説明

障害状態における信号処理

【課題】各システムの障害通報を、より確実に行えるシステムを提供する。
【解決手段】システムは、受信信号を監視するように構成される。受信信号に関する障害状態の検出に応答して、システムは、検出された障害状態の発生を示すように障害状態インジケータをセットする。システムは、少なくとも所定期間、障害状態インジケータの状態をセットし、検出された障害状態の発生を示す。少なくとも所定期間、検出された障害状態の発生を示すように障害状態インジケータをセットした後、システムは、再び、信号の健全性を監視する。所定期間の後、監視された信号に関する障害がもはや存在しないことの検出に応答して、システムは、障害状態が存在しないことを示すように障害状態インジケータを変更する。

【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
従来のセンサ装置は、環境状態を測定するためにしばしば利用される。センサ装置により発生された信号情報を介して、環境状態を電気的に監視することが可能になり、1つもしくはそれ以上の機能を実行し、または実行を控えることが可能になる。
【0002】
従来のある種のセンサ装置は、圧力トランスデューサーである。典型的に、圧力トランスデューサーは、センサ装置により検出された現在の圧力状態に依存して、動作範囲内で変化する電圧のような出力信号を生成する。もし、監視領域内の検出された圧力が比較的高ければ、圧力トランスデューサーは、比較的高い圧力を示す出力信号を生成する。もし、センサ装置により検出された現在の圧力が監視領域内で比較的低ければ、圧力トランスデューサーは、比較的低い圧力を示すように出力信号を調整する。
【0003】
あるケースでは、圧力トランスデューサーにより生成された出力信号の大きさは、検出された圧力の対応するレベルに依存して比例的に変化する(例えば、振幅調整、周波数調整等によって)。従って、従来の監視システムは、単にセンサ装置により生成された出力信号を対応する圧力値に変換することで、監視領域内の現在の圧力状態を決定することができる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
トランスデューサーは、故障(failure)に対して敏感である。故障は、種々のファクターによって引き起こされ、間違った出力信号(すなわち、予想される伝達関数に一致しない信号)を生成し得る。可能性があり適切であるとき、センサは、故障を検出し、報告するように設計される。しばしば、出力信号の範囲は、いわゆる障害帯域(fault band)を報告する障害として表される。
【0005】
アナログ電圧出力を生成するトランスデューサーは、しばしば、受信“システム”ローパスフィルターにインターフェースされる。この“システム”ローパスフィルターは、主に、信号のサンプリングの前にセンサ出力信号のノイズを減少させるために使用されるが、アプリケーションに対してきわめて重要な信号変化の可観測性を維持するために十分な応答帯域を提供するものでなければならない。
【0006】
従来技術は、迷惑な障害報告(例えば、デグリッチ回路)を避けることを開示してきたが、ある障害の徴候に関して、後にローパスフィルター処理を有する、範囲内の間違った信号を生成し得る方法で障害が報告され得る。具体的には、“有効とされる障害”としてデグリッチ回路を満足させるような長く十分に存続するが、図1に示すような、受信システムローパスフィルターの応答に比較して非常に短い期間で存続する繰り返しの多い障害である。換言すれば、繰り返して報告される故障状態の間、出力信号の大きさは、現在の環境状態または実際の報告された障害の状態を正確に反映していないかもしれない。繰り返し報告される故障の間の出力信号のサンプリングは、もし、システムが間違った測定データが有効であると想定したならば、不所望なまたは深刻な結果をもたらすことになり得る。
【0007】
図1に示す例において、各トランスデューサーの出力がVpwr(センサに供給される電力の電圧)の0倍ないし1.0倍の間であるものとする。さらに、例示のセンサは、出力110が0.96*Vpwrを越えたとき、エラー状態を示すように構成されるものとする。従って、おおよそセンサの動作範囲が0ないし0.96*Vpwrの間は、正確に作動するセンサ装置を示す。0.96*VpwrとVpwrの間の値(例えば、最小の障害しきい値120)の発生は、センサに関する故障または障害を示す。
【0008】
図1に示す例では、センサは、断続的に故障する。すなわち、時間が経てば、センサは、
時間T0とT1の間、時間T2とT3の間などのように、監視された環境の代表的な正確な電圧出力(例えば、入力105)を生成する。しかしながら、故障によっては、センサは、時間T1とT2、時間T3とT4の間などのように、間違った出力値(例えば、ローパスフィルターへの入力110)を生成する。図1からも分かるように、特定のローパスフィルターの振る舞いと組み合わされる信号(105)は、図1に示すように、約0.22*Vpwrの鋸歯形状の出力電圧値を生む間違った値(110)を生成する。すなわち、障害信号、あるいは0.1*Vpwrの値(これは、監視されている環境を正確に反映するものである)を生成する代わりに、ローパスフィルターの出力110は、エラーの状態の間に、約0.22*Vpwrの値あたりで変動する値を生成する。ローパスフィルターの出力110は、決して0.96*Vpwrよりも高くならないので、ローパスフィルターの出力を受け取るシステムは、時間T1とT2の間、時間T3とT4の間のなどでトランスデューサーの断続的な故障を汲み取ることができないであろう。ローパスフィルターの出力を受け取るシステムは、従って、誤ったデータで動作し得る。すなわち、システムは、センサの電圧を約0.2*Vpwrであるかの如く検出し、サンプルされたときにエラー状態を検出しないかもしれない。
【0009】
図2は、トランスデューサーの断続的な故障が、ローパスフィルターの出力を監視するダウンストリーム(下流)のリソースにより検出されない場合の動作状態の範囲を、対数スケールの時間で例示した図である。図に示されるように、断続的な故障の持続期間が11ミリ秒よりも低いとき、ローパスフィルターを監視するダウンストリームのリソースは、ローパスフィルターの出力が0.0*Vpwrと0.96*Vpwrの間の動作範囲内に滞在するので、エラーを把握しない。すなわち、たとえエラーがあったとしても、ローパスフィルターの誤った出力は、ローパスフィルターの出力をサンプリングするシステムに対し正確な信号であるように見えてしまう。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本実施例は、信号を処理する従来のシステムから離れるものである。例えば、従来のシステムと比較して、ある実施例では、各システムが障害状態を通知されることをより高い可能性で提供するように仕向けられる。
【0011】
