説明

隠蔽情報付き容器

【課題】衛生性、安全性に優れる、懸賞応募、真贋判定、流通経路把握、および抽選番号などとして景品提供を行うことで販売促進等に用いることができる断熱容器等に使用される隠蔽情報付き容器を提供する。
【解決手段】少なくとも容器本体10と、該容器本体10の外側を覆うように貼着されて一体として組み合わされた外装体20とからなる容器であって、前記容器本体10の胴部外側周壁もしくは前記外装体20の内面に隠蔽情報層を形成し、前記外装体20に設けた開口開始手段としての摘み部20aから切れ目線20bに沿って開口することにより、開口後、前記容器本体10の胴部外側周壁もしくは前記外装体20の内面に設けられた前記隠蔽情報30を容易に視認することができることを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、容器本体とその胴部外側に貼着される外装体から構成される容器であって、懸賞応募、真贋判定、流通経路把握、および抽選番号などとして景品提供を行うことで販売促進等に用いることができる隠蔽情報付き容器に関するものである。そして、この容器は、熱湯を注いで調理するインスタント食品等の断熱性容器としても用いられる。
【背景技術】
【0002】
従来、隠蔽情報を備えたものとして、例えば、特許文献1において、図9(a)で示すように、複数枚の折り畳んだテッシュペーパー71を合成樹脂フィルム72により一体に包装し、前記合成樹脂フィルム72の所要個所にミシン目状等の開口線73を形成し、前記合成樹脂フィルム72の内面における開口線73近傍に,当たりくじやくじの等級等の表示74を合成樹脂フィルム72外部から見えないように施した携帯用テッシュペーパー状くじ70が考案されている。図9(b)に、図9(a)に示す前記携帯用テッシュペーパー状くじ70の状態から、図9(b)で示すように、開口線73を切離して、合成樹脂フィルム72内面の開口線73近傍に施した表示74により、当たりくじやくじの等級当を判断し、その後、携帯用テッシュペーパーとして使用する携帯用テッシュペーパー状くじ70′の斜視図を示してある。
【0003】
上記の携帯用テッシュペーパー状くじ70は、くじによる抽選では、くじを抽選者に配るだけで、抽選は抽選者自身がフィルムの開口線を切り離して表示を見ることにより、各抽選者が個人個人で行うため、従来の抽選器を用いた抽選のように係員が付き添って抽選者一人づつに抽選させる必要がなく、抽選に時間がかからず、くじに当選した人のみが商品を交換し、当選しなかった人は参加賞として、はずれたくじ、すなわち、携帯用テッシュペーパーを持ち帰ればよく、抽選会場が混雑することもなく、大売出しの客寄せや、販売促進のために行われる福引や抽選会等に使用するものである。
【0004】
一方、従来から、食品等の包装分野においては、食品等の内容物の販売促進を目的に、食品等の内容物を包装する包装体などに懸賞機能を付与する手段が用いられている。この手段の一つとしては、例えば、隠蔽性を有する包装体内に、カップ状容器内に当たり券等を収納し、カップ状容器を開封して、隠蔽情報としての「当たり外れ」等の情報を確認できるようになっている。この場合、当たり券は別途用意する必要があると共にこれをカップ状容器内に入れる作業が必要となるなど、結構手間がかかるという問題がある。
【0005】
また、菓子や食品分野で包装容器に個別の情報を印字して購買証明等とする手法は、広く行われている。図6で示すように、一般紙器類では、紙器箱40の内面へ個別情報30の印字、また、図7で示すように、軟包装袋では袋50の内側へ個別情報30の印字、さらには、図8で示すように、飲料缶60などに、二重シールで個別情報30を隠蔽した個別情報隠蔽ラベル60aなどを貼付する手法が取られている。個別情報30とは、数桁から十数桁の数字であったり、携帯電話で読み取ることができるQRコード等の二次コードであることが多い。
【0006】
しかしながら、特に食品等の包装分野において熱湯を注いで調理するインスタント食品等の容器の場合、容器内面に印刷インキ層からなる個別情報を設けることは印刷インキ層からの残留溶剤やインキ成分が食品に溶出する等の衛生・安全性上の問題である。
【0007】
下記に公知文献を記す。
【特許文献1】実開昭61−97162号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、上記の諸問題点を解決するためになされたものであって、衛生性、安全性に優れる、懸賞応募、真贋判定、流通経路把握、および抽選番号などとして景品提供を行うことで販売促進等に用いることができる隠蔽情報付き容器を提供することを主課題とし、さらに、前記容器を、熱湯を注いで調理するインスタント食品等の断熱性容器として提供することも課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記の課題を解決する手段として、すなわち、
