説明

障害物センサおよび障害物センサを有する玩具

【課題】
検出対象を一定の範囲に限定しない、検出範囲の広い障害物検出センサであり、且つ、構造を単純なものとすることができる障害物検出センサを用いた玩具を提供する。
【解決手段】
本発明は、モータを制御する駆動制御手段と、前記モータに流れる電流を検出する検出手段と、前記検出手段から過負荷電流検出信号が入力されると前記駆動制御手段にモータを逆転させる制御信号を出力する主制御手段とで構成される制御スイッチ回路と、動力部と車輪部とにより制御される走行手段を有し、前記走行手段は動力部と車輪部との間に転舵部を有し、転舵部はモータの回転方向により車輪の向きを変化させるものであり、外部にセンサを用いることなく、スイッチをONとするだけで、障害物にぶつかる度に走行方向を変え、自動で障害物から脱出することができる、変化のある複雑で楽しい動きを楽しむことができる走行玩具である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、玩具に用いる障害物センサであり、この障害物センサを用いた玩具に関する。
【背景技術】
【0002】
今日、走行玩具等の障害物センサは、外部に設置して障害物を検知するものが多く用いられ、例えば特許文献1に記載されたものがある。
特許文献1に記載された走行玩具本体は、方向転換装置および障害物検出手段を有し、該方向転換装置は、装置本体と、装置本体に略垂直に設けられた回転軸と、装置本体に略水平に設けられた駆動軸と、該駆動軸から車輪に駆動を伝達する歯車列とからなるものであり、障害物検出手段は前記方向転換装置に設置され、走行面の障害を検出可能に設けられるものである。
これにより、走行玩具の進行方向の障害物を前記検出手段が検出すると、方向転換装置が走行玩具の進行方向を転換させることができるものである。
【特許文献1】特開2003−93753
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
前述のように、走行玩具等の障害物センサは、障害物を検出する範囲が進行方向に限定されているため、側方や後方の障害物を検出するためには、側方や後方にも障害物センサを設置する必要があり、構造が複雑になる上に、コストがかかるものであった。
そこで、本発明は、検出対象を一定の範囲に限定しない、検出範囲の広い障害物検出センサであり、且つ、構造を単純なものとすることができる障害物検出センサ、及びこのセンサを用いた玩具を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0004】
請求項1記載の発明は、モータに印加する電圧を制御する駆動制御手段と、前記モータに流れる電流を検出する検出手段と、前記検出手段から過負荷電流検出信号が入力されると前記駆動制御手段にモータを停止または逆転させる制御信号を出力する主制御手段とで構成されることを特徴とする。
【0005】
請求項2記載の発明は、主制御手段は駆動制御手段に制御信号を出力する時、発音機構に音声信号を出力することを特徴とする。
【0006】
請求項3記載の発明は、モータが組み込まれた動力部と、この動力部により駆動される車輪部とにより形成される走行手段を有し、前記モータに印加する電圧を制御する駆動制御手段と、前記モータに流れる電流を検出する検出手段と、前記検出手段から過負荷電流検出信号が入力されると前記駆動制御手段にモータを逆転させる制御信号を出力する前記主制御手段とで構成される制御スイッチ回路を有することを特徴とする。
これにより、走行体が障害物にぶつかることで、該走行体が往路を逆走することとなる。
【0007】
請求項4記載の発明は、前記走行手段は動力部と車輪部との間に転舵部を有し、転舵部はモータの回転方向により車輪の向きを変化させることを特徴とする。
【0008】
請求項5記載の発明は、前記走行手段の転舵部の揺動角度を、30度から90度の範囲とすることを特徴とする。
これにより、走行体が障害物にぶつかった際、走行方向を前進方向と異なる方向とし、障害物を回避することができる。
