説明

集塵フィルター及びこれを用いた空気清浄装置

【課題】フィルター濾材の油分により目詰まりや、油分に付着する粉塵などによる集塵効率を低下する事無く長期間圧力損失の上昇を抑え、また油分による悪臭の放出を抑えた集塵フィルターを得ることを目的とする。
【解決手段】油成分を分解する微生物1を充填したセラミック体2をフィルター濾材3に接着保持したことにより、セラミック体2の孔中の微生物1が空気中の湿分により活動を開始し、フィルター濾材3表面の油の成分を分解することにより、油によるフィルター濾材3の目詰まりを防ぎフィルター濾材の寿命を長くすることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、集塵フィルター上で微生物による油分解に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、この種の空気清浄装置は、土中菌などの微生物を担持体に入れ、栄養分と水分を定期的に供給し世代交代をしながら製品を維持するものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
以下、その空気清浄装置を図16を参照しながら説明する。
【0004】
図に示すように、本体101は、微生物を担持する担持体102と、土壌103と上澄み液104を入れるトレイ105とトレイ105から担持体102上部をつなぐ散水管106と上澄み液104を担持体102上部に運ぶポンプ107と、担持体102の水分量を測定するセンサー108とセンサー108の値によりポンプ107を制御する制御装置109と、本体101の下方向から空気を取り入れる空気取り入れ口110と、ファン111により空気を本体101より排出する空気排出口112からなる。
【0005】
ポンプ107により送られた土壌103の栄養素を含んだ上澄み液104を散水管106により担持体102の上部より散水される。それにより担持体に付着している微生物が維持され、ファン111により空気取り入れ口110より本体101に取り込まれた空気を空気清浄し空気出口112より排出される。微生物の維持にはセンサー108により担持体102の水分量を確認し制御装置109によりポンプ107を動かし行う。
【特許文献1】特開2002−315817号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
このような従来の空気清浄装置では、微生物の維持には、水分や栄養が不可欠で、水分や栄養を微生物に適時供給するためにはポンプやセンサーが必要であり、そのため土壌の交換などの定期的なメンテナンスが必要となってくるという課題がある。
【0007】
また、微生物に害のある気体が送り込まれた場合、担体上の微生物がすべて同時に死滅してしまうという課題がある。
【0008】
本発明はこのような従来の課題を解決するものであり、メンテナンスを容易にし、微生物を一定数以上維持する空気清浄装置を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の集塵フィルターは上記目的を達成するために、油成分を分解する微生物を休眠状態でセラミック体の孔に充填したものである。
【0010】
この手段により、大気中の湿分により微生物が徐々に活動するため、微生物の維持に別の装置が必要なく、メンテナンスが容易にできる集塵フィルターが得られる。
【0011】
また、他の手段は高吸水性ポリマーをセラミック体に充填したことを特徴としたものである。
【0012】
この手段により、空気中の湿分をより効率的に微生物に供給できる集塵フィルターが得られる。
【0013】
また、他の手段はセラミック体を有機物のコーティング剤でコーティングしたものである。
【0014】
この手段により、セラミック体の孔の中で微生物を休眠状態のまま維持でき、装置の寿命を延ばすことができる。また、フィルターに加工する際、コーティングされているので水に溶かして加工できるため加工性が向上する集塵フィルターが得られる。
【0015】
また、他の手段は有機物のコーティング剤の厚みをセラミック体毎に変化させたものである。
【0016】
この手段により有機物コーティング剤の劣化による剥離に差が生じ、長期間同等の能力を維持することができる集塵フィルターが得られる。
【0017】
また、他の手段はセラミック体に防カビ剤、または抗菌剤、またはその両方を充填したことを特徴としたものである。
