説明

隣接するフィールドのアラインメント方法

基板の隣接するフィールドにインプリントする方法について記載する。一般に、インプリント・リソグラフィ・テンプレートを用いて、基板の第1のフィールドにインプリントすることができる。つぎに、基板の第2のフィールドにインプリントする際に、テンプレートの一部が基板の第1のフィールドにオーバラップするように、テンプレートを配置することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2009年8月4日に出願された米国仮特許出願番号61/231,182、および、2010年7月29日に出願された米国特許出願番号12/846,211の優先権を主張するものであり、本願はこれら米国出願の優先権主張に基づく出願である。
【0002】
連邦政府の支援による研究または開発に関する声明
合衆国政府は、本発明のペイドアップ・ライセンスを有し、米国標準技術局(NIST)先端技術プログラム(ATP)助成金交付70NANB4H3012の条項によって規定される通り、合理的な条件で他者にライセンスを与えることを特許権者に要請する権利を、限られた条件の下で有する。
【背景技術】
【0003】
ナノ・ファブリケーションは、100ナノメートル程度あるいはさらに小さいフィーチャを有する非常に小さな構造の作製を伴う。ナノ・ファブリケーションが大きく影響している適用例の1つは集積回路の加工である。半導体加工産業では、基板上に形成する単位面積当たりの回路数を増やしながら、より高い作製歩留まりを得るための努力が続けられており、このため、ナノ・ファブリケーションがますます重要になっている。ナノ・ファブリケーションは、より優れたプロセス制御を可能にすると同時に、形成される構造の最小フィーチャ寸法のさらなる縮小を可能にする。ナノ・ファブリケーションが採用されている他の開発分野として、バイオテクノロジー、光技術、機械系などが挙げられる。
【0004】
現在用いられているナノ・ファブリケーション技術の典型例は、一般にインプリント・リソグラフィと呼ばれるものである。典型例となるインプリント・リソグラフィ・プロセスは、米国特許出願公開第2004/0065976号、米国特許出願公開第2004/0065252号、米国特許第6936194号など多くの刊行物に詳細に記載されており、これらの文献はすべて参照により本明細書に組み込まれる。
【0005】
前述の米国特許出願公開および特許でそれぞれ開示されているインプリント・リソグラフィ技術は、成形可能な(重合性)層にレリーフ・パターンを形成し、そのレリーフ・パターンに対応するパターンを下にある基板に転写することを伴うものである。基板を運動ステージに結合して所望の位置決めを達成することで、パターン形成プロセスを円滑に進めることができる。パターン形成プロセスでは、基板から離間して配置されるテンプレートと、テンプレートと基板との間に塗布される成形可能な液体とを使用する。成形可能な液体を固化させて、成形可能な液体と接触するテンプレートの表面形状に従ったパターンを有する剛体層を形成する。この固化の後、テンプレートを剛体層から切り離して、テンプレートと基板を離間させる。そして、これらの基板と固化層にさらなる処理を施すことで、固化層内のパターンに対応するレリーフ像を基板に転写させる。
【発明の概要】
【0006】
本発明をより詳しく理解することができるように、本発明の実施形態について、添付の図面に示す実施形態を参照して説明を行う。しかし、留意すべきことは、添付の図面は、発明の典型的な実施形態を示すものにすぎず、従って、その範囲を限定するものとみなされるべきではないということである。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】図1は、本発明の一実施形態によるリソグラフィ・システムの簡略化した側面図である。
【図2】図2は、パターン層がその上に配置された、図1に示す基板の簡略化した側面図である。
【図3】図3は、テンプレート、および、はみ出し部がその上に形成された基板の簡略化した側面図である。
【図4】図4は、はみ出し部を最小化および/または防止するように、複数のフィールドにインプリントする方法のフローチャートを示している。
【図5】図5は、はみ出し部を最小化および/または防止するために、インプリント領域の少なくとも1つのエッジから重合性材料を後退させる方法のフローチャートを示している。
【図6】図6は、インプリント領域のエッジから後退した重合性材料を有する基板の上面図である。
