説明

隠しジッパーアセンブリ

隠れジッパーアセンブリ及び当該隠れジッパーアセンブリにより第1材料を第2材料に結合する方法である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、隠しジッパーアセンブリ、及びジッパーアセンブリによって第1材料を第2材料に結合する方法に関する。
【0002】
関連出願の相互参照
本国際特許出願は、2010年3月1日に出願された「Concealed Zipper Assembly」という名称の米国仮特許出願第61/309,012号の利益を主張する。当該出願の開示すべては本願の開示の一部とみなされ、本明細書に参照により組み込まれる。
【背景技術】
【0003】
覆いのつけられた様々な製品を組み付けるとき一般には、複数の外側表面材料が互いに縫い合わせられるが、これは時間がかかり費用がかかる。さらに、互いに縫い合わせられる外側表面のカバリングは、クリーニング又は修理を目的として容易に取り除くことが難しく、容易に置換することもさらに難しい。覆いのつけられたいくつかの製品は複数の外側表面材料のアセンブリにおいてジッパーを使用しているが、当該ジッパーの美的影響を隠すべく注意が必要である。現行のジッパーは、プルタブが回動可能に接続された摺動体上にクラウンを有する。プルタブを回動可能とするべくクラウンを必要とする構成に起因して、クラウン及びプルタブは立ち上がり、当該摺動体の上面を著しく自慢げにしている。したがって、摺動体上のクラウンがプルタブをユーザーにとって容易にアクセス可能としかつ容易な動作のため回動可能にするという非常に有利であることが、いくつかの例においては、美的印象を魅力のないものとする。ジッパーの端部位置を、当該覆いのつけられた製品のユーザから見えない領域に隠そうとする製造業者もいるが、これは必ずしも可能なわけではない。上述の美的でない印象を隠すべく、時々同じ外側表面材料のジッパーポケットを摺動体の端部位置の上方に縫い付ける他の製造業者もあるが、この余分な材料も望ましくない。また、ジッパー摺動体及び歯のサイズを縮小しようと試みる他の製造業者もあるが、これは、特定の用途が必要とする仕様ゆえに可能とはならない。
【0004】
ジッパーに関する上述の問題に鑑み、摺動体の位置が当該覆いのつけられた製品の外側表面カバリング上のどこにあろうとも、控えめでかつ視界から隠れた、覆いのつけられた製品のためのジッパーを有することが望ましい。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】米国特許第6,502,285号明細書
【特許文献2】米国特許第5,975,386号明細書
【特許文献3】米国特許第6,698,049号明細書
【発明の概要】
【0006】
本発明は一般に低プロファイルジッパーアセンブリに関し、詳しくは、プレート上面及び前端を備えるベースプレートを有する低プロファイル摺動体に関する。舌部が、プレート上面と実質的に整合する上面を有する。舌部は、ベースプレートから延びて前端を通過する。ジッパー体はさらに、ジッパーの歯を受け入れるべく構成された一対のガイド溝を含む。舌部はアパチャを含み、当該アパチャの軸は、プレート上面に対してほぼ垂直である。ベースプレートは前端と、後端と、前端及び後端の間に延びる側部とを含み、当該側部は、後端から前端へ外側に向かって開く。ジッパーは動作軸を有する。舌部は当該動作軸沿いにほぼ整合し、アパチャの軸は当該動作軸に対してほぼ垂直である。
【0007】
舌部は、ベースプレートの上方に配列された第1部分と、当該前端を超えて延びる第2部分とを含む。当該前端は、第1部分と第2部分とをほぼ分割し、当該アパチャは第2部分に配置される。舌部は、ベースプレートに対する動きから実質的に固定される。詳しくは、舌部はベースプレートに対してヒンジ結合されない。ジッパー摺動体のプレート上面は、クラウンを含まない。
【0008】
