効果において大きく変化し得る。
【0014】
本明細書において使用される用語「低分子量」ポリマーとは、ポリ(メチルメタクリレート)(PMMA)標準により較正されたゲル透過クロマトグラフィー(GPC)により測定された約100,000以下の数平均分子量(M)を有するポリマーを指す。特定の好適な実施形態においては、低分子量ポリマーは約5,000〜約80,000M、より好適には約10,000〜約50,000M、及びより好適には約15,000〜40,000Mの範囲にわたる分子量を有するものである。
【0015】
障壁機能の損傷の測定
TEWL及び皮膚水和は、それにより皮膚障壁が損傷されているかどうかを決定する、測定の2つの領域を構成する。しかしながら、これらの試験方法により生成される絶対測定は、それにより特性及び障壁障害の程度を理解するための追加的手段を必要とする。例えば、2人の異なる人間が環境に曝露されても、彼ら自身の皮膚特性の性質に応じて、彼らの曝露された皮膚から非常に異なるTEWL又は皮膚水和測定が示されることがあり得る。同様に、異なる環境が、大変異なる人間において同様のTEWL又は皮膚水和測定を生成することがあり得る。したがって、本発明の組成物の、障害のある障壁機能を有する皮膚への塗布の効果を決定する場合、TEWL又は皮膚水和レベルが洗浄組成物への曝露によりどのように変化するかを試験すること、及び曝露後のTEWL又は皮膚水和の変化を測定することが最良である。加えて、TEWL及び皮膚水和は界面活性剤動力学及び力学に関連付けされ得る。
【0016】
障害のある障壁機能を有する皮膚において、減少した水和レベルが常に最初に存在するとは限らないが、障害のある皮膚障壁がより高いTEWLを含む特定の生理的特性を有し得ることが実証されている。しかしながら、障害のある障壁機能を有する皮膚の洗浄では、経上皮水損失を増加させず、それによって更なる傷を引き起こさないことが望ましい。
【0017】
角質層の水和レベルは、その機械的及び電気的性質に影響し、したがって皮膚の高周波伝導率を測定するSki−Con−200EX(I.B.S Co.,LTD.,Japan)は、表面角質細胞(第1層)の相対的な水保持能力の測定に使用し得る。測定は、一定時間プローブを皮膚表面に配置することにより遂行され得る。プローブはコンピュータ又は他のデータ記録装置に接続される。伝導度により測定された皮膚水和は、マイクロ・ジーメンス(micro Siemans)、「μS」として表される。
【0018】
界面活性剤動力学
洗浄組成物が障害のある障壁に影響し得る、多数の異なる方式が存在する。モノマーとして存在する界面活性剤、又はミセルとして存在する界面活性剤が、界面活性剤の皮膚への浸透に関与しているかにより、異なった理論が存在する。
【0019】
界面活性剤浸透の古典的なモノマー浸透モデルでは、比較的小さな寸法である界面活性剤モノマーのみが、SCの中へ浸透できると考える。このモデルによると、臨界ミセル濃度(CMC)を超える濃度においてミセルに自己集合した界面活性剤はSCの中に浸透するには大き過ぎる。したがって、低い値のCMCを示す界面活性剤系では、皮膚の中に浸透可能なモノマー性界面活性剤はより少ない。
【0020】
米国特許第6,468,614号及び同第6,703,427号で説明される、モノマーとして存在する界面活性剤は、皮膚の損傷において決定的に重要であり、したがって、補助界面活性剤の洗浄組成物への添加を教示している。補助界面活性剤は、補助界面活性剤を有さない洗浄組成物に比べ、低下した臨界ミセル濃度(CMC)をもたらす。低下したCMCは、モノマーとして存在する界面活性剤の濃度の低下を示唆する。
【0021】
界面活性剤溶液は高度に動的であり、モノマー性界面活性剤は、ミリ秒から秒の単位の交換速度で、急速にミセルに飛び込んだりミセルから飛び出したりし、かつ全体のミセルは秒の単位で形成されたり解離されたりする。界面活性剤がモノマーとミセルとの間で急速に交換されるため、おそらく界面活性剤モノマー及びミセル中の界面活性剤の両方が皮膚障壁の損傷に関与する。モノマーとして存在する界面活性剤は、すぐにミセル中に入り、同様にミセル中に存在する界面活性剤は急速にミセルから飛び出してモノマーになる。
【0022】
使用中の洗剤中の界面活性剤は、初期の「瓶中」濃度(ほとんどの界面活性剤がミセルとして存在する)から、より希薄な、典型的には初期濃度の1〜10%である、「使用中」濃度へと急速な希釈を受ける。この希釈の間、界面活性剤は主にミセルからモノマーへ移動する。直接のミセル状浸透、又はモノマー性の浸透種の継続的供給源を提供するタンクとして作用することのいずれかにより、ミセル状界面活性剤が浸透に寄与することは明らかである。
【0023】
本発明の方法に従う、皮膚障壁への溶液の効果を測定するための1つの方式は、皮膚上に配置される溶液の特性を試験することである。特に、界面活性剤系を用いる場合、系内に存在する界面活性剤の動力学を理解することが重要である。例えば、界面活性剤を含む組成物中での重要な測定は、界面活性剤が水/皮膚界面に到着する速度の測定である。界面活性剤組成物中に存在する界面活性剤は、ミセル、又は周囲の溶媒と接触する界面活性剤分子の親水性「頭部」領域を有する集合構造を形成し、疎水性の単独「尾部」領域はミセル中心に隔離されている。新たな界面が形成されるとき、最初にその表面は界面活性剤を大きく欠いており、及び純水と同様にその表面張力は高い。時間とともに、溶液中の界面活性剤は外表面−界面に移動し、そこで空気又は皮膚と相互作用して、表面張力の低下をもたらす。Dynamics of surfactant self−assemblies:micelles,microemulsions,vesicles and lyotropic phases,Edited Raoul Zana,CRC Press,Boca Raton,FL,Vol 125,2005。
【0024】
われわれは、より遅い表面力学が、皮膚障壁損傷の増大を引き起こすより低い傾向をもたらすことを見出した。界面活性剤組成物の動力学を理解することにより、より低いエネルギー状態、及びより遅い力学を有する組成物を設計し得る。このことは、既に障壁損傷を保有する皮膚に、追加的な損傷を引き起こす傾向が低い組成物をもたらす。
【0025】
界面活性剤力学を測定する方式としては、液滴形状解析(drop shape analysis)(DSA)及び泡圧張力測定(bubble pressure tensiometry)(BPT)が挙げられる。DSA及びBPTの両方とも、表面張力を、溶液が水相と空気との間に新たな界面を形成する時間の関数として測定する。DSA及びBPTの両方において、界面活性剤は最初に水相のバルク中に存在する。新たな界面が形成されるとすぐに、界面活性剤は新たな界面に向かって拡散し、空気/水界面に密集し始め、それにより経時的に表面張力を低下させる。経時的な表面張力(メートル当たりミリニュートン(milliNewton)、即ちmN/Mとして測定される)の減少は、新たに形成された界面に界面活性剤が密集することに起因する。
【0026】
本発明の組成物中で、低分子量の疎水的に修飾されたポリマー(「hm−ポリマー」)の添加は、水性組成物中でのより低いエネルギー状態が存在することを可能にし、より遅い力学をもたらす。低分子量hm−ポリマーと会合した界面活性剤は、ミセルとして存在する界面活性剤よりも安定である。したがって、ミセル中の界面活性剤はミセルからより急速に飛び出すか、又はミセルは、低分子量hm−ポリマーと会合した界面活性剤よりも、急速に分解する。
【0027】
本明細書において使用される用語「差分表面張力(「ΔST」)」は、好適な界面活性剤を含む溶液のSTと、好適な界面活性剤(界面活性剤及び低分子量hm−ポリマー)を含まない同一溶液のSTとの間の差を意味する。
【0028】
差分STは288mg/Lの合計界面活性剤濃度で、並びに上記で定義された動的表面張力試験の実験パラメータ及び平衡張力測定試験下で測定される。
γ(t)=時間tにおける表面張力
γ(65);時間=65s(秒)での表面張力
γeq=平衡表面張力、ウィルヘミー平板張力測定(Wilhemy plate tensiometry);平衡張力測定試験により決定される非常に長い時間における表面張力。
γ(65)−γeq;動的表面張力、ウィルヘミー平板張力測定により決定される平衡表面張力と時間=65sにおける表面張力との差。
ΔST(65)=[γ(65)−γeqhm−ポリマーを含む−[γ(65)−γeqhm−ポリマーを含まない;時間65における、低分子量非架橋のhm−ポリマーを含む洗浄溶液とhm−ポリマーを含まない洗浄溶液との動的表面張力の差。
【0029】