【図7】図7は、ステッピング・パターンの一実施形態を示している。
【図8】図8は、インプリントの際に、パターン形成されたフィールドの少なくとも一部にオーバラップするテンプレートの簡略化した側面図である。
【図9】図9は、オーバラップ・インプリントを用いてフィールドにインプリントする方法のフローチャートを示している。
【発明を実施するための形態】
【0008】
図面、特に図1を参照すると、レリーフ・パターンを基板12に形成するために用いられるリソグラフィ・システム10を示している。基板12は、基板チャック14に結合してもよい。図示の例では、基板チャック14は真空チャックである。しかしながら、基板チャック14は、どのようなチャックであってもよく、真空、ピン型、溝型、静電、電磁、および/またはこれに類するタイプのものとすることができるが、これらに限定されない。典型例となるチャックは、米国特許第6873087号に記載されており、この文献は参照により本明細書に組み込まれる。
【0009】
基板12および基板チャック14は、さらにステージ16により支持されていてもよい。ステージ16は、x、y、z軸に沿った運動を提供することができる。ステージ16、基板12、および基板チャック14は、また、ベース(図示せず)の上に配置されていてもよい。
【0010】
基板12から離間して、テンプレート18が配置されている。テンプレート18は、そこから基板12に向かって延出するメサ20を含んでよく、このメサ20は、その上にパターン形成面22を有している。さらに、メサ20は、モールド20と呼ばれることもある。あるいは、テンプレート18は、メサ20なしで形成してもよい。
【0011】
テンプレート18および/またはモールド20は、溶融シリカ、石英、シリコン、有機ポリマー、シロキサンポリマー、ホウケイ酸ガラス、フルオロカーボンポリマー、金属、硬化サファイア、および/またはこれに類する材料で形成することができるが、これらに限定されるものではない。図示したように、パターン形成面22は、複数の離間した凹部24および/または凸部26により規定されるフィーチャを備えているが、本発明の実施形態はこのような構成に限定されるものではない。パターン形成面22は、基板12上に形成されるパターンの基礎となる任意の独自のパターンを規定することができる。
【0012】
テンプレート18は、チャック28に結合することができる。チャック28は、真空、ピン型、溝型、静電、電磁、および/またはこれに類するタイプのチャックとして構成してもよいが、これらに限定されない。典型例となるチャックは、米国特許第6873087号にさらに詳しく記載されており、この文献は参照により本明細書に組み込まれる。さらに、チャック28をインプリント・ヘッド30に結合して、テンプレート18の移動が容易になるようにチャック28および/またはインプリント・ヘッド30を構成してもよい。
【0013】
システム10は、さらに液体塗布システム32を備えてよい。液体塗布システム32を用いて、基板12上に重合性材料34を堆積させてよい。重合性材料34は、滴下塗布、回転塗布、浸漬塗布、化学蒸着(CVD)、物理蒸着(PVD)、薄膜堆積、厚膜堆積、および/またはこれに類する技法を用いて基板12上に配置してよい。重合性材料34は、設計考慮事項に応じて、モールド20と基板12との間に所望の容量が画定される前および/または後に、基板12上に配置してよい。重合性材料34は、米国特許第7157036号および米国特許出願公開第2005/0187339号に記載されているように、単量体混合物を含んでよく、これらの文献はどちらも参照により本明細書に組み込まれる。
【0014】
図1および2を参照すると、システム10は、さらに、パス42に沿ってエネルギー40を注ぎ込むように接続されたエネルギー源38を備えてよい。インプリント・ヘッド30およびステージ16は、テンプレート18および基板12をパス42に重ね合わせて位置決めするように構成してよい。システム10は、ステージ16、インプリント・ヘッド30、液体塗布システム32、および/またはエネルギー源38と通信するプロセッサ54により制御してよく、メモリ56に記憶されているコンピュータ読み取り可能なプログラムに基づいて動作することができる。
【0015】
