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障害物検知システム及び車両装置
説明

障害物検知システム及び車両装置

【課題】障害物に接触することなく車両本体と開閉ドアとの間の障害物を確実に検知すること。
【解決手段】開閉ドア側の第1の位置にレーダー装置20又はトランスポンダTの一方が設けられ、車両本体側の第2の位置にトランスポンダT又はレーダー装置20の他方が設けられている。送信回路21は所定の周波数の送信信号を無線送信し、トランスポンダTの送受信回路は無線送信された送信信号を受けて、同一周波数かつ同一位相の返信信号を送り返す。受信回路21は返信信号を受信し、測定部22は送信信号及び返信信号の位相情報から距離情報を測定する。メモリ23には開閉ドアが全開状態でのトランスポンダTとレーダー装置20との距離に対応した距離情報が格納され、障害物検知部24は、測定部22が測定した距離情報とメモリ23に格納された距離情報とを比較して、これら距離情報が不一致の場合には障害物有りと判定する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両本体と車両本体に設けられた自動開閉ドアとの間の障害物を検知する障害物検知システム及びこれを備えた車両装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、この種の障害物検知システムとして、電動式のハッチバックドアに感圧センサを設け、このハッチバックドアと車両本体との間の障害物を検出する接触検出装置が知られている(特許文献1参照)。この接触検出装置は、ハッチバックドアの閉動作時に、ハッチバックドアに設けられた感圧センサが物体との接触を検知することにより、ハッチバックと車両本体との間における障害物の挟み込みを防止する。
また、自動ドアの安全兼起動装置において、赤外線やミリ波レーダーを用いた透過型又は反射型センサを用いた挟み込み防止センサが知られている(特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2003−214034号公報
【特許文献2】特開平10−205215号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に記載の接触検出装置では、電動式のハッチバックドア(自動開閉ドア)が障害物に接触するまで障害物を検出できないため、障害物が人体の場合には怪我をする可能性があると共に、障害物への接触の際に車両本体を損傷させる可能性もある。
また、特許文献2に記載の赤外線やミリ波レーダーを適用した場合、これら赤外線やミリ波レーダーは検知範囲が狭いため、車両本体と開閉ドアとの間の障害物を確実に検知するためには多数のセンサを設ける必要がある。特に、ハッチバックドアのように車両の幅方向に検知が必要な範囲が広がっている場合には、各センサ間での検知漏れを防止するために、より多くのセンサを設ける必要があるため、部品点数及びコストが増加してしまう問題がある。
【0005】
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、開閉ドアを障害物に接触させることなく車両本体と開閉ドアとの間の障害物を確実に検知することができる障害物検知システム及びこれを備えた車両装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の障害物検知システムは、車両本体に設けられた開閉ドア側の第1の位置に少なくとも1つのレーダー装置又はトランスポンダの一方が設けられ、前記開閉ドアの開閉状態に応じて距離が変化する前記車両本体側の第2の位置に前記トランスポンダ又は前記レーダー装置の他方が設けられ、前記レーダー装置は、所定の周波数の送信信号を無線送信する送信回路と、前記トランスポンダから返信される返信信号を受信する受信回路と、前記送信信号及び前記返信信号の位相情報から距離情報を測定する測定手段と、少なくとも前記開閉ドアが全開状態での前記トランスポンダと前記レーダー装置との距離に対応した距離情報が格納されたメモリと、前記開閉ドアの全開時に、前記測定手段が測定した距離情報と前記メモリに格納された距離情報とを比較して、これら距離情報が不一致の場合には障害物有りと判定する障害物検知手段と、を備え、前記トランスポンダは、前記レーダー装置から無線送信された送信信号を受けて、同一周波数かつ同一位相の返信信号を送り返す送受信回路を備えたことを特徴とする。
【0007】