本発明は、ジッパーアセンブリを操作する方法にも関する。または、詳しくは、歯を備える縁を有する2つの材料を結合する一方で、摺動体ジッパーの隠されている状態をその動作範囲にわたって維持する方法に関する。本方法は一般に、一組の歯を含む第1材料を与えるステップと、一組の歯を含む第2材料を与えるステップと、第1及び第2材料の当該組の歯を摺動可能に係合する摺動体であって、当該歯とほぼ整合して摺動体内にアパチャを画定する延長舌部を有する摺動体を与えるステップと、フック部分を有するツールを与えるステップと、ツールのフック部分をアパチャに係合するステップと、第1材料の歯を第2材料の歯に相互接続するべく、ツールに第1の方向の力を加えるステップとを含む。本方法は、第1及び第2材料の歯を係合解除するべく、ツールに第2の方向の力を加えるステップも含む。ここで、第1の方向は第2の方向と対向する。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】ジッパー体に力を加える例示的ツールを含むジッパーアセンブリの斜視図である。
【図2】摺動可能体のアパチャに係合したツールを含むジッパーアセンブリの斜視図である。
【図3】ジッパーアセンブリの側方からの斜視図である。
【図4】摺動体の下からの斜視図である。
【図5】アパチャに係合したツールを有するジッパー摺動体の上からの斜視図である。
【図6】摺動体の下からの斜視図である。
【図7】摺動体の下側方からの斜視図である。
【図8】ツールが摺動体上のアパチャに挿入されるところを示す。
【図9】ツールが2つの材料を閉じるべく力を加えているところを示す。
【図10】フローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
図面を一般に参照し、特に図1を参照すると、第1材料22を第2材料24に結合するジッパーアセンブリ20が示される。第1及び第2材料22、24はそれぞれ、少なくとも一つの縁28に沿って延びて一組の歯30を画定するテープ26を含む。ジッパーアセンブリ20は摺動体32をさらに含む。摺動体32は第1及び第2材料22、24の歯30と摺動可能に係合し、摺動体32が第1の方向に動くと第1材料22の歯30を第2材料24の歯30に相互接続し、及び、摺動体32が第1の方向と対向する第2の方向に動くと第1材料22の歯30を第2材料の歯30から係合解除する。摺動体32は、ツール36を受け入れるアパチャ34を画定する。ツール36は摺動体32を第1及び第2の方向に動かす。図面に示されるジッパーアセンブリ20は、自動車シートのための2つの材料22、24を結合しているが、理解すべきなのは、本発明は、他の多くのシート設備及び非シート設備アプリケーションに使用できることである。
【0011】
実施例のツール36は、フック部分40を形成する曲がりを画定する細長いシャフト38を含む。図1に示されるように、ツール36のフック部分40は、摺動体32のアパチャ34に係合している。摺動体32は第1の方向に引かれて、第1材料22の歯30と第2材料24の歯30とを相互接続する。ツール36はまた、摺動体32を第2の方向に引くのにも使用される。第1材料22の歯30が第2材料24の歯30から係合解除される。理解すべきなのは、摺動体32を第1及び第2の方向に引く摺動体32を係合するべく、ツール36が図面に示されるもの以外の多くの形状を取り得ることである。
【0012】
図2は、ツール36が摺動体32のアパチャ34を通って延びるジッパーアセンブリ20の下側の斜視図である。摺動体32は、上面44、下面46、前端48、後端50、及び互いに対向する側端52を有するベースプレート42を含む。ベースプレート42の前端48は、ベースプレート42の後端50よりも幅が広い。互いに対向する一対のフランジ54が、ベースプレート42の互いに対向する側端52に沿って上面44から垂直上方に延びて、間にあるガイド溝56を画定する。互いに対向するフランジ54は、互いに向かって内側に曲がりリップ部分58を画定する。リップ部分58は離間してベースプレート42と平行の関係にある。第1及び第2材料22、24の歯30が、ベースプレート42の上面44とリップ部分58との間においてガイド溝56に配置される。図2からわかるように、摺動体32から第1の方向にある第1及び第2材料22、24の歯30は互いに係合解除され、摺動体32から第2の方向にある歯30は互いに相互接続される。
