説明

集合住宅インターホン装置

【課題】配線の省線化及びシステム構成の簡素化を図るとともに、配線上を伝送される信号に係るフレーム構成の効率化を可能とする。
【解決手段】集合住宅の住戸毎に設けられる玄関子機2a、2b、・・・及び居室親機3a、3b、・・・の間を接続する配線である子機/親機ラインL3a、L3b、・・・と制御機5から住戸へ引込まれる配線である住戸ラインL2とを当該玄関子機の機器内に設けられる双方向結合型分岐器にて結合させて共用化することにより、住戸ラインより信号パワーの一部を分岐させるとともに子機/親機ラインより信号パワーを混合させる。また、親機/増設ラインより信号パワーの一部を分岐させるとともに子機/親機ラインより信号パワーを混合させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、マンション等の集合住宅に設置される集合住宅インターホン装置に係り、特に、配線の省線化及びシステム構成の簡素化が可能な集合住宅インターホン装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、図7のシステム説明図に示す構成の集合住宅インターホン装置が開示されている。
【0003】
この集合住宅インターホン装置は、集合住宅の集合玄関に設置される集合玄関機501と、集合住宅の複数の住戸の住戸玄関にそれぞれ設置される玄関子機502a、502b、・・・と、集合玄関機501又は玄関子機502a、502b、・・・からの呼出しに応答して音声信号を送受信することで通話を成立させるとともに集合玄関機501及び玄関子機502a、502b、・・・のうち少なくとも集合玄関機501にて生成される映像信号を出画するために複数の住戸の住戸内にそれぞれ設置される居室親機503a、503b、・・・と、集合玄関ラインL501を経由して接続される集合玄関機501、住戸ラインL502から住戸毎の中継器504、504、・・・を経由して接続される居室親機503a、503b、・・・をそれぞれ制御するための制御機505とを有しており、居室親機503a、503b、・・・にはそれぞれ、子機/親機ラインL503a、L503b、・・・を経由して玄関子機502a、502b、・・・が接続されている(例えば、特許文献1乃至特許文献3を参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2000−174913号公報
【特許文献2】特開2007−116630号公報
【特許文献3】特開2009−5281号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、背景技術に記載した図7に示す集合住宅インターホン装置によれば、制御機505から中継器504、504、・・・を経由して居室親機503a、503b、・・・に引込まれる配線である住戸ラインL502と、玄関子機502a、502b、・・・から居室親機503a、503b、・・・に引込まれる配線である子機/親機ラインL503a、L503b、・・・とが個別・別途の配線で設けられているため、配線が煩雑となるばかりでなく、既設の集合インターホン装置をリ・プレースしようとする場合には、配線数が不足となるおそれがあり別途の配線が必要となる難点があった。
【0006】
また、同様な図7に示す集合住宅インターホン装置による配線形態においては、中継器504、504、・・・から居室親機503a、503b、・・・までの最大線路長に応じた遅延時間に相当する衝突防止のためのガードインターバルが必要となるため、ガードインターバルがオーバヘッドとなり、配線上を伝送される信号の容量(伝送容量)が減少してしまう難点があった。
【0007】
本発明は、これらの難点を解消するためになされたもので、少なくとも、集合住宅の住戸毎に設けられる玄関子機及び居室親機の間を接続する配線と制御機から住戸へ引込まれる配線とを結合させて共用化し、配線より信号パワーを分岐/混合することにより、配線の省線化及びシステム構成の簡素化を図るとともに、配線上を伝送される信号に係るフレーム構成の効率化が可能な集合住宅インターホン装置を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前述の目的を達成するため、本発明の第1の態様である集合住宅インターホン装置は、集合住宅の集合玄関に設置される集合玄関機と、集合住宅の複数の住戸の住戸玄関にそれぞれ設置される玄関子機と、集合玄関機又は玄関子機からの呼出しに応答して音声信号を送受信することで通話を成立させるとともに集合玄関機及び玄関子機のうち少なくとも集合玄関機にて生成される映像信号を出画するために複数の住戸の住戸内にそれぞれ設置される居室親機と、集合玄関ラインを経由して接続される集合玄関機、住戸ラインを経由して接続される玄関子機をそれぞれ制御するための制御機とを有する集合住宅インターホン装置であって、玄関子機は、制御機に接続される住戸ラインを引込み自住戸の居室親機に接続される子機/親機ラインと結合し、自玄関子機又は住戸ラインを経由して接続される制御機から子機/親機ラインを経由して接続される居室親機への信号伝送路と、自玄関子機又は子機/親機ラインを経由して接続される居室親機から住戸ラインを経由して接続される制御機への信号伝送路とをそれぞれ形成するための双方向結合型子機分岐器を備えることにより、住戸ラインより信号パワーの一部を分岐させるとともに子機/親機ラインより信号パワーを混合させるものである。
【0009】
また、本発明の第2の態様である集合住宅インターホン装置は、本発明の第1の態様において、双方向結合型子機分岐器は、住戸ラインを経由して制御機との間で送受信される信号を入出力するための子機トランスと、子機トランスに入力される信号のデフレーム処理と復調又は復号化を行うことで音声信号、映像信号、呼出しのための制御信号等の各種データを再生するとともに、再生された各種データのフレーム処理と変調又は符号化を行い子機/親機ラインに送出するための子機信号処理部とを備えるものである。
【0010】
また、本発明の第3の態様である集合住宅インターホン装置は、本発明の第2の態様において、子機信号処理部は、子機トランスに入力された信号を復調して下り方向の伝送フレームを検出するための子機上流側受信回路と、子機上流側受信回路にて検出された下り方向の伝送フレームから音声信号、映像信号、呼出しのための制御信号等の各種データを取出すための子機上流側デフレーマと、子機上流側デフレーマにて取出された各種データを子機/親機ラインを経由して居室親機に伝送させる下り方向の伝送フレームに割当てるための子機下流側フレーマと、子機下流側フレーマの出力信号を変調して子機/親機ラインに送出するための子機下流側送信回路と、子機/親機ラインを経由して居室親機より入力された信号を復調して上り方向の伝送フレームを検出するための子機下流側受信回路と、子機下流側受信回路にて検出された上り方向の伝送フレームから音声信号、呼出応答のための制御信号等の各種データを取出すための子機下流側デフレーマと、子機下流側デフレーマにて取出された各種データを住戸ラインを経由して制御機に伝送させる上り方向の伝送フレームに割当てるための子機上流側フレーマと、子機上流側フレーマの出力信号を変調して子機トランスに送出するための子機上流側送信回路と、子機上流側デフレーマから子機下流側フレーマへの信号伝送路、子機下流側デフレーマから子機上流側フレーマへの信号伝送路をそれぞれ形成して各種データの交換を行うための子機マルチプレクサ/デマルチプレクサとを有するものである。
【0011】
また、本発明の第4の態様である集合住宅インターホン装置は、本発明の第1の態様乃至第3の態様のうち少なくとも1の態様において、居室親機は、親機/増設ラインを経由して増設親機に接続されている。居室親機は、増設親機に接続される親機/増設ラインを引込み子機/親機ラインと結合し、自居室親機又は子機/親機ラインを経由して接続される玄関子機から親機/増設ラインを経由して接続される増設親機への信号伝送路と、自居室親機又は親機/増設ラインを経由して接続される増設親機から子機/親機ラインを経由して接続される玄関子機への信号伝送路とをそれぞれ形成するための双方向結合型親機分岐器を備えることにより、親機/増設ラインより信号パワーの一部を分岐させるとともに子機/親機ラインより信号パワーを混合させるものである。
【0012】
また、本発明の第5の態様である集合住宅インターホン装置は、本発明の第4の態様において、双方向結合型親機分岐器は、親機/増設ラインを経由して増設親機との間で送受信される信号を入出力するための親機トランスと、親機トランスに入力される信号のデフレーム処理と復調又は復号化を行うことで音声信号、呼出し・呼出応答のための制御信号等の各種データを再生するとともに、再生された各種データのフレーム処理と変調又は符号化を行い親機/増設ラインに送出するための親機信号処理部とを備えている。
【0013】
また、本発明の第6の態様である集合住宅インターホン装置は、本発明の第5の態様において、親機信号処理部は、親機トランスに入力された信号を復調して下り方向の伝送フレームを検出するための親機下流側受信回路と、親機下流側受信回路にて検出された上り方向の伝送フレームから音声信号、呼出し・呼出応答のための制御信号等の各種データを取出すための親機下流側デフレーマと、親機下流側デフレーマにて取出された各種データを子機/親機ラインを経由して玄関子機に伝送させる上り方向の伝送フレームに割当てるための親機上流側フレーマと、親機上流側フレーマの出力信号を変調して子機/親機ラインに送出するための親機上流側送信回路と、子機/親機ラインを経由して玄関子機より入力された信号を復調して下り方向の伝送フレームを検出するための親機上流側受信回路と、親機上流側受信回路にて検出された下り方向の伝送フレームから音声信号、映像信号、呼出しのための制御信号等の各種データを取出すための親機上流側デフレーマと、親機上流側デフレーマにて取出された各種データを親機/増設ラインを経由して増設親機に伝送させる下り方向の伝送フレームに割当てるための親機下流側フレーマと、親機下流側フレーマの出力信号を変調して親機トランスに送出するための親機下流側送信回路と、親機下流側デフレーマから親機上流側フレーマへの信号伝送路、親機上流側デフレーマから親機下流側フレーマへの信号伝送路をそれぞれ形成して各種データの交換を行うための親機マルチプレククサ/デマルチプレクサとを有するものである。