【0009】
請求項6記載の発明は、前記制御スイッチ回路に音声機構を有し、前記検出手段から過負荷電流検出信号が入力されると、主制御手段は前記音声機構に音声出力信号を出力することを特徴とする。
これにより、走行体が障害物にぶつかると、前記音声機構から音声が拡声される。
【0010】
請求項7記載の発明は、本体部と、本体部に回動自在とされる腕部と、前記腕部の動作を遮るストッパー部からなり、本体部の内部には、モータが組み込まれた動力部と、この動力部により往復動作される動作部と、前記モータに印加する電圧を制御する駆動制御手段と、前記モータに流れる電流を検出する検出手段と、前記検出手段から過負荷電流検出信号が入力されると前記駆動制御手段にモータを逆転させる制御信号を出力する主制御手段とで構成される制御スイッチ回路を有することを特徴とする。
これにより、モータが回転することで腕部も回動し、該腕部がストッパー部に当て止められることでモータが逆転し、腕部が反対方向に回動し、また、左右の腕部を互いに反対方向に上下動させることができる。
【0011】
請求項8記載の発明は、前記動作部は、モータの回転を上下方向の動きに変換する動力変換機構と、左右の腕部の動作方向を反対とする動力転換部とを備え、前記ストッパー部は、本体部に設置されるストッパー突起とされることを特徴とする。
これにより、左右の動力伝達棒が、平歯車などの動力転換部を介することで、左右の動力伝達棒が、互いに反対方向に上下動させることができる
【0012】
請求項9記載の発明は、 台部とこの台部に内設されるモータを備えた動力部及び動力部から回転を伝達する伝達部を有し、この伝達部により開閉動作される扉部を有する鏡部及び前期開閉動作する扉部の動きを遮るストッパー部とからなり、前記モータに印加する電圧を制御する駆動制御手段と、前記モータに流れる電流を検出する検出手段と、この検出手段から過負荷電流検出信号が入力されると前記駆動制御手段にモータを停止させる制御信号を出力する主制御手段とで構成される前記制御スイッチ回路を有することを特徴とする。
これにより、モータが回転することで扉部も回動し、該扉部が、ストッパー突起または枠体に当て止められることでモータが停止し、左右の扉部を停止させることができ、また、左右の扉部の一方、若しくは双方に、回動を遮る押圧力が外部から加えられると、モータに負荷がかかることで、扉部の回動を停止させることができる。
【0013】
請求項10記載の発明は、前記台部はボックス状とされ、該台部の裏面の4隅には脚部が下方に延設され、前記鏡部は、鏡が嵌め込み設置される枠体と、該枠体の両端に位置する回転軸柱、扉部とからなり、
前記伝達部は、モータの回転を左右の扉部に伝達する動力伝達機構からなることを特徴とする。
これにより、モータの駆動力を、扉部まで伝達することができ、左右の扉部を同期して開閉または停止させることができる。
【発明の効果】
【0014】
請求項1記載の発明によれば、外部に多数のセンサを用いることなく、本制御スイッチ回路を用いるのみで、全方向からのモータへの負荷に対して制御を行うことができる。
【0015】
請求項2記載の発明によれば、モータへの負荷に対してモータの制御を行うと同時に、音声機構を制御することで、動きと連動した音声を提供することができる。
【0016】
請求項3記載の発明によれば、遊戯者が走行体で遊ぶ際に、障害物で停止するたびに該玩具を取りに行く必要が無く、自動で戻ってくることで遊ぶことを容易とすることができ、変化のある複雑な動きを楽しむことが出来る。
【0017】
請求項4記載の発明によれば、外部にセンサを用いることなく、スイッチをONとするだけで、障害物にぶつかる度に走行方向を変え、自動で障害物から脱出することができる、変化のある複雑で楽しい動きを楽しむことができる。
【0018】
請求項5記載の発明によれば、スイッチをONとするだけで、走行体が障害物にぶつかる度に走行方向を変え、自動で障害物をより円滑に回避することができる、変化のある複雑で楽しい動きを楽しむことができる。
【0019】
