説明

集合住宅において共用設備のメンテナンス及び更新が容易な地下トレンチ構造及びそれを用いる集合住宅

【課題】 配管のメンテナンス性を向上でき、その結果集合住宅の長寿命化に資することができる集合住宅において共用設備のメンテナンス及び更新が容易な地下トレンチ構造を提供する。
【解決手段】 本集合住宅は、一階層あたり複数の住戸が設けられ、かつ、この階層を複数階層備える集合住宅であって、垂直に複数階層を貫通し、竪管(外配管)を、複数の住戸の室外に配置し、集合住宅の垂直投影面内において地下に、竪管(外配管)に接続される地下室からなる地下トレンチを設け、さらに地下トレンチから集合住宅の垂直投影面を越えて集合住宅の敷地の境界へ延びる地下室からなる延長トレンチを連設し、竪管(外配管)が接続される横引管を、地下トレンチ及び延長トレンチ内に配設する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、マンション等の複数階層を備える集合住宅であって、特に、排水管、電線、ガス管、給水管等の配管のメンテナンス(点検、清掃、修理あるいは交換など)及びこれらの更新が容易な地下トレンチ構造に関するものである。
【背景技術】
【0002】
100年あるいはそれ以上(例えば、300年)の長寿命の集合住宅を求める傾向が強まっているが、集合住宅を長く(例えば300年にわたって)安心して住めるようにするためには、住人の世代や所有者が変わっても、それに応じて柔軟に間取り等を変更できることが望ましい。より具体的には、住居を、躯体部分(スケルトン)と、住人の希望通りに変更できる部分(インフィル)とに分離してとらえるスケルトン・インフィル分離思想が提案されている。
【0003】
集合住宅は、複数階層からなり、各階層には、複数の住戸が設けられる。これら各住戸に電力、ガス、水等を供給する必要があるし、各住戸からの排水を排出する必要がある。このため、集合住宅には、これらの階層を貫通するパイピングスペースが設けられ、パイピングスペース内に各種の竪管が配置される。
【0004】
(第1例)通常、電気、ガス、水道等の竪管は、各階の各住戸の室内を貫通するように配置され、竪管を地下まで配管できるようになっている。地下であって一階各住戸の真下に、ピットが設けられ、ピット内において竪管がとりまとめられ、大口径の横引管へ接続される。
【0005】
横引管は、集合住宅のピットから集合住宅の垂直投影面を越えて建物の外の地中に埋設配置される。例えば、横引管が排水管であるときは、横引管は集合住宅の敷地内を越えて道路側まで導かれ、道路の地下に埋設される汚水ます等を介して公共下水管へ接続される。
【0006】
横引管が電力ケーブルのためのものであるときは、道路上の電柱等から敷地内に設けられた電柱に電線が引き込まれトランスで電圧を下げて、各住戸に接続される。
【0007】
(第2例)この他に、パイピングスペース及びその中の竪管を、各住戸の室内ではなく、バルコニーあるいは廊下というように室外において縦に配置する例がある。
【0008】
しかしながら、この例においても、竪管がとりまとめられた後の横引管は、上述と同様に地中に埋設配置される。
【0009】
さて、集合住宅を上述のように長寿命化するには、竪管及び横引管のメンテナンス性を向上させる必要がある。これは、パイピングスペース、住居下の地下室並びに横引管のいずれにおいても該当する。
【0010】
第1例のように、パイピングスペース及びその中の竪管を各住戸の室内に設けたのでは、当然に各住戸に施工者が立ち入ることになってしまうので、この部分のメンテナンス及び更新は極めて困難になる。それは、パイピングスペースが狭いことによるだけでなく、各住戸の室内(竪管が納まっている壁など)の破損を招きやすいためでもある。
【0011】
また、第1例、第2例のいずれにおいても、横引管の殆どは、地下に埋設配置されるのであるが、横引管をメンテナンスしようとすると、そのたびに地中を堀り返す必要があるし、土の表面にコンクリートやアスファルトにより舗装等の仕上げが施されているときには、仕上げを一部撤去する必要がある。
【0012】
このように、従来技術では、横引管につながれる前の竪管及び横引管のメンテナンス性が低く、集合住宅を長寿命化使用とする際の、障碍となっていた。
【特許文献1】特開2009−5542号公報
【特許文献2】特開平8−269983号公報
【特許文献3】特開2007−255436号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
そこで本発明は、配管のメンテナンス性を向上でき、その結果、集合住宅の長寿命化に資することができる集合住宅において共用設備のメンテナンス及び更新が容易な地下トレンチ構造を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0014】