インプリント・ヘッド30とステージ16のどちらか、あるいは両方によって、モールド20と基板12との間の距離を変更し、これにより、それらの間で重合性材料34が充填される所望の容量を画定する。例えば、インプリント・ヘッド30は、テンプレート18に力を加えて、モールド20を重合性材料34に接触させることができる。所望の容量が重合性材料34で満たされた後に、エネルギー源38により例えば紫外線放射であるエネルギー40を生成して、これにより、基板12の表面44およびパターン形成面22の形状に合わせて重合性材料34を固化および/または架橋させ、基板12上にパターン層46を規定する。パターン層46は、残留層48と、凸部50および凹部52として示す複数のフィーチャとを含んでよく、凸部50は厚さt1を有し、残留層は厚さt2を有している。
【0016】
上記のシステムおよびプロセスは、さらに、米国特許第6932934号、米国特許出願公開第2004/0124566号、米国特許出願公開第2004/0188381号、米国特許出願公開第2004/0211754号に記載のインプリント・リソグラフィ・プロセスおよびシステムにおいて採用することができ、これらの文献はそれぞれ参照により本明細書に組み込まれる。
【0017】
図3を参照すると、インプリントの際には、重合性材料34の液滴が、基板12上の所望のインプリント領域内で、テンプレート18のフィーチャ24および26とメサ20のエッジとの間の容量を満たす。しかしながら、重合性材料34は、基板12上のこの所望のインプリント領域から流れ出て、図3に示すように、基板12上ではみ出し部60aを形成することがある。例えば、基板12上のはみ出し部60aは、フィールドAおよび/またはフィールドCのインプリントの際に形成されることがある。
【0018】
フィールドAおよび/またはフィールドCのインプリントの際にも、テンプレート18上にはみ出し部60bが形成されることがある。はみ出し部60aおよび/または60bは、フィールドBのインプリントによる形成を阻害することがある。例えば、はみ出し部60aは、基板12上で、フィールドAの残留層48aの厚さt2aおよび/またはフィールドCの残留層48cの厚さt2cを超える高さの凹凸を形成することがある。この場合、はみ出し部60は、テンプレート18が基板12から適切な距離に達することを阻むことにより、フィールド(フィールドB)のインプリントによる形成を阻害することがある。
【0019】
先行技術において、基板12のインプリント・フィールドは、テンプレート18のインプリント領域が先行のインプリント・フィールドにオーバラップしないように、区切られている。しかしながら、このプロセスによると、特にフィールド間のスペースがはみ出し部60aおよび/または60bを収容するための場所として提供される場合に、残留層48に不連続性を有するパターン層46が形成されることがある。CMOS処理(例えば、エッチング、化学機械研磨(CMP)など)では、一般に、残留層48は、フィールド間にそのような不連続性はなく、略一定の平均厚さt2を有している。さらに、基板12の表面全体が貴重なリアルエステートを提供しており、これは、無駄を避けるためには最大化されるべきものである。インプリント・フィールドをオーバラップしないように区切ることによって、この貴重なリアルエステートを無駄にすることがある。
【0020】
図4〜7は、はみ出し部60を最小化および/または防止することができるいくつかの処理方法を説明および図示している。また、これらの方法は、基板12上の接したフィールドにインプリントするために提供することができる。注目すべきことは、これらの方法は、はみ出し部60を最小化および/または防止するために、単独で、あるいは組み合わせて用いてもよいということである。
【0021】
図4は、はみ出し部60aおよび/または60bを最小化および/または防止するように複数のフィールドにインプリントする方法100のフローチャートを示している。一般に、残留層48の厚さt2を最小化することで、基板上での重合性材料34の総量を最小限に抑え得、これにより、はみ出し部60aおよび/または60bの出現を最小限に抑え得る。ステップ102では、基板12の第1のフィールド(フィールドA)の残留層48aの厚さt2aを(例えば、約25nm未満に)最小化するように、重合性材料34の第1の量V1を決定してよい。ステップ104では、重合性材料34の第1の量V1を、基板12上で第1のフィールド(フィールドA)に堆積させてよい。ステップ106では、テンプレート18を重合性材料34に接触させてよい。ステップ108では、重合性材料34を固化させてよい。