請求項6記載の発明によれば、スイッチをONとするだけで、走行体が障害物にぶつかる度に走行方向を変え、自動で障害物から脱出することができる、変化のある複雑で楽しい動きと、該動きに合わせた音声を一緒に楽しむことができる。
【0020】
請求項7記載の発明によれば、ストッパー部近傍などの動作限界位置にセンサを設置することなく、スイッチをONとするだけで、左右の腕部に支持される旗を交互に上げる動作玩具の動きを楽しむことが出来る。
【0021】
請求項8記載の発明によれば、スイッチをONとするだけで、左右の腕部に支持される旗を交互に上げる動作玩具の動きを楽しむことが出来る。
【0022】
請求項9記載の発明によれば、ストッパー部近傍などの動作限界位置にセンサを設置することなく、扉部の開閉中に、該扉部を子供が手で押さえた場合や、指を扉部と枠体との間に挟んだりした場合に、安全に扉部の回動を停止することができる。
【0023】
請求項10記載の発明によれば、構造を単純なものとすることができ、設計製造を容易とすることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0024】
モータに印加する電圧を制御する駆動制御手段と、前記モータに流れる電流を検出する検出手段と、前記検出手段から過負荷電流検出信号が入力されると前記駆動制御手段にモータを逆転させる制御信号を出力する主制御手段とで構成される制御スイッチ回路と、モータが組み込まれた動力部と、この動力部により駆動される車輪部とにより制御される走行手段を有し、前記走行手段は動力部と車輪部との間に転舵部を有し、転舵部はモータの回転方向により車輪の向きを変化させ、前記走行手段の転舵部の揺動角度を略70度とする走行玩具である。
【実施例1】
【0025】
走行玩具は、図1に示すように、走行体100、及び、走行体100の上部に乗せる形象体180から構成されている。
この走行体100は、キャラクターの足部を模した形状とされ、また、形象体180は、キャラクターの足より上の部分を模して形成されており、これによりキャラクター自体を走行させて楽しむことができるものとされる。
【0026】
走行体100は、制御回路と駆動手段を内蔵している。また、走行体100の上面には、係合手段170が設けられ、該係合手段170によって、形象体180が係合されるものである。
【0027】
制御回路150は、図2に示すように、主制御手段151、クロック回路153、検出手段154、駆動制御手段155、音声機構156、から構成され、電源部152及びスイッチ158と接続される。
クロック回路153は主制御手段151と接続され、電源部152からの電力の供給を受けて、主制御手段151へ基準信号を入力するものである。
検出手段154は、駆動制御手段155と接続され、走行体が壁にぶつかる等により前進又は後退ができなくなったときにモータに負荷がかかり、その際に発生する過負荷電流を検知し、主制御手段151に検出信号を送信するものである。
駆動制御手段155は、マイクロコンピュータであって、電源電圧をモータに印加するに際し、主制御手段151からの駆動制御信号に基づいてモータへの印加電圧の極性を決定し、モータの正転、逆転および停止を制御するものである。
また電源部152は、主制御手段151や駆動制御手段155などと接続され、電源スイッチ158をONとすると、制御回路150に電力を供給するものである。
【0028】
音声機構156は、主制御手段151により、主制御手段151に格納された音声情報に基づいて出力される音声データに応じた音声を発音させるものである。
音声機構156には、ブザーなど、電気的に音を鳴らすものや、笛などの空気の流入よって鳴らすものや、物と物が衝突する時に発生する音などを利用しても構わない。
また、走行体100の電源ON時や、電源OFF時、モータの停止時にも、音声出力が行われるプログラムが主制御手段151に格納される。
【0029】
この走行玩具は、電源スイッチ158をONとすることで自走し、壁や段差などの障害物にぶつかると進行方向を変更し、障害物を回避することのできるものである。