例えば、ある実施例は、受信信号(受け取った信号)を監視するように構成されたシステムを含む。受信信号に関する障害状態の検出に応答して、システムは、検出された障害状態の発生を示すように障害状態インジケータをセットする。システムは、少なくとも所定期間、障害状態インジケータの状態をセットまたはラッチし、検出された障害状態の発生を示す。検出された障害状態の発生を示すために少なくとも所定期間、障害状態インジケータをセットした後に、システムは、再度、信号の健全性(integrity)を監視する。ある実施例では、所定期間の後、監視される信号に関する障害がもはや存在しないことの検出に応答して、システムは、障害状態が存在しないことを示すため、障害状態インジケータを変更する。
【0012】
さらなる実施例では、上記した所定期間は、受信信号がダウンストリームのリソースへ通過されるローパスフィルターの時定数、タウ(Tau)に基づく。ある実施例では、所定期間の時間は、時定数タウの4倍以上である。より具体的な実施例では、障害状態(一旦、有効であると確認される)をラッチするための最小持続期間は、4.6*タウであり、ここで、タウは、センサ信号がダウンストリームの装置に通過するローパスフィルターの時定数である。
【0013】
さらなる実施例では、最小持続期間は、多くのパラメータ(例えば、システムのサンプリングの周期性、出力信号の範囲の許容差など)に依存する。障害状態をラッチする最小の持続期間は、ダウンストリーム装置が有効な障害信号を検出することを保証するように選択される。
【0014】
本実施例のシステムは、出力信号発生器を含むことができる。出力信号発生器は、受信信号および障害状態に基づき出力信号を発生する。例えば、出力信号発生器は、受け取った信号に基づき出力信号の大きさを変化させまたは調整する。例えば、出力信号発生器は、出力信号をローパスフィルターを介してダウンストリーム(下流)のリソースに伝送または転送する。障害状態インジケータが少なくとも所定期間について検出された障害状態を示すときの間に、出力信号発生器は、出力信号の大きさを障害バンド(例えば、電圧範囲)内になるようににセットする。出力信号発生器は、ローパスフィルターの入力を少なくとも所定期間、障害バンドにセットするため、ダウンストリームのリソースは、障害状態を確実に知らされる。ある実施例では、ダウンストリームのリソースは、エラー状態の発生を検出するために、高い十分なレートで出力信号をサンプリングする。
【0015】
さらなる実施例では、出力信号の大きさの設定は、ローパスフィルターの時定数よりも少なくとも4倍長い間、出力信号の大きさを障害バンド内になるように設定することを含み、検出された障害状態をダウンストリームのリソースに通知する。
【0016】
さらなる実施例では、上記したように、システムは、受信信号(または、トランスデューサーのようなソースからの受信信号の処理された態様)をローパスフィルター回路に入力することが可能である。ローパスフィルター回路の出力は、ローパスフィルター処理されたバージョンの信号をダウンストリームのリソースへ出力するように構成されることができる。また、上記したように、システムは、ローパスフィルター回路に入力される信号の大きさを、少なくとも所定期間、障害電圧範囲内になるように変更し、検出された障害状態のダウンストリームのリソースへの通知を保証する。換言すれば、たとえセンサの出力電圧の実際のエラーが所定期間よりも短く発生したとしても、システムは、ローパスフィルターに入力される信号の大きさを少なくとも所定期間について障害レンジ内になるように変更し、その結果、ローパスフィルターの出力の大きさは、障害状態が発生したことを少なくとも一時的に示す。
【0017】
ある実施例では、上記したように、センサ装置は、システムにより受け取られる信号を発生することができる。障害電圧レンジは、センサ装置によって出力される名目上または公称の電圧範囲外となるように構成され得る。
【0018】
他の実施例では、検出された障害状態を示すための障害状態インジケータの設定は、時間を追跡し続けるようなタイマーを活性化することを含む。システムは、タイマーにより追跡された時間に基づき少なくとも所定期間について検出された障害を示すように障害状態インジケータの状態を維持する。
【0019】
システムは、障害状態が発生したか否かを決定するための1組のルール(規則)を適用する障害検出回路を含むことができる。ある実施例では、システムは、1組のルールを適用し、受信信号の健全性を検証する。他の実施例は、受信信号に関する健全性のレベルを示すことができる他の信号の属性を監視することを含むことができる。その後、信号検証が障害状態があることを示すことに失敗したと仮定し、システムは、ダウンストリームのリソースへの障害状態の通知を提供する。
【0020】
さらなる実施例では、システムは、障害状態が存在しない場合に、出力信号の大きさを受信信号の大きさに実質的に等しくなるように設定することによって、ローパスフィルターに入力される信号を生成する。上記したように、受信信号の大きさは、受信信号を生成するセンサ装置によって検出される環境状態に依存して変化し得る。障害状態の間、システムは、出力信号の大きさを、少なくとも所定期間、受信信号の大きさと実質的に異なるように調整し、フィルターを介してのダウンストリームのリソースへの障害状態の通知を確実にする。
【0021】
さらなる実施例では、たとえ受信信号に関連する障害状態が所定期間の満了前に終了したとしても、システムは、所定期間の少なくとも一部の間、出力信号の大きさを受信信号の大きさと実質的に異なるように調整する。換言すれば、所定期間の間、または障害状態のラッチの間、障害状態は、もはや存在しないかもしれない。そのような時間で、たとえ受信信号が再び正確であるとしても、システムは、ローパスフィルターに入力される出力信号の大きさを障害レンジ内にセットすることを継続する。こうして、受信信号は、ある大きさであり、他方、システムにより生成された出力信号は、異なる大きさ(すなわち、障害バンド内)である。
【0022】
要約すると、本実施例は、ローパスフィルターを実行するシステムにおいて信号の間違った解釈を避ける。例えば、センサ障害信号は、少なくとも所定の期間、ラッチされ、ローパスフィルターの出力を監視するダウンストリームのシステムが障害状態を検出することを保証する。
【0023】
これらのおよび他の実施例の変更は、以下により詳細の説明される。
【0024】
上記したように、本実施例は、ここに開示されるいずれのまたはすべての方法、動作を実行したり、サポートするため、1つもしくはそれ以上のコンピュータ化された装置、ハードウエアプロセッサ装置、またはその他の構成を含むことができる。換言すれば、1つもしくはそれ以上のコンピュータ化された装置、プロセッサ、ディジタルシグナルプロセッサ等は、ここに説明されるような種々の実施例を実行したり、動作したりするように構成され、および/またはプログラムされることができる。
【0025】
