説明

障害リンク特定システムおよびその監視経路設定方法

【課題】全ての単一リンク障害および二重リンク障害を特定でき、経路長の総和が最小となる監視用パス群の経路を設定できる障害リンク特定システムおよびその監視経路設定方法を提供する。
【解決手段】監視経路設定部21において、トポロジ取得部100は、監視対象ネットワークNWの物理的な実トポロジを取得する。トポロジ変形部101は、監視対象ネットワークNWの実トポロジを仮想トポロジに変換する。監視経路算出部102は、監視対象ネットワークNWの全てのリンクをいずれかの監視経路が通過して単一リンク障害および二重リンク障害を特定できる、経路長の総和が最小となる監視用パスの経路群を、二重リンク障害を含む任意の2種類のリンク障害によって品質が劣化する監視経路の組み合わせが全く同じでは無いことを制約条件に含む整数計画問題を解くことで算出する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、障害リンク特定システムおよびその監視経路設定方法に係り、特に、1つの整数計画問題を解くことにより、全ての単一リンク障害および二重リンク障害を特定でき、経路長の総和が最小となる監視用パス群の経路を設定する障害リンク特定システムおよびその監視経路設定方法に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、ネットワーク内の監視用パスを終端する品質監視装置において、監視用パスの品質劣化が検知された場合、障害監視装置において、品質劣化の検知された監視用パスが共通に通過するリンクを障害リンクと推定する技術が開示されている。
【0003】
特許文献2には、ネットワークに接続された複数の品質監視装置によって終端され、かつ全ての単一リンク障害を特定できる最少かつ経路長の総和が最小である監視用パス群の経路を決定する技術が開示されている。
【0004】
非特許文献1には、ネットワークに接続された複数の品質監視装置によって終端され、かつ多重リンク障害を含む予め想定したリンク障害を特定できる最少または経路長の総和が最小である監視用パス群を決定する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特許第3885931号
【特許文献2】特願2009−280393号
【非特許文献】
【0006】
【非特許文献1】S. S. Ahuja, S. Ramasubramanian, and M. Krunz, "SRLG failure localization in all-optical networks using monitoring cycles and paths," Proc. of IEEE INFOCOM 2008, pp. 181-185, April 2008.
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
特許文献1では、単一リンク障害を想定した場合、単一の障害リンクを正確に特定することができない。
【0008】
特許文献2では、多重リンク障害が発生した場合、障害リンクを特定することができない。
【0009】
特許文献3では、監視用パス群の経路候補を予め与えて置く必要があり、全ての単一リンク障害および二重リンク障害を特定できるような多数の監視用パス群の経路を効率的に決定することができない。
【0010】
本発明の目的は、上記した従来技術の課題を全て解決し、全ての単一リンク障害および二重リンク障害を特定でき、経路長の総和が最小となる監視用パス群の経路を設定できる障害リンク特定システムおよびその監視経路設定方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記の目的を達成するために、本発明は、ネットワーク上の一部のノードに、監視データの送信機能および受信機能の少なくとも一方を備えた複数の品質監視装置を接続し、前記送信機能から受信機能へ複数の監視経路で監視データを送信し、その到達性に基づいて障害リンクを特定する障害リンク特定システムおよびその監視経路設定方法において、以下のような手段を具備した点に特徴がある。
【0012】
(1)本発明の障害リンク特定システムは、複数の監視経路を設定する障害管理装置を含む。そして、この障害管理装置が、ネットワークの実トポロジを取得するトポロジ取得手段と、前記実トポロジを、前記送信機能を備えた品質監視装置が接続された複数のノードのそれぞれと仮想リンクで接続される擬似発ノード、および前記受信機能を備えた品質監視装置が接続された複数のノードのそれぞれと仮想リンクで接続される擬似着ノードが仮想的に配置された仮想トポロジに変形するトポロジ変形手段と、前記仮想トポロジに基づいて、ネットワークの単一リンク障害および二重リンク障害を特定するための監視用パスの経路群であって、前記擬似発ノードから中継ノードを経由して擬似着ノードへ至る複数の監視経路を、整数計画問題を解くことにより算出する監視経路算出手段とを具備し、監視経路算出手段は、仮想トポロジのネットワーク上で、二重リンク障害を含む任意の2種類のリンク障害によって品質が劣化する監視経路の組み合わせが全く同じでは無いことを制約条件に含む整数計画問題を解くようにした。