第1の発明に係る地下トレンチ構造は、一階層あたり複数の住戸が設けられ、かつ、この階層を複数階層備える集合住宅において共用設備のメンテナンス及び更新が容易な地下トレンチ構造であって、垂直に複数階層を貫通する竪管(外配管)を、複数の住戸の室外に配置し、集合住宅の垂直投影面内において地下に、竪管(外配管)に接続される地下室からなる地下トレンチを設け、さらに地下トレンチから集合住宅の垂直投影面を越えて集合住宅の敷地の境界へ延びる地下室からなる延長トレンチを連設し、竪管(外配管)が接続される横引管を、地下トレンチ及び延長トレンチ内に配設し、地下トレンチ及び延長トレンチのいずれもを内部に人が入りうる形状となす。
【0015】
この構成において、竪管(外配管)を、住戸の室外に配置しているから、竪管(外配管)をメンテナンスする際には、住戸に施工者が立ち入ることなくメンテナンスでき、影響が少ない状態で実施することができる。具体的には、住戸の壁や竪管(外配管)が貫通するコンクリートスラブ等をはつる等騒音や振動を招来する作業を省略することができる。
【0016】
また、地下トレンチ及び延長トレンチ内に配設し、地下トレンチ及び延長トレンチが内部に人が入りうる形状となっているので、これらのトレンチ内に施工者が入って容易に竪管(外配管)あるいは横引管のメンテナンスを行うことができる。ここで、信号機のメンテナンスのように、本管は、それが劣化していようといまいと、例えば50年毎に全部交換するのが望ましい。つまり、悪くなってから交換するのではなく、悪くなる前に交換するという考え方である。こうすれば、本管は正常な状態で使用され続けることになる。この構成によれば、このような考え方に極めて容易に対応できるものである。
【0017】
さらに、地下トレンチから集合住宅の垂直投影面を越えて集合住宅の敷地の境界へ延びる地下室からなる延長トレンチが連設されているので、竪管(外配管)が接続される横引管のほとんどは、地下トレンチあるいは延長トレンチの内部にあり、地中に埋設されない。
【0018】
よって、横引管のほとんどを地中を掘り返したり、舗装を剥がしたりすることなく、容易に、かつ静かにメンテナンスすることができる。
【0019】
第2の発明に係る地下トレンチ構造は、第1の発明に加え、地下トレンチは、一階の住戸のテラス下部に設けられるテラストレンチと、複数の住戸に接する廊下の下部に設けられる廊下トレンチとを含む。
【0020】
この構成により、竪管(外配管)を、テラストレンチと廊下トレンチの二系統確保することができ、室内からこれらの二系統のうち好ましい側へそれぞれ配管することができる。
【0021】
第3の発明に係る地下トレンチ構造は、第1の発明に加え、集合住宅を支持する地中梁を地中に配置し、竪管(外配管)から地下トレンチに至る箇所において、地中梁を階のスラブから下げて配管を接続できる配管スペースを確保してなる。
【0022】
この構成において、地中梁を地中に配置し、竪管(外配管)から地下トレンチに至る箇所に配管スペースを確保しているので、竪管(外配管)の下端部と横引管の先端部との接続や曲がりしろを容易に確保することができ、無理のない配管を実現できる。
【0023】
第4の発明に係る地下トレンチ構造は、第3の発明に加え、地下トレンチは、点検ハッチと、点検ハッチよりも大きく形成される材料搬入用ハッチとをさらに備える。
【0024】
この構成において、点検ハッチを開いて、地下トレンチの内部を目視し、配管の点検を容易に行える。また、大きい材料搬入用ハッチを開けば、地下トレンチ内へ長尺の管材等の設備を容易に搬入することができる。
【発明の効果】
【0025】
本発明によれば、住戸の壁や床等をはつる等騒音や振動を招来せずに、各トレンチ内に施工者が入って容易に竪管(外配管)あるいは横引管のメンテナンスを行うことができる。
【0026】
また、地中を掘り返したり、舗装を剥がしたりすることなく、容易に、かつ静かにメンテナンスすることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0027】
以下図面を参照しながら、本発明の実施の形態を説明する。図1は、本発明の一実施の形態における集合住宅の斜視図である。
【0028】
図1に示す集合住宅1は、1階層10、2階層20、3階層30及び4階層40からなるが、勿論、階層を更に増やしたり、減らした場合にも、本発明は、同様に適用できる。
【0029】
図1は、廊下側から見た集合住宅1を示しているが、図示がわかりやすくなるように、1階層10のみ廊下11を図示し、2階層20以上の階層について廊下の図示を省略してある。