他の実施例は、上記に要約されかつ以下に詳細に開示されるステップおよび動作を実行するためのソフトウエアプログラムを含む。このような実施例は、そこに符号化されるコンピュータプログラムロジック、命令などを含むコンピュータ読出し可能なハードウエアの蓄積リソースを含み、プロセッサおよび対応するメモリを有するコンピュータ化された装置において実行されたとき、プログラムは、プロセッサがここに開示されるいずれの動作を実行することを可能にする。このような構成は、光学媒体(例えば、CD−ROM)、フロッピー(登録商標)、ハードディスクまたは1つまたはそれ以上のROM、RAM、PROMチップ、またはアプリケーション特定集積回路(ASIC)のファームウエアやマイクロコードのような他の媒体に、符号化されまたは配置されたソフトウエア、ファームウエア、コード、および/または他のデータ(例えば、データ構造)として提供される。ソフトウエア、ファームウエアまたはそのような構成は、コンピュータ化された装置にインストールされ、コンピュータ化された装置がここに説明される技術を実行することを可能にする。
【0026】
従って、本開示のある特定の実施例は、本実施例を実行するために蓄積された命令を有するコンピュータ読出し可能なハードウエア蓄積媒体を含むコンピュータプログラム製品に向けられる。例えば、ある実施例では、命令は、各コンピュータ装置のプロセッサにより実行されたとき、プロセッサに、次ののことを行わせる:受信信号の監視;受信信号に関連する障害状態の検出に応答して検出された障害状態を示すための障害状態インジケータの設定;検出された障害状態の発生を示すように少なくとも所定期間について障害状態インジケータの状態を設定;および検出された障害状態の発生を示すために少なくとも所定期間について障害状態インジケータの設定した後に、受信信号に関連する障害がもはや存在しないことの検出に応答して、障害状態が存在しないことを示すように障害状態インジケータを変更すること。
【0027】
他の実施例では、命令は、各コンピュータ装置のプロセッサにより実行されたとき、プロセッサに次のことを行わせる:信号を受信し、受信した信号を生成するセンサ装置により検出された環境状態に依存して受信した信号の大きさが変化する;受信した信号を処理し出力信号を生成する;出力信号を遠隔のリソースに伝え、センサ装置により検出された環境状態を遠隔のリソースに通知する;および受信信号に関連する障害状態の発生の検出に応答して、伝送される出力信号の大きさを受信信号と実質的に異なるように修正し、遠隔のリソースに障害状態を通知する。
【0028】
ステップの順番は、明確化の目的のために追加されている。これらのステップは、いかなる適切な順番で実施可能であることに留意すべきである。
【0029】
本開示の他の実施例は、上記の要約されたおよび以下の詳細に開示される実施例の動作およびステップの方法のいずれも実施すべく、ソフトウエアプログラム、ファームウエア、および/または各ハードウエアを含む。
【0030】
また、ここに開示されるシステム、方法、装置、コンピュータ読出し可能な蓄積媒体の命令等は、ソフトウエアプログラム、ファームウエア、またはソフトウエアとして、厳密に具現化され得る。本実施例はまた、ソフトウエア、ファームウエア、および/またはハードウエアのハイブリッドとして具現化し得る。
【0031】
上記したように、本技術は、信号を処理するソフトウエア、ファームウエア、および/またはハードウエアのアプリケーションにおいて、使用がより適している。しかしながら、本実施例は、そのようなアプリケーションにおける使用に限定されるものではなく、かつここに説明される技術はまた他のアプリケーションにも同様に適していることに留意すべきである。
【0032】
さらに、種々の特徴、技術、構成等の各々が本開示の種々の場所で説明されるが、これらの概念の各々は、互いに独立して実行することが可能であり、または、互いに組み合わせて実行することが可能であることが意図されている。従って、ここに記載される1つもしくはそれ以上の本発明、実施例は、種々の方法において具現化されかつ考えることができる。
【0033】
また、本実施例の予備的な説明は、すべての実施例、および/または本開示または請求項の発明の増加する新規な態様を特定するものではないことに留意すべきである。その代わり、この簡単な説明は、全体的な実施例、および従来技術に対する新規な点を提示する。さらなる詳細および/または本発明の可能性のある観点(置換)のため、本開示の詳細な説明の部分および対応する図面が以下に述べられる。
【図面の簡単な説明】
【0034】
前述するおよび他の発明の目的、特徴および効果は、以下のより具体的な好ましい実施例の記載から明らかであろう。添付する種々の図面の例示において、同一部分には同様の参照符号を用いる。図面は、実施例、原理、コンセプト等の例示が示される代わりに、必ずしもスケール通りではなく強調されている。
【0035】
【図1】従来の障害状態の発生を例示するタイミング図である。
【図2】特定の障害報告パターンとローパスフィルターにとって間違った信号を生成することが可能な障害の報告期間の範囲を例示するタイミング図の例である。
【図3】本実施例に係るシステムを例示する図である。
【図4】本実施例に係る障害バンドの例とセンサ装置の名目上の出力信号の範囲を例示する図である。
【図5】本実施例に係る信号の発生を例示する図である。
【図6】本実施例に係るコンピュータコードを実行するコンピュータアーキテクチャー、ソフトウエア、アプリケーション、ロジック等を例示する図である。
【図7】本実施例に係る受信信号の処理および出力電圧の生成の方法を例示するフローチャートである。
【図8】本実施例に係る受信信号の処理および出力電圧の生成の方法を例示するフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0036】
本実施例によれば、システムは、受け取った信号(受信信号)を監視するように構成される。受け取った信号に関する障害状態の検出に応答して、システムは、障害状態インジケータをセットし、検出された障害状態の発生を示す。システムは、検出された障害状態の発生を示すため、少なくとも所定の合計時間の間、障害状態インジケータの状態をセットする。このことは、ダウンストリームのリソースが障害の発生を検出することを保証する。検出された障害状態の発生を示すために少なくとも所定の合計時間について障害状態インジケータをセットした後、システムは、再び、信号の健全性(integrity)を監視する。所定の合計時間の後、監視された信号に関する障害がもはや存在しないことの検出に応答して、システムは、障害状態が存在しないことを示すべく障害状態インジケータを修正する。
【0037】
図3は、本実施例によるシステム/フローチャートを例示する図である。
【0038】
同図に示すように、信号ソース310は、例えば、信号312を発生するセンサ装置のようなものである。信号312は、信号ソース310によって発生されたいかなるタイプの信号情報を表すことができることに留意すべきである。制限されない例として、信号ソースにより生成された信号312の大きさ(マグニチュード)、周波数などが、信号ソース310により感知された環境状態のようなパラメータに依存して変化する。
【0039】
信号312は、温度、圧力などのようなあらゆる適切なパラメータを表すことができることに留意すべきである。
【0040】
動作中、信号プロセッサ140のブロック320は、信号322を生成するため信号312のグリッヂを取り除く(Deglitch)。デグリッヂは、従来より知られている適切な方法を含むことができる。