遊戯者が電源スイッチ158をONとすることで、電源部152から主制御手段151に電力が供給され、主制御手段151は作動を開始し、駆動制御手段155に正転のモータ駆動信号を出力し、モータの回転を開始させ、駆動手段の駆動輪が回転する。
そして、走行体が障害物にぶつかったとき、モータに負荷がかかり、その際に過負荷電流が発生し、該過負荷電流を検出手段154が検知し、主制御手段151は駆動制御手段155にモータの逆転を指示するモータ駆動信号を出力し、このモータ駆動信号により、モータを逆転させる。この場合、モータの正転時に負荷がかかった場合は逆転のモータ駆動信号を、逆転時に負荷がかかった場合は正転のモータ駆動信号を出力する。
これにより、駆動手段の駆動輪の回転方向が変わり、そのため進行方向を変更することができ、したがって障害物から脱出することができるものである。
【0030】
駆動手段は、走行体100が前進及び車輪を後転させるためのものであり、図3に示すように、モータ143によりモータ143の回転方向によって前進、後退を行うために、走行体100の内部の前方に設けられる。
【0031】
駆動手段は、走行体100に内設される動力部141及び車輪部142から構成され、駆動手段の駆動によって駆動輪146が回転し、走行するものとされ、また、走行体100の後方に、補助車輪147が2つ設けられ、3輪で走行するものとされる。
該動力部141は、その内部に設けられるモータ143と第一平歯車列144、第二平歯車145とから構成される。
また、車輪部142は、動力部141から下方に延設される軸145Aに回動自在に遊嵌され、該軸145Aの下方先端に嵌着されたピニオンギア145Bと係合するように、駆動輪146が設置される。
【0032】
また、動力部と車輪部との間に転舵部として、図4に示すように、車輪部142の上面には円弧状の凹部142Aが設けられ、一方、動力部141の下面には該凹部142Aに対応する凸部141Aが設けられている。これにより、該円弧状の凹部142Aの範囲内で車輪部142は揺動するように動力部141などの走行体100本体に取り付けられるものとされる。
また、この転舵部の揺動角度は、凹部142Aの範囲により決定されるものであり、該揺動角度は、30度から90度の範囲内の角度として設定することが望ましい。
【0033】
モータ143は、図3に示したように、下方にモータ軸が延設され、該軸の先端にはピニオン143Aが嵌着されており、したがってモータ143の回転により、該ピニオン143Aが回転する。
そして、ピニオン143Aから第一平歯車列144の大歯車に回転が伝達され、該第一平歯車列144の小歯車から、次の第二平歯車145へと回転が伝達するものとされる。
該第二平歯車145が嵌着している軸145Aの先端にはピニオンギア145Bが嵌着されており、該ピニオンギア145Bがクラウンギア146Aに回転を伝達し、クラウンギア146Aの軸に軸止される駆動輪146が回転する。
このように減速歯車列を介することによって、駆動輪146の回転速度を低下させ、駆動輪146を回転させるトルクを増すことができる。
【0034】
また、第二平歯車145の軸145Aは、車輪部142のケースの回転軸と同軸とされ、図4に示したように、駆動輪146が軸145Aに対して偏心して設置されていることにより、モータ143の正転と逆転が変化することで車輪部142が軸145Aを中心に回動を行うため、駆動輪146の向き及び、駆動輪146の回転方向が変わることになる。
これにより、走行体100は、モータの反転に伴い駆動輪146の向きが変わり、したがって走行体100の進行方向が変化するものとされる。
【0035】
本実施例の走行玩具は、スイッチをONとすることで駆動輪が回転し、また電源オン時音声を拡声することができる自走式の走行玩具であり、また走行玩具が障害物にぶつかり走行が停止された際にモータを逆転させることで、駆動輪の向きが変わり、障害物から脱出することができるものである。また、障害物にぶつかった際には、停止時音声を発することもできる。