【発明の効果】
【0014】
本発明の集合住宅インターホン装置によれば、集合住宅の住戸毎に設けられる玄関子機及び居室親機の間を接続する配線である子機/親機ラインと制御機から住戸へ引込まれる配線である住戸ラインとを当該玄関子機の機器内に設けられる双方向結合型子機分岐器にて結合させて共用化することにより、住戸ラインより信号パワーの一部を分岐させるとともに子機/親機ラインより信号パワーを混合させることができるため、配線の省線化及びシステム構成の簡素化が図られるばかりでなく、制御機から住戸ライン、玄関子機、子機/親機ラインを経由して居室親機に伝送される信号に係るフレーム構成において、スロット間のガードインターバルを最小とすることができ、当該フレーム構成の効率化が可能となることにより、配線上を伝送される信号の容量(伝送容量)を十分に確保できる。
【0015】
また、本発明の集合住宅インターホン装置によれば、集合住宅の住戸内毎に設けられる玄関子機及び居室親機の間を接続する配線である子機/親機ラインと増設親機から居室親機へ引込まれる配線である親機/増設ラインとを当該居室親機の機器内に設けられる双方向結合型親機分岐器にて結合させて共用化することにより、親機/増設ラインより信号パワーの一部を分岐させるとともに子機/親機ラインより信号パワーを混合させることができるため、配線の省線化及びシステム構成の簡素化が図られるばかりでなく、増設親機から親機/増設ラインを経由して居室親機に伝送される信号に係るフレーム構成において、スロット間のガードインターバルを最小とすることができ、当該フレーム構成の効率化が可能となることにより、配線上を伝送される信号の容量(伝送容量)を十分に確保できる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明の実施例による集合住宅インターホン装置の全体構成を示すシステム説明図。
【図2】本発明の実施例による集合住宅インターホン装置において、玄関子機の具体的な構成を示すブロック図。
【図3】本発明の実施例による集合住宅インターホン装置において、居室親機の具体的な構成を示すブロック図。
【図4】本発明の実施例による集合住宅インターホン装置において、増設親機の具体的な構成を示すブロック図。
【図5】本発明の実施例による集合住宅インターホン装置において、玄関子機、居室親機及び増設親機に備えられるトランス(子機トランス、親機トランス及び増設トランス)の具体的な構成を示す回路ブロック図。
【図6】本発明の実施例による集合住宅インターホン装置において適用される各種データの周波数特性及びフレーム構成の一例を示す説明図。
【図7】従来例による集合住宅インターホン装置の全体構成を示すシステム説明図。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明の集合住宅インターホン装置を適用した実施の形態例について、図面を参照して説明する。
【0018】
図1は、本発明の実施例による集合住宅インターホン装置の全体構成を示すシステム説明図であって、マンション等の集合住宅に設置されるものである。この集合住宅インターホン装置は、集合住宅の集合玄関に設置される集合玄関機1と、集合住宅の複数の住戸、ここでは、A号室、B号室、・・・のような複数の住戸の住戸玄関にそれぞれ設置される玄関子機2a、2b、・・・と、前述の複数の住戸の住戸内、例えば、リビングや寝室等の異なる場所にそれぞれ設置され集合玄関機1又は自住戸の玄関子機2a、2b、・・・からの呼出しに応答して音声信号を送受信することで通話を成立させるとともに集合玄関機1及び(自住戸の)玄関子機2a、2b、・・・のうち少なくとも集合玄関機1にて生成される映像信号、ここでは、集合玄関機1及び(自住戸の)玄関子機2a、2b、・・・にてそれぞれ生成される映像信号を出画するための居室親機3a、3b、・・・及び当該居室親機に親機/増設ラインL4a、L4b、・・・を経由して接続される増設親機4a、4b、・・・と、集合玄関ラインL1を経由して接続される集合玄関機1、住戸ラインL2を経由して接続される玄関子機2a、2b、・・・をそれぞれ制御するための制御機5とを有している。なお、玄関子機2a、2b、・・・には、住戸玄関の玄関扉を施解錠するための電気錠6a、6b、・・・が接続されている。
【0019】
同図において、集合玄関機1は、集合玄関ラインL1を経由して制御機5に接続されており、(集合玄関)操作部10、(集合玄関)映像撮像部11及び(集合玄関)通話部12が備えられている。ここで、操作部10は、集合玄関に居る来訪者が特定の住戸内に在室中の居住者を呼出すための操作を行うものであり、例えば、テンキーボタン10aや呼出ボタン10bにて構成されている。また、映像撮像部11は、操作部10(10a、10b)にて所定の呼出操作を行った来訪者の映像や集合玄関の周囲近傍の映像を撮像して映像信号を生成するためのものであり、例えば、CCD、CMOS等の各種の映像撮像媒体にて構成されている。さらに、通話部12は、来訪者が呼出先である(特定の)居住者との間で通話を成立させるための音声信号を送受信するものであり、例えば、マイク12a及びスピーカ12bにて構成されている。
【0020】
玄関子機2a、2b、・・・はそれぞれ同様な構成であって、住戸ラインL2を経由して制御機5と子機/親機ラインL3a、L3b、・・・を経由して居室親機3a、3b、・・・とに接続されており、(子機)操作部20、(子機)映像撮像部21及び(子機)通話部22が備えられている。ここで、操作部20は、住戸玄関に居る来訪者が住戸内に在室中の居住者を呼出すための操作を行うものであり、例えば、呼出ボタン20aにて構成されている。また、映像撮像部21は、操作部20(20a)にて所定の呼出操作を行った来訪者の映像や住戸玄関の周囲近傍の映像を撮像して映像信号を生成するためのものであり、例えば、CCD、CMOS等の各種の映像撮像媒体にて構成されている。さらに、通話部22は、来訪者が呼出先である居住者との間で通話を成立させるための音声信号を送受信するものであり、マイク22a及びスピーカ22bにて構成されている。なお、玄関子機2a、2b、・・・には、前述の構成各部のみならず、住戸内にて発生したセキュリティ異常を報知(警報表示)するための例えば、LEDにて構成される表示部(図示せず。)を備えることもできる。また、スピーカ22bについても、前述のセキュリティ異常を報知(警報発報)することができる。
【0021】
居室親機3a、3b、・・・はそれぞれ同様な構成であって、子機/親機ラインL3a、L3b、・・・を経由して玄関子機2a、2b、・・・と親機/増設ラインL4a、L4b、・・・を経由して増設親機4a、4b、・・・とに接続されており、(親機)表示部30、(親機)通話部31及び(親機)操作部32が備えられている。ここで、表示部30は、集合玄関機1又は(自住戸の)玄関子機2a、2b、・・・を使用した来訪者からの呼出し、或いは(自住戸の)増設親機4a、4b、・・・を使用した自住戸内の他の居住者からの呼出し(内線呼出し)があることを表示するとともに、集合玄関機1の映像撮像部11及び(自住戸の)玄関子機2a、2b、・・・の映像撮像部21にてそれぞれ生成される映像信号を出画するためのものであり、例えば、呼出表示・報知機能を有するLED30a及び映像出画機能を有するLCD、有機ELディスプレイ等のモニタ30bにて構成されている。また、通話部31は、当該居室親機の使用者である居住者が呼出元である来訪者又は自住戸内の他の居住者、或いは呼出先である自住戸内の他の居住者との間で通話を成立させるための音声信号を送受信するものであり、例えば、マイク31a及びスピーカ31bにて構成され、このスピーカ31bは、前述の呼出報知機能も有している。さらに、操作部32は、当該居室親機の使用者である居住者が来訪者又は自住戸内の他の居住者からの呼出し(内線呼出し)に応答して通話を成立させるための応答操作、成立中の通話を終了させるための終話操作、自住戸内の他の居住者を呼出(内線呼出)すための内線呼出操作、自住戸の電気錠6a、6b、・・・を解錠させるための解錠操作等を行うものであり、例えば、通話応答、内線呼出、解錠等の各種の操作ボタン32aやこれらの操作機能を有するタッチパネル32bにて構成されている。なお、通話部31としては、ハンドセット(図示せず。)を備えることもできる。
【0022】
増設親機4a、4b、・・・はそれぞれ同様な構成であって、親機/増設ラインL4a、L4b、・・・を経由して居室親機3a、3b、・・・に接続されており、(増設)表示部40、(増設)通話部41及び(増設)操作部42が備えられている。ここで、表示部40は、集合玄関機1又は(自住戸の)玄関子機2a、2b、・・・を使用した来訪者からの呼出し、或いは(自住戸の)居室親機3a、3b、・・・を使用した自住戸内の他の居住者からの呼出し(内線呼出し)があることを表示するとともに、集合玄関機1の映像撮像部11及び(自住戸の)玄関子機2a、2b、・・・の映像撮像部21にてそれぞれ生成される映像信号を出画するためのものであり、例えば、呼出表示・報知機能を有するLED40a及び映像出画機能を有するLCD、有機ELディスプレイ等のモニタ40bにて構成されている。また、通話部41は、当該増設親機の使用者である居住者が呼出元である来訪者又は自住戸内の他の居住者、或いは呼出先である自住戸内の他の居住者との間で通話を成立させるための音声信号を送受信するものであり、例えば、マイク41a及びスピーカ41bにて構成され、このスピーカ41bは、前述の呼出報知機能も有している。さらに、操作部42は、当該増設親機の使用者である居住者が来訪者又は自住戸内の他の居住者からの呼出し(内線呼出し)に応答して通話を成立させるための応答操作、成立中の通話を終了させるための終話操作、自住戸内の他の居住者を呼出(内線呼出)すための内線呼出操作、自住戸の電気錠6a、6b、・・・を解錠させるための解錠操作等を行うものであり、例えば、通話応答、内線呼出、解錠等の各種の操作ボタン42aやこれらの操作機能を有するタッチパネル42bにて構成されている。なお、通話部41としては、ハンドセット(図示せず。)を備えることもできる。