【0041】
ブロック325は、信号322をエラーのために監視する。エラーは、信号322が所望の動作範囲外となるような状態であり得る。もし、エラー状態がブロック325によって検出されなければ、ブロック335によって示されるように何の動作も行われない。これに対して、信号322に関するエラー状態が検出されたことに応答して、ブロック325は、検出されたエラー状態をブロック340に通知する。
【0042】
ブロック325からのエラー状態の発生の通知を受け取ると、ブロック340は、障害状態レジスタ365をセットする。障害状態レジスタ365のセットにより、障害状態インジケータ信号368は、検出されたエラー状態を示す。
【0043】
また、ブロック325からの障害状態の発生の通知を受け取ったことに応答して、ブロック340は、タイマー345を初期化する。ブロック350は、タイマーが最小値Xに到達したときを検出するようにタイマー345を監視する。ブロック350は、エラー状態の検出から最小時間X(例えば、所定期間)が経過したとき、ブロック355に通知を提供する。例えば、エラー状態の検出から最小期間Xが経過したことが検出されたことに応答して、ブロック350は、ブロック355に状態の通知をする。
【0044】
ブロック355は、繰り返し信号322を監視し、信号322に関連するエラー状態が終了したときを検出する。エラー状態がもはや存在しない(すなわち、信号ソース310および/または信号322が現在健全である)ことが検出されると、ブロック355は、障害状態クリア信号360を発生する。ブロック355は、障害状態レジスタ365のCLEAR入力に、障害状態クリア信号を伝える。障害状態クリア信号の発生により、障害状態レジスタ365は、障害状態インジケータ信号368を変更し、以前に検出された故障状態のフラグを廃止する。換言すれば、障害状態クリア信号360の受け取りにより、障害状態インジケータ信号368がエラー状態の発生のフラグを取りやめる。従って、生涯状態インジケータ回路330の障害状態レジスタ365は、障害状態の検出に応答して少なくとも最小期間Xの間、エラーを発生する。
【0045】
信号処理回路370は、信号322または類似の信号を出力信号発生器375へ伝送する。概して、出力信号発生器375は、エアー状態が検出されないとき(例えば、障害状態インジケータ信号365がクリアされエラーなしを示すとき)、信号322と同一かこれと実質的に類似である出力信号376を生成する。しかしながら、障害状態インジケータ信号368がセットされたことに基づきエラー状態を示すとき、出力信号発生器375は、信号376を障害バンド内の値にセットする。ある実施例では、出力信号発生器375は、障害状態インジケータ信号368がエラー状態を示す時間期間、信号376を障害バンド内であるようにセットする。
【0046】
ローパスフィルター380は、出力信号発生器375により発生された信号376を受け取る。ローパスフィルターは、適切な周波数によりフィルターするように構成され得る。その名前が示すように、ローパスフィルター380は、より高い周波数成分をフィルターするが、信号376のより低い周波数が信号386としてリソース390へのダウンストリームに通過することを可能にする。
【0047】
図3に関して開示される、障害状態インジケータ回路330、信号プロセッサ140および信号処理の方法は、幾つかの他の方法により実行することができることに留意すべきである。例えば、障害状態インジケータ回路330は、ハードウエア回路によって実行されることが可能である。ある実施例では、ブロック340は、ブロック325により出力される「Yes」のパスからの入力を受け取る2つの論理バッファのような種々のハードウエアの実施により実現可能である。第1の論理バッファの出力は、障害状態レジスタ365のSET入力に接続される。第2の論理バッファの出力は、ブロック345の“INITIALIZE”入力に接続される。
【0048】
ブロック345は、T型フリップフロップの直列接続のようなカウンター回路として実現可能である。ある実施例では、フリップフロップの出力値は、制限時間値に一致するT型フリップフロップの出力状態(例えば、最上位ビットまたはキャリー回路)に対応するであろう。
【0049】
ブロック350は、ブロック340からの入力とブロック355への出力を有する論理バッファを使用して実現可能である。
【0050】
ブロック355は、2つのNANDゲートと論理インバータで実現可能である。例えば、ブロック355の“Yes”出力が論理インバータの入力に接続され、論理インバータの出力が論理NANDゲートの第1の入力に接続され、ブロック320の出力が論理NANDゲートの第2の入力に接続され、論理NANDゲートの出力がブロック360に接続される。
【0051】
障害状態レジスタ365は、図に示すようにSET入力とCLEAR入力を有するSRフリップフロップを用いて実現可能である。
【0052】
他の実施例では、図3で説明された技術は、命令、論理、実行可能なコード等のソフトウエアを介して実現可能である。
【0053】
さらに他の実施例では、図3で説明された技術は、ファームウエアを介して実現可能である。
【0054】
さらに他の実施例では、図3で説明された技術は、ハードウエア、ソフトウエア、および/またはファームウエアの組合せを介して実現可能である。
【0055】
このように、本実施例によれば、信号プロセッサ140は、信号ソース310により生成された信号312を監視するように構成される。信号312および/または信号322に関連する障害状態の検出に応答して、信号プロセッサ140の障害状態インジケータ回路330は、障害状態インジケータ信号368をセットして検出された障害状態の発生を示させる。障害状態レジスタ365から受け取った障害状態インジケータ信号368に基づき、障害状態インジケータ回路330は、検出された障害状態の発生を示すように少なくとも所定の合計時間の間、障害状態インジケータ信号368の状態をラッチしまたはセットする。
【0056】
少なくとも所定の合計時間の間、障害状態インジケータ信号368をセットして信号ソース310により生成された信号312に関する検出された障害状態の発生を示した後に、障害状態インジケータ回路368は、再び、信号322の健全性を監視する。ある実施例では、所定の合計時間の後に監視された信号322に関する障害がもはや存在しないことが検出されたことに応答して、障害状態インジケータ回路330は、障害状態インジケータ信号368を変更し、障害状態が存在しないことを示す。
【0057】
さらなる実施例によれば、障害状態インジケータ信号368のセットの所定の合計時間(例えば、最小時間値X)は、センサ信号がダウンストリームのリソース390へ向けて通過するローパスフィルター380の時定数(例えば、−3dBの減衰を生じさせる)、タウに基づくことが可能である。
【0058】
ある実施例では、所定期間は、時定数タウの4倍よりも大きい。より具体的な実施例では、障害状態(一旦、有効であると確認されて)をラッチする最小期間は、4.6*タウであり、ここで、タウは、ローパスフィルター380の時定数である。