【0013】
本発明の監視経路設定方法は、ネットワークの実トポロジを、前記送信機能を備えた品質監視装置が接続された複数のノードのそれぞれと仮想リンクで接続される擬似発ノード、および前記受信機能を備えた品質監視装置が接続された複数のノードのそれぞれと仮想リンクで接続される擬似着ノードが仮想的に配置された仮想トポロジに変形する手順と、前記仮想トポロジに基づいて、ネットワークの単一リンク障害および二重リンク障害を特定するための監視用パスの経路群であって、前記擬似発ノードから中継ノードを経由して擬似着ノードへ至る複数の監視経路を、整数計画問題を解くことにより算出する手順とを含み、前記監視経路を算出する手順では、前記仮想トポロジのネットワーク上で、二重リンク障害を含む任意の2種類のリンク障害によって品質が劣化する監視経路の組み合わせが全く同じでは無いことを制約条件に含む整数計画問題を解くようにした。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、以下のような効果が達成される。
【0015】
(1)本発明の障害リンク特定システムによれば、複数の品質監視装置をネットワークに接続することで監視処理の負荷分散を図りながら、単一リンク障害および二重リンク障害を必ず特定でき、かつ経路長の総和が最小となる監視用パスの経路群を用いて、単一リンク障害および二重リンク障害の発生場所を正確に特定できるようになる。
【0016】
(2)本発明の監視経路設定方法によれば、複数の品質監視装置がネットワークに接続されて監視処理の負荷が分散される障害リンク特定システムにおいて、単一リンク障害および二重リンク障害を必ず特定でき、経路長の総和が最小となる監視用パスの経路群を、監視対象ネットワークのトポロジに基づいて論理的に設定できるようになる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明が適用されるネットワークの構成を示したブロック図である。
【図2】障害管理装置の主要部の構成を示したブロック図である。
【図3】本発明の動作を示したフローチャートである。
【図4】ネットワークの実トポロジを変形して得られる仮想トポロジの図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について詳細に説明する。図1は、本発明の障害リンク特定システムおよびその監視経路設定方法が適用されるネットワークの構成を示したブロック図であり、監視対象のネットワークNWは、多数のノード装置nと、各ノード装置nを相互に接続する多数のリンクとから構成されている。
【0019】
本発明では、複数のノード装置nに、監視データの送信機能(t)および受信機能(r)の少なくとも一方を備えた品質監視装置1がそれぞれ接続されており、送信機能を備えた品質監視装置1(t)から受信機能を備えた品質監視装置1(r)まで監視経路が設定される。なお、本実施形態では全ての品質監視装置1が監視データの送信機能(r)および受信機能(r)のいずれも備えているものとして説明する。
【0020】
障害管理装置2は、監視データ送信機能(t)を備えた各品質監視装置1(t)に対して、監視経路を通して監視データを送信することを指示する。監視データ受信機能を備えた品質監視装置1(r)は、監視経路を通して受信した監視データの品質を監視し、品質劣化が検知されると障害管理装置2へ通報する。障害管理装置2は、各監視経路が通過するリンクに関する情報および品質劣化が検知された監視経路情報に基づいて障害リンクを特定する。これにより、リンク毎に品質監視装置1を設ける場合と比較して、必要な品質監視装置数の削減が図られる。前記障害管理装置2は、ネットワークNW上の各ノード装置nと通信するための入出力インターフェースおよびそのアプリケーションが実装されたコンピュータで実現できる。
【0021】
本発明では、障害リンクを必ず特定できるような複数の監視経路(監視用パスの経路群)が障害管理装置2により設定される。すなわち、本発明では単一リンク障害および二重リンク障害を想定し、これらのリンク障害が発生したとき、障害リンクを必ず特定できるような、経路長の総和が最小となる監視用パスの経路群が、後述する整数計画問題を解くことで算出される。但し、監視データ送信機能(t)および監視データ受信機能(r)の両方を有する品質監視装置が接続されているノード装置nを除いて、各監視経路が同一のノード装置nを複数回経由することは無いと仮定する。
【0022】
図2は、前記障害管理装置2の主要部の構成を示したブロック図であり、複数の監視経路を設定する監視経路設定部21と、各品質監視装置1から各監視経路に監視データを送信させて障害リンクを特定するリンク障害特定部22とを含む。
【0023】
前記リンク障害特定部22は、前記設定された複数の監視経路に各品質監視装置1(t)から監視データを送信させ、当該監視データが品質監視装置1(r)に到達しない経路上、および監視データの到達が非常に遅いか、到達した監視データの誤り率が非常に高い経路上に障害が発生したと判定し、障害が発生している監視経路が通過し、かつ障害が発生していない監視経路が通過していないリンクを障害リンクと特定する。
【0024】