【0018】
この手段によりフィルターに付着した油分にカビ、菌の繁殖が抑えられ、繁殖により油分が硬くなり分解が困難になることが抑えられ、また他のカビ、菌の繁殖により油分を分解する微生物の繁殖を妨げることのない集塵フィルターが得られる。
【0019】
また、他の手段はセラミック体に芳香剤、または消臭剤、またはその両方を充填したことを特徴としたものである。
【0020】
この手段により、フィルターに付着した油分からの悪臭を消臭し、また微生物が油分を分解する際に出す臭いを消臭することのできる集塵フィルターが得られる。
【0021】
また、他の手段はセラミック体の栄養剤を充填したことを特長としたものである。
【0022】
この手段により、フィルターに付着した油分が少ない場合に微生物の活動を維持することができる集塵フィルターが得られる。
【0023】
また、油分を吸収する繊維のネットをフィルター表面に配し、ネットに接するように微生物を充填したセラミック体を配したものである。
【0024】
これにより、フィルターに付着する油分の大部分がネットに吸収され、ネットに接する微生物により効率的に分解される集塵フィルターが得られる。
【0025】
また、他の手段はヒーターと送風機を設け、温風をフィルターに送るものである。
【0026】
この手段により、温風で微生物が活性化し、またフィルターに付着した油分が軟化することにより油分の分解が促進される空気清浄装置が得られる。
【0027】
また、他の手段はタイマーを設置しヒーターの稼働時間を規定したものである。
【0028】
これにより、目的の時間に微生物による油分の分解をより推進できる空気清浄装置が得られる。
【0029】
また、他の手段は差圧センサーを設け、フィルターの前後の圧力を確認し、その差圧が一定の値を超えた場合、ヒーターを稼動させるものである。
【0030】
これにより、油分によりフィルターの目がつまった場合にヒーターを駆動し、効率の良い油成分分解を行うことのできる空気清浄装置が得られる。
【0031】
また、他の手段は水を貯蔵するタンクと水を微細化し噴霧する霧化装置を設け、微細水滴をフィルター表面に噴霧させたものである。
【0032】
これにより、フィルター表面に微細な水が付着し、油分が付着しにくくなる、また微生物が活性化し、油分表面が軟化し油分の分解が促進される空気清浄装置が得られる。
【0033】
また、他の手段は水を貯蔵するタンクに熱源を設け、熱源により貯蔵された水をお湯にし、お湯を微細化水滴としてフィルターに噴霧させたものである。
【0034】
これにより、微生物の活性が上がり、また油分表面が軟化し油分の分解が促進される空気清浄装置が得られる。
【0035】
また、他の手段は高吸水性ポリマーを接着したプレフィルターをフィルターの風上に配したものである。
【0036】
これにより、空気中の湿分をプレフィルターにトラップし、送風される空気が乾燥した場合、トラップされた湿分がはなされフィルターに供給され、微生物が乾燥により維持されなくなることを防止する空気清浄装置が得られる。
【0037】
また、有機物のコーティング剤に酸化チタンを混入し、近傍に紫外線ランプを配したものである。
【0038】
これにより、有機物のコーティング剥離を光触媒反応により計画的に制御でき、装置の寿命を制御できる空気清浄装置が得られる。
【発明の効果】
【0039】
本発明によれば、微生物の維持のために水分や栄養の供給装置を設けず、交換作業などの定期的なメンテナンスを不要にした集塵フィルターを提供することができる。
【0040】
また、常に一定数以上の微生物の活性状態を維持した集塵フィルターを供給することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0041】
本発明の請求項1記載の発明は、油成分を分解する微生物を充填したセラミック体を、フィルター濾材に接着保持したものであり、これにより、空気中の湿分により微生物が徐々に活動するため、微生物の維持のために水分や栄養の供給装置を設けず、定期的なメンテナンスが不要となる効果がある。
【0042】
また、高吸水性ポリマーをセラミック体に充填したものであり、これにより、空気中の湿分をより効率的に微生物に供給できるという効果が得られる。
【0043】
また、セラミック体を有機物のコーティング剤でコーティングしたものであり、セラミック体の孔の中で微生物を休眠状態のまま維持でき、装置の寿命を延ばすことができる。
【0044】