【0030】
1階層10の廊下11の真下は、人が通行できる程度の例えば2メートル平方の断面を有する地下室からなる地下トレンチ50となっている。この地下室の壁面は、鉄筋コンクリートで形成される。
【0031】
地下トレンチ50は、集合住宅1を上から見た際における垂直投影面の内部に存在する。集合住宅1は、一定の敷地内に建てられるものであり、その敷地には、道路80との境界70が存在する。
【0032】
また、地下トレンチ50から集合住宅1の垂直投影面を越えて集合住宅1の敷地の境界へ延びる地下室からなる延長トレンチ60が連設される。延長トレンチ40についても、地下トレンチ50と同様に、人が通行できる程度の例えば2メートル平方の断面を有する地下室からなり、この地下室の壁面は、鉄筋コンクリートで形成される。
【0033】
道路80の地下には、公共下水管81が埋設されており、公共下水管81には、適宜マンホール82が設けられる。
【0034】
さらに、電力会社あるいは通信会社が管理する、送電線63や通信線66が集合住宅1の敷地の付近を通るように配置される。図1の例では、電柱61、62が集合住宅1の敷地内に建てられ、送電線63は、電柱61に支持されるトランス64に接続され、トランス64は配電盤65へさらに接続される。また、同様に通信線66も配電盤65へ接続される。
【0035】
さて、集合住宅1の各階層の廊下側には、それぞれ玄関ドア12、22、32、42が設けられ、玄関ドア12、22、32、42の脇には、上下にそれぞれ対応する位置に、配管設備13、23、33、43が配設される。
【0036】
各配管設備13、23、33、43には、下向きに排水を流すための排水管14、24、34、44、各階へ水を供給する給水管15、25、35、45、各階へガスを供給するガス管16、26、36、46及び、これらの管の流量等を計測する各種メータが配設される。
【0037】
さらには、各配管設備13、23、33、43に、電力を供給する電力線や通信線等の電気系統を含めてもよい。
【0038】
なお、詳細は後述するが、各配管設備13、23、33、43の下の位置であり、かつ1階層の直下は、地下トレンチ50に連続する廊下トレンチ51となっている。
【0039】
各排水管14、24、34、44は、廊下トレンチ51を通り、横排水管52に接続される。横排水管52は、その長さのほとんどが、地下トレンチ50または地下トレンチ50に連設される延長トレンチ60内に位置し、集合住宅1の境界70を越えた部分のみが地中(即ち道路80の下)に位置する。
【0040】
したがって、横排水管52のほとんどを地下トレンチ50、延長トレンチ60内へ人が入るだけでメンテナンスすることができる。このとき、地中を掘るような作業は不要である。
【0041】
各給水管15、25、35、45、及び、各ガス管16、26、36、46についても、同様に、それぞれ横給水管53、横ガス管54に接続される。横給水管53、横ガス管54は、その長さのほとんどが、地下トレンチ50または地下トレンチ50に連設される延長トレンチ60内に位置し、集合住宅1の境界70を越えた部分のみが地中(即ち道路80の下)に位置する。
【0042】
したがって、横給水管53、横ガス管54のほとんどを地下トレンチ50、延長トレンチ60内へ人が入るだけでメンテナンスすることができる。このとき、地中を掘るような作業は不要である。
【0043】
本形態では、配電盤65に集められた電気系統についても、配電盤65の下方から延長トレンチ60内へ引き込み、さらに地下トレンチ50を通って各階層へ供給するようにしているので、電気系統においても、以上と同様に容易なメンテナンスが可能となる。
【0044】
図2は、本発明の一実施の形態における集合住宅の立面図である。
【0045】
図2に示すように、特に横排水管52においては、地下トレンチ60及び延長トレンチ60において、公共下水管81側が低くなる勾配が付けられ、自然流下による排水を可能としている。
【0046】
図1では、一列の各配管設備13、23、33、43と廊下トレンチ51とを図示していたが、図2に示すように、このような列は、必要に応じて何列も設けることができる。
【0047】
図3は、本発明の一実施の形態における集合住宅の垂直断面図である。図3に示すように、本形態では、廊下トレンチ51のみならず、廊下とは通常反対側(テラスあるいはバルコニー側)に配置されるテラストレンチ55が設けられている。
【0048】
テラストレンチ55、廊下トレンチ51のいずれについても、2階層以上を支持する大梁76、27よりも、1階層を支持する梁を下方へ下げて地下梁75、17とし、テラストレンチ55、廊下トレンチ51の高さを確保し、横排水管52への繋ぎ込みを容易にしてある点に注目されたい。