この構成によれば、トランスポンダへの送信信号及びトランスポンダからの返信信号の位相情報から距離情報を測定し、測定した距離情報とメモリに格納された距離情報とを比較して、これら距離情報が不一致の場合には第1の位置と第2の位置との間、つまり車両本体と開閉ドアとの間に障害物が有ると判定するので、開閉ドアを障害物に接触させることなく車両本体と開閉ドアとの間の障害物を検知することができる。従って、従来のように、障害物が人体の場合であっても怪我をする可能性がなく、障害物への接触の際に車両本体を損傷させる可能性もない。また、無線信号の送受信(電波の放射)を利用して障害物を検知するので、従来の赤外線やミリ波レーダーに比べて障害物の検知範囲が広くなり、ハッチバックドアのように車両の幅方向に検知範囲が広い場合であっても、障害物を確実に検知することができ、部品点数及びコストを抑制することができる。ここで、距離情報とは、レーダー装置の送信する送信信号の位相とトランスポンダの返信する返信信号の位相との位相差から計算される距離データの他、位相差情報そのものであってもよい。
【0008】
また、本発明は、上記障害物検知システムにおいて、例えば、前記トランスポンダは前記第1の位置に設けられ、前記レーダー装置は前記第2の位置に設けられる。
【0009】
また、本発明は、上記障害物検知システムにおいて、前記開閉ドアは、第1の辺が前記車両本体に対して回動自在に取り付けられた後方ドアであり、前記トランスポンダは、当該後方ドアの外周縁部であって、前記第1の辺と対向する第2の辺の中央より一方の側に設けられた第1のトランスポンダと、前記第2の辺の中央より他方の側に設けられた第2のトランスポンダと、からなり、前記メモリに、少なくとも前記開閉ドアが全開状態での前記第1、第2のトランスポンダと前記レーダー装置との距離に対応して第1、第2の距離情報がそれぞれ格納され、前記障害物検知手段は、前記開閉ドアの全開時に、前記測定手段が測定した距離情報と前記メモリに格納された前記第1及び第2の距離情報とを比較して、これら第1及び第2の距離情報のいずれか一方が不一致の場合には障害物有りと判定することが好ましい。
【0010】
この構成によれば、第1、第2のトランスポンダの距離情報をそれぞれ測定し、測定した2つの距離情報とメモリに格納された第1、第2の距離情報とをそれぞれ比較して、これら距離情報のいずれかが不一致の場合には、車両本体と開閉ドアとの間に障害物が有ると判定するので、車両本体と開閉ドアとの間の障害物を確実に検知することができる。
【0011】
また、本発明は、上記障害物検知システムにおいて、前記車両本体に対する前記後方ドアの開度を検出する開度検出手段を有し、前記メモリには、前記後方ドアの各開度に応じた第1、第2の距離情報が格納され、前記障害物検知手段は、前記測定手段が測定した距離情報と前記開度検出手段から与えられる開度情報に対応した第1、第2の距離情報とを比較して、これら第1及び第2の距離情報のいずれか一方が不一致の場合には障害物有りと判定することが好ましい。
【0012】
この構成によれば、測定した距離情報と開度情報に対応した第1、第2の距離情報とをそれぞれ比較して、これら第1及び第2の距離情報のいずれか一方が不一致の場合には障害物有りと判定するので、後方ドアの閉鎖動作中であっても、後方ドアの開度に応じた障害物検知を行うことができる。
【0013】
また、本発明は、上記障害物検知システムにおいて、前記第1の位置と前記第2の位置とは前記開閉ドアが閉状態の場合に同一位置となる開閉ドア側及び車両本体側の各部位に設けられ、前記トランスポンダと前記レーダー装置との距離が所定値以上の場合に警告する警告手段を設けてもよい。
【0014】
この構成によれば、トランスポンダとレーダー装置との距離が所定値以上の場合に警告するので、開閉ドアが車両本体に対して適切に閉じられていない、いわゆる半ドア状態を防止することができる。
【0015】
本発明は、上記障害物検知システムにおいて、前記開閉ドアは、第1の辺が前記車両本体に対して回動自在に取り付けられた後方ドアであり、前記トランスポンダは、当該後方ドアの外周縁部であって、前記第1の辺と対向する第2の辺の中央より一方の側に設けられた第1のトランスポンダと、前記第2の辺の中央より他方の側に設けられた第2のトランスポンダと、からなり、前記レーダー装置は、前記第1のトランスポンダと対向する位置に設けられ当該第1のトランスポンダと無線通信する第1のレーダー装置と、前記第2のトランスポンダと対向する位置に設けられ当該第2のトランスポンダと無線通信する第2のレーダー装置と、からなり、前記測定手段は、前記第1のレーダー装置の送信信号及び前記第1のトランスポンダの返信信号の位相情報から第1の距離情報を測定すると共に、前記第2のレーダー装置の送信信号及び前記第2のトランスポンダの返信信号の位相情報から第2の距離情報を測定し、前記障害物検知手段は、前記開閉ドアの全開時に、前記測定手段が測定した前記第1及び第2の距離情報を比較して、これら第1及び第2の距離情報が不一致の場合には障害物有りと判定することも可能である。