したがって、スイッチをONとするだけで、障害物にぶつかる度に走行方向を変え、自動で障害物から脱出することができる、変化のある複雑で楽しい動きと、該動きに合わせた音声を楽しむことができる。
【0036】
そして、係合手段170は、図5に示すように、面ファスナーが用いられ、走行体の上面にフック面又は、ループ面が貼付されている。
また、形象体の下面には、同様に面ファスナーが設けられ、走行体の上面の対応したフック面又は、ループ面が貼付されている。
走行体の上面の係合手段170と、形象体の下面の係合手段は、対称位置に貼付され、密接させることによって、係合するようになっている。
これにより、走行体の上部に様々な形象体を取付けすることが可能となっている。
【0037】
形象体180は、軟質ビニールで形成され、人形、キャラクター、動物、ロボットなどを模した空気入りビニールで構成されている。また、形象体180はウレタンフォーム、アルミニウム等で形成されてもよい。
また、該形象体180の下面には、係合手段が設けられ、走行体100を係合するようになっている。
また、走行体100の形状を自動車などの乗り物を模したものとし、更に、この走行体100に形象体180を乗せるようにしてもよい。
更にまた、形象体180の形状を、キャラクターなどにしてもよい。
更には、形象体180及び走行体100は、その形状を、動物の一部や、全体などを模したものとしてもよい。
【0038】
また、1つのモータを利用したものであるが、複数のモータを利用してもよい。
例えば、車の玩具のように、前進駆動させる為に、1つのモータ143を使用し、左右方向へ方向転換するために、もう1つのモータ143を使用するようにしても構わない。
この場合、前進駆動用モータへの電力供給線に検出手段を挿入し、方向転換用のモータを停止又は駆動させる駆動制御手段とし、主制御手段151は、前進用モータの回路に設けた検出手段から過負荷電流検出信号が入力されると一定時間だけ方向転換用モータを駆動させる制御信号を駆動制御手段155に出力するものとする。
【実施例2】
【0039】
また、他の実施例として、走行玩具の外観を、図6に示すように、自動車の外観を模した形状とされるものとする。
この走行体は、図2に示したような、前述の制御回路150と、駆動手段とを備えており、駆動手段の車輪部は、2つの駆動輪と2つの補助輪が設けられる。また、補助輪及び駆動輪は、その向きは固定されるものとし、駆動輪を減速歯車列を介してモータにより回転させるものとする。
するものとされる。
【0040】
これにより、障害物にぶつかると、モータを逆転させることで、そのままバックすることができる。本実施例は、障害物にぶつかると、遊戯者の手元に自動で戻ってくる走行玩具であり、また、2つの障害物の間を往復する走行玩具でもある。
したがって、遊戯者が自走式玩具で遊ぶ際に、障害物で停止するたびに該玩具を取りに行く必要が無く、自動で戻ってくることで遊ぶことを容易とすることができ、また、2つの障害物の間の往復を繰り返す動きを楽しむことが出来、また、動きの変化の際に音声を発することで、コミカルな動作を楽しむことが出来る。
【実施例3】
【0041】
また、他の実施例として、図7に示すように、人形200と台座部230とからなる動作玩具がある。
該人形200は、動物やキャラクターなどの外観を模した形状とされ、内部が空洞とされる本体部210と、本体部210に回動自在に軸止される腕部220とから構成され、前記本体部210の空洞部には、前記腕部220を駆動する動作部とモータが設置される。
台座部230は、ビア樽や木箱などの外観を模した形状とされ、またその表面にはスイッチ231が配設され、その内部は空洞とされる。
該空洞部には、図2に示した、前述の制御回路150と、該制御回路150と接続される電源部152が設置される。
【0042】
人形200の両腕部220は、その一端に旗が設置され、左腕と右腕とではその色が異なるものとする。また、両腕部の内側端には、図8に示すように、長軸孔221と軸孔222が穿設され、該軸孔222により腕部220が本体部210に回動自在に軸止され、該長軸孔221により動作部と接続されることにより、駆動力が腕部220に伝達される。