【0023】
次に、玄関子機2a、2b、・・・の具体的な構成について、図2のブロック図を参照して説明する。同図に示す玄関子機2a、2b、・・・には、前述の操作部20(20a)、映像撮像部21及び通話部22(22a、22b)と、子機CPU23、子機タイミングジェネレータ24、子機映像I/F25、子機音声I/F26、双方向結合型子機分岐器27及び電気錠制御部28とが備えられている。
【0024】
この玄関子機2a、2b、・・・において、子機CPU23は、当該玄関子機の構成各部/回路を制御するためのものであり、所定の子機番号が割当てられている。また、子機タイミングジェネレータ24は、当該玄関子機の構成各部/回路に係る動作タイミングを生成するためのものである。また、子機映像I/F25は、映像撮像部21にて生成される映像信号について所定の信号処理を行うものであり、例えば、A/D(アナログ/デジタル)変換やサイズ変換、データ圧縮等を行うことができる。また、子機音声I/F26は、通話部22を構成するマイク22a及びスピーカ22bにて送受信される音声信号について所定の信号処理を行うものであり、例えば、A/D変換又はD/A変換やデータ圧縮/伸張等を行うことができる。さらに、電気錠制御部28は、電気錠6a、6b、・・・の施錠/解錠を制御するためのものである。
【0025】
また、玄関子機2a、2b、・・・の双方向結合型子機分岐器27は、制御機5に接続される住戸ラインL2を引込み(自住戸の)居室親機3a、3b、・・・に接続される子機/親機ラインL3a、L3b、・・・と結合し、自玄関子機又は住戸ラインL2を経由して接続される制御機5から子機/親機ラインL3a、L3b、・・・を経由して接続される(自住戸の)居室親機3a、3b、・・・への信号伝送路と、自玄関子機又は子機/親機ラインL3a、L3b、・・・を経由して接続される(自住戸の)居室親機3a、3b、・・・から住戸ラインL2を経由して接続される制御機5への信号伝送路とをそれぞれ形成するためのものであり、子機トランス27a、子機信号処理部27bを備えている
ここで、子機トランス27aは、住戸ラインL2を経由して制御機5との間で送受信される信号を入出力するためのものであり、図5(A)の回路ブロック図に示す構成の当該トランスが好適とされる。また、子機信号処理部27bは、子機トランス27aに入力される信号のデフレーム処理と復調又は復号化を行うことで前述の音声信号、映像信号、呼出しのための制御信号等の各種データを再生するとともに、再生された各種データ(や子機CPU23、子機映像I/F25及び子機音声I/F26をそれぞれ経由して伝送されてくる音声信号、映像信号、呼出しのための制御信号等の各種データ)についてフレーム処理と変調又は符号化を行い子機/親機ラインL3a、L3b、・・・に送出するためのものであり、子機上流側受信回路270、子機上流側デフレーマ271、子機下流側フレーマ272、子機下流側送信回路273、子機下流側受信回路274、子機下流側デフレーマ275、子機上流側フレーマ276、子機上流側送信回路277及び子機マルチプレクサ/デマルチプレクサ278を有している。
【0026】
この子機信号処理部27bにおいて、子機上流側受信回路270は、子機トランス27aに入力された信号を復調して下り方向の伝送フレームを検出するためのものである。また、子機上流側デフレーマ271は、子機上流側受信回路270にて検出された下り方向の伝送フレームから前述の音声信号、映像信号、呼出しのための制御信号等の各種データを取出すためのものである。また、子機下流側フレーマ272は、子機上流側デフレーマ271にて取出された各種データ(や子機CPU23、子機映像I/F25及び子機音声I/F26をそれぞれ経由して伝送されてくる音声信号、映像信号、呼出しのための制御信号等の各種データ)を、子機/親機ラインL3a、L3b、・・・を経由して(自住戸の)居室親機3a、3b、・・・に伝送させる下り方向の伝送フレームに割当てるためのものである。また、子機下流側送信回路273は、子機下流側フレーマ272の出力信号を変調して子機/親機ラインL3a、L3b、・・・に送出するためのものである。また、子機下流側受信回路274は、子機/親機ラインL3a、L3b、・・・を経由して(自住戸の)居室親機3a、3b、・・・より入力された信号を復調して上り方向の伝送フレームを検出するためのものである。また、子機下流側デフレーマ275は、子機下流側受信回路274にて検出された上り方向の伝送フレームから前述の音声信号、呼出応答のための制御信号等の各種データを取出すためのものである。また、子機上流側フレーマ276は、子機下流側デフレーマ275にて取出された各種データを、住戸ラインL2を経由して制御機5に伝送させる上り方向の伝送フレームに割当てるためのものである。また、子機上流側送信回路277は、子機上流側フレーマ276の出力信号を変調して子機トランス27aに送出するためのものである。さらに、子機マルチプレクサ/デマルチプレクサ278は、子機上流側デフレーマ271から子機下流側フレーマ272への信号伝送路、子機下流側デフレーマ275から子機上流側フレーマ276への信号伝送路をそれぞれ形成して各種データの交換を行うためのものである。
【0027】
次に、居室親機3a、3b、・・・の具体的な構成について、図3のブロック図を参照して説明する。同図に示す居室親機3a、3b、・・・には、前述の表示部30(30a、30b)、通話部31(31a、31b)及び操作部32(32a、32b)と、親機CPU33、親機タイミングジェネレータ34、親機映像I/F35、親機音声I/F36及び双方向結合型親機分岐器37とが備えられている。
【0028】
この居室親機3a、3b、・・・において、親機CPU33は、当該居室親機の構成各部/回路を制御するためのものであり、所定の親機番号が割当てられている。また、親機タイミングジェネレータ34は、当該居室親機の構成各部/回路に係る動作タイミングを生成するためのものである。また、親機映像I/F35は、表示部30を構成するモニタ30bにて出画される映像信号について所定の信号処理を行うものであり、例えば、D/A変換やサイズ変換、データ伸張等を行うことができる。さらに、親機音声I/F36は、通話部31を構成するマイク31a及びスピーカ31bにて送受信される音声信号について所定の信号処理を行うものであり、例えば、A/D変換又はD/A変換やデータ圧縮/伸張等を行うことができる。
【0029】
また、居室親機3a、3b、・・・の双方向結合型親機分岐器37は、(自住戸の)増設親機4a、4b、・・・に接続される親機/増設ラインL4a、L4b、・・・を引込み(自住戸の)玄関子機2a、2b、・・・に接続される子機/親機ラインL3a、L3b、・・・と結合し、自居室親機又は子機/親機ラインL3a、L3b、・・・を経由して接続される(自住戸の)玄関子機2a、2b、・・・から親機/増設ラインL4a、L4b、・・・を経由して接続される(自住戸の)増設親機4a、4b、・・・への信号伝送路と、自居室親機又は親機/増設ラインL4a、L4b、・・・を経由して接続される(自住戸の)増設親機4a、4b、・・・から子機/親機ラインL3a、L3b、・・・を経由して接続される(自住戸の)玄関子機2a、2b、・・・への信号伝送路とをそれぞれ形成するためのものであり、親機トランス37a、親機信号処理部37bを備えている。
【0030】
ここで、親機トランス37aは、親機/増設ラインL4a、L4b、・・・を経由して(自住戸の)増設親機4a、4b、・・・との間で送受信される信号を入出力するためのものであり、図5(A)の回路ブロック図に示す構成の当該トランスが好適とされる。また、親機信号処理部37bは、親機トランス37aに入力される信号のデフレーム処理と復調又は復号化を行うことで前述の音声信号、呼出し・呼出応答のための制御信号等の各種データを再生するとともに、再生された各種データ(や親機CPU33、親機音声I/F36をそれぞれ経由して伝送されてくる音声信号、呼出し・呼出応答のための制御信号等の各種データ)についてフレーム処理と変調又は符号化を行い親機/増設ラインL4a、L4b、・・・に送出するためのものであり、親機下流側受信回路370、親機下流側デフレーマ371、親機上流側フレーマ372、親機上流側送信回路373、親機上流側受信回路374、親機上流側デフレーマ375、親機下流側フレーマ376、親機下流側送信回路377及び親機マルチプレクサ/デマルチプレクサ378を有している。
【0031】