前記監視経路設定部21において、トポロジ取得部100は、監視対象ネットワークNWの物理的な実トポロジを取得する。トポロジ変形部101は、図1に示した監視対象ネットワークNWの実トポロジを、後に詳述するように、図4に示したような仮想トポロジに変換する。監視経路算出部102は、後に詳述するように、監視対象ネットワークNWの全てのリンクをいずれかの監視経路が通過して単一リンク障害および二重リンク障害を特定できる、経路長の総和が最小となる監視用パスの経路群を、整数計画問題を解くことで算出する。
【0025】
本発明では、この整数計画問題が、仮想トポロジのネットワーク上で、二重リンク障害を含む任意の2種類のリンク障害によって品質が劣化する監視経路の組み合わせが全く同じでは無いこと、換言すれば、任意の異なるリンク障害によって品質が劣化する監視用パス数の和が、どちらのリンク障害によっても品質が劣化する監視用パスの2倍よりも大きくなること、を制約条件に含む点に特徴がある。
【0026】
次いで、本発明の一実施形態の動作を図3のフローチャートに沿って説明する。なお、前記障害管理装置2がコンピュータで実現される場合、以下の各ステップで実行される処理は、所定のプログラミング言語で記述されたコンピュータプログラムとして前記障害管理装置2に提供、インストールされる。
【0027】
ステップS1では、監視対象ネットワークNWの物理的な実トポロジが前記トポロジ取得部100により取得される。ステップS2では、前記取得された実トポロジが、前記トポロジ変形部101により仮想トポロジに変換される。
【0028】
図4は、図1に示した実トポロジを変形して得られる仮想トポロジの一例を示した図であり、監視データの送信機能(t)および受信機能(r)の双方を発揮する品質監視装置1(図1)が接続されているノード装置nは、送信機能(t)のみを備える品質監視装置1が接続されているノード装置n(t)と、受信機能(r)のみを備える品質監視装置1が接続されているノード装置n(r)とに仮想的に分割され、両ノード装置n(t),n(r)は距離がゼロの仮想リンクによって接続される。また、前者のノード装置n(t)には、当該ノードn(t)を始点とするリンクのみが接続される。後者のノード装置n(R)には、当該ノードn(r)を終点とするリンクのみが接続される。
【0029】
さらに、前記仮想トポロジでは、新たに擬似発ノードsおよび擬似着ノードdが追加され、擬似発ノードsには、監視データの送信機能(t)を発揮する品質監視装置1(t)と接続される全てのノード装置n(t)が距離ゼロの仮想リンクによって接続される。同様に、擬似着ノードdには、監視データの受信機能(r)を発揮する品質監視装置1(r)と接続される全てのノード装置n(r)が距離ゼロの仮想リンクによって接続される。ステップS3では、前記仮想トポロジを対象に、前記監視経路算出部102により整数計画法が実行され、整数計画問題を解くことで監視用パスの経路群が算出される。ここでは、各定数が以下の様に定義される。
【0030】
n:監視対象ネットワークを構成するノード装置。
N:ノード装置nの集合。
l:監視対象ネットワークを構成するリンク。
L:リンクlの集合。
VL:仮想リンクの集合
l(s):リンクlの始点ノード
l(t):リンクlの終点ノード
s:擬似発ノード。
d:擬似着ノード。
nin:ノードnを終点とするリンクの集合。但し、sinは空集合。
nout:ノードnを始点とするリンクの集合。但し、doutは空集合。
|nin|:ノードnを終点とする仮想リンクを除くリンクの数(入側リンク数)。
|nout|:ノードnを始点とする仮想リンクを除くリンクの数(出側リンク数)。
LP:仮想リンクを除くリンクのペア集合
lp,lp1,lp2:リンクペア
(l1,l2):リンクペア
dl:リンクlの距離
M:擬似発ノードsと擬似着ノードdとを接続する監視用パス数
A:十分に大きな値
【0031】
また、変数が以下の様に定義される。
【0032】
Xl(k):k(1〜M)番目の監視用パスがリンクlを通過する時に"1"、そうでない時に"0"であるバイナリー変数。
【0033】
Y(l1,l2)(k):k(1〜M)番目の監視用パスが、リンクl1またはリンクl2を通過する時に"1"、そうでない時に"0"であるバイナリー変数。
【0034】
Zn(k):k(1〜M)番目の監視用パスにおける、ノードnのポテンシャルを示す整数変数。ノードnのポテンシャルは、k番目の監視用パスの発ノードのポテンシャルに対して、k番目の監視用パス上での発ノードからのホップ数を加算した値である。
【0035】
SumLength:監視用パス群における経路長の総和。
【0036】
本実施形態では、整数計画問題の制約式が次のように設定される。初めに、各監視経路は、擬似発ノード(s)から出発して擬似着ノード(d)に到着する。また、擬似発ノード(s)および擬似着ノード(d)以外の中継ノードについては、1度だけ通過するか、あるいは全く通過しなかのいずれかである。従って経路保存則を示す次式(1)-(3)が制約式とされる。
【0037】
すなわち、全ての監視経路は擬似発ノード(s)を始点とする全てのリンクlのいずれかを1回だけ通過するので、次式(1)が経路保存則の一つとなる。
【0038】
【数1】