界面活性剤溶液の動的性質の評価において、時間の関数としての表面張力と平衡にある表面張力(即ち長時間での表面張力)との差[γ(t)−γeq]を測定することが最も妥当である。界面活性剤力学への理論的アプローチは、この時間の関数としての表面張力と平衡にある表面張力との差、[γ(t)−γeq]を、時間の関数としての界面活性剤の空気/水界面への輸送に基づき説明しようと試みる。
【0030】
驚くべきことに、皮膚障壁の障害を最小限変化させ、いまだに発泡できる、皮膚に優しい組成物を用いて、障害のある障壁機能を有する皮膚を洗浄することが可能であることをわれわれは見出した。
【0031】
本発明の方法は、(a)少なくとも1つの界面活性剤及び(b)障害のある障壁機能を有する皮膚に界面活性剤を結合させる能力のある低分子量の疎水的に修飾されたポリマー、を含む組成物を塗布することと、その組成物を皮膚からすすぐことと、を含み、(a)少なくとも1つの界面活性剤及び(b)障害のある障壁機能を有する皮膚に界面活性剤を結合させる能力のある低分子量の疎水的に修飾されたポリマー、を含む組成物を塗布することと、その組成物を皮膚からすすぐことと、から本質的になり、並びに(a)少なくとも1つの界面活性剤及び(b)障害のある障壁機能を有する皮膚に界面活性剤を結合させる能力のある低分子量の疎水的に修飾されたポリマー、を含む組成物を塗布することと、その組成物を皮膚からすすぐことと、からなり、それにより組成物が障害のある障壁機能を悪化させず、かつそれでも組成物は好適には発泡する能力を有する。
【0032】
低分子量の疎水的に修飾されたポリマーの、本発明の洗浄組成物への添加は、水性組成物中により低いエネルギー状態が存在することを可能とし、より遅い界面活性剤力学をもたらす。
【0033】
出願人は特定の操作理論により、又は特定の操作理論へ束縛されることを望まないが、低分子量の疎水的に修飾されたポリマーと会合する界面活性剤は、ミセルとして存在する界面活性剤よりも安定であると信じられる。したがって、低分子量の疎水的に修飾されたポリマーと会合している場合と比べて、ミセル構造に含まれる界面活性剤は、より迅速にミセル外に分散される。
【0034】
本発明の方法において有用なポリマー性物質は、好適にはアニオン性及び/又は両性界面活性剤がそれと会合するのに適した組成物であり、実質的に粘度を上昇させず、界面活性剤系に典型的に付随する障害のある皮膚障壁損傷を緩和する非架橋の直鎖アクリル共重合体である。非架橋の直鎖ポリマーは、好適には、ポリ(メチルメタクリレート)(PMMA)標準により較正されたゲル透過クロマトグラフィー(GPC)による測定で、100,000以下の数平均分子量を有する低分子量のものである(本明細書において使用される場合、特に指示されない限り全ての数平均分子量(M)は、かかる様式で測定された分子量を指す)。共重合体性緩和剤は少なくとも2つのモノマー性成分から重合される。第1のモノマー性成分は少なくとも1つのカルボン酸基を含む1つ以上のα,β−エチレン性不飽和モノマーから選ばれる。これらの酸基は、一酸類又は二酸類、ジカルボン酸類の無水物類、二酸類のモノエステル類、及びそれらの塩類から誘導することができる。第2のモノマー性成分は、疎水的に修飾され(第1のモノマー性成分と比較して)、かつ(メタ)アクリル酸の直鎖及び分岐鎖C〜Cアルキルエステル、直鎖及び分岐鎖C〜C10カルボン酸のビニルエステル、並びにそれらの混合物を含み、C〜Cアルキル基を含む1つ以上のα,β−エチレン性不飽和非酸モノマーから選ばれる。本発明の一態様では第2のモノマー性成分は下式で表される:
CH=CRX
式中、Rは水素又はメチルであり;Xは−C(O)OR又は−OC(O)Rであり;Rは直鎖又は分岐鎖C〜Cアルキルであり;Rは水素又は直鎖若しくは分岐鎖C〜Cアルキルである。本発明の他の態様では、R及びRは直鎖又は分岐鎖C〜Cアルキルであり、及び更なる態様では、R及びRは直鎖又は分岐鎖C〜Cアルキルである。
【0035】
例示的な第1のモノマー性成分としては(メタ)アクリル酸、イタコン酸、シトラコン酸、マレイン酸、フマル酸、クロトン酸、アコニット酸、及びそれらの混合物が挙げられる。例示的な第2のモノマー性成分としては、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、ギ酸ビニル、酢酸ビニル、1−メチル酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、酪酸ビニル、2−エチルヘキサン酸ビニル、ピバル酸ビニル、ネオデカン酸ビニル、及びそれらの混合物が挙げられる。本明細書において使用される、用語「(メタ)アクリル」酸及び「(メタ)アクリル酸エステル」はアクリル酸の対応するメチル誘導体及び対応するアクリル酸アルキルを含むことを意味する。例えば、「(メタ)アクリル」酸は、アクリル酸及び/又はメタクリル酸を指し、「(メタ)アクリル酸エステル」は、アクリル酸アルキル及び/又はメタクリル酸アルキルを指す。
【0036】
本発明の、非架橋の直鎖アクリル共重合体緩和剤は、当分野で周知のフリーラジカル重合技法により合成され得る。本発明の一態様では、利用される第1のモノマー性成分の第2のモノマー性成分に対する量は、重合媒体中の全てのモノマーの合計重量に基づき、約20:80重量%〜約50:50重量%の範囲にわたる。他の態様では第1のモノマー性成分の第2のモノマー性成分に対する重量比は重合媒体中のモノマーの合計重量に基づき、約35:65重量%であり、更なる態様では第1のモノマー性成分の第2のモノマー性成分に対する重量比は約25:75重量%である。
【0037】
他の態様では乳化重合技法を、本発明の非架橋の直鎖アクリル共重合体緩和剤の合成に用い得る。典型的な乳化重合では、モノマーの乳化物を調製するために、開示されたモノマーの混合物が、混合撹拌とともに、適切な反応器中の、適切な量の水の中の、例えばアニオン性界面活性剤(例えば、脂肪アルコール硫酸塩又はスルホン酸アルキル)などの乳化界面活性剤溶液に加えられる。窒素拡散などの任意の便利な方法により乳化物から酸素を除去し、次いで過硫酸ナトリウム又は乳化重合技術においてよく知られる、他の任意の適切な付加重合触媒などの重合触媒(開始剤)の添加により重合反応が開始される。重合が完了するまで、重合媒体は、典型的には約4〜約16時間撹拌される。開始剤の添加に先立ち、所望であれば、モノマーの乳化物を約70〜約95℃の範囲の温度まで加熱できる。未反応のモノマーは、乳化重合技術において周知のように、より多くの触媒の添加により除去できる。生成するポリマーの乳化物産物は、反応器から排出され、貯蔵又は使用のために包装することができる。任意に、乳化物のpH又は他の物理的及び化学的特性は反応器からの排出に先立ち調整され得る。典型的に、産物の乳化物は約10〜約50重量%の範囲の合計固体含有量を有する。典型的に、産物の乳化物の合計ポリマー含有量(ポリマー固体)は約15〜約45重量%の範囲であり、一般的には約35重量%を超えない。
【0038】
一態様では、本発明の直鎖共重合体性緩和剤の、ポリ(メチルメタクリレート)(PMMA)標準により較正されたゲル透過クロマトグラフィー(GPC)により測定される数平均分子量(M)は、100,000以下である。本発明の他の態様では、分子量は約5,000〜約80,000Mの範囲であり、更なる態様では約10,000〜50,000Mであり、及びなお更なる態様では約15,000〜40,000Mである。
【0039】
本発明の一態様では、直鎖共重合体性緩和剤は、脱イオン水中5重量%のポリマー固体濃度において、18重量%のNaOH溶液によりpH 7に中和して、500mPa・s以下の粘度を有する(Brookfield RVT、20rpm、スピンドルno.1)。粘度は、他の態様では約1〜約500mPa・s、更なる態様では約10〜約250mPa・s、及びなお更なる態様では約15〜約150mPa・sの範囲にわたり得る。
【0040】
本方法の好適な実施形態による洗浄組成物を生成するために、任意のさまざまなアニオン性界面活性剤を本発明のポリマー性物質と組み合わせ得る。特定の実施形態によると、適切なアニオン性界面活性剤としては、以下の種類の界面活性剤から選ばれるものが挙げられる:アルキル硫酸塩、アルキルエーテル硫酸塩、アルキルモノグリセリルエーテル硫酸塩、アルキルスルホン酸塩、アルキルアリールスルホン酸塩、アルキルスルホコハク酸塩、アルキルエーテルスルホコハク酸塩、アルキルスルホコハク酸塩、アルキルアミドスルホコハク酸塩、アルキルカルボン酸塩、アルキルアミドエーテルカルボン酸塩、アルキルコハク酸塩、脂肪族アシルサルコシン酸塩、脂肪族アシルアミノ酸、脂肪族アシルタウリン塩、脂肪族アルキルスルホ酢酸塩、アルキルリン酸塩、及びそれらの2つ又は3つ以上の混合物。特定の好適なアニオン性界面活性剤の例としては:
下式のアルキル硫酸塩
R’−CHOSOX’;
下式のアルキルエーテル硫酸塩
R’(OCHCHOSOX’;
下式のアルキルモノグリセリルエーテル硫酸塩
【化1】