【0016】
本発明の車両装置は、上記障害物検知システムを備えたことを特徴とする。この構成によれば、開閉ドアを障害物に接触させることなく車両本体と開閉ドアとの間の障害物を確実に検知する車両装置を提供することが可能となる。ここで、開閉ドアとしては、例えば、車両後部に設けられる後方ドア(ハッチバックドア)や、車両側部に設けられたスライド式ドアが挙げられる。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、障害物に接触させることなく車両本体と開閉ドアとの間の障害物を確実に検知することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係る障害物検知システムを示す概略図である。
【図2】本実施の形態のレーダー装置及びトランスポンダの車両への取付位置の一例を示す図である。
【図3】本実施の形態のメモリに格納される距離情報を示す図である。
【図4】本実施の形態に係る障害物検知システムの障害物検知動作を説明するフロー図である。
【図5】第2の実施の形態に係る障害物検知システムを示す概略図である。
【図6】本実施の形態のメモリに格納される距離情報を示す図である。
【図7】本実施の形態に係る障害物検知システムの障害物検知動作を説明するフロー図である。
【図8】障害物検知システムのその他の例を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、図面を参照して、本発明の実施の形態について詳細に説明する。本発明の実施の形態に係る障害物検知システムは、車両本体と車両本体に設けられた電動式の開閉ドア(自動開閉ドア)との間の障害物を検知するものである。以下、本実施の形態に係る障害物検知システムを適用した車両装置を例に説明する。
【0020】
(第1の実施の形態)
図1は、本発明の第1の実施の形態に係る車両装置に適用された障害物検知システムを示した図である。図1に示す障害物検知システム10は、複数(3つ)のトランスポンダT(T1,T2,T3)と、トランスポンダTと無線通信可能な位置に設けられたレーダー装置20とを備えている。レーダー装置20及びトランスポンダTの一方は、車両本体31に設けられた自動開閉ドア(以下、「開閉ドア」という)32側の第1の位置に設けられ、レーダー装置20及びトランスポンダTの他方は、開閉ドア32の開閉状態に応じて距離が変化する車両本体31側の第2の位置に設けられている(図2)。ここで、開閉ドアとしては、例えば、車両後部に設けられる後方ドア(ハッチバックドア)や、車両側部に設けられたスライド式ドアが挙げられる。本実施の形態では、開閉ドアとして後方ドアを例に説明する。
【0021】
図2(a)に示すように、第1のトランスポンダT1は、第1の辺32aが車両本体31に対して回動自在に取り付けられた後方ドア(開閉ドア)32の外周縁部であって、第1の辺32aと対向する第2の辺32bの中央より一方の側(図示左側)に設けられ、第2のトランスポンダT2は、第2の辺32bの中央より他方の側(図示右側)に設けられ、第2の辺32bの中央には、第3のトランスポンダT3が設けられている。一方、レーダー装置20は、車両本体31後部に設けられた開口部31a近傍であって、後方ドア32が閉鎖時にこの後方ドア32の第2の辺32bと近接すると共に第3のトランスポンダT3と対向する位置に取り付けられている。なお、本実施の形態では、単一のレーダー装置20及び3つのトランスポンダT1,T2,T3から構成されているが、レーダー装置20及びトランスポンダTの数及びその取り付け位置は任意である。例えば、図2(b)に示すように、後方ドア32の第2の辺32bの左右両側に2つのトランスポンダT1,T2を設けてもよい。
【0022】