さらに、フィルターに加工する際、コーティングされているので水に溶かして加工できるため加工性が向上する効果がある。
【0045】
また、有機物のコーティング剤の厚みをセラミック体毎に変化させたものであり、有機物コーティング剤の劣化による剥離に差が生じ、微生物の休眠から活動状態への移行時期を分散させることができる。
【0046】
また、セラミック体に防カビ剤、または抗菌剤、またはその両方を充填したことを特長としたものであり、フィルターに付着した油分にカビ、菌の繁殖が抑えられ、繁殖により油分が硬くなり分解が困難になることが抑えられ、また他のカビ、菌の繁殖により油分を分解する微生物の繁殖を妨げることのないという効果がある。
【0047】
また、セラミック体に芳香剤、または消臭剤、またはその両方を充填したことを特徴としたものであり、 フィルターに付着した油分からの悪臭を消臭し、また微生物が油分を分解する際に出す臭いを消臭する効果がある。
【0048】
また、セラミック体に栄養剤を充填したことを特徴としたものであり、フィルターに付着した油分が少ない場合に微生物の活動を維持する効果がある。
【0049】
また、油分を吸収する繊維のネットをフィルター表面に配し、ネットに接するように微生物を充填したセラミック体を配したものでありフィルターに付着する油分の大部分がネットに吸収され、ネットに接する微生物により効率的に分解される効果がある。
【0050】
また、ヒーターと送風機を設け、温風をフィルターに送るものであり、温風で微生物が活性化し、またフィルターに付着した油分が軟化することにより油分の分解が促進される効果がある。
【0051】
また、タイマーを設置しヒーターの稼働時間を規定したものであり、目的の時間に微生物による油分の分解をより推進できる効果がある。
【0052】
また、差圧センサーを設け、フィルターの前後の圧力を確認し、その差圧が一定の値を超えた場合、ヒーターを稼動させるものであり、油分によりフィルターの目がつまった場合にヒーターを駆動し、効率の良い油成分分解を行う効果がある。
【0053】
また、水を貯蔵するタンクと水を微細化し噴霧する霧化装置を設け、微細水滴をフィルター表面に噴霧させたものであり、フィルター表面に微細な水が付着し、油分が付着しにくくなる、また微生物が活性化し、油分表面が軟化し油分の分解が促進される効果がある。
【0054】
また、水を貯蔵するタンクに熱源を設け、熱源により貯蔵された水をお湯にし、お湯を微細化水滴としてフィルターに噴霧させたものであり、微生物の活性が上がり、また油分表面が軟化し油分の分解が促進される効果がある。
【0055】
また、高吸水性ポリマーを接着したプレフィルターをフィルターの風上に配したものであり、空気中の湿分をプレフィルターにトラップし、送風される空気が乾燥した場合、トラップされた湿分がはなされフィルターに供給され、微生物が乾燥により維持されなくなることを防止する効果がある。
【0056】
また、有機物のコーティング剤に酸化チタンを混入し、近傍に紫外線ランプを配したものであり、有機物のコーティング剥離を光触媒反応により計画的に制御でき、装置の寿命を制御できる効果がある。
【0057】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。
【0058】
(実施の形態1)
図1に示すように、油分を分解する微生物1と微生物1を充填するセラミック体2とフィルター濾材3とフィルター濾材3とセラミック体2を接着する接着剤4からなる。
【0059】
微生物1を休眠状態でセラミック体2の孔に充填する。充填方法としては、休眠中の微生物1と未担持のセラミック体2を同じポットに入れて攪拌する方法などがある。セラミック体2をフィルター濾材3の表面にセラミック体2を接着剤4で覆わないように接着する。接着剤4は樹脂系のバインダーなどがあり、全体を覆わないピンポイントでの接着やネット状の接着が好ましい。
【0060】
微生物は好気性の油分解菌であればよく、菌種菌株は特定しない。たとえば、日立化成(株)のバイオ製剤などがある。
【0061】
上記構成において空気中に粉塵と共に浮遊している油分や、タバコの煙に含まれるタールなどが送風により、フィルター濾材3の表面に付着する。セラミック体2の孔中の微生物1が空気中の湿分により活動を開始し、フィルター濾材3表面の油の成分を分解することにより、油によるフィルター濾材3の目詰まりを防ぎフィルター濾材の寿命を長くすることができる。