【0059】
さらなる実施例によれば、障害状態を示すために障害状態インジケータ信号368をラッチする最小期間は、多くのパラメータ(例えば、システムのサンプリングする周期性、出力信号範囲の許容範囲)に依存することができる。障害状態をラッチする最小期間Xは、ダウンストリームのリソース390が有効な障害信号を検出することを保証するように選択され得る。
【0060】
上記したように、本実施例による信号プロセッサ140は、出力信号発生器375を含むことができる。出力信号発生器375は、信号ソース310により生成された信号312または322および障害状態インジケータ信号368に基づき信号376を発生する。ある実施例では、出力信号発生器375は、障害状態が検出されないとき、信号312または信号322を概ね追跡するように信号376の大きさを変更しまたは調整する。上記したように、出力信号発生器375は、ローパスフィルター380を介して下流のリソース390に信号376を伝える。
【0061】
障害状態インジケータ信号368が少なくとも所定期間X、検出された障害状態を示す時間の間、出力信号発生器375は、出力信号376の大きさを障害バンド(例えば、0.96*Vpwrと1.0*Vpwr間の電圧範囲)内になるようにセットし、エラー状態を示す。ある実施例では、出力信号発生器375は、信号376を実質的に信号322を追跡するようにセットすることに代えて、信号376を障害バンド範囲内にセットすることを中止する。
【0062】
本実施例では、出力信号発生器375がローパスフィルターに入力される信号376を少なくとも所定期間だけ障害バンドにセットするため、ダウンストリームのリソース390は、信号ソース310に関する障害状態の通知を保証される。ある実施例では、ダウンストリームのリソース390は、エラー状態の発生を検出するべく、十分の高いレートで信号386をサンプリングする。信号376の大きさを0.96*Vpwrのようなしきい値を越える値にしきい値の合計時間(例えば、最小期間)のラッチにより、ダウンストリームのリソース390はエラー状態を検出することが確実に保証される。
【0063】
さらなる実施例では、信号368の大きさのセットは、信号368の大きさをローパスフィルター380の時定数の少なくとも4倍よりも長い間、障害バンド内になるようにセットすることを含み、ダウンストリームのリソース390に障害状態が検出されたことを通知する。
【0064】
さらなる実施例では、上記したように、信号プロセッサ140は、信号ソース310により生成された信号312または信号322(またはトランスデューサーのようなソースから受け取った信号の処理されたバージョン)をローパスフィルター380に入力することを含む。ローパスフィルター380の回路の出力は、ローパスフィルター処理されたバージョンの信号をダウンストリームのリソース390に出力するように構成され得る。また、上記したように、信号プロセッサ140は、ローパスフィルター380の回路に入力される信号376の大きさを少なくとも所定の期間、障害電圧範囲内になるように変更するように構成することができ、検出された障害状態のダウンストリームのリソースへの通知を確実にする。言い換えれば、センサ(例えば、信号ソース310)の出力電圧(例えば、信号312)の実際のエラーが所定の時間期間よりも少ない間で発生したとしても、システムは、ローパスフィルター380に入力される信号376の大きさを少なくとも所定期間の間、障害範囲内になるように変更し、その結果、ローパスフィルター380の出力信号386の大きさは、少なくとも少しの間、障害状態が発生したことを示す。
【0065】
さらなる実施例では、信号プロセッサ140は、障害状態が発生したか否かを決定するための一組のルール(規則)を適用する障害検出回路を含むことができることに留意すべきである。すなわち、ある実施例では、信号プロセッサ140および/または障害状態インジケータ回路330は、受け取った信号の健全性を検証するための1組のルールを適用する。他の実施例は、他の信号(例えば、信号312、信号322等以外の信号)の属性を監視することを含むことができ、これは、受け取った信号に関する健全性のレベルを示す。その後、信号の検証が、障害状態があることを示すのに失敗したとしても、システムは、障害状態の通知をダウンストリームのリソースに提供する。
【0066】
さらなる実施例では、信号プロセッサ140は、障害状態の検出がない場合に、出力信号386の大きさを信号312、322などの受け取った信号の大きさと実質的に等しくなるようにセットすることにより、ローパスフィルター380に入力される信号376を生成する。上記したように、受け取った信号312の大きさは、監視されている信号を生成する各センサ装置により検出された環境状態に依存して変更することができる。障害状態の間、信号プロセッサ140は、出力信号386の大きさを少なくとも所定の期間、受け取った信号の大きさと実質的に異なるように調整し、フィルターを介してダウンストリームのリソース390への障害状態の通知を保証する。ある例として、ブロック325は、信号322に関する障害状態を検出することができ、それからエラーを示すように障害状態レジスタ365をトリガーする。監視された信号322は、タイマー345のタイムアウト前に再び健全になるかもしれない。しかしながら、出力信号発生器375は、たとえ監視された信号322が正確に現在の状態を表すような健全なものに再びなったとしても、エラー状態を示す障害バンド内の信号376を生成する。このような条件のもと、信号プロセッサ140は、たとえ所定期間の終了前に受け取った信号に関する障害状態が終わったとしても、出力信号376の大きさを、所定期間の少なくとも一部の間、受け取った信号322の大きさと実質的に異なるように調整する。言い換えれば、所定期間の間または障害状態インジケータ回路330により示されるような障害状態のラッチの間、技術的に、障害状態は、もはや存在しないかもしれない。そのようなときに、信号プロセッサ140の出力信号発生器375は、たとえ受け取った信号322が再び正確であったとしても、ローパスフィルター380に入力される出力信号376の大きさを障害レンジ内になるようにセットをし続ける。このように、受け取った信号322は、システムによって生成された出力信号が異なる大きさ(すなわち、障害バンド内)である間、ある大きさを示すことがあり得る。
【0067】
図4は、本実施例における信号ソース310のようなセンサ装置の名目上または公称の出力信号の範囲と障害バンドの例を示す図である。同図に示すように、センサ装置の出力電圧(例えば、312)は、公称の最大刺激(stimulus)より上で、最小クランプレベルと最大クランプレベルの間の大きさにクランプする。上記したように、センサ(例えば信号ソース310)が障害状態を検出したとき、センサは、最小障害レベルと最大障害レベルにより定義された範囲内になるようにセンサ装置の出力電圧を生成する。ある実施例では、この範囲は、障害しきい値(例えば、0.96*Vpwrより上)よりも大きな電圧として定義される。
【0068】