図1に戻り、レーダー装置20は、送受信部21と、測定部22と、メモリ23と、障害物検知部24と、警告部25と、開閉ドア駆動部26と、を備えている。送受信部21は、アンテナから所定の周波数帯域の送信信号を各トランスポンダT1,T2,T3にそれぞれ送信すると共に、この送信信号を測定部22に送る(送信回路)。ここでは、3MHzから数十MHzの周波数帯域が使用される。また、送受信部21は、アンテナを介して各トランスポンダT1,T2,T3から返信される返信信号(受信信号)をそれぞれ受信し(受信回路)、この返信信号を測定部22に送る。測定部22は、送受信部21が送信する送信信号及び各トランスポンダT1,T2,T3から送り返された返信信号の位相情報から各トランスポンダT1,T2,T3との距離情報を測定し、この測定した距離情報(実測距離情報)を障害物検知部24に送る。ここで、距離情報とは、レーダー装置20の送信する送信信号の位相とトランスポンダTの返信する返信信号の位相との位相差から算出される距離データである。メモリ23には、図3に示すように、開閉ドア32が全開状態における各トランスポンダT1,T2,T3とレーダー装置20との距離に対応した第1,第2,第3の距離情報がそれぞれ格納されている。なお、ここでは、メモリ23内に開閉ドア32の全開状態における距離情報を格納しているが、これに限定されず、例えば、半開状態における距離情報を格納してもよい。
【0023】
障害物検知部24は、開閉ドアの全開時において、測定部22が測定した実測距離情報とメモリ23に格納された距離情報とを比較して、これら2つの距離情報が不一致の場合には車両本体31と後方ドア32との間に障害物が有ると判定し、その判定結果を開閉ドア駆動部26に送る。開閉ドア駆動部26は、障害物検知部24から障害物有りの判定結果を受けると、開閉ドア32の駆動を停止する。警告部25は、第1の位置及び第2の位置が開閉ドア32が閉状態の場合に同一位置となる開閉ドア32側及び車両本体31側の各部位に設けられている。警告部25は、トランスポンダTとレーダー装置20との距離が所定値以上の場合に警告音や警告ランプの点灯等により警告する。これにより、開閉ドア32が車両本体31に対して適切に閉じられていない、いわゆる半ドア状態を防止することができる。
【0024】
各トランスポンダT1,T2,T3は、レーダー装置20から無線送信された送信信号を受けて、この送信信号と同一周波数かつ同一位相の返信信号(送信信号)を送り返す送受信回路を有している。各トランスポンダT1,T2,T3は、レーダー装置20からの送信信号をそれぞれ受信すると、受信した受信信号と同一周波数かつ同一位相の返信信号をレーダー装置20にそれぞれ無線送信する。
【0025】
図4は、本実施の形態に係る障害物検知システム10の障害物検知動作を説明するためのフロー図である。ここでは、トランスポンダT1,T2,T3毎に障害物有無の判定を行い、後方ドア(開閉ドア)32の駆動停止を行う場合を例に説明する。
【0026】
図4に示すように、レーダー装置20において、後方ドア32のオートクローズ(閉鎖動作)のリクエスト信号を受信すると(ステップS401)、送受信部21により所定の周波数の送信信号が第1のトランスポンダT1に送られると共に測定部22に送られる。第1のトランスポンダT1において、送受信部21から受信した受信信号と同一周波数かつ同一位相の送信信号を生成し、この送信信号が返信信号としてレーダー装置20に送り返される。第1のトランスポンダT1から受信した返信信号は測定部22に送られる。測定部22により、自装置が送信した送信信号及び第1のトランスポンダT1から受信した返信信号の位相情報から第1のトランスポンダT1との距離を測定する(ステップS402)。次に、障害物検知部24により測定した実測距離情報とメモリ内に格納された距離情報とを比較し、これら距離情報が一致しない場合(ステップS403:No)、レーダー装置20と第1のトランスポンダT1との間に障害物が有ると判定し、開閉ドア駆動部26により開閉ドア32の駆動が停止される(ステップS404)。実測距離情報とメモリ内に格納された距離情報とが一致する場合(ステップS403:Yes)、レーダー装置20と第1のトランスポンダT1との間に障害物が無いと判定し、第2のトランスポンダT2との距離測定に移行する。
【0027】
次に、上記ステップS402と同様に、測定部22により、自装置で送信した送信信号及び第2のトランスポンダT2から受信した返信信号の位相情報から第2のトランスポンダT2との距離を測定する(ステップS405)。測定した実測距離情報とメモリ内に格納された距離情報とを比較し、これら距離情報が一致しない場合(ステップS406:No)、レーダー装置20と第2のトランスポンダT2との間に障害物が有ると判定し、開閉ドア駆動部26により開閉ドア32の駆動が停止される(ステップS404)。実測距離情報とメモリ内に格納された距離情報とが一致する場合(ステップS406:Yes)、レーダー装置20と第2のトランスポンダT2との間に障害物が無いと判定し、第3のトランスポンダT3との距離測定に移行する。