この親機信号処理部37bにおいて、親機下流側受信回路370は、親機トランス37aに入力された信号を復調して上り方向の伝送フレームを検出するためのものである。また、親機下流側デフレーマ371は、親機下流側受信回路370にて検出された上り方向の伝送フレームから前述の音声信号、呼出し・呼出応答のための制御信号等の各種データを取出すためのものである。また、親機上流側フレーマ372は、親機下流側デフレーマ371にて取出された各種データ(や親機CPU33、親機音声I/F36をそれぞれ経由して伝送されてくる音声信号、呼出し・呼出応答のための制御信号等の各種データ)を、子機/親機ラインL3a、L3b、・・・を経由して(自住戸の)玄関子機2a、2b、・・・に伝送させる上り方向の伝送フレームに割当てるためのものである。また、親機上流側送信回路373は、親機上流側フレーマ372の出力信号を変調して子機/親機ラインL3a、L3b、・・・に送出するためのものである。また、親機上流側受信回路374は、子機/親機ラインL3a、L3b、・・・を経由して(自住戸の)玄関子機2a、2b、・・・より入力された信号を復調して下り方向の伝送フレームを検出するためのものである。また、親機上流側デフレーマ375は、親機上流側受信回路374にて検出された下り方向の伝送フレームから前述の音声信号、映像信号、呼出しのための制御信号等の各種データを取出すためのものである。また、親機下流側フレーマ376は、親機上流側デフレーマ375にて取出された各種データ(や親機CPU33、親機音声I/F36をそれぞれ経由して伝送されてくる音声信号、呼出し・呼出応答のための制御信号等の各種データ)を、親機/増設ラインL4a、L4b、・・・を経由して(自住戸の)増設親機4a、4b、・・・に伝送させる下り方向の伝送フレームに割当てるためのものである。また、親機下流側送信回路377は、親機下流側フレーマ376の出力信号を変調して親機トランス37aに送出するためのものである。さらに、親機マルチプレクサ/デマルチプレクサ378は、親機下流側デフレーマ371から親機上流側フレーマ372への信号伝送路、親機上流側デフレーマ375から親機下流側フレーマ376への信号伝送路をそれぞれ形成して各種データの交換を行うためのものである。
【0032】
次に、増設親機4a、4b、・・・の具体的な構成について、図4のブロック図を参照して説明する。同図に示す増設親機4a、4b、・・・には、前述の表示部40(40a、40b)、通話部41(41a、41b)及び操作部42(42a、42b)と、増設CPU43、増設タイミングジェネレータ44、増設映像I/F45、増設音声I/46及び終端型増設分岐器47とが備えられている。
【0033】
この増設親機4a、4b、・・・において、増設CPU43は、当該増設親機の構成各部/回路を制御するためのものであり、所定の増設親機番号が割当てられている。また、増設タイミングジェネレータ44は、当該増設親機の構成各部/回路に係る動作タイミングを生成するためのものである。また、増設映像I/F45は、表示部40を構成するモニタ40bにて出画される映像信号について所定の信号処理を行うものであり、例えば、D/A変換やサイズ変換、データ伸張等を行うことができる。さらに、増設音声I/F46は、通話部41を構成するマイク41a及びスピーカ41bにて送受信される音声信号について所定の信号処理を行うものであり、例えば、A/D変換又はD/A変換やデータ圧縮/伸張等を行うことができる。
【0034】
また、増設親機4a、4b、・・・の終端型増設分岐器47は、(自住戸の)居室親機3a、3b、・・・に接続される親機/増設ラインL4a、L4b、・・・を引込み、自増設親機から親機/増設ラインL4a、L4b、・・・を経由して接続される(自住戸の)居室親機3a、3b、・・・への信号伝送路と、親機/増設ラインL4a、L4b、・・・を経由して接続される(自住戸の)居室親機3a、3b、・・・から自増設親機への信号伝送路とをそれぞれ形成するためのものであり、増設トランス47a、増設信号処理部47bを備えている。
【0035】
ここで、増設トランス47aは、親機/増設ラインL4a、L4b、・・・を経由して(自住戸の)増設親機3a、3b、・・・との間で送受信される信号を入出力するためのものであり、図5(A)の回路ブロック図に示す構成の当該トランスが好適とされる。また、増設信号処理部47bは、増設トランス47aに入力される信号のデフレーム処理と復調又は復号化を行うことで前述の音声信号、映像信号、呼出し・呼出応答のための制御信号等の各種データを再生し、増設CPU43、増設映像I/F45及び増設音声I/F46にそれぞれ送出するとともに、増設CPU43、親機音声I/F36をそれぞれ経由して伝送されてくる音声信号、呼出し・呼出応答のための制御信号等の各種データのフレーム処理と変調又は符号化を行い親機/増設ラインL4a、L4b、・・・に送出するためのものであり、増設受信回路470、増設デフレーマ471、増設フレーマ472、増設送信回路473及び増設マルチプレクサ/デマルチプレクサ474を有している。
【0036】
この増設信号処理部47bにおいて、増設受信回路470は、増設トランス47aに入力された信号を復調して下り方向の伝送フレームを検出するためのものである。また、増設デフレーマ471は、増設受信回路470にて検出された下り方向の伝送フレームから前述の音声信号、映像信号、呼出し・呼出応答のための制御信号等の各種データを取出すためのものである。また、増設フレーマ472は、前述の音声信号、呼出し・呼出応答のための制御信号等の各種データを親機/増設ラインL4a、L4b、・・・を経由して(自住戸の)居室親機3a、3b、・・・に伝送させる上り方向の伝送フレームに割当てるためのものである。また、増設送信回路473は、増設フレーマ472の出力信号を変調して親機/増設ラインL4a、L4b、・・・に送出するためのものである。さらに、増設マルチプレクサ/デマルチプレクサ474は、増設デフレーマ471から増設CPU43、増設映像I/F45及び増設音声I/F46への各信号伝送路と、増設CPU43、増設映像I/F45及び増設音声I/F46から増設フレーマ472への信号伝送路とをそれぞれ形成して各種データの交換を行うためのものである。
【0037】
このように構成された本発明の実施例による集合住宅インターホン装置において、以下、具体的な動作について説明する。
『第1の動作』
集合玄関に居る来訪者が、複数の住戸のうち、ここでは、A号室内に在室中の居住者を呼出すにあたり、図1に示す集合玄関機1の操作部10(10a、10b)を使用して所定の呼出操作を行うと、図6(A)に示すような下り方向の伝送信号に係る所定の周波数帯域であって、図6(B)に示す先頭フレームの「ヘッダ」にA号室を指定するための子機番号、親機番号及び増設親機番号を有する住戸アドレス、呼出元である集合玄関機1を示す玄関機番号、及び呼出しがある旨の呼出制御信号を、「複数のスロット(1)〜(3)」のうち例えば、「スロット(1)」に映像撮像部11にて生成された映像信号をそれぞれ挿入させた下り方向の伝送フレームを有する玄関機呼出伝送信号が生成される。この玄関機呼出伝送信号は変調信号であり、集合玄関機1から集合玄関ラインL1、制御機5、住戸ラインL2を経由してマルチキャストで伝送され、図2に示す玄関子機2a、2b、・・・の双方向結合型子機分岐器27を構成する子機トランス27aにそれぞれ入力される。
【0038】
玄関子機2a、2b、・・・の双方向結合型子機分岐器27において、子機信号処理部27bの子機上流側受信回路270は、子機トランス27aに入力された玄関機呼出伝送信号を復調して下り方向の伝送フレームを検出する。また、子機上流側デフレーマ271は、子機上流側受信回路270にて検出された下り方向の伝送フレームから、前述の住戸アドレス(子機番号、親機番号及び増設親機番号)、玄関機番号、呼出制御信号及び映像信号を取出し、住戸アドレス(子機番号、親機番号及び増設親機番号)、玄関機番号及び呼出制御信号は、子機マルチプレクサ/デマルチプレクサ278を経由して子機CPU23に、映像信号は、子機マルチプレクサ/デマルチプレクサ278を経由して子機下流側フレーマ272にそれぞれ送出する。
【0039】
ここで、玄関子機2a、2b、・・・の子機CPU23は、双方向結合型子機分岐器27の子機信号処理部27bを構成する子機マルチプレクサ/デマルチプレクサ278を経由して入力された前述の住戸アドレス(子機番号、親機番号及び増設親機番号)、玄関機番号及び呼出制御信号のうち、住戸アドレスを構成する子機番号と自玄関子機に割当てられている子機番号とを照合し、当該子機番号が一致した場合にのみ、入力された住戸アドレス(子機番号、親機番号及び増設親機番号)、玄関機番号及び呼出制御信号を子機マルチプレクサ/デマルチプレクサ278を経由して子機下流側フレーマ272に送出する。ここでは、玄関子機2aの子機CPU23のみ当該子機番号が一致することにより、この子機CPU23にて受信された前述の住戸アドレス(子機番号、親機番号及び増設親機番号)、玄関機番号及び呼出制御信号が、子機マルチプレクサ/デマルチプレクサ278を経由して子機下流側フレーマ272に送出される。
【0040】
また、玄関子機2aの双方向結合型子機分岐器27において、子機信号処理部27bの子機下流側フレーマ272は、子機マルチプレクサ/デマルチプレクサ278を経由して子機CPU23より入力された前述の住戸アドレス(子機番号、親機番号及び増設親機番号)、玄関機番号及び呼出制御信号を図6(B)に示す先頭フレームの「ヘッダ」に、子機マルチプレクサ/デマルチプレクサ278を経由して子機上流側デフレーマ271より伝送されてくる映像信号を「複数のスロット(1)〜(3)」のうち例えば、「スロット(1)」にそれぞれ挿入させた下り方向の伝送フレームを有し、図6(A)に示すような下り方向の伝送信号に係る所定の周波数帯域の玄関機呼出転送信号を生成する。この玄関機呼出転送信号は、子機下流側送信回路273にて変調された後、子機/親機ラインL3aを経由して図3に示す居室親機3aの双方向結合型親機分岐器37を構成する親機信号処理部37bの親機上流側受信回路374に入力される。
【0041】
居室親機3aの双方向結合型親機分岐器37において、親機信号処理部37bの親機上流側受信回路374は、子機/親機ラインL3aを経由して玄関子機2aより入力された玄関機呼出転送信号を復調して下り方向の伝送フレームを検出する。この後、親機上流側デフレーマ375は、親機上流側受信回路374にて検出された下り方向の伝送フレームから、前述の住戸アドレス(子機番号、親機番号及び増設親機番号)、玄関機番号、呼出制御信号及び映像信号を取出し、住戸アドレス、玄関機番号及び呼出制御信号は、親機マルチプレクサ/デマルチプレクサ378を経由して親機CPU33に、映像信号は、親機マルチプレクサ/デマルチプレクサ378を経由して親機映像I/F35にそれぞれ送出する。