【0043】
前記動作部は、モータ250の回転を人形の腕部220に伝達するものであり、図8に示すように、モータ軸に嵌着されるウォームギア241、ウォームギア241と歯合するウォームホイール242、そして、ウォームホイール242から腕部220へ動力を伝達する動力伝達棒243と、該動力伝達棒243に対して平歯車246を挟んで反対側に設置される動力伝達棒243からなる。
【0044】
動力伝達棒243は、スライド突起247により、本体部210の内壁に摺動可能に設置され、また該動力伝達棒243に軸孔が穿設され、人形の腕部220の長軸孔221と軸止される。
これにより、動力伝達棒243が上下に移動すれば、この移動に伴い、腕部220は軸孔222を中心に回動するものである。
また、該動力伝達棒243の上方にはラックが刻設されており、平歯車246を介して、反対側に設置される動力伝達棒243に動力が伝達される。
これにより、左腕部が上方に回動する場合、右腕部は下方に回動し、また、左腕部が下方に回動する場合、右腕部は上方に回動することができる。
【0045】
本実施例の動作について説明する。
スイッチをONとすると、モータ250が回転し、この回転に伴いウォームギア241も回転する。そして、ウォームホイール242の外歯車が該ウォームギア241と歯合していることからウォームギア241が回転する。そして、動力伝達棒243に刻設されたラック245と前記ウォームホイール242の内歯車とが歯合しているため、動力伝達棒243を上下に動かすことができる。
【0046】
そして、左腕部220が上方に回動すると、該左腕部220が、本体部210の内壁に設置される第1突起261に当て止められ、モータ250に負荷がかかり、その際に過負荷電流が発生し、該過負荷電流を検出手段154が検知し、主制御手段151は駆動制御手段155にモータ250の逆転を指示するモータ駆動信号を出力し、このモータ駆動信号により、モータ250を逆転させる。この場合、モータ250が正転時の負荷がかかった場合は逆転のモータ駆動信号を、逆転時に負荷がかかった場合は正転のモータ駆動信号を出力する。
これにより、動力伝達棒の移動方向が逆転し、左腕部は下方に、右腕部は上方に回動する。
そして、左腕部が下方に回動すると、本体部210の内壁に設置される第2突起262に当て止められ、腕部220の制御回路150により腕部220の回動方向が逆転し、左腕部は上方に、右腕部は下方に回動する。
【0047】
これにより、第1突起261と第2突起262に、互いに反対方向に左腕部220が当て止められることで、左腕部220は上下に回動を繰り返すことができ、これと連動して右腕部は、左腕部と反対方向に回動することを繰り返す。また、該腕部220の上下動中に、該腕部220を子供が手で押さえた場合などに、モータに過度の負荷がかからない安全な範囲で該腕部220の上下動を行うことができる。
したがって、ストッパー部にセンサを設置することなく、スイッチをONとするだけで、左右の腕部220に支持される旗を互いに反対方向に上げる動作の制御を行って玩具の動きを楽しむことが出来る。
【実施例4】
【0048】
また、他の実施例として、図9に示すように、台部310と脚部320、鏡部350、扉部340とからなる動作玩具がある。
該台部310はボックス状とされ、該台部310の裏面の4隅には脚部320が下方に延設される。該脚部320は円柱状の棒体であり、前記台部310を自立させるものである。
台部310の上面には、鏡部350が設置され、該鏡部350は、鏡が嵌め込み設置される枠体351と、該枠体351の両端に位置する軸柱352、該軸柱352に回動可能に設置される扉部340とから構成され、該軸柱352の外側にはストッパー突起370が設置される。
【0049】
台部310の内部には、図10に示すように、前述の制御回路150と、該制御回路150と接続される電源部、伝達部とが設置される。