【0028】
次に、上記ステップS402と同様に、測定部22により、自装置で送信した送信信号及び第3のトランスポンダT3から受信した返信信号の位相情報から第3のトランスポンダT3との距離を測定する(ステップS407)。測定した実測距離情報とメモリ内に格納された距離情報とを比較し、これら距離情報が一致しない場合(ステップS408:No)、レーダー装置20と第3のトランスポンダT3との間に障害物が有ると判定し、開閉ドア駆動部26により開閉ドア32の駆動が停止される(ステップS404)。実測距離情報とメモリ内に格納された距離情報とが一致する場合(ステップS408:Yes)、レーダー装置20と第3のトランスポンダT3との間に障害物が無いと判定し、後方ドア32のオートクローズが開始される(ステップS409)。
【0029】
なお、図4に示すフローでは、障害物を検知すると開閉ドア32の駆動を停止したが、例えば、障害物を検知した場合に警告部25により警告音等による警告を行うと共に開閉ドア32の駆動停止を行ってもよい。また、図4に示すフローでは、トランスポンダT毎に距離測定及び障害物の有無判定を順番に行う場合を例に説明したが、全てのトランスポンダT1,T2,T3との距離測定及び障害物の有無判定を同時に行ってもよい。
【0030】
このように本実施の形態によれば、トランスポンダT1,T2,T3に送信する送信信号及びトランスポンダT1,T2,T3から受信する返信信号の位相情報から距離情報を測定し、測定した距離情報とメモリ23に格納された第1,第2,第3の距離情報とをそれぞれ比較して、これら距離情報が不一致の場合には第1の位置と第2の位置との間、つまり車両本体31と開閉ドア32との間に障害物が有ると判定する。これにより、開閉ドア32を障害物に接触させることなく車両本体31と開閉ドア32との間の障害物を検知することができる。したがって、従来のように、障害物が人体の場合であっても怪我をする可能性がなく、障害物への接触の際に車両本体を損傷させる可能性もない。また、無線信号の送受信(電波の放射)を利用して障害物を検知するので、従来の赤外線やミリ波レーダーに比べて障害物の検知範囲が広くなり、ハッチバックドアのように車両の幅方向に検知範囲が広い場合であっても、障害物を確実に検知することができ、部品点数及びコストを抑制することができる。
【0031】
(第2の実施の形態)
次に、本発明の第2の実施の形態に係る障害物検知システムについて説明する。第2の実施の形態に係る障害物検知システムは、レーダー装置が開閉ドアの開度(角度)に応じたトランスポンダとの距離に基づいて車両本体と開閉ドアとの間の障害物を検知する点が、上記第1の実施の形態と相違している。従って、特に相違点についてのみ説明する。
【0032】
図5は、第2の実施の形態に係る障害物検知システムを示した図である。図5に示す障害物検知システム50のレーダー装置20aは、図1に示すレーダー装置20に、開度検出部51を追加して構成されている。開度検出部51は、開閉ドア32の車両本体31に対する開度(角度)を検出し、開閉ドア32の開度を検出すると検出結果(開度情報)を障害物検知部24aに送る。メモリ23aには、図6に示すように、開閉ドア32の開度に応じたトランスポンダT1,T2,T3との距離情報がそれぞれ格納されている。図6では、例えば、開閉ドア32の全開状態における開閉ドア32の開度120度から30度毎に開度情報が示され、3つのトランスポンダT1,T2,T3の距離情報(第1,第2,第3の距離情報)がそれぞれ示されている。障害物検知部24aは、開度検出部51から開度情報を受けると、メモリ23aからこの開度情報に対応するトランスポンダT1,T2,T3の距離情報を取得して、測定部22から受け取った実測距離情報と比較し、これら距離情報のいずれかが不一致の場合には障害物が有ると判定する。
【0033】
図7は、第2の実施の形態に係る障害物検知システム50の障害物検知動作を説明するためのフロー図である。ここでは、後方ドア(開閉ドア)32のオートクローズのリクエスト信号を受信した際及びオートクローズ動作中において、トランスポンダT1,T2,T3毎に障害物有無の判定を行い、警告及び後方ドア32の駆動停止を行う場合を例に説明する。なお、図4に示すフローと同一の動作について同一の符号を付して、その詳細な説明を省略する。