【0039】
同様に、全ての監視経路は、擬似着ノード(d)を終点とする全てのリンクlのいずれかを1回だけ通過するので、次式(2)が経路保存則の一つとなる。
【0040】
【数2】

【0041】
さらに、全ての監視経路は、擬似発着ノード(s),(d)以外の各ノード装置(中継ノード)を始点とする出側リンクlおよび終点とする入側リンクlを1回だけ通過するか、どちらも通過しないので、次式(3)が経路保存則の一つとなる。
【0042】
【数3】

【0043】
また、仮想的な監視対象ネットワークにおいて、各監視経路はループを含まないので、各監視経路上の各ノードのポテンシャルは一意に決まらなければならない。従って、次の制約式(4)が満足される必要がある。
(経路がループを含まない条件)
【0044】
【数4】

【0045】
さらに、単一リンク障害を特定するためには、監視用パスが障害リンクを通る必要がある。また、障害リンクを通る監視用パスが1本のみであると、当該監視用パスが通過する他のリンクで障害が生じた際、当該他のリンクの単一障害なのか、あるいは当該他のリンクと前記監視用パスが1本のみ通過するリンクとの二重リンク障害なのかを識別できない。従って、各リンクに対しては、2本以上の監視用パスの通過が必要であり、次式(5)が全ての単一リンク障害および二重リンク障害を検出するための経路群の条件となる。
(各リンクを通過する経路数の条件)
【0046】
【数5】

【0047】
さらに、変数Y(l1,l2)(k)の値は、k(1〜M)番目の監視用パスが、リンクl1またはリンクl2を通過する時に「1」、通過しないときに「0」であるため、以下の条件が成り立つ。
(リンクペアを経路が通過する条件)
【0048】
【数6】

【0049】
【数7】

【0050】
【数8】

【0051】
さらに、任意の2種類のリンク障害を特定するためには、各リンク障害によって品質が劣化する監視用パスの組合せが、全く同じであってはならない。すなわち、任意の異なるリンク障害によって品質が劣化する監視用パス数の和は、どちらのリンク障害によっても品質が劣化する監視用パス数の2倍よりも大きくなければならない。従って、2つの単一リンク障害を識別するための経路に関する制約式として次式(9)が成り立つ。
【0052】
【数9】

【0053】
同様に、単一リンク障害と二重リンク障害を識別するための経路の制約式として、次式(10)が成り立つ。
【0054】
【数10】

【0055】
同様に、2つの二重リンク障害を識別するための経路の制約式として、次式(11)が成り立つ。
【0056】
【数11】

【0057】
そして、本実施形態では監視経路長の総和が最小化されるように監視用パスの経路群が設定されるので、最小化すべき目的関数は次式(12)で与えられる。
【0058】
【数12】