【0049】
1階層10、2階層20、3階層30及び4階層40のいずれにおいても、室内排水管18、28、38、48が配置され、適宜勾配を付け、廊下側あるいはテラス/バルコニー側の排水管のうち、好ましい側の排水管へ接続できるようになっている。
【0050】
図4(a)は、本発明の一実施の形態における廊下トレンチの平面図、図4(b)は、同廊下トレンチの垂直断面図である。2階層以上を支持する大梁27よりも、1階層を支持する梁を下方へ下げて地下梁17とした点は、図4の方が理解されやすいであろう。このように下げると、エルボ等の管の曲げを確保する部材を円滑に設置することができる。
【0051】
また、廊下トレンチ51も地下室であることは変わりないので、廊下トレンチ51の下部において、一段低いピット57(例えば600ミリメートル角)が設けられ、漏水が発生したら、ピット57に溜まった水をポンプ(図示せず)で揚水するようになっている。
【0052】
廊下トレンチ51は、共用廊下の下に廊下巾と同じ巾とし、人が作業しやすい2メートル程度の高さを持つようにすることが望ましい。図4に示すように、例えば600ミリメートル角程度の点検ハッチ58を、2住戸に1カ所程度の割合で設けるのが望ましい。
【0053】
そうすれば、点検作業を行う人は、点検ハッチ58を開けて廊下トレンチ51内へ入ることができ、さらに地下トレンチ50、延長トレンチ60へも移動し、設備の点検や清掃を行える。
【0054】
また、図4には図示していないが、点検ハッチ58の2倍程度(例えば、長手寸法1200ミリメートル)の材料搬入用ハッチを設けるのが望ましい。こうしておけば、横排水管等の長尺(例えば4メートル程度)の材料を廊下トレンチ51、地下トレンチ50、延長トレンチ60へ搬入することができる。
【0055】
横排水管等の設備は、信号機のメンテナンスのように、悪くなっていようがいまいが一定期間毎(例えば50年毎位)でそっくり全部交換すると良く、このような交換作業は、本形態によれば、地中の掘り起こし等の作業なしに実施できる。
【0056】
なお、図4(a)に示すように、2階層あるいはそれ以上の階層からの排水管24、34、44からの排水は、上層階排水管72を介して横排水管52に接続されるが、1階層10の排水管14からの排水は、上層階排水管72とは別の1階排水管71を介して横排水管52に接続される。
【0057】
これは、上層階排水管72に1階層10の排水管14を直接接続すると、上層階からの排水の水圧により、1階層の排水管14へ逆流が生じてしまうことを防止するためである。
【0058】
図5(a)〜図5(c)は、本発明の一実施の形態におけるテラストレンチの垂直断面図である。2階層以上を支持する大梁76よりも、1階層を支持する梁を下方へ下げて地下梁75とした点は、図5の方が理解されやすいであろう。このように下げると、エルボ等の管の曲げを確保する部材を円滑に設置することができる。
【0059】
テラストレンチ51は、1階層のテラスの下に柱面から600ミリメートル巾で高さ1.8メートル程度のサイズとすることが好ましい。なお、テラストレンチと呼んではいるが、テラスがない場合にも、バルコニー側で排水管が降りてくるラインに沿って形成すれば、同様の効果が得られるので、本発明は、集合住宅1にテラスがない場合も包含する。
【0060】
テラストレンチ55においても、廊下トレンチ51と同様に、例えば600ミリメートル角程度の点検ハッチ、及び、材料搬入用ハッチを設けるのが望ましい。
【0061】
なお、図5(b)に示すように、2階層あるいはそれ以上の階層からの排水管からの排水は、上層階排水管74を介して横排水管52に接続されるが、図5(c)に示すように、1階層10の排水管からの排水は、上層階排水管74とは別の1階排水管73を介して横排水管52に接続される。これは、上述と同様に、上層階からの排水の水圧により、1階層の排水管へ逆流が生じてしまうことを防止するためである。
【0062】
図6は、本発明の一実施の形態における廊下トレンチ、テラストレンチ、地下トレンチ及び延長トレンチのレイアウトの例示図である。廊下トレンチ51とテラストレンチ55は、通常、図示されているように、建物の廊下の下部とテラスに沿って配置されるので、建物の構成が決まれば、ほぼそのレイアウトは固定される。
【0063】
地下トレンチ50は、廊下トレンチ51とテラストレンチ51とを接続できれば任意にレイアウトできる。図6の例では、地下トレンチ50は、建物の一方の妻側にほぼ1住戸分の巾をもって形成されている。
【0064】
これは、その妻側において、集合住宅1の敷地が道路80に面するためであり、地下トレンチ50と道路80との間に、これらを接続すべく延長トレンチ60が配置されることになる。