ステップ110では、テンプレート18を重合性材料34から切り離してよく、これにより、第1のフィールド(フィールドA)に第1のパターン層48aを提供する。ステップ112では、基板12の第2のフィールド(フィールドB)の残留層48bの厚さt2bを(例えば、約25nm未満に)最小化するように、重合性材料34の第2の量V2を決定してよい。第2のフィールド(フィールドB)は、第1のフィールド(フィールドA)に隣接し、接していてよい。第2の量V2は、第1の量V1と略同等であってよい。あるいは、第2の量V2は、第1の量V1と異なっていてもよい。例えば、基板上での材料の堆積が、第1のフィールド(フィールドA)と第2のフィールド(フィールドB)で略同時に行われる場合、第1のフィールド(フィールドA)は第2のフィールド(フィールドB)より先にインプリントしてよいので、重合性材料の蒸発を考慮して、第2の量V2を多くしてよい。
【0022】
ステップ114では、重合性材料34の第2の量V2を、基板12上で第2のフィールド(フィールドB)に堆積させてよい。ステップ116では、テンプレート18を重合性材料34に接触させてよい。ステップ118では、重合性材料34を固化させてよい。ステップ120では、テンプレート18を重合性材料34から切り離してよく、これにより、第2のフィールド(フィールドB)に第2のパターン層48bを形成する。第2のフィールド(フィールドB)における第2のパターン層48bは、第1のフィールド(フィールドA)における第1のパターン層48aの残留層48aと略同様の残留層48bを有してよい。
【0023】
図5は、はみ出し部60aおよび/または60bを制限および/または排除する別の方法を示している。具体的には、フローチャート200は、はみ出し部60aおよび/または60bを最小化および/または防止するために、インプリント領域の少なくとも1つのエッジから重合性材料34を後退させる方法を示している。ステップ202では、フィールド上に重合性材料34を塗布するための滴下パターンを決定してよい。例えば、テンプレート18のフィーチャ24および/または26を、残留層48aの所要の体積および/または厚さと関連付けて、インプリントの際にテンプレート18と基板12との間の容量が十分な量で満たされるように、液滴をテンプレート18のフィーチャ24および/または26の位置に空間的に相関させることにより、滴下パターンを決定してよい。フィーチャ24および/または26との相関により滴下パターンを決定する典型例となる技法は、少なくとも米国特許出願番号11/143,092、米国特許出願番号12/170,229、米国特許出願番号12/262,669に見ることができ、これらの文献はすべて、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0024】
ステップ204では、滴下パターンのエッジにおける(例えば、パターン層48aのエッジおよび/またはインプリント領域のエッジに位置する)液滴を、滴下パターンの中心Cに向かって(例えば、フィールドAの中心に向かって)オフセットさせるように、滴下パターンを調整してよい。例えば、インプリントの際に、重合性材料34がメサ20から流れ出る機会が生じないうちに、フィーチャ24および26と、テンプレート18と基板12との間の容積が満たされるように、液滴をフィールドAの中心Cに向かってオフセットさせてよい。
【0025】
図6は、液滴をフィールドAの中心Cに向かって距離dだけオフセットさせる一例を示している。距離dは、フィールドのエッジ64について設定された境界としてよい。例えば、距離dは、約200μmで、フィールドのエッジ64について設定された境界とすることができる。通常、距離dは、インプリント・フィールドのすべてのエッジ64で略同等であるが、注目すべきは、設計考慮事項に応じて、インプリント・フィールドの1つまたは複数のエッジ64で距離dが異なっていてもよいということである。例えば、距離dは、平行なエッジについては同等としてよい。さらに、先行の接しているインプリント・フィールド、および/またはテンプレート18のフィーチャ24および/または26の分布に基づいて、距離dの大きさを変更することができる。例えば、あるフィールドの、先にインプリントされるフィールドに隣接する側のエッジ64における距離を、そのフィールドの他のエッジ64よりも大きい距離とすることができる。オフセットは、フィールドの各エッジ64で略同等の設定であってもよく、あるいはフィールドの各エッジ64でオフセット距離dが異なるような設定であってもよい。一例では、滴下パターンの調整において、インプリントの形成に要する液滴数を減らすのではなく、単に液滴をフィールドの中心に向かってオフセットさせるだけでもよい。