【0059】
本実施形態では、上記の整数計画問題を解いて得られたXl(k)(1〜M)の値が、経路長の総和が最小になる監視用パスの経路群を示す。各々の監視経路について、当該監視経路が通過する仮想リンクによって、始点となる品質監視装置と終点となる品質監視装置を知る事ができる。
【0060】
以上により、1つの整数計画問題を解くことにより、複数の品質監視装置を利用して全ての単一リンク障害および二重リンク障害を特定できる経路長の総和が最小となる監視用パスの経路群を効率的に設定できるようになる。
【符号の説明】
【0061】
1…品質監視装置,2…障害管理装置,21…監視経路設定部,22…リンク障害特定部,100…トポロジ取得部,101…トポロジ変形部,102…監視経路算出部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ネットワーク上の一部のノードに、監視データの送信機能および受信機能の少なくとも一方を備えた複数の品質監視装置を接続し、前記送信機能から受信機能へ複数の監視経路で監視データを送信し、その到達性に基づいて障害リンクを特定する障害リンク特定システムにおいて、
前記複数の監視経路を設定する障害管理装置を具備し、
前記障害管理装置が、
ネットワークの実トポロジを取得するトポロジ取得手段と、
前記実トポロジを、前記送信機能を備えた品質監視装置が接続された複数のノードのそれぞれと仮想リンクで接続される擬似発ノード、および前記受信機能を備えた品質監視装置が接続された複数のノードのそれぞれと仮想リンクで接続される擬似着ノードが仮想的に配置された仮想トポロジに変形するトポロジ変形手段と、
前記仮想トポロジに基づいて、ネットワークの単一リンク障害および二重リンク障害を特定するための監視用パスの経路群であって、前記擬似発ノードから中継ノードを経由して擬似着ノードへ至る複数の監視経路を、整数計画問題を解くことにより算出する監視経路算出手段とを具備し、
前記監視経路算出手段は、前記仮想トポロジのネットワーク上で、二重リンク障害を含む任意の2種類のリンク障害によって品質が劣化する監視経路の組み合わせが全く同じでは無いことを制約条件に含む整数計画問題を解くことを特徴とする障害リンク特定システム。
【請求項2】
前記監視経路算出手段は、任意の異なるリンク障害によって品質が劣化する監視用パス数の和が、どちらのリンク障害によっても品質が劣化する監視用パス数の2倍よりも大きくなることを制約条件に含む整数計画問題を解くことを特徴とする請求項1に記載の障害リンク特定システム。
【請求項3】
前記整数計画問題は、各監視経路が、擬似発ノードから出る複数のリンクのいずれかを一度だけ通り、擬似着ノードに入る複数のリンクのいずれかを一度だけ通り、各中継ノードの入リンクおよび出リンクの双方を通るか双方を通らないかのいずれかであることを制約条件に含むことを特徴とする請求項1または2に記載の障害リンク特定システム。
【請求項4】
前記整数計画問題は、各監視経路がループを含まないことを制約条件に含むことを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の障害リンク特定システム。
【請求項5】
前記整数計画問題は、全てのリンクを少なくとも2つの異なる監視経路が通過することを制約条件に含むことを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載の障害リンク特定システム。
【請求項6】
ネットワーク上の一部のノードに、監視データの送信機能および受信機能の少なくとも一方を備えた複数の品質監視装置を接続し、前記送信機能から受信機能へ複数の監視経路で監視データを送信し、その到達性に基づいて障害リンクを特定する障害リンク特定システムの監視経路設定方法において、
ネットワークの実トポロジを、前記送信機能を備えた品質監視装置が接続された複数のノードのそれぞれと仮想リンクで接続される擬似発ノード、および前記受信機能を備えた品質監視装置が接続された複数のノードのそれぞれと仮想リンクで接続される擬似着ノードが仮想的に配置された仮想トポロジに変形する手順と、
前記仮想トポロジに基づいて、ネットワークの単一リンク障害および二重リンク障害を特定するための監視用パスの経路群であって、前記擬似発ノードから中継ノードを経由して擬似着ノードへ至る複数の監視経路を、整数計画問題を解くことにより算出する手順とを含み、
前記監視経路を算出する手順では、前記仮想トポロジのネットワーク上で、二重リンク障害を含む任意の2種類のリンク障害によって品質が劣化する監視経路の組み合わせが全く同じでは無いことを制約条件に含む整数計画問題を解くことを特徴とする障害リンク特定システムの監視経路設定方法。
【請求項7】
前記監視経路を算出する手順では、任意の異なるリンク障害によって品質が劣化する監視用パス数の和が、どちらのリンク障害によっても品質が劣化する監視用パス数の2倍よりも大きくなることを制約条件に含む整数計画問題を解くことを特徴とする請求項6に記載の障害リンク特定システムの監視経路設定方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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