図5は、本実施例における障害状態のラッチを例示するタイミング図である。概して、出力信号発生器375は、時間T51まで、および時間T53後、信号312をトラックするように信号376を生成する。図の500に示されるように、信号ソース310が各しきい値よりも大きい出力を生成するとき、エラーまたは障害状態が時間T51で発生する。エラー状態の発生に応答して、出力信号発生器375は、時間T51と時間T53の間で、信号376の大きさをしきい値より上(エラー状態を示すため)に維持する。時間T53の後、信号312は、もはや障害状態を満足せず、かつ所定の時間が経過したので、出力信号発生器375は、再び、信号312と実質的に等しくなる信号376を発生する。
【0069】
図6は、本実施例におけるコンピュータ処理を提供するコンピュータシステム600のブロック図の例である。上記したように、ここに述べたいずれのまたはすべての技術は、図示されるようなコンピュータシステム600、ソフトウエア、ハードウエア、ファームウエアなどのようなリソースにより実行可能であることに再度留意すべきである。
【0070】
以下の説明は、上記した信号プロセッサシステム140に関する機能性をどのように実行するかを示す基本的な実施例を提供することに留意すべきである。しかしながら、ここに述べられるような動作を実行するための実際の構成は、各アプリケーションに基づき変更することができることに留意すべきである。信号プロセッサ140のいずれかのまたはすべての部分は、コンピュータシステム600および対応するリソースを介して実行することが可能である。
【0071】
図に示すように、本実施例のコンピュータシステム600は、デジタル情報が蓄積可能でありかつ取り出し可能な、コンピュータによる読取り可能な蓄積媒体(ストレージメディア)612、例えば、一時的でないタイプのメディア、コンピュータ読取り可能なハードウエアの蓄積媒体などを結合する相互接続711を含む。コンピュータシステム600はさらに、プロセッサ613、I/Oインターフェース614、およびコミュニケーションインターフェース617を含むことができる。
【0072】
I/Oインターフェース614は、貯蔵180への接続を提供し、さらにここでは、ディスプレイスクリーン、キーボードやコンピュータマウス等のような周辺装置616への接続も提供する。
【0073】
コンピュータ読取り可能な蓄積媒体612(例えば、ハードウエア蓄積媒体)は、いかなる適切な装置および/またはメモリ、光学蓄積、ハードドライブ、フロッピーディスク等のハードウエアであることができる。コンピュータ読取り可能な蓄積媒体は、信号プロセッサアプリケーション140−1に関する命令を蓄積する不揮発性の蓄積媒体であることができる。命令は、信号プロセッサ140のような各リソースにより実行され、ここで述べられたようないずれの動作を実施する。
【0074】
コミュニケーションインターフェース617は、コンピュータシステム600がネットワーク190と連絡することを可能にし、遠隔のソースから情報を抽出し、他のコンピュータ、スイッチ、クライアント、サーバーなどと連絡する。I/Oインターフェース614もまた、プロセッサ613が貯蔵180から蓄積された情報を抽出したり、抽出の試みを行うことを可能にする。
【0075】
図に示すように、コンピュータ読取り可能な蓄積媒体612は、信号プロセッサ処理140−2のようなプロセッサ613により実行されるネットワークアプリケーション140−1で符号化されることができる。
【0076】
ある実施例では、コンピュータシステム600は、データおよび/またはロジック命令を蓄積するコンピュータ読取り可能な蓄積媒体(例えば、ハードウエア、非一時的なメディア)を含むように具現化され得る。コンピュータシステム600は、そのような命令を実行したりここで述べられるネットワークマネジメント動作を実行するためのプロセッサを含むことができる。従って、命令が実行されたとき、信号プロセッサアプリケーション140−1に関するコードは、ここで述べられる、データパケットの転送のような機能性の処理、コントロールプレーンパケットの処理などをサポートすることができる。
【0077】
ある実施例の動作中に、プロセッサ613は、コンピュータ読出し可能な蓄積媒体612に蓄積された信号プロセッサアプリケーション140−1の命令をラウンチ、ラン、実行、解読、あるいは他の実施するため、コンピュータ読出し可能な蓄積媒体612を相互接続611の使用を介してアクセスする。信号プロセッサアプリケーション140−1の実行は、プロセッサ613の機能性の処理を生成する。換言すれば、プロセッサ613に関する信号プロセッサプロセス140−2は、コンピュータシステム600のプロセッサ613に関するまたはその内部の信号プロセッサアプリケーション140−1の実行の1つもそくはそれ以上の態様を表す。
【0078】
当業者は、コンピュータシステム600が他のプロセスおよび/またはソフトウエアおよびハードウエアコンポーネント、例えば、信号プロセッサアプリケーション140−1を実行するためのリソースを処理するハードウエアの使用やアロケーションを制御するオペレーティングシステムを含むことができることを理解する。
【0079】
他の実施例では、コンピュータシステムは、これに限定されないが、パーソナルコンピュータシステム、デスクトップコンピュータ、ラップトップやノートブックコンピュータ、メインフレームコンピュータシステム、ハンドヘルドコンピュータ、ワークステーション、ネットワークコンピュータ、アプリケーションサーバー、蓄積装置、カメラのようなコンシューマー電子部品、カムコーダー、セットトップボックス、モバイル装置、ビデオゲームコンソール、ハンドヘルドビデオゲーム装置、スイッチのような周辺装置、モデム、ルーター、あるいは他のコンピュータ若しくは電子装置等を含む種々のタイプの装置であることができることに留意すべきである。
【0080】
信号プロセッサ140のコンポーネントによりサポートされる機能性は、図7ないし8のフローチャートを介して説明される。上記したように、各スイッチおよび/または他のハードウエアにより実行される信号プロセッサアプリケーション140−1は、以下に述べるようなフローチャートのステップを実行するように構成されることができる。
【0081】
上記の図1ないし図6で述べた概念といくつか重複するものがあることに留意すべきである。また、フローチャートのステップは、必ずしも、図に示された順序で実行される必要がないことに留意すべきである。ステップは、いかなる適切な順序で実行され得る。
【0082】
図7は、本実施例による信号処理の方法を例示するフローチャート700である。
【0083】
ステップ710において、信号プロセッサ140は、センサ装置からの信号を監視する。
【0084】
ステップ720において、受け取った信号に関連する障害状態を検出することに応答して、信号プロセッサ140は、障害状態インジケータをセットし、検出された障害状態を示す。
【0085】
ステップ730において、信号プロセッサ140は、少なくとも所定の期間、障害状態インジケータの状態をセットし、検出された障害状態の発生を示させる。
【0086】