【0062】
さらに、微生物を維持するための水分や栄養を適時供給する、ポンプやセンサ等の供給装置が不要であり、装置の定期的なメンテナンスも不要となる。 さらに、微生物の活動開始に時間差があるため、微生物に害のあるガスが送り込まれた場合においても微生物が全滅することはない。
【0063】
(実施の形態2)
実施の形態1と同一部分は同一符号を付し詳細な説明は省略する。
【0064】
図2に示すように、セラミック体2の孔に微生物1と供に高吸水性ポリマー5を充填し、フィルター濾材3に接着する。
【0065】
高吸水性ポリマーの例として、ポリアクリル酸ナトリウムおよびそれを含む化合物などがある。
【0066】
高吸水性ポリマー5は微生物1と同じ孔でも、別の孔に充填されても良い。
【0067】
上記構成において、空気中に湿分が大量にある場合は、空気中の湿分により微生物が活動と同時に、高吸水性ポリマーが湿分を吸収し蓄える。また、空気中に湿分が少ない場合は、高吸水性ポリマーに蓄えられた湿分が濃度勾配により放湿されたものを微生物1に供給することにより、微生物1が活動することができる。
【0068】
このように、高湿、低湿の場合でも、微生物1に連続で効率的な湿分を供給でき、微生物1の活動時間を長くすることができ、フィルター濾材3上での油分分解効率を上げることができる。
【0069】
(実施の形態3)
実施の形態1または2と同一部分は同一符号を付し詳細な説明は省略する。
【0070】
図3に示すように微生物1を充填したセラミック体2の表面に椰子油などの有機物のコーティング剤6でコーティングする。
【0071】
上記構成において、有機物のコーティング剤は空気中の酸素による酸化剥離や、通風による剥離などにより徐々にセラミック体2より剥離し、それにより、セラミック体2の孔中の微生物が空気に触れ、徐々に休眠状態から活性状態になる。このことにより、微生物1に悪影響を与える気体等がフィルターに接触しても、微生物1が全滅することが無く、また長期間しようできる装置を得ることができる。
【0072】
また、セラミック体2が有機物のコーティング剤6の状態で加工できるため、水に分散させフィルター濾材3に塗布できるため、加工性も向上する。
【0073】
(実施の形態4)
実施の形態1乃至3と同一部分は同一符号を付し詳細な説明は省略する。
【0074】
図4に示すように、コーティング剤6の厚みをセラミック体2毎に変化させる。
【0075】
上記構成において、コーティング剤6の劣化に時間差を持たせることができ、計画的に必要な微生物1を活性状態にすることができ、長期間均一な油分解能力を有することができる。
【0076】
(実施の形態5)
実施の形態1乃至4と同一部分は同一符号を付し詳細な説明は省略する。
【0077】
図5に示すように、セラミック体2の孔に微生物1を充填したものと、セラミック体2の孔に防カビ剤7、または抗菌剤8、またはその両方を充填したものを同時にフィルター濾材3に接着したものである。
【0078】
上記構成によりフィルター濾材3に付着した油分にカビ、菌の繁殖が抑えられ、また菌、カビの繁殖により油分が硬くなり微生物により油分解が困難になることが抑えられる。また他のカビ、菌の繁殖により油分を分解する微生物の繁殖を妨げることを抑制できる。このことにより、フィルター濾材3上で効率的な油分解が可能となる。
【0079】
(実施の形態6)
実施の形態1乃至5と同一部分は同一符号を付し詳細な説明は省略する。
【0080】
図6に示すように、セラミック体2の孔に微生物1を充填したものと、セラミック体2の孔に芳香剤9、または消臭剤10、またはその両方を充填したものを同時にフィルター濾材3に接着したものである。
【0081】
上記構成によりフィルター濾材3に付着した油分からの悪臭を消臭し、また微生物1が油分を分解する際に出す臭いを消臭することのでき、悪臭の放出を抑制することができる。
【0082】
(実施の形態7)
実施の形態1乃至6と同一部分は同一符号を付し詳細な説明は省略する。
【0083】
図7に示すように、セラミック体2の孔に微生物1を充填したものと、セラミック体2の孔に栄養剤11を充填したものを同時にフィルター濾材3に接着したものである。
【0084】
上記構成によりフィルター濾材3に微生物1の栄養素となる油分の付着が少ない場合に微生物1の活動を維持することができ、油分が定常的に付着しない場合場合でも、油分解の能力を維持することができる。
【0085】
(実施の形態8)