請求項1に係る発明は、少なくとも容器本体と、該容器本体の外側を覆うように貼着されて一体として組み合わされた外装体とからなる容器であって、
前記容器本体の胴部外側周壁もしくは前記外装体の内面に隠蔽情報層を形成し、前記外装体に設けた開口開始手段としての摘み部から切れ目線に沿って開口することにより、開口後、前記容器本体の胴部外側周壁もしくは前記外装体の内面に設けられた前記隠蔽情報を容易に視認することができることを特徴とする隠蔽情報付き容器である。
【0010】
請求項2に係る発明は、前記容器本体が、紙基材もしくはプラスチックフィルム基材からなることを特徴とする請求項1記載の隠蔽情報付き容器である。
【0011】
請求項3に係る発明は、前記外装体が、紙基材もしくはプラスチックフィルム基材からなることを特徴とする請求項1または2記載の隠蔽情報付き容器である。
【0012】
請求項4に係る発明は、前記隠蔽情報が、文字、数字、QRコード等の2次元バーコードから選ばれる1以上からなることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の隠蔽情報付き容器である。
【0013】
請求項5に係る発明は、前記隠蔽情報が、シリアル情報であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の隠蔽情報付き容器である。
【0014】
請求項6に係る発明は、前記切れ目線が、ミシン目線もしくはハーフカット線からなることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の隠蔽情報付き容器である。
【0015】
請求項7に係る発明は、前記開口開始手段としての摘み部から切れ目線に沿って容器本体の開口部方向と底部方向に外装体が漸次広がるように開口領域を形成することを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の隠蔽情報付き容器である。
【0016】
請求項8に係る発明は、前記開口開始手段としての摘み部から切れ目線に沿って容器本体の開口部下側もしくは容器本体の底部上側に沿って外装体が漸次広がるように開口領域を形成することを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の隠蔽情報付き容器である。
【0017】
請求項9に係る発明は、前記容器本体が紙製容器本体と、該紙製容器本体の外側を覆うように貼着されて一体として組み合わされた前記外装体が紙製外装体とからなることを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項に記載の隠蔽情報付き容器である。
【発明の効果】
【0018】
本発明により、切れ目線で開口領域を形成したので、外装体を容器本体に安定して貼着して形成することができる。また、容器本体の胴部外側周壁もしくは外装体の内面に隠蔽
情報を設けるので、当たり券等を別途用意する必要もなく、容器内に入れるという作業も排除できる。さらに、開口領域を開口開始手段としての摘み部から切れ目線に沿って容易に開口することができて容器本体の胴部外側周壁もしくは外装体の内面に設けた隠蔽情報を容易に確認することができる。これにより、懸賞応募、真贋判定、流通経路把握、および抽選番号等として景品提供を行うことで販売促進等に用いることができる隠蔽情報付き容器を提供できる。
【0019】
前記容器本体を紙製容器本体と、この紙製容器本体の外側を覆うように貼着されて一体として組み合わされた前記外装体を紙製外装体とすることで、熱湯を注いで調理するインスタント食品等の断熱性容器として提供することもできる。
【0020】
さらに、また本発明による隠蔽情報付き容器は、材料に紙を使用することにより、使用後は紙製品として廃棄され、また、減容化が容易であるので廃棄処理性が良好であり、さらに、リサイクルも可能であるので、環境負荷の低減に貢献することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