【0013】
摺動体32は、ベースプレート42の下面46上に配置されてベースプレート42の前端48から第1の方向に外側に延びる舌部60をさらに含む。舌部60は摺動体32に一体的に接続され、ツール36のフック部分40を受け入れるアパチャ34を与える。図3に最も良く示されるように、ツール36のフック部分40に係合する摺動体32のアパチャ34は、ベースプレート42の前端48から第1の方向に離間される。なお、摺動体32の舌部60は、ツール36に係合する多くの形態を取り得る。
【0014】
図4は、ジッパーアセンブリ20の摺動体32に隣接して配置されたツール36の実施例の斜視図である。ツール36の実施例は、摺動体32を引くフック部分40から離間したハンドル62を含む。図5は、ツール36のフック部分40を示す斜視図である。フック部分40は、摺動体32のアパチャ34を通って延びる。
【0015】
図6は、ジッパーアセンブリ20の摺動体32に隣接するツール36の実施例の他の斜視図である。ガイド柱64が、摺動体32の互いに対向するフランジ54間のガイド溝56に配置される。摺動体32のガイド柱64及びガイド溝56は、摺動体32が第1及び第2材料22、24の歯30に沿って第1の方向に動くと、第1及び第2材料22、24の歯30を相互ロック関係に導く。ガイド柱64はまた、摺動体32が第1及び第2材料22、24の歯30に沿って第2の方向に動くと、第1材料の歯30を第2材料24の歯30から係合解除するべく機能する。図7は、摺動体32の斜視図である。ツール36のフック部分40が摺動体32のアパチャ34を通って延びている。
【0016】
図8は、摺動体32のアパチャ34に隣接して配置されたツール36のフック部分40の斜視図である。図9は、摺動体32のアパチャ34を通って延びているツール32のフック部分40の斜視図である。図8及び9からわかるように、摺動体32の第1の方向において第1及び第2材料22、24の歯30が互いに係合解除され、摺動体32から第2の方向において第1及び第2材料22、24が互いに結合される。
【0017】
図10を参照すると、本発明は、第1材料22を第2材料24に結合する方法をさらに含む。本方法は、一組の歯30を含む第1材料22を与えるステップ及び一組の歯30を含む第2材料24を与えるステップから始まる。本方法は、第1及び第2材料22、24の歯30に摺動可能に係合し及びベースプレート42から第1の方向に離間したアパチャ34を画定する摺動体32を与えるステップに続く。本方法は、フック部分40を画定するツール36を与えるステップへと進む。本方法は、ツール36のフック部分40を摺動体32のアパチャ34に係合するステップに続く。本方法は、摺動体32に係合するツール36を第1の方向に引いて第1材料22の歯30を第2材料24の歯30に相互接続するステップに続く。オプションとして、本方法は、ツール36を第2の方向に引いて第1材料22の歯30を第2材料24の歯30から係合解除するステップに続く。
【0018】
まとめると、本発明は、自動車シートに使用される隠れジッパーアセンブリ20のためのものであって、隠れジッパーアセンブリ20は、ベースプレート42と、ベースプレート42から第1の方向に離間したアパチャ34とを有する摺動体32を含む。摺動体32のアパチャ34に係合して摺動体を第1の方向に又は対向する第2の方向に引くツール36が与えられる。すなわち、典型的な摺動体32の取り付けポイントが摺動体32のベースプレート42から第1の方向に動き、フック部分40を有するツール36が摺動体32を第1の方向に引くのに使用される。
【0019】
関連する法律的な基準に従って上述の発明を記載した。したがって、本記載は例示であって本質的に限定されるものではない。開示の実施例に対する変形例及び修正例は当業者にとって明らかであって、本発明の範囲内にある。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
低プロファイルジッパー体であって、