実施の形態1乃至7と同一部分は同一符号を付し詳細な説明は省略する。
【0086】
図15に示すように油分を吸収する繊維のネット22をフィルター濾材3表面に配し、ネット22に接するように微生物1を充填したセラミック体2を配したものである。
【0087】
上記構成によりフィルター濾材3に付着する油分の大部分がネット22に吸収され、ネット22に接する微生物1により効率的に分解される。
【0088】
(実施の形態9)
実施の形態1乃至8と同一部分は同一符号を付し詳細な説明は省略する。
【0089】
図8に示すようにヒーター12と送風機13を設け、温風をフィルター濾材3に送るものである。
【0090】
上記構成により温風で微生物1が活性化し、またフィルター濾材3に付着した油分が軟化することにより油分の分解を促進することができる。
【0091】
ヒーター12は空気を暖めることができればよく、たとえばシーズヒーターなどがある。
【0092】
(実施の形態10)
実施の形態1乃至9と同一部分は同一符号を付し詳細な説明は省略する。
【0093】
図10に示すようにタイマー14を設置しヒーター12の稼働時間を規定したものである。
【0094】
上記手段により目的の時間に微生物1による油分の分解をより推進でき、油分分解時に発生する臭気をたとえば人のいない時間帯に放出するなど、生活シーン応じた油分分解が可能となる。
【0095】
(実施の形態11)
実施の形態1乃至10と同一部分は同一符号を付し詳細な説明は省略する。
【0096】
図11に示すように差圧センサー15を設け、フィルター濾材3の前後の圧力を確認し、その差圧が一定の値を超えた場合、ヒーター12を稼動させるものである。
【0097】
上記構成により油分によりフィルター濾材3の目がつまった場合にヒーター12を駆動し、急速に微生物1を活性化させまた油分を軟化させることにより効率の良い油分分解を行うことができる。
【0098】
(実施の形態12)
実施の形態1乃至11と同一部分は同一符号を付し詳細な説明は省略する。
【0099】
図12に示すように水を貯蔵するタンク16と水を微細化し噴霧する霧化装置17を設け、微細水滴をフィルター濾材3表面に噴霧させる。
【0100】
上記構成によりフィルター濾材3表面に微細な水が付着し油分が付着しにくくなる、また微生物1が活性化し、また油分表面が高価しにくくなり油分の分解が促進される。
【0101】
(実施の形態13)
実施の形態1乃至12と同一部分は同一符号を付し詳細な説明は省略する。
【0102】
図13に示すように水を貯蔵するタンク16に熱源18を設け、熱源により貯蔵された水を温水にし、温水を微細化水滴としてフィルター濾材3に噴霧させたものである。
【0103】
上記構成によりフィルター濾材3表面に微細な温水が付着し油分が付着しにくくなる、また微生物1の活性が上がり、また温水により油分表面が軟化し油分の分解が促進されるる。
【0104】
(実施の形態14)
実施の形態1乃至13と同一部分は同一符号を付し詳細な説明は省略する。
【0105】
図14に示すように高吸水性ポリマー5を接着したプレフィルター19をフィルター濾材3の風上に配したものである。
【0106】
上記構成により空気中の湿分をプレフィルター19にトラップし、送風される空気が乾燥した場合、プレフィルター19にトラップされた湿分がはなされフィルター濾材3に供給され、微生物1が空気の乾燥により活性を維持されなくなることを防止することができる。
【0107】
(実施の形態15)
実施の形態1乃至14と同一部分は同一符号を付し詳細な説明は省略する。
【0108】
図15に示すように有機物のコーティング剤6に酸化チタン20を混入し、近傍に紫外線ランプ21を配したものである。
【0109】
上記構成により有機物のコーティング剤6の剥離を紫外線ランプ21より紫外線を照射することによる酸化チタン20の光触媒酸化反応により制御でき、装置の寿命を計画的に制御できる。
【産業上の利用可能性】
【0110】
油分により目詰まりや、油分に付着する粉塵などによる集塵効率を低下する事無く長期間圧力損失の上昇を抑え、また油分による悪臭の放出を抑えた集塵フィルターを得られる。
【図面の簡単な説明】
【0111】
【図1】本発明の実施の形態1の概略構成図
【図2】本発明の実施の形態2の概略構成図
【図3】本発明の実施の形態3の概略構成図
【図4】本発明の実施の形態4の概略構成図
【図5】本発明の実施の形態5の概略構成図