以下、本発明の実施形態の一例として紙製断熱カップを例示して本発明の隠蔽情報付き容器について図面を参照して説明する。図1(a)は、本発明の隠蔽情報付き容器の一例を図解的に示す外観斜視図であって、同図(b)は、開口開始手段としての摘み部から切れ目線に沿って開口して開口領域を形成し、紙製外装体の開口領域内面に設けた一例としての隠蔽情報が容易に視認される状態を示す外観斜視図である。図2は、図1で示す本発明の隠蔽情報付き容器の図解的に示す断面図である。図3(a)は、本発明の隠蔽情報付き容器の他の例を図解的に示す外観斜視図であって、同図(b)は、開口開始手段としての摘み部から切れ目線に沿って開口して開口領域を形成し、紙製外装体の開口領域内面に設けた一例としての隠蔽情報が容易に視認される状態を示す外観斜視図である。図4(a)は、本発明の隠蔽情報付き容器のさらに別の例を図解的に示す外観斜視図であって、同図(b)は、開口開始手段としての摘み部から切れ目線に沿って開口して開口領域を形成し、紙製外装体の開口領域内面に設けた一例としての隠蔽情報が容易に視認される状態を示す外観斜視図である。図5は、図1で示す本発明の隠蔽情報付き容器に用いる紙製外装体の展開ブランク板を概略的に示す平面図である。
【0022】
図1(a)で示すように、本発明の隠蔽情報付き容器1Aは、カップ状紙製容器本体10と、この紙製容器本体10の胴部10a外側周壁を覆うように、前記紙製容器本体10の外巻開口縁部からなるフランジ部10b下端の貼着部(図示せず)と紙製容器本体10の底部10c外側周壁の貼着部(図示せず)に貼着された一体に組み合わされた紙製外装体20とからなり、紙製外装体20の内面と紙製容器本体10の胴部10a外側周壁との間に断熱空間が形成された2層構成の隠蔽情報付き容器であって、さらに、紙製外装体20の上端縁の所要位置から底部方向に向かう所要位置まで「く」の字状に複数条の切れ目線20b,20bが設けられ、「く」の字先端に開口開始手段としての摘み部20aが区画形成されている。そして、前記複数条の切れ目線20b,20bで区画される開口領域となる紙製外装体20の内面に隠蔽情報30が設けられている。
【0023】
図1(b)で示すように、前記紙製外装体20に設けた開口先端に設けられた摘み部20aから切れ目線20b,20bに沿って開口することにより、開口後、紙製外装体20の内面に設けられた開口領域20cの前記隠蔽情報30を容易に視認することができる。紙製容器本体10の胴部外側周壁10aと紙製外装体20の内側側壁との間に空間を設けることによって、断熱効果を高めると共に、摘み部20aから複数条の切れ目線20b,20bに沿って開口し易くなり、容易に開口領域20cを形成することができ隠蔽情報30を容易に視認できるという効果もある。尚、図1では、前記紙製外装体20の内面に隠蔽情報30を設けた場合を例示したが、隠蔽情報30は、前記紙製容器本体10の胴部11a外側周壁に設けてもよい。
【0024】
また、本発明の他の例としての隠蔽情報付き容器を図3に示す。同図(a)は、紙製外装体の未開口状態を示す外観斜視図であり、(b)は、開口開始手段としての摘み部から切れ目線に沿って開口して開口領域を形成し、紙製外装体の開口領域内面に設けた隠蔽情報が容易に視認される紙製外装体の開口状態を示す外観斜視図である。この隠蔽情報付き容器は、容器本体10と、この容器本体10の外側を覆うように貼着されて一体として組み合わされた外装体20とからなる容器であって、前記容器本体10の胴部外側周壁もしくは前記外装体20の内面に隠蔽情報層30を形成し、前記外装体20に設けた開口開始手段としての摘み部20aから切れ目線20bと容器の開口部下側外装体に設けた切れ目線20eに沿って外装体が漸次広がるように開口領域を形成する隠蔽情報付き容器1Bである。
【0025】
さらに、本発明の他の例としての隠蔽情報付き容器を図4に示す。同図(a)は、紙製外装体の未開口状態を示す外観斜視図であり、(b)は、開口開始手段としての摘み部から切れ目線に沿って開口して開口領域を形成し、紙製外装体の開口領域内面に設けた隠蔽情報が容易に視認される紙製外装体の開口状態を示す外観斜視図である。この隠蔽情報付き容器は、、容器本体10と、この容器本体10の外側を覆うように貼着されて一体として組み合わされた外装体20とからなる容器であって、前記容器本体10の胴部外側周壁もしくは前記外装体20の内面に隠蔽情報層30を形成し、前記外装体20に設けた開口開始手段としての摘み部20aから切れ目線20bと容器の底部上側外装体に設けた切れ目線20dに沿って外装体が漸次広がるように開口領域を形成する隠蔽情報付き容器1Cである。
【0026】
上記の容器の開口部下側外装体もしくは容器の底部上側外装体に設ける上記の切れ目線を容器開口部下側外装体もしくは底部上側外装体全周に設けることもできる。このように切れ目線を設けることにより、外装体を容器本体から取り外すこともできる。