下式のアルキルモノグリセリド硫酸塩
【化2】

下式のアルキルモノグリセリドスルホン酸塩
【化3】

下式のアルキルスルホン酸塩
R’−SOX’;
アルキルアリールスルホン酸塩
【化4】

下式のアルキルスルホコハク酸塩:
【化5】

下式のアルキルエーテルスルホコハク酸塩:
【化6】

下式のアルキルスルホスクシンアミド酸塩:
【化7】

下式のアルキルアミドスルホコハク酸塩
【化8】

下式のアルキルカルボン酸塩:
【化9】

下式のアルキルアミドエーテルカルボン酸塩:
【化10】

下式のアルキルコハク酸塩:
【化11】

下式の脂肪族アシルサルコシン酸塩:
【化12】

下式の脂肪族アシルアミノ酸:
【化13】

下式の脂肪族アシルタウリン塩:
【化14】

下式の脂肪族アルキルスルホ酢酸塩:
【化15】

下式のアルキルリン酸塩:
【化16】

(式中、
R’は約7〜約22個、及び好適には約7〜約16個の炭素原子を有するアルキル基であり、
R’は約1〜約18個、及び好適には約8〜約14個の炭素原子を有するアルキル基であり、
R’は天然又は合成のI−アミノ酸置換基であり、
X’はアルカリ金属イオン、アルカリ土類金属イオン、アンモニウムイオン、並びにそれぞれが1〜4個の炭素原子を有するアルキル基及び約2〜約4個の炭素原子を有するヒドロキシアルキル基からなる群から選ばれる、同一又は異なる約1〜約3個の置換基により置換されたアンモニウムイオンからなる群から選ばれたものであり、かつ、
vは1〜6の整数であり、
wは0〜20の整数である);
及びそれらの混合物が挙げられる。
【0041】
特定の実施形態によると、本発明のアニオン性界面活性剤は、好適には1つ以上のアルキルエーテル硫酸塩、又はそれらの混合物を含む。特定のより好適な実施形態では、本発明のアニオン性界面活性剤はトリデセス硫酸ナトリウムを含む。トリデセス硫酸ナトリウムは、一般的に式、C1327(OCHCHOSONa、に従う硫酸化されエトキシ化されたトリデシルアルコールのナトリウム塩であり、式中、nは1〜4の値を有し、Stepan Company(Northfield,Illinois)より、「Cedapal TD−403M」の商品名で市販されている。
【0042】
本明細書において使用される用語「両性の」は:1)例えば、アミノ(塩基性)及び酸(例えば、カルボン酸、酸性)官能基の両方を含むアミノ酸などの酸性及び塩基性部位の両方を含む分子;又は2)正電荷及び陰電荷の両方を同一分子内に保有する両性イオン性分子を意味する。後者の電荷は組成物のpHに依存するか、又は独立するかのいずれかであり得る。両性イオン性物質の例としては、アルキルベタイン及びアミドアルキルベタインが挙げられるが、それらに限定はされない。両性界面活性剤は、本明細書においては対イオンなしで開示される。本発明の組成物のpH条件下で、両性界面活性剤が釣り合う正及び陰電荷を有するという理由で電気的に中性であるか、又はアルカリ金属、アルカリ土類、又はアンモニウム対イオンなどの対イオンを有するかのどちらかであることを当業者は直ちに認識するであろう。
【0043】
本発明での使用に適した両性界面活性剤の例としては、アルキルアンホアセテート(モノ又はジ)などの両性カルボン酸塩;アルキルベタイン;アミドアルキルベタイン;アミドアルキルサルタイン;両性リン酸塩;ホスホベタイン及びピロホスホベタインなどのリン酸化されたイミダゾリン;カルボキシアルキルアルキルポリアミン;アルキルイミノ−二プロピオン酸塩;アルキルアンホグリシネート(モノ又はジ);アルキルアンホプロピオネート(モノ又はジ);N−アルキルβ−アミノプロピオン酸;アルキルポリアミノカルボン酸塩;及びそれらの混合物が挙げられるが、それらに限定はされない。
【0044】
適切な両性カルボン酸塩化合物の例としては下式のものが挙げられる:
A−CONH(CH
{式中、
Aは約7〜約21個、例えば、約10〜約16個の炭素原子を有するアルキル又はアルケニル基であり;
xは約2〜約6の整数であり;
は水素又は約2〜約3個の炭素原子を含むカルボキシアルキル基であり;
は約2〜約3個の炭素原子を含むヒドロキシアルキル基であるか、又は下式の基である:
−O−(CHCO
(式中、
約2〜約3個の炭素原子を含むアルキレン基であり、nは1又は2である);
は約2〜約3個の炭素原子を含むカルボキシアルキル基である}。
【0045】
適切なアルキルベタインの例としては下式の化合物が挙げられる:
B−N10(CHCO
(式中、
Bは約8〜約22個、例えば、約8〜約16個の炭素原子を有するアルキル又はアルケニル基であり;
及びR10は、それぞれ独立して約1〜約4個の炭素原子を有するアルキル又はヒドロキシアルキル基であり;
pは1又は2である)。
【0046】
本発明での使用に好適なベタインは、連合王国ウエスト・ミッドランズの、Albright & Wilson,Ltd(West Midlands,United Kingdom)から「Empigen BB/J」として市販されているラウリルベタインである。
【0047】
適切なアミドアルキルベタインの例としては下式の化合物が挙げられる:
D−CO−NH(CH−N1112(CHCO
(式中、
Dは約7〜約21個、例えば約7〜約15個の炭素原子を含むアルキル又はアルケニル基であり;
11及びR12はそれぞれ独立して約1〜約4個の炭素原子を有するアルキル又はヒドロキシアルキル基であり;
qは約2〜約6の整数であり;mは1又は2である)。
【0048】
1つのアミドアルキルベタインは、Goldschmidt Chemical Corporation(Hopewell,Virginia)から「Tegobetaine L7」の商品名で市販されているコカミドプロピルベタインである。
【0049】
適切なアミドアルキルサルタインの例としては下式の化合物が挙げられる
【化17】

(式中、
Eは約7〜約21個、例えば約7〜約15個の炭素原子を有するアルキル又はアルケニル基であり;
14及びR15はそれぞれ独立して約1〜約4個の炭素原子を有するアルキル、又はヒドロキシアルキル基であり;
rは約2〜約6の整数であり;
13は約2〜約3個の炭素原子を有するアルキレン又はヒドロキシアルキレン基であり;
一実施形態では、アミドアルキルサルタインはRhone−Poulenc Inc.(Cranbury,New Jersey)から「Mirataine CBS」の商品名で市販されているコカミドプロピルヒドロキシサルタインである。
【0050】
適切な両性リン酸塩化合物の例としては下式の化合物が挙げられる:
【化18】