【0042】
ここで、居室親機3aの親機CPU33は、双方向結合型親機分岐器37の親機信号処理部37bを構成する親機マルチプレクサ/デマルチプレクサ378を経由して入力された前述の住戸アドレス(子機番号、親機番号及び増設親機番号)、玄関機番号、呼出制御信号及び映像信号のうち、住戸アドレスを構成する親機番号と自居室親機に割当てられている親機番号とが一致するため、玄関機番号に該当する集合玄関機1を使用した集合玄関に居る来訪者からの呼出しがあることを、表示部30のLED30a及び通話部31のスピーカ31bをそれぞれ使用して報知(呼出表示、呼出発報)するとともに、モニタ30bが出画可能状態である場合には、親機映像I/F35を経由して信号処理された映像信号を出画させることができる。
【0043】
また、居室親機3aの親機CPU33は、前述のように入力された住戸アドレス(子機番号、親機番号及び増設親機番号)、玄関機番号及び呼出制御信号を、双方向結合型親機分岐器37の親機信号処理部37bを構成する親機マルチプレクサ/デマルチプレクサ378を経由して親機下流側フレーマ376に送出する。この親機下流側フレーマ376は、親機マルチプレクサ/デマルチプレクサ378を経由して親機CPU33より入力された前述の住戸アドレス(子機番号、親機番号及び増設親機番号)、玄関機番号及び呼出制御信号と、親機マルチプレクサ/デマルチプレクサ378を経由して親機上流側デフレーマ375より伝送されてくる映像信号のうち、住戸アドレス、玄関機番号及び呼出制御信号を図6(B)に示す先頭フレームの「ヘッダ」に、映像信号を「複数のスロット(1)〜(3)」のうち例えば、「スロット(1)」にそれぞれ挿入させた下り方向の伝送フレームを有し、図6(A)に示すような下り方向の伝送信号に係る所定の周波数帯域の玄関機呼出転送信号を生成する。この玄関機呼出転送信号は、親機下流側送信回路377にて変調された後、親機トランス37a、親機/増設ラインL4aを経由して図4に示す増設親機4aの終端型増設分岐器47を構成する増設トランス47aに入力される。
【0044】
増設親機4aの終端型増設分岐器47において、増設信号処理部47bの増設受信回路470は、増設トランス47aに入力された玄関機呼出転送信号を復調して下り方向の伝送フレームを検出する。この後、増設デフレーマ471は、増設受信回路470にて検出された下り方向の伝送フレームから、前述の住戸アドレス(子機番号、親機番号及び増設親機番号)、玄関機番号、呼出制御信号及び映像信号を取出し、住戸アドレス、玄関機番号及び呼出制御信号は、増設マルチプレクサ/デマルチプレクサ474を経由して増設CPU43に、映像信号は、増設マルチプレクサ/デマルチプレクサ474を経由して増設映像I/F45にそれぞれ送出する。
【0045】
ここで、増設親機4aの増設CPU43は、終端型親機分岐器47の増設信号処理部47bを構成する増設マルチプレクサ/デマルチプレクサ474を経由して入力された前述の住戸アドレス(子機番号、親機番号及び増設親機番号)、玄関機番号、呼出制御信号及び映像信号のうち、住戸アドレスを構成する増設親機番号と自増設親機に割当てられている増設親機番号とが一致するため、玄関機番号に該当する集合玄関機1を使用した集合玄関に居る来訪者からの呼出しがあることを、表示部40のLED40a及び通話部41のスピーカ41bをそれぞれ使用して報知(呼出表示、呼出発報)するとともに、モニタ40bが出画可能状態である場合には、増設映像I/F45を経由して信号処理された映像信号を出画させることができる。
【0046】
次に、前述のような呼出報知(呼出表示、呼出発報)及び映像信号の出画をもとに、集合玄関に居る来訪者からの呼出しがあり、この来訪者を映像とともに確認したA号室内に在室中の居住者が、図1、図3に示す居室親機3aの操作部32(32a、32b)又は図1、図4に示す増設親機4aの操作部42(42a、42b)を使用して所定の応答操作を行う、ここでは、居室親機3aの操作部32(32a、32b)を使用して所定の応答操作を行うと、この操作を検出した親機CPU33は、親機音声I/F36を制御して居住者が使用する通話部31のマイク31a及びスピーカ31bと双方向結合型親機分岐器37の親機信号処理部37bを構成する親機マルチプレクサ/デマルチプレクサ378間の信号伝送路、すなわち、通話路を形成するとともに、呼出元である集合玄関機1を指定するための玄関機番号、応答元である居室親機3aを示す親機番号及び応答したことを示す応答制御信号をそれぞれ生成し、親機マルチプレクサ/デマルチプレクサ378に送出する。
【0047】
居室親機3aの双方向結合型親機分岐器37において、親機信号処理部37bの親機上流側フレーマ372は、親機マルチプレクサ/デマルチプレクサ378を経由して親機CPU33より入力された玄関機番号、親機番号及び応答制御信号をそれぞれ、図6(B)に示す先頭フレームの「ヘッダ」に挿入させた上り方向の伝送フレームを有し、図6(A)に示すような上り方向の伝送信号に係る所定の周波数帯域の親機応答伝送信号を生成する。この親機応答伝送信号は、親機上流側送信回路373にて変調された後、子機/親機ラインL3aを経由して図2に示す玄関子機2aの双方向結合型子機分岐器27の子機信号処理部27bを構成する子機下流側受信回路274に入力される。
【0048】
玄関子機2aの双方向結合型子機分岐器27において、子機信号処理部27bの子機下流側受信回路274は、子機/親機ラインL3aを経由して居室親機3aより入力された親機応答伝送信号を復調して上り方向の伝送フレームを検出する。また、子機下流側デフレーマ275は、子機下流側受信回路274にて検出された上り方向の伝送フレームから、前述の玄関機番号、親機番号及び応答制御信号を取出し、子機マルチプレクサ/デマルチプレクサ278を経由して子機上流側フレーマ276に送出する。
【0049】
また、玄関子機2aの双方向結合型子機分岐器27において、子機信号処理部27bの子機上流側フレーマ276は、子機マルチプレクサ/デマルチプレクサ278を経由して入力された前述の玄関機番号、親機番号及び応答制御信号をそれぞれ、図6(B)に示す先頭フレームの「ヘッダ」に挿入させた上り方向の伝送フレームを有し、図6(A)に示すような上り方向の伝送信号に係る所定の周波数帯域の親機応答転送信号を生成する。この親機応答転送信号は、子機上流側送信回路277にて変調された後、子機トランス27aから住戸ラインL2、図1に示す制御機5、集合玄関ラインL1を経由して集合玄関機1に(時分割多重方式で)送出される。ここで、前述の親機応答転送信号が有する伝送フレームにおいて、当該信号の伝送先を示すアドレスは玄関機番号であるため、この親機応答転送信号は、住戸ラインL2、制御機5、玄関機ラインL1を経由して集合玄関機1にのみ伝送される有効な伝送信号とされ、他住戸であるA号室以外の住戸(B号室、・・・)に設置される機器(玄関子機2b、・・・、居室親機3b、・・・及び増設親機4b、・・・)おいては無効な信号と判断されるものである。
【0050】
集合玄関機1は、居室親機3aより伝送されてきた親機応答転送信号を受信すると、この信号に係る上り方向の伝送フレームを検出した後、通話部12を構成するマイク12a及びスピーカ12bによる通話機能が能動となるように制御する。
【0051】
ここで、集合玄関に居る来訪者が、図1に示す集合玄関機1の通話部12を構成するマイク12aに音声信号を入力すると、図6(A)に示すような下り方向の伝送信号に係る所定の周波数帯域であって、図6(B)に示すフレームの「ヘッダ」に音声送信先である居室親機3aを指定するための親機番号及び呼出・音声送信元である集合玄関機1を示す玄関機番号を、「複数のスロット(1)〜(3)」のうち例えば、「スロット(1)」に前述の呼出(呼出操作)時より映像撮像部11にて継続して生成されている映像信号を、「スロット(2)」に音声信号をそれぞれ挿入させた下り方向の伝送フレームを有する玄関機映像・音声伝送信号が生成される。この玄関機映像・音声伝送信号は、前述の玄関機呼出伝送信号と同様の信号伝送路及び信号処理がなされた後、図3に示す居室親機3aの双方向結合型親機分岐器37を構成する親機信号処理部37bの親機上流側受信回路374に入力される。
【0052】
居室親機3aの双方向結合型親機分岐器37において、親機信号処理部37bの親機上流側受信回路374は、子機/親機ラインL3a、L3b、・・・を経由して(玄関子機2aより)入力された玄関機映像・音声伝送信号を復調して下り方向の伝送フレームを検出する。この後、親機上流側デフレーマ375は、親機上流側受信回路374にて検出された下り方向の伝送フレームから、前述の親機番号、玄関機番号、映像信号及び音声信号を取出し、親機番号、玄関機番号は、親機マルチプレクサ/デマルチプレクサ378を経由して親機CPU33に、映像信号は、親機マルチプレクサ/デマルチプレクサ378を経由して親機映像I/F35に、音声信号は、親機マルチプレクサ/デマルチプレクサ378を経由して親機音声I/F36にそれぞれ送出する。
【0053】
ここで、居室親機3aの親機CPU33は、双方向結合型親機分岐器37の親機信号処理部37bを構成する親機マルチプレクサ/デマルチプレクサ378を経由して入力された前述の親機番号及び玄関機番号のうち、当該親機番号と自居室親機に割当てられている親機番号とが一致するため、親機映像I/F35を経由して信号処理された映像信号を表示部30のモニタ30bに出画し、その出画動作を継続させるとともに、親機音声I/F36を経由して信号処理された音声信号、すなわち、集合玄関に居る来訪者による音声信号を通話部31のスピーカ31bから出力させることができる。
【0054】
一方、A号室内に在室中の居住者が、図3に示す居室親機3aの通話部31を構成するマイク31aに音声信号を入力すると、親機音声I/F36を経由して信号処理された音声信号が、双方向結合型親機分岐器37の親機信号処理部37bを構成する親機マルチプレクサ/デマルチプレクサ378に送出される。