【0027】
尚、本発明の実施形態の一例として紙製断熱カップを例示したが、本発明における容器本体は、紙基材以外にもプラスチックフィルム基材を使用することができる。また、本発明における外装体は、紙基材以外にもプラスチックフィルム基材を使用することができる。
【0028】
上記の本発明の隠蔽情報付き容器1の断面を図2に図解的に示す。この紙製容器1は、一方の面にポリエチレン樹脂層を形成した略扇形状のポリエチレン塗工紙を前記ポリエチレン樹脂層面が内側となるように端縁を重ね合わせて接合して断面が台形状の筒状となした胴部10a材の大きい方の開口部の周縁を外側にカールさせて外巻開口縁部からなるフランジ部10bを形成すると共に、小さい方の開口部に一方の面にポリエチレン樹脂層を形成した円形状のポリエチレン塗工紙を前記ポリエチレン樹脂層が凸側の面となるように成形した周壁を備えた断面がコの字形状の底材10dを挿入し、胴部10a材の小さい方の開口部の端縁を前記底材10dの周壁を被覆して熱接着した有底状の紙製容器本体10と、大きい方の開口部の周縁を内側に折り込む所定の幅の内側折込部20dを延設してなる略扇形状の厚紙の前記内側折込部20dを内側に折込み、両端縁を重ね合わせて接合して断面が台形状の筒状になすと共に、前記紙製容器本体10の外巻開口縁部からなるフランジ部11b下端外周壁と前記内側折込部20dと、さらに前記紙製容器本体10の底部10c外側周壁と紙製外装体20の小さい方の開口部端縁で熱接着して、前記紙製容器本体10と紙製外装体20とを一体に組み合わせて紙製外装体20の内面と紙製容器本体10の胴部10a外側周壁との間に断熱空間が形成された2層構成の隠蔽情報付き容器したものである。
【0029】
本発明における紙製容器本体10の材料としては、紙を基材層として少なくとも内面にポリオレフィン系樹脂を積層した積層体を使用している。紙としては主にカップ原紙を使用し、その坪量は、150〜450g/m2程度である。そのカップ原紙の内面には、20〜80μmの範囲で低密度ポリエチレン樹脂、中密度ポリエチレン樹脂、高密度ポリエチレン樹脂、線状低密度ポリエチレン樹脂等のポリオレフィン系樹脂層が押出しコートされて形成される。このポリオレフィン系樹脂層は、内容物の板紙への浸透防止、内容物保護適性の向上の他に、カップ成形性をよくし、蓋材(図示せず)のヒートシールによる封緘性をも良好にする効果をもたらしている。
【0030】
図5は、本発明の隠蔽情報付き容器1に用いる紙製外装体20を展開したブランク板を概略的に示す展開図であって、このブランク板20は、大きい方の開口部の周縁を内側に折り込む所定の幅の内側折込部20d延設してなる略扇形状の厚紙からなり、前記ブランク板20′の一方の大きい方の開口部の端縁の所要位置から他方の小さい方の開口部の端縁に向かう所要位置まで「逆く」の字状に複数条の切れ目線20b,20bが設けれ、そして「逆く」の字先端に開口開始手段としての摘み部20aが区画形成されている。そして、前記複数条の切れ目線20b,20bで区画される開口領域の紙製外装体20の裏面に隠蔽情報30が設けられている。
【0031】
上記の紙製外装体20の材料としては、坪量200〜450g/m2のカード系、コートボール系等の板紙を使用することができる。坪量が、この限度未満であると紙製外装体20の剛性が低くなり過ぎて、特に高熱時に撓みが大きくなりすぎて充分な断熱性を失い、またこの限度を越えると、剛性は高くなるが、内側折込片20dの折込加工適正が悪化し、材料コストも高くなるので好ましくない。
【0032】
本発明における隠蔽情報30としては、文字、数字、QRコード等の2次元バーコードやシリアル情報等が挙げられる。例えば、懸賞応募、真贋判定、流通経路把握、および抽選番号などとして景品提供を行うことで販売促進等に用いることができる。
【0033】
上記の文字、数字、QRコード等の2次元バーコードやシリアル情報等の隠蔽情報30は、例えば、通常のインキ組成物を使用してオフセット印刷、グラビア印刷、その他等の通常の印刷方法等によって形成することができる。さらには、インクジェット記録方式により印字することもできる。
【0034】
本発明における切れ目線20bおよび切れ目線20c,20dは、ミシン目線もしくはハーフカット線等で形成することができる。通常は、複数条の切れ目線を施す。そして、切れ目線の形状は、直線状、略Z字状、あるいは変形切れ目線であってもよく、その形状は特に特定されるものではない。
【0035】