{式中、
Gは約7〜約21個、例えば約7〜約15個の炭素原子を有するアルキル又はアルケニル基であり;
sは約2〜約6の整数であり;
16は水素又は約2〜約3個の炭素原子を含むカルボキシアルキル基であり;
17は約2〜約3個の炭素原子を含むヒドロキシアルキル基であるか、又は下式の基である:
19−O−(CH−CO
(式中、R19は、約2〜約3個の炭素原子を有するアルキレン又はヒドロキシアルキレン基であり、及びtは1又は2である);
18は約2〜約3個の炭素原子を有するアルキレン又はヒドロキシアルキレン基である}。
【0051】
一実施形態では、両性リン酸塩化合物はMona Industries(Paterson,New Jersey)から「Monateric 1023」の商品名で市販されているラウロアンホPG−アセテートホスフェートナトリウム、及び参照により本願に組み込まれる、米国特許第4,380,637号において開示されるものが挙げられる。
【0052】
適切なホスホベタインの例としては、下式の化合物が挙げられる:
【化19】

式中、E、r、R、R及びR、は上記で定義された通りである。一実施形態では、ホスホベタイン化合物は米国特許第4,215,064号、同第4,617,414号、及び同第4,233,192号に開示されているものであり、その全てが参照により本願に組み込まれる。
【0053】
適切なピロホスホベタインの例としては下式の化合物が挙げられる:
【化20】

式中、E、r、R、R及びR、は上記で定義された通りである。一実施形態では、ピロホスホベタイン化合物は、参照によりその全てが本願に組み込まれる、米国特許第4,382,036号、同第4,372,869号、及び同第4,617,414号に開示されているものである。
【0054】
適切なカルボキシアルキルアルキルポリアミンの例としては下式のものが挙げられる:
【化21】

(式中、
Iは約8〜約22個、例えば約8〜約16個の炭素原子を含むアルキル又はアルケニル基であり;
22は約2〜約3個の炭素原子を有するカルボキシアルキル基であり;
21は約2〜約3個の炭素原子を有するアルキレン基であり、
uは約1〜約4の整数である)。
【0055】
本発明に一致して、任意の適切な量のポリマー性物質及び界面活性剤を使用し得る。特定の好適な実施形態においては、本発明の組成物は、ゼロ超〜約6重量%(組成物の合計重量中のポリマー性物質の有効量に基づき)のポリマー性物質を含む。特定のより好適な実施形態では、組成物は約0.1〜約4.5重量%のポリマー性物質、より好適には約0.1〜約3.5重量%のポリマー性物質、及び更により好適には約0.2〜約2重量%のポリマー性物質を含む。特定の好適な実施形態においては、本発明の組成物はゼロ超〜約15重量%(組成物の合計重量中のアニオン性及び両性界面活性剤の有効量に基づき)のアニオン性及び両性界面活性剤(又は両性界面活性剤単独)を含む。特定のより好適な実施形態では、組成物は約1〜約12重量%のアニオン性及び両性界面活性剤、より好適には約4〜約11重量%のアニオン性及び両性界面活性剤、及び更により好適には約5〜約10.5重量%のアニオン性及び両性界面活性剤を含む。特定のより好適な実施形態では、組成物は約ゼロ〜約4.5重量%のアニオン性界面活性剤、より好適には約0〜約3.5重量%のアニオン性界面活性剤、及び更により好適には約0.2〜約2重量%のアニオン性界面活性剤を含む。
【0056】
特定のより好適な実施形態では、組成物は約1〜約12重量%の両性界面活性剤を含み、かつアニオン性界面活性剤を大幅に欠き、より好適には約2〜約10重量%の両性界面活性剤を含み、かつアニオン性界面活性剤を大幅に欠き、及び更により好適には約2.5〜約9重量%の両性界面活性剤を含み、かつアニオン性界面活性剤を大幅に欠いている。
【0057】
本発明によると、2つ又は3つ以上の流体を混合する、いずれかの従来の方法により、ポリマー性物質及びアニオン性/両性界面活性剤を混合させ得る。例えば、少なくとも1つのポリマー性物質を含むか、少なくとも1つのポリマー性物質から本質的になるか、又は少なくとも1つのポリマー性物質からなる1つ以上の組成物、及び少なくとも1つのアニオン性及び/若しくは両性界面活性剤を含むか、少なくとも1つのアニオン性及び/若しくは両性界面活性剤から本質的になるか、又は少なくとも1つのアニオン性及び/若しくは両性界面活性剤からなる1つ以上の組成物は、ポリマー性物質若しくは界面活性剤を含む組成物の1つを、他の組成物の中に、若しくは他の組成物と一緒に、任意の順序で、機械的に撹拌されるプロペラやパドルなどの任意の従来装置を用いて、注入、混合、滴下による添加、ピペット操作、ポンピングなどにより、混合させることができる。特定の実施形態によると、混合工程は、アニオン性及び/又は両性界面活性剤を含む組成物を、ポリマー性物質を含む組成物中へ、又はポリマー性物質を含む組成物と一緒に混合することを含む。特定の他の実施形態によると、混合工程は、ポリマー性物質を含む組成物を、アニオン性及び/又は両性界面活性剤を含む組成物の中へ、又はアニオン性及び/又は両性界面活性剤を含む組成物と一緒に混合することを含む。
【0058】
生成される洗浄組成物も、本発明の方法に従い混合工程において混合されたポリマー性物質、又はアニオン性及び/若しくは両性界面活性剤を含むいずれの組成物も、1つ以上の非イオン性、及び/若しくはカチオン性界面活性剤、真珠光沢剤、若しくは乳白剤、増粘剤、二次コンディショナー、保湿剤、キレート化剤、並びに着色料、香料、保存剤、pH調整剤などの組成物の外観、感触、及び芳香を改善する添加物を非排他的に含有する他の様々な成分のいずれかを更に含むことができる。
【0059】
商品として市販されている、髪の光沢などの付加的な属性を付与する揮発性シリコーンなどの、さまざまな二次コンディショナーのいずれも本発明での使用に適している。一実施形態では、揮発性シリコーン・コンディショニング剤は大気圧下で約220℃未満の沸点を有する。揮発性シリコーン・コンディショナーは組成物の総重量に基づき、約0%〜約3%、例えば約0.25%〜約2.5%又は約0.5%〜約1%の量で存在し得る。適切な揮発性シリコーンの例としては、非排他的に、ポリジメチルシロキサン、ポリジメチルシクロシロキサン、ヘキサメチルジシロキサン、Dow Corning Corporation(Midland,Michigan)から「DC−345」の商品名で市販されているポリジメチルシクロシロキサンなどのシクロメチコン流体、及びそれらの混合物が挙げられ、並びに好適にはシクロメチコン流体が挙げられる。
【0060】
個人用洗浄組成物に加湿及びコンディショニング特性を提供する能力のある、商品として市販されているさまざまな保湿剤が本発明での使用に適している。保湿剤は、組成物の総重量に基づいて、約0%〜約10%の量、例えば約0.5%〜約5%、又は約0.5%〜約3%の量で存在してよい。好適な保湿剤の例には非排他的に1)グリセリン、プロピレングリコール、ヘキシレングリコール、ブチレングリコール、ジプロピレングリコール及びそれらの混合物を含む群から選ばれる水溶性液体ポリオール、2)式:HO−(R”O)−Hのポリアルキレングリコール[式中、R”は約2〜約3個の炭素原子を持つアルキレン基であり、bは約2〜約10の整数]、3)式:CH−C10−(OCHCH−OHのメチルグルコースのポリエチレングリコールエーテル[式中、cは約5〜約25の整数]、4)尿素、及び5)それらの混合物が挙げられ、グリセリンが好ましい保湿剤である。
【0061】
好適なキレート化剤の例には、本発明の組成物を保護し保存することができるキレート化剤が挙げられる。好適には、キレート化剤はエチレンジアミン四酢酸(「EDTA」)であり、より好適にはDow Chemical Company(Midland,Michigan)から「Versene 100XL」の商品名で市販されているEDTA四ナトリウムであり、組成物の合計重量に基づき、約0〜約0.5%又は約0.05%〜約0.25%の量で存在する。
【0062】
適切な保存剤としては、Dow Chemical Corporation(Midland,Michigan)から「Dowicil 200」として市販されているクオタニウム(Quaternium)−15が挙げられ、組成物の合計重量に基づき、約0〜約0.2%又は約0.05%〜約0.1%の量が組成物中に存在する。
【0063】
本発明の方法は、本明細書の上記に記載される1つ以上の随意的な成分を、ポリマー性物質及び/若しくはアニオン性及び/若しくは両性界面活性剤を含む組成物と一緒に、又はポリマー性物質及び/若しくはアニオン性及び/若しくは両性界面活性剤を含む組成物の中に混合するための、又は導入するための、さまざまな工程のいずれかを、上記に記載された混合工程の前、後、若しくは同時に、更に含むことができる。特定の実施形態では、混合の順序は決定的に重要ではないが、他の実施形態においては、香料及び非イオン性界面活性剤などの特定の成分を、ポリマー性物質及び/又はアニオン性界面活性剤を含む組成物に加える前に、予備混合することが好適である。
【0064】
本発明の洗浄方法は、従来毛髪及び皮膚を洗浄することに関連する、例えば、泡立て工程、すすぎ工程などを含むさまざまな追加的な随意的な工程のいずれかを更に含むことができる。
【0065】
出願人は特定の操作理論により、又は特定の操作理論へ束縛されることを望まないが、低分子量の疎水的に修飾されたポリマーと会合する界面活性剤は、ミセルとして存在する界面活性剤よりも安定であると信じられる。したがって、低分子量の疎水的に修飾されたポリマーと会合している場合と比べて、ミセル構造に含まれる界面活性剤は、より迅速にミセル外に分散する。
【0066】
前述の低分子量の疎水的に修飾されたポリマーに関する情報は、本発明の方法において有用であり得る組成物と同様に、US2008/0112913、US2006/0257348、及びUS2007/0111910に説明されており、参照によりその全ての全体が本願に組み込まれる。
【0067】
本明細書に例示的に開示されている本発明の方法及び組成物は、本明細書に具体的に開示されていない任意の構成要素、成分、又は工程が欠如していても好適に実用可能である。本発明の本質及びその実施方法を更に説明するために幾つかの実施例を以下に示す。しかし、本発明がこれらの詳細に限定されると見なすべきではない。
【実施例】
【0068】
実施例1:肥大した腕の洗浄研究(Exaggerated Arm Wash Studies)−石鹸誘発性乾燥症に起因する障害のある障壁を有する皮膚
この実施例1は、本発明の組成物及び比較組成物の両方を用いる、障害のある障壁を有する皮膚の洗浄の効果の研究に関する。
【0069】
2つの肥大した腕の洗浄研究が、独立して2組の被験者に対して遂行された。それぞれの研究は、1つは冬に、1つは春にと、年の異なる時期に遂行された。研究においては、皮膚の病的状態の病歴のない正常成人(年齢22〜55)の皮膚が、固形石鹸(Ivory(登録商標)、(Proctor & Gamble,Cincinnati,OH)への繰り返された曝露により損傷された。Ivory(商標)石鹸の成分は以下の通りである:牛脂脂肪酸ナトリウム(Sodium Tallowate)、ヤシ油ナトリウム(Sodium Palmate)、水、ヤシ脂肪酸ナトリウム(Sodium Cocoate)、パーム核脂肪酸ナトリウム(Sodium Palm Kernelate)、グリセリン、塩化ナトリウム、香料、ココナツ酸、パーム核脂肪酸(Palm Kernel Acid)、牛脂脂肪酸(Tallow Acid)、ヤシ脂肪酸(Palm Acid)、EDTA四ナトリウム。被験者(n=9〜10被験者/処置小集団)は、1日に2回、7日間にわたり、自身の手のひらをIvory石鹸で洗浄した。皮膚にローションは塗布されなかった。この処置はTEWLの増大、したがって洗浄された皮膚の障害のある障壁機能の増大、及び皮膚水和の減少したレベルをもたらした。それぞれの被験者についてTEWL値が、水分蒸散計Vapometer(Delfin Technologies(Finland))を用いてプローブを一定時間皮膚表面上に保持することにより測定された。プローブは、コンピュータ又は他のデータ記録装置に接続された。プローブは皮膚表面の2点で相対湿度を測定するために設計された。次いで相対湿度水準から水流量(TEWL)が決定された。TEWLはmg/cm/hr(又はg/m/h)として表された。
【0070】
TEWL及び水和測定は、0日目(石鹸による脱水前)、1日目(ベースライン、石鹸による1週間の脱水後)、3日目(試験洗剤により3日間洗浄)、及び5日目(試験洗剤により5日間洗浄)に遂行された。結果は1日目のベースラインからの変化として報告された(即ち5日目のTEWL又は水和−1日目のTEWL又は水和)。0日目から1日目の測定の間に、伝導度が減少し及びTEWLが増大したことから明らかなように、1日目の石鹸処置後、皮膚の水和は減少し、障壁は損傷を受けた。
【0071】
これは皮膚の石鹸誘発性乾燥症を表すものである。この障害のある障壁状態では、皮膚の水和は低下され、及びTEWLによる皮膚障壁の測定は顕著に高くなった。
【0072】
研究の第2相の間に、下記の表1に説明される試験洗剤が皮膚の洗浄のために用いられ、TEWL測定が取得された。
【0073】
泡量試験実験手順:
消費者製品の泡生成を測定するために工業的に受け入れられている手段は、Sita Foam Tester R−2000(SITA Messtechnik GmbH,Dresden Germany)である。泡生成の測定に特化して設計されたSita Foam Testerは、覆いをつけられたサンプル容器及び撹拌機より構成される。水道水の硬水を表現するために、0.36gの塩化カルシウムが995gの脱イオン水に溶解された。5gの試験製剤がこの溶液に加えられ、均一になるまで混合された。次いで、この試験製剤の0.5%希釈物はSita Foam Testerの保持タンクに入れられた。それぞれの実験のために、250mLの溶液が試験容器に導入され30℃±2℃の温度になるように放置された。撹拌機は1200rpmで15秒間回転し、次いで泡量が測定された。撹拌は合計12サイクル反復された。それぞれの試験サンプルにつき泡生成試験は3回行われた。
【0074】
実施例C1、C2、E1及びE2の洗浄組成物は表1に記載された物質及び量に従い調製された。
【表1】