【0034】
図7に示すように、レーダー装置20aにおいて、後方ドアのオートクローズのリクエスト信号を受信すると(ステップS401)、開度検出部51により、現時点の後方ドアの開度が検出され、開度情報が障害物検知部24aに送られる(ステップS701)。次に、所定の周波数の送信信号が第1のトランスポンダT1に送られ、第1のトランスポンダT1により受信した受信信号と同一周波数かつ同一位相の送信信号が生成されて、返信信号としてレーダー装置20aに送り返される。測定部22により、自装置が送信した送信信号及び第1のトランスポンダT1から受信した返信信号の位相情報から第1のトランスポンダT1との距離を測定する(ステップS402)。次に、障害物検知部24aにより、メモリ23a内において開度検出部51から受けた開度情報に対応する第1のトランスポンダT1の距離情報を取得し、この距離情報と測定部22から受けた実測距離情報と比較し、これら距離情報が一致しない場合(ステップS702:No)、レーダー装置20aと第1のトランスポンダT1との間に障害物が有ると判定し、警告部25により警告が行われる(ステップS703)。実測距離情報とメモリ23a内に格納された距離情報とが一致する場合(ステップS702:Yes)、レーダー装置20aと第1のトランスポンダT1との間に障害物が無いと判定し、第2のトランスポンダT2との距離測定に移行する。
【0035】
次に、上記ステップS402と同様に、測定部22により第2のトランスポンダT2との距離を測定する(ステップS405)。開度検出部51から受けた開度情報に対応する第2のトランスポンダT2の距離情報と、測定部22から受けた実測距離情報と比較し、これら距離情報が一致しない場合(ステップS704:No)、レーダー装置20aと第2のトランスポンダT2との間に障害物が有ると判定し、警告が行われる(ステップS703)。実測距離情報とメモリ23a内に格納された距離情報とが一致する場合(ステップS704:Yes)、レーダー装置20aと第2のトランスポンダT2との間に障害物が無いと判定し、第3のトランスポンダT3との距離測定に移行する。
【0036】
次に、上記ステップS402と同様に、測定部22により第3のトランスポンダT3との距離を測定する(ステップS407)。開度検出部51から受けた開度情報に対応する第3のトランスポンダT3の距離情報と、測定部22から受けた実測距離情報と比較し、これら距離情報が一致しない場合(ステップS705:No)、レーダー装置20aと第3のトランスポンダT3との間に障害物が有ると判定し、警告が行われる(ステップS703)。実測距離情報とメモリ23a内に格納された距離情報とが一致する場合(ステップS705:Yes)、レーダー装置20aと第3のトランスポンダT3との間に障害物が無いと判定し、後方ドア32のオートクローズが開始される(ステップS409)。
【0037】
後方ドア32のオートクローズが開始された後、開度検出部51により、現時点の後方ドア32の開度が検出され、開度情報が障害物検知部24aに送られる(ステップS706)。次に、上記ステップS402と同様に、測定部22により第1のトランスポンダT1との距離を測定する(ステップS707)。次に、障害物検知部24aにより、メモリ23a内において開度検出部51から受けた開度情報に対応する第1のトランスポンダT1の距離情報を取得し、この距離情報と測定部22から受けた実測距離情報と比較し、これら距離情報が一致しない場合(ステップS708:No)、レーダー装置20aと第1のトランスポンダT1との間に障害物が有ると判定し、開閉ドア駆動部26により開閉ドア32の駆動が停止される(ステップS709)。実測距離情報とメモリ23a内に格納された距離情報とが一致する場合(ステップS708:Yes)、レーダー装置20aと第1のトランスポンダT1との間に障害物が無いと判定し、第2のトランスポンダT2との距離測定に移行する。
【0038】
次に、上記ステップS402と同様に、測定部22により第2のトランスポンダT2との距離を測定する(ステップS710)。開度検出部51から受けた開度情報に対応する第2のトランスポンダT2の距離情報と、測定部22から受けた実測距離情報と比較し、これら距離情報が一致しない場合(ステップS711:No)、レーダー装置20aと第2のトランスポンダT2との間に障害物が有ると判定し、開閉ドア32の駆動が停止される(ステップS709)。実測距離情報とメモリ23a内に格納された距離情報とが一致する場合(ステップS711:Yes)、レーダー装置20aと第2のトランスポンダT2との間に障害物が無いと判定し、第3のトランスポンダT3との距離測定に移行する。