次に、隠蔽情報付き容器1Aを例示して、本発明の隠蔽情報付き容器の製造方法について簡単に説明する。まず、紙製外装体20用の厚紙の表面には絵柄、表示などの印刷を、裏面には、紙製外装体20の開口領域、即ち開口した際に視認できる所定の位置に文字、数字、QRコード等の2次元バーコードやシリアル情報等の隠蔽情報30の印刷を行なう。つぎに、扇状に打ち抜くと共に、前述の摘み部20aを含む切れ目線20bの加工も同時に行い、紙製外装体20のブランク板20′を作成する。
【0036】
一方、カップ成形機によって、カップ状の紙製容器本体10用のブランク板(図示せず)から逆円錐台形状の胴部10aを成形し、胴部10aの下部を底板10dで巻き締めして底部10cを成形し、上部開口部の周縁を外側にカールさせて外巻開口縁部からなるフランジ部10bを成形し、カップ状の紙製容器本体20を製造する。
【0037】
一方において、紙製外装体20用の内側に折り込む所定の幅の内側折込部20dを延設してなる略扇形状の厚紙からなるブランク板20′から、内側折込部20dを内側に折り込み逆円錐台形状の紙製外装体20を成形し、スタッキングしておく。最後に、この紙製外装体20を成形された紙製容器本体10に対して両者が互いに当接する、外巻開口縁部からなるフランジ部11b下端外周壁と前記内側折込部20dと、さらに前記紙製容器本体10の底部10c外側周壁と紙製外装体20の小さい方の開口部端縁で熱接着により貼着して、前記紙製容器本体10と紙製外装体20とを一体に組み合わせて紙製外装体20の内面と紙製容器本体10の胴部10a外側周壁との間に断熱空間が形成された2層構成の隠蔽情報付き容器が得られる。
【0038】
上記のように構成された本発明の隠蔽情報付き容器1は、前記紙製外装体20に形成された前記摘み部20aを手指で摘んで開口することにより前記複数条の切れ目線20b,20bに沿って紙製容器本体10の開口部方向と底部方向に紙製外装体が漸次広がるように開口し、開口領域20cを形成し、前記紙製外装体20の裏面に設けられた開口領域20cの隠蔽情報を確認することができる。
【0039】
そして、本発明の隠蔽情報付き容器は、切れ目線で開口領域を形成したので、紙製外装体を容器本体に安定して貼着して形成することができ、また、容器本体の胴部周壁もしくは紙製外装体の内面に隠蔽情報を設けるので、当たり券等を別途用意する必要もなく、容器内に入れるという作業も排除できる。さらに、開口領域を開口開始部の先端摘み部から切れ目線に沿って容易に開口することができて容器本体の胴部周壁もしくは紙製外装体の内面に設けた隠蔽情報を容易に確認することができ、懸賞応募、真贋判定、流通経路把握、および抽選番号等として景品提供を行うことで販売促進等に用いることができる。さらにまた、本発明隠蔽情報付き容器は、材料に紙を使用することにより、使用後は紙製品として廃棄され、また減容化が容易であるので廃棄処理性が良好であり、さらに、リサイクルも可能であるので、環境負荷の低減に貢献することができる。
【図面の簡単な説明】
【0040】
【図1】本発明の隠蔽情報付き容器の一例を図解的に示すものであって、(a)は、紙製外装体の未開口状態を示す外観斜視図である。(b)は、開口開始手段としての摘み部から切れ目線に沿って開口して開口領域を形成し、紙製外装体の開口領域内面に設けた隠蔽情報が容易に視認される紙製外装体の開口状態を示す外観斜視図である。
【図2】図1で示す本発明の隠蔽情報付き容器の図解的に示す断面図である。
【図3】本発明の隠蔽情報付き容器の他の例を図解的に示すものであって、(a)は、紙製外装体の未開口状態を示す外観斜視図である。(b)は、開口開始手段としての摘み部から切れ目線に沿って開口して開口領域を形成し、紙製外装体の開口領域内面に設けた隠蔽情報が容易に視認される紙製外装体の開口状態を示す外観斜視図である。
【図4】本発明の隠蔽情報付き容器のさらに別の例を図解的に示すものであって、(a)は、紙製外装体の未開口状態を示す外観斜視図である。(b)は、開口開始手段としての摘み部から切れ目線に沿って開口して開口領域を形成し、紙製外装体の開口領域内面に設けた隠蔽情報が容易に視認される紙製外装体の開口状態を示す外観斜視図である。
【図5】図1で示す本発明の隠蔽情報付き容器に用いる紙製外装体の展開ブランク板を概略的に示す平面図である。
【図6】隠蔽情報を内面に設けた従来の紙器箱の一例を概略的に示す斜視図である。
【図7】隠蔽情報を内面に設けた従来の軟包装袋の一例を概略的に示す斜視図である。
【図8】隠蔽情報ラベルを貼着した従来の飲料缶の一例を概略的に示す斜視図である。
【図9】隠蔽情報を備えたテッシュペーパー状のくじ一例を概略的に示す斜視図である。