有効%w/wで表される
【0075】
表1の組成物のそれぞれは独立して以下のように調製された:水(50.0部)がビーカーに加えられた。次に以下の成分が、独立して、それぞれにより生成する混合物が均一になるまで混合しながら加えられた:アクリル酸カリウム共重合体(hm−ポリマー)、コカミドプロピルベタイン(CAPB)、デシルグルコシド(必要な場合)、PEG−80ラウリン酸ソルビタン、トリデセス硫酸ナトリウム(TDES)(必要な場合)及び残りの成分。次に、生成された溶液のpHを水酸化ナトリウム又はクエン酸の20%溶液で約6.3〜約6.6の最終所望pHが得られるまで調整した。次に水の残部が溶液に加えられた。
【0076】
比較サンプル3、即ちC3、は全皮膚タイプ用のクリーム状洗剤、Cetaphil(登録商標)Gentle Skin Cleanser(Galderma)である。Cetaphil(登録商標)は障害のある障壁を有する患者に適した温和な洗剤と考えられ、普通、皮膚科医により障害のある皮膚障壁を有する患者に推奨される。Cetaphilの成分は以下のように記載されている:水、セチルアルコール、プロピレングリコール、ラウリル硫酸ナトリウム、ステアリルアルコール、メチルパラベン、プロピルパラベン、ブチルパラベン。
【0077】
表1に説明された組成物に対する曝露後の皮膚水和が皮膚伝導度(マイクロ・ジーメンス、「μS」)により測定された。皮膚水和測定は、試験洗剤による洗浄後に測定された皮膚水和からの変化として、以下の表2a及び2bに説明されている。皮膚伝導度は1日目、3日目及び5日目に測定された。1日目と3日目との測定の差が採取され、及び1日目と5日目に採取された測定の間の差が計算された。一般的に皮膚水和が増加することが研究の間に観察された。いくつかの処置の3日目では、皮膚水和が1日目に比較して更に減少したことが観察された(Ivory(商標)処置後)が、この結果は1日目の皮膚水和(Ivory(商標)処置後)とは統計的に有意には異ならなかった。3日目での皮膚水和の改善の欠如は、石鹸による5日間の洗浄により誘発された、石鹸誘発性乾燥症からの損傷された皮膚障壁の遅い回復に原因がある。
【0078】
温和な洗浄製品による5日間の洗浄後に、皮膚水和の改善は洗浄組成物に基づいて異なる改善水準を有しながら、直ちに明白であった。表2aでは、E1、低分子量hm−ポリマー、アクリル酸カリウム共重合体を有する発泡性洗剤、で処置された皮膚は、低分子量hm−ポリマー、アクリル酸カリウム共重合体を含まないC1と比較して、皮膚水和をより大きな水準で増大させることが観察された。上記の結果は、E1がより急速に皮膚の治癒を可能にすることを示唆している。
【0079】
E1(低分子量hm−ポリマーを含む)による処置に対する皮膚水和の反応はC3、非発泡性洗剤であるCetaphil(商標)、に対する反応と同様であった。
【0080】
同様に、表2bでは、低分子量hm−ポリマーを含む発泡性洗浄が、C2(低分子量hm−ポリマーを含まない)と比較して、皮膚水和をより大きい水準まで増加させることが観察された。再び、E2がより急速に皮膚の治癒を可能にすることを示唆している。
【0081】
皮膚水和の水準は、洗浄処置に曝露されなかった「未処置」皮膚に対応する腕の位置でも採取された。この皮膚は、正常な皮膚水和水準を示す、石鹸誘発性乾燥症より正常で健康な皮膚と考えられる。表2bに説明されるように、5日目において、低分子量hm−ポリマー、アクリル酸カリウム共重合体を含む発泡性洗剤(実施例2)は、「未処置」と同等の水準まで皮膚水和水準を増加させることが観察され、この皮膚が、正常で健康な皮膚と同様の皮膚水和水準に復帰したことを示唆した。
【表2】