【0039】
次に、上記ステップS402と同様に、測定部22により第3のトランスポンダT3との距離を測定する(ステップS712)。開度検出部51から受けた開度情報に対応する第3のトランスポンダT3の距離情報と、測定部22から受けた実測距離情報と比較し、これら距離情報が一致しない場合(ステップS713:No)、レーダー装置20aと第3のトランスポンダT3との間に障害物が有ると判定し、開閉ドア32の駆動が停止される(ステップS709)。実測距離情報とメモリ23a内に格納された距離情報とが一致する場合(ステップS713:Yes)、開閉ドア32の駆動(オートクローズ動作)が継続される(ステップS714)。
【0040】
このように、本実施の形態によれば、測定した複数のトランスポンダTの各距離情報と、メモリ23a内の開度検出部51から受けた開度情報に対応した距離情報とをそれぞれ比較して、これら距離情報のいずれかが不一致の場合には障害物有りと判定するので、後方ドア32のオートクローズ動作中であっても、後方ドア32の各開度に応じた障害物検知を段階的に行うことができる。
【0041】
また、本発明は上記実施の形態に限定されず、種々変更して実施することが可能である。上記実施の形態にいて、添付図面に図示されている大きさや形状などについては、これに限定されず、本発明の効果を発揮する範囲内で適宜変更することが可能である。その他、本発明の目的の範囲を逸脱しない限りにおいて適宜変更して実施することが可能である。
【0042】
上記実施の形態では、測距部が測定した距離情報とメモリに格納された距離情報とを比較して障害物の有無を検知したが、トランスポンダTの数に対応してレーダー装置20を設け、各レーダー装置20は特定のトランスポンダTとの距離情報のみを測定し、各レーダー装置20が測定した各距離情報同士を比較して、障害物の有無を検知してもよい。この場合、例えば、図8に示すように、3つのレーダー装置20a,20b,20cは、車両本体31後部に設けられた開口部31a近傍であって、後方ドア32の第2の辺32bに設けられた3つのトランスポンダT1,T2,T3と対向する位置に取り付けられる。第1のレーダー装置20aは、第1のトランスポンダT1と送受信信号を送受信して位相情報により第1の距離情報を測定し、第2のレーダー装置20bは、第2のトランスポンダT2と送受信信号を送受信して位相情報により第2の距離情報を測定し、第3のレーダー装置20cは、第3のトランスポンダT3との送受信信号を送受信して位相情報により第3の距離情報を測定する。この場合、各レーダー装置20a,20b,20cは、それぞれ周波数帯域の異なる信号を送受信して、第1から第3の距離情報を測定する。そして、障害物検知部24により、各レーダー装置(各測定部)20a,20b,20cが測定した第1、第2及び第3の距離情報を比較して、これら第1、第2及び第3のいずれかの距離情報が不一致の場合には、車両本体31と開閉ドア32との間に障害物が有ると判定する。
【0043】
また、上記実施の形態では、レーダー装置20が送信する送信信号の位相及びトランスポンダTが送り返す返信信号の位相の位相差から算出される距離情報により障害物有無を判定したが、位相差情報そのものに基づいて障害物の有無を判定してもよい。また、上記実施の形態では、障害物検知システムを車両装置に適用した場合を例に説明したが、これに限定されるものではなく、例えば、店舗やビルの入口に設置される自動ドアに適用することも可能である。
【産業上の利用可能性】
【0044】
本発明は、車両本体と車両本体に設けられた自動開閉ドアとの間の障害物を検知する車両装置に適用可能である。
【符号の説明】
【0045】
10 障害物検知システム
20,20a レーダー装置
21 送受信部(送信回路,受信回路)
22 測定部(測定手段)
23,23a メモリ
24,24a 障害物検知部(障害物検知手段)
25 警告部(警告手段)
26 開閉ドア駆動部
31 車両本体
32 開閉ドア
51 開度検出部(開度検出手段)
T1,T2,T3 トランスポンダ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両本体に設けられた開閉ドア側の第1の位置に少なくとも1つのレーダー装置又はトランスポンダの一方が設けられ、前記開閉ドアの開閉状態に応じて距離が変化する前記車両本体側の第2の位置に前記トランスポンダ又は前記レーダー装置の他方が設けられ、
前記レーダー装置は、