【符号の説明】
【0041】
1A、1B、1C・・・隠蔽情報付き容器
10・・・紙製容器本体
10a・・・胴部
10b・・・外巻開口縁部(フランジ部)
10c・・・底部
10d・・・底材
20・・・紙製外装体
20a・・・摘み部
20b、20e、20f・・・切れ目線
20c・・・紙製外装体の開口部
20d・・・内側折込片
30・・・隠蔽情報
20′・・・紙製外装体用ブランク板
40・・・紙器箱
50・・・軟包装袋
60・・・飲料缶
60a・・・隠蔽情報付きラベル
70、70′・・・テッシュペーパー状のくじ
71・・・テッシュペーパー
72・・・合成樹脂フィルム
73・・・開口線
74・・・表示
75・・・内面
86・・・外面

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも容器本体と、該容器本体の外側を覆うように貼着されて一体として組み合わされた外装体とからなる容器であって、
前記容器本体の胴部外側周壁もしくは前記外装体の内面に隠蔽情報層を形成し、前記外装体に設けた開口開始手段としての摘み部から切れ目線に沿って開口することにより、開口後、前記容器本体の胴部外側周壁もしくは前記外装体の内面に設けられた前記隠蔽情報を容易に視認することができることを特徴とする隠蔽情報付き容器。
【請求項2】
前記容器本体が、紙基材もしくはプラスチックフィルム基材からなることを特徴とする請求項1記載の隠蔽情報付き容器。
【請求項3】
前記外装体が、紙基材もしくはプラスチックフィルム基材からなることを特徴とする請求項1または2記載の隠蔽情報付き容器。
【請求項4】
前記隠蔽情報が、文字、数字、QRコード等の2次元バーコードから選ばれる1以上からなることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の隠蔽情報付き容器。
【請求項5】
前記隠蔽情報が、シリアル情報であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の隠蔽情報付き容器。
【請求項6】
前記切れ目線が、ミシン目線もしくはハーフカット線からなることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の隠蔽情報付き容器。
【請求項7】
前記開口開始手段としての摘み部から切れ目線に沿って容器本体の開口部方向と底部方向に外装体が漸次広がるように開口領域を形成することを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の隠蔽情報付き容器。
【請求項8】
前記開口開始手段としての摘み部から切れ目線に沿って容器本体の開口部下側の外装体もしくは容器本体の底部上側の外装体に沿って外装体が漸次広がるように開口領域を形成することを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の隠蔽情報付き容器。
【請求項9】
前記容器本体が紙製容器本体と、該紙製容器本体の外側を覆うように貼着されて一体として組み合わされた前記外装体が紙製外装体とからなることを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項に記載の隠蔽情報付き容器。

【図2】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図9】
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【図1】
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【図3】
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【図4】
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【図8】
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【公開番号】特開2009−126536(P2009−126536A)
【公開日】平成21年6月11日(2009.6.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−301393(P2007−301393)
【出願日】平成19年11月21日(2007.11.21)
【出願人】(000003193)凸版印刷株式会社 (10,630)
【Fターム(参考)】