【表3】

【0082】
より高い伝導度値から明らかなように、皮膚を本発明の温和な洗浄処置(即ち、E1及びE2)に曝露させることを通じ、皮膚はより高い水和状態への復帰を伴う正常な健康状態に復帰することができた。
【表4】

【0083】
上記表3に示されるように、この結果は3日目及び5日目のTEWL測定のベースラインからの変化を示している。これらの処置条件下、及び装置類の分解能下では、上記に示される小さな差分TEWL値により明示されるように、皮膚障壁機能における測定可能な変化はなかった。
【0084】
実施例2:パッチ試験−アトピー性皮膚炎に起因する障害のある障壁を有する皮膚
この実施例では、アトピー性皮膚炎を有すると診断され、したがって障害のある障壁機能を有する皮膚を有する成人被験者(18〜65歳)(n=25被験者/小集団)の手のひらが、密封パッチ下で、24時間、表1で説明された洗浄溶液(以下に定義されるように希釈された)に曝露された。24時間後にパッチ及び洗浄溶液が取り除かれ、同一の処置剤を有する新しいパッチが再貼付され、かつこれが合計4日間反復された。皮膚障壁機能が処置前、及び4日間のパッチ処置後にTEWLの測定により測定された。報告されたTEWLは、4日目のTEWLの、ベースライン(即ち、洗浄組成物のパッチ処置前)からの変化である。
【0085】
以下の表5a及び5bに示されるデータは、TEWLの変化(差分TEWL)、即ち4日目に評価されたものと、蒸留水による洗浄組成物の50%希釈物に曝露される前の1日目のものとの比較を示している。
【0086】
実施例C9及びE9の洗浄組成物は、表4に記載された物質及び量に従い調製された。
【表5】

有効%w/wで表示
【0087】
表4のそれぞれの組成物は、以下のように独立して調製された:水(50.0部)がビーカーに入れられた。次に以下の成分が、独立して、それぞれにより生成する混合物が均一になるまで混合しながら加えられた:アクリル酸カリウム共重合体、ラウレス硫酸ナトリウム、コカミドプロピルベタイン、及び残りの成分。次に、生成された溶液のpHをクエン酸又は水酸化ナトリウムの20%溶液で約6.3〜約6.6の最終所望pHが得られるまで調整した。次に水の残部が溶液に加えられた。
【0088】
本発明の実施例は多くの商業的な温和な洗顔洗剤と比較された。C5はGalderma(Fort Worth,TX)よりの、正常から脂性皮膚用のCetaphil(登録商標)Daily Facial Cleanserである。
【0089】
C6は、Johnson & Johnson Consumer Companies,Inc(Skillman,NJ)よりのPurpose(登録商標)Gentle Face Cleanserである。
【0090】
C7は、Neutrogena Corporation(Los Angeles,CA)より市販されている、Neutrogena(登録商標)Fresh Foaming Cleanserである。C8はJohnson & Johnson Consumer Companies,Inc(Skillman,NJ)より市販されている、Aveeno(登録商標)Ultra−Calming Foaming Cleanserである。
【表6】

【表7】

【0091】
表5a及び5bに示されるように、この結果は洗浄組成物を含まないブランクのパッチ又は水単独への曝露では、非常に小さなTEWLの増加、したがって小さな差分TEWL値をもたらしたことを実証し、試験産物と皮膚との非常に最小限の相互作用を実証している。皮膚に温和な洗浄組成物についても差分TEWLは小さく、洗浄組成物と皮膚との最小限の相互作用を示している。かかる温和な組成物は、アトピー性皮膚炎に起因する皮膚障壁の障害を悪化させなかった。
【0092】
表5aにおいて、低分子量hm−ポリマーを含む発泡性洗浄組成物(E1)は、比較例1(低分子量hm−ポリマーを含まない)と比較して、より小さい差分TEWLを有することが観察された。加えて、低分子量hm−ポリマーを含む他の発泡性洗剤(E2)も、小さな差分TEWLを有することが観察された。ここに示されるように、界面活性剤及び低分子量hm−ポリマーの両方が組成物に存在する場合に、ΔTEWLがより低くなり、本発明の方法の組成物の使用によるより少ない皮膚障壁の障害を示している。
【0093】
以下の表6に示されるデータは、TEWL(差分TEWL)における変化、即ち4日目に評価されたものと、蒸留水による洗浄組成物の5%希釈物に対して曝露される前の1日目のものとの比較を示している。
【表8】

【0094】
表6では、低分子量hm−ポリマーを含む発泡性洗浄組成物(E9)が、比較例9(低分子量hm−ポリマーを含まない)と比較して、より小さな差分TEWLを有することが観察された。ここに示されるように、界面活性剤及び低分子量hm−ポリマーの両方が組成物に存在する場合に、ΔTEWLがより低くなり、本発明の方法の組成物の使用によるより少ない皮膚障壁の障害を示している。
【0095】
実施例3:界面活性剤力学の測定
動的表面張力試験
液滴形状解析(DSA)システムDSA100(KRUSS GmbH,Hamburg Germany)が界面活性剤溶液の動的表面張力の測定に用いられた。このシステムは高速カメラ、光源、シリンジ投薬システム、及び液滴の蒸発を減少させるための湿度制御のための環境室から構成される。界面活性剤溶液の垂滴が1.853mmの外径を有する反転された針(inverted needle)の先端に形成された。液滴の寸法は10〜25μLの範囲であり、それぞれの界面活性剤混合物について288mg/L及び719mg/Lの界面活性剤濃度が調査された。高速カメラは、最初の10秒間について6.25フレーム/秒、次の50秒間について2.08フレーム/秒、及び最後の60秒間について1.09フレーム/秒のフレーム・レートで画像を取得した。次にドロップ・エッジを画定するDSA1画像解析ソフトウエアを、液滴輪郭のx−及びz−軸半径を用いるラプラス−ヤング式(Laplace-Young equation)による、それぞれの液滴画像の表面張力の計算に用いることができる。
【0096】
平衡張力測定試験
界面活性剤溶液の平衡表面張力、γeq、の測定方法は、ウィルヘミー平板法である(Holmberg,K.;Jonsson,B.;Kronberg,B.;Lindman,B.Surfactants and Polymers in Aqueous Solution,Wiley & Sons,p.347)。この方法では、平板が液体中に浸漬され、液体により平板に発揮される下向きの力が測定される。次いで平板上の力、及び平板の寸法に基づき液体の表面張力が決定される。ある濃度範囲に対する表面張力の測定により、次に臨界ミセル濃度(CMC)が決定できる。
【0097】
以下の実施例では、白金のウィルヘミー平板を有するクルス(Kruss)K100張力計(Kruss USA,Mathews,NC)が、それぞれのサンプルのある濃度範囲に対する平衡表面張力の測定に使用された。サンプル容器は、その中でウィルヘミー平板が表面張力を測定する、いくらかの初期溶液が入っていた。次に、第2の溶液がサンプル容器に投与され、撹拌され、次いでウィルヘミー平板により再度調査された。
【0098】
実施例の洗浄組成物及び比較サンプルC10〜C14、及びE10〜E14は表7に記載される物質及び量に従って調製された。
【表9】