【0055】
居室親機3aの双方向結合型親機分岐器37において、親機信号処理部37bの親機上流側フレーマ372は、親機マルチプレクサ/デマルチプレクサ378を経由して親機CPU33より入力される前述の呼出応答時と同様な親機番号、玄関機番号と音声信号のうち、親機番号、玄関機番号を図6(B)に示す先頭フレームの「ヘッダ」に、音声信号を「複数のスロット(1)〜(3)」のうち例えば、「スロット(1)」にそれぞれ挿入させた上り方向の伝送フレームを有し、図6(A)に示すような上り方向の伝送信号に係る所定の周波数帯域の親機音声信号を生成する。この親機音声信号は、前述の親機応答伝送信号と同様な信号伝送路及び信号処理を経由して図1に示す集合玄関機1に伝送される。
【0056】
集合玄関機1は、居室親機3aより伝送されてきた親機音声信号を受信すると、この信号に係る上り方向の伝送フレームを検出した後、通話部12を構成するスピーカ12aからA号室内に在室中の居住者による音声信号を出力させることができる。
【0057】
なお、第1の動作に係る説明によれば、集合玄関に居る来訪者からの呼出しがあり、この来訪者を映像とともに確認したA号室内に在室中の居住者が応答し、通話を成立させる機器として、居室親機3a及び増設親機4aのうち居室親機3aを適用したが、この態様に限定されるものではない。例えば、増設親機4aの操作部42(42a、42b)を使用して所定の応答操作を行い、通話部41(41a、41b)を使用して音声信号を送受信することで通話を成立させることもできる。
『第2の動作』
A号室の住戸玄関に居る来訪者が、同住戸内に在室中の居住者を呼出すにあたり、図1、図2に示す玄関子機2aの操作部20(20a)を使用して所定の呼出操作を行うと、この操作を検出した子機CPU23は、映像撮像部21、子機映像I/F25がそれぞれ能動となるように制御し、この映像撮像部21にて撮像され子機映像I/F25を経由して信号処理された来訪者の映像信号を、双方向結合型子機分岐器27の子機信号処理部27bを構成する子機マルチプレクサ/デマルプレクサ278に送出させるとともに、呼出元である自玄関子機を示す子機番号及び呼出しがある旨の呼出制御信号を子機マルチプレクサ/デマルプレクサ278に送出する。ここで、子機下流側フレーマ272は、子機マルチプレクサ/デマルチプレクサ278を経由して入力された前述の子機番号、呼出制御信号及び映像信号のうち、子機番号、呼出制御信号を図6(B)に示す先頭フレームの「ヘッダ」に、映像信号を「複数のスロット(1)〜(3)」のうち例えば、「スロット(1)」にそれぞれ挿入させた下り方向の伝送フレームを有し、図6(A)に示すような下り方向の伝送信号に係る所定の周波数帯域の子機呼出伝送信号を生成する。この子機呼出伝送信号は、子機下流側送信回路273にて変調された後、子機/親機ラインL3aを経由して図3に示す居室親機3aの双方向結合型親機分岐器37を構成する親機信号処理部37bの親機上流側受信回路374に入力される。
【0058】
居室親機3aの双方向結合型親機分岐器37において、親機信号処理部37bの親機上流側受信回路374は、子機/親機ラインL3aを経由して玄関子機2aより入力された子機呼出伝送信号を復調して下り方向の伝送フレームを検出する。この後、親機上流側デフレーマ375は、親機上流側受信回路374にて検出された下り方向の伝送フレームから、前述の子機番号、呼出制御信号及び映像信号を取出し、子機番号、呼出制御信号は、親機マルチプレクサ/デマルチプレクサ378を経由して親機CPU33に、映像信号は、親機マルチプレクサ/デマルチプレクサ378を経由して親機映像I/F35にそれぞれ送出する。
【0059】
ここで、居室親機3aの親機CPU33は、双方向結合型親機分岐器37の親機信号処理部37bを構成する親機マルチプレクサ/デマルチプレクサ378を経由して入力された前述の子機番号、呼出制御信号に基づいて、子機番号に該当する玄関子機1aを使用した自住戸の住戸玄関に居る来訪者からの呼出しがあることを、表示部30のLED30a及び通話部31のスピーカ31bをそれぞれ使用して報知(呼出表示、呼出発報)するとともに、モニタ30bが出画可能状態である場合には、親機映像I/F35を経由して信号処理された映像信号を出画させることができる。
【0060】
また、居室親機3aの親機CPU33は、前述のように入力された子機番号、呼出制御信号を、双方向結合型親機分岐器37の親機信号処理部37bを構成する親機マルチプレクサ/デマルチプレクサ378を経由して親機下流側フレーマ376に送出する。この親機下流側フレーマ376は、親機マルチプレクサ/デマルチプレクサ378を経由して親機CPU33より入力された前述の子機番号、呼出制御信号と、親機マルチプレクサ/デマルチプレクサ378を経由して親機上流側デフレーマ375より伝送されてくる映像信号のうち、子機番号、呼出制御信号を図6(B)に示す先頭フレームの「ヘッダ」に、映像信号を「複数のスロット(1)〜(3)」のうち例えば、「スロット(1)」にそれぞれ挿入させた下り方向の伝送フレームを有し、図6(A)に示すような下り方向の伝送信号に係る所定の周波数帯域の子機呼出転送信号を生成する。この子機呼出転送信号は、親機下流側送信回路377にて変調された後、親機トランス37a、親機/増設ラインL4aを経由して図4に示す増設親機4aの終端型増設分岐器47を構成する増設トランス47aに入力される。
【0061】
増設親機4aの終端型増設分岐器47において、増設信号処理部47bの増設受信回路470は、増設トランス47aに入力された子機呼出転送信号を復調して下り方向の伝送フレームを検出する。この後、増設デフレーマ471は、増設受信回路470にて検出された下り方向の伝送フレームから、前述の子機番号、呼出制御信号及び映像信号を取出し、子機番号、呼出制御信号は、増設マルチプレクサ/デマルチプレクサ474を経由して増設CPU43に、映像信号は、増設マルチプレクサ/デマルチプレクサ474を経由して増設映像I/F45にそれぞれ送出する。
【0062】
ここで、増設親機4aの増設CPU43は、終端型親機分岐器47の増設信号処理部47bを構成する増設マルチプレクサ/デマルチプレクサ474を経由して入力された前述の子機番号、呼出制御信号に基づいて、子機番号に該当する玄関子機1aを使用した自住戸の住戸玄関に居る来訪者からの呼出しがあることを、表示部40のLED40a及び通話部41のスピーカ41bをそれぞれ使用して報知(呼出表示、呼出発報)するとともに、モニタ40bが出画可能状態である場合には、親機映像I/F45を経由して信号処理された映像信号を出画させることができる。
【0063】
次に、前述のような呼出報知(呼出表示、呼出発報)及び映像信号の出画をもとに、自住戸の住戸玄関に居る来訪者からの呼出しがあり、この来訪者を映像とともに確認したA号室内に在室中の居住者が、図1、図3に示す居室親機3aの操作部32(32a、32b)又は図1、図4に示す増設親機4aの操作部42(42a、42b)を使用して所定の応答操作を行う、ここでは、増設親機4aの操作部42(42a、42b)を使用して所定の応答操作を行うと、この操作を検出した増設CPU43は、増設親機音声I/F46を制御して居住者が使用する通話部41のマイク41a及びスピーカ41bと終端型増設分岐器47の増設信号処理部47bを構成する増設マルチプレクサ/デマルチプレクサ474間の信号伝送路、すなわち、通話路を形成するとともに、呼出元・音声送信先である玄関子機1aを指定するための子機番号、応答元・音声送信元の増設親機4aを示す増設親機番号及び応答したことを示す応答制御信号をそれぞれ生成し、増設マルチプレクサ/デマルチプレクサ474に送出する。
【0064】
増設親機4aの終端型増設分岐器47において、増設信号処理部47bの増設フレーマ472は、増設マルチプレクサ/デマルチプレクサ474を経由して増設CPU43より入力された子機番号、増設親機番号及び応答制御信号をそれぞれ、図6(B)に示す先頭フレームの「ヘッダ」に挿入させた上り方向の伝送フレームを有し、図6(A)に示すような上り方向の伝送信号に係る所定の周波数帯域の増設親機応答伝送信号を生成する。この増設親機応答伝送信号は、増設送信回路473にて変調された後、親機/増設ラインL4aを経由して図3に示す居室親機3aの双方向結合型親機分岐器37を構成する親機トランス37aに入力される。
【0065】
居室親機3aの双方向結合型親機分岐器37において、親機信号処理部37bの親機下流側受信回路370は、親機トランス37aに入力された増設親機応答伝送信号を復調して上り方向の伝送フレームを検出する。また、親機下流側デフレーマ371は、親機下流側受信回路370にて検出された上り方向の伝送フレームから、前述の子機番号、増設親機番号及び応答制御信号を取出し、親機マルチプレクサ/デマルチプレクサ378を経由して親機上流側フレーマ372に送出する。なお、前述の子機番号、増設親機番号及び応答制御信号は、親機マルチプレクサ/デマルチプレクサ378を経由して親機CPU33にも伝送され、これらの信号を検出した親機CPU33によれば、その後のタイミングで操作部32(32a、32b)の使用による所定の応答操作が行われた場合であっても、この操作が無効である、すなわち、最先の応答操作ではないものと判断する。
【0066】
また、居室親機3aの双方向結合型親機分岐器37において、親機信号処理部37bの親機上流側フレーマ372は、親機マルチプレクサ/デマルチプレクサ378を経由して入力された前述の子機番号、増設親機番号及び応答制御信号をそれぞれ、図6(B)に示す先頭フレームの「ヘッダ」に挿入させた上り方向の伝送フレームを有し、図6(A)に示すような上り方向の伝送信号に係る所定の周波数帯域の増設親機応答転送信号を生成する。この親機応答転送信号は、親機上流側送信回路373にて変調された後、子機/親機ラインL3a、図2に示す玄関子機2aの双方向結合型子機分岐器27を構成する子機信号処理部27bの子機下流側受信回路274に入力される。