所定の周波数の送信信号を無線送信する送信回路と、
前記トランスポンダから返信される返信信号を受信する受信回路と、
前記送信信号及び前記返信信号の位相情報から距離情報を測定する測定手段と、
少なくとも前記開閉ドアが全開状態での前記トランスポンダと前記レーダー装置との距離に対応した距離情報が格納されたメモリと、
前記開閉ドアの全開時に、前記測定手段が測定した距離情報と前記メモリに格納された距離情報とを比較して、これら距離情報が不一致の場合には障害物有りと判定する障害物検知手段と、を備え、
前記トランスポンダは、
前記レーダー装置から無線送信された送信信号を受けて、同一周波数かつ同一位相の返信信号を送り返す送受信回路を備えたことを特徴とする障害物検知システム。
【請求項2】
前記トランスポンダは前記第1の位置に設けられ、前記レーダー装置は前記第2の位置に設けられたことを特徴とする請求項1に記載の障害物検知システム。
【請求項3】
前記開閉ドアは、第1の辺が前記車両本体に対して回動自在に取り付けられた後方ドアであり、
前記トランスポンダは、当該後方ドアの外周縁部であって、前記第1の辺と対向する第2の辺の中央より一方の側に設けられた第1のトランスポンダと、前記第2の辺の中央より他方の側に設けられた第2のトランスポンダと、からなり、
前記メモリに、少なくとも前記開閉ドアが全開状態での前記第1、第2のトランスポンダと前記レーダー装置との距離に対応して第1、第2の距離情報がそれぞれ格納され、
前記障害物検知手段は、前記開閉ドアの全開時に、前記測定手段が測定した距離情報と前記メモリに格納された前記第1及び第2の距離情報とを比較して、これら第1及び第2の距離情報のいずれか一方が不一致の場合には障害物有りと判定することを特徴とする請求項2に記載の障害物検知システム。
【請求項4】
前記車両本体に対する前記後方ドアの開度を検出する開度検出手段を有し、
前記メモリには、前記後方ドアの各開度に応じた第1、第2の距離情報が格納され、前記障害物検知手段は、前記測定手段が測定した距離情報と前記開度検出手段から与えられる開度情報に対応した第1、第2の距離情報とを比較して、これら第1及び第2の距離情報のいずれか一方が不一致の場合には障害物有りと判定することを特徴とする請求項3に記載の障害物検知システム。
【請求項5】
前記第1の位置と前記第2の位置とは前記開閉ドアが閉状態の場合に同一位置となる開閉ドア側及び車両本体側の各部位に設けられ、
前記トランスポンダと前記レーダー装置との距離が所定値以上の場合に警告する警告手段を有したことを特徴とする請求項1から請求項4のいずれかに記載の障害物検知システム。
【請求項6】
前記開閉ドアは、第1の辺が前記車両本体に対して回動自在に取り付けられた後方ドアであり、
前記トランスポンダは、当該後方ドアの外周縁部であって、前記第1の辺と対向する第2の辺の中央より一方の側に設けられた第1のトランスポンダと、前記第2の辺の中央より他方の側に設けられた第2のトランスポンダと、からなり、
前記レーダー装置は、前記第1のトランスポンダと対向する位置に設けられ当該第1のトランスポンダと無線通信する第1のレーダー装置と、前記第2のトランスポンダと対向する位置に設けられ当該第2のトランスポンダと無線通信する第2のレーダー装置と、からなり、
前記測定手段は、前記第1のレーダー装置の送信信号及び前記第1のトランスポンダの返信信号の位相情報から第1の距離情報を測定すると共に、前記第2のレーダー装置の送信信号及び前記第2のトランスポンダの返信信号の位相情報から第2の距離情報を測定し、
前記障害物検知手段は、前記開閉ドアの全開時に、前記測定手段が測定した前記第1及び第2の距離情報を比較して、これら第1及び第2の距離情報が不一致の場合には障害物有りと判定することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の障害物検知システム。
【請求項7】
請求項1から請求項6のいずれかに記載の障害物検知システムを備えたことを特徴とする車両装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2010−158917(P2010−158917A)
【公開日】平成22年7月22日(2010.7.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−563(P2009−563)
【出願日】平成21年1月6日(2009.1.6)
【出願人】(000010098)アルプス電気株式会社 (4,263)
【Fターム(参考)】