【0026】
ステップ206では、調整した滴下パターンに基づいて、重合性材料34を基板12上に堆積させてよい。ステップ208では、テンプレート18と基板12との間の距離を最小化してよく、このとき、調整した滴下パターンに従ってインプリント領域の境界に配置された液滴からの重合性材料34が、モールド20のエッジに達する。ステップ210では、重合性材料34を固化させてよい。ステップ212では、基板12のフィールドAにおいてパターン層48aを形成している固化された重合性材料34から、テンプレート18を切り離してよい。ステップ214では、基板12のフィールドBについて、上記の各ステップを繰り返してよい。フィールドBとフィールドAの残留層48は、略同等な厚さt2を有してよい。
【0027】
図7を参照すると、フィールドの各エッジ64が、先にインプリントされるフィールドに接する回数が等しくなるように、ステッピング・パターン400を用いて最適化してよい。ステッピング・パターン400を提供することにより、図1および2で説明および図示したように、インプリントの際に重合性材料34がモールド20からはみ出て堆積することを、最小限に抑え得る。ステッピング・パターン400は、一般的には、インプリントの際にフィールドの各エッジ64が、先にインプリントされるフィールドのエッジ64と接するように、基板12上のフィールドのインプリントの順序を取り決めている。先にインプリントされる方側のエッジ64は、図7では暗色の長方形で示している。先にインプリントされるフィールド側のエッジ64は、重合性材料34のための境界を含むように、あるいは設けるように用いてよく、これにより、重合性材料34がモールド20からはみ出て堆積することが最小限に抑えられる。
【0028】
図7は、基板12の各フィールドがインプリントの順番で表される正方形として描かれた、ステッピング・パターン400を示している。このステッピング・パターン400では、最初のフィールド(参照番号1)が基板12の中央でインプリントされ、続く各フィールド(参照番号2,3,4,5...34)が、基板12のエッジ66に向かってらせん状にインプリントされる。らせん状のインプリント・パターンを用いることにより、フィールドの各エッジ64は、(暗色の長方形で示す)少なくとも1つの先にインプリントされたフィールドに、インプリントされるそのフィールドのエッジ64で接してよい。先にインプリントされるフィールドに隣接するエッジ64を、暗色の長方形で示している。このようなエッジ64は、インプリントされるこのフィールドに対して、重合性材料34の封じ込めを提供することができる。例えば、フィールド6のインプリントの際には、先にインプリントされたフィールド1の側の1つのエッジ64と、先にインプリントされたフィールド4の側の1つのエッジ64によって、重合性材料34の封じ込めを提供することができる。
【0029】
図3、8、および9を参照して、オーバラップ・インプリント法500を用いて、重合性材料34を既にインプリントされたフィールドのエッジ間に閉じ込めてよく、また、はみ出し部60aおよび60bを最小化および/または防止してよい。図8および9を参照して、ステップ502では、図1および2に関するシステムとプロセスを用いて、フィールドAにインプリントすることで、残留層48aを有するパターン層46aを形成してよい。オプションとして、フィールドCにインプリントすることで、残留層48cを有するパターン層46cを形成してよい。ステップ504では、テンプレート18の少なくとも一部19aを、フィールドAのパターン層46aの少なくとも一部に重ねるようにして、テンプレート18をフィールドBに重ね合わせて配置してよい。テンプレート18は、第1の側70と第2の側72とを含んでよい。第1の側70は、図1に関連して述べたように、フィーチャ24および26を有してよい。パターン層46aにオーバラップするテンプレート18の部分19aは、略平面状であって、フィーチャ24および26に隣接して配置されてよい。一般的に、(図1および2に関して詳しく述べた)インプリント・プロセスにおいて、テンプレート18のフィーチャ24および26が重合性材料34に接触するときに、部分19aは、先にインプリントされた隣接するフィールドのパターン層46(例えば、フィールドAのパターン層46a)からわずかな距離離れた位置にある。この距離によって、先にインプリントされたパターン層46に部分19aが接触することなく、テンプレート18のフィーチャ24および26は重合性材料34に接触してよい。