【図6】本発明の実施の形態6の概略構成図
【図7】本発明の実施の形態7の概略構成図
【図8】本発明の実施の形態8の概略構成図
【図9】本発明の実施の形態9の概略構成図
【図10】本発明の実施の形態10の概略構成図
【図11】本発明の実施の形態11の概略構成図
【図12】本発明の実施の形態12の概略構成図
【図13】本発明の実施の形態13の概略構成図
【図14】本発明の実施の形態14の概略構成図
【図15】本発明の実施の形態15の概略構成図
【図16】従来の技術の概略構成図
【符号の説明】
【0112】
1 微生物
2 セラミック体
3 フィルター濾材
4 接着剤
5 高吸水性ポリマー
6 コーティング剤
7 防カビ剤
8 抗菌剤
9 芳香剤
10 消臭剤
11 栄養剤
12 ヒーター
13 送風機
14 タイマー
15 差圧センサー
16 タンク
17 霧化装置
18 熱源
19 プレフィルター
20 酸化チタン
21 紫外線ランプ
22 ネット
101 本体
102 担持体
103 土壌
104 上澄み液
105 トレイ
106 散水管
107 ポンプ
108 センサー
109 制御装置
110 空気取り入れ口
111 ファン
112 空気出口

【特許請求の範囲】
【請求項1】
油成分を分解する微生物を充填したセラミック体を、フィルター濾材に接着保持したことを特徴とする集塵フィルター。
【請求項2】
高吸水性ポリマーを前記セラミック体に充填したことを特徴とする請求項1記載の集塵フィルター。
【請求項3】
前記セラミック体を有機物のコーティング剤でコーティングした請求項1または2に記載の集塵フィルター。
【請求項4】
前記コーティング剤の厚みを前記セラミック体の個体別に変える請求項3記載の集塵フィルター。
【請求項5】
前記セラミック体に抗菌剤と防カビ剤を充填することを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の集塵フィルター。
【請求項6】
前記セラミック体に芳香剤または消臭剤を充填することを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載の集塵フィルター。
【請求項7】
前記セラミック体に微生物の栄養剤を充填することを特徴とする請求項1から6のいずれか1項に記載の集塵フィルター。
【請求項8】
油分吸収繊維のネットをフィルター濾材表面に接着し、前記ネットに接するように微生物を充填したセラミック体を配した請求項1から7のいずれか1項に記載の集塵フィルター。
【請求項9】
請求項1から8のいずれか1項に記載の集塵フィルターとヒーターと送風機を備え、前記ヒーターは前記集塵フィルターと前記送風機の間に設けた空気清浄装置。
【請求項10】
ヒーターの稼動時間を調整するタイマーを設けた請求項9記載の空気清浄装置。
【請求項11】
集塵フィルター前後の差圧を計る差圧センサーを設けた請求項9または10記載の空気清浄装置。
【請求項12】
請求項1から8のいずれか1項に記載の集塵フィルターと水を貯蔵するタンクと、水を微細化し噴霧する霧化装置と送風機を備え、前記送風機と前記集塵フィルターの間に前記無化装置を設けた空気清浄装置。
【請求項13】
前記タンク内に貯蔵した水を加熱する熱源を設けた請求項12記載の空気清浄装置。
【請求項14】
請求項1から8のいずれか1項に記載の集塵フィルターと高吸水性ポリマーを接着したプレフィルターと送風機備え、前記集塵フィルターと前期送風機の間に前記プレフィルターを設置した空気清浄装置。
【請求項15】
請求項3から8のいずれか1項に記載の集塵フィルターのコーティング剤に酸化チタンを混入したものと紫外線ランプと送風機を備え、前記集塵フィルターと前期送風機の間に紫外線ランプを設けた空気清浄装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate

【図15】
image rotate

【図16】
image rotate


【公開番号】特開2009−165976(P2009−165976A)
【公開日】平成21年7月30日(2009.7.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−7711(P2008−7711)
【出願日】平成20年1月17日(2008.1.17)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】