【0067】
玄関子機2aの双方向結合型子機分岐器27において、子機信号処理部27bの子機下流側受信回路274は、子機/親機ラインL3aを経由して居室親機3aより入力された増設親機応答転送信号を復調して上り方向の伝送フレームを検出する。また、子機下流側デフレーマ275は、子機下流側受信回路274にて検出された上り方向の伝送フレームから、前述の子機番号、増設親機番号及び応答制御信号を取出し、親機マルチプレクサ/デマルチプレクサ378を経由して子機CPU23に送出する。
【0068】
玄関子機2aの子機CPU23は、双方向結合型子機分岐器27の子機信号処理部27bを構成する子機マルチプレクサ/デマルチプレクサ278を経由して入力された前述の子機番号、増設親機番号及び応答制御信号のうち当該子機番号が一致するため、子機音声I/F26を制御して来訪者が使用する通話部22のマイク22a及びスピーカ22bと子機マルチプレクサ/デマルチプレクサ278間の信号伝送路、すなわち、通話路を形成する。
【0069】
ここで、A号室の住戸玄関に居る来訪者が、図1、図2に示す玄関子機2aの通話部22を構成するマイク22aに音声信号を入力すると、子機音声I/F26を経由して信号処理された音声信号が、双方向結合型子機分岐器27の子機信号処理部27bを構成する子機マルチプレクサ/デマルチプレクサ278に送出される。
【0070】
玄関子機2aの双方向結合型子機分岐器27において、子機信号処理部27bの子機下流側フレーマ272は、子機マルチプレクサ/デマルチプレクサ278を経由して子機CPU33より入力される子機番号、応答元・音声送信元である増設親機4aを示す増設親機番号と、前述の呼出(呼出操作)時から子機マルチプレクサ/デマルチプレクサ278を経由して親子機映像I/F25より入力される映像信号と、子機マルチプレクサ/デマルチプレクサ278を経由して子機音声I/F26より入力される音声信号のうち、子機番号、増設親機番号を図6(B)に示す先頭フレームの「ヘッダ」に、映像信号を「複数のスロット(1)〜(3)」のうち例えば、「スロット(1)」に、音声信号を「スロット(2)」にそれぞれ挿入させた下り方向の伝送フレームを有し、図6(A)に示すような下り方向の伝送信号に係る所定の周波数帯域の子機映像・音声信号を生成する。この子機映像・音声信号は、前述の子機呼出伝送信号と同様な信号伝送路及び信号処理を経由して、図4に示す増設親機4aの終端型増設分岐器47を構成する増設トランス47aに入力される。
【0071】
増設親機4aの終端型増設分岐器47において、増設信号処理部47bの増設受信回路470は、増設トランス47aに入力された子機映像・音声信号を復調して下り方向の伝送フレームを検出する。この後、増設デフレーマ471は、増設受信回路470にて検出された下り方向の伝送フレームから、前述の子機番号、増設親機番号、映像信号及び音声信号を取出し、映像信号は、増設マルチプレクサ/デマルチプレクサ474を経由して増設映像I/F45に、音声信号は、増設マルチプレクサ/デマルチプレクサ474を経由して増設音声I/F46にそれぞれ送出する。
【0072】
ここで、増設親機4aによれば、増設映像I/F45を経由して信号処理された映像信号を表示部40のモニタ40bに出画し、その出画動作を継続させるとともに、増設音声I/F46を経由して信号処理された音声信号、すなわち、玄関子機2aにて所定の呼出操作を行ったA号室の住戸玄関に居る来訪者による音声信号を通話部41のスピーカ41bから出力させることができる。
【0073】
一方、A号室内に在室中の居住者が、図1、図4に示す増設親機4aの通話部41を構成するマイク41aに音声信号を入力すると、増設親機音声I/F46を経由して信号処理された音声信号が、終端型増設分岐器47の増設信号処理部47bを構成する増設マルチプレクサ/デマルチプレクサ474に送出される。
【0074】
増設親機4aの終端型増設分岐器47において、増設信号処理部47bの増設フレーマ472は、増設マルチプレクサ/デマルチプレクサ474を経由して増設CPU43より入力される子機番号、増設親機番号と、増設マルチプレクサ/デマルチプレクサ474を経由して増設音声I/F46より入力される音声信号のうち、子機番号、増設親機番号を図6(B)に示す先頭フレームの「ヘッダ」に、音声信号を「複数のスロット(1)〜(3)」のうち例えば、「スロット(1)」にそれぞれ挿入させた上り方向の伝送フレームを有し、図6(A)に示すような上り方向の伝送信号に係る所定の周波数帯域の増設音声信号を生成する。この増設親機音声信号は、前述の増設親機応答伝送信号と同様な信号伝送路及び信号処理を経由して、図2に示す玄関子機2aの双方向結合型子機分岐器27を構成する子機信号処理部27bの子機下流側受信回路274に入力される。
【0075】
玄関子機2aの双方向結合型子機分岐器27において、子機信号処理部27bの子機下流側受信回路274は、子機/親機ラインL3aを経由して入力された増設親機音声信号を復調して下り方向の伝送フレームを検出する。この後、子機下流側デフレーマ275は、子機下流側受信回路274にて検出された下り方向の伝送フレームから、前述の子機番号、増設親機番号及び音声信号を取出し、音声信号は、子機マルチプレクサ/デマルチプレクサ278を経由して子機音声I/F26に送出する。
【0076】
ここで、玄関子機2aによれば、子機音声I/F26を経由して信号処理された音声信号、すなわち、増設親機4aを使用して所定の応答操作を行ったA号室内に在室中の居住者による音声信号を通話部22のスピーカ22bから出力させることができる。
【0077】
また、A号室内に在室中の居住者にとっては、前述のような通話を成立中、又はその成立後、住戸玄関に居る来訪者を住戸内に招き入れるにあたり、図1、図4に示す増設親機4aの操作部42(42a、42b)を使用して所定の解錠操作を行うことで電気錠6aを解錠することもできる。
【0078】
なお、第2の動作に係る説明によれば、A号室の住戸玄関に居る来訪者からの呼出しがあり、この来訪者を映像とともに確認した在室中の居住者が応答し、通話を成立させる機器として、居室親機3a及び増設親機4aのうち増設親機4aを適用したが、この態様に限定されるものではなく、居室親機3aの操作部32(32a、32b)を使用して所定の応答操作を行い、通話部31(31a、31b)を使用して音声信号を送受信することで通話を成立させることもできる。
【0079】
また、第1、2の各動作に係る説明によれば、集合玄関に居る来訪者が複数の住戸のうち、特定の住戸内に在室中の居住者を呼出して通話を成立させる動作と、特定の住戸の住戸玄関に居る来訪者が住戸内に在室中の居住者を呼出して通話を成立させる動作について説明したが、別途の動作として、住戸内における内線呼出し、すなわち、親機/増設ラインL4a、L4b、・・・を経由して接続される居室親機3a、3b、・・・及び増設親機4a、4b、・・・の相互間で呼出し、通話をさせることもでき、これらの動作時において送受信される呼出し・呼出応答のための制御信号や音声信号についての信号処理を、第1、2の各動作に示された同様な処理で実行可能となる。
【0080】
前述までの説明から明らかなように、本発明の実施例によれば、集合住宅の住戸毎に設けられる玄関子機2a、2b、・・・及び居室親機3a、3b、・・・の間を接続する配線である子機/親機ラインL3a、L3b、・・・と制御機5から住戸へ引込まれる配線である住戸ラインL2とを当該玄関子機の機器内に設けられる双方向結合型子機分岐器27にて結合させて共用化することにより、住戸ラインL2より信号パワーの一部を分岐させるとともに子機/親機ラインL3a、L3b、・・・より信号パワーを混合させることができるため、配線の省線化及びシステム構成の簡素化が図られるばかりでなく、制御機5から住戸ラインL2、玄関子機2a、2b、・・・、子機/親機ラインL3a、L3b、・・・を経由して居室親機3a、3b、・・・に伝送される信号に係るフレーム構成において、スロット間のガードインターバルを最小とすることができ、当該フレーム構成の効率化が可能となることにより、配線上を伝送される信号の容量(伝送容量)を十分に確保できる。
【0081】
また、本発明の実施例によれば、集合住宅の住戸内毎に設けられる玄関子機2a、2b、・・・及び居室親機3a、3b、・・・の間を接続する配線である子機/親機ラインL3a、L3b、・・・と当該居室親機から増設親機4a、4b、・・・へ引込まれる配線である親機/増設ラインL4a、L4b、・・・とを当該居室親機の機器内に設けられる双方向結合型親機分岐器37にて結合させて共用化することにより、親機/増設ラインL4a、L4b、・・・より信号パワーの一部を分岐させるとともに子機/親機ラインL3a、L3b、・・・より信号パワーを混合させることができるため、配線の省線化及びシステム構成の簡素化が図られるばかりでなく、増設親機4a、4b、・・・から親機/増設ラインL4a、L4b、・・・を経由して居室親機3a、3b、・・・に伝送される信号に係るフレーム構成において、スロット間のガードインターバルを最小とすることができ、当該フレーム構成の効率化が可能となることにより、配線上を伝送される信号の容量(伝送容量)を十分に確保できる。
【0082】
なお、本発明の集合住宅インターホン装置においては、特定の実施の形態をもって説明してきたが、この形態に限定されるものでなく、本発明の効果を奏する限り、これまで知られた如何なる構成の当該装置であっても採用できるということはいうまでもないことである。
【0083】
具体的に、本発明の実施例によれば、集合玄関機1又は自住戸の玄関子機2a、2b、・・・からの呼出しに応答して音声信号を送受信することで通話を成立させるとともに集合玄関機1及び(自住戸の)玄関子機2a、2b、・・・のうち少なくとも集合玄関機1にて生成される映像信号を出画するために住戸内に設けられる機器として、居室親機3a、3b、・・・及び当該居室親機に親機/増設ラインL4a、L4b、・・・を経由して接続される増設親機4a、4b、・・・を適用したが、この態様に限定されるものではない。例えば、住戸内に増設親機4a、4b、・・・が不備とされる態様であってもよい。