【表10】

有効%w/wで表示
【0099】
表7の組成物のそれぞれは独立して以下のように調製された:水(50.0部)がビーカーに加えられた。次に以下の成分が、独立して、それぞれにより生成する混合物が均一になるまで混合しながら加えられた:アクリル酸カリウム共重合体、トリデセス硫酸ナトリウム、コカミドプロピルベタイン、メチル2−スルホラウリン酸ナトリウム(SMSl)、2−スルホラウリン酸二ナトリウム(dSSl)。次に、生成された溶液のpHをクエン酸又は水酸化ナトリウムの20%溶液で約6.3〜約6.6の最終所望pHが得られるまで調整した。次に水の残部が溶液に加えられた。
【表11】

【表12】

【表13】

【0100】
動的表面張力試験及び平衡張力測定試験から計算された、ΔST(t)及び[γ(t)−γeq]が表8に示されている。[γ(t)−γeq]もグラフ的に表示され図1に示されている。全サンプルについて、新たな界面が時間=0で形成されるとき、表面張力の平衡表面張力からの偏差、[γ(t)−γeq]、は初期には高く(溶液の表面張力が純水の表面張力である72mN/mに接近するため)、次いで時間が経過するにつれて、[γ(t)−γeq]は単調に減少することが観察される。時間の経過に伴い、[γ(t)がγeq]に接近するにつれて、[γ(t)−γeq]は減少する。時間の経過に伴う動的表面張力における低下、γ(t)、は、より長時間において、より多くの界面活性剤が新たに形成された空気/水界面に到着することを示唆している。
【0101】
図1に見られるように、白丸で示されるC13(tdesを含む)、及び黒丸で示されるE13(tdes及び低分子量hm−ポリマーを含む)の両方が、上述したように、時間の経過とともに[γ(t)−γeq]が減少する同様の挙動を示す。しかしながら[γ(t)−γeq]の減少は、E13ではC13より遅く;E13及びE10(低分子量hm−ポリマーを含む)の界面活性剤力学は、C13及びC10(低分子量hm−ポリマーを含まない)よりも遅い。所与の時間においては、E13(低分子量hm−ポリマーを含む)は、より高い表面張力を有しており、それにより比較例C13(低分子量hm−ポリマーを含まない)より大きな[γ(t)−γeq]がもたらされる。より高い[γ(t)−γeq]は、E13(低分子量hm−ポリマーを含むtdes)が、より遅い界面活性剤力学を有し、及びC13(低分子量hm−ポリマーを含まずtdesを含む)の場合よりも、より少ない界面活性剤が空気/水界面に到達することを示唆する。低分子量hm−ポリマーを有する洗浄組成物は、関連の比較例よりも遅い界面活性剤力学を有する。使用時には、より遅い界面活性剤力学を有する洗剤は、同様に所与の時点において水−皮膚界面に到達する、より少ない界面活性剤を有する。
【0102】
低分子量hm−ポリマーによる洗浄とhm−ポリマーを含まない洗浄溶液による洗浄との間の、時間の関数としての動的表面張力の差、ΔST(t)、が表9に示される。E10〜E14についてのΔST(t)が図2に表示される。全てのサンプル、E10〜E14について、ΔST(t)は調査された全時間について正であり、低分子量hm−ポリマーによる洗浄システムが、対応する低分子量hm−ポリマーを含まない洗浄システムよりも、遅い界面活性剤力学を有することを示唆している。
【0103】
65秒の時点における動的表面張力の結果のまとめが表9に示されている。再び、洗浄システムへの低分子量hm−ポリマーの添加により、ΔST(65)は増大し、界面活性剤力学が減速されたことを示唆している。
【0104】
この動的表面張力試験では、低分子量hm−ポリマーの添加により、界面活性剤がより遅く空気/水界面に到達することが観察された。それに相当するものとして、これらの結果は、低分子量hm−ポリマーの添加により、界面活性剤が皮膚/水界面に到達することが遅くなることも示唆する。この低分子量hm−ポリマー添加による、これらの洗浄システムの界面活性剤力学における減速は、上記の実施例で観察された皮膚の適合性の改善を可能にする。
【表14】