伝達部は、モータ391の回転を扉部340に伝達するものであり、モータ391と、モータ軸に嵌着されるウォームギア393、ウォームギア393と歯合するウォームホイール394、左右の扉部340に動力を伝達する減速歯車列395からなる。また、左右の扉が、観音開きの動きとなるように、右扉部340には調整歯車396が設けられている。
【0050】
本実施例の動作について説明する。
開スイッチをONとすると、モータ391が回転し、この回転に伴いウォームギア393も回転する。そして前記ウォームギア393とウォームホイール394の外歯車が歯合していることから、ウォームホイール394が回転する。
そして、ウォームホイール394からの動力を減速歯車列395が扉部340に伝達することで、図9に示したように、左右の扉部340が同期するように、また、左右の扉部340が観音開きとなるように回動する。
【0051】
そして、左右の扉部340が開方向に回動すると、図9に示したように、左右の扉部340が、軸柱352の外側に設置されるストッパー突起370に当て止められ、モータに負荷がかかり、その際に過負荷電流が発生し、該過負荷電流を検出手段154が検知し、主制御手段151は駆動制御手段155にモータの回転停止を指示するモータ駆動信号を出力し、このモータ駆動信号により、モータの回転を停止させる。
これにより、扉部340が開いて、鏡部350を使用するに際して適度な開位置にて扉部340を停止させることができる。
【0052】
また、閉スイッチをONとすると、モータが回転することで、左右の扉部340が閉方向に回動し、左右の扉部340が枠体351に当て止められ、モータに負荷がかかり、扉部340の回動が停止する。
これにより、扉部340が、胸部を保護する位置にて扉部340を停止させることができる。
【0053】
また、左右の扉部340の一方、若しくは双方に、回動を遮る押圧力が外部から加えられると、モータに負荷がかかることで、扉部340の回動が停止する。
これにより、扉部340の開閉中に、該扉部340を子供が手で押さえた場合や、指を扉部340と枠体351との間に挟んだりした場合に、安全に扉部340の回動を停止することができる。
【0054】
したがって、自動開閉扉を有する動作玩具において、センサを開閉部分に複数個設けることなく、簡易な構造で、自動で扉部の回動の際に扉部の回動を停止する機構を備えた、動作玩具を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0055】
【図1】本発明に係る走行玩具の外観を示した斜視図である。
【図2】本発明に係る制御回路を示した回路図である。
【図3】本発明に係る走行玩具の駆動機構を示した断面図である。
【図4】本発明に係る走行玩具の駆動機構を示した平面図である。
【図5】本発明に係る走行玩具の平面図である。
【図6】本発明に係る走行玩具の外観を示した斜視図である。
【図7】本発明に係る動作玩具の外観とその動きを示した平面図である。
【図8】本発明に係る動作玩具の駆動機構を示した図である。
【図9】本発明に係る鏡台の外観を示した図である。
【図10】本発明に係る鏡台の駆動機構を示した図である。
【符号の説明】
【0056】
100 走行体
141 駆動部
141A 凸部
142 車輪部
142A 凹部
143 モータ
143A ピニオンギア
144 第一平歯車列
144A 軸
145 第二平歯車
145A 軸
145B ピニオンギア
146 駆動輪
146A クラウンギア
147 車輪
150 制御回路
151 主制御手段
152 電源部
153 クロック回路
154 検出手段
155 駆動制御手段
156 音声機構
158 電源スイッチ
170 係合手段
180 形象体

200 人形
210 本体部
220 腕部
221 長軸孔
222 軸孔
230 台座部
231 スイッチ
241 ウォームギア
242 ウォームホイール
243 動力伝達棒
244 軸孔
245 ラック
246 平歯車
247 スライド突起
250 モータ
261 第1突起
262 第2突起

310 台部
320 脚部