【0084】
また、本発明の実施例によれば、玄関子機2a、2b、・・・の態様として、映像撮像部21を有する当該玄関子機を適用したが、この態様に限定されるものではなく、映像撮像部21を不備とすることもできる。
【0085】
さらに、本発明の実施例によれば、玄関子機2a、2b、・・・の双方向結合型子機分岐器27を構成する子機トランス27a、居室親機3a、3b、・・・の双方向結合型親機分岐器37を構成する親機トランス37a、及び増設親機4a、4b、・・・の終端型増設分岐器47を構成する増設トランス47aはそれぞれ、その態様として図5(A)の回路ブロック図に示すように、住戸ラインL2上の分岐点と子機信号処理部27bとの間の信号伝送路を形成するような当該トランス、親機/増設ラインL4a、L4b、・・・上の分岐点と親機信号処理部37b/増設信号処理部47bとの間の信号伝送路を形成するような当該トランスを適用したが、この態様に限定されるものではない。例えば、図5(B)の回路ブロック図に示すように、住戸ラインL2、親機/増設ラインL4a、L4b、・・・の各ライン上に子機トランス27a、親機トランス37a及び増設トランス47aをそれぞれ設ける態様であってもよい。
【符号の説明】
【0086】
1……集合玄関機
2a、2b、・・・……玄関子機
27……双方向結合型子機分岐器
27a……子機トランス
27b……子機信号処理部
270……子機上流側受信回路
271……子機上流側デフレーマ
272……子機下流側フレーマ
273……子機下流側送信回路
274……子機下流側受信回路
275……子機下流側デフレーマ
276……子機上流側フレーマ
277……子機上流側送信回路
278……子機マルチプレクサ/デマルチプレクサ
3a、3b、・・・……居室親機
37……双方向結合型親機分岐器
37a……親機トランス
37b……親機信号処理部
370……親機下流側受信回路
371……親機下流側デフレーマ
372……親機上流側フレーマ
373……親機上流側送信回路
374……親機上流側受信回路
375……親機上流側デフレーマ
376……親機下流側フレーマ
377……親機下流側送信回路
378……親機マルチプレクサ/デマルチプレクサ
4a、4b、・・・……増設親機
5……制御機
L1……集合玄関ライン
L2……住戸ライン
L3a、L3b、・・・……子機/親機ライン
L4a、L4b、・・・……親機/増設ライン

【特許請求の範囲】
【請求項1】
集合住宅の集合玄関に設置される集合玄関機(1)と、前記集合住宅の複数の住戸の住戸玄関にそれぞれ設置される玄関子機(2a、2b、・・・)と、前記集合玄関機又は前記玄関子機からの呼び出しに応答して音声信号を送受信することで通話を成立させるとともに前記集合玄関機及び前記玄関子機のうち少なくとも前記集合玄関機にて生成される映像信号を出画するために前記複数の住戸の住戸内にそれぞれ設置される居室親機(3a、3b、・・・)と、集合玄関ライン(L1)を経由して接続される前記集合玄関機、住戸ライン(L2)を経由して接続される前記玄関子機をそれぞれ制御するための制御機(5)とを有する集合住宅インターホン装置であって、
前記玄関子機は、前記制御機に接続される前記住戸ラインを引込み自住戸の前記居室親機に接続される子機/親機ライン(L3a、L3b、・・・)と結合し、自玄関子機又は前記住戸ラインを経由して接続される前記制御機から前記子機/親機ラインを経由して接続される前記居室親機への信号伝送路と、自玄関子機又は前記子機/親機ラインを経由して接続される前記居室親機から前記住戸ラインを経由して接続される前記制御機への信号伝送路とをそれぞれ形成するための双方向結合型子機分岐器(27)を備えることにより、前記住戸ラインより信号パワーの一部を分岐させるとともに前記子機/親機ラインより信号パワーを混合させることを特徴とする集合住宅インターホン装置。
【請求項2】
前記双方向結合型子機分岐器は、前記住戸ラインを経由して前記制御機との間で送受信される信号を入出力するための子機トランス(27a)と、前記子機トランスに入力される信号のデフレーム処理と復調又は復号化を行うことで前記音声信号、前記映像信号、前記呼出しのための制御信号等の各種データを再生するとともに、前記再生された各種データのフレーム処理と変調又は符号化を行い前記子機/親機ラインに送出するための子機信号処理部(27b)とを備えることを特徴とする請求項1記載の集合住宅インターホン装置。
【請求項3】
前記子機信号処理部は、前記子機トランスに入力された信号を復調して下り方向の伝送フレームを検出するための子機上流側受信回路(270)と、前記子機上流側受信回路にて検出された前記下り方向の伝送フレームから前記音声信号、前記映像信号、前記呼出しのための制御信号等の各種データを取出すための子機上流側デフレーマ(271)と、前記子機上流側デフレーマにて取出された前記各種データを前記子機/親機ラインを経由して前記居室親機に伝送させる下り方向の伝送フレームに割当てるための子機下流側フレーマ(272)と、前記子機下流側フレーマの出力信号を変調して前記子機/親機ラインに送出するための子機下流側送信回路(273)と、前記子機/親機ラインを経由して入力された信号を復調して上り方向の伝送フレームを検出するための子機下流側受信回路(274)と、前記子機下流側受信回路にて検出された前記上り方向の伝送フレームから前記音声信号、呼出応答のための制御信号等の各種データを取出すための子機下流側デフレーマ(275)と、前記子機下流側デフレーマにて取出された前記各種データを前記住戸ラインを経由して前記制御機に伝送させる上り方向の伝送フレームに割当てるための子機上流側フレーマ(276)と、前記子機上流側フレーマの出力信号を変調して前記子機トランスに送出するための子機上流側送信回路(277)と、前記子機上流側デフレーマから前記子機下流側フレーマへの信号伝送路、前記子機下流側デフレーマから前記子機上流側フレーマへの信号伝送路をそれぞれ形成して前記各種データの交換を行うための子機マルチプレクサ/デマルチプレクサ(278)とを有することを特徴とする請求項2記載の集合住宅インターホン装置。
【請求項4】
前記居室親機は、親機/増設ライン(L4a、L4b、・・・)を経由して増設親機(4a、4b、・・・)に接続され、
前記居室親機は、前記増設親機に接続される前記親機/増設ラインを引込み前記子機/親機と結合し、自居室親機又は前記子機/親機ラインを経由して接続される前記玄関子機から前記親機/増設ラインを経由して接続される前記増設親機への信号伝送路と、自居室親機又は前記親機/増設ラインを経由して接続される増設親機から前記子機/親機ラインを経由して接続される前記玄関子機への信号伝送路とをそれぞれ形成するための双方向結合型居室親機分岐器(37)を備えることにより、前記親機/増設ラインより信号パワーの一部を分岐させるとともに前記子機/親機ラインより信号パワーを混合させることを特徴とする請求項1乃至請求項3のうち何れか1項記載の集合住宅インターホン装置。
【請求項5】
前記双方向結合型親機分岐器は、前記親機/増設ラインを経由して前記増設親機との間で送受信される信号を入出力するための親機トランス(37a)と、前記親機トランスを経由して入力される信号のデフレーム処理と復調又は復号化を行うことで前記音声信号、呼出し・呼出応答のための制御信号等の各種データを再生するとともに、前記再生された各種データのフレーム処理と変調又は符号化を行い前記親機/増設ラインに送出するための親機信号処理部(37b)とを備えることを特徴とする請求項4記載の集合住宅インターホン装置。
【請求項6】
前記親機信号処理部は、前記親機トランスに入力された信号を復調して下り方向の伝送フレームを検出するための親機下流側受信回路(370)と、前記親機下流側受信回路にて検出された上り方向の伝送フレームから前記音声信号、前記呼出し・呼出応答のための制御信号等の前記各種データを取出すための親機下流側デフレーマ(371)と、前記親機下流側デフレーマにて取出された前記各種データを前記子機/親機ラインを経由して前記玄関子機に伝送させる上り方向の伝送フレームに割当てるための親機上流側フレーマ(372)と、前記親機上流側フレーマ3の出力信号を変調して前記子機/親機ラインに送出するための親機上流側送信回路(373)と、前記子機/親機ラインを経由して前記玄関子機より入力された信号を復調して下り方向の伝送フレームを検出するためのもの親機上流側受信回路(374)と、前記親機上流側受信回路にて検出された下り方向の伝送フレームから前記音声信号、前記映像信号、前記呼出しのための制御信号等の各種データを取り出すための親機上流側デフレーマ(375)と、前記親機上流側デフレーマにて取出された各種データを前記親機/増設ラインを経由して前記増設親機に伝送させる下り方向の伝送フレームに割り当てるための親機下流側フレーマ(376)と、前記親機下流側フレーマの出力信号を変調して前記親機トランスに送出するための親機下流側送信回路(377)と、前記親機下流側デフレーマから前記親機上流側フレーマへの信号伝送路、前記親機上流側デフレーマから前記親機下流側フレーマへの信号伝送路をそれぞれ形成して各種データの交換を行うための親機マルチプレククサ/デマルチプレクサ(378)とを有することを特徴とする請求項5記載の集合住宅インターホン装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2013−74524(P2013−74524A)
【公開日】平成25年4月22日(2013.4.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−213045(P2011−213045)
【出願日】平成23年9月28日(2011.9.28)
【出願人】(000100908)アイホン株式会社 (777)
【Fターム(参考)】