【0105】
上記の明細書及び実施形態は、本明細書に開示された発明の完全かつ非限定的な理解を助けるために提示されている。本発明の変形形態及び実施形態が、本発明の趣旨及び範囲から逸脱することなく可能となるため、本発明は、本願の以下に添付する特許請求の範囲に帰するものである。
【0106】
〔実施の態様〕
(1) 障害のある障壁を有する皮膚の洗浄方法であって:(i)少なくとも1つの低分子量の非架橋の直鎖アクリル共重合体、並びに(ii)アニオン性界面活性剤、両性界面活性剤、及びそれらの2つ又は3つ以上の組み合わせからなる群から選ばれる少なくとも1つの界面活性剤、を含む洗浄組成物を前記皮膚に塗布することを含み、前記洗浄組成物は約2mN/mを超えるΔST(65)を有する、方法。
(2) 障害のある障壁を有する皮膚の洗浄方法であって:
a)(i)少なくとも1つの低分子量の非架橋の直鎖アクリル共重合体、並びに(ii)アニオン性界面活性剤、両性界面活性剤、及びそれらの2つ又は3つ以上の組み合わせからなる群から選ばれる少なくとも1つの界面活性剤、を含む洗浄組成物を前記皮膚に塗布することであって、前記洗浄組成物は約2mN/mを超えるΔST(65)を有する、洗浄組成物を前記皮膚に塗布することと、
b)前記皮膚を水ですすぐことと、を含む、方法。
(3) 前記組成物の50%希釈物を、障害のある障壁を有する皮膚に、24時間密閉パッチにより4回連続して貼付し、前記皮膚のTEWLが前記組成物への曝露の前及び後に測定された場合、前記皮膚のΔTEWLが約4.5mg/cm/hr未満である、実施態様1に記載の方法。
(4) 前記組成物の5%希釈物を、障害のある障壁を有する皮膚に、24時間密閉パッチにより4回連続して貼付し、前記皮膚のTEWLが前記組成物への曝露の前及び後に測定された場合、前記皮膚のΔTEWLが約8mg/cm/hr未満である、実施態様1に記載の方法。
(5) 前記方法の工程が5日間反復され、前記皮膚の水和が前記組成物への曝露の前及び5日後に測定され、これにより前記皮膚の水和が少なくとも約12μS増大される、実施態様2に記載の方法。
(6) 障害のある障壁を有する皮膚の洗浄方法であって:
(i)少なくとも1つの低分子量の非架橋の直鎖アクリル共重合体、並びに(ii)アニオン性界面活性剤、両性界面活性剤、及びそれらの2つ又は3つ以上の組み合わせからなる群から選ばれる少なくとも1つの界面活性剤、を含む洗浄組成物を前記皮膚に塗布することを含み、前記洗浄組成物は約3mN/mを超えるγ(65)−γeqを有する、方法。
(7) 障害のある障壁を有する皮膚の洗浄方法であって:
(i)少なくとも1つの低分子量の非架橋の直鎖アクリル共重合体、並びに(ii)アニオン性界面活性剤、両性界面活性剤、及びそれらの2つ又は3つ以上の組み合わせからなる群から選ばれる少なくとも1つの界面活性剤、を含む洗浄組成物を前記皮膚に塗布することを含み、この塗布により泡が生成され、
90秒における前記泡量が約175mLを超える、方法。
(8) 前記最大泡量が約225mLを超える、実施態様7に記載の方法。
(9) 前記洗浄組成物が、約1〜約15重量%の合計濃度のアニオン性及び両性界面活性剤を含む、実施態様1に記載の方法。
(10) 前記両性界面活性剤の濃度が約1〜約12重量%である、実施態様9に記載の方法。
【0107】
(11) 前記両性界面活性剤の濃度が約1〜約8重量%である、実施態様10に記載の方法。
(12) 前記両性界面活性剤の濃度が約2〜約7重量%である、実施態様10に記載の方法。
(13) 前記アニオン性界面活性剤及び両性界面活性剤の合計濃度が、前記組成物の約12重量%未満である、実施態様1に記載の方法。
(14) 前記アニオン性界面活性剤の前記濃度が、前記組成物の約6重量%未満である、実施態様13に記載の方法。
(15) 障害のある障壁を有する皮膚の洗浄方法であって:(i)アクリル酸カリウム共重合体を含む少なくとも1つの低分子量の非架橋の直鎖アクリル共重合体、並びに(ii)少なくとも1つがトリデセス硫酸ナトリウムを含むアニオン性界面活性剤、及び少なくとも1つがコカミドプロピルベタインを含む両性界面活性剤、及びそれらの2つ又は3つ以上の組み合わせからなる群から選ばれる少なくとも1つの界面活性剤、を含む洗浄組成物を前記皮膚に塗布することを含み、前記洗浄組成物が約2mN/mを超えるΔST(65)を有する、方法。
(16) 障害のある障壁を有する皮膚の洗浄方法であって:(i)アクリル酸カリウム共重合体を含む少なくとも1つの低分子量の非架橋の直鎖アクリル共重合体、並びに(ii)少なくとも1つがラウレス硫酸ナトリウムを含むアニオン性界面活性剤、及び少なくとも1つがコカミドプロピルベタインを含む両性界面活性剤、及びそれらの2つ又は3つ以上の組み合わせからなる群から選ばれる少なくとも1つの界面活性剤、を含む洗浄組成物を前記皮膚に塗布することを含み、前記洗浄組成物が約2mN/mを超えるΔST(65)を有する、方法。
(17) 前記低分子量の非架橋の直鎖アクリル共重合体がアクリル酸カリウム共重合体を含む、実施態様1に記載の方法。
(18) 前記共重合体が、脱イオン水中5重量%のポリマー固体濃度において、18重量%のNaOH溶液でpH 7に中和して、500mPa・s以下の粘度を有する、実施態様1に記載の方法。
(19) 前記第1のモノマー性成分が、(メタ)アクリル酸、イタコン酸、シトラコン酸、マレイン酸、フマル酸、クロトン酸、アコニット酸、及びそれらの2つ又は3つ以上の混合物から選ばれる、実施態様18に記載の方法。
(20) 前記第2のモノマー性成分が下式:
CH=CRX
(式中、Rは水素又はメチルであり;Xは−C(O)OR又は−OC(O)Rであり;Rは直鎖又は分岐鎖C〜Cアルキルであり;Rは水素又は直鎖又は分岐鎖C〜Cアルキルである)により表されるモノマーから選ばれる、実施態様18に記載の方法。
【0108】
(21) 前記第2のモノマー性成分が、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、酢酸ビニル、1−メチル酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、酪酸ビニル、2−エチルヘキサン酸ビニル、ピバル酸ビニル、ネオデカン酸ビニル、及びそれらの2つ又は3つ以上の混合物からなる群から選ばれる、実施態様18に記載の方法。
(22) 前記第1のモノマー性成分が、(メタ)アクリル酸からなる群から選ばれ、前記第2のモノマー性成分が、少なくとも1つのC〜Cアルキル(メタ)アクリレートからなる群から選ばれる、実施態様18に記載の方法。
(23) 前記第1のモノマー成分の前記第2のモノマー成分に対する比が、重合媒体中の前記モノマーの合計重量に基づき、約20:80重量%〜約50:50(wt/wt)の範囲である、実施態様18に記載の方法。
(24) 前記個人用ケア組成物が、少なくとも1つのカルボン酸基を含むα,β−エチレン性不飽和モノマーからなる群から選ばれる少なくとも1つのモノマー性成分と、C〜Cアルキル基を含むα,β−エチレン性不飽和非酸モノマーからなる群から選ばれる少なくとも1つのモノマー性成分と、から誘導される、非架橋の直鎖アクリル共重合体と、アニオン性界面活性剤、両性界面活性剤、及びそれらの2つ又は3つ以上の組み合わせから成る群から選ばれる少なくとも1つの界面活性剤と、を含み、前記組成物が少なくとも約90%の透過率の透明度を有し、前記共重合体及び前記少なくとも1つの界面活性剤が約500mg/Lを超えるC90を示す、実施態様1に記載の方法。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
障害のある障壁を有する皮膚の洗浄方法であって:(i)少なくとも1つの低分子量の非架橋の直鎖アクリル共重合体、並びに(ii)アニオン性界面活性剤、両性界面活性剤、及びそれらの2つ又は3つ以上の組み合わせからなる群から選ばれる少なくとも1つの界面活性剤、を含む洗浄組成物を前記皮膚に塗布することを含み、前記洗浄組成物は約2mN/mを超えるΔST(65)を有する、方法。
【請求項2】
障害のある障壁を有する皮膚の洗浄方法であって:
a)(i)少なくとも1つの低分子量の非架橋の直鎖アクリル共重合体、並びに(ii)アニオン性界面活性剤、両性界面活性剤、及びそれらの2つ又は3つ以上の組み合わせからなる群から選ばれる少なくとも1つの界面活性剤、を含む洗浄組成物を前記皮膚に塗布することであって、前記洗浄組成物は約2mN/mを超えるΔST(65)を有する、洗浄組成物を前記皮膚に塗布することと、
b)前記皮膚を水ですすぐことと、を含む、方法。
【請求項3】
前記組成物の50%希釈物を、障害のある障壁を有する皮膚に、24時間密閉パッチにより4回連続して貼付し、前記皮膚のTEWLが前記組成物への曝露の前及び後に測定された場合、前記皮膚のΔTEWLが約4.5mg/cm/hr未満である、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記組成物の5%希釈物を、障害のある障壁を有する皮膚に、24時間密閉パッチにより4回連続して貼付し、前記皮膚のTEWLが前記組成物への曝露の前及び後に測定された場合、前記皮膚のΔTEWLが約8mg/cm/hr未満である、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記方法の工程が5日間反復され、前記皮膚の水和が前記組成物への曝露の前及び5日後に測定され、これにより前記皮膚の水和が少なくとも約12μS増大される、請求項2に記載の方法。
【請求項6】
障害のある障壁を有する皮膚の洗浄方法であって:
(i)少なくとも1つの低分子量の非架橋の直鎖アクリル共重合体、並びに(ii)アニオン性界面活性剤、両性界面活性剤、及びそれらの2つ又は3つ以上の組み合わせからなる群から選ばれる少なくとも1つの界面活性剤、を含む洗浄組成物を前記皮膚に塗布することを含み、前記洗浄組成物は約3mN/mを超えるγ(65)−γeqを有する、方法。
【請求項7】
障害のある障壁を有する皮膚の洗浄方法であって:
(i)少なくとも1つの低分子量の非架橋の直鎖アクリル共重合体、並びに(ii)アニオン性界面活性剤、両性界面活性剤、及びそれらの2つ又は3つ以上の組み合わせからなる群から選ばれる少なくとも1つの界面活性剤、を含む洗浄組成物を前記皮膚に塗布することを含み、この塗布により泡が生成され、
90秒における前記泡量が約175mLを超える、方法。
【請求項8】
前記最大泡量が約225mLを超える、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記洗浄組成物が、約1〜約15重量%の合計濃度のアニオン性及び両性界面活性剤を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
前記両性界面活性剤の濃度が約1〜約12重量%である、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
障害のある障壁を有する皮膚の洗浄方法であって:(i)アクリル酸カリウム共重合体を含む少なくとも1つの低分子量の非架橋の直鎖アクリル共重合体、並びに(ii)少なくとも1つがトリデセス硫酸ナトリウムを含むアニオン性界面活性剤、及び少なくとも1つがコカミドプロピルベタインを含む両性界面活性剤、及びそれらの2つ又は3つ以上の組み合わせからなる群から選ばれる少なくとも1つの界面活性剤、を含む洗浄組成物を前記皮膚に塗布することを含み、前記洗浄組成物が約2mN/mを超えるΔST(65)を有する、方法。
【請求項12】
障害のある障壁を有する皮膚の洗浄方法であって:(i)アクリル酸カリウム共重合体を含む少なくとも1つの低分子量の非架橋の直鎖アクリル共重合体、並びに(ii)少なくとも1つがラウレス硫酸ナトリウムを含むアニオン性界面活性剤、及び少なくとも1つがコカミドプロピルベタインを含む両性界面活性剤、及びそれらの2つ又は3つ以上の組み合わせからなる群から選ばれる少なくとも1つの界面活性剤、を含む洗浄組成物を前記皮膚に塗布することを含み、前記洗浄組成物が約2mN/mを超えるΔST(65)を有する、方法。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2011−241210(P2011−241210A)
【公開日】平成23年12月1日(2011.12.1)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2011−107062(P2011−107062)
【出願日】平成23年5月12日(2011.5.12)
【出願人】(598039367)ジョンソン・アンド・ジョンソン・コンシューマー・カンパニーズ・インコーポレイテッド (79)
【氏名又は名称原語表記】Johnson & Johnson Consumer Companies,Inc.
【住所又は居所原語表記】Grandview Road,Skillman,New Jersey 08558,United States of America
【Fターム(参考)】