プレート上面及び前端を有するベースプレートと、
前記プレート上面と実質的に整合する上面を有する舌部であって、前記ベースプレートから延びて前記前端を通過する舌部と、
ジッパーの歯を受け入れるべく構成される一対のガイド溝と
を含む低プロファイルジッパー体。
【請求項2】
前記舌部はアパチャを含む、請求項1に記載の低プロファイルジッパー体。
【請求項3】
前記アパチャは、前記プレートの上面に対してほぼ垂直である、請求項2に記載の低プロファイルジッパー体。
【請求項4】
前記ベースプレートは、
前端と、
後端と、
前記前端及び前記後端の間に延びる側部と
を含み、
前記側部は、後端から前端へ外側に向かって開く、請求項3に記載の低プロファイルジッパー体。
【請求項5】
前記低プロファイルジッパー体は動作軸を有し、前記舌部は前記動作軸沿いにほぼ整合する、請求項4に記載の低プロファイルジッパー体。
【請求項6】
前記アパチャは、前記動作軸をほぼ中心とする、請求項5に記載の低プロファイルジッパー体。
【請求項7】
前記舌部は、
前記ベースプレートの上方に延びる第1部分と、
前記前端を超えて延びる第2部分と
を含み、
前記前端は、前記第1部分と前記第2部分とをほぼ分割し、前記アパチャは前記第2部分に配置される、請求項1に記載の低プロファイルジッパー体。
【請求項8】
前記舌部は、前記ベースプレートに対する動きから実質的に固定される、請求項1に記載の低プロファイルジッパー体。
【請求項9】
前記舌部は、前記ベースプレートに対してヒンジ結合されない、請求項8に記載の低プロファイルジッパー体。
【請求項10】
前記ベースプレートは凹部を含み、前記舌部の一部が前記凹部内に設定される、請求項1に記載の低プロファイルジッパー体。
【請求項11】
前記舌部は、前記ジッパー体の前端に近接して配置されるアパチャを含む、請求項1に記載の低プロファイルジッパー体。
【請求項12】
前記アパチャは、取り外し可能なフックを受け入れるべく構成される、請求項11に記載の低プロファイルジッパー体。
【請求項13】
前記舌部の上面と前記プレート上面とは双方とも平坦であって、各上面はほぼ一つの平面を形成する、請求項1に記載の低プロファイルジッパー体。
【請求項14】
前記プレート上面はクラウンを含まない、請求項1に記載の低プロファイルジッパー体。
【請求項15】
前記舌部はクラウンに取り付けられない、請求項1に記載の低プロファイルジッパー体。
【請求項16】
ジッパーアセンブリを隠す方法であって、
一組の歯を含む第1材料を与えるステップと、
一組の歯を含む第2材料を与えるステップと、
前記第1材料及び前記第2材料の前記一組の歯を摺動可能に係合する摺動体であって、前記歯とほぼ整合してアパチャを画定する延長舌部を有する摺動体を与えるステップと、
フック部分を有するツールを与えるステップと、
前記ツールの前記フック部分を前記アパチャに係合するステップと、
前記第1材料の歯を前記第2材料の歯に相互接続するべく、前記ツールに第1の方向の力を加えるステップと
を含む方法。
【請求項17】
前記第1の材料及び前記第2材料の歯を係合解除するべく、前記ツールに第2の方向の力を加えるステップをさらに含み、
前記第1の方向は前記第2の方向と対向する、請求項16に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公表番号】特表2013−521052(P2013−521052A)
【公表日】平成25年6月10日(2013.6.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−556127(P2012−556127)
【出願日】平成23年2月28日(2011.2.28)
【国際出願番号】PCT/US2011/026432
【国際公開番号】WO2011/109272
【国際公開日】平成23年9月9日(2011.9.9)
【出願人】(598147400)ジョンソン コントロールズ テクノロジー カンパニー (224)
【氏名又は名称原語表記】Johnson Controls Technology Company
【Fターム(参考)】