【0030】
図8に示すように、テンプレート18の部分19aは、パターン層46a上に、距離d2だけ延出(つまり、オーバラップ)してよい。一般的に、部分19aは、パターン層46aの残留層48a上に延出してよい。この部分19aのオーバラップにおいて、残留層48aが比較的厚い場合は、これにより隣接するフィールドのインプリントが阻害される恐れがあるので、残留層48aの厚さが問題となる。一例では、隣接するフィールドに配置された重合性材料34とテンプレート18との間の接触を阻害することなく、隣接するフィールドのインプリントを可能にするため、残留層48aの厚さは5μm未満とされる。
【0031】
オプションとして、同時に、テンプレート18の部分19bが別の隣接するフィールド(例えば、パターン層46c)上に距離d3だけ延出してよい。距離d2とd3は、略同等であっても、異なっていてもよい。ステップ506では、基板12上のフィールドBの領域に重合性材料34を堆積させる、あるいは塗布してよい。ステップ508では、図1および2のシステムとプロセスを用いて、フィールドBにインプリントしてよい。
【0032】
再び図3を参照すると、注目すべきことは、インプリント・プロセスにおけるガス流を最小限に抑えることで、はみ出し部60aおよび/または60bの形成を最小化および/または防止し得るということである。モールドおよび/またはテンプレート18に重合性材料34が堆積することは、はみ出し部60の形成の一因となり得る。この場合、ガス流を調節することにより、蒸気からの重合性材料34を最小限に抑え得る。モールド20(例えば、モールド20の壁)における重合性材料34の堆積を最小限とすることにより、はみ出し部60aおよび/または60bを最小化および/または防止し得る。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
インプリント・リソグラフィ・テンプレートを用いて、基板の第1のフィールド内に配置された重合性材料の第1の部分にインプリントするステップと、
第1のパターン層を形成する重合性材料の前記第1の部分から、前記テンプレートを切り離すステップと、
前記テンプレートを、前記第1のフィールドの一部と第2のフィールドの一部にオーバラップさせるステップと、
前記テンプレートを用いて、前記基板の前記第2のフィールド内に配置された重合性材料の第2の部分にインプリントするステップと、
第2のパターン層を形成する重合性材料の前記第2の部分から、前記テンプレートを切り離すステップと、を含むことを特徴とする隣接するフィールドのアラインメント方法。
【請求項2】
前記第1のパターン層は第1の残留層を含み、前記第2のパターン層は第2の残留層を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記第1の残留層と前記第2の残留層の厚さは、略同等である、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
重合性材料の前記第1の部分の体積は、前記第1の残留層の厚さを最小化するように決定される、請求項2または3に記載の方法。
【請求項5】
前記第1の残留層の厚さは約25nm未満である、請求項2ないし4のいずれか1つに記載の方法。
【請求項6】
前記基板の前記第1のフィールドに重合性材料の前記第1の部分を塗布するための滴下パターンを決定することと、
前記滴下パターンの液滴を、前記滴下パターンの中心に向かってオフセットさせるように、前記滴下パターンを調整することであって、そのオフセットの距離により前記滴下パターンのエッジにおいて液滴が排除される境界を設定することと、
前記調整した滴下パターンを用いて、前記基板の前記第1のフィールドに重合性材料を塗布することと、をさらに含む、請求項2ないし5のいずれか1つに記載の方法。
【請求項7】
前記テンプレートのフィーチャを前記第1の残留層の所要の厚さと関連付けて、インプリントの際に前記テンプレートと前記基板との間の容量が十分な量で満たされるように、前記基板に塗布される重合性材料の液滴を前記テンプレートのフィーチャの位置に空間的に相関させることにより、前記第1の部分のための前記滴下パターンが決定される、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記距離は、前記滴下パターンのすべてのエッジにおいて略同等である、請求項6または7に記載の方法。