330 動作玩具
340 扉部
350 鏡部
351 枠体
352 軸柱
370 ストッパー突起
391 モータ
393 ウォームギア
394 ウォームホイール
395 減速歯車列
396 調整歯車

【特許請求の範囲】
【請求項1】
モータに印加する電圧を制御する駆動制御手段と、前記モータに流れる電流を検出する検出手段と、前記検出手段から過負荷電流検出信号が入力されると前記駆動制御手段にモータを停止または逆転させる制御信号を出力する主制御手段とで構成されることを特徴とする制御スイッチ回路。
【請求項2】
主制御手段は駆動制御手段に制御信号を出力する時、発音機構に音声信号を出力することを特徴とする、請求項1記載の制御スイッチ回路。
【請求項3】
モータが組み込まれた動力部と、この動力部により駆動される車輪部とにより形成される走行手段を有し、前記モータに印加する電圧を制御する駆動制御手段と、前記モータに流れる電流を検出する検出手段と、前記検出手段から過負荷電流検出信号が入力されると前記駆動制御手段にモータを逆転させる制御信号を出力する前記主制御手段とで構成される制御スイッチ回路を有することを特徴とする、走行玩具。
【請求項4】
前記走行手段は動力部と車輪部との間に転舵部を有し、転舵部はモータの回転方向により車輪の向きを変化させることを特徴とする、請求項3記載の走行玩具。
【請求項5】
前記走行手段の転舵部の揺動角度を、30度から90度の範囲とすることを特徴とする、請求項4記載の走行玩具。
【請求項6】
前記制御スイッチ回路に音声機構を有し、前記検出手段から過負荷電流検出信号が入力されると、主制御手段は前記音声機構に音声出力信号を出力することを特徴とする、請求項3乃至請求項5の何れかに記載の走行玩具。
【請求項7】
本体部と、本体部に回動自在とされる腕部と、前記腕部の動作を遮るストッパー部からなり、本体部の内部には、モータが組み込まれた動力部と、この動力部により往復動作される動作部と、前記モータに印加する電圧を制御する駆動制御手段と、前記モータに流れる電流を検出する検出手段と、前記検出手段から過負荷電流検出信号が入力されると前記駆動制御手段にモータを逆転させる制御信号を出力する主制御手段とで構成される制御スイッチ回路を有することを特徴とする、動作玩具。
【請求項8】
前記動作部は、モータの回転を上下方向の動きに変換する動力変換機構と、左右の腕部の動作方向を反対とする動力転換部とを備え、前記ストッパー部は、本体部に設置されるストッパー突起とされることを特徴とする、請求項7記載の動作玩具。
【請求項9】
台部とこの台部に内設されるモータを備えた動力部及び動力部から回転を伝達する伝達部を有し、この伝達部により開閉動作される扉部を有する鏡部及び前期開閉動作する扉部の動きを遮るストッパー部とからなり、前記モータに印加する電圧を制御する駆動制御手段と、前記モータに流れる電流を検出する検出手段と、この検出手段から過負荷電流検出信号が入力されると前記駆動制御手段にモータを停止させる制御信号を出力する主制御手段とで構成される前記制御スイッチ回路
を有することを特徴とする、動作玩具。
【請求項10】
前記台部はボックス状とされ、該台部の裏面の4隅には脚部が下方に延設され、前記鏡部は、鏡が嵌め込み設置される枠体と、該枠体の両端に位置する回転軸柱、扉部とからなり、
前記伝達部は、モータの回転を左右の扉部に伝達する動力伝達機構からなることを特徴とする、請求項9記載の動作玩具。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2006−288447(P2006−288447A)
【公開日】平成18年10月26日(2006.10.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−109289(P2005−109289)
【出願日】平成17年4月6日(2005.4.6)
【出願人】(399016031)株式会社トイテック (13)
【出願人】(391003912)コンビ株式会社 (165)
【Fターム(参考)】