ステップ740において、少なくとも所定の期間、検出された障害状態の発生を示すように障害状態インジケータをセットした後、信号プロセッサ140は、センサ装置により生成される信号の監視を継続する。監視された信号に関する障害がもはや存在しないことを検出したことに応答して、信号プロセッサ140は、障害状態が存在しないことを示すように障害状態インジケータを変更する。
【0087】
図8は、本実施例による信号処理の方法を例示するフローチャートである。
【0088】
ステップ810において、信号プロセッサ140は、センサからの信号を受け取る。受け取った信号の大きさは、信号を生成するセンサ装置により検出された環境状態に依存して変化する。
【0089】
ステップ820において、信号プロセッサ140は、受け取った信号を処理し出力信号を生成する。
【0090】
ステップ830において、信号プロセッサ140は、出力信号を遠隔のリソースに伝達し、センサ装置により検出された環境状態を遠隔のリソースに通知する。
【0091】
ステップ840において、受け取った信号に関する障害状態の発生の検出に応答して、信号プロセッサ140は、受け取った信号と実質的に異なるように伝送された出力信号の大きさを変更し、障害状態を遠隔のリソースに通知する。
【0092】
ここでの技術は、多数の種類のタイプの信号のいずれの処理処理において使用に適していることに留意すべきである。しかしながら、ここでの実施例は、このようなアプリケーションにおける使用に制限されるものではなく、ここで述べられる技術は、他のアプリケーションにも同様に非常に適していることに留意すべきである。
【0093】
ここで述べる記載に基づき、多数の具体的な詳細が述べられ、請求項に記載の主題の完全な理解が提供される。しかしながら、請求項に記載の主題は、これらの具体的な詳細がなくても実施されることができることが当業者により理解されよう。他の例、方法、装置、システムなど、当業者により公知であり得るものは、請求項に記載の主題を不明瞭にしないようにするため詳細に記載されていない。詳細な記載のある部分は、メモリのようなコンピュータデータ蓄積のような計算システムのメモリ内に蓄積されたデータビットまたはバイナリデジタル信号に関する動作の象徴的な代表またはアルゴリズムに関して提示されてきた。これらのアルゴリズムの記載または代表は、作業の実態を他の熟練された技術へ搬送するようなデータ処理分野において当業者により使用される技術の例である。ここに述べられたアルゴリズムは、概して、動作の自己整合するシーケンスまたは所望の結果になる類似の処理であるようにみなされる。この文脈では、動作または処理は、物理的な量の物理的な操作を含む。典型的に、必ずしも必要ではないけれども、このような量は、蓄積、伝送、結合、比較または他の操作をすることができる電気的または磁気的な信号の形態をとることができる。ビット、データ、値、エレメント、シンボル、キャラクター、ターム、数、数字、またはそれと同様のものとしてそのような信号を参照することは、ときに、主に共通の使用の理由において便利であることを証明した。しかしながら、これらのおよび同様の用語のすべては、適切な物理的な量に関連され、単に便利なラベルであることが理解されよう。具体的に述べられないならば、次の記載から明らかなように、メモリ、レジスタ、または他の情報蓄積装置、伝送装置、またはコンピューティングプラットフォームのディスプレイ装置内の物理的な電子的または磁気的な量として表されるデータを操作しまたは変形する、コンピュータや類似の電子コンピューティング装置のようなコンピューティングプラットフォームの動作や処理を参照する、“処理”、“コンピューティング”、“計算”、“決定”、またはその他の用語を利用する明細書の記載全体から理解されよう。
【0094】
本発明は、具体的に示され、好ましい実施例を参照して説明されたが、当業者であれば、形態や詳細の種々の変更は、特許請求の範囲により規定されるような本出願の精神および範囲から逸脱することなく成し得ることが理解されよう。そのような変更は、hン出願の範囲よってカバーされることが意図されている。このように、本出願の上記の実施例の記載は、限定されることを意図されるものではない。むしろ、本発明に対するいかなる限定は、特許請求の範囲において提示される。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
受け取った信号を監視し、
前記受け取った信号に関連する障害状態の検出に応答して、検出された障害状態を示すように障害状態インジケータをセットし、
少なくとも所定期間、障害状態インジケータの状態をセットし、検出された障害状態の発生を示し、
少なくとも所定期間、前記検出された障害状態の発生を示すように障害状態インジケータをセットした後に、前記受け取った信号に関連する障害がもはや存在しないことを検出したことに応答して、障害状態が存在しないことを示すように障害状態インジケータを変更する、方法。
【請求項2】
前記所定期間は、タウの4倍よりも大きく、ここで、タウは、前記障害状態インジケータが通過するローパスフィルターの時定数である、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
方法はさらに、
出力信号を発生し、
前記受け取った信号の大きさに基づき出力信号の大きさを変更し、
前記出力信号をローパスフィルターを介してダウンストリームのリソースへ伝送し、
前記障害状態インジケータが少なくとも所定期間について検出された障害状態を示す時間の間、前記出力信号の大きさを障害バンド内にあるようにセットする、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記出力信号の大きさのセットはさらに、
ローパスフィルターの時定数よりも少なくとも4倍の長さの期間、前記出力信号の大きさを障害バンド内になるようにセットし、ダウンストリームのリソースに検出された障害状態を通知する、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
方法はさらに、
前記受け取った信号をローパスフィルター回路に入力し、ローパスフィルター回路の出力は、前記受け取った信号のローパスフィルター処理されたバージョンをダウンストリームのリソースに出力するように構成され、
ローパスフィルター回路に入力された信号の大きさを、少なくとも所定期間、障害電圧範囲内になるように変更し、ダウンストリームのリソースへの検出された障害状態の通知を保証にする、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
センサ装置は、前記受け取った信号を発生し、前記障害電圧範囲は、センサ装置によって出力される公称電圧範囲外である、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
検出された障害状態を示すための障害状態インジケータのセットは、
時間を追跡するようにタイマーを活性化し、
前記タイマーにより追跡された時間に基づき少なくとも所定期間について検出された障害を示すために障害状態インジケータの状態を維持することを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記受け取った信号を監視することはさらに、