【請求項9】
前記距離は、前記滴下パターンの少なくとも1つのエッジにおいて異なる、請求項6または7に記載の方法。
【請求項10】
前記距離は、先にインプリントされるフィールドが配置されることがわかっている前記滴下パターンのエッジでは、より大きい、請求項6、7、9のいずれか1つに記載の方法。
【請求項11】
フィールドのエッジが、先にインプリントされるフィールドに接する回数が等しくなるように、ステッピング・パターンを用いて複数のフィールドにインプリントすることをさらに含む、請求項1ないし10のいずれか1つに記載の方法。
【請求項12】
前記ステッピング・パターンは、らせん状のパターンで進行する、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記隣接するフィールドは、該フィールドのインプリントの際に重合性材料の封じ込めを提供する、請求項11または12に記載の方法。
【請求項14】
第1の側と第2の側とを有し、前記第1の側は複数のフィーチャとこれらのフィーチャに隣接する少なくとも1つの略平面状の部分とを備える、インプリント・リソグラフィ・テンプレートを用いて、第1のフィールドにインプリントすることにより、第1の残留層を有する第1のパターン層を形成するステップと、
前記第1の側のフィーチャが第2のフィールドに重なり、前記平面状部分が前記第1のパターン層に重なるように、前記インプリント・リソグラフィ・テンプレートを配置するステップと、
前記第2のフィールドにインプリントすることにより、第2の残留層を有する第2のパターン層を形成するステップと、を含むことを特徴とするアラインメント方法。
【請求項15】
前記第1の残留層の厚さは、前記第2の残留層の厚さと略同等である、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記第1の残留層の厚さは約5μm未満である、請求項14または15に記載の方法。
【請求項17】
前記インプリント・リソグラフィ・テンプレートの第2の平面状部分が、第3のパターン層に重なる、請求項14ないし16のいずれか1つに記載の方法。
【請求項18】
前記第2のフィールドのインプリントの際に、前記平面状部分は、前記第1の残留層から距離をおいて、前記第1のフィールドと重なる、請求項14ないし17のいずれか1つに記載の方法。
【請求項19】
インプリント・リソグラフィ・テンプレートを用いてパターン層を形成する方法であって、前記方法は;
前記インプリント・リソグラフィ・テンプレートを、基板の第1のフィールドに堆積された重合性材料の上方に配置するステップと、
前記テンプレートが前記重合性材料に接触するように、前記テンプレートと前記基板との間の距離を縮めるステップと、
前記重合性材料を固化させるステップと、
第1のパターン層を形成する前記重合性材料から前記テンプレートを切り離すステップと、
前記インプリント・リソグラフィ・テンプレートを、前記第1のパターン層、および前記基板の第2のフィールドに堆積された重合性材料の上方に配置するステップと、
前記テンプレートが前記第2のフィールドに配置された前記重合性材料に接触するように、前記テンプレートと前記基板との間の距離を縮めるステップと、
前記重合性材料を固化させるステップと、
第2のパターン層を形成する前記重合性材料から前記テンプレートを切り離すステップと、を含むことを特徴とするパターン層を形成する方法。
【請求項20】
前記第1および第2パターン層の残留層の厚さは、略同等である、請求項19に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公表番号】特表2013−501375(P2013−501375A)
【公表日】平成25年1月10日(2013.1.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−523602(P2012−523602)
【出願日】平成22年7月30日(2010.7.30)
【国際出願番号】PCT/US2010/002136
【国際公開番号】WO2011/016849
【国際公開日】平成23年2月10日(2011.2.10)
【出願人】(503193362)モレキュラー・インプリンツ・インコーポレーテッド (94)
【Fターム(参考)】