【0065】
しかしながら、集合住宅1の敷地と道路の接し方には、様々なパターンがあり、それにあわせて、地下トレンチ50及び延長トレンチ60のレイアウトが合理的に決定されることになる。であるからして、本発明のトレンチのレイアウトは、図示した例に限定されるものではなく、さまざまなレイアウトによる場合も本発明に包含される。
【0066】
具体的には、図7(a)〜図7(f)は、本発明の一実施の形態における道路、敷地によるレイアウトを例示する。このように、敷地100に道路80が接する態様は様々である。図中、薄墨が施されている部分は、トレンチが設けられている箇所を示し、矢印は、排水の流れ方向を示す。
【図面の簡単な説明】
【0067】
【図1】本発明の一実施の形態における集合住宅の斜視図
【図2】本発明の一実施の形態における集合住宅の立面図
【図3】本発明の一実施の形態における集合住宅の垂直断面図
【図4】(a)本発明の一実施の形態における廊下トレンチの平面図 (b)本発明の一実施の形態における廊下トレンチの垂直断面図
【図5】(a)本発明の一実施の形態におけるテラストレンチの垂直断面図 (b)本発明の一実施の形態におけるテラストレンチの垂直断面図 (c)本発明の一実施の形態におけるテラストレンチの垂直断面図
【図6】本発明の一実施の形態における竪管(外配管)、地下トレンチ及び延長トレンチのレイアウトの例示図
【図7】本発明の一実施の形態における道路、敷地によるレイアウトの例示図
【符号の説明】
【0068】
1 集合住宅
10 1階層
11 廊下
12、22、32、42 玄関ドア
13、23、33、43 配管設備
14、24、34、44 排水管
15、25、35、45 給水管
16、26、36、46 ガス管
17、75 地中梁
18、28、38、48 室内排水管
20 2階層
30 3階層
40 4階層
27、76 大梁
50 地下トレンチ
51 廊下トレンチ
52 横排水管
53 横給水管
54 横ガス管
55 テラストレンチ
56 電気系統
57 ピット
58 点検ハッチ
60 延長トレンチ
61、62 電柱
63 送電線
64 トランス
65 配電盤
66 通信線
67 電気系統配管
70 境界
71、73 1階排水管
72、74 上層階排水管
80 道路
100 敷地

【特許請求の範囲】
【請求項1】
一階層あたり複数の住戸が設けられ、かつ、この階層を複数階層備える集合住宅において共用設備のメンテナンス及び更新が容易な地下トレンチ構造であって、
垂直に前記複数階層を貫通する竪管(外配管)を、前記複数の住戸の室外に配置し、
前記集合住宅の垂直投影面内において地下に、前記竪管(外配管)に接続される地下室からなる地下トレンチを設け、
さらに前記地下トレンチから前記集合住宅の垂直投影面を越えて前記集合住宅の敷地の境界へ延びる地下室からなる延長トレンチを連設し、
前記竪管(外配管)が接続される横引管を、前記地下トレンチ及び前記延長トレンチ内に配設し、前記地下トレンチ及び前記延長トレンチのいずれもを内部に人が入りうる形状となすことを特徴とする集合住宅において共用設備のメンテナンス及び更新が容易な地下トレンチ構造。
【請求項2】
前記地下トレンチは、一階の住戸のテラス下部に設けられるテラストレンチと、前記複数の住戸に接する廊下の下部に設けられる廊下トレンチとを含む請求項1記載の集合住宅において共用設備のメンテナンス及び更新が容易な地下トレンチ構造。
【請求項3】
集合住宅を支持する地中梁を地中に配置し、前記竪管(外配管)から前記地下トレンチに至る箇所において、前記地中梁を階のスラブから下げて配管を接続できる配管スペースを確保したことを特徴とする請求項1または2記載の集合住宅において共用設備のメンテナンス及び更新が容易な地下トレンチ構造。
【請求項4】
前記地下トレンチは、点検ハッチと、前記点検ハッチよりも大きく形成される材料搬入用ハッチとをさらに備える請求項3記載の集合住宅において共用設備のメンテナンス及び更新が容易な地下トレンチ構造。
【請求項5】
請求項1から4のいずれかに記載のトレンチ構造を備える集合住宅。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate


【公開番号】特開2011−17134(P2011−17134A)
【公開日】平成23年1月27日(2011.1.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−160721(P2009−160721)
【出願日】平成21年7月7日(2009.7.7)
【出願人】(593144828)株式会社福永博建築研究所 (8)
【Fターム(参考)】