前記受け取った信号を検証するために1組のルールを適用し、
前記受け取った信号が前記1組のルールの少なくとも1つを違反したことの検出に応答して障害状態の通知を提供することを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
方法はさらに、
前記受け取った信号に基づき、ローパスフィルターへ伝送するための出力信号を生成し、
障害状態が存在しない場合に、前記出力信号の大きさを、前記受け取った信号の大きさに実質的に等しくなるようにセットし、前記受け取った信号の大きさは、前記受け取った信号を生成するセンサ装置により検出された環境状態に依存して変化し、
少なくとも所定期間、前記出力信号の大きさを、前記受け取った信号の大きさと実質的に異なるように調整することを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
方法はさらに、
たとえ前記受け取った信号に関連する障害状態が前記所定期間の満了前に終了したとしても、少なくとも所定期間、前記出力信号の大きさを、前記受け取った信号の大きさと実質的に異なるように調整する、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
信号を受け取り、当該受け取った信号の大きさが前記受け取った信号を生成するセンサ装置により検出された環境状態に依存して変化し、
前記受け取った信号を処理して出力信号を生成し、
前記出力信号を遠隔のリソースに伝え、当該遠隔のリソースにセンサ装置により検出された環境状態を通知し、
前記受け取った信号に関連する障害状態の発生の検出に応答して、伝送される出力信号の大きさを、前記受け取った信号と実質的に異なるように変更し、遠隔のリソースに障害状態を通知する、方法。
【請求項12】
前記出力信号の伝送は、
障害状態の発生よりも前の第1の持続期間において、
前記出力信号の大きさを、前記受け取った信号の大きさに実質的に等しくなるようにセットし、
前記出力信号を遠隔のリソースに伝送し、前記遠隔のリソースにセンサ装置により検出された環境状態を通知し、
前記出力信号の大きさを変更することは、
第2の持続期間において、障害状態の検出に応答して、
前記出力信号の大きさを、前記受け取った信号の大きさと実質的に異なる値にセットすることを含む、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記出力信号の大きさを変更することは、しきい値の時間値よりも長い間、前記出力信号の大きさをセットして、遠隔のリソースによる障害状態の検出を可能にすることを含む、請求項11に記載の方法。
【請求項14】
前記出力信号の大きさを変更することは、最小の時間期間の値よりも長い間でありかつ少なくとも障害状態が存続する間、前記出力信号の大きさを調整することを含む、請求項11に記載の方法。
【請求項15】
伝送される出力信号の大きさを障害状態を示すレベルに変更することの次に、
制御システムにおいて障害状態がもはや存在しないことが検出されたことに応答して、伝送される出力信号の大きさを前記受け取った信号に実質的に等しくなるようにセットすることを含む、請求項11に記載の方法。
【請求項16】
前記出力信号の大きさを変更することは、伝送される出力信号の大きさを、傷害状態の発生の期間よりも長い期間、前記受け取った信号の大きさと実質的に異なるように調整することを含む、請求項11に記載の方法。
【請求項17】
コンピュータが読み出し可能な蓄積ハードウエアは、そこに蓄積される命令を有しており、当該命令は、プロセッサ装置により実行されるとき、プロセッサ装置に次の動作を実行させるハードウエアであって、
受け取った信号を監視し、
前記受け取った信号に関連する障害状態の検出に応答して、検出された障害状態を示すために障害状態インジケータをセットし、
少なくとも所定期間、障害状態インジケータの状態をセットして、検出された障害状態の発生を示し、
検出された障害状態の発生を示すべく所定期間についての障害状態インジケータのセットの次に、
監視された信号に関する障害がもはや存在しないことの検出に応答して、障害状態インジケータを変更し、障害状態が存在しないことを示す、ハードウエア。
【請求項18】
プロセッサ回路と、
プロセッサ装置により実行されるアプリケーションに関する命令を蓄積する蓄積ユニットと、
プロセッサと蓄積ユニットを結合する相互接続であって、プロセッサ回路は、アプリケーションを実行し、次の動作を実施するように構成され、
受け取った信号を監視し、
前記受け取った信号に関連する障害状態の検出に応答して、検出された障害状態を示すように障害状態インジケータをセットし、
少なくとも所定期間、障害状態インジケータの状態をセットし、検出された障害状態の発生を示すようにし、
検出された障害状態の発生を示すように少なくとも所定期間、障害状態インジケータをセットした後、
監視される信号に関連する障害がもはや存在しないことの検出に応答して、障害状態が存在しないことを示すように障害状態インジケータを変更する、システム。
【請求項19】
受け取った信号を監視するための障害検出回路と、
ラッチ回路とを有し、
前記ラッチ回路は、
前記障害検出回路により検出された前記受け取った信号に関連する障害状態を示すように障害状態インジケータをセットすること、
障害状態の発生を示すように、少なくとも所定期間、障害状態インジケータの状態をセットすること、
検出された障害状態の発生を示すように少なくとも所定期間、障害状態インジケータをセットした後に、
監視される信号に関する障害がもはや存在しないことの検出に応答して、障害状態が存在しないことを示すように障害状態インジケータを変更することを含む、システム。
【請求項20】
システムはさらに、
出力信号を発生する出力信号発生器であって、当該出力信号発生器は、障害状態の前に、前記受け取った信号の大きさを実質的にトラックするように前記出力信号の大きさを変更し、
障害状態インジケータが前記検出された障害状態を示すとき、前記出力信号発生器は、少なくとも所定の期間、前記出力信号の大きさを障害バンド内になるようにセットする、請求項20に記載のシステム。
【請求項21】
障害状態インジケータが障害状態を示すとき、前記出力信号発生器は、前記所定期間の部分において、前記出力信号の大きさを前記受け取った信号と実質的に異なるように調整する、請求項20に記載のシステム。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate


【公開番号】特開2012−239170(P2012−239170A)
【公開日】平成24年12月6日(2012.12.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−106519(P2012−106519)
【出願日】平成24年5月8日(2012.5.8)
【出願人】(506154029)センサータ テクノロジーズ インコーポレーテッド (28)